JP4042849B2 - 意匠が経年変化する複層塗膜、その形成方法、複層塗膜の構成を決定する方法、及び、塗膜の経年変化を予測する方法 - Google Patents

意匠が経年変化する複層塗膜、その形成方法、複層塗膜の構成を決定する方法、及び、塗膜の経年変化を予測する方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、意匠が経年変化する複層塗膜、その形成方法、複層塗膜の構成を決定する方法、及び、塗膜の経年変化を予測する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
住宅家屋、ビル等の外壁等は、外観を保護したり美観を与えたりするために、塗膜がその表面に形成されていることが多い。このような塗膜は、着色顔料、色材等を配合することによって、種々の色調、外観を与えることができるものであることから、美観を付与する上で大きな役割を果たしている。
【0003】
しかし、住宅家屋、ビル等は、一旦塗装が施されると、通常は長期間にわたって塗り替えられることなく使用される。このような長期間の間、使用者は、意匠が同一の状態で住宅家屋やビルを使用し続けなければならない。近年のファッションの変化が急速であることを考慮すると、このように同一の意匠外観を長期間にわたって使用し続けると、使用者は飽きがくるため、しばしば塗装を塗り替えることになる。
【0004】
一方、古来より広く使用されている建材である煉瓦等は、長い時間を経ることによって表面の色調に変化を生じ、これによって渋味や重厚感を持つ独特の味わいの外観が得られる。このように経時的変化を生じることによって外観が変化して、徐々に美感が向上するような塗膜を得ることは困難であり、従来、このような検討はなされていない。
【0005】
このような意匠が経年変化する塗膜の設計を行う際には、塗膜を形成する塗料の性質を正確に把握した上で、塗料の組み合わせや積層条件を決定したりすることが必要になる。このため、このような経年変化する塗膜の設計においては、従来の塗膜とは全く異なった観点から塗膜の設計を行うことが必要である。従って、種々の性質を有する意匠が経年変化する塗膜を製造するためには、このような塗膜設計の方法を確立することが必要になる。
【0006】
また、このような意匠が経年変化する塗膜を実際に使用する場合には、時間の経過によって塗膜がどのように変化するかをある程度正確に予測できることが必要となる。このような予測ができることによって、塗料を施される住宅家屋、ビル等の保有者は、自らの好みに応じて意匠が経年変化する複層塗料を選択することができる。このような場合に、意匠の経年変化はできるだけ短期間で正確に予測できることが必要であり、このような塗膜の経年変化の予測方法が必要になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、色相が相違する2以上の着色塗膜からなる複層塗膜であって、形成される複数の着色塗膜の分解速度が相違するものであり、自然曝露条件下で経年により意匠が変化することを特徴とする複層塗膜である。
上記着色塗膜は、上記上層塗膜又は上記下層塗膜のいずれか一方がアクリル系樹脂からなり、他方の塗膜がシリコンアクリル系樹脂からなることが好ましい。
【0008】
本発明は、自然曝露条件下で経年により意匠が変化する複層塗膜の形成方法であって、着色塗膜からなる下層塗膜を形成する工程(1)、上記工程(1)によって得られた下層塗膜上に、上記下層塗膜の色相と異なる色相の着色塗膜である少なくとも1層の上層塗膜を形成する工程(2)からなるものであり、上記上層塗膜は、最上層を形成するものであり、上記複層塗膜の上層塗膜と下層塗膜の分解速度が異なり、かつ、上記上層塗膜の分解速度が上記下層塗膜の分解速度よりも速いことを、単層塗膜に対するリモートプラズマによる塗膜分解促進試験によって確認したことを特徴とする複層塗膜の形成方法でもある。
【0009】
上記複層塗膜の形成方法において、着色塗膜は、上記上層塗膜又は上記下層塗膜のいずれか一方がアクリル系樹脂からなり、他方の塗膜がシリコンアクリル系樹脂からなることが好ましい。
【0010】
本発明は、単層塗膜にリモートプラズマによる塗膜分解促進試験を行うことによって分解速度を測定する工程(A)、上記工程(A)によって得られた分解速度に基づいて、複層塗膜の経年変化を予測しながら複層塗膜の構成を決定する工程(B)からなることを特徴とする複層塗膜の構成を決定する方法でもある。
【0011】
本発明は、自然曝露条件下で経年により意匠が変化する複層塗膜の意匠の経年変化を予測する方法であって、上記予測は、上記複層塗膜にリモートプラズマによる塗膜分解促進試験を行うことによって測定するものであることを特徴とする塗膜の経年変化を予測する方法でもある。
以下に、本発明を詳細に説明する。
【0012】
本発明は、色相が相違する2以上の着色塗膜からなる複層塗膜である。上記色相が異なる2以上の着色塗膜からなる複層塗膜は、ビルの外壁等の塗膜分解因子が作用する条件下で使用された場合、最上層を形成する塗膜層の表面から表層分解を生じ、塗膜の表面から順次分解によって樹脂が分解され、徐々に塗膜成分が消失する。このような塗膜を形成する樹脂成分の消失によって、下層の着色塗膜が表面に露出し、これによって塗膜の外観が変化する。
【0013】
また、塗膜の分解は、塗膜中に含まれる酸化チタンの光触媒作用によるところが大きいため、酸化チタン周辺の樹脂が分解することによって、酸化チタンは消失しやすい。このように酸化チタンが消失することによって塗膜表面の色調が変化する。更に、赤色酸化鉄等の鉄系化合物のように、酸化されることによって色調が変化する着色顔料も、色調の変化を引き起こす。このように、複層塗膜の下層の着色塗膜の露出による外観の変化以外に、塗膜自体の色が変化することによる外観の変化も生じる。
【0014】
このような変化においては、塗膜の全体が均一に分解するのではなく、分解の進行が早い個所と遅い個所とが生じるため、グラデーション調、斑調等の独特の風合いを有する色調変化が生じる。このため、上記色調変化が生じることによって、塗膜は通常の塗料では得られないような独特の外観を呈する。このような塗膜表面の変化により、これまでの塗料では得られなかったような独特の美感を得ることができるものである。
【0015】
上記色相が相違する2以上の着色塗膜は、色相が異なる塗膜であれば特に限定されるものではない。また、3層以上からなるものであってもよいが、意匠の変化を生じさせるためには、2つの着色塗膜からなる複層塗膜によって充分に効果を生じさせることができる。
【0016】
色相が相違するとは、視覚的な判断によって色が相違していると判断されるものであれば特に限定されないが、単層塗膜を塗装した直後の塗膜状態での色相変化(ΔE)が1以上であることが好ましい。塗膜状態での色相変化(ΔE)が1未満であると、意匠の変化が充分に生じない場合がある。塗膜状態での色相変化(ΔE)は、2〜10であることがより好ましい。
【0017】
本発明の複層塗膜は、複層塗膜を形成する着色塗膜の分解速度が相違するものである。すなわち、各着色塗膜の分解速度を制御し、これによって意匠の経年変化を制御するものである。特に、上層を構成する塗膜を分解速度がより速いものとして、下層を構成する塗膜を分解速度がより遅いものとすることが好ましい。このようにすることで、上層を構成する塗膜が比較的早期に分解することによって、意匠の変化を生じるが、下層を構成する塗膜は、長期間安定であることによって、塗膜自体が早期に分解して塗膜の本質的な寿命が短くなって、被塗物の表面保護という塗料の本質的な目的を失うことがない点で好ましい。
【0018】
上記分解速度は、塗膜が分解する速度を指すものであり、リモートプラズマによって測定したときの色相変化(ΔE)の変化速度をもって分解速度とすることができる。
【0019】
自然曝露による塗膜の分解進行度を測定すると、色相変化と塗膜分解進行度の間に高い相関性がみられる。このことは、図2に示したような沖縄での曝露実験による色相変化(ΔE)と曝露時間との間に、比例関係が見られることからも明らかである。また、図3に示したように、リモートプラズマにおける色相変化(ΔE)と自然曝露による色相変化(ΔE)との間にも高い相関性が見られる。これらの点からみて、リモートプラズマによる塗膜分解促進試験を行った塗膜の色相変化(ΔE)は、塗膜の自然曝露とも関係があるものである。このため、リモートプラズマによって塗膜分解促進試験を行ったときの単位時間あたりの色相変化(ΔE/dt)を塗膜分解速度とすることができる。
【0020】
なお、このように自然曝露による塗膜分解と、リモートプラズマによる塗膜分解促進試験による塗膜分解との間に相関性が見られる理由は、これらの塗膜分解では、塗膜の表面から塗膜の分解が生じる表層分解を主体とした塗膜分解が生じており、塗膜の深部から分解が生じる深層分解が生じないという点で、類似の機構に基づいて分解が生じているためであると推測される。このため、従来から知られているその他の塗膜分解促進試験(例えば、短波長型ランプを用いた方法)によって分解速度を判断することは、本発明において適切ではない。
【0021】
リモートプラズマによる着色塗膜の分解速度の測定は、例えば、以下のようにして行うことができる。上記リモートプラズマ装置としては、測定しようとする複層塗膜を設置する試料台とは独立して、プラズマを持続的に発生する機構、及び、電極に印加した電力により複層塗膜に入射する中性ラジカルの密度を任意の値に制御することができる機構を備えたものを挙げることができる。
【0022】
図1は、塗膜分解速度の測定において使用することができるリモートプラズマ装置の一例を示したものである。リモートプラズマ装置8は、距離を置いてプラズマ発生部1とプラズマ照射部7とを備えている。この距離は、15〜60cmに調節可能である。電源の出力に応じて、最適な距離に調節することによって、表層分解を選択的に進行させることができる。なお、ここでいう照射距離とは、プラズマ発生部1とラジカルが照射される試料台3との距離を意味する。プラズマ発生部1には、パワーソースとして高周波電源2が接続されており、測定の対象となる複層塗膜に照射する中性ラジカルの密度を任意の値に制御することができる。また、プラズマ発生部1の上端には、管7が接続されている。一方、試料台3には真空ポンプ4が接続されており、装置内を減圧状態にすることができるようになっている。
【0023】
上記塗膜分解速度の測定方法においては、ラジカル化された酸素原子を塗膜に照射することによって塗膜表面の分解を促進することが好ましい。すなわち、上述したように、自然曝露では、表層分解が選択的に生じるものであるから、同様に表層分解が選択的に生じるラジカル種による塗膜分解促進が好ましい。また、ラジカル種のなかでも、ラジカル化された酸素原子は比較的安定であることから、取り扱いが容易であり、効率よく塗膜分解促進を行うことができる。
【0024】
上記塗膜分解速度の測定方法において、装置内の真空度は、下限0.4torr、上限10torrの範囲内であることが好ましい。上記真空度とは、本発明の塗膜分解促進試験を行っている状態での真空度、即ち、20〜200Wの電源を用いてプラズマを発生させ、リモートプラズマ装置内部に酸素ガスが酸素流入量50〜500ml/分で導入されている状態での真空度を意味する。0.4torr未満の高真空であると、ラジカル化された酸素原子が安定であるため促進が極めて早く進行し、誤差を生じやすく、良好な塗膜の分解促進を行うことができない。10torrを超えると、プラズマが不安定化するため、制御が困難になる。上記下限は、0.6torrであることがより好ましく、1.0torrであることが更に好ましい。上記上限は、5torrであることがより好ましく、2torrであることが更に好ましい。
【0025】
ラジカル源のガスとしては、酸素ガスを使用することが好ましい。上記酸素ガスは、50〜500ml/分の流量で装置内に導入されるものであり、これによって、装置内の真空度の低下が約1.0torr以下となるように調整されることが好ましい。酸素ガスの流量が50ml/分未満であると、プラズマ内の酸素分子の絶対量が少ないため、電子によって励起させる酸素分子が不足し、その結果、生成する中性ラジカル量が減少するという問題が生じ、500ml/分を超えると、真空ポンプの排出量が多くなり、その結果、酸素ガスの流速が大きくなり、ラジカルの被塗物への到達量が多くなり、制御しにくくなるという問題が生じる。
【0026】
上記プラズマ発生装置における電源としては、特に限定されず、例えば、高周波(一般的に13.56MHz)、マイクロ波(一般的に2450MHz)等を用いることができる。上記電源における出力は、20〜200Wである。20W未満であると、出力が弱いため、複層塗膜とプラズマ発生装置との距離を接近させる必要が生じ、ラジカルのみによる選択的な処理を行うことが困難になる。また、200Wを超えると、出力が強すぎるため、イオンや電子も被塗物に到達し、被塗物が加熱され、表面からの選択的な処理を行うことができない。
【0027】
また、塗膜の温度が上昇すると、熱分解による塗膜分解因子が影響を与えることとなるため、自然曝露との相関性が低下する。特に、塗膜の温度が50℃を超えると、実際の自然現象(気温)から大きく逸脱することと、高分子樹脂の熱挙動の影響が大きくなり、相関性の低下が著しいため、上記各条件を設定することによって、複層塗膜の温度を40℃以下にすることが好ましい。
【0028】
プラズマ発生部とラジカル照射部の間には、フィルター9を設けてもよい。上記フィルターは、粒子の進行方向に設けられた多数の孔を有する導電体である。導電体が電子やイオン種等の帯電した粒子をトラップすることにより、ラジカル種のみが選択的にフィルターを通過するため、ラジカル化されたラジカル種のみを塗膜にて照射することができる。フィルターはアースをとることで、帯電した電気を装置外部に逃がすことも可能である。
【0029】
塗膜分解速度の測定は、以下の方法によって行うことができる。まず、上記リモートプラズマ装置のラジカル照射部に適合した大きさの複層塗膜をサンプルとして試料台に設置する。次に装置内を減圧にする。装置内が減圧状態になったことを確認した後、装置内に酸素ガスを流入量50〜500ml/分で導入させ、酸素ガスを流入している状態での装置内の真空度を0.4〜10torrにすることにより、効率的にプラズマを発生させて処理を行うことができる。すなわち、先の図4において、真空ポンプ4を稼働させて装置8内を減圧状態にした後、ガスが矢印5の方向に導入され、最終的に中性ラジカルが試料台3上のサンプルに対して矢印6の方向に照射される。
【0030】
本発明の塗膜分解促進試験方法において、試験時間となるラジカルの照射時間は、任意に設定することができる。ただし、過剰に長時間の処理を行うと、複層塗膜の温度が上昇して、熱分解による因子が複層塗膜の分解に影響を与えるため、複層塗膜が照射前後の温度差が3℃以下となるような範囲内で処理を行うことが好ましい。
【0031】
本発明の複層塗膜を構成する着色塗膜は、2層からなる複層塗膜である場合は、上記条件のリモートプラズマ照射により測定した上層塗膜の分解速度Rとリモートプラズマ装置により測定した下層塗膜の分解速度Rとの比(R/R)が、1よりも大きく、20以下であることが好ましい。このような範囲であることによって、塗膜の耐候性と好適な意匠の変化の両方を得ることができる。上記比(R/R)は、1より大きく、5以下であることがより好ましい。
【0032】
上記単層塗膜の分解速度は、塗膜中の樹脂成分、着色顔料、添加剤等の成分を選定することによって調整することができる。しかし、上記分解速度は、単純に予測することができるものではなく、種々の要因が複雑に影響しあうものである。すなわち、組成のみからみると、分解速度が速いと予測されるものであっても、現実には分解速度が遅いこともある。このため、実際に上記リモートプラズマによる塗膜分解の試験を行うことによって、単層塗膜の分解速度を測定して複層塗膜の設計に使用することが好ましい。
【0033】
上記着色塗料は、着色顔料を含有するものであり、着色顔料の配合量によって、塗膜の分解速度を調節することが好ましい。着色顔料としては、二酸化チタン、カーボンブラック、グラファイト、黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ等の無機系着色顔料;アゾキレート系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インディゴ顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料等の有機系着色顔料等を挙げることができるが、無機酸化物であることが好ましい。
【0034】
通常、塗膜中の光触媒反応を引き起こす着色顔料が多いほど塗膜の分解速度は速く、そのような着色顔料が少ないほど塗膜の分解速度は遅い。従って、分解速度を速くしたい層は、光触媒反応を引き起こす着色顔料を多量に含む層とすればよい。塗膜中の着色顔料の量は、塗膜全量に対して、5〜50質量%の範囲内であることが好ましい。5質量%未満であると、色が薄くなるため、着色塗料としての性質に劣るものとなり、50質量%を超えると、著しい分解速度により分解速度が予測できないという問題を生じる場合がある。
【0035】
上記着色顔料は、酸化チタンを一部に含むことが特に好ましい。酸化チタンは、紫外線を照射されることによって、光触媒反応を生じ、周囲の有機化合物を分解する性質を有するため、特に塗膜分解において大きな役割を果たしている。酸化チタンとしては、ルチル型、アナターゼ型を使用することができる。一般にアナターゼ型の酸化チタンのほうが光触媒反応を生じやすいため、塗膜分解を生じやすい傾向にある。従って、酸化チタンとしていずれを選択するかによっても、塗膜の分解速度を調節することができる。特に、酸化チタンは、紫外線の照射やラジカル種の影響によって、光触媒反応を生じ、塗膜中の樹脂を分解する性質を有する。このため、酸化チタンの配合量によって、塗膜の分解速度を調節することができる。
【0036】
上記複層塗膜を形成する塗膜中の樹脂としては特に限定されず、例えば、アクリル系樹脂、アクリルシリコン系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、フッ素アクリル系樹脂等を挙げることができる。特に、一方の塗膜をアクリル系樹脂によって形成し、他方の塗膜をアクリルシリコン系樹脂によって形成することが好ましい。
【0037】
上記複層塗膜は、必要に応じて劣化防止剤等の成分を含有するものであってもよい。上記劣化防止剤は、塗膜の分解速度を低下させる作用を有するものであるため、上記劣化防止剤の使用によっても、塗膜の分解速度を調節することができる。上記劣化防止剤としては特に限定されず、例えば、紫外線吸収剤や光安定剤等を挙げることができる。
【0038】
更に、上記複層塗膜は、上層塗膜の厚みが下層塗膜の厚みよりも薄いことが好ましい。上層塗膜が薄い塗膜であることによって、塗膜が分解して下層塗膜の一部が露出するまでに要する時間が短くなり、好適に意匠を変化させることができるようになる。更に好ましくは、下層塗膜の厚みが20〜50μm、上層塗膜の厚みが5〜20μmである。
【0039】
上記複層塗膜は、被塗物上に下層塗膜を形成する工程(1)及び上記工程(1)により得られた下層塗膜上に、前記下層塗膜の色相と異なる色相の着色塗膜である少なくとも1層の上層塗膜を形成する工程(2)によって形成することができる。このような複層塗膜の形成方法も本発明の一部である。
【0040】
上記下層塗膜の形成及び上層塗膜の形成は、特に限定されるものではなく、スプレー等の公知の方法で塗料を塗布することによって行うことができる。また、建設が完了した住宅家屋やビル等に塗装するものであっても、建材に対して塗装を行い、塗装を施した建材を建築に使用するものであってもよい。また、被塗物も特に限定されるものではない。
【0041】
本発明は、上述した複層塗膜の構成を決定する方法でもある。上述した複層塗膜の構成としては、無限に近い組み合わせが考えられるため、このような多数の組み合わせの中から、目的とする意匠の変化を生じるような複層塗膜を選択することは容易ではない。本発明は、このような複層塗膜の構成を容易に決定する方法を提供するものでもある。
【0042】
本発明の複層塗膜の構成の決定方法は、まず、着色塗料によって形成された単層塗膜に対してリモートプラズマによって塗膜分解促進試験を行う。上述したように、リモートプラズマによる塗膜分解促進試験は、自然曝露との相関性が極めて高い試験結果が得られるため、上記単層塗膜の性質を測定する上で好ましいものである。上記単層塗膜に対するリモートプラズマによる分解速度の測定方法は上述した通りの方法によって行うものである。
【0043】
本発明の複層塗膜の構成を決定する方法は、上記工程(1)によって測定した分解速度に基づいて複層塗膜の構成を決定する方法である。すなわち、上記リモートプラズマによる分解速度のデータを使用すると、目的とする用途に応じて容易に複層塗膜の構成を決定することができる。比較的早期に塗膜の意匠変化を生じさせることが必要とされる場合は、上層塗膜として分解速度が速い塗膜を形成させればよいし、過剰な変化を好まない場合は、上層塗膜として分解速度が比較的遅い塗膜を形成させればよい。
【0044】
本発明の塗膜の経年変化を予測する方法は、上記意匠が経年変化する複層塗膜の経年変化を予測するものである。上記意匠が経年変化する複層塗膜は、将来の意匠がどのような外観に変化するものであるか予測できなければ、意匠が変化する塗膜としての価値が極めて低いものとなる。また、予想外の意匠の変化を生じてしまうと、需要者に不利益をもたらすものとなってしまう。
【0045】
本発明の塗膜の経年変化を予測する方法は、複層塗膜に対して、上記リモートプラズマによる塗膜分解促進試験を行うことによって行うものである。上述したように、上記リモートプラズマによる塗膜分解促進試験は、自然曝露との相関性が高い結果が得られるものであるから、これによって経時的な塗膜外観の変化を短時間で予測することができる。このように、予測を行うことによって、経時的な変化後の塗膜外観を視覚的に判断することができるため、施工の際の塗膜を選択する場合にも非常に有用である。
【0046】
【実施例】
以下本発明について実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。また実施例中、「部」は特に断りのない限り「質量部」を意味する。
【0047】
(着色塗料の調整)
下記表1の処方に基づいて、各成分を混合することによって、水性白ベースの調製を行った。
【0048】
【表1】
Figure 0004042849
【0049】
次いで、表2に示した配合比で上記水性白ベース及び着色顔料を混合することによって、サンプルA〜Eの水性塗料を得た。
【0050】
【表2】
Figure 0004042849
【0051】
(塗膜形成方法)
上記サンプルA〜Eの塗料をスプレー塗装できるような粘度に希釈した後、含侵シーラー及び耐透水性シーラーからなる下塗層(30〜80g/m)が形成されたフラットボードに、所定の厚みになるようにスプレーを用いて塗装した。これを5分間セティングした後、100℃で5分間乾燥して、表面に塗膜を形成させた。
【0052】
(自然曝露試験結果とリモートプラズマによる塗膜分解促進試験との対比)
上記塗膜Eについて、屋外曝露による耐候性を直接曝露試験(JIS Z 2381 屋外曝露試験方法通則、及び、K 5600−7−6等による)に基づき、日本ペイント株式会社沖縄第二曝露場において、1994年9月〜1999年9月の間行った。曝露場の位置等は以下の通りである。
位置:北緯約26度20分、東経約127度45分
住所:沖縄県中頭郡嘉手納町字水釜373−309
【0053】
上記自然曝露試験によって得られた表面樹脂が分解した塗膜の色相変化(ΔE)と曝露時間との関係を図2に示した。図2から、色相変化(ΔE)と曝露時間は比例関係にあることが明らかである。従って分解速度が単位時間あたりの色相変化ΔE/dtとして表すことが妥当であることが明らかになった。
【0054】
上記塗膜Eに対して、リモートプラズマでの色相変化の測定を行った。上記リモートプラズマで行った色相変化との相関関係を図3に示した。図3から、リモートプラズマによって試験を行ったときに得られる色相変化が自然曝露での色相変化と相関性があることが明らかになった。また図2に示された関係も考慮すれば、リモートプラズマによって得られた色相変化ΔE/dtが塗膜分解速度を表すものであることが明らかである。
【0055】
(分解速度の測定)
各単層塗膜に対して上述したリモートプラズマを用いた方法によって120分照射した後の色相変化(ΔE)を測定した。結果を表3に示す。
プラズマ照射装置としては、図1に示したような装置を用い、プラズマ照射としては、高周波プラズマ照射装置(PR−41、ヤマト科学社製)、酸素ガスの流入速度50ml/分、高周波出力400W発振周波数13.65MHz、真空度1.5Torrの条件で行った。
【0056】
【表3】
Figure 0004042849
【0057】
上記の結果から、4つのサンプルは、塗膜分解速度がA>B>D>C>Eの順で早いことが明らかになった。
【0058】
(複層塗膜の形成)
含侵シーラー及び耐透水性シーラーからなる下塗層(30〜80g/m)が形成されたフラットボード上に、下層塗膜として上記水性塗料Eからなる厚み30μmの塗膜を形成した。その上に更に上層塗膜として上記水性塗料Bからなる厚み10μmの塗膜を形成した。上記複層塗膜に対してダイレクトプラズマ法による塗膜分解促進試験を行った。試験後の塗膜表面は、一部に下層塗膜の色が露出し、グラデーション調の意匠が得られた。これにより、複層塗膜は、経時的な塗膜分解によって、意匠の変化を生じるものであることが示された。
【0059】
【発明の効果】
本発明は、色相が相違する2以上の着色塗膜からなる複層塗膜であり、複層塗膜を構成する塗膜の分解速度が相違することによって塗膜の外観が経時的に変化するものである。また、複層塗膜を形成する着色塗膜の分解速度が相違するものであることから、分解速度を維持しながら任意の塗膜の外観変化を生じさせることができる。また、本発明の複層塗膜の構成を決定する方法によると、必要とされる意匠変化を生じるような塗膜の構成を容易に決定することができるため、上記意匠が経年変化する複層塗膜の構成を容易に決定することができる。更に、本発明の塗膜の経年変化を予測する方法によると、上記複層塗膜の意匠の経時的変化を容易に予測することができるため、需要者に対して外観の変化を視覚的に示すことができる点で優れたものである。
なお、本出願は、国等の委託研究の成果に係る特許出願[経済産業省「次世代住宅技術開発(資源循環型住宅技術開発に係るものに限る。)資源循環型高耐久塗料・塗装システムの開発」に係る委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受けるもの]である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 塗膜分解速度の測定で用いることができるリモートプラズマ装置の一例を表す図である。
【図2】 沖縄での曝露試験において、曝露時間と塗膜の色相変化(ΔE)との関係を表す図である。
【図3】 リモートプラズマ装置で塗膜分解促進試験を行ったときの色相変化(ΔE)と自然曝露での色相変化(ΔE)との関係を表す図である。
【符号の説明】
1 プラズマ発生部
2 高周波電源
3 試料台
4 真空ポンプ
5 ガスの流れ
6 中性ラジカルの流れ
7 管
8 電流の流れる方向
9 フィルター

Claims (3)

  1. 自然曝露条件下で経年により意匠が変化する複層塗膜の形成方法であって、
    着色塗膜からなる下層塗膜を形成する工程(1)、
    前記工程(1)によって得られた下層塗膜上に、前記下層塗膜の色相と異なる色相の着色塗膜である少なくとも1層の上層塗膜を形成する工程(2)からなるものであり、
    前記上層塗膜は、最上層を形成するものであり、
    前記複層塗膜の上層塗膜と下層塗膜の分解速度が異なり、かつ、前記上層塗膜の分解速度が前記下層塗膜の分解速度よりも速いことを、単層塗膜に対するリモートプラズマによる塗膜分解促進試験によって確認したことを特徴とする複層塗膜の形成方法。
  2. 着色塗膜は、前記上層塗膜がアクリル系樹脂からなり、前記下層塗膜がシリコンアクリル系樹脂からなる請求項記載の複層塗膜の形成方法。
  3. 請求項1又は2に記載の複層塗膜の形成方法によって得られる、自然曝露条件下で経年により意匠が変化することを特徴とする複層塗膜。
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