JP4049915B2 - モータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は新規なモータに関する。詳しくは、薄型化を図る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のモータを図4に示す。
【0003】
ケースa内にステータbが固定されており、該ステータbの中心部にハウジングcが一体に突設されている。
【0004】
そして、上記ハウジングcにコイル基板dが外嵌状に固定されている。該コイル基板d上に巻線コイルe、e、・・・が配設され、また、コイル基板dの下面に電子部品f、f、・・・が搭載されている。また、2本の電源用コードg、gがコイル基板d下面の図示しない電源端子に接続されている。さらに、コイル基板dと巻線コイルe、e、・・・との間にはヨークhが配設されている。
【0005】
上記ハウジングcの上半部にはシールドタイプのボールベアリングiが圧入固定されている。該ボールベアリングiにロータ軸jが圧入されている。そして、該ロータ軸jの上端部がロータヨークkの中心孔lに圧入され、該ロータヨークkの下面にロータマグネットmが上記巻線コイルe、e、・・・と対向するように取着されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来のモータにあっては、コイル基板d上に巻線コイルe、e、・・・をマウントしていたため、薄型化が困難であった。また、パッケージタイプの電子部品f、f、・・・を使用していたことも薄型化を困難としていた。
【0007】
また、+、−2本の電源用コードg、gをコイル基板dに接続していたため、薄型化を困難としていた。
【0008】
さらに、ステータb、コイル基板d、ボールベアリングiの位置決めがそれぞれバラバラに為されていたため、組立不良の発生率が高いという問題があった。
さらにまた、ステータbとコイル基板dとが離間して配置されているため、コイル基板dにそりが出やすく、電子部品f、f、・・・を使用すると、信頼性を損なうおそれがあるという問題があった。
【0009】
そこで、本発明は、モータの薄型化を図ることを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明モータは、上記した課題を解決するために、ステータコイルとロータマグネットとが回転軸の軸方向で対向したモータであって、上記ステータコイルが絶縁基材の内部にコイル巻線を埋設してなるラミネートコイルであり、ロータ軸をハウジングに支持されたシールドレスベアリングを介してステータに支持すると共に、上記ハウジングにシールドレスベアリングの一端を閉塞する閉塞部を設け、上記ステータに上記ラミネートコイルを接合し、上記ステータの中心孔の内径が上記ラミネータコイルの中心孔の内径より僅かに大きく、上記ハウジングのフランジ部が上記ラミネートコイルの中心孔の上側開口縁に当接するまで圧入され、上記ラミネートコイルのセンタリングがなされたことを特徴とする。
【0011】
従って、本発明モータにあっては、ステータコイルにラミネートコイルを使用したので、モータの薄型化が可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明モータの実施の形態を添付図面を参照して説明する。なお、図示した実施の形態は本発明をファン部がロータに一体化されたファンモータ1に適用したものである。
【0013】
ステータ2は磁性材料で形成され、ヨークとして機能する。該ステータ2には適宜に切欠孔2a、2a、・・・が形成されている。
【0014】
上記ステータ2の上面にはステータコイルとして絶縁基材の内部にコイル巻線が埋設状に配置されて成るラミネートコイル3が配設されている。該ラミネートコイル3は両面が部品マウント面とされたタイプのものであり、上下両面に電子部品4、4、・・・がマウント(搭載)されている。このように電子部品4、4、・・・をラミネートコイル3にマウントすることにより、ラミネートコイル3の他に電子部品4、4、・・・をマウントするための専用の基板を設ける必要がなく、これによりファンモータ1の薄型化を図ることができる。
【0015】
なお、これら電子部品4、4、・・・はベアチップタイプのものが使用され、幾つかのものは上記ステータ2の切欠孔2a、2a、・・・やラミネートコイル3に形成された穴3a内に配設されている。
【0016】
電子部品4、4、・・・にパッケージを有しないベアチップを使用したり、また、電子部品4、4、・・・をステータ2の切欠孔2a、2a、・・・内やラミネートコイル3に形成した穴3a内に配置することによって、ラミネートコイル3の厚さ方向における回路部の寸法を小さくすることができ、従って、ファンモータ1の厚さを薄くすることができる。
【0017】
電源用フレキシブルプリント基板5がラミネートコイル3の下面に設けられた図示しない電源端子に接続されている。
【0018】
電源供給手段として、従来の電源用コードに替えてフレキシブルプリント基板5を使用することによってもモータ1の薄型化を図ることが出来る。なお、電子部品4、4、・・・はラミネートコイル3にではなく、フレキシブルプリント基板5にマウントするようにすることもできる。この場合、各電子部品4、4、・・・をラミネートコイル3に設けた穴内に配置するようにすると良い。このようにすることによってより一層の薄型化を図ることが出来る。
【0019】
ラミネートコイル3はステータ2上に接合されてステータ2と一体化されている。ラミネートコイル3とステータ2との接合の手段は、接着、ネジ止め、カシメ等適宜の手段によって良い。
【0020】
ラミネートコイル3をステータ2に接合することによって、ラミネートコイル3のそりを防止することができ、該ラミネートコイル3にマウントされた電子部品4、4、・・・の信頼性が高くなる。
【0021】
そして、互いに接合されて一体化されたラミネートコイル3の中心孔3bとステータ2の中心孔2bとは、その中心が一致しており、ステータ2の中心孔2bの内径がラミネートコイル3の中心孔3aの内径より僅かに大きくされている。
【0022】
ハウジング6はほぼ軸方向長さの短い円筒状を為し、上端部に外方へ突出したフランジ部6aが、また、下端部に内方へ突出した内フランジ6bがそれぞれ一体に形成されている。かかるハウジング6がラミネートコイル3の中心孔3bにフランジ部6aがラミネートコイル3の中心孔3aの上側開口縁に当接するまで圧入され、これによって、ラミネートコイル3のセンタリングが為され、また、ステータ2もラミネートコイル3を介して位置決めされる。このように、ハウジング6によってラミネートコイル3とステータ2のセンタリングが為されることによって、ラミネートコイル3とステータ2の位置精度が良好となる。
【0023】
シールドが施されていないボールベアリング、すなわち、シールドレスベアリング7が上記ハウジング6に上方から圧入固定される。そして、シールドレスベアリング7のアウターレース7aの下端面とハウジング6の内フランジ6bとの間には振動吸収用のワッシャー8が介挿される。そして、ワッシャー8の内周部がシールドレスベアリング7のボール7c、7c、・・・配置部の下方を覆うように位置される。尚、ワッシャー8は振動吸収の役割の他、例えば、ベアリング7内への異物の侵入を防止する役割をも果たすものである。
【0024】
上記したハウジング6は液晶ポリマーで形成されており、これによって、ロータが回転するときの振動がハウジング6によって吸収されて、騒音が軽減される。ハウジング6の液晶ポリマーとしては、例えば、ゼライト1110(デュポン社の商品名)が用いられる。また、上記ワッシャー8によっても振動の吸収が図られて、騒音が軽減される。なお、ハウジング6の材質が液晶ポリマーに限られるものではないことは勿論である。
【0025】
ロータ9はロータ軸10、ロータヨーク11及びロータマグネット12から成る。
【0026】
ロータヨーク11はほぼ円板状を為しており、中心部を下方へやや突出させて厚肉部11aが形成され、該厚肉部11aのさらに中心部に下方へ突出したボス部11bが形成され、該ボス部11bが形成された部分に中心孔11cが形成されている。
【0027】
上記ロータ軸10の上端部がロータヨーク11の中心孔11cに圧入固定され、また、ロータ軸10の下端部が上記シールドレスベアリング7のインナーレースに上方から圧入固定されている。そして、ロータヨーク11のボス部11bの下面とシールドレスベアリング7のインナーレース7b上面との間に振動吸収用のワッシャー13が介挿され、該ワッシャー13の外周部がシールドレスベアリング7のボール7c、7c、・・・配置部の上方を覆うように位置される。
【0028】
そして、ロータ軸10のシールドレスベアリング7から下方に突出した部分に形成された環状の溝10aに抜け止めリング14が係合され、これによって、ロータ軸10の上方への抜けが防止される。
【0029】
ロータマグネット12はほぼドーナツ状をしており、上記ロータヨーク11の下面に固定される。
【0030】
そして、外周面に周方向に並んで羽根15a、15a、・・・が突設されたファン部15が上記ロータヨーク11及びロータマグネット12に外嵌状に固定されている。
【0031】
なお、上記したように、シールドレスベアリング7はハウジング6に圧入固定されているが、その固定はそれほど強固なものでなくても、ロータマグネット12がその吸引力によってステータ2に引きつけられることとシールドレスベアリング7のアウターレース7aがハウジング6の内フランジ6bに当接することによって、ハウジング6から脱落しないようになっている。
【0032】
上記したファンモータ1にあっては、ステータコイルにラミネートコイル3を使用したので、全体の形状の薄型化を図ることが出来る。
【0033】
ラミネートコイル3の上下両面に電子部品4、4、・・・をマウントすることが可能であり、部品配置の自由度が増す。
【0034】
また、ラミネートコイル3に形成した穴3a内に電子部品4、4、・・・を配置したり、ステータ2の板厚の範囲内にベアチップをマウントすることでさらに薄型化を図ることが出来る。
【0035】
さらに、軸受にシールドレスベアリング7を使用し、その両端を振動吸収用のワッシャー8、13によって閉塞するようにしたので、シールドタイプのボールベアリングを使用する場合に比較して薄型化を図ることが出来る。すなわち、シールドレスベアリング7にはシールドのための部材の配置スペースが不要となる分軸方向長さが短くなるし、また、ワッシャー8、13は板状をしたものでであるので、その配置のためのスペースはシールド用部材の配置スペースより厚み方向の大きさがはるかに小さなもので足りるからである。
【0036】
なお、シールドレスベアリング7のシールドのための構造は、上記したものの他幾つかのものが考えられる。
【0037】
例えば、図2に示すように、ハウジング6Aの内フランジ6Abの突出量を大きくし、該内フランジ6Abの内周部がシールドレスベアリング7のボール7c、7c、・・・配置部の下端を覆うようにしても良い。
【0038】
また、図3に示すように、ロータ軸10Bのシールドレスベアリング7から下方に突出した部分にワッシャー8Bを取着し、ハウジング6Bの上端部にワッシャー13Bを内嵌し、上記ワッシャー8Bによってシールドレスベアリング7のボール7c、7c、・・・配置部の下端を覆うようにし、また、上記ワッシャー13Bによってシールドレスベアリング7のボール7c、7c、・・・配置部の上端を覆うようにしても良い。
【0039】
また、ハウジング6を液晶ポリマーによって形成することによって、ロータ9の回転に伴う振動が吸収され、駆動音の静かなファンモータを得ることができる。
【0040】
さらに、ステータ2にラミネートコイル3を接合することによって、ラミネートコイル3の平面度が確実に維持され、ラミネートコイル3にマウントされた電子部品4、4、・・・の信頼性が増す。
【0041】
なお、上記した実施の形態において示した各部の形状乃至構造は、何れも本発明を実施するに際して行う具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって、本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【0042】
【発明の効果】
以上に記載したところから明らかなように、本発明モータは、ステータコイルとロータマグネットとが回転軸の軸方向で対向したモータであって、上記ステータコイルが絶縁基材の内部にコイル巻線を埋設してなるラミネートコイルであることを特徴とする。
【0043】
従って、本発明モータにあっては、ステータコイルにラミネートコイル3を使用したので、コイル基板の上に巻線コイルを配置したものに比較して全体の形状の薄型化を図ることが出来る。
【0044】
請求項2に記載した発明にあっては、ロータ軸をハウジングに支持されたシールドレスベアリングを介してステータに支持すると共に、上記ハウジングにシールドレスベアリングの一端を閉塞する閉塞部を設けたので、シールドタイプのボールベアリングを使用する場合に比較して薄型化を図ることが出来る。
【0045】
請求項3に記載した発明にあっては、上記シールドレスベアリングとロータとの間にワッシャーを介在させ、該ワッシャーがシールドレスベアリングの他端を閉塞するようにしたので、さらなる薄型化を図ることが出来る。
【0046】
請求項4及び請求項5に記載した発明にあっては、上記ハウジングを液晶ポリマーによって形成したので、ロータの回転に伴う振動を吸収して駆動音の静かなモータを得ることができる。
【0047】
請求項6乃至請求項10に記載した発明にあっては、ステータにラミネートコイルを接合したので、ラミネートコイルの平面度が確実に維持され、該ラミネートコイルにマウントされた電子部品の信頼性が増大する。
【0048】
請求項11乃至請求項20に記載した発明にあっては、ラミネートコイルの少なくとも一方の面に電子部品を搭載したので、ラミネートコイルの他に電子部品をマウントするための専用の基板を設ける必要がなく、これによりモータの薄型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2及び図3と共に本発明モータの実施の形態を示すものであり、本図は全体の縦断面図である。
【図2】ハウジングの一部によってシールドレスベアリングの下端部を閉塞する構造を示す要部の断面図である。
【図3】シールドレスベアリングの上下両端を閉塞する構造の別の例を示す要部の断面図である。
【図4】従来のモータの一例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1…ファンモータ(モータ)、2…ステータ、3…ラミネートコイル、4…電子部品、6…ハウジング、7…シールドレスベアリング、8…ワッシャー、9…ロータ、10…ロータ軸、12…ロータマグネット、13…ワッシャー、6A…ハウジング、6Ab…内フランジ(閉塞部)、6B…ハウジング、8B…ワッシャー、10B…ロータ軸、13B…ワッシャー

Claims (2)

  1. ステータコイルとロータマグネットとが回転軸の軸方向で対向したモータであって、上記ステータコイルが絶縁基材の内部にコイル巻線を埋設してなるラミネートコイルであり、
    ロータ軸をハウジングに支持されたシールドレスベアリングを介してステータに支持すると共に、上記ハウジングにシールドレスベアリングの一端を閉塞する閉塞部を設け、
    上記ステータに上記ラミネートコイルを接合し、
    上記ステータの中心孔の内径が上記ラミネータコイルの中心孔の内径より僅かに大きく、上記ハウジングのフランジ部が上記ラミネートコイルの中心孔の上側開口縁に当接するまで圧入され、上記ラミネートコイルのセンタリングがなされたことを特徴とするモータ。
  2. 上記ラミネートコイルの少なくとも一方の面に電子部品を搭載し、当該電子部品が上記ステータの切欠孔内または上記ラミネートコイルに形成した穴内に搭載されたことを特徴とする請求項1に記載のモータ。
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