JP4046715B2 - 情報送出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像または/及び音声を含む情報をテレビ電話端末機に送出する情報送出装置に関する。
従来、この種の装置として、携帯電話からのDTMF(Dial Tone Multiple Frequency)信号を用いて、携帯電話から離れた場所に設置されているカメラを制御し、カメラから送信される情報である画像のアングルやズームを調整する『第一の装置』が挙げられる(例えば、特許文献1〜3参照)。この第一の装置は、画像に係る特定の調整について、遠隔からのDTMF信号によるリモート調整が可能である。
また、携帯電話が有するカメラの画像を、携帯電話に付設されたリモコンの画面表示部に表示させる構成を備えた第二の装置がある。この第二の装置では、リモコンの画面表示部に表示されたカメラ画像の明るさをリモコンにより調整できるようになっている(例えば、特許文献4参照)。
特開平9−331407号公報 特開平10−93940号公報 特開2000−13519号公報 特開2002−50999号公報
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の装置のうち『第一の装置』は、カメラの画像等をDTMF信号によって遠隔調整することが可能であるものの、カメラが設置されているローカル側において調整することができない。したがって、画像等を調整するにはリモート側からしか行うことができず、遠隔の通信に伴う遅延の影響を大きく受けることになり、精度よく調整を行うことが難しいという問題がある。
また、『第一の装置』及び『第二の装置』は、ともに不特定多数のテレビ電話端末機が接続可能であるので、機密性が高い画像、例えば、医療診断用の画像を送るには不向きである。なお、特許文献1では、接続するたびにDTMF信号でパスワードを入力させて認証を行っているが、発呼の度にパスワードの入力を行う必要があって煩雑であるという問題がある。
さらに、カメラを備えた装置側で画像を適切に調整したとしても、接続するテレビ電話端末機の液晶が種々の特性を有するので、テレビ電話端末機から見た画像の表示が適切であることは稀である。そのためカメラを備えている装置側で再度画質等の調整を行う必要がある。なお、特許文献4のようにリモコンで画像を調整するものがあるが、これは通信回線を介してのものではなく、カメラを備えた装置に近い場所に操作者がいる場合においてのみ調整ができるだけである。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、装置側からのローカル調整と通信回線を介したリモート調整を行えるようにすることにより、ローカル側で精度よく調整を行うことができ、しかもセキュリティを高めることができる情報送出装置を提供することを目的とする。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、通信ネットワークを介して発呼したテレビ電話端末機との間で通信が可能であって、自己の電話番号を通知してきたテレビ電話端末機に対して画像または/及び音声を含む情報を送出する情報送出装置において、当該情報送出装置に付設され、操作者によって操作される操作手段と、前記操作手段の操作に応じて前記テレビ電話端末機に送出する情報を所望レベルに調整する第1の調整手段と、前記第1の調整手段による調整に応じて情報を調整し、調整情報として前記テレビ電話端末機に対して送出する送出手段と、前記テレビ電話端末機から送出されたDTMF(Dial Tone Multi Frequency)信号に応じて前記調整情報をさらに調整する第2の調整手段と、着信が許可されたテレビ電話端末機の電話番号と、当該テレビ電話端末機により情報を調整した際の調整値とを対応付けて記憶する記憶手段と、着信が許可されたテレビ電話端末機の電話番号が前記記憶手段に記憶されている場合には、その電話番号に対応する調整値で情報を調整する制御手段と、を備え、前記第2の調整手段による調整ステップは、前記第1の調整手段のものよりも大きいことを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、操作手段を操作すると、第1の調整手段によりローカル側において情報を調整することができ、調整情報は送出手段を介してテレビ電話端末機に送出される。一方、リモート側における調整は通信ネットワークを介して行われるが、自己の電話番号を通知してきたものだけを接続するので、接続の度にパスワードを入力する手間が省けるとともにセキュリティを向上できる。また、調整情報はテレビ電話端末機で再現されるが、その再現度合いはテレビ電話端末機の特性により異なるものであるので、DTMF信号を送出することで、第2の調整手段により調整情報をリモート側の再現性に応じて調整することができる。
また、一度でも情報送出装置に接続したテレビ電話端末機は、その電話番号が、第2の調整手段による調整値とが対応付けられて記憶手段に記憶される。テレビ電話端末機が再び情報送出装置に接続された場合には、以前に接続されたテレビ電話端末機であるか否かを制御手段が記憶手段に基づき調べ、接続履歴がある場合には対応する調整値を読み出して情報を調節する。したがって、テレビ電話端末機の再現能力に応じた調整を接続するだけで行うことができる。なお、通信ネットワークを介しての調整には遅延が存在するが、第2の調整手段による調整ステップは、第1の調整手段のものよりも大きくされているので、一度の調整で調整情報が大きく変化するので調整しやすい場合がある。
(削除)
また、本発明において、前記第1の調整手段は、提供可能な情報のうちの所定範囲を、提供可能な範囲における位置にあたる所望レベルに調整するとともに、前記所定範囲を含む、提供可能な情報よりも狭い領域を、前記第2の調整手段でのみ調整可能な領域として設定し、前記第2の調整手段は、前記所定範囲を前記領域内でのみ移動させる調整を行うことが好ましい(請求項2)。リモート側にあたる第2の調整手段による調整は、通信ネットワークを介して行うことになるので、調整情報をさらに調整した結果が反映されるまでに遅延が生じる。そのためリモート側からの調整が過大になる恐れがあり、過大な調整となった場合には適切な調整に戻すためにさらに時間を要することになる。そこで、調整可能な領域を提供可能な情報よりも狭く限定することにより、過大な調整による無駄を抑えることができる。
(削除)
また、本発明において、前記第1の調整手段の調整は、前記第2の調整手段の調整よりも優先されることが好ましい(請求項3)。ローカル側の調整を優先することで、情報を送出する側の意図を優先させることができる。
また、本発明において、前記第2の調整手段の調整は、前記第1の調整手段の調整よりも優先されることが好ましい(請求項4)。リモート側の調整を優先することで、情報を受ける側の意図を優先させることができる。
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また、本発明において、前記第1の調整手段及び前記第2の調整手段は、情報としての画像の明るさを調整することが好ましい(請求項)。情報が画像である場合には、第1の調整手段と第2の調整手段によって画像の明るさを所望レベルに調整する。
本発明に係る情報送出装置によれば、操作手段を操作すると、第1の調整手段によりローカル側において情報を調整することができ、調整情報は送出手段を介してテレビ電話端末機に送出される。一方、リモート側における調整は通信ネットワークを介して行われるが、自己の電話番号を通知してきたものだけを接続するので、接続の度にパスワードを入力する手間が省けるとともにセキュリティを向上できる。また、調整情報はテレビ電話端末機で再現されるが、その再現度合いはテレビ電話端末機の特性により異なるものであるので、DTMF信号を送出することで、第2の調整手段により調整情報をリモート側の再現性に応じて調整することができる。
また、一度でも情報送出装置に接続したテレビ電話端末機は、その電話番号が、第2の調整手段による調整値とが対応付けられて記憶手段に記憶される。テレビ電話端末機が再び情報送出装置に接続された場合には、以前に接続されたテレビ電話端末機であるか否かを制御手段が記憶手段に基づき調べ、接続履歴がある場合には対応する調整値を読み出して情報を調節する。したがって、テレビ電話端末機の再現能力に応じた調整を接続するだけで行うことができる。なお、通信ネットワークを介しての調整には遅延が存在するが、第2の調整手段による調整ステップは、第1の調整手段のものよりも大きくされているので、一度の調整で調整情報が大きく変化するので調整しやすい場合がある。
以下、図面を参照して本発明の一実施例を説明する。
図1は、実施例に係る情報送出装置の概略構成を示すブロック図である。
この情報送出装置1は一例として、映像化のためのカメラ3と、音声化のためのマイク5を情報提供の手段として備えている。本実施例における情報送出装置1は、情報として画像及び音声を送出する構成を備えている。カメラ3からの映像信号a1は映像信号処理部7に与えられ、マイク5からの音声信号b1は音声信号処理部9に与えられる。
映像信号処理部7は、カメラから与えられた映像信号a1に対して信号処理、例えば、明るさやコントラストの調節等を施してテレビ電話プロトコル処理部11へ送信映像a2として与える。また、音声信号処理部9は、マイク5から与えられた音声信号b1に対して信号処理、例えば、音量の調節等を施してテレビ電話プロトコル処理部11へ送信音声b2として与える。テレビ電話プロトコル処理部11は、受け取った送信映像a2及び送信音声b2に対してテレビ電話プロトコルに基づく処理を施して通信制御部13に対して送信データとして与える。通信制御部13は、通信ネットワークとしての電話回線15を介して、電話番号を通知してきたテレビ電話端末機17との間でテレビ電話通信の制御を行う。また、通信制御部13は、電話回線15を通して接続してきたテレビ電話端末機17から送られてきた音声データや映像データをテレビ電話プロトコル処理部11に与える。テレビ電話端末機17は、例えば、携帯電話型であって、音声とともに映像を送受信できるものである。携帯電話型としては、例えば、FOMA/フォーマ(登録商標:株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ)が挙げられる。
テレビ電話プロトコル処理部11は、受信した音声データと映像データに基づく受信音声c1と受信映像d1をそれぞれ音声信号処理部19と映像信号処理部21に対して与える。音声信号処理部19は、受信音声c1に対して所定の処理を施してスピーカ23に音声出力信号c2を与える。また、映像信号処理部21は、処理を施した映像信号d2を映像合成処理部25に対して与える。映像合成処理部25は、映像信号処理部7からの、送信映像a2をモニタする送信映像モニタ用信号e1と映像信号d2を合成して、映像出力信号d3として液晶表示部27に対して与える。
音声信号処理部19は、受信音声c1を処理してデコード済みのDTMF信号f1だけを取り出し、このDTMF信号f1を制御部29に対して与える。制御部29は、主として上述した映像信号処理部7及び音声信号処理部9を制御するとともに、電話番号と着信可否等の情報を記憶するための記憶部31に対して読み書きを行う。また、制御部29には受光部33が接続されており、受光部33からの出力信号に応じて各種の制御を行う。この受光部33へ信号を与えるのが、この情報送出装置1に付設され、着脱自在のリモコン35である。このリモコン35は、例えば、赤外線によって受光部33との間で通信を行うものであり、操作者が音声の音量を調整したり、映像の明るさやコントラストを調整したりするための各種ボタン(図示省略)を備えている。
なお、上記の記憶部31が本発明における記憶手段に相当する。
制御部29は、リモコン35の操作に応じて映像信号処理部7及び音声信号処理部9に対して調整コマンドcmdを与える。調整コマンドcmdを受け取った映像信号処理部7及び音声信号処理部9は、映像信号a1及び音声信号b1を調整コマンドcmdに応じて調整し、送信音声b2及び送信映像a2としてテレビ電話プロトコル処理部11に対して与える。また、制御部29は、DTMF信号f1に応じて調整コマンドcmdを発行し、送信音声b2及び送信映像a2をさらに調整する。なお、DMTF信号f1に応じて調整された送信映像a2及び送信音声b2は、本発明おける「調整情報」に相当する。なお、詳細は後述するが、発呼してきたテレビ電話端末機17が着信許可な場合であって、対応する調整値が記憶部31に記憶されている場合には、その調整値に応じて映像信号処理部7及び音声信号処理部9を制御する。
なお、上述した映像信号処理部7と、音声信号処理部9と、制御部29とは、本発明における「第1の調整手段」及び「送出手段」に相当する。また、リモコン35が本発明における「操作手段」に相当し、制御部29が本発明における「第2の調整手段」に相当する。
ここで図2及び図3を参照して、リモコン35によるローカル調整と、テレビ電話端末機17によるリモート調整の概要について説明する。なお、図2(a)〜(c)は調整の関係を示す模式図であり、図3は調整可能な領域を設定した場合における調整の関係を示す模式図である。但し、音声も映像も調整に関する概念は同じであるので、映像の「明るさ」を例にとって以下に説明する。
ここでは、一例として、カメラ3で撮影する対象の明るさが図2(a)に示すように分布していると定義する。明るさは最小の明るさ(暗い)から、最大の明るさ(明るい)までであり、そのうちリモコン35で設定するローカル調整は、例えば、図2(b)に示すように、ある明るさの範囲を含む所定範囲RGを所望レベル(情報提供可能な範囲における位置)にすることである。例えば、図2(b)に示すように、所定範囲RGが中央値を含む所望レベルに調整される。そして、テレビ電話端末機17では、テレビ電話端末機17側で受信した送信映像a2の、テレビ電話端末機17側における液晶画面における表示度合いに応じてDTMF信号f1を送信する。例えば、図2(c)に示すように、所望の表示度合いになるように所定範囲RGを移動させるためのDTMF信号f1を送信してリモート調整を行う。送信のためには、例えば、数字キー0〜9までの10個のキーと、「*」キーと、「#」キーとの12個のキーを利用する。具体的には、明るさの調整のために、例えば、「1」と「7」の数字キーを用いる。
また、リモコン35では、テレビ電話端末機17によるリモート調整で調整することができる領域を規制することもできる。例えば、図3に示すように、所定範囲RGの両端側に調整可能な領域R1を設定したり、所定範囲RGを含む調整可能な領域R2を設定したりする。このような設定を行うと、リモート調整では、所定範囲RGを、領域R1,R2または領域R2を超えて調整することができないようになる。電話回線を介した調整であるリモート調整では、調整した結果が反映されるまでに遅延が生じることは避けられない。そのためリモート側からの調整が過大になる恐れがあり、過大な調整となった場合には適切な調整に戻すためにさらに時間を要することになる。そこで、調整可能な領域を限定することにより、過大な調整による無駄を抑えることができる。
なお、リモコン35によるローカル調整は、予め設定されている所定範囲RGのレベル(既定レベル)に対して、所望レベルに相対的に微調整するものとしてもよい。これにより、大きく調整する必要がなく、相対的な微調整で容易に調整を行うことができる。
次に、図4〜図6を参照して、上述した構成の情報送出装置1の動作について説明する。なお、図4は動作説明に供するフローチャートであり、図5は着信許可処理のフローチャートであり、図6は記憶部の内容を示した模式図である。
ここでは、既に発呼してきたテレビ電話端末機17であって、一度でもリモート調整を行った場合には、図6のような情報が記憶部31に記憶されているものとする。具体的には、発呼してきたテレビ電話端末機17の電話番号と、その着信可否の情報と、以前に発呼してきた際に行った明るさの所望レベルに対応する調整値である。着信可否は、例えば、フラグが「1」なら着信許可であり、「0」なら着信拒否であり、リモコン35によって可否が設定される。制御部29は、着信がある度に記憶部31を参照するとともに、接続を許可したテレビ電話端末機17からリモート調整が行われた場合には、対応する電話番号に調整値を書き込む。
ステップS1〜S6(ローカル調整)
発呼されているか否かを判断し(ステップS1)、発呼されていない場合にはリモコン35が操作されているか否かに応じて処理を分岐する。リモコン35が操作され、その操作が明るさを「増」させる場合には、レジスタ値を1ステップだけ加算する(ステップS4)。その操作が「減」させる場合には、レジスタ値を1ステップだけ減算する(ステップS5)。そして、レジスタ値を設定して発呼の判断処理に戻る(ステップS1)。レジスタ値は、明るさの調整のための設定値であり、制御部29によって調整コマンドcmdに変換されて映像信号処理部7に与えられる。すると、映像信号処理部7により明るさが調整されて、その調整が送信映像a2及び映像出力信号d3に反映されて液晶表示部27に出力される。この調整は、情報送出装置1を操作しているオペレータが液晶表示部27を見ながら、液晶表示部27における表示が所望のものとなるように所定範囲を移動させて行っている。
なお、上述したように所定範囲を移動させる構成でもよいが、例えば、予め所定範囲を既定レベルに設定しておき、これに対して所望レベルを相対的に微調整する構成としてもよい。このような構成を採用することにより、リモコン35により相対的な微調整で容易に映像を所望レベルに調整することができる。
テレビ電話端末機17から発呼がされている場合には、番号通知に応じて処理を分岐する(ステップS7)。制御部29は、発呼してきたテレビ電話端末機17の電話番号が通知されていない場合には通信を切断する(ステップS8)。一方、電話番号が通知されている場合には、着信許可処理を行う(ステップS9)。
制御部29は、まず記憶部31を参照して、発呼してきたテレビ電話端末機17の電話番号に対応するものがあるか否かを判断する。対応する電話番号がある場合には、その領域を特定する(ステップS21)。次いで、対応する着信可否の情報を参照し、その内容に応じて処理を分岐する(ステップS22)。つまり、着信拒否になっている場合には通信回線を切断し(ステップS23)、着信可能になっている場合には通信を確立する(ステップS24)。着信可能である場合には、通信を確立した後、対応する明るさの調整値が書き込まれている場合にはその調整値を読み出すとともに、映像信号処理部7にその調整値に応じた調整コマンドcmdを発行する(ステップS25)。
このように一度でも情報送出装置1に接続したテレビ電話端末機17は、その電話番号が調整値と対応付けられて記憶部31に記憶されており、そのテレビ電話端末機17が再び情報送出装置1に接続された場合には、以前に接続されたテレビ電話端末機17であるか否かを記憶部31に基づき調べる。そして、接続履歴がある場合には対応する調整値を読み出して明るさを調節するので、テレビ電話端末機17の再現能力に応じた調整を接続するだけで行うことができる。その結果、接続時に適切な表示から大きくずれることがなく、適切な表示への調整が手間少なくできる。
上記のような着信処理が行われて接続された場合には、以下のような「リモート調整」を行うことができる。
テレビ電話端末機17のキーが操作されてDTMF信号が送信されたか否かに応じて処理を分岐する(ステップS10)。例えば、「1」または「7」の数字キーが押下されてDTMF信号が送信された場合であって(ステップS11)、それが「1」の数字キーである場合にはレジスタ値を加算する(ステップS12)。一方、それが「7」の数字キーである場合にはレジスタ値を減算する(ステップS13)。そして、レジスタ値を設定して、対応する調整コマンドcmdを発行することで、数字キーに応じた調整が行われる(ステップS14)。このDTMF信号に応じた調整は、数字キーが押下されるごとに例えば10ステップごとで行われる。これは、電話回線15を介しての調整には遅延が存在し、調整ステップを大きくしておいた方が一度の調整で調整情報が大きく変化するので調整しやすい場合があるからである。
テレビ電話端末機17からの調整は、リモコン35で行われた所定範囲のレベルをさらに調整するものであるが、上述したように予め調整可能な領域が設定されている場合には、その領域を超えては調整できないようになっている(図3)。なお、上記の所定範囲の所望レベルを直接移動させてもよいが、所定範囲を既定レベルで設定しておき、そこを基準にして±で相対的に微増減させるようにしてもよい。
DTMF信号による調整でない場合には、リモコン35の操作であるか否かに応じて処理を分岐する(ステップS15)。リモコン35が操作された場合には、上述したステップS11〜S14を実行するが、この場合には操作されるごとに例えば1ステップごとで調整が行われる。
テレビ電話端末機17または情報送出装置1から通信の切断が行われたか否かに応じて処理を分岐する(ステップS16)。つまり、通信が終了するまでは、ステップS10との間を繰り返して実行し、通信が終了された場合にはそれまでの調整に応じたレジスタ値を、対応する電話番号とともに記憶部31に書き込む(ステップS17)。
上述した構成であると、リモコン35とテレビ電話端末機17からのDTMF信号による調整が同時に行われる場合が起こり得る。その場合には、リモコン35側のローカル調整を優先するか、逆にテレビ電話端末機17のリモート調整を優先するかを設定しておくことが好ましい。前者では、映像の送出側における意図を優先させることができ、後者では、映像を受ける側の意図を優先させることができる。
本実施例に係る情報送出装置1によると、リモコン35を操作するとローカル側において映像の明るさを調整することができ、調整された映像は着信したテレビ電話端末機17に送出される。一方、リモート側における明るさの調整は電話回線15を介して行われるが、自己の電話番号を通知してきたものだけを接続するので、接続の度にパスワードを入力する手間が省けるとともにセキュリティを向上できる。また、明るさが調整された映像はテレビ電話端末機17の液晶表示部で再現されるが、その再現度合いはテレビ電話端末機17の特性により異なるものであるので、DTMF信号f1を送出することで、調整されている映像の明るさをリモート側であるテレビ電話端末機17側における液晶表示部の再現性に応じて調整することができる。
また、一度でも情報送出装置1に接続したテレビ電話端末機17は、その電話番号が、調整値と対応付けられて記憶部31に記憶される。テレビ電話端末機17が再び情報送出装置1に接続された場合には、以前に接続されたテレビ電話端末機17であるか否かを記憶部31に基づき調べ、接続履歴がある場合には対応する調整値を読み出して映像の明るさを調節する。したがって、テレビ電話端末機17の再現能力に応じた適切な調整を接続するだけで行うことができる。
なお、上述した構成の情報送出装置1は、例えば、交通不便の孤島などにおける小病院等で撮影されたレントゲン写真を映像として送信し、小病院から離れた地にある大病院の医者がレントゲン写真を見て診断を行う際に特に有用である。つまり、大病院の医者がテレビ電話端末機17を操作し、診断に適切な明るさとなるように所望レベルに種々調整することができるからである。また、同時に音声での相互の話し合いも可能であるので、診断に有用な通話も可能である。
本発明は、上述した実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例では、カメラ3の映像の明るさを調整する場合を例に採って説明したが、映像のコントラストや、マイク5の音量等を調整する場合であって同様に実施可能である。
(2)情報送出装置1は、カメラ3とマイク5を備えず、それらの映像信号a1及び音声信号b1を入力するための入力端子を備える構成とし、外付けのカメラとマイクを備えるようにしてもよい。また、液晶表示部27及びスピーカ23を備えることなく、映像出力信号d3及び音声出力信号c2を出力する出力端子を備える構成とし、外付けの液晶表示装置とスピーカ装置を備えるようにしてもよい。このような構成とすることにより、ユーザが備えている設備を有効に利用することができる。
(3)情報送出装置1は、上述したように画像及び音声を含む情報を送出するものである必要はなく、画像だけまたは音声だけを情報として送出する構成を採用してもよい。
音声だけの場合には、例えば、心臓の鼓動を音声で送り、テレビ電話端末機17を操作して所望レベルの音量となるように調整することができる。具体的には、テレビ電話端末機17のスピーカで音割れしない音量に調整したり、たとえ音割れしても鼓動にまざっている低レベルのノイズ等を聞き分けるための大音量に調整をしたりすることがリモート側で可能である。
(削除)
(4)テレビ電話端末機17は、携帯電話型に代えて固定電話型を採用してもよい。
(5)上記実施例における操作手段は、赤外線による非接触式のリモコン35を用いているが、有線式のリモコンであってもよい。また、情報送出装置1と一体型あるいは着脱式の構成としてもよい。
実施例に係る情報送出装置の概略構成を示すブロック図である。 (a)〜(c)は調整の関係を示す模式図である。 調整可能な領域を設定した場合における調整の関係を示す模式図である。 動作説明に供するフローチャートである。 着信許可処理のフローチャートである。 記憶部の内容を示した模式図である。
符号の説明
1 … 情報送出装置
3 … カメラ
5 … マイク
7 … 映像信号処理部
9 … 音声信号処理部
11 … テレビ電話プロトコル処理部
13 … 通信制御部
15 … 電話回線
17 … テレビ電話端末機
19 … 音声信号処理部
21 … 映像信号処理部
23 … スピーカ
25 … 映像合成処理部
27 … 液晶表示部
29 … 制御部
31 … 記憶部

Claims (5)

  1. 通信ネットワークを介して発呼したテレビ電話端末機との間で通信が可能であって、自己の電話番号を通知してきたテレビ電話端末機に対して画像または/及び音声を含む情報を送出する情報送出装置において、
    当該情報送出装置に付設され、操作者によって操作される操作手段と、
    前記操作手段の操作に応じて前記テレビ電話端末機に送出する情報を所望レベルに調整する第1の調整手段と、
    前記第1の調整手段による調整に応じて情報を調整し、調整情報として前記テレビ電話端末機に対して送出する送出手段と、
    前記テレビ電話端末機から送出されたDTMF(Dial Tone Multi Frequency)信号に応じて前記調整情報をさらに調整する第2の調整手段と、
    着信が許可されたテレビ電話端末機の電話番号と、当該テレビ電話端末機により情報を調整した際の調整値とを対応付けて記憶する記憶手段と、
    着信が許可されたテレビ電話端末機の電話番号が前記記憶手段に記憶されている場合には、その電話番号に対応する調整値で情報を調整する制御手段と、
    を備え
    前記第2の調整手段による調整ステップは、前記第1の調整手段のものよりも大きいことを特徴とする情報送出装置。
  2. 請求項1に記載の情報送出装置において、
    前記第1の調整手段は、提供可能な情報のうちの所定範囲を、提供可能な範囲における位置にあたる所望レベルに調整するとともに、前記所定範囲を含む、提供可能な情報よりも狭い領域を、前記第2の調整手段でのみ調整可能な領域として設定し、
    前記第2の調整手段は、前記所定範囲を前記領域内でのみ移動させる調整を行うことを特徴とする情報送出装置。
  3. 請求項1または2に記載の情報送出装置において、
    前記第1の調整手段の調整は、前記第2の調整手段の調整よりも優先されることを特徴とする情報送出装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の情報送出装置において、
    前記第2の調整手段の調整は、前記第1の調整手段の調整よりも優先されることを特徴とする情報送出装置。
  5. 請求項1からのいずれかに記載の情報送出装置において、
    前記第1の調整手段及び前記第2の調整手段は、情報としての画像の明るさを調整することを特徴とする情報送出装置。
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