JP4043145B2 - 密着性に優れた表面被覆焼結合金およびその製法 - Google Patents
密着性に優れた表面被覆焼結合金およびその製法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬質相と結合相とを含有した超硬合金またはサーメットでなる焼結合金母材の表面に硬質膜を被覆した表面被覆焼結合金およびその製法に関し、具体的には、焼結合金母材と硬質膜との界面に着目し、母材と硬質膜との結合力を高めることにより、硬質膜の密着性を改善して工具寿命を向上させた表面被覆焼結合金およびその製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
超硬合金またはサーメットでなる焼結合金母材にTiC,TiCN,TiN,Al2O3などの硬質膜を化学蒸着法あるいは物理蒸着法により被覆してなる表面被覆焼結合金は、母材の強度および靱性と硬質膜の耐摩耗性を兼備しているため、切削工具や耐摩耗工具,部品として多用されている。しかし、母材と硬質膜との密着性が劣ると、使用時における硬質膜の剥離により急激に摩耗が進行し、寿命が低下する。一般に、母材と硬質膜との密着性は、焼結合金を構成している組成成分の硬質膜中への拡散状態が大きく影響する。このために母材と硬質膜との密着性を向上させる方法として、母材表面の調整処理,母材に隣接する硬質膜の材質選定,母材と硬質膜との界面への下地層介在,母材に隣接する硬質膜または下地層のコーティング条件の最適化などが試みられている。
【0003】
焼結合金の表面に硬質膜を被覆した表面被覆焼結合金における課題の一つである母材と硬質膜との密着性については、多数の提案がなされている。母材と硬質膜との密着性を改善するための一つとして提案されているものに、焼結合金母材の組成成分を硬質膜中へ拡散させる方法があり、その代表的なものとして、特開平07ー243023号公報,特開平08ー118105号公報,特開平08ー187605号公報,特開平09ー262705号公報および特開平05ー263252号公報がある。
【0004】
一方、一般に焼結合金の表面は、用途により、焼結後に研削などで機械的加工が施される機械的加工面でなる製品と、機械的加工が施されていなく、ほぼ焼結後の状態でなる焼結肌面でなる製品と、これら両方の面状態でなる製品とでなっている。これらの焼結合金の表面状態うち、機械的加工面は、Coを含む加工屑が表面に比較的均一に付着しているが、表面近傍には加工変質層が残存するという問題がある。また、焼結肌面では加工変質層は無いものの、表面の凹凸が激しくて硬質相粒子上に結合相が存在していなく、硬質相と硬質膜との密着性が劣るという問題がある。ここで記載している加工変質層とは、硬質相粒子内のクラック,硬質相粒子同士あるいは硬質相粒子と結合相との界面欠陥,結合相の変態を代表例として挙げることができる。このように機械的加工面や焼結肌面でなる焼結合金の表面を改善することが多数提案されており、その代表的なものとして、特開平06ー108253号公報,特開平05ー123903号公報および特開平07ー097603号公報がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明に関連する先行技術のうち、焼結合金の母材を構成している組成成分を硬質膜中へ拡散させることが開示されている特開平07ー243023号公報,特開平08ー118105号公報,特開平08ー187605号公報および特開平09ー262705号公報には、化学気相蒸着法(以下、CVD法という)により、WC基超硬合金母材の表面にTiCあるいはTiNの第1層と、柱状晶結晶(縦長成長結晶組織と記載されている)を含むTiCNの第2層と、TiC,TiCOなどの第3層と、カッパー型結晶を含むAl2O3の第4層とでなる硬質膜を順次被覆し、第1層と第2層あるいは第1〜3層までに超硬合金母材を構成する成分のうち少なくともWとCoが拡散含有されている表面被覆炭化タングステン基超硬合金製切削工具が開示されている。
【0006】
これらの公報に開示されている表面被覆炭化タングステン基超硬合金製切削工具は、硬質膜中へのWとCoの拡散により密着性は改善されている。しかしながら、母材表面直上で硬質膜中の拡散層を微細に観察すると、拡散層は著しく不均一に形成されており、結合相であるCo上では拡散層が極端に厚くて拡散量も多いが、硬質相である炭化タングステンあるいは(W,Ti,Ta)Cなどの立方晶構造化合物上では殆ど拡散層が存在してない状態である。このような硬質膜と母材との界面状態により、硬質膜と母材との密着性の改善が不十分であるという問題がある。
【0007】
また、特開平05ー263252号公報には、超硬合金母材表面にTiCからなる第1層と、格子定数が4.251〜4.032ÅのTiCNからなる第2層と、TiCからなる第3層とからなる硬質膜を被覆した被覆超硬合金部材が開示されている。これらの公報に開示されている被覆超硬合金部材は、硬質膜形成時に超硬合金母材からのタングステンなどの拡散や炭素の吸い上げを防止することにより、切削工具としての耐摩耗性,耐欠損性の同時改善を図ったものである。すなわち、同公報に開示の被覆超硬合金部材は、第1層であるTiCと超硬合金母材中のWCとが比較的密着性に優れ、第2層であるTiCN中の炭素量と窒素量を増加させることにより母材からの炭素拡散を防止しようとしたものである。しかし、同公報に開示の被覆超硬合金部材は、母材と硬質膜との界面に脆弱なCo−W−C系複合炭化物としてのη相を生じ易く、逆に硬質膜の密着性を高める効果の高いCoとWの拡散による拡散層が生じ難くなるために、母材と硬質膜との密着性向上に限度があるという問題がある。
【0008】
一方、母材表面に関する先行技術のうち、特開平06ー108253号公報には、超硬合金表面を例えばブラシ研磨して平均表面粗さRaが0.15〜0.4μmで、かつランダムな方向に研磨傷を形成させた表面に硬質膜を被覆した被覆超硬合金が開示されている。同公報に開示されている被覆超硬合金は、ブラシ研磨により発生した研削屑の付着効果に比較して、超硬合金表面の硬質粒子上にやや均一に付着したCoの効果により、硬質膜の母材に対する密着性を高めてはいるものの、Coの付着量が少なくて、かつ加工変質層を伴うために密着性改善効果が不十分であるいう問題がある。
【0009】
また、特開平05ー123903号公報には、表面を研削処理した後に高圧の不活性ガス雰囲気中、液相出現温度以上で再焼結した超硬合金を母材とし、化学蒸着法にて母材表面に硬質膜を形成した表面被覆WC基超硬合金製切削工具部材の製造方法が開示されている。さらに、特開平07ー097603号公報には、超硬合金チップの刃先にR=0.03mmの円弧ホーニング加工を施した後、1%N2−99%Arの雰囲気中で再焼結し、表面に窒素含有の凹凸層を形成したダイヤモンド被覆用セラミックス基母材およびその製造方法が開示されている。これら両公報に開示されている再焼結肌面の表面は、加工変質層が完全に除去されているために密着性はやや改善されるものの、研削加工により硬質粒子上にも付着されたCoが再焼結により消失するために拡散層が形成されず、密着性改善効果は不十分であるいう問題がある。その他、両公報に開示の再焼結肌面の表面は、凹凸が増大するために被加工材が凝着し易くなって、膜剥離や仕上げ面精度の低下を引起こすという問題もある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、長年に亘り、表面被覆焼結合金における母材と膜との密着性を大幅に改善させる方法について検討していた所、焼結合金母材と硬質膜との界面において、硬質膜中に少なくとも母材を構成している鉄族金属とタングステン元素とが拡散された拡散元素含有層を形成させると密着性が向上するという第1の知見を得た。このときの拡散は、鉄族金属を主成分とする結合相上で顕著となり、タングステンを含有する硬質相粒子上では殆ど起こらず、母材表面で不均一な拡散層が形成されているために十分な密着性改善が得られないという第2の知見を得た。均一な拡散元素含有層を得るには、予め硬質相粒子上に鉄族金属を分散あるいは被覆しておけば良いこと、そして、母材表面に鉄族金属を分散あるいは被覆処理した後に硬質膜を被覆した被覆焼結合金は、密着性に優れるという第3の知見を得た。これら第1〜3の知見に基づいて、本発明を完成するに至ったものである。
【0011】
本発明の密着性に優れた表面被覆焼結合金は、硬質相と結合相とを含有した超硬合金またはサーメットでなる焼結合金を母材とし、該母材表面に周期律表の4a,5a,6a族元素,アルミニウム,シリコンの炭化物,窒化物,酸化物およびこれらの相互固溶体の中から選ばれた1種の単層または2種以上の積層でなる硬質膜が被覆された表面被覆焼結合金であり、該母材と該硬質膜との界面における少なくとも該硬質相粒子の直上に被覆された該硬質膜中に該硬質膜を構成する元素と異なった少なくとも1種の拡散元素がほぼ均一に拡散された拡散元素含有層が形成されているものである。
【0012】
【発明の実施の態様】
本発明の表面被覆焼結合金における母材は、具体的には、炭化タングステンのみからなる硬質相と、Coおよび/またはNiを主成分とする結合相とからなる、例えばWC−Co系合金,WC−Ni系合金,WC−(Co,Ni)系合金,WC−(Ni,Cr)系合金,WC−(Co,Cr)系合金,WC−(Co,Cr,V)系合金でなる超硬合金、また炭化タングステンと周期律表の4a,5a,6a族元素の化合物でなる立方晶構造化合物とからなる硬質相と、Coを主成分とする結合相とからなる、例えばWC−TaC−Co系合金,WC−(W,Ti,Ta)C−Co系合金,WC−(W,Ti,Ta,Nb)(C,N)−Co系合金でなる超硬合金を代表例として挙げることができる。
【0013】
また、母材のうち、サーメットとしては、Ti(C,N),TiN,TiCを主成分とする硬質相と、Coおよび/またはNiを主成分とする結合相とからなるものであり、具体的には、Ti(C,N)−(Ti,W)Cー(Co,Ni)系合金,Ti(C,N)−(Ti,W)(C,N)−(Co,Ni)系合金,Ti(C,N)−(Ti,W,Ta)Cー(Co,Ni)系合金,Ti(C,N)−(Ti,W,Ta)(C,N)−(Co,Ni)系合金でなるサーメットを代表例として挙げることができる。
【0014】
これらの母材のうち、硬質相が炭化タングステン、または炭化タングステンと周期律表の4a,5a,6a族元素の炭化物、窒化物、炭酸化物、窒酸化物およびこれらの相互固溶体の中から選ばれた少なくとも1種の立方晶構造化合物とからなり、上記結合相がコバルトおよび/またはニッケルを主成分とする超硬合金でなる場合には、母材の強度、靱性、耐衝撃性、耐熱衝撃性、耐塑性変形性などに優れることから好ましいことである。
【0015】
この母材表面に被覆される硬質膜は、具体的には、例えば化学蒸着法(以下、「CVD法」という)、物理蒸着法(以下、「PVD法」という)もしくはプラズマCVD法の1種または2種以上の組み合わせにより作製される1〜20μmの厚みでなるTiC,TiCN,TiN,(Ti,Zr)N,(Ti,Al)N,CrNに代表される単層膜、母材側からTiCの第1層ーTiNの第2層ーTiCNの第3層ーTiNの第4層でなる積層,TiNの第1層ーTiCの第2層ーAl2O3の第3層でなる積層,TiNの第1層ーTiCNの第2層ーTiCの第3層ーAl2O3の第4層ーTiNの第5層でなる積層,TiNの第1層ー(Ti,Al)Nの第2層ーTiNの第3層でなる積層,TiNの第1層ーSi3N4の第2層でなる積層,CrNの第1層ーVNの第2層でなる積層に代表される積層膜を挙げることができる。
【0016】
これらの硬質膜は、母材に隣接して被覆される第1層がTiN,TiC,TiCN,(Ti,Al)N,(Ti,Al)CNに代表されるチタンの含有した窒化物、窒炭化物、炭化物の中の1種からなる場合には、母材と第1層との整合性が優れていること、第1層中に後述する拡散元素が容易に拡散されて、密着性をより一層高めることになることから好ましいことである。
【0017】
この拡散元素は、母材、特に母材中に含有されている硬質相との密着性に優れる物質ならば制限を受けることがなく、その他に硬質膜中への拡散が容易になるような拡散元素、硬質膜との整合性に優れている拡散元素である。この拡散元素は、少なくとも母材を構成している元素を含有していると、母材中に含有されている硬質相との密着性に優れることから好ましいことである。具体的には、拡散元素が周期律表の4a,5a,6a族の金属元素、Co,Ni,Fe,の中の1種以上を含有している場合を代表例として挙げることができる。
【0018】
これらの拡散元素のうち、鉄族元素の1種以上とタングステンと炭素とを含有している場合が好ましく、拡散元素により形成される拡散元素含有層中のこれらの比率が鉄族元素とタングステンの両者それぞれの平均含有量で少なくとも3〜15原子%含有している場合には、母材中の硬質相との密着性がより優れることから好ましいことである。
【0019】
これらの拡散元素の少なくとも1種が硬質膜中にほぼ均一に拡散されて形成される拡散元素含有層は、母材と硬質膜との界面に形成される場合、硬質膜全体が拡散元素含有層として形成される場合がある。この拡散元素含有層の層厚さは、最大が硬質膜の膜厚さからなるものである。この拡散元素含有層は、硬質膜と母材との界面における母材の硬質相および結合相の直上の硬質膜中に拡散元素が拡散されて形成されていると、硬質膜の密着性を向上し、寿命を向上する効果が顕著であることから好ましいことである。
【0020】
拡散元素含有層は、具体的には、表面被覆焼結合金の断面における硬質膜の微小部分析において、WC,(W,Ti,Ta)Cなど母材の硬質相粒子直上で、鉄族元素とタングステンを含有している場合が好ましく、特に鉄族元素の1種以上とタングステンと炭素とからなる複合炭化物でなる場合、またはこの複合炭化物が硬質膜中に混在した構成でなる場合には、母材の硬質相直上における硬質膜の密着性を高める効果が顕著であることから好ましいことである。
【0021】
また、母材と拡散元素含有層との界面、特に母材に含有の硬質相粒子と拡散元素含有層との界面に、平均厚みで0.5μm以下の鉄族金属層が存在すると、硬質相粒子と硬質膜の密着性がさらに改善される場合があるので好ましい。さらに、母材と拡散元素含有層との界面における母材表面は、0.2μm以上の硬質相粒子からなり、かつ硬質相粒子内にクラックが存在していない場合には、機械的加工に伴う加工変質層が母材表面から除去されることになり、硬質膜の密着性がさらに向上するので好ましいことである。
【0022】
本発明の密着性に優れた表面被覆焼結合金は、従来の粉末冶金により作製した焼結合金または市販の焼結合金を母材とし、従来から行われている各種の表面被覆焼結合金の製法および各種の被覆物質の製法、具体的には、気相法、液相法、固相法またはこれらを組み合わせた方法などを応用し、母材の表面に拡散元素含有層と硬質膜とを形成させることにより作製することができるが、以下の方法で行うと、簡易な方法であること、拡散元素含有層の調整が容易であること、硬質膜が緻密であることから好ましい方法である。
【0023】
本発明の密着性に優れた表面被覆焼結合金の製法は、硬質相と結合相とを含有した超硬合金またはサーメットでなる焼結合金の母材の少なくとも一面に拡散元素含有物質を付着または被覆させる第1工程と、該拡散元素含有物質を付着または被覆された母材の表面に、周期律表の4a,5a,6a族元素,アルミニウム,シリコンの炭化物,窒化物,酸化物およびこれらの相互固溶体の中から選ばれた1種の単層または2種以上の積層でなる硬質膜を被覆させる第2工程とからなる工程を少なくとも経て作製される製法である。
【0024】
本発明の製法において準備する母材は、母材表面の少なくとも一面が焼結肌,研磨ラップ面,電解研磨肌または化学エッチング面であると、加工変質層が残存してなく、母材と拡散元素含有層と硬質膜との相互密着性に優れることから好ましいことである。
【0025】
この母材は、上述の第1工程の前に、硬質膜を被覆するための母材表面を電解研磨処理しておくと、加工変質層などの欠陥が除去され、母材と拡散元素含有層と硬質膜との相互密着性に優れること、硬質膜および拡散元素含有層の耐剥離性に優れることから好ましいことである。
【0026】
この第1工程における拡散元素含有物質は、拡散元素含有層を形成する元素からなる場合、拡散元素含有層を構成する元素で、かつ拡散元素含有層を構成する他の元素の拡散を促進させる役割をもする元素からなる場合がある。この拡散元素含有物質は、具体的には、Co,Ni,Feの鉄族金属、(Co,Cr)合金、(Ni,Cr)合金、(Co,W)合金、(Co,W)C化合物、(Ni,W)C化合物に代表される鉄族元素含有物質の中の少なくとも1種である場合を挙げることができる。
【0027】
この拡散元素含有物質は、電気メッキ,無電解メッキ,真空蒸着(PVD),気相反応メッキ(CVD),コロイド塗布,溶液塗布などの化学的被覆法、および鉄族金属を主成分とするショット材あるいはこのショット材と研掃材または研磨材との混合物を用いたブラスト加工,ショット処理などの機械的被覆法の中の少なくとも1種により形成されるものである。これらのうち、拡散元素含有層は、上述の鉄族金属および/または鉄族元素含有物質を主成分とする鉄族元素含有層形成物質を母材表面に付着または被覆させることにより、形成することができる。
【0028】
この拡散元素含有物質が付着または被覆された母材表面に硬質膜を被覆させる場合は、化学蒸着法、物理蒸着法、プラズマ化学蒸着法、イオン注入法、イオンビーム法、イオン照射法、レーザ蒸着法の中の少なくとも1種の方法により行うことができる。
【0029】
【作用】
本発明の密着性に優れた表面被覆焼結合金は、拡散元素含有層が母材と硬質膜との密着性を向上させる媒介的作用をしており、その中でも特に、界面における母材の硬質相粒子直上の拡散元素含有層が、母材と硬質膜との密着性を顕著に向上させる作用をしているものである。また、本発明の密着性に優れた表面被覆焼結合金の製法は、拡散元素含有物質が拡散元素含有層の形成促進作用となり、特に鉄族元素含有層が均一な拡散元素含有層を形成させる作用をしているものである。
【0030】
【実施試験1】
86.0WC−1.5TiC−0.5TiN−4.0TaC−8.0Co(重量%)の配合組成から作製したISO規格によるCNMG120408形状のブレーカ付きチップ素材を用い、ボス面を270#のダイヤモンド砥石で研削加工し、刃先部を320#の炭化けい素砥粒を含有したナイロン製ブラシで半径0.04mmのホーニング加工し、超硬合金の母材チップを得た。こうして得た母材チップを用いて、表1に示した表面処理方法と表面処理条件により各母材チップ表面を表面処理し、アセトン中で超音波洗浄した後、CVDコーティング装置により、母材表面側から1.0μmのTiN第1層,8.0μmの柱状晶TiCN第2層,1.5μmのAl2O3第3層,0.5μmのTiN第4層の計11.0μm膜厚さの積層でなる硬質膜を被覆し、本発明品1〜8と比較品1〜5の表面被覆焼結合金チップを得た。
【0031】
こうして得た本発明品1〜8のそれぞれ1個のコーナ部付近を切断して薄板とし、さらに刃先部(ブラシ加工面)とブレーカ部(焼結肌面)の母材と硬質膜との界面付近の部分を切り出した後、ラップ研磨および電解研磨処理して透過電子顕微鏡用測定試料を作製した。それぞれの試料について、母材と硬質膜との界面における母材の硬質相であるWCおよび(W,Ti,Ta)(C,N)粒子直上での拡散元素含有層中に存在する拡散元素であるCo(Niも含む)とWの含有量を測定した。各10箇所での測定結果を測定値範囲とし、刃先部の結果を表2に、ブレーカ部の結果を表3に示した。本発明品1〜8は、表3からも明らかなように、母材と硬質膜との界面における母材硬質相および結合相の直上に拡散元素含有層が形成されていた。
【0032】
比較品1〜5についても同様にして調査した結果、母材と硬質膜との界面における母材中のWCおよび(W,Ti,Ta)(C,N)粒子直上には、拡散元素含有層が確認されず、界面より約0.2μm距離の硬質膜側の位置に存在する拡散元素であるCo(Niも含む)とWの含有量を測定した。同様に各10箇所での測定結果を測定値範囲として表2および表3に併記した。比較品1〜5は、硬質相粒子直上には殆どCoとWが検出されなく、母材表面上では不均一であり、界面付近の硬質膜を分析すると、CoとWが0〜10原子%と大きくばらついているくものであった。
【0033】
これらの本発明品1〜8および比較品1〜5について、上述した各切断面をラップ研磨した試料を用いて、電界放射型の走査電子顕微鏡により母材と硬質膜との界面付近を観察した。硬質相粒子上でのCo(Niも含む)層の厚み,硬質相粒子内のクラック,0.2μm以下の硬質相微細粒子の測定結果を表2および表3に併記した。
【0034】
次に、本発明品1〜8および比較品1〜5について、切断してない同形状の表面被覆焼結合金チップ各5個を用いて、被削材:S45Cの4本溝入り,切削速度:150m/min,切込み:2.0mm,送り:0.30mm/rev,湿式の条件で外周断続旋削試験を行った。試験結果として、断続切削による衝撃回数が1万回に達するまでに刃先欠損したチップ数、1万回に達したもので膜剥離(チッピング)が発生したものと正常なチップ数の各割合を表4に示した。
【0035】
さらに、本発明品1〜8および比較品1〜5について、同形状の表面被覆焼結合金チップ1個を用いて、被削材:S48Cの円盤(150φ×30mm),切削速度:50〜180m/min,切込み:2.0mm,送り:0.30mm/rev,湿式の条件で板面の間欠旋削試験を行った。50面を加工した後の切れ刃損傷として、逃げ面での平均摩耗量とすくい面でのクレータ摩耗の最大幅を測定し、表4に併記した。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】
【実施試験2】
88.0WC−2.0TaC−10.0Co(重量%)の配合組成から作製したISO規格によるSNGN120408形状のチップ素材を用い、上下面と外周面を270#のダイヤモンド砥石で研削加工し、刃先部に400#ダイヤモンド砥石で−25°×0.10mmのホーニング加工して超硬合金の母材チップを得た。こうして得た母材チップを用いて、実施試験1の表1に記載した本発明品2,5,7,8と同一条件で表面処理を施して、それぞれ本発明品9〜12用の母材とした。また、同様に比較品1,2,4と同一条件で表面処理を施して、それぞれ比較品6〜8用母材とした。
【0041】
こうして得た本発明品9〜12および比較品6〜8用の各母材をアセトン中で超音波洗浄した後、CVDコーティング装置を用いて、母材側から0.5μm膜厚のTiN第1層,3.5μmの柱状晶TiCN第2層,0.5μm膜厚のAl2O3第3層,0.5μm膜厚のTiN第4層の合計5.0μm膜厚さでなる積層の硬質膜を被覆し、本発明品9〜12と比較品6〜8の表面被覆超硬合金チップを得た。こうして得た本発明品9〜12と比較品6〜8チップのコーナー部すくい面について、実施試験1と同様に透過電子顕微鏡と電界放射型走査電子顕微鏡を用いて分析と観察を行い、その結果を表5に示した。
【0042】
次に、本発明品9〜12と比較品6〜8チップを用いて、被削材:SCM440(加工面形状:50W×200L),切削速度:135m/min,切込み:2.0mm,送り:0.36mm/刃,乾式の条件でフライス切削試験を行った。この切削試験の評価は、40pass加工した時点でチップ刃先部を観察し、すくい面に発生した熱クラックの本数,クレータ部での膜剥離面積,逃げ面の平均摩耗量,刃先部の微小チッピング状況により行い、これらの結果を表6に示した。
【0043】
【表5】
【0044】
【表6】
【0045】
【実施試験3】
市販されている超硬合金製ソリッドドリル(6φmm)を母材とし、この母材を実施試験1の表1に記載した本発明品2,8および比較品1と同一条件で表面処理を施した。これらをアセトン中で超音波洗浄した後、CVDコーティング装置を用いて、3.0μmのTiCNを被覆し、それぞれ本発明品13,14と比較品9の表面被覆超硬合金製ドリルを得た。各ドリルの外周切れ刃部分を実施試験1と同様の方法でCoとW量を分析した結果、本発明品13ではCo=8〜11at%,W=9〜12at%、本発明品14ではCo=5〜8at%,W=5〜9at%、比較品9ではCo=1〜6at%,W=0〜8at%であった。
【0046】
本発明品13,14および比較品9のドリルを用いて、被削材:プリハードン鋼(HRC=40),切削速度:30m/min,切込み:10mm,テーブル送り:64mm,刃当り送り:0.02mm/刃,湿式の条件で溝加工試験を行い、切削長さが50mの時点で切れ刃の逃げ面摩耗幅を測定した。その結果、本発明品13の摩耗幅が0.05mm、本発明品14の摩耗幅が0.07mmであったのに対し、比較品9の摩耗幅は0.10mmであった。
【0047】
【実施試験4】
市販されている約10φmm×60mmの耐摩耗工具用超硬合金素材(JISでV30相当)を母材とし、この母材全面を140#と800#のダイヤモンド砥石で粗研削と仕上げ研削加工して打抜き加工用のパンチを作製した後、実施試験1の表1に記載した本発明品2と同一条件で処理し、本発明品15用母材を得た。これと処理していない比較品10用パンチとをアセトン中で超音波洗浄した後、CVDコーティング装置を用いて、母材側から0.5μm膜厚のTiN第1層,3.5μm膜厚のTiC第2層の積層でなる計4.0μm膜厚の硬質膜を被覆し、本発明品15と比較品10の表面被覆超硬合金パンチを得た。
【0048】
この本発明品15および比較品10を用いて、厚み:0.6mmの亜鉛鋼板を打ち抜き加工し、バリにより不良品が発生するまでのショット数を測定した。その結果、本発明品15が約110万ショットであるのに対し、比較品10は約35万ショットであった。また、本発明品15および比較品10の界面近傍について、実施試験1と同様に調査した結果、本発明品15は、ほぼ本発明品2と同様であり、比較品10は、比較品1とほぼ同様であった。
【0049】
【発明の効果】
本発明の表面被覆焼結合金は、母材と硬質膜との界面における母材硬質相および結合相の直上で、特に硬質相の直上で拡散元素が均一に分散し、硬質膜中に均一分散混在した拡散元素含有層が形成されていることから、拡散元素が不均一に含有されて、界面における母材硬質相直上にほとんど拡散元素の存在しない従来の表面被覆焼結合金でなる比較品に対比して、硬質膜と母材との密着性が大幅に改善されること、その結果例えば旋削工具,フライス工具,ドリル,エンドミルに代表される切削用工具として、その他ダイス,パンチなどの型工具からスリッタ−などの切断刃,裁断刃などの耐摩耗用工具として使用すると、膜剥離に伴う損傷が減少し、バラツキの少ない安定した長寿命が得られるという優れた効果が発揮されるものである。
Claims (15)
- 硬質相と結合相とを含有した超硬合金またはサーメットでなる焼結合金を母材とし、該母材表面に周期律表の4a,5a,6a族元素,アルミニウム,シリコンの炭化物,窒化物,酸化物およびこれらの相互固溶体の中から選ばれた1種の単層または2種以上の積層でなる硬質膜が被覆された表面被覆焼結合金であり、該硬質膜は上記母材に隣接して被覆される第1層がチタンを含有した窒化物,炭化物,炭窒化物の中の1種であり、該母材と該硬質膜との界面における少なくとも該硬質相粒子の直上に被覆された該硬質膜中に鉄族金属の1種以上が4〜15原子%、タングステンが4〜18原子%拡散された拡散元素含有層が形成されている密着性に優れた表面被覆焼結合金。
- 上記母材は、超硬合金からなり、上記硬質相が炭化タングステン、または炭化タングステンと周期律表の4a,5a,6a族元素の炭化物、窒化物、炭酸化物、窒酸化物およびこれらの相互固溶体の中から選ばれた少なくとも1種の立方晶構造化合物とからなり、上記結合相がコバルトおよび/またはニッケルを主成分とする請求項1に記載の密着性に優れた表面被覆焼結合金。
- 上記拡散元素は、少なくとも上記母材を構成している元素を含む請求項1または2に記載の密着性に優れた表面被覆焼結合金。
- 上記拡散元素は、鉄族元素の1種以上とタングステンと炭素である請求項1〜3のいずれか1項に記載の密着性に優れた表面被覆焼結合金。
- 上記拡散元素含有層は、鉄族元素の1種以上とタングステンと炭素とからなる複合炭化物、または該複合炭化物が上記硬質膜中に混在した構成になっている請求項1〜4のいずれか1項に記載の密着性に優れた表面被覆焼結合金。
- 上記拡散元素含有層は、上記母材と上記硬質膜との界面における該母材の硬質相および結合相の直上に形成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の密着性に優れた表面被覆焼結合金。
- 上記母材と上記拡散元素含有層との界面に、平均厚みで0.5μm以下の鉄族金属層が存在する請求項1〜6のいずれか1項に記載の密着性に優れた表面被覆焼結合金。
- 上記母材と上記拡散元素含有層との界面における該母材表面は、硬質相の粒子が0.2μm以上からなり、かつ該硬質相の粒子内にクラックが存在してない請求項1〜7のいずれか1項に記載の密着性に優れた表面被覆焼結合金。
- 硬質相と結合相とを含有した超硬合金またはサーメットでなる焼結合金の母材の少なくとも一面に鉄族金属、(Co,Cr)合金、(Ni,Cr)合金、(Co,W)合金、(Co,W)C化合物、(Ni,W)C化合物の中の少なくとも1種の拡散元素含有物質を付着または被覆させる第1工程と、該拡散元素含有物質を付着または被覆された母材の表面に、周期律表の4a,5a,6a族元素,アルミニウム,シリコンの炭化物,窒化物,酸化物およびこれらの相互固溶体の中から選ばれた1種の単層または2種以上の積層でなる硬質膜を被覆させる第2工程とからなる工程を少なくとも経て作製される密着性に優れた表面被覆焼結合金の製法。
- 上記母材は、少なくとも一面が焼結肌面、研磨面、ラップ面、電解研磨面、化学エッチング面の中の少なくとも1種の表面からなる請求項9に記載の密着性に優れた表面被覆焼結合金の製法。
- 上記母材は、上記第1工程前に、該母材の少なくとも一面に電解研磨処理が行われている請求項9または10に記載の密着性に優れた表面被覆焼結合金の製法。
- 上記拡散元素含有物質は、鉄族金属および/または鉄族元素含有物質からなる請求項9〜11のいずれか1項に記載の密着性に優れた表面被覆焼結合金の製法。
- 上記拡散元素含有物質は、電気メッキ法、無電解メッキ法、真空蒸着法、物理蒸着法、化学蒸着法、コロイド塗付法、溶液塗付法、ショット処理法、ブラスト処理法の中の少なくとも1種による母材表面処理により付着または被覆される請求項9〜12のいずれか1項に記載の密着性に優れた表面被覆焼結合金の製法。
- 上記母材表面処理は、鉄族金属および/または鉄族元素含有物質を主成分とする鉄族元素含有層形成物質もしくは該鉄元素含有層形成物質と研掃材との混合物を用いたブラスト処理法またはショット処理法により行われる請求項13に記載の密着性に優れた表面被覆焼結合金の製法。
- 上記硬質膜は、化学蒸着法、物理蒸着法、プラズマ化学蒸着法、イオン注入法、イオンビーム法、イオン照射法、レーザ蒸着法の中の少なくとも1種の方法により被覆される請求項9〜14のいずれか1項に記載の密着性に優れた表面被覆焼結合金の製法。
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