JP4050125B2 - 強制空気冷却装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸気口にフィルタを着脱可能に取付ける構造の空気冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から吸気口にフィルタを取付けた構造の空気冷却装置が知られている。このような空気冷却装置において吸気口にフィルタを取り付けるには、フィルタを外枠に取り付け、これを空気冷却装置の側盤にボルトで固定していた。
【0003】
しかしこの方法では、フィルタをある程度、強固に固定する必要から、高い強度のフィルタの枠を用い、取り付けにボルトなどを用いるので、交換作業も複雑となった。したがって、フィルタの交換時に当該空気冷却装置を有するシステムや機器の運転を停止させる必要があることもあって、交換作業にも時間がかかった。また、このような空気冷却装置を1台は予備機としてスタンバイさせるような、二重システムにおいては、通常これらが隣接して設置されているので一方の交換作業に危険が伴うなどの問題があり、やはり容易にシステムの切り替えができないという問題があった。
【0004】
フィルタをボルト等で取り付けなくてもよいように、フィルタ枠にヒンジ付きのフィルタカバーを設け、この中にフィルタエレメントを設置するもの(特許文献1、参照)も知られている。しかし、この構造を有する装置でも、フィルタ枠を固定することが困難であり、またフィルタ枠は強固な構造とする必要があるという問題があった。
【0005】
【特許文献1】
・特開平11−108410(図2)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の空気冷却装置における上述のような問題点に鑑みてなされたもので、フィルタを容易に交換することができ、フィルタ交換作業時のシステム停止時間を最小にすることにより、安全性と保守性を向上させると共に、システム全体の運用における信頼性を向上させた強制空気冷却装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1によれば、矩形の吸気口を有し、この吸気口にファンが取り付けられた装置本体と、
前記吸気口の対向する2辺に設けられ、頭頂部が下部よりも大なる径を有する複数のフィルタ保持部材と、
前記対向するフィルタ保持部材間に着脱自在に挿着され、前記フィルタ保持部材の頭頂部によりフィルタ設置面の前後方向に固定されるフィルタ外枠と、
このフィルタ外枠に取着されたフィルタと、
前記フィルタ外枠の前記複数のそれぞれのフィルタ保持部材に対向する位置に形成され、前面に凹状の半円部を有するスプリングが取着された切り込み部とを具備し、
前記フィルタ外枠を前記装置本体の前記フィルタ保持部材間に挿着すると、前記フィルタ保持部材の下部が前記スプリングに抗して前記凹状の半円部内に固定されることを特徴とする強制空気冷却装置を提供する。
【0008】
本発明の請求項2によれば、前記フィルタ外枠の着脱可能な方向の辺に取手を有することを特徴とする請求項1記載の強制空気冷却装置を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1(a)(b)に、本発明による空気冷却装置の一実施形態の平面図及び側面図を示す。即ち、この空気冷却装置は、装置本体101と、電動モータとそれにより回転して空気を捕らえる羽根を有する空気冷却ファン102と、空気冷却ファン102により流動する空気を浄化するフィルタ103と、このフィルタ103を装置本体101に留めるフィルタ保持部材104と、フィルタ103の着脱時に手がかりとして用いるフィルタスライド取手105とから構成される。
【0010】
ここで、この実施形態における装置本体101とフィルタ103の装着の仕方を従来の場合と比較しながら説明する。図5(a)(b)に従来の場合の構成例を示す。即ち、この空気冷却装置は、装置本体501と、電動モーターとそれにより回転して空気を捕らえる羽根を有する強制空気冷却ファン502と、空気冷却ファン502により流動する空気を浄化するフィルタ503と、このフィルタ503を装置本体501に固定するボルト504とから成る。
【0011】
フィルタ503は、ボルト504により装置本体501に強固に取り付けられるので、強度面では問題ないがメンテナンス性を著しく欠くことになり、またフィルタ503の枠が強固にできている必要がある。これに対して上記本発明の実施形態では、フィルタ保持部材104を用いることにより解決する。
【0012】
図2(a)(b)(c)に、この実施形態におけるフィルタ保持部材104の構造の一例を示す。図2(a)(b)は平面図、側面図であり、同図(c)はフィルタ保持部材近辺の拡大図である。フィルタ103の外枠に切り込み部201とスプリング式のフック受け部202を設ける。これによりフィルタ保持部材104の下部(図においては二重円の内側の円)に引っ掛かり固定する。フック受け部202は加重を加えると内側に引っ込むスプリング式であるのでフィルタ103の取り付け時のスライド操作では内側に引っ込むことによりフィルタ保持部材104の下部を通過させフック受け部202の凹状の半円部分で止まって左右方向と上下方向の固定ができる。また、フィルタ保持部材104は側面図から理解されるように頭頂部が下部より径が大きくなっている。この頭頂部がフィルタ103を抑え、フィルタ103を装置本体101のフィルタ設置面の前後方向に固定できる。
【0013】
以上のべたように、フィルタ103は強制空気冷却装置101の吸気口の面に平行なフィルタ設置面にスライドさせて装着し、フィルタ保持部材104により固定される。この固定は従来のボルトを用いたものと異なり、容易に取り外しが可能であるためフィルタ103の交換作業など、メンテナンス性を非常に高くすることができる。
【0014】
なお、図2に示した本発明の一実施形態では左右方向(横方向)に装着していた。しかしフィルタ保持部材104の配置を変えれば、上下方向(縦方向)に装着することも可能である。
【0015】
フィルタ保持部材の構造は他の形態であってもよい。例えば図3に示す一実施形態はフィルタ103を縦方向に装着する場合である。同図(a)は平面図、同図(b)は側面図である。このフィルタ保持部材301の構造は図4に示したようなものとなる。図4(a)は平面図、図4(b)は断面図である。フィルタ保持部材301は、装置本体101のフィルタ設置面に左右両側と底部に置かれ、フィルタ103を受け止め、頂部かぎ状の部分で前後方向と左右方向を固定し、フィルタ103の自重をフィルタ保持部材301で受け止めることにより上下方向を固定する。
【0016】
なお、図1に示した一実施形態におけるフィルタ保持部材は、頭頂部がその下部よりも一様に大きい径を有する形状としていた、このような形状のフィルタ保持部材を用いれば、フィルタを確実に保持できる利点がある。しかし、本発明ではこのような形状のフィルタ保持部材に限らず、例えば頭頂部を最も最大径とし徐々に径を小さくした形状のフィルタ保持部材を用いることもできる。
【0017】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、フィルタの吸気口への取り付けを容易にし、フィルタ交換作業をより安全に、交換作業時間も短縮しシステムの安全性と保守性を向上させられる効果がある。また、フィルタ交換作業時のシステム停止時間を最小にすることによって、システム全体の運用における信頼性を向上させた強制空気冷却装置が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における一実施形態の構成を説明するための図。
【図2】本発明においてフィルタを横方向に装着する実施形態を説明するための図。
【図3】本発明においてフィルタを縦方向に装着する実施形態を説明するための図。
【図4】図3の実施形態に用いるフィルタ保持部材の構成を説明するための図。
【図5】空気冷却装置の従来例の構成を説明するための図。
【符号の説明】
101、201・・・装置本体、
102・・・空気冷却ファン、
103・・・フィルタ、
104,301・・・フィルタ保持部材、
105・・・フィルタスライド取手、
201・・・切り込み部、
202・・・フック受け部。

Claims (2)

  1. 矩形の吸気口を有し、この吸気口にファンが取り付けられた装置本体と、
    前記吸気口の対向する2辺に設けられ、頭頂部が下部よりも大なる径を有する複数のフィルタ保持部材と、
    前記対向するフィルタ保持部材間に着脱自在に挿着され、前記フィルタ保持部材の頭頂部によりフィルタ設置面の前後方向に固定されるフィルタ外枠と、
    このフィルタ外枠に取着されたフィルタと、
    前記フィルタ外枠の前記複数のそれぞれのフィルタ保持部材に対向する位置に形成され、前面に凹状の半円部を有するスプリングが取着された切り込み部とを具備し、
    前記フィルタ外枠を前記装置本体の前記フィルタ保持部材間に挿着すると、前記フィルタ保持部材の下部が前記スプリングに抗して前記凹状の半円部内に固定されることを特徴とする強制空気冷却装置。
  2. 前記フィルタ外枠の着脱可能な方向の辺に取手を有することを特徴とする請求項1記載の強制空気冷却装置。
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