JP4048390B2 - シュラウドの回転駆動装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
本発明は、水中に配置されて、シュラウドが載置される被回転体であって、その被回転体が気中に配置される回転駆動部により遠隔的に駆動される装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
原子力発電所に設置されている原子炉を解体するとき、原子炉内のシュラウドは放射線漏洩等の対策として水中でプラズマ切断機などにより切断して解体されるが、切断に際してはシュラウドの切断位置を切断機に合わせるように回転させて、位置合わせをすることが必要となる。そのためシュラウドを載置して回転位置合わせをするための回転定盤を、水中に配置することが提案されている。
回転定盤を水中で回転させる方法としては、２つの方法が考えられる。その一つは回転定盤に耐水型の回転駆動装置を取り付けてそれを気中から遠隔操作をする方法であり、他の一つは回転定盤に取り付けた回転駆動装置を密封性のケーシング内に収め、ケーシング内をエアパージする方法である。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前者の耐水型の回転駆動装置は、構造が複雑で高価になるという問題がある。さらに特殊部品を多く使用するので製作に時間がかかる上に、それらの部品を補修用として常に保管しておく必要がある。
また後者のエアパージ方式による回転駆動装置は、出力軸などの気密性を長時間維持することが難しく信頼性が劣るという問題がある。さらにケーシング内が回転駆動装置から発生する熱により温度上昇するので、その除去対策を必要とする。
そこで本発明は、これらの問題を生じない回転駆動装置を提供することを課題とするものである。なお本発明による回転駆動装置は、上記シュラウド用の回転定盤のほかに、水中で回転する種々の被回転体にも適用できる。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
請求項１に記載の本発明は、水中に被回転体 (30) が配置され、気中に配置された回転駆動部により前記被回転体 (30) が駆動され、前記被回転体 (30) に原子炉用のシュラウドが載置されるシュラウドの回転駆動装置であって、
気中に配置される回転駆動部(2)と、
少なくとも先端部が水中に挿入され、回転駆動部(2)の出力軸(3)にユニバーサルジョイント(4)を介して連結された連結軸(5)と、
連結軸(5)の先端部にユニバーサルジョイント(6)を介して連結された回転伝達機構(7)と、
前記回転伝達機構(7)と水中に配置された被回転体(30)の回転伝達部(32)が連結され、
前記回転駆動部(2)は、本体 (8) と、本体 (8) に固定された回転駆動源 (9) と、回転駆動源 (9) の駆動力により垂直軸の回りに回転する中空な中空回転駆動体 (13a) と、その中空部に上下方向にスライド自在に且つ周方向には互いに連結されて挿入され軸方向に位置調整可能に前記本体 (8) に軸支されている前記出力軸 (3) とを有し、
前記出力軸 (3) の側部に軸方向に細長いスリット (14) が設けられ、中空回転駆動体 (13a) からその半径方向に突出した滑りキー (15) が前記スリット (14) に挿入されることによって、出力軸 (3) が中空回転駆動体 (13a) に対して軸方向にスライド可能に連結され、
外周部にねじ部を形成すると共に一端部にスラストベアリング (17) を収容する受部 (18) を設けた筒状のベアリング受け (16) が出力軸 (3) の周りに同軸的に配置され、
本体 (8) に固定されると共に内周部にねじ部が形成された支持体 (19) 内に前記ベアリング受け (16) がねじ結合され、
前記ベアリング受け (16) にはロックナット (22) が螺着されており、
前記出力軸 (3) の上端部に設けた自重受材 (20) がベアリング受け (16) の受部 (18) に収容されたスラストベアリング (17) を介してベアリング受け (16) に支持され、
それにより出力軸 (3) が軸方向に位置調整可能に本体 (8) に軸支され、位置調整完了後に前記ロックナット (22) により位置が固定されることを特徴とするシュラウドの回転駆動装置である。
【０００５】
上記シュラウドの回転駆動装置によれば、水中に配置される被回転体と気中に配置される回転駆動部が、出力軸および連結軸を介して連結または離脱される。連結の際に回転駆動部と被回転体の位置が相対的に多少ずれていたとしても、連結軸の両端部にそれぞれ設けられるユニバーサルジョイントおよび、中空回転駆動体と出力軸との軸方向移動により、それらの相対的なずれを吸収できる。そのため、容易かつ迅速に回転駆動装置の組立を行なうことができる。それと共に、構造が簡単で高い信頼性の回転駆動部とすることができ且つ、回転駆動部の位置調整手段が達成される。さらには、ロックナットにより高い信頼性の出力軸の支持機構が得られる。そして、その被回転体に載置されるシュラウドを回転することができる。
【０００８】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図１は本発明の回転駆動装置を水中に配置された被回転体に連結した状態を正面から見た断面図であり、図２（ａ）は図１の回転駆動装置における回転駆動部の断面図であり、図２（ｂ）はその上端部拡大図、図３は図２の回転駆動部を平面的に見た断面図、図４は図１の回転駆動装置における回転伝達機構を横方向から見た断面図、図５は図４のＡ−Ａ断面図である。
回転駆動装置１は回転駆動部２と、回転駆動部２の出力軸３にユニバーサルジョイント４を介して連結された連結軸５と、連結軸５の下端部にユニバーサルジョイント６を介して連結された回転伝達機構７を備えている。
【０００９】
図２および図３に示すように、回転駆動部２は気中における適宜の設置箇所に固定される本体８と、本体８に固定された回転駆動源９と、回転駆動源９の駆動力により回転する中空回転駆動体１３ａを備えている。回転駆動源９は電動機１１とその出力軸にカップリング１２を介して連結されたウォーム減速機１３を有しており、ウォーム減速機１３の出力側であるウォーム歯車自体が中空に形成され中空回転駆動体１３ａを構成する。
中空回転駆動体１３ａの内側に出力軸３が同軸的に配置されると共に、それが中空回転駆動体１３ａの軸方向にスライド可能に連結される。すなわち、出力軸３の外周に軸方向の細長いスリット１４が設けられ、中空回転駆動体１３ａからその半径方向に突出した滑りキー１５が前記スリット１４に挿入されることにより、出力軸３は中空回転駆動体１３ａに対して軸方向にスライド可能に連結される。
【００１０】
また、出力軸３の周りに筒状のベアリング受け１６が同軸的に配置される。ベアリング受け１６は、外周部にねじ部が形成されると共に一端部にスラストベアリング１７を収容する受部１８が設けられる。そして本体８には内周部にねじ部を形成した支持体１９が固定され、前記ベアリング受け１６は支持体１９内にねじ結合される。
出力軸３の上端部には円環状の自重受材２０がナット２１により固定され、出力軸３はその自重受材２０とベアリング受け１６の受部１８に収容されたスラストベアリング１７を介してベアリング受け１６に支持される。そしてベアリング受け１６を支持体１９に対して回転することにより、ベアリング受け１６と共に出力軸３の軸方向位置の調整をすることができ、結果として出力軸３は軸方向に位置調整可能に本体８に軸支される。出力軸３の軸方向位置の調整が完了した後は、ロックナット２２を締め付けることにより、ベアリング受け１６はその位置にロックされる。なお出力軸３の上端部は作業時に回転するので、安全のために、本体８にボルト固定されたカバー２３により覆われる。
【００１１】
回転伝達機構７は図４および図５に示すように、ケーシング２４に軸支された１次軸体２５と、ケーシング２４に軸支されると共に１次軸体２５にギア機構２６で連結された２次軸体２７を備えている。そして２次軸体２７の端部には、多数の歯２８を有する連結体２９が設けられている。この歯２８は図１に示すように、回転定盤からなる被回転体３０における円板状の定盤３１の外周部に等間隔に設けられた多数のピンからなる回転伝達部３２にかみ合うようにして連結される。
定盤３１は、被回転体３０の固定基盤３３の外周に沿って設けた円環状のレール部３４に、複数の下部車輪３５および横部車輪３６により回転自在に支持されている。なお図６は、被回転体３０の平面図である。
図７は作業用のプール４０の水中に配置された被回転体３０と本発明の回転駆動装置１を連結した状態を示す図である。この例ではプール４０の深さが深いので、複数の連結軸５が中間部で図示しないフランジ結合により連結される。
【００１２】
次に図１〜図７を参照して、本発明の回転駆動装置の作用を説明する。
回転駆動装置１を水中に配置された被回転体３０に連結するには、水中の被回転体３０における連結位置にほぼあわせて回転駆動装置１を気中の適宜の箇所に設置する。それと共に、気中で組み立てられた回転伝達機構７を水中に配置する。次に、図４において、水中のユニバーサルジョイント６を第１次軸体２５に接続する。その第１次軸体２５の上端部は断面外周が六角形に形成され、その六角形に整合する六角孔がユニバーサルジョイント６の下端部の軸ガイド４２の中心に形成されている。なお、この軸ガイド４２はその下端が拡開され、それにより第１次軸体２５の先端を容易に嵌入することができる。また、第１次軸体２５の外周には外ガイド４１が形成され、その上端開口が拡開され、それにより、ユニバーサルジョイント６をクレーン等で吊り下げつつ、容易にその下端部の軸ガイド４２を第１次軸体２５の軸線上に導くことができる。
【００１３】
このようにして水中側のユニバーサルジョイント６を第１次軸体２５に挿入することができる。このとき、ユニバーサルジョイント６の下端部はその枢着軸回りに折れ曲がるが、それは外ガイド４１の開口部に保持され一定以上は転倒しない。
回転駆動装置１は、回転駆動部２の出力軸３をウォーム減速機１３の中空回転駆動体１３ａに装着した状態にて設置されている。そして、その筒状のベアリング受け１６を回転し、出力軸３を上昇させておく。次いで、上下両端にユニバーサルジョイント４，６を取付た連結軸５を、出力軸３の下方に位置させる。そして、ベアリング受け１６を回転し、出力軸３を下方に移動してそのフランジを連結軸５のフランジに接続する。次いで、出力軸３のロックナット２２を締結し、組立を完了する。
【００１４】
【発明の効果】
以上のように本発明のシュラウドの回転駆動装置によれば、シュラウドが載置され、水中に配置される被回転体と、気中に配置される回転駆動部が、出力軸および連結軸を介して連結または離脱される。連結の際に回転駆動部と被回転体の位置が相対的に多少ずれていたとしても、連結軸の両端部にそれぞれ設けられるユニバーサルジョイントおよび、中空回転駆動体と出力軸との軸方向移動により、それらの相対的なずれを吸収できる。そのため、容易かつ迅速に回転駆動装置の組立を行なうことができる。それと共に、構造が簡単で高い信頼性の回転駆動部とすることができ且つ、回転駆動部の位置調整手段が達成される。さらには、ロックナットにより高い信頼性の出力軸の支持機構が得られる。そして、その被回転体に載置されるシュラウドを回転することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の回転駆動装置を水中に配置された被回転体に連結した状態を正面から見た断面図。
【図２】図１の回転駆動装置における回転駆動部の断面図およびその上端部拡大図。
【図３】図２の回転駆動部を平面的に見た断面図。
【図４】図１の回転駆動装置における回転伝達機構を横方向から見た断面図。
【図５】図４のＡ−Ａ断面図。
【図６】被回転体３０の平面図。
【図７】作業用のプール４０の水中に配置された被回転体３０と本発明の回転駆動装置１を連結した状態を示す図。
【符号の説明】
１ 回転駆動装置
２ 回転駆動部
３ 出力軸
４ ユニバーサルジョイント
５ 連結軸
６ ユニバーサルジョイント
７ 回転伝達機構
８ 本体
９ 回転駆動源
１１ 電動機
１２ カップリング
１３ ウォーム減速機
１３ａ 中空回転駆動体
１４ スリット
１５ 滑りキー
１６ ベアリング受け
１７ スラストベアリング
１８ 受部
１９ 支持体
２０ 自重受材
２１ ナット
２２ ロックナット
２３ カバー
２４ ケーシング
２５ １次軸体
２６ ギア機構
２７ ２次軸体
２８ 歯部
２９ 連結体
３０ 被回転体
３１ 定盤
３２ 回転伝達部
３３ 固定基盤
３４ レール部
３５ 下部車輪
３６ 横部車輪
４０ プール
４１ 外ガイド
４２ 軸ガイド
本発明は、水中に配置されて、シュラウドが載置される被回転体であって、その被回転体が気中に配置される回転駆動部により遠隔的に駆動される装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
原子力発電所に設置されている原子炉を解体するとき、原子炉内のシュラウドは放射線漏洩等の対策として水中でプラズマ切断機などにより切断して解体されるが、切断に際してはシュラウドの切断位置を切断機に合わせるように回転させて、位置合わせをすることが必要となる。そのためシュラウドを載置して回転位置合わせをするための回転定盤を、水中に配置することが提案されている。
回転定盤を水中で回転させる方法としては、２つの方法が考えられる。その一つは回転定盤に耐水型の回転駆動装置を取り付けてそれを気中から遠隔操作をする方法であり、他の一つは回転定盤に取り付けた回転駆動装置を密封性のケーシング内に収め、ケーシング内をエアパージする方法である。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前者の耐水型の回転駆動装置は、構造が複雑で高価になるという問題がある。さらに特殊部品を多く使用するので製作に時間がかかる上に、それらの部品を補修用として常に保管しておく必要がある。
また後者のエアパージ方式による回転駆動装置は、出力軸などの気密性を長時間維持することが難しく信頼性が劣るという問題がある。さらにケーシング内が回転駆動装置から発生する熱により温度上昇するので、その除去対策を必要とする。
そこで本発明は、これらの問題を生じない回転駆動装置を提供することを課題とするものである。なお本発明による回転駆動装置は、上記シュラウド用の回転定盤のほかに、水中で回転する種々の被回転体にも適用できる。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
請求項１に記載の本発明は、水中に被回転体 (30) が配置され、気中に配置された回転駆動部により前記被回転体 (30) が駆動され、前記被回転体 (30) に原子炉用のシュラウドが載置されるシュラウドの回転駆動装置であって、
気中に配置される回転駆動部(2)と、
少なくとも先端部が水中に挿入され、回転駆動部(2)の出力軸(3)にユニバーサルジョイント(4)を介して連結された連結軸(5)と、
連結軸(5)の先端部にユニバーサルジョイント(6)を介して連結された回転伝達機構(7)と、
前記回転伝達機構(7)と水中に配置された被回転体(30)の回転伝達部(32)が連結され、
前記回転駆動部(2)は、本体 (8) と、本体 (8) に固定された回転駆動源 (9) と、回転駆動源 (9) の駆動力により垂直軸の回りに回転する中空な中空回転駆動体 (13a) と、その中空部に上下方向にスライド自在に且つ周方向には互いに連結されて挿入され軸方向に位置調整可能に前記本体 (8) に軸支されている前記出力軸 (3) とを有し、
前記出力軸 (3) の側部に軸方向に細長いスリット (14) が設けられ、中空回転駆動体 (13a) からその半径方向に突出した滑りキー (15) が前記スリット (14) に挿入されることによって、出力軸 (3) が中空回転駆動体 (13a) に対して軸方向にスライド可能に連結され、
外周部にねじ部を形成すると共に一端部にスラストベアリング (17) を収容する受部 (18) を設けた筒状のベアリング受け (16) が出力軸 (3) の周りに同軸的に配置され、
本体 (8) に固定されると共に内周部にねじ部が形成された支持体 (19) 内に前記ベアリング受け (16) がねじ結合され、
前記ベアリング受け (16) にはロックナット (22) が螺着されており、
前記出力軸 (3) の上端部に設けた自重受材 (20) がベアリング受け (16) の受部 (18) に収容されたスラストベアリング (17) を介してベアリング受け (16) に支持され、
それにより出力軸 (3) が軸方向に位置調整可能に本体 (8) に軸支され、位置調整完了後に前記ロックナット (22) により位置が固定されることを特徴とするシュラウドの回転駆動装置である。
【０００５】
上記シュラウドの回転駆動装置によれば、水中に配置される被回転体と気中に配置される回転駆動部が、出力軸および連結軸を介して連結または離脱される。連結の際に回転駆動部と被回転体の位置が相対的に多少ずれていたとしても、連結軸の両端部にそれぞれ設けられるユニバーサルジョイントおよび、中空回転駆動体と出力軸との軸方向移動により、それらの相対的なずれを吸収できる。そのため、容易かつ迅速に回転駆動装置の組立を行なうことができる。それと共に、構造が簡単で高い信頼性の回転駆動部とすることができ且つ、回転駆動部の位置調整手段が達成される。さらには、ロックナットにより高い信頼性の出力軸の支持機構が得られる。そして、その被回転体に載置されるシュラウドを回転することができる。
【０００８】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図１は本発明の回転駆動装置を水中に配置された被回転体に連結した状態を正面から見た断面図であり、図２（ａ）は図１の回転駆動装置における回転駆動部の断面図であり、図２（ｂ）はその上端部拡大図、図３は図２の回転駆動部を平面的に見た断面図、図４は図１の回転駆動装置における回転伝達機構を横方向から見た断面図、図５は図４のＡ−Ａ断面図である。
回転駆動装置１は回転駆動部２と、回転駆動部２の出力軸３にユニバーサルジョイント４を介して連結された連結軸５と、連結軸５の下端部にユニバーサルジョイント６を介して連結された回転伝達機構７を備えている。
【０００９】
図２および図３に示すように、回転駆動部２は気中における適宜の設置箇所に固定される本体８と、本体８に固定された回転駆動源９と、回転駆動源９の駆動力により回転する中空回転駆動体１３ａを備えている。回転駆動源９は電動機１１とその出力軸にカップリング１２を介して連結されたウォーム減速機１３を有しており、ウォーム減速機１３の出力側であるウォーム歯車自体が中空に形成され中空回転駆動体１３ａを構成する。
中空回転駆動体１３ａの内側に出力軸３が同軸的に配置されると共に、それが中空回転駆動体１３ａの軸方向にスライド可能に連結される。すなわち、出力軸３の外周に軸方向の細長いスリット１４が設けられ、中空回転駆動体１３ａからその半径方向に突出した滑りキー１５が前記スリット１４に挿入されることにより、出力軸３は中空回転駆動体１３ａに対して軸方向にスライド可能に連結される。
【００１０】
また、出力軸３の周りに筒状のベアリング受け１６が同軸的に配置される。ベアリング受け１６は、外周部にねじ部が形成されると共に一端部にスラストベアリング１７を収容する受部１８が設けられる。そして本体８には内周部にねじ部を形成した支持体１９が固定され、前記ベアリング受け１６は支持体１９内にねじ結合される。
出力軸３の上端部には円環状の自重受材２０がナット２１により固定され、出力軸３はその自重受材２０とベアリング受け１６の受部１８に収容されたスラストベアリング１７を介してベアリング受け１６に支持される。そしてベアリング受け１６を支持体１９に対して回転することにより、ベアリング受け１６と共に出力軸３の軸方向位置の調整をすることができ、結果として出力軸３は軸方向に位置調整可能に本体８に軸支される。出力軸３の軸方向位置の調整が完了した後は、ロックナット２２を締め付けることにより、ベアリング受け１６はその位置にロックされる。なお出力軸３の上端部は作業時に回転するので、安全のために、本体８にボルト固定されたカバー２３により覆われる。
【００１１】
回転伝達機構７は図４および図５に示すように、ケーシング２４に軸支された１次軸体２５と、ケーシング２４に軸支されると共に１次軸体２５にギア機構２６で連結された２次軸体２７を備えている。そして２次軸体２７の端部には、多数の歯２８を有する連結体２９が設けられている。この歯２８は図１に示すように、回転定盤からなる被回転体３０における円板状の定盤３１の外周部に等間隔に設けられた多数のピンからなる回転伝達部３２にかみ合うようにして連結される。
定盤３１は、被回転体３０の固定基盤３３の外周に沿って設けた円環状のレール部３４に、複数の下部車輪３５および横部車輪３６により回転自在に支持されている。なお図６は、被回転体３０の平面図である。
図７は作業用のプール４０の水中に配置された被回転体３０と本発明の回転駆動装置１を連結した状態を示す図である。この例ではプール４０の深さが深いので、複数の連結軸５が中間部で図示しないフランジ結合により連結される。
【００１２】
次に図１〜図７を参照して、本発明の回転駆動装置の作用を説明する。
回転駆動装置１を水中に配置された被回転体３０に連結するには、水中の被回転体３０における連結位置にほぼあわせて回転駆動装置１を気中の適宜の箇所に設置する。それと共に、気中で組み立てられた回転伝達機構７を水中に配置する。次に、図４において、水中のユニバーサルジョイント６を第１次軸体２５に接続する。その第１次軸体２５の上端部は断面外周が六角形に形成され、その六角形に整合する六角孔がユニバーサルジョイント６の下端部の軸ガイド４２の中心に形成されている。なお、この軸ガイド４２はその下端が拡開され、それにより第１次軸体２５の先端を容易に嵌入することができる。また、第１次軸体２５の外周には外ガイド４１が形成され、その上端開口が拡開され、それにより、ユニバーサルジョイント６をクレーン等で吊り下げつつ、容易にその下端部の軸ガイド４２を第１次軸体２５の軸線上に導くことができる。
【００１３】
このようにして水中側のユニバーサルジョイント６を第１次軸体２５に挿入することができる。このとき、ユニバーサルジョイント６の下端部はその枢着軸回りに折れ曲がるが、それは外ガイド４１の開口部に保持され一定以上は転倒しない。
回転駆動装置１は、回転駆動部２の出力軸３をウォーム減速機１３の中空回転駆動体１３ａに装着した状態にて設置されている。そして、その筒状のベアリング受け１６を回転し、出力軸３を上昇させておく。次いで、上下両端にユニバーサルジョイント４，６を取付た連結軸５を、出力軸３の下方に位置させる。そして、ベアリング受け１６を回転し、出力軸３を下方に移動してそのフランジを連結軸５のフランジに接続する。次いで、出力軸３のロックナット２２を締結し、組立を完了する。
【００１４】
【発明の効果】
以上のように本発明のシュラウドの回転駆動装置によれば、シュラウドが載置され、水中に配置される被回転体と、気中に配置される回転駆動部が、出力軸および連結軸を介して連結または離脱される。連結の際に回転駆動部と被回転体の位置が相対的に多少ずれていたとしても、連結軸の両端部にそれぞれ設けられるユニバーサルジョイントおよび、中空回転駆動体と出力軸との軸方向移動により、それらの相対的なずれを吸収できる。そのため、容易かつ迅速に回転駆動装置の組立を行なうことができる。それと共に、構造が簡単で高い信頼性の回転駆動部とすることができ且つ、回転駆動部の位置調整手段が達成される。さらには、ロックナットにより高い信頼性の出力軸の支持機構が得られる。そして、その被回転体に載置されるシュラウドを回転することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の回転駆動装置を水中に配置された被回転体に連結した状態を正面から見た断面図。
【図２】図１の回転駆動装置における回転駆動部の断面図およびその上端部拡大図。
【図３】図２の回転駆動部を平面的に見た断面図。
【図４】図１の回転駆動装置における回転伝達機構を横方向から見た断面図。
【図５】図４のＡ−Ａ断面図。
【図６】被回転体３０の平面図。
【図７】作業用のプール４０の水中に配置された被回転体３０と本発明の回転駆動装置１を連結した状態を示す図。
【符号の説明】
１ 回転駆動装置
２ 回転駆動部
３ 出力軸
４ ユニバーサルジョイント
５ 連結軸
６ ユニバーサルジョイント
７ 回転伝達機構
８ 本体
９ 回転駆動源
１１ 電動機
１２ カップリング
１３ ウォーム減速機
１３ａ 中空回転駆動体
１４ スリット
１５ 滑りキー
１６ ベアリング受け
１７ スラストベアリング
１８ 受部
１９ 支持体
２０ 自重受材
２１ ナット
２２ ロックナット
２３ カバー
２４ ケーシング
２５ １次軸体
２６ ギア機構
２７ ２次軸体
２８ 歯部
２９ 連結体
３０ 被回転体
３１ 定盤
３２ 回転伝達部
３３ 固定基盤
３４ レール部
３５ 下部車輪
３６ 横部車輪
４０ プール
４１ 外ガイド
４２ 軸ガイド
Claims (1)
- 水中に被回転体 (30) が配置され、気中に配置された回転駆動部により前記被回転体 (30) が駆動され、前記被回転体 (30) に原子炉用のシュラウドが載置されるシュラウドの回転駆動装置であって、
気中に配置される回転駆動部(2)と、
少なくとも先端部が水中に挿入され、回転駆動部(2)の出力軸(3)にユニバーサルジョイント(4)を介して連結された連結軸(5)と、
連結軸(5)の先端部にユニバーサルジョイント(6)を介して連結された回転伝達機構(7)と、
前記回転伝達機構(7)と水中に配置された被回転体(30)の回転伝達部(32)が連結され、
前記回転駆動部(2)は、本体 (8) と、本体 (8) に固定された回転駆動源 (9) と、回転駆動源 (9) の駆動力により垂直軸の回りに回転する中空な中空回転駆動体 (13a) と、その中空部に上下方向にスライド自在に且つ周方向には互いに連結されて挿入され軸方向に位置調整可能に前記本体 (8) に軸支されている前記出力軸 (3) とを有し、
前記出力軸 (3) の側部に軸方向に細長いスリット (14) が設けられ、中空回転駆動体 (13a) からその半径方向に突出した滑りキー (15) が前記スリット (14) に挿入されることによって、出力軸 (3) が中空回転駆動体 (13a) に対して軸方向にスライド可能に連結され、
外周部にねじ部を形成すると共に一端部にスラストベアリング (17) を収容する受部 (18) を設けた筒状のベアリング受け (16) が出力軸 (3) の周りに同軸的に配置され、
本体 (8) に固定されると共に内周部にねじ部が形成された支持体 (19) 内に前記ベアリング受け (16) がねじ結合され、
前記ベアリング受け (16) にはロックナット (22) が螺着されており、
前記出力軸 (3) の上端部に設けた自重受材 (20) がベアリング受け (16) の受部 (18) に収容されたスラストベアリング (17) を介してベアリング受け (16) に支持され、
それにより出力軸 (3) が軸方向に位置調整可能に本体 (8) に軸支され、位置調整完了後に前記ロックナット (22) により位置が固定されることを特徴とするシュラウドの回転駆動装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31434997A JP4048390B2 (ja) | 1997-10-30 | 1997-10-30 | シュラウドの回転駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31434997A JP4048390B2 (ja) | 1997-10-30 | 1997-10-30 | シュラウドの回転駆動装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11133189A JPH11133189A (ja) | 1999-05-21 |
| JP4048390B2 true JP4048390B2 (ja) | 2008-02-20 |
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ID=18052264
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP31434997A Expired - Fee Related JP4048390B2 (ja) | 1997-10-30 | 1997-10-30 | シュラウドの回転駆動装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
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| JP (1) | JP4048390B2 (ja) |
-
1997
- 1997-10-30 JP JP31434997A patent/JP4048390B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH11133189A (ja) | 1999-05-21 |
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