JP4045587B2 - 光ディスク装置、光ディスクの記録方法及び光ディスク - Google Patents

光ディスク装置、光ディスクの記録方法及び光ディスク Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク装置、光ディスクの記録方法及び光ディスクに関し、例えばコンパクトディスク、コンパクトディスクプレイヤーに適用することができる。本発明は、反射率を局所的に変化させてエッジの位置情報にジッタを与え、このジッタにより所望のデータを追加記録することにより、ピット列等によるデータ列の再生には何ら影響を与えないで、このデータ列を再生する光ピックアップにより再生可能に、かつ違法コピーによってはコピーすることが困難に、種々のデータを記録することができるようにする。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンパクトディスクは、記録に供するデータ列をデータ処理した後、EFM変調(Eight to Fourteen Modu1ation)することにより、所定の基本周期Tに対して周期3T〜11Tのピット列が形成され、これによりオーディオデータ等が記録されるようになされている。
【0003】
これに対して内周側のリードインエリアには、管理用データの記録領域が形成され、この記録領域に記録されたTOC(Table Of Contents )により、所望の演奏等を選択的に再生できるようになされている。
【0004】
このようにして種々のデータが記録されるコンパクトディスクは、リードインエリアの内周側に、海賊版の防止等を目的としたIFPI(International Federation of the Phonographic Industry )コードの記録領域が形成され、この記録領域にメーカー、製造所及びディスク番号等を示す符号が刻印され、これによりコンパクトディスクの履歴等を目視により確認できるようになされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところでこのような刻印においては、コンパクトディスクの履歴を確認できることにより、この刻印の有無により違法コピーを識別できると考えられる。ところがこの刻印は、目視による確認を目的とすることにより、コンパクトディスクプレイヤーの光ピックアップによっては再生することが困難な欠点がある。これにより刻印により違法コピーを識別して再生処理にこの刻印の有無を反映させるには、結局、刻印を再生する為に専用の再生機構が必要になる。
【0006】
また、これらの方法によって記録される符号は、通常のピットと同じ方法で記録されることにより、コンパクトディスクの保護膜及びアルミ反射膜を剥離してスタンパーを作成することにより複製可能で、これにより違法にコピーされる問題があった。
【0007】
これらにより、ピット列によるオーディオデータの再生には何ら影響を与えないで、オーディオデータを再生する光ピックアップによって再生可能に、かつ違法コピーによってはコピーすることが困難に、種々のデータを記録することができれば、このデータを利用して違法コピーを排除できると考えられる。
【0008】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、ピット列等によるデータの再生には何ら影響を与えないで、このピット列等によるデータを再生する光ピックアップにより再生可能に、かつ違法コピーによってはコピーすることが困難に、種々のデータを記録することができる光ディスク装置、光ディスクの記録方法、これらにより作成された光ディスクを提案しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、光ディスク装置又は光ディスクの記録方法に適用して、エッジ検出の検出結果と、記録信号とに基づいて、光ディスクに照射する記録用レーザービームの光量を間欠的に立ち上げて光ディスクの反射率を局所的に変化させることにより、戻り光の受光結果が所定の基準レベルを横切るタイミングを変化させる。
【0010】
また光ディスクに適用して、ピット又はマークをレーザービームが走査して得られる戻り光の受光結果にジッタを与えるように、反射率が局所的に変化し、この局所的な反射率の変化により追加のデータが記録されてなるようにする。
【0011】
エッジ検出の検出結果と、記録信号とに基づいて、光ディスクに照射する記録用レーザービームの光量を間欠的に立ち上げて光ディスクの反射率を局所的に変化させ、戻り光の受光結果が所定の基準レベルを横切るタイミングを変化させれば、ピット又はマークにより記録されたデータの再生を損なわないようにして、違法コピーによってはコピーすることが困難に、ディスク識別符号などの追加のデータを記録することができ、また再生時においては、再生信号の処理によりこの追加のデータを再生することができる。
【0012】
また光ディスクに適用して、ピット又はマークをレーザービームが走査して得られる戻り光の受光結果にジッタを与えるように、反射率が局所的に変化し、この局所的な反射率の変化により追加のデータが記録されてなるようにすれば、ピット又はマークにより記録されたデータの再生を損なわないようにして、違法コピーによってはコピーすることが困難に、ディスク識別符号などの追加のデータを記録することができ、また再生時においては、再生信号の処理によりこの追加のデータを再生することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳述する。
【0014】
(1)実施の形態
(1−1)実施の形態の構成
図1は、本発明の実施の形態に係る光ディスク装置を示すブロック図である。この光ディスク装置1は、コンパクトディスクの製造工程において、既にピット列としてディジタルオーディオ信号が記録されたコンパクトディスク2にディスク識別符号EDを記録する。
【0015】
すなわち図2に示すように、コンパクトディスク2は(図2(D))、通常のコンパクトディスクと同様にスタンパーを用いたポリカーボネイト等の射出成形により、ディスク基板3が作成される。ここでディスク基板3は、この射出成形において、ピット及びランドに対応した微細な凹凸形状が情報記録面側に形成される。さらにコンパクトディスク2は、矢印aにより部分的に拡大して示すように(図2(E))、例えば蒸着により、このディスク基板3の情報記録面側に、レーザービームを反射する反射記録膜4が形成され、続いて反射記録膜4を腐食等から保護する保護膜5が形成される。
【0016】
これによりコンパクトディスク2は、通常のコンパクトディスクと同様に、ピット及びランドの繰り返しによりオーディオ信号、再生位置を特定するための絶対時間等によるサブコード情報が記録され、ディスク基板3を透過してレーザービームLを反射記録膜4に照射すると共に、その戻り光を受光することにより、これら記録されたオーディオ信号等を再生できるようになされている。
【0017】
ここでこのようにして形成されるピット及びランドの繰り返しは、通常のコンパクトディスクと同様に、1秒当たりに75個のCDフレームが割り当てられ(図2(A))、各CDフレームにそれぞれ98個のEFMフレームが割り当てられる(図2(B))。さらに各EFMフレームは、588のチャンネルクロックに分割され、そのうちの先頭の22チャンネルクロックにフレームシンクが割り当てられる。ピット及びランドは、この1チャンネルクロックの1周期を基本周期Tとして、この基本周期の整数倍の長さにより繰り返され、フレームシンクは、それぞれ周期11Tにより作成されるようになされている
【0018】
さらにこの実施の形態において、反射記録膜4は、CD−Rの情報記録面と同一の膜構造により作成される。これによりコンパクトディスク2は、所定光量以上によりレーザービームLを照射すると、このレーザービーム照射位置における反射記録膜4の反射率が非可逆的に変化するように構成され、またこの反射率の変化を戻り光の光量変化により検出できるようになされている。
【0019】
光ディスク装置1においては(図1)、マイクロコンピュータにより構成されるシステム制御回路10により全体の動作が制御されて、このコンパクトディスク2にディスク識別符号EDを記録する。
【0020】
すなわち光ディスク装置1において、スピンドルモータ11は、サーボ回路12の制御により、線速度一定の条件によりコンパクトディスク2を回転駆動する。
【0021】
光ピックアップ13Aは、光ピックアップ13Bより先行してコンパクトディスク2より再生信号RFを検出し、光ピックアップ13Bは、この光ピックアップ13Aで検出された再生信号RFの処理結果に基づいてコンパクトディスク2にディスク識別符号EDを記録する。
【0022】
すなわち光ピックアップ13A及び13Bは、1つのスレッド機構により連動してコンパクトディスク2の半径方向に可動し、同一トラック上において近接してレーザービームを照射する。光ピックアップ13A及び13Bは、それぞれコンパクトディスク2にレーザービームを照射して得られる戻り光の受光結果より独立してトラッキング制御、フォーカス制御され、これらにより光ピックアップ13Aが走査した直後を光ピックアップ13Bにより走査してレーザービームを照射することができるようになされている。
【0023】
光ピックアップ13Aは、戻り光を所定の受光素子で受光し、この受光面における戻り光の光量変化に応じて信号レベルが変化する再生信号RFを検出する。光ピックアップ13Bは、APC(Automatic Power Control )回路14の制御により、所定のタイミングでレーザービームの光量を立ち上げ、これによりコンパクトディスク2における反射記録膜4の反射率を局所的に変化させる。
【0024】
増幅回路15は、光ピックアップ13Aより出力される再生信号RFを所定利得で増幅して出力する。2値化回路16は、増幅回路15より出力される再生信号RFを所定の基準レベルにより2値化し、2値化信号BDを出力する。PLL回路17は、この2値化信号BDよりチャンネルクロックCKを再生する。
【0025】
遅延回路22は、光ピックアップ13Aが走査した箇所を光ピックアップ13Bが走査するまでの期間の分、2値化信号BDのタイミングを遅延させて出力する。
【0026】
ディスク識別符号発生回路20は、サブコード検出回路20A及びリードオンリーメモリ(ROM)20Bにより構成される。ここでサブコード検出回路20Aは、遅延回路22を介して所定時間遅延されてなる2値化信号DBDを処理することにより、2値化信号DBD中に含まれるサブコード情報を再生する。さらにディスク識別符号発生回路20は、このサブコード情報に含まれる分、秒、フレームによる時間情報から、絶対時間で示される分(AMIN)、秒(ASEC)の時間情報を選択的に出力する。なおこのときサブコード検出回路20Aは、併せて、この秒(ASEC)の時間情報に同期したリセットパルスを生成して変換回路21に出力する。
【0027】
なおここで分(AMIN)、秒(ASEC)の時間情報は、コンパクトディスク2の規格に定められたサブコード情報であり、コンパクトディスク2上のデータの位置を示すものである。すなわち分(AMIN)の時間情報は、コンパクトディスク2上に記録されたデータを分単位で表したものであり、例えば0から74までの値を取ることができる。また秒(ASEC)の時間情報は、分(AMIN)で定められる分単位の位置を、さらに秒単位で細かく規定したものであり、0から59までの値を取る。
【0028】
リードオンリメモリ20Bは、ディスク識別符号EDを保持し、サブコード検出回路20Aより出力される分(AMIN)、秒(ASEC)の時間情報をアドレスにして保持したデータを出力する。ここでディスク識別符号EDは、ディスク毎に固有なものとして設定されるID情報、製造工場に係る情報、製造年月日、コピー可/不可を制御する情報等により構成され、ディスク識別符号EDの始まりを表す同期信号、誤り訂正符号などが含まれる。リードオンリメモリ20Bは、ディスク識別符号EDをビットデータにより保持し、分(AMIN)、秒(ASEC)の時間情報による1のアドレスに対して、1ビットのディスク識別符号EDを出力する。これによりリードオンリメモリ20Bは、1秒当たり1ビットのディスク識別符号EDを出力する。
【0029】
このようにしてディスク識別符号EDを生成して出力するにつき、図2との対比により図3に示すように、コンパクトディスク2においては、1秒が75CDフレームで構成され、さらに1のCDフレームが98EFMフレームにより構成されることにより(図3(A−1)〜(A−3))、ディスク識別符号発生回路20は、7350(7350=75×98)EFMフレーム当たり、1ビットのディスク識別符号ED(図3(D))を生成して出力する。これによりディスク識別符号発生回路20は、ディスク識別符号EDの1ビットに対して少なくともコンパクトディスク2におけるピットの10個以上のエッジが対応するように、ディスク識別符号EDを生成して出力する。
【0030】
変換回路21は、シンクパターンを基準にしてこのディスク識別符号EDをスクランブル処理して出力し、これによりディスク識別符号EDを発見困難にする。
【0031】
すなわち変換回路21において、同期パターン検出回路21Aは、遅延回路22より出力される2値化信号DBDに繰り返し現れるシンクパターンを検出する。ここで2値化信号DBDは(図3(A−4))、コンパクトディスク2に形成されたピット列に対応して信号レベルが切り換わり、各フレームの先頭に割り当てられたフレームシンクにおいて、周期11Tの期間、信号レベルが立ち上がった後、続いて周期11Tの期間、信号レベルが立ち下がる。
【0032】
従って同期パターン検出回路21Aは、多段接続したフリップフロップ回路により、チャンネルクロックCK(図3(B))を基準にして、2値化信号DBDの連続する信号レベルを判定することにより、このフレームシンクを検出する。この実施の形態において、同期パターン検出回路21Aは、このフレームシンクの検出結果より、サブコード検出回路20A等で処理される2値化信号DBDのタイミングとの対比において、フレームシンクが開始する1チャンネルクロック前の期間Tで信号レベルが立ち上がるフレームパルスFPを出力する(図3(C))。
【0033】
M系列発生回路21Bは、縦続接続された複数のフリップフロップとイクスクルーシブオア回路とにより構成され、サブコード検出回路20Aより出力されるリセットパルスに従って秒(ASEC)の時間情報の変化に対応するタイミングによりこれら複数のフリップフロップに初期値をセットした後、セットした内容をフレームパルスFPに同期して順次転送すると共に、所定の段間で帰還することにより論理1と論理0が等確率で現れるM系列の乱数データMSを生成する。これによりM系列信号MSは、ディスク識別符号EDの1ビットに対応する周期で同一パターンを繰り返す疑似乱数の系列となる。
【0034】
イクスクルーシブオア回路21Cは、M系列信号MSとディスク識別符号EDを受け、この排他的論理和信号を変換信号MDとして出力する(図3(E))。すなわちイクスクルーシブオア回路21Cは、ディスク識別符号EDが論理0の場合、M系列信号MSの論理レベルにより変換信号MDを出力し、これとは逆にディスク識別符号EDが論理1の場合、M系列信号MSの論理レベルを反転してなる変換信号MDを出力する。これによりイクスクルーシブオア回路21Cは、ディスク識別符号EDをM系列乱数により変調することになる。
【0035】
エッジ検出回路23は、この遅延回路22より出力される2値化信号DBDよりコンパクトディスク2に形成されたエッジのタイミングを検出して出力する。変調回路24は、このエッジのタイミングにより変換信号MDをゲートしてAPC回路14の制御信号MXを立ち上げ、これによりレーザービームの光量を瞬間的に立ち上げて、コンパクトディスク2の反射率を局所的に変化させる。
【0036】
すなわち図4に示すように、遅延回路22においては、縦続接続した所定段数のフリップフロップ22A〜22Oにより、順次チャンネルクロックCKに同期して2値化信号BDを転送し、これにより2値化信号BDを遅延させて出力する。なおここで、このフリップフロップ22A〜22Oの段数は、このような2値化信号の転送により2値化信号BDに与えられる遅延時間が、光ピックアップ13Aが走査した箇所を光ピックアップ13Bが走査する迄の時間と等しくなるように設定される。
【0037】
エッジ検出回路23は、チャンネルクロックCKにより動作するフリップフロップ23Aにフリップフロップ22Oの出力信号を与え、このフリップフロップ23Aの入出力信号をアンド回路23Bに入力する。ここでアンド回路23Bは、一方の入力端が反転入力端に設定され、これにより2つの入力端の論理レベルが異なる場合に、出力端の論理レベルを立ち上げるようになされている。これによりエッジ検出回路23は、2値化信号BDの論理レベルが切り換わるタイミングを検出し、この検出結果であるアンド回路23Bの出力信号をエッジ検出信号EP(図3(F))として出力する。
【0038】
変調回路24は、エッジ検出信号EPと変換信号MDとをアンド回路24Aに入力し、これによりエッジ検出信号EPにより変換信号MDをゲートして、エッジのタイミングで変換信号MDの論理レベルに応じて論理レベルが立ち上がる変調信号MXAを生成する(図3(G))。
【0039】
Dフリップフロップ24Bは、チャンネルクロックCKにより動作してこの変調信号MXAのグリッジノイズを除去して出力し、モノステーブルマルチバイブレータ(MM)24Cは、このDフリップフロップ24Bより出力されるパルス信号のパルス幅を整形して変調パルスMX(図3(H))を出力する。
【0040】
APC回路14(図1)は、この変調パルスMXに応じて、光ピックアップ13Bより出射されるレーザービームの光量を再生時の光量から記録時の光量に切り換える。ここで記録時の光量とは、コンパクトディスク2の反射記録膜4の反射率を変化させるに充分な光量である。
【0041】
これにより光ディスク装置1は、光ピックアップ13Bより出射されるレーザービームが各ピットPのエッジを走査するタイミングで、乱数データMSにより変調されたディスク識別符号EDに応じてこのレーザービームの光量を立ち上げ、対応するエッジを跨ぐようにマークMを形成してディスク識別符号EDを追加記録する(図3(I−1)及び(I−2))。従ってコンパクトディスク2においては、ディスク識別符号EDを追加記録していない場合は、これらのピットのエッジを走査するタイミングで、ほぼ平均値レベルを横切る信号波形による再生信号RFが得られるのに対し(図3(J−1))、このようにディスク識別符号EDを追加記録した場合には、対応するエッジの部分で局所的に反射率が変化していることにより、ピットのエッジを走査するタイミングで、変化した反射率の分だけ信号レベルが局所的に変動してなる再生信号RFが得られ、反射率が変化した分ジッタが増大することになる(図3(J−2))。これによりコンパクトディスク2は、再生信号RFで検出されるジッタによりディスク識別符号EDが記録され、再生信号RFの信号レベルの変化を基準にしてディスク識別符号EDが再生されるようになされている。
【0042】
かくするにつき再生信号RFにおいて、このように信号波形が変化しても、従来と同様の信頼性により再生信号RFを処理してオーディオ信号を再生できるように、すなわち再生信号RFを充分な位相余裕、振幅余裕により2値識別してチャンネルクロックCKを精度良く生成できるように、光ディスク装置1においては、APC回路14により立ち上げられるレーザービームの光量が設定され、またこのレーザービームの光量を立ち上げる期間である、変調パルスMXのパルス幅が設定されるようになされている。
【0043】
図5は、このコンパクトディスク2を再生するコンパクトディスクプレイヤーを示すブロック図である。このコンパクトディスクプレイヤー30において、スピンドルモータ32は、サーボ回路33の制御によって線速度一定の条件によりコンパクトディスク2を回転駆動する。
【0044】
光ピックアップ34は、コンパクトディスク2にレーザービームを照射すると共にその戻り光を所定の受光素子により受光し、この受光素子の受光面における戻り光の光量に応じて信号レベルが変化する再生信号RFを出力する。ここでこの再生信号RFは、コンパクトディスク2に記録されたピットに対応して信号レベルが変化することになる。このときコンパクトディスク2において、ディスク識別符号EDの記録によりエッジの部分において局所的に反射率が変化するように形成されていることにより、再生信号RFの信号レベルは、ディスク識別符号EDによる反射率の変化に応じて僅かに変化することになる。
【0045】
2値化回路35は、この再生信号RFを所定の基準レベルにより2値化し、2値化信号BDを作成する。
【0046】
PLL回路36は、この2値化信号BDを基準にして動作することにより、再生信号RFのチャンネルクロックCCKを再生する。
【0047】
EFM復調回路37は、チャンネルクロックCCKを基準にして2値化信号BDを順次ラッチすることにより、EFM変調信号S2に対応する再生データを再生する。さらにEFM復調回路37は、この再生データをEFM復調した後、フレームシンクを基準にしてこの復調データを8ビット単位で区切り、生成した8ビット単位の信号をデインターリーブしてECC(Error Correcting Code )回路38に出力する。
【0048】
ECC回路38は、このEFM復調回路37の出力データに付加された誤り訂正符号に基づいて、この出力データを誤り訂正処理し、これによりオーディオデータD1を再生して出力する。
【0049】
ディジタルアナログ変換回路(D/A)39は、このECC回路38より出力されるオーディオデータD1をディジタルアナログ変換処理し、アナログ信号でなるオーディオ信号S4を出力する。このときディジタルアナログ変換回路39は、システム制御回路40の制御により、このコンパクトディスク2が違法コピーによるものと判断されると、オーディオ信号S4の出力を中止する。
【0050】
システム制御回路40は、このコンパクトディスクプレイヤー30の動作を制御するコンピュータにより構成される。システム制御回路40は、ディスク識別符号再生回路41より出力されるディスク識別符号EDに基づいて、コンパクトディスク2が違法コピーによるものか否か判断し、違法コピーによるものと判断した場合には、ディジタルアナログ変換回路39からのオーディオ信号S4の出力を停止制御する。
【0051】
ディスク識別符号再生回路41は、再生信号RFよりディスク識別符号EDを復号して出力する。
【0052】
図6は、このディスク識別符号再生回路41を詳細に示すブロック図である。このディスク識別符号再生回路41において、サブコード検出回路42は、チャンネルクロックCCKを基準にして2値化信号BDを監視し、この2値化信号BDよりサブコード情報を復号する。さらにサブコード検出回路42は、この復号したサブコード情報のうちの時間情報を監視し、この時間情報が1秒変化する毎に信号レベルが立ち上がる1秒検出パルスSECPを出力する。
【0053】
エッジ検出回路44は、図4について上述したエッジ検出回路23と同様に構成され、2値化信号BDからピットの変化点を検出してエッジ検出信号EPを出力する。
【0054】
同期パターン検出回路45は、チャンネルクロックCCKを基準にして2値化信号BDを順次ラッチし、その連続する論理レベルを判定することによりシンクパターンを検出してフレームパルスFPを出力する。
【0055】
M系列生成回路46は、1秒検出パルスSECPを基準にしてアドレスを初期化した後、フレームパルスFPによりアドレスを順次歩進して内蔵のリードオンリメモリをアクセスし、これにより光ディスク装置1で生成したM系列乱数データMSに対応するM系列乱数データMZを生成する。
【0056】
これらによりディスク識別符号再生回路41においては、光ディスク装置1における処理に対応して、ディスク識別符号EDの再生に必要な各種基準信号を再生する。
【0057】
ディスク識別符号再生回路41において、アナログディジタル変換回路47は、チャンネルクロックCCKを基準にして再生信号RFをアナログディジタル変換処理し、8ビットのディジタル再生信号を出力する。極性反転回路(−1)48は、このディジタル再生信号の極性を反転して出力する。
【0058】
セレクタ49は、M系列生成回路46より出力されるM系列乱数データMZの論理レベルに応じて、アナログディジタル変換回路47より直接入力されるディジタル再生信号、極性反転回路48より入力される極性を反転してなるディジタル再生信号を選択出力する。すなわちセレクタ49は、M系列乱数データMZが論理1の場合、直接入力されるディジタル再生信号を選択して出力し、これとは逆にM系列乱数データMZが論理0の場合、極性反転されたディジタル再生信号を選択する。これによりこのセレクタ49は、M系列乱数データMSにより変調したディスク識別符号EDの論理レベルを多値のデータにより再生することになり、この多値のデータによる再生データRXを出力する。
【0059】
加算器52は、16ビットのディジタル加算器であり、再生データRXとアキュムレータ(ACU)53の出力データAXとを加算して出力する。アキュムレータ53は、加算器52の出力データを保持する16ビットのメモリで構成され、保持したデータを加算器52に帰還することにより、加算器52と共に累積加算器を構成する。すなわちアキュムレータ53は、1秒検出パルスSECPにより保持した内容をクリアした後、エッジ検出回路44の出力信号EPに同期して加算器52の出力データを記録する。これにより加算器52は、サブコード情報による時間情報の各秒毎(7350フレーム間)に、セレクタ49により再生された再生データRXの論理値よりエッジに対応する論理値を選択的に累積し、累積値AXを出力する。
【0060】
2値化回路54は、1秒検出パルスSECPが立ち上がるタイミングで、所定の基準値によりアキュムレータ53の出力データAXを2値化して出力する。これによりセレクタ49により再生されたディスク識別符号EDの再生データRXが、2値のディスク識別符号EDに変換される。
【0061】
ECC回路55は、このディスク識別符号EDに付加された誤り訂正符号によりディスク識別符号EDを誤り訂正処理して出力する。
【0062】
(1−2)実施の形態の動作
以上の構成において、この実施の形態に係るコンパクトディスク2の製造工程では、通常のマスタリング装置によりマザーディスクが作成され、このマザーディスクより作成されたスタンパーによりディスク基板3が作成される。さらにこのディスク基板3に反射記録膜4、保護膜5が形成されてコンパクトディスク2が作成される(図2)。これによりコンパクトディスク2は、所定の基本周期Tに対応する基本長さの整数倍の長さによるピット及びランドが繰り返されて、ディジタルオーディオ信号等が記録される。
【0063】
このときコンパクトディスク2は、反射記録膜4にCD−Rの情報記録膜と同一の膜構造が適用され、これにより所定光量以上によりレーザービームLを照射すると、このレーザービーム照射位置における反射記録膜4の反射率が可逆的に変化し、ピット及びランドの繰り返しにより記録された主のデータに加えて、副のデータを追加記録することができるように構成される。
【0064】
このようにして作成されたコンパクトディスク2は、光ディスク装置1(図1)において、ピット及びランドの繰り返しにより記録されたディジタルオーディオ信号の再生には何ら影響を与えないように、ディスク識別符号EDが記録される。
【0065】
すなわち光ディスク装置1において、コンパクトディスク2は、光ピックアップ13Aより得られる再生信号RFが2値化回路16により2値化信号BDに変換され、この2値化信号BDよりPLL回路17でチャンネルクロックCKが再生され、また光ピックアップ13Aが走査した箇所をディスク識別符号EDの記録に使用する光ピックアップ13Bが走査するまでの時間差分、遅延回路22で2値化信号BDが遅延される。
【0066】
光ディスク装置1では、この遅延回路22より出力される2値化信号DBDよりサブコード検出回路20Aでサブコードが検出され、このサブコードの分(AMIN)及び秒(ASEC)によるリードオンリメモリ20Bのアクセスにより、サブコードに同期した1秒当たり1ビットの極めて低いビットレートによりディスク識別符号EDが生成される。
【0067】
またこれと同時に、同期パターン検出回路21Aにおいて、この2値化信号DBDよりシンクパターンが検出され、M系列発生回路21Bにおいて、このシンクパターンの検出結果より、シンクパターンに同期したタイミングで順次論理1及び論理0が等確率で発生するM系列乱数データMSが生成される。
【0068】
光ディスク装置1では、イクスクルーシブオア回路21Cにおいて、このM系列乱数データMSによりディスク識別符号EDが変調され、これによりディスク識別符号EDが発見困難とされる。
【0069】
光ディスク装置1では、エッジ検出回路23において(図4)、光ピックアップ13Bがピットのエッジを横切るタイミングが検出され、続く変調回路24において、このタイミング検出結果を基準にしてイクスクルーシブオア回路21Cの出力信号がゲートされると共に、そのゲート結果のパルス幅が短いパルス幅に整形され、その結果得られる変換信号MDにより光ピックアップ13Bから出力されるレーザービームの光量が間欠的に立ち上げられる。
【0070】
これによりコンパクトディスク2は、この制御信号MXによるレーザービームの光量の立ち上げに対応して反射記録膜4の反射率が局所的に変化し(図3)、この場合ピットのエッジを光ピックアップ13Bが走査するタイミングによりイクスクルーシブオア回路21Cの出力信号をゲートしてレーザービームの光量を立ち上げたことにより、各ピットPのエッジを跨ぐように、イクスクルーシブオア回路21Cの出力信号に応じてマークMが形成される。
【0071】
このようにマークMが形成されてなるコンパクトディスク2においては、再生信号RFのジッタが増大するものの、このようにして与えられる反射率の変化が極く微量であることから、ピット列として記録された情報の再生には何ら影響がなく、安定かつ精度良くクロックを生成して記録されたデータを再生することが可能となる。
【0072】
またコンパクトディスク2においては、イクスクルーシブオア回路21Cにおいて、論理1と論理0が等確率で現れるM系列によりディスク識別符号EDが擾乱されて記録されていることにより、再生信号RFの信号波形をオシロスコープで観測した場合等にあっても、ディスク識別符号EDを表す情報がノイズのように観察され、これによりディスク識別符号EDを発見困難とすることができる。さらにディスク識別符号EDのコピーを困難にすることもできる。
【0073】
またこれらに加えて、ディスク識別符号EDの1ビットを1秒の期間に割り当てたことにより、すなわちこの1ビットを全部で7350(7350=75×98)EFMフレームに分散して記録することにより、ノイズ等により再生信号が変動しても、確実にディスク識別符号EDを再生することができる。
【0074】
さらにこのようにしてディスク識別符号EDを記録したコンパクトディスク2は、従来の違法コピーの手法によっては、ピット列によるディジタルオーディオ信号D1についてはコピーされてしまうものの、ディスク識別符号EDについては、コピーすることが困難になる。
【0075】
すなわちこのコンパクトディスク2と同一に違法コピーを作成する場合には、ディスク識別符号EDを同様にマークにより記録する必要があり、ディジタルオーディオ信号D1が事前にピット列により記録され、また反射記録膜を有しているディスク状記録媒体を用意する必要がある。またこの光ディスク装置1と同様の構成による装置を用意する必要もある。これらによりこのディスク識別符号EDについては、コピー困難に記録することができる。
【0076】
このようにして作成されたコンパクトディスク2は(図5)、コンパクトディスクプレイヤー30において、レーザービームを照射して得られる戻り光の光量に応じて信号レベルが変化する再生信号RFが検出されることにより、この再生信号RFの信号レベルがピット及びランドに応じて、またコンパクトディスク2の反射率に応じて変化することになり、この再生信号RFが2値化回路35により2値化される。続いて2値化信号BDがEFM復調回路37により2値識別された後、EFM復調、デインターリーブされ、ECC回路38により誤り訂正処理され、これによりディジタルオーディオ信号が再生される。
【0077】
このときコンパクトディスク2において、局所的に反射率が変化してなるマークが形成されていることにより、このマークを形成したことによる各エッジ近傍における信号レベルが僅かながら変化するものの、実用上充分な精度により正しく2値識別してクロックを生成でき、またこのクロックにより正しく再生することができ、これによりディスク識別符号EDを記録したコンパクトディスク2であっても、通常のコンパクトディスクプレイヤーにより正しく再生することが可能となる。
【0078】
このようなディジタルオーディオ信号の再生において、コンパクトディスク2は、ディスク識別符号再生回路41において、ディスク識別符号EDが同時に再生され、このディスク識別符号EDが正しく再生できない場合、違法なコピーとしてディジタルアナログ変換回路39によるディジタルアナログ変換処理が直ちに停止制御される。
【0079】
すなわちこのディスク識別符号EDの再生において(図6)、コンパクトディスク2は、同期パターン検出回路45において、フレームシンクが検出され、このフレームシンクの検出を基準にしてM系列生成回路46において記録時のM系列乱数データMSに対応するM系列乱数データMZが生成される。
【0080】
またエッジ検出回路44において、レーザービームがピットのエッジを横切るタイミングが検出され、サブコード検出回路42においては、サブコードの秒が歩進するタイミングが検出される。
【0081】
また再生信号RFがアナログディジタル変換回路47によりディジタル再生信号に変換され、M系列乱数データMZを基準にしてセレクタ49によりこのディジタル再生信号、又は極性を反転してなるディジタル再生信号が選択されることにより、ディスク識別符号EDの論理レベルを多値のデータにより表現してなる再生データRXが再生される。
【0082】
コンパクトディスク2においては、サブコードの秒が歩進される期間を単位にして、アキュムレータ53及び加算器52により各エッジに対応する再生データRXが選択的に累積され、これによりディスク識別符号EDの再生結果についてSN比が改善される。またこの累積結果が2値化回路54により2値化されてディスク識別符号EDが復号された後、ECC回路55により誤り訂正処理され、システム制御回路40に出力される。
【0083】
これによりディスク識別符号EDにおいては、1つのエッジにおける反射率の変化は小さいものの、多くのピットのエッジから得られた信号の総和より求められれることになり、ディスク上に存在するランダムノイズの影響を受けることなく、充分に確実に復号することが可能となる。またこのようにして総和より復号する際に、記録時M系列により擾乱さていることにより、再生信号全体のレベル変動などの影響も有効に回避され、ディスク識別符号EDを極めて安定に再生することが可能となる。
【0084】
(1−3)実施の形態の効果
以上の構成によれば、レーザービームの照射によりコンパクトディスクの反射率を局所的に変化させてジッタを与え、このジッタによりディスク識別符号を記録したことにより、ピット列によるディジタルオーディオ信号の再生には何ら影響を与えないで、このディジタルオーディオ信号を再生する光ピックアップにより再生可能に、かつ違法コピーによってはコピーすることが困難にディスク識別符号を記録することができる。
【0085】
またサブコードを基準にして1秒当たりにディスク識別符号の1ビットを割り当て、少なくとも10個以上のエッジにディスク識別符号の1ビットを割り当てて記録することにより、ノイズ等の影響を回避して確実にディスク識別符号を再生することができる。
【0086】
さらにこのディスク識別符号をM系列乱数データにより変調して記録することにより、ノイズと識別困難にディスク識別符号を記録でき、ディスク識別符号を発見、解析困難にすることができる。また再生時、ノイズの影響を有効に回避してディスク識別符号を再生することができる。
【0087】
またコンパクトディスクプレイヤーにおいて、再生信号RFの信号レベルを検出してディスク識別符号を復号し、この信号レベルを累積してディスク識別符号に混入したノイズの影響を除去することにより、ノイズと識別困難に記録したディスク識別符号EDを確実に再生することができる。
【0088】
またセレクタ49においてM系列乱数データMZによりディジタル再生信号を選択的に処理して、ディスク識別符号を再生することにより、発見、解析困難に記録したディスク識別符号を確実に再生することができる。
【0089】
(2)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、反射記録膜にCD−Rの膜構造を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば相変化型光ディスクの膜構造を適用してもよく、さらには充分な光量によりレーザービームを間欠的に照射することが可能な場合には、従来のコンパクトディスクにこの種のデータを追加記録してもよい。
【0090】
また上述の実施の形態においては、ピットのエッジを跨ぐようにマークを形成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、必ずしもエッジを跨ぐようにマークを形成する必要はなく、エッジ近傍にこの種のマークを形成しても上述の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0091】
また上述の実施の形態においては、1秒周期でM系列をリセットする場合について述べたが、本発明はこれに限らず、CDフレーム単位でリセットしても上述の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0092】
また上述の実施の形態においては、ディスク識別符号を記録する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ピット及びランド長により暗号化したディジタルオーディオ信号を記録し、この暗号化の解除に必要なキー情報を記録する場合、さらにはキー情報の選択、復号に必要なデータを記録する場合等、暗号化の解除に必要な種々のデータを記録してもよい。
【0093】
また上述の実施の形態においては、コンパクトディスクにディスク識別符号を記録する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、コンパクトディスクプレイヤーに適用して、例えばピット列によりデータの再生回数、コピー回数を記録するようにしてもよい。
【0094】
さらに上述の実施の形態においては、アキュムレータによる累積値を2値識別してディスク識別符号を再生する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この累積値を多値識別して再生するようにしてもよい。
【0095】
また上述の実施の形態においては、EFM変調してディジタルオーディオ信号を記録する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、1−7変調、8−16、2−7変調など、種々の変調に対して広く適用することができる。
【0096】
また上述の実施の形態においては、ピット及びランドにより所望のデータを記録する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、マーク及びスペースにより所望のデータを記録する場合にも広く適用することができる。
【0097】
また上述の実施の形態においては、コンパクトディスクとその周辺装置に本発明を適用してオーディオ信号を記録する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ビデオディスク等、種々の光ディスク及びその周辺装置に広く適用することができる。
【0098】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、反射率を局所的に変化させてエッジの位置情報にジッタを与え、このジッタにより所望のデータを追加記録することにより、ピット列等によるデータ列の再生には何ら影響を与えないで、このデータ列を再生する光ピックアップにより再生可能に、かつ違法コピーによってはコピーすることが困難に、ディスク識別符号等のデータを記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るコンパクトディスクの処理に供する光ディスク装置を示すブロック図である。
【図2】図1の光ディスク装置で処理するコンパクトディスクの説明に供する断面図及びタイムチャートである。
【図3】図1の光ディスク装置の動作の説明に供するタイムチャートである。
【図4】図1の光ディスク装置の遅延回路、エッジ検出回路、変調回路を示すブロック図である。
【図5】図1の光ディスク装置により作成したコンパクトディスクを再生するコンパクトディスクプレイヤーを示すブロック図である。
【図6】図5のコンパクトディスクプレイヤーのディスク識別符号再生回路を示すブロック図である。
【符号の説明】
1……光ディスク装置、2……コンパクトディスク、3……ディスク基板、4……反射記録膜、5……保護膜、13A、13B、34……光ピックアップ、14……APC回路、17……PLL回路、20……ディスク識別符号発生回路、20A、42……サブコード検出回路、21……変換回路、21A、45……同期パターン検出回路、21B、46……M系列発生回路、23、44……エッジ検出回路、24……変調回路、30……コンパクトディスクプレイヤー、41……ディスク識別符号再生回路

Claims (22)

  1. ピット列又はマーク列により所望のデータが記録されてなる光ディスクに追加のデータを記録する光ディスク装置であって、
    前記光ディスクに照射した再生用レーザービームの戻り光を受光して、前記戻り光の受光結果を出力する戻り光受光手段と、
    前記戻り光の受光結果より、前記光ディスクに照射する記録用レーザービームがピット又はマークのエッジを横切るタイミングを検出するエッジ検出手段と、
    前記追加のデータを変調して記録信号を生成する変調手段と、
    前記エッジ検出手段の検出結果と、前記記録信号とに基づいて、前記記録用レーザービームの光量を間欠的に立ち上げて前記光ディスクの反射率を局所的に変化させることにより、前記戻り光の受光結果が所定の基準レベルを横切るタイミングを変化させるレーザービーム照射手段と
    を備えることを特徴とする光ディスク装置。
  2. 前記レーザービーム照射手段は、
    前記記録用レーザービームが前記ピット又はマークを横切るタイミングで前記記録用レーザービームの光量を間欠的に立ち上げる
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
  3. 前記変調手段は、
    所定の2進数系列を発生する2進数系列生成手段と、
    前記2進数系列と、前記追加のデータとを演算処理して前記記録信号を生成する演算処理手段とを有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
  4. 前記2進数系列は、
    M系列の乱数である
    ことを特徴とする請求項3に記載の光ディスク装置。
  5. 前記演算処理は、
    前記2進数系列と、前記追加のデータとの排他的論理和を計算する処理である
    ことを特徴とする請求項3に記載の光ディスク装置。
  6. 前記変調手段は、
    前記追加のデータの1ビットに少なくとも前記ピット又はマークの10個のエッジが対応するように、前記記録信号を生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
  7. ピット列又はマーク列により所望のデータが記録されてなる光ディスクに追加のデータを記録する光ディスクの記録方法であって、
    前記光ディスクに照射した再生用レーザービームの戻り光を受光して、前記戻り光の受光結果を出力する戻り光受光処理と、
    前記戻り光の受光結果より、前記光ディスクに照射する記録用レーザービームがピット又はマークのエッジを横切るタイミングを検出するエッジ検出処理と、
    前記追加のデータを変調して記録信号を生成する変調処理と、
    前記エッジ検出処理の検出結果と、前記記録信号とに基づいて、前記記録用レーザービームの光量を間欠的に立ち上げて前記光ディスクの反射率を局所的に変化させることにより、前記戻り光の受光結果が所定の基準レベルを横切るタイミングを変化させるレーザービーム照射処理と
    を有することを特徴とする光ディスクの記録方法。
  8. 前記レーザービーム照射処理は、
    前記記録用レーザービームが前記ピット又はマークを横切るタイミングで前記記録用レーザービームの光量を間欠的に立ち上げる
    ことを特徴とする請求項7に記載の光ディスクの記録方法。
  9. 前記変調処理は、
    所定の2進数系列を発生する2進数系列生成処理と、
    前記2進数系列と、前記追加のデータとを演算処理して前記記録信号を生成する演算処理とである
    ことを特徴とする請求項7に記載の光ディスクの記録方法。
  10. 前記2進数系列は、
    M系列の乱数である
    ことを特徴とする請求項9に記載の光ディスクの記録方法。
  11. 前記演算処理は、
    前記2進数系列と、前記追加のデータとの排他的論理和を計算する処理である
    ことを特徴とする請求項9に記載の光ディスクの記録方法。
  12. 前記変調処理は、
    前記追加のデータの1ビットに少なくとも前記ピット又はマークの10個のエッジが対応するように、前記記録信号を生成する
    ことを特徴とする請求項7に記載の光ディスクの記録方法。
  13. ピット列又はマーク列により所望のデータが記録されてなる光ディスクにおいて、
    前記ピット又はマークをレーザービームが走査して得られる戻り光の受光結果にジッタを与えるように、反射率が局所的に変化し、
    該局所的な反射率の変化により所望の追加のデータが記録された
    ことを特徴とする光ディスク。
  14. 前記追加のデータの1ビットが少なくとも前記ピット又はマークの10個のエッジに割り当てられて記録された
    ことを特徴とする請求項13に記載の光ディスク。
  15. 前記追加のデータと所定の2進数系列との演算処理結果に対応して、前記ピット又はマークの前後所定範囲で前記反射率が局所的に変化してなる
    ことを特徴とする請求項13に記載の光ディスク。
  16. 前記ピット列又はマーク列によるデータは、暗号化されたデータであり、
    前記追加のデータは、前記暗号化されたデータの暗号化を解除するのに必要なデータである
    ことを特徴とする請求項13に記載の光ディスク。
  17. 光ディスクに光ビームを照射して得られる戻り光を検出し、前記戻り光に応じて信号レベルが変化する再生信号を信号処理することにより、前記光ディスクに記録されたデータ列を再生する光ディスク装置において、
    前記光ディスクは、
    ピット列又はマーク列により所望のデータが記録され、
    前記ピット列又はマーク列をレーザービームが走査して得られる戻り光の受光結果にジッタを与えるように、反射率が局所的に変化し、
    該局所的な反射率の変化により所望の追加のデータが記録され、
    前記光ディスク装置は、
    前記再生信号に基づいてクロック信号を再生するクロック再生手段と、
    前記クロック信号を基準にして前記再生信号を2値識別することにより、主のデータ列を再生する第1の再生手段と、
    前記クロック信号を基準にして前記再生信号を信号処理して前記追加のデータ列を再生する第2の再生手段とを備え、
    前記第2の再生手段は、
    前記再生信号の信号レベルを検出して信号レベル検出結果を出力する信号レベル検出手段と、
    前記信号レベル検出結果の平均値を検出して出力する平均値化手段と、
    前記信号レベル検出結果の平均値を識別して前記追加のデータ列を再生する第2の識別手段とを有する
    ことを特徴とする光ディスク装置。
  18. 前記平均値化手段は、
    前記信号レベル検出結果を積算して積算値を出力する積算手段と、
    前記積算手段により積算をカウントしてカウント値を出力する係数手段と、
    前記積算値を前記カウント値により除算して前記平均値を出力する除算手段とを有する
    ことを特徴とする請求項17に記載の光ディスク装置。
  19. 前記信号レベル検出手段又は前記平均値化手段は、
    前記光ディスクのピット又はマークのタイミングで、前記信号レベル検出結果を選択的に平均値化する
    ことを特徴とする請求項17に記載の光ディスク装置。
  20. 前記信号レベル検出手段又は前記平均値化手段は、
    乱数により前記再生信号を選択的に処理して、前記追加のデータ列を再生する
    ことを特徴とする請求項17に記載の光ディスク装置。
  21. 前記追加のデータ列に基づいて前記主のデータ列の再生を停止制御する
    ことを特徴とする請求項17に記載の光ディスク装置。
  22. 前記追加のデータ列に基づいて前記主のデータ列の暗号化を解除する
    ことを特徴とする請求項17に記載の光ディスク装置。
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