JP4049665B2 - カラー光量増幅装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンズを通して光学像を撮影する撮像技術に関し、特に微弱光をカラー可視映像に変換するカラー光量増幅装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光量が少ない条件下で高感度撮影を可能とするものとして微弱光を増幅するイメージインテンシファイヤ(光電子増幅管)を用いた光量増幅装置が知られている。イメージインテンシファイヤとは、微弱光から光電効果作用により光電子を発生させ、これを加速し運動エネルギを増大後、これを蛍光膜に衝突させ増幅された可視光を得るものである。図14を参照してイメージインテンシファイヤを用いた従来の光量増幅装置10cの構成および原理について説明する。まず、対物レンズ6cにより結像された被写体4の光学像は、光電陰極15cの面上に投影され、そして光が電子に変換され、真空状態のイメージインテンシファイヤ3c内部に放出される。
【0003】
次に、真空中に放出された光電子は、光電陰極15cから蛍光面17cの方向に印加された直流電界によって加速され、蛍光面17cに衝突する。このとき、電子の持つエネルギが光に再変換される。これにより、被写体4の微弱光による像は、輝度分布に比例して増幅され、可視像として蛍光面17c上に形成され、接眼レンズ7cを経由し、現実より明るく観測者8に観測されることとなる。この明るさの倍率は約50倍程度になる。
【0004】
以上説明した原理に基づいた、従来の光量増幅装置は、主にモノクロ画像を対象としたものであるが、カラー撮影を可能とするカラー光量増幅装置としては次にあげる方式がある。第一の例は、レンズの後ろに色分解光学系を挿入し、赤(R)、緑(G)、青(B)の光学像に分解し、それぞれをイメージインテンシファイヤで増幅した後、撮像素子で光電変換する、いわゆる三板撮像方式のものである(例えば、特許文献1参照)。図面は省略するが、前記三板撮像方式によれば、被写体からの微弱光は、レンズ後方に設けられたダイクロイックプリズムの作用により光が三方向に分岐され、色の三原色のフィルタのうちいずれか一つを付した三つの撮像素子により検出されることとなる。そして、得られたR画像、G画像、B画像を合成してカラー可視映像を得るカラー光量増幅装置である。
【0005】
第二の例は、イメージインテンシファイヤ装置前面に三色のカラーフィルタを順次挿入する方法である(例えば、特許文献1、2参照)。これによれば、図面は省略するが、RGBのカラーフィルタが扇状に120°ずつ区切られた円形フィルタを軸中心に回転させR画像、G画像、B画像を得、これらを合成してカラー可視映像を得る。そして、RGBそれぞれのカラーフィルタの介在時間を調整することで色バランスの調整を可能としたカラー光量増幅装置である。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−64208号公報(第3−5頁、図1、図12)
【特許文献2】
特開平8−223588号公報(第3−5頁、図1、図2)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、以上述べた従来のカラー光量増幅装置は、原理的に次に述べるような問題があった。第一の例における三板撮像方式を用いた場合、三つの撮像素子の位置を正確に合わせなければならない点、ならびに撮像素子およびイメージインテンシファイヤをそれぞれ三個必要とすることで、装置が大型化、およびコスト高となる点が欠点である。
【0008】
また、第二の例であるカラー光量増幅装置の場合も、イメージインテンシファイヤのモノクロ出力画像を一度、撮像素子で電気信号に変換し、信号処理により色情報を分離・再生し、モニタ上でカラー映像を見るといった構成となる為、装置の大型化が避けられない。以上のように、簡単にカラー映像を見ることができない点、設備全体としてコスト高になる点において第一の例における三板撮像方式の場合と同様の問題があった。
【0009】
さらに、本来、光量増幅装置は、非常に微弱な光源下で明るい映像を簡易に見ることができる特長を生かして、夜間の屋外での野生動物観察や暗視カメラとしての用途を主流とする。しかし、従来のカラー光量増幅装置における装置の大型化は、このような実施に困難をきたすとして問題である。
本発明は、以上の問題点を解決することを目的としてなされたものであり、小型で低コストなカラー光量増幅装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記した目的を達成するために創案されたものであり、まず請求項1に記載のカラー光量増幅装置は、色の三原色に各々対応するカラーフィルタが規則的に配列してなるカラーフィルタアレイ膜と、前記カラーフィルタを透過した透過光が光電子に変換され、増幅された後に衝突して、三原色中いずれか一色を発光する蛍光体が規則的に配列してなる蛍光膜と、を有するカラー光量増幅装置であって、前記カラーフィルタ、および前記蛍光体は、同一の色順、ピッチおよびパターンに配列され、三原色中いずれか一色の前記カラーフィルタの透過光から変換された前記光電子が同色の前記蛍光体に衝突するように、前記カラーフィルタアレイ膜と前記蛍光膜とを、対向して配置することとした。
【0011】
かかる構成によれば、対物レンズを通して入射した被写体の光学像は、カラーフィルタアレイ膜の作用により、三原色に分離され、各色に対応した単色光による輝度分布が光電陰極上に形成され、輝度に応じた光電子が放出される。そして、電界作用により、運動エネルギを増加させた光電子は、これを発生させた光が透過したカラーフィルタと同色の蛍光体に衝突しこれを発光させる。そのため、入射した被写体の微弱光による光学像は、光量が増幅された相似形のカラー可視映像に変換され観測されることとなる。
【0012】
さらに、請求項1に記載のカラー光量増幅装置は、電圧の印加により光学変調する短冊形状の複数の光変調素子が前記蛍光膜上の蛍光体配列に沿って規則的に平面状に配置してなるシャッタと、このシャッタを挟着する偏光板と、からなるシャッタアレイを有し、前記シャッタアレイには、前記シャッタと前記偏光板との機能に基づいて、前記蛍光体の発光を遮光または透過する複数の開口部分が形成され、前記複数の開口部分は、その各配置位置が、前記複数の蛍光体の各々に対応し、前記遮光/透過を切り替えて輝度調整を三原色ごとに独立に実行し色バランス調整することとした。
【0013】
かかる構成によれば、同一の蛍光体配列に対応した複数の光変調素子に対し、同期して高周波駆動のパルス電圧を印加することで、対応する一群の開口部分の遮光または透過動作を同期して行える。この動作を高速で繰返し連続し、さらにパルス期間を可変することにより、蛍光体が発する光量調整をシャッタアレイの制御により可能とする。そして、RGB各色に対応する光変調素子は、それぞれ独立にパルス制御されることにより、RGB各色はそれぞれ独立に輝度調整がなされ、カラー可視映像の色バランスの最適化が実行されることとなる。
【0014】
さらに、請求項2に記載のカラー光量増幅装置は、請求項1に記載のカラー光量増幅装置において、前記カラーフィルタおよび前記蛍光体の配列は、色の三原色が水平方向に一定の順番で繰り返されるとともに、垂直方向に同色で配列された縦ストライプ配列であり、前記シャッタは、前記光変調素子の長手方向が前記蛍光体の同色配列方向に一致する位置に配置して構成されていることとした。
【0015】
かかる構成によれば、対物レンズを通して入射した被写体の光学像は、三原色のうちいずれか一色の単色光で、縦ストライプ形状の輝度分布が連続して形成された光学像として光電陰極上に投影され、輝度に応じた光電子が放出される。そして、電界作用により、運動エネルギを増加させた光電子は、この光電子を発生させた光が透過したカラーフィルタと同色で同じく縦ストライプ配列の蛍光体に衝突し発光させる。以上により入射した被写体の微弱光による光学像は、光量が増幅された相似形のカラー可視映像として変換される。そして、このカラー可視映像を形成する蛍光体のうち同色に対応して配置しているシャッタアレイの開口部分が、印加した高周波駆動パルス電圧のパルス期間に同期して開閉し、各色毎に出力時間を制御し、RGB各色の輝度調整を可能とする。これにより、RGBそれぞれ独立に輝度出力の調整を行い、出力されるカラー可視映像の色バランスの最適化を行うことが可能となる。
【0016】
そして、請求項3に記載のカラー光量増幅装置は、請求項1に記載のカラー光量増幅装置において、前記カラーフィルタおよび前記蛍光体の配列は、色の三原色によるベイヤ配列であり、前記シャッタは、前記光変調素子の長手方向が前記蛍光体の斜め方向に一致する位置に配置して構成される第1シャッタと、垂直方向に一致する位置に配置して構成される第2シャッタとの二枚よりなるものであり、前記偏光板は、前記第1、第2シャッタを交互に挟む三枚よりなるものであり、前記開口部分は、前記第1シャッタおよび前記第2シャッタを構成するそれぞれの前記光変調素子が交差する部分に対応して形成されていることとした。
【0017】
かかる構成によれば、フィルタアレイ膜を構成するカラーフィルタの配列は、ある行を水平方向にRGRGの連続とし、次の行を水平方向にGBGBの連続として交互に繰り返してなるベイヤ配列となる。これにより、RとBに対しGのカラーフィルタの密度は二倍となり、さらにGの配色は斜めパターンとなる。また、シャッタアレイは、第1シャッタにおいて光変調素子が蛍光膜上の斜めラインであるGラインもしくはR/Bラインに一致し、また第2シャッタにおいて、縦ラインであるRラインもしくはBラインに一致し構成される。これにより、斜めラインと縦ラインとの交差部分が開口部分を形成し、この開口部分を蛍光膜上のRGB各色に対応させることで、対応するRGBを各色毎に独立に遮光/透過することが可能となる。そして、各シャッタを構成する光変調素子に印加する電圧パルスのパルス期間を変えることで、RGB各色毎に輝度調整し、カラー可視映像のカラー調整を行うことが可能となる。
【0018】
また請求項4に記載のカラー光量増幅装置は、請求項1乃至請求項3のうちいずれか一項に記載のカラー光量増幅装置において、前記光変調素子はPLZT素子であることとした。
【0019】
かかる構成によれば、光量増幅装置を構成するシャッタは短冊形状のPLZTが規則的に平面上に配列した構成をとることとなる。これにより、カー効果を利用した極めて応答の速いシャッタが実現され、輝度出力調整の為のシャッタ開閉を高速化することが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
(第一の実施の形態)
図1は、本発明における第一の実施形態であるカラー光量増幅装置10の基本構成を示す構成断面図である。図1に示すようにカラー光量増幅装置10は、シャッタアレイ駆動回路2a、可変電圧器5、対物レンズ6、接眼レンズ7、およびイメージインテンシファイヤ3から構成される。そしてこのイメージインテンシファイヤ3は、カラーフィルタアレイ膜13、入射光透過板14、および光電陰極15からなる光入射面12と、蛍光膜17、可視光透過板18、およびシャッタアレイ19からなる出力面16とが平行に対峙した構造を有する。また、被写体4の位置は実際上、対物レンズ6と光入射面12の間隔に比べてカラー光量増幅装置10から充分間隔をおいて位置しているものとする。そして、観測者8は目を接眼レンズ7に近接させ、このレンズを通して被写体のカラー可視像を観測しているものとする。
【0021】
ここで、入射光透過板14と可視光透過板18とは互いに電気的に絶縁され光透過性を有する例えばガラス板のような一対の平行面である。そして、入射光透過板14の内部側には光電陰極15が、外側にはカラーフィルタアレイ膜13が装着され全体として光入射面12を構成している。また、可視光透過板18の内側には蛍光膜17が、外側にはシャッタアレイ19が、装着され全体として出力面16を構成している。
【0022】
そして蛍光膜17または可視光透過板18のどちらか一方の片面は導電性処理が施されており、可変電圧器5により電圧が印加されると光電陰極15と蛍光膜17との間に電界が形成される。また、イメージインテンシファイヤ3全体は、その内部が真空状態であることをふまえて、大気圧に耐えられる充分な密封性と強度をかねそなえているものとする。
【0023】
以下、図面を用いてイメージインテンシファイヤ3を構成する各部分について適宜図1を参照しながら説明する。
図2は、イメージインテンシファイヤ3(図1)における光入射面12部分の側面断面図と正面図とを示す図である。図2はイメージインテンシファイヤ3(図1)の外面に設置されたカラーフィルタアレイ膜13と内面に設置された光電陰極15とを示している。そしてカラーフィルタアレイ膜13は縦長の短冊状のR(赤)G(緑)B(青)のカラーフィルタ22R、同22G、同22Bをそれぞれ規則的に連続的に配列して全体を構成している。なお、以降、前記カラーフィルタを示す場合において特に色を特定する必要がない時は、単にカラーフィルタ22と記すこととする。
【0024】
光電陰極15は、光電効果に基づき光量に応じて光電子を放出するもので光入射面12に入射しカラーフィルタアレイ膜13を透過した被写体4からの光信号を電気信号に変換する作用を有する。また、光電陰極15は、純金属物質、アルカリハライド等の絶縁物、アルカリ金属複合体、またはIII−V族半導体などの材料からなり、そして可変電圧器5の陰極に接続され蛍光膜17(図1)との間で平行平板電極を構成する。
【0025】
図3は、イメージインテンシファイヤ3(図1)における出力面16部分の側面断面図と正面図とを示す図である。図3は出力面16の外面に設置されたシャッタアレイ19と、そして内面に設置された蛍光膜17とを示している。そして蛍光膜17はテレビジョンのブラウン管と同様、R(赤)、G(緑)、B(青)の三原色を発光する短冊形状の蛍光体33R、同33G、同33Bが色毎に規則的に連続的に配置して構成され、ガラス製の可視光透過板18の内側に設置されている。なお、以降、前記蛍光体を示す場合において特に色を特定する必要がない時は、単に蛍光体22と記すこととする。
【0026】
また、これらRGB各色の蛍光体33は、図3に示すように(適宜図2を参照)カラーフィルタ22のRGBと同一の色順、ピッチならびにパターンで配列され、蛍光膜17は、カラーフィルタアレイ膜13(図2)上のRGB各色に位置的に対応して配置されていることとする。これにより、光電陰極15上で発生した光電子は、電界に沿って直進する為、光電子は、変換前の入射光が透過したカラーフィルタ22と同色の蛍光体33に入射し、発光体を発光させる。このように、光入射面12において光信号から電気信号に変換された情報は、出力面16において増幅された光信号すなわち可視光に変換されることとなる。次に、蛍光体33が発する光は、可視光透過板18の外側に配置した後述するシャッタアレイ19とこれに接続するシャッタ駆動回路2aにより色毎に輝度調節されることとなる。
【0027】
図4は、蛍光膜17(図1)の表面を拡大した拡大図である。図4における遮光部42は、黒色で幅Tを有するものであってRGBの蛍光体33R、同G、同B各々の境界部分に挿入されている。これは、光電陰極15(図1)から出射した色情報を持った光電子が、多少広がりをもって蛍光膜17に到達した際に、隣接した蛍光体33R、同G、同Bに異色の情報を有する電子が衝突しておこす干渉を防止する機能を有するものである。この遮光部42の幅Tは、電子の広がり具合、蛍光体33の発光効率、および画面全体の明るさ等を総合的に判断して最適値が設定される。
【0028】
次に、図5および図6を用いて、シャッタアレイ19の構成について説明する。図5は、シャッタアレイ19の構成を分離して示す斜視図である。図に示すようにシャッタアレイ19は、光を遮光/透過の切り替え機能を奏するシャッタ53として光変調素子であるPLZT板53と第1、第2の偏光板(55、57)とから構成される。
【0029】
このPLZT板53とは強誘電性セラミックであるジルコン酸チタン酸鉛製のパネルであり、この両面を挟むように二色性を示すシート状偏光材である第1、第2の偏光板(55、57)が偏光方向を同方向として設置されている。また、PLZT板53には、シャッタ制御を行う為のシャッタアレイ駆動回路2aが接続されている。なお、図5においてPLZT板53と第1、第2の偏光板(55、57)とは分離して表示されているが、三者は積層され一体化して全体としてシャッタアレイ19を構成している。
【0030】
図6はシャッタ(PLZT板)53の詳細な構成を示す詳細図である。二次元平面のシャッタ53は、複数の短冊状の構成単位である光変調素子から構成されている。また、光変調素子はPLZT素子63であり、蛍光体33(図3)と同じピッチ、パターン、および位置的な対応を維持しつつ配置されていることとする。さらに、このPLZT素子63は、同色の蛍光体33に対応するPLZT素子63R、同63G、同63Bごとに、並列にシャッタ電極66R、同66G、同66Bに連結されていることとする。なお、以降これら並列にシャッタ電極に連結し、電極への電圧印加に同期して動作する一群のPLZT素子をカラムと総称することとする。また、前記PLZT素子を示す場合において特に対応色を特定する必要がない時は、それぞれ単にPLZT素子63と記すこととする。
【0031】
ここで、PLZT板53は、可視光や赤外光を良く透過する性質を有する。そして、シャッタ電極66R、同66G、同66Bに電圧が印加されていない場合、第1、第2の偏光板(55、57)(図5)は偏光方向が同じである為、シャッタアレイ19に入射した光は光強度をそれほど減ずることなくシャッタアレイ19を通過する。次に、例えばR光用シャッタ電極66Rに電圧を印加するとRの蛍光体33R(図3)に対応するカラム63Rに電界が付与され、カー効果によりPLZT素子63Rは光学的等方性状態から複屈折の状態へと転移する。
【0032】
そして、第1の偏光板55(図5)を通過した光は、偏光板の偏光方向に偏光面が直線偏光されており、電界が付与されているPLZT素子63に入光すると、通過光の偏光面がπ/2回転するので、偏光方向が第1の偏光板と同じである第2の偏光板57を透過できない。これにより、各々のシャッタ電極66R、同66G、同66Bに印加する電圧をON/OFFすることでシャッタアレイ19(図5)は、RGBの蛍光体33の出射光をRGBの色毎に独立に、遮光/透過するシャッタ機能を奏することとなる。
【0033】
また、後記するようにシャッタアレイ駆動回路2a(図5)によりPLZT素子63にパルス状の電圧が印加され、高速に遮光/透過が繰り返され、パルス期間を変更することで遮光期の調整が可能となる。これにより、シャッタアレイ19を透過する光の透過率を調整し、輝度調整をシャッタアレイ駆動回路2aの制御により行うことが可能となる。このようにして、シャッタ機能を担う各色PLZT素子63の遮光期間を調整することにより、RGBの輝度調整を独立して行い、色バランスを調整し、良好な色再現をもつカラー映像を得ることができる。
【0034】
次に、本実施形態におけるカラー光量増幅装置10の動作について、被写体からの微弱光が、カラー可視映像として観測されるまでの流れに沿って説明する。図1において、被写体4からの微弱光は、対物レンズ6を経由してイメージインテンシファイヤ3の光入射面12に入射し、カラーフィルタアレイ膜13を透過する。この透過光は、透過した短冊形状のカラーフィルタ22(図2)の各色に対応したRGBのうちいずれか一つの単色光が交互にストライプ状に整列した被写体4の像の輝度分布となって光電陰極15の表面に投影される。
【0035】
そして、光電陰極15は、面上投影された像の輝度に応じた量の光電子を放出し、すなわち、光電陰極15上において、光信号が電子信号に変換されることとなる。次に、この光電子は、可変電圧器5によりイメージインテンシファイヤ3内部に形成された電界により直進加速し、運動エネルギが増幅された後、蛍光膜17に衝突しこれを発光させ、出力面16上に増幅された被写体4のカラー映像を映し出す。
【0036】
なお、光電子が衝突する蛍光膜17上の蛍光体33(図3)は、この光電子を発生させた光が透過したカラーフィルタ22(図2)と同色で位置的に対応したものとなっている。ところでこの光電子は、イメージインテンシファイヤ3(図1)内に形成される電界に沿って直進するが、わずかに拡散する。このため、カラーフィルタ22(図2)の境界近傍を透過した光が発生させた光電子は、隣接する異色の蛍光体33の領域に飛び込む可能性がある。
【0037】
これに起因した画像劣化を回避する為に、異色蛍光体の境界部には幅Tなる不感帯領域である遮光部42(図4)が設けられ、そして、この領域においては光電子を検出しない。以上により、被写体4からの微弱な反射光は増幅され、出力面16において肉眼にて観測可能な被写体4のカラー光学像となるが、この光学像の色調は、実際の被写体のオリジナル色調と比較して異なる場合がある。
【0038】
これは、カラーフィルタアレイ膜13の透過率、および各蛍光体33R、同G、同Bの発光効率の相違、ならびに光電陰極15の光電子変換効率の波長依存性等に起因して、イメージインテンシファイヤ3を透過する前後でカラー光学像を構成するRGBの輝度比率が相違することによる。例えば白色光を入射した場合に出力される増幅された光学像は必ずしも白色とはならず、各色の変換効率により着色した像として認識される。そこで、蛍光体33(図3)から発した光は、シャッタアレイ19を透過することによりRGBの色毎に、輝度出力調整がなされ、観測者8により観測されるカラー光学像は被写体4のオリジナル色調に近づくことになる。
【0039】
図7は、シャッタ電極66R、同G、同Bに印加する電圧の駆動パルスを示すタイミングチャートである。本図に基づいてシャッタアレイ19の動作を説明する。ここで、駆動パルスがLowからHighレベルに変化すると、対応するPLZT素子が光学的に等方性状態から複屈折状態へと転移しシャッタアレイ19は、遮光動作を行う。そして、各シャッタパルスは周期Tで高周波駆動されており、このパルス期間(n)および(m)を調整することにより各色の輝度が調整される。
【0040】
図7において、B光用シャッタパルス73をパルス期間(n)にすると、PLZT素子63B(図6)は、(n)期間、蛍光体33B(図3)からの出射光を遮光し、(T−n)期間、出射光を透過し、これが交互に繰り返される。同様に、G光用シャッタパルス72においては、PLZT素子63G(図6)は、(m)期間、蛍光体33G(図3)からの出射光を遮光し、(T−m)期間、出射光を透過し、これが交互に繰り返される。R光用シャッタパルス71においては、駆動パルスは常時Low状態となっているので、蛍光体33R(図3)からの出射光は遮光されることなく常時透過の状態である。図7において例示したパルス駆動においては、BGRの順番で輝度出力が抑えられた制御態様となっている。
【0041】
このように各色のシャッタ電極66R、同G、同Bに加えるパルス期間(m)ならびに(n)を変更することにより、各色の出力時間を制御することで輝度比率が調整され、出力される光学像の色調整が行なわれる。なお、シャッタ電極66、同G、同Bに印加する(m)および(n)の期間調整は観察装置使用前に行われることとし、色バランス調整後の出力面16(図1)に表示された映像は、接眼レンズ7を通して観測者8に被写体4のオリジナル色調に近いカラー映像として認識されることとなる。
【0042】
なお、本実施形態の説明において、シャッタ53(図6)を構成する短冊形状のカラムは、光変調素子の一つであるPLZT素子63で構成されていることを前提とした。これは、カー効果を利用して極めて応答の早いシャッタを実現するPLZTの特徴を利用したもので、特に本発明のように高周波パルス駆動による高速シャッタ開閉を伴う実施形態においては最適であるからである。またパルスの駆動周波数を高くすることで、ちらつきの少ないカラー可視映像を得ることが可能である。従って、シャッタ材質に関しては、装置が要求される性能に応じて適宜変更可能で、電気的に光の遮光/透過の切り替えを行えるものであれば何でもよく、例えば液晶のようなものであってもよい。
【0043】
以上示したように、本実施形態にかかる発明は小型で低コストなカラー光量増幅装置を提供するものであり、イメージインテンシファイヤ3にRGBのカラーフィルタ22を縦ストライプ配置してなるカラーフィルタアレイ膜13と、蛍光体33を同配置してなる蛍光膜17と、カラム(PLZT素子)63を同配置してなるシャッタ(PLZT板)53と、を設置した構成をとる。そして、装置に入射する被写体4の微弱な光学像はRGBの三原色に分離後、増幅されRGBの色毎に輝度調整が行われる。これにより微弱な光源下でも、明るく色再現性の高いカラー映像を得ることを可能とした小型で低コストなカラー光量増幅装置が得られる。
(第二の実施の形態)
【0044】
次に、本発明における第二の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態におけるカラー光量増幅装置の基本構成は、図1で示すものと同じであるので、同一部分に関しては説明を省略するが、同一でなく機能的に相当する部分については異なる符号を付して以降説明する。図8は、本実施形態における光入射面82の側面断面図と正面図を示す図であり、図2で示される第一実施形態における光入射面12と同様の機能を有する部分である。
【0045】
図8に示す本実施形態における光入射面82と第一実施形態の光入射面12(図2)との相違は、カラーフィルタアレイ膜83上のカラーフィルタ82の配列を縦ストライプ配列のかわりに図示するようなベイヤ配列とした点である。ベイヤ配列とは、ある行をRGRG、次の行をGBGBとして交互に繰り返し配列し、さらに垂直方向も同様にRGとGBの繰り返しを有するように配列したもので、民生用単板カラーカメラ等に広く用いられているカラーフィルタ配列である。
【0046】
第一実施形態における縦ストライプ配列と対比して本実施形態におけるベイヤ配列の特徴の一つは、RとBに対しGが二倍の密度を有する点である。これは人間の目が輝度情報としてG色を強く認識する一般的性質より、RGBのうちGの配列を他と変化させたり密度を高くさせたりすることで、明るくコントラストの良い映像として認識される効果による。また、二点目として、カラーフィルタの配色パターンが認識されにくいといった特徴も有し、これらにより画質の高い映像が得られることとなる。
【0047】
図9は、本実施形態における出力面96の側面断面図と正面図を示す図であり、図3で示される第一実施形態における出力面16と同様の機能を有する部分である。本実施形態と第一実施形態の出力面16との相違は、光入射面82(図8)と同様に、蛍光膜97を構成する蛍光体93がベイヤ配列を有する点ならびに、シャッタアレイ99が後記する図10のように五層構造を有する点である。
【0048】
図9において、出力面96に配置される蛍光膜97を形成する蛍光体93は、光入射面82(図8)上のカラーフィルタ82(図8)と同じ色順、ピッチ、ならびにパターンで配列されている。さらに、蛍光膜97は、カラーフィルタアレイ膜83(図8)上のRGB各色同士が位置的に対応するように配置していることとする。なお、特に図示しないが、隣接する蛍光体93との境界部には、遮光部(図4参照)が挿入されており、これら遮光部は異なる色情報をもった光電子が、多少広がりをもって到達した時の干渉防止機能を奏する。
【0049】
そして、第一実施態様と同様に蛍光膜97が形成した光学像の色バランスを補正するシャッタアレイ99がガラス製の可視光透過板18の外側に配置されている。シャッタアレイ99は、ベイヤ配列で配置されたRGB各色の蛍光体93の発光を色ごとに光を遮光/透過するシャッタ動作を可能とするものである。
【0050】
図10は、シャッタアレイ99の構成を分離して示す斜視図である。
シャッタアレイ99は、図示するように第1、第2シャッタ(106、103)を第1、第2、第3偏光板(108、105、107)で交互に挟み込んだ構造を有する。そして、第1シャッタ106を構成する光変調素子の配向は斜め方向であり、第2シャッタ103を構成する光変調素子の配向は垂直方向であり、そして偏光板(108、105、107)の偏光方向はいずれも同方向となっている。なお、図10において第1、第2シャッタ(106、103)と第1、第2、第3偏光板(108、105、107)とは分離して表示されているが、シャッタ、偏光板からなる五者は積層され一体化して全体としてシャッタアレイ19を構成している。そして、第1シャッタ駆動回路101、第2シャッタ駆動回路102はそれぞれ第1シャッタ106、第2シャッタ103を制御するものであって、これら二つの駆動回路が一体となってシャッタアレイ駆動回路2bが構成されている。
【0051】
図11(a)および図11(b)はシャッタアレイ99(図10)を構成する第1、および第2シャッタ(106、103)の詳細を示す詳細図である。第1シャッタ106は、短冊状の光変調素子である複数のPLZT素子111が繰り返し斜方向に整列したものであり、これらPLZT素子111は、偶数列ならびに奇数列ごとに、それぞれが並列にシャッタ電極116e、ならびに同116oに連結されている。ここで、PLZT素子111のうちシャッタ電極116eに連結されたものを偶数斜めカラム111e、シャッタ電極116oに連結されたものを奇数斜めカラム111oと呼ぶことにする。そして、これら斜めカラム111e、または同111oは、蛍光体93(図9)におけるGまたはB/Rの斜めラインに位置的に対応している。
【0052】
一方、第2シャッタ103は、短冊状の光変調素子である複数のPLZT素子113が垂直方向に繰返し整列したものであり、これらPLZT素子113は偶数列ならびに奇数列ごとに、それぞれが並列にシャッタ電極118e、ならびに同118oに連結されている。ここで、PLZT素子113のうちシャッタ電極118eに連結したものを偶数縦カラム113e、シャッタ電極118oに連結したものを奇数縦カラム113oと呼ぶことにする。そして、これら縦カラム118e、または同118oは、蛍光体93(図9)におけるG/RまたはG/Bの縦ラインに位置的に対応している。
【0053】
次に、図面を参照しつつ本実施形態におけるカラー光量増幅装置10の動作について説明する。ここで、図1における被写体4からの微弱光が、対物レンズ6に入射後、イメージインテンシファイヤ3内部で光電子を発生させ、そして、この光電子が蛍光膜に衝突し、蛍光膜を発光させる。ここまでの微弱光が増幅され可視映像に変換される過程は、カラーフィルタアレイ膜13を同83(図8)に、蛍光膜17を同97(図9)に置換して考えれば第一実施形態と同様であるので詳細な説明を省略する。以降、蛍光膜97が発光後の過程について説明する。
【0054】
ここで、蛍光膜97(図9)の発光により出力面96上に、形成された被写体4の光学像は、各色のフィルタ特性、蛍光特性に基づいて、オリジナル色調と異なる色調を有するものである。つまり、白色光を入力しても出力光として必ずしも白色光が得られない状態ということである。そこで、蛍光面97の反対面側にシャッタアレイ99を配置し、RGBの色情報ごとに独立に輝度調整を行うことにより、観察する画像のR、G、Bの明るさを制御し、色バランスの調整を可能なものとした。
【0055】
以降、シャッタアレイの動作について説明する。蛍光体93の発光がシャッタアレイ99に入光し第1偏光板108(図10)を透過すると一定方向に偏光面が直線偏光する。ここで例えば、第1シャッタ駆動回路101から、奇数斜めカラム用シャッタ電極116o(図11a)のみに電圧を印加すると、奇数斜めカラム111oのみが光学的等方性状態から複屈折状態に転移し、ここを透過する光は偏光面がπ/2回転し、第2偏光板105(図10)を透過できない。次に電圧の印加を解除すると、透過することが可能となる。このようにして、斜めカラム用シャッタ電極116eおよび同116o(図11a)に電圧をON/OFFすれば、ベイヤ配列した蛍光体93(図9)のうち斜めラインのGラインもしくはR/Bラインからの光のシャッタ動作が可能となる。
【0056】
次に、第2偏光板105(図10)を透過した光に対して、第2シャッタ103(図11b)は、縦カラム113eおよび同113oに印加される電圧のON/OFFにより同様のシャッタ動作を行う。例えば第1シャッタ106(図11a)からR/Bラインの光が透過してきた場合、偶数縦カラム113eもしくは奇数縦カラム113oの印加電圧をON/OFFすることで、R光もしくはB光のシャッタ動作を独立に行うことが可能である。以上述べたようにシャッタ電極(116e,116o,118e,118o)に電圧をON/OFFすることで蛍光膜97(図9)上のRGBの発光を色毎に同期させて遮光/透過するシャッタ動作が可能となる。
【0057】
図12は、第1、第2シャッタ(106、103)(図11)の2枚を合わせた状態で、蛍光膜97(図9)を重ねて正面より観察した状態における各RGBの開口形状を示す図である。この菱形状開口の中心位置が蛍光膜97のベイヤ配列上の蛍光体93(図9)の中心に合致するように第1、第2シャッタ(106、103)が配置されていることとする。ところで、蛍光体93の形状は正方形もしくは長方形であり、一方シャッタアレイの開口形状は菱形であり、両者の形状は一致しないが、中心位置を合致させることで充分に高画質の映像が得られる。
【0058】
ここで再度、RGB各色発光のシャッタ動作について述べるが、図中X、Y、Z、Qで表される縦および斜めのカラム列のシャッタON/OFF制御の組み合わせについて考える。ここで、Xのみ遮光(YZQ透過)することでG光、YとZを遮光(XQ透過)することでR光、ならびにYとQを遮光(XZ透過)することでB光のみを透過させることが機能上可能であることがわかる。
【0059】
図13は、カラム用シャッタ電極(111e,111o,118e,118o)に印加する電圧の駆動パルスを示すタイミングチャート図である。本図に基づいてシャッタアレイ99の動作を説明する。ここで、駆動パルスがLowからHighレベルに変化すると、対応するカラム111eもしくは同111oまたは同113eもしくは同113oが光学的に等方性状態から複屈折状態へと転移する。さらにこれらの制御(X、Y、Z、Q)間の組み合わせにより、シャッタアレイ99(図9)上の開口部分は、対応するRGB色毎に遮光/透過動作を行うこととする。
【0060】
また、偶数斜めカラム用シャッタパルス(制御X)と奇数斜めカラム用シャッタパルス(制御Y)はそれぞれ排他関係にあることとし、偶数縦カラム用シャッタパルス(制御Q)は常時Lowレベルであることとする。そしてここでは、図12に示すように、偶数斜めカラム111eが蛍光膜97上のR/Bラインに対応して設置され、偶数縦カラム113eが蛍光膜97上のR/Gラインに対応して設置されているものとする。
【0061】
まず、各シャッタパルスは周期Tで高周波駆動されていることとし、偶数斜めカラム用シャッタパルス(制御X)を(T−n)期間HighレベルとすることでR/Bの信号が遮光される。その後、偶数斜めカラム用シャッタパルス(制御X)をLowレベルにし、代わりに奇数斜めカラム用シャッタパルス(制御Y)を(n)期間HighレベルにすることによりG信号が遮光される。このパルス期間(n)を調整することによりGとR/B間での光量差を調整することができる。
【0062】
次にR、B間での光量差の調整は、奇数斜めカラム用シャッタパルス(制御Y)がHighレベル期間中に、奇数縦カラム用シャッタパルス(制御Z)のHighレベル期間(m)を調整することにより行う。つまり図13において例示する周期Tのパルス駆動においては、(m)と(n)の設定により、G色を(T−n)期間、R色を(n)期間、B色を(n−m)期間出力することを可能としている。以上示した通り、各シャッタ電極に加えるパルス期間(m)および(n)を調整することによって、RGB各色の出力時間を制御し、出力される光学像の色調整を行うことが可能である。
【0063】
以上述べた色バランス調整後の光学像が、出力面96(図9)上に表示され、接眼レンズ7(図1)を通して観測者8に被写体4のオリジナル色調に近いカラー映像として認識されることとなる。
【0064】
なお、以上本実施形態において、第1、第2シャッタ(106、103)(図11)を構成する短冊形状のカラムとしてPLZT素子であることを前提に説明を展開したが、例えば液晶のような電気的に光の遮光/透過を行えるものであれば何でもよい。
【0065】
以上示したように、本実施形態にかかる発明は小型で低コストなカラー光量増幅装置を提供するものであり、イメージインテンシファイヤ3にRGBのカラーフィルタ82をベイヤ配置してなるカラーフィルタアレイ膜83と、蛍光体93を同配置してなる蛍光膜97と、カラム(111、113)を平面配置してなる二枚のシャッタ(106、103)と、を設置した構成をとる。そして、装置に入射する被写体4の微弱な光学像は、RGBの三原色に分離後増幅され、RGBの色毎に輝度調整が行われる。これにより微弱な光源下でも、明るく色再現性が高く画質の高いカラー映像を得ることを可能とした小型で低コストなカラー光量増幅装置が得られる。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明に係るカラー光量増幅装置により以下に示す、優れた効果を奏する。
請求項1の発明によれば、従来、モノクロのみの映像監視装置として用いられていたイメージインテンシファイヤ付きナイトビューアなどの装置で、簡単にカラー化が実現でき、映像の監視効果が向上する。また、非常に微弱な光源下で明るい映像を観測できる小型で低コストなカラー光量増幅装置が得られる。
【0067】
さらに請求項1の発明によれば、被写体からの微弱光を増幅して可視化した直後の光学像の色調が、実際の被写体のオリジナル色調と比較して異なる場合であっても、シャッタアレイによるRGB色毎の輝度出力調整作用により、観測されるカラー光学像を被写体4のオリジナル色調に近づかせることが可能となる。
【0068】
請求項2の発明によれば、得られる可視映像は、縦ストライプ配列を基調としたものとなり、シャッタアレイによるRGB色毎の輝度出力調整作用により、観測されるカラー光学像を被写体4のオリジナル色調に近づけることが可能とする。そして、微弱な光源下でも、明るく色再現性の高いカラー映像を得ることができる小型で低コストなカラー光量増幅装置を得ることができる。
【0069】
請求項3の発明によれば、得られる可視映像は、ベイヤ配列を基調としたものであるため、コントラストが高く、カラーフィルタの配色パターンが認識しにくい映像となる。また、シャッタアレイによるRGB色毎の輝度出力調整作用により、観測されるカラー光学像を被写体4のオリジナル色調に近づけることを可能とする。そして、微弱な光源下でも、明るく色再現性が高く画質の高いカラー映像を得ることができる小型のカラー光量増幅装置を得ることができる。
【0070】
請求項4の発明によれば、シャッタ材質をPLZT素子とすることにより、シャッタ開閉の高周波数駆動が可能となり、輝度出力調整の際のちらつきが低減され、高品質の可視映像を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第一の実施の形態であるカラー光量増幅装置の構成断面図である。
【図2】第一の実施の形態におけるカラー光量増幅装置の光入射面の側面断面図と正面図を示す図である。
【図3】第一の実施の形態におけるカラー光量増幅装置の出力面の側面断面図と正面図を示す図である。
【図4】第一の実施の形態におけるカラー光量増幅装置の蛍光膜の表面を拡大した拡大図である。
【図5】第一の実施の形態におけるカラー光量増幅装置のシャッタアレイの構成を分離して示す斜視図である。
【図6】第一の実施の形態におけるカラー光量増幅装置のシャッタアレイを構成するシャッタの詳細を示す詳細図である。
【図7】第一の実施の形態におけるカラー光量増幅装置のシャッタ電極に印加する電圧の駆動パルスを示すタイミングチャートである。
【図8】第二の実施の形態におけるカラー光量増幅装置の光入射面の側面断面図と正面図を示す図である。
【図9】第二の実施の形態におけるカラー光量増幅装置の出力面の側面断面図と正面図を示す図である。
【図10】第二の実施の形態におけるカラー光量増幅装置のシャッタアレイの構成を分離して示す斜視図である。
【図11】(a)第二の実施の形態におけるカラー光量増幅装置のシャッタアレイを構成する第1シャッタの詳細を示す詳細図である。(b)第二の実施の形態におけるカラー光量増幅装置のシャッタアレイを構成する第2シャッタの詳細を示す詳細図である。
【図12】第二の実施の形態において、第1、第2シャッタを合わせて、蛍光膜を正面より観察した時の各RGBの開口形状を示す図である。
【図13】第二の実施の形態におけるカラー光量増幅装置のシャッタ電極に印加する電圧の駆動パルスを示すタイミングチャートである。
【図14】イメージインテンシファイヤを用いた従来の光量増幅装置の構成断面図である。
【符号の説明】
2a,2b シャッタアレイ駆動回路
3,3c イメージインテンシファイヤ
4 被写体
5 可変電圧器
6 対物レンズ
7 接眼レンズ
8 観察者
10 カラー光量増幅装置
12,82 光入射面
13,83 カラーフィルタアレイ膜
14 入射光透過板
15 光電陰極
16,96 出力面
17,97 蛍光膜
18 可視光透過板
19,99 シャッタアレイ
22,22R,22G,22B,82,82R,82G,82B カラーフィルタ
33,33R,33G,33B,93,93R,93G,93B 蛍光体
42 遮光部
55,57,105,107,108 偏光板
53,103,106 シャッタ(PLZT板)
63,63R,63G,63B,111e,111o,113e,113o カラム(PLZT素子)
66R,66G,66B,116e,116o,118e,118o シャッタ電極
Claims (4)
- 色の三原色に各々対応するカラーフィルタが規則的に配列してなるカラーフィルタアレイ膜と、前記カラーフィルタを透過した透過光が光電子に変換され、増幅された後に衝突して、三原色中いずれか一色を発光させる蛍光体が規則的に配列してなる蛍光膜と、を有するカラー光量増幅装置であって、
前記カラーフィルタ、および前記蛍光体は、同一の色順、ピッチおよびパターンに配列され、
三原色中いずれか一色の前記カラーフィルタの透過光から変換された前記光電子が同色の前記蛍光体に衝突するように、前記カラーフィルタアレイ膜と前記蛍光膜とが対向して配置され、
前記カラー光量増幅装置はさらに、電圧の印加により光学変調する短冊形状の複数の光変調素子が前記蛍光膜上の蛍光体配列に沿って規則的に平面状に配置してなるシャッタと、このシャッタを挟着する偏光板と、からなるシャッタアレイを有し、
前記シャッタアレイには、前記シャッタと前記偏光板との機能に基づいて、前記蛍光体の発光を遮光または透過する複数の開口部分が形成され、
前記複数の開口部分は、その各配置位置が前記複数の蛍光体の各々に対応し、前記遮光/透過を切り替えて輝度調整を三原色ごとに独立に実行し色バランス調整することを特徴とするカラー光量増幅装置。 - 前記カラーフィルタおよび前記蛍光体の配列は、色の三原色が水平方向に一定の順番で繰り返されるとともに、垂直方向に同色で配列された縦ストライプ配列であり、
前記シャッタは、前記光変調素子の長手方向が前記蛍光体の同色配列方向に一致する位置に配置して構成されていることを特徴とする請求項1に記載のカラー光量増幅装置。 - 前記カラーフィルタおよび前記蛍光体の配列は、色の三原色によるベイヤ配列であり、
前記シャッタは、前記光変調素子の長手方向が前記蛍光体の斜め方向に一致する位置に配置して構成される第1シャッタと、垂直方向に一致する位置に配置して構成される第2シャッタとの二枚よりなるものであり、
前記偏光板は、前記第1、第2シャッタを交互に挟む三枚よりなるものであり、
前記開口部分は、前記第1シャッタおよび前記第2シャッタを構成するそれぞれの前記光変調素子が交差する部分に対応して形成されていることを特徴とする請求項1に記載のカラー光量増幅装置。 - 前記光変調素子はPLZT素子であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか一項に記載のカラー光量増幅装置。
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