JP4048413B2 - ブラジャーカップ用基材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、婦人用ファンデーションのうちブラジャー、スリップ、ボディスーツ等のカップ部に使用するブラジャーカップ用基材(以下、単に基材ということもある)に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種基材には、良好な反撥弾性とソフトな触感を有する軟質ポリウレタンフォームが多く使用されている。しかし、軟質ポリウレタンフォームからなる基材は、通気性、耐光性の点で問題があった。というのは、ポリウレタンフォームは、通気性が悪く、紫外線によって黄変、劣化し易いからである。
【0003】
また、不織布と軟質ポリウレタンフォームとを積層して、ニードルパンチで接合した基材や、ラミネート法でボンディングした基材も使用されている。しかし、この種の基材でも、軟質ポリウレタンフォームを用いているため、上記問題(通気性、耐光性)が解消されないばかりか、層間が繊維で交絡されていないため、洗濯すると層間剥離が生じ易く、洗濯耐久性の点で問題があった。
【0004】
そこで、不織布単独で基材を構成することが試みられている。しかし、従来の不織布用接着樹脂(エマルジョンポリマー)を用いた不織布製基材は、通気性は備えるものの、反撥弾性、触感、耐光性の点で十分に満足できるものではなかった。というのは、例えば、ポリアクリル酸エステル(通称アクリルエマルジョン)を用いると、良好な反撥弾性やソフトな触感が得難く、またポリウレタン(通称ウレタンエマルジョン)を用いると、紫外線による黄変、劣化が回避できないからである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、良好な反撥弾性とソフトな触感を備えると共に、耐光性、洗濯耐久性を向上した、通気性を有する不織布製のブラジャーカップ用基材を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のブラジャーカップ用基材は、ポリエステル繊維を交絡した不織布から成り、構成繊維間を、ポリエステル樹脂とイソシアナート樹脂との混合結合剤で接着したことを特徴とする(請求項1)。
【0007】
この手段によれば、通気性が良好であり、構成繊維のポリエステル繊維間がポリエステル樹脂とイソシアナート樹脂との混合結合剤で強固に接着され、良好な反撥弾性とソフトな触感を備えると共、洗濯耐久性、耐光性が向上する。
【0008】
本発明において、構成繊維の大部分を中空ポリエステル繊維で構成する(請求項2)のが好適である。このようにすると、良好な反撥弾性とソフトな触感がより一層付与される。
【0009】
また、構成繊維には、熱融着性ポリエステル繊維を含有する構成(請求項3)が好ましい。このようにすると、構成繊維間がより一層強固に接着される。
【0010】
さらに、混合結合剤におけるイソシアナート樹脂の含有率としては、1〜10重量%である構成(請求項4)が好ましい。というのは、イソシアナート樹脂は反撥弾性の向上に寄与するが、10重量%を越えると、ソフト性が欠如して触感が悪くなるだけでなく、耐光性が低下する傾向になるからである。
【0011】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1において、Aは不織布から成る基材であり、この基材Aは、中空ポリエステル繊維1の繊維間を、熱融着性ポリエステル繊維2と、ポリエステル樹脂とイソシアナート樹脂との混合結合剤3とで以て接着して成る。
【0012】
上記不織布製の基材Aは、通常のポリエステル繊維単独又は、通常のポリエステル繊維、中空ポリエステル繊維及び熱融着性繊維から選択した二種類又は三種類を適宜組合して構成することができる。ウェブ形成の容易化、反撥弾性と繊維間結合力の向上の点を考慮すると、中空ポリエステル繊維と熱融着性ポリエステル繊維とを含有した構成が好ましい。
【0013】
この場合、中空ポリエステル繊維の混綿率としては、50〜95%程度が好適である。また、熱融着性ポリエステル繊維の混綿率としては、1〜10%程度が好適であり、熱融着性ポリエステル繊維としては、芯鞘型、サイドバイサイド型のいずれでも用いることができる。
【0014】
混合結合剤のポリエステル樹脂としては、水系、溶剤系のいずれでもよく、脂肪系、芳香族系のポリエステルを用いることができる。
また、イソアナート樹脂としては、TDI系、MDI系、HDI系、XDI系、HMDI系のいずれでもよく、またこれらがMEKオキシム、アルコール系ブロックイソシアナート系樹脂を用いることができる。
【0015】
混合結合剤の付着方法としては、スプレー加工、含浸加工、コーティング加工を採用することができる。
【0016】
【実施例】
中空ポリエステル繊維6.6dtex×51mm80%と、ポリエステル繊維3.3dtex×51mm15%と、熱融着性ポリエステル繊維4.4dtex×51mm5%とを用いて、目付95g/m2 の繊維ウェブを形成した。次に、この繊維ウェブをニードルパンチ機にて上下方向から打ち込み深さ6mm、打ち込み量100パンチ/cm2 で加工して、厚み5.0mmの不織布繊維ウェブを形成した。
続いて、テレフタル酸−エチレングリコール系ポリエステル樹脂とHDI系ブロックイソシアナート樹脂とを、重量比で100:4になるように混合したエマルジョン溶液を全固形分濃度25%に調整した混合液を、上記不織布繊維ウェブ両面に、固形分で25g/m2 づつ、合計50g/m2 付着するようにスプレー加工後、乾燥機にて150℃で5分間乾燥して、目付145g/m2 ,厚み5.0mmのブラジャーカップ用基材を作製した。
【0017】
(比較例1)
繊維間結合剤としてポリウレタンを用いた以外、実施例と同様にして厚み5.0mmのブラジャーカップ用基材を作製した。
【0018】
(比較例2)
繊維間結合剤としてポリアクリル酸エステルを用いた以外、実施例と同様にして厚み5.0mmのブラジャーカップ用基材を作製した。
【0019】
次に、実施例及び比較例1、2のブラジャーカップ用基材の試験片(巾5cm×長さ20cm)の実施例品、比較例品1、2を用いて、洗濯耐久性、耐光性及び反撥弾性を評価するために、下記の試験を行った。
【0020】
A.洗濯試験:JIS−L−0217「繊維製品の取扱いに関する表示記号及びその表示方法」の別表記号別の試験方法(1)洗い方(水洗い)番号103に規定の試験方法を10回繰り返し行った。
B.耐光性試験:JIS−L−0842「カーボンアーク燈光に対する堅ろう度試験方法」による紫外線20時間照射を行った。
C.反撥弾性試験:ハンディ圧縮試験機(商品名:KES−G5カトーテック(株)製)を用いて、試験片に100gf/cm2 の荷重を加え、圧縮回復率、圧縮率及び圧縮剛さについて測定を行った。
【0021】
A、B試験後に試料の外観変化を肉眼による目視観察によって行い、また同試験の前後に各試験片の引張強さを測定し、その測定値から計算して、夫々の引張強度保持率を算出した。
また、B試験後にはLab表色系による物体色の表示方法(JIS−Z−8729)によって色度を測定し、色差表示方法(JIS−Z−8730)によって色差ΔEを求めた。これらの結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
表1から明らかなように、本発明に係る実施例品は、比較例品1、2に比較して、引張強度保持率及び色差が向上し、洗濯耐久性及び耐光性を備え、紫外線による黄変や劣化を防止できることが判明した。また、圧縮回復率が向上し、良好な反撥弾性を備え、圧縮率及び圧縮剛さも比較例品1と略同等の値であり、ソフトな触感を備えていることが確認できた。
【0024】
【発明の効果】
請求項1に記載のブラジャーカップ用基材によれば、通気性が良好であり、構成繊維間が強固に接着され、良好な反撥弾性とソフトな触感を備えると共、洗濯耐久性、耐光性を向上することができる。
【0025】
請求項2に記載のブラジャーカップ用基材によれば、良好な反撥弾性とソフトな触感をより一層向上することができる。
【0026】
請求項3に記載のブラジャーカップ用基材によれば、構成繊維間をより一層強固に接着することができて、洗濯耐久性をより一層向上することができる。
【0027】
請求項4に記載のブラジャーカップ用基材によれば、反撥弾性、耐光性の点でより一層良好な効果を奏することができる。
【0028】
よって、本発明の基材は、紫外線による黄変や劣化を解消することができ、透明性の高い、薄手の表生地にも使用することができて、ファッション性の高い婦人用ファンデーションであるブラジャー、スリップ、ボディスーツ等のカップ部に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態を示す概略説明図である。
【符号の説明】
A・・・基材
1・・・中空ポリエステル繊維
2・・・熱融着性ポリエステル繊維
3・・・混合結合剤
Claims (4)
- ポリエステル繊維を交絡した不織布から成り、構成繊維間を、ポリエステル樹脂とイソシアナート樹脂との混合結合剤で接着したことを特徴とするブラジャーカップ用基材。
- 構成繊維の大部分が、中空ポリエステル繊維である請求項1に記載のブラジャーカップ用基材。
- 構成繊維が、熱融着性ポリエステル繊維を含有する請求項1又は2に記載のブラジャーカップ用基材。
- 混合結合剤におけるイソシアナート樹脂の含有率が、1〜10重量%である請求項1に記載のブラジャーカップ用基材。
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