JP4042771B2 - 鍵盤装置 - Google Patents

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本発明は、押鍵力を検出してそれを楽音制御に反映させる鍵盤装置に関する。
従来、押鍵ストローク中あるいは押鍵ストローク後に押離鍵方向(上下方向)や鍵並び方向(鍵盤左右方向)の押鍵力成分を検出し、これらの力情報を例えば音色、音量、ピッチ、リバーブ、パン、ビブラート等に反映させて楽音を制御し、演奏の幅を広げ表現力を豊かにするようにした鍵盤装置が知られている。
例えば、鍵並び方向の押鍵力を検出するために、第1の従来の装置では、鍵盤装置本体に固定フレームを固定すると共に、可動フレームをこの固定フレームに対して鍵並び方向に揺動可能に接続し、鍵に対する鍵並び方向の力が加わったとき、それに応じて可動フレームが鍵並び方向に揺動するように構成する。そして、固定フレームに対する可動フレームの変位等を検出することで、鍵並び方向の押鍵力を検出するようにしている。
一方、押離鍵方向の押鍵力を検出するために、第2の従来の装置(下記特許文献1)では、鍵盤装置本体にベース部材を固定すると共に、ベース部材に金属製の弾性板を取り付け、押鍵により上記弾性板が撓むように構成して、ベース部材に対する上記弾性板の変位を検出することで、押離鍵方向の押鍵力を検出するようにしている。そして、この押離鍵方向の押鍵力検出機構を構成する際、上記ベース部材及び弾性板を折り返し構造にしている。
例えば、上記弾性板としての第1の弾性バネの後部が第2の弾性バネの後部に接続されており、第1の弾性バネの前部に作用した押鍵力が、第2の弾性バネの後部を介して第2の弾性バネの前部に伝わり、上記ベース部材に受け止められるように構成する。このような折り返し構造により、組立精度の許容範囲を広げ、製造を容易にすると共に、微妙な押鍵力の変化を検出するようにしている。
特開平8−160953号公報
しかしながら、鍵並び方向の押鍵力検出機構に関し、上記第1の従来の装置では、固定フレームと可動フレームとは別体に構成され、例えば、金属ばねをアルミダイカスト部品にて締結したサブユニット等で両フレームを連結し、可動フレームを揺動自在にするようにしていたため、部品点数が多く、構成が複雑で、製造が容易でないだけでなく、コストも高く、また、金属部品を用いることで重量も増す傾向にあるという問題があった。
また、上記サブユニット等のように、可動フレームを鍵並び方向に揺動自在に固定フレームに連結する部材や連結手法を検討する際、さらに押離鍵方向の押鍵操作の微妙な検出を容易にするためには、押離鍵方向における剛性の確保が考慮されるべきである。
さらに、押離鍵方向の押鍵力検出機構に関し、固定フレーム及び可動フレームを含めて検討することで、製造容易化、微妙な押鍵力の変化の検出に関し、上記第2の従来の装置に対してさらなる改善の余地があった。
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その第1の目的は、サブフレームの鍵並び方向への揺動を確保しつつ押離鍵方向には変位しにくい丈夫なフレーム構造を得ることで、検出の信頼性を向上して鍵操作に基づく繊細な楽音制御の実現を可能にすることができる鍵盤装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、限られたスペース内で押鍵力を検出するための部位間の総距離が長い構造を得ることで、製造を容易にすると共に、検出の信頼性を向上して鍵操作に基づく繊細な楽音制御の実現を可能にすることができる鍵盤装置を提供することにある。
上記第1の目的を達成するために本発明の請求項1の鍵盤装置は、複数の鍵からなる鍵盤と鍵盤楽器本体に対して固定的に設けられたメインフレームと前記鍵盤楽器本体に対して鍵並び方向に揺動可能に設けられたサブフレームとから構成される鍵盤フレームを備えた鍵盤装置であって、前記複数の鍵は、それぞれ前記メインフレームまたは前記サブフレームのいずれか一方に一部が固定されてなり、前記鍵盤フレームは、合成樹脂で一体成型により一体に形成されて、前記メインフレームと前記サブフレームとがヒンジ部を介して連結され、前記鍵を鍵並び方向に揺動させたとき、前記サブフレームが前記メインフレームに対して前記ヒンジ部を介して鍵並び方向に揺動し得るように構成され、前記ヒンジ部は、該ヒンジ部の前後方向の全長に亘る範囲における押離鍵方向の最大厚みが、前記メインフレーム及び前記サブフレームのうち前記ヒンジ部の前後方向の全長に亘る範囲における押離鍵方向の最大厚みが薄い方の最大厚みと略同一に形成され、且つ、その断面形状が押離鍵方向に縦長に形成され、前記ヒンジ部の前後方向の全長に亘る範囲においては、前記ヒンジ部、前記メインフレーム及び前記サブフレームの上端位置が一致しており、且つ、前記ヒンジ部と、前記メインフレーム及び前記サブフレームのうち前記ヒンジ部の前後方向の全長に亘る範囲における押離鍵方向の最大厚みが薄い方とは、上下方向において、前記メインフレーム及び前記サブフレームのうち前記ヒンジ部の前後方向の全長に亘る範囲における押離鍵方向の最大厚みが厚い方の上端位置から下端位置までの範囲内に位置していることを特徴とする。
この構成によれば、鍵を鍵並び方向に揺動させたとき、サブフレームがメインフレームに対してヒンジ部を介して鍵並び方向に揺動し得る。この揺動を検出して楽音制御に反映させれば、鍵並び方向の押鍵操作に基づく楽音制御が実現される。また、前記ヒンジ部は、該ヒンジ部の前後方向の全長に亘る範囲における押離鍵方向の最大厚みが、メインフレーム及びサブフレームのうちヒンジ部の前後方向の全長に亘る範囲における押離鍵方向の最大厚みが薄い方の最大厚みと略同一に形成され、且つ、その断面形状が押離鍵方向に縦長に形成されるので、押離鍵方向における鍵盤フレームの剛性が確保され、押離鍵方向の押鍵力を検出して楽音制御に反映させる場合において、押離鍵操作の微妙な検出を行うことが容易となる。よって、サブフレームのメインフレームに対する鍵並び方向への揺動を確保しつつ押離鍵方向には変位しにくい丈夫なフレーム構造を得ることで、検出の信頼性を向上して鍵操作に基づく繊細な楽音制御の実現を可能にすることができる。
上記第2の目的を達成するために本発明の請求項2の鍵盤装置は、鍵盤楽器本体に対して固定的に設けられたメインフレームと前記鍵盤楽器本体に対して鍵並び方向に揺動可能に設けられたサブフレームとから構成される鍵盤フレームを備えた鍵盤装置であって、押離鍵操作可能な鍵と、前記サブフレームを前記メインフレームに対して鍵並び方向に揺動可能に連結するヒンジ部と、前記サブフレームに連結され、前記鍵に対する押鍵力に応じて撓み得るように構成された弾性体と、前記メインフレームに対して固定的な第1の位置(Q1)に対する、前記弾性体に対して固定的な第2の位置(Q2)の移動を検出することで、前記押鍵力を検出する押鍵力検出手段とを備え、前記メインフレームと前記ヒンジ部とは前記第1の位置から離間した第1接続部(CN1)で接続され、前記ヒンジ部と前記サブフレームとは前記第1接続部から離間した第2接続部(CN2)で接続され、前記サブフレームと前記弾性体とは前記第2の位置から離間した第3接続部(CN3)で接続されることで、前記第1の位置から前記第2の位置までの経路が、前記メインフレームを通って前記第1接続部で折り返し前記ヒンジ部を通って前記第2接続部に至り、さらに前記サブフレームを通って前記第3接続部で折り返し前記弾性体を通って前記第の位置に至る2度折り返し構造となっていることを特徴とする。
この構成によれば、サブフレームをメインフレームに対して鍵並び方向に揺動可能に連結するヒンジ部を備えた鍵盤装置において、押鍵されると、サブフレームに連結された弾性体が、鍵に対する押鍵力に応じて撓み得る。そして、メインフレームに対して固定的な第1の位置に対する、弾性体に対して固定的な第2の位置の移動を検出することで、前記押鍵力が検出される。検出された押鍵力を楽音制御に反映させれば、押鍵操作に基づく楽音制御が実現される。前記第1の位置から前記第2の位置までの経路が、前記メインフレームを通って前記第1接続部で折り返し前記ヒンジ部を通って前記第2接続部に至り、さらに前記サブフレームを通って前記第3接続部で折り返し前記弾性体を通って前記第の位置に至る2度折り返し構造となっているので、前記第1の位置と前記第2の位置との相対的位置ずれが検出精度に与える影響が軽減される結果、組み付けが容易になる。また、前記第1の位置と前記第2の位置との経路の総距離が長くなることで、同じ押鍵力が大きなモーメントとして作用することから、押鍵力の微妙な検出が容易になる。よって、限られたスペース内で押鍵力を検出するための部位間の総距離が長い構造を得ることで、製造を容易にすると共に、検出の信頼性を向上して鍵操作に基づく繊細な楽音制御の実現を可能にすることができる。
また、請求項3の鍵盤装置は、上記請求項1または2記載の構成において、前記サブフレームの前記メインフレームに対する鍵並び方向への移動量の上限を規制するためのストッパ機構を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、ストッパ機構により、サブフレームのメインフレームに対する鍵並び方向への移動量の上限が規制されるので、ヒンジ部の破損や故障を防止することができる。
また、請求項4の鍵盤装置は、上記請求項3記載の構成において、前記ストッパ機構は、前記メインフレームに一体的に形成した第1当接部と前記サブフレームに一体的に形成した第2当接部とが前記サブフレームの鍵並び方向への移動時に当接し得るように構成されたことを特徴とする。
この構成によれば、サブフレームに鍵並び方向への上限の移動量が生じたとき、メインフレームに一体的に形成した第1当接部とサブフレームに一体的に形成した第2当接部とが当接することで、サブフレームの移動量の上限が規制されるので、構成を複雑化することなくヒンジ部の破損や故障を防止することができる。
なお、請求項3または4において、前記ストッパ機構は、前記メインフレームと前記サブフレームとの前後方向における間に設けるのが望ましい。これによって、ストッパ機構が独立した別部材で構成されることを避けることができ、構成を簡単にすることができる。また、前記ストッパ機構は、鍵並び方向における略中央に設けるのが望ましい。これにより、どの鍵による鍵並び方向の力に対しても、サブフレームの移動規制機能を均等に果たすことができる。なお、前記ストッパ機構は、移動規制機能をより確実にする観点からは、鍵並び方向に複数設けるようにしてもよい。
上記第1の目的を達成するために本発明の請求項5の鍵盤装置は、複数の鍵からなる鍵盤と鍵盤楽器本体に対して固定的に設けられたメインフレームと前記鍵盤楽器本体に対して鍵並び方向に揺動可能に設けられたサブフレームとから構成される鍵盤フレームを備えた鍵盤装置であって、前記複数の鍵は、それぞれ前記メインフレームまたは前記サブフレームのいずれか一方に一部が固定されてなり、前記鍵盤フレームは、前記メインフレームと前記サブフレームとがヒンジ部を介して連結され、前記鍵を鍵並び方向に揺動させたとき、前記サブフレームが前記メインフレームに対して前記ヒンジ部を介して鍵並び方向に揺動し得るように構成され、前記ヒンジ部は、押離鍵方向の厚みが前記メインフレーム及び前記サブフレームのうち薄い方の厚みと略同一に形成され、且つ、その断面形状が押離鍵方向に縦長に形成され、さらに、前記サブフレームの前記メインフレームに対する鍵並び方向への移動量の上限を規制するためのストッパ機構を備え、前記ストッパ機構は、前記メインフレームに一体的に形成した第1当接部と前記サブフレームに一体的に形成した第2当接部とが前記サブフレームの鍵並び方向への移動時に当接し得るように構成されたことを特徴とする。
なお、請求項1〜において、前記ヒンジ部の断面形状は、押離鍵方向において「H型」とするのが望ましい。これにより、同じ外郭寸法で大きい断面2次モーメントを確保でき、少ない材料で強度を保持することができると共に、合成樹脂で成形する際、「ひけ」等の不具合の発生を防止して成形精度を向上することができる。
本発明の請求項1、5によれば、サブフレームの鍵並び方向への揺動を確保しつつ押離鍵方向には変位しにくい丈夫なフレーム構造を得ることで、検出の信頼性を向上して鍵操作に基づく繊細な楽音制御の実現を可能にすることができる。
本発明の請求項2によれば、限られたスペース内で押鍵力を検出するための部位間の総距離が長い構造を得ることで、製造を容易にすると共に、検出の信頼性を向上して鍵操作に基づく繊細な楽音制御の実現を可能にすることができる。
また、請求項3によれば、ヒンジ部の破損や故障を防止することができる。
また、請求項4によれば、構成を複雑化することなくヒンジ部の破損や故障を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る鍵盤装置の鍵盤フレームの一部を示す平面図である。同図では、見やすくするために、後述するスイッチ基板40を取り外した状態を示している。また、鍵盤は白鍵30群及び黒鍵群でなるが、同図では、白鍵30を1つだけ取り付けた状態を示している。なお、以下、鍵盤装置の奏者側を前方と称する。
鍵盤フレームは、メインフレーム10とサブフレーム20とがヒンジ部1で接続され一体に形成されて成る。本鍵盤装置は、押離鍵方向(上下方向)のほか、鍵並び方向の押鍵力を検出し、それを利用して多彩な楽音制御を実現するようにした装置であり、そのために、後述するように、サブフレーム20がメインフレーム10に対してヒンジ部1を介し鍵並び方向(鍵盤装置の左右方向)に相対的に移動可能に構成したものである。
後述するように、メインフレーム10には鍵30が組み付けられ、サブフレーム20には、スイッチ基板40、及び板バネとしての機能を果たす板状部材50等が取り付けられる。
メインフレーム10は、略全鍵幅に亘る長さに形成され、不図示の鍵盤楽器本体(例えば、楽器ケースや棚板等)に固定される。鍵盤楽器をコンソールタイプに構成する場合はともかく、鍵盤楽器をポータブルキーボードタイプに構成する場合は、メインフレーム10は、楽器ケースと一体に形成してもよい。なお、図7を含む第1、第2の実施の形態では、メインフレーム10と楽器ケースとは別体に構成されている場合を例示した。
サブフレーム20は、第1、第2、第3ブロック20A、20B、20Cが、連結部20Zで連結されて構成される。同図には、第1、第2ブロック20A、20Bのみが表されている。第1ブロック20Aは同図右側(奏者からみて左側)に配置され、第3ブロック20Cは同図左側(奏者からみて右側)に配置される。第1ブロック20Aと第3ブロック20Cとは、鍵並び方向における装置中央位置CTを中心として左右対称に構成される。第2ブロック20Bは装置中央に配置され、第1、第3ブロック20A、20Cよりも2倍程度の長さを有する。
メインフレーム10とサブフレーム20とは、6個のヒンジ部1(1A〜1F、内1D〜1Fは図示せず)を介して接続され、これらが合成樹脂で金型により一体成型されて、鍵盤フレームが構成される。上記ヒンジ部1は、フレームの材質や設計思想により個数や厚みが適宜変更されてもよい。なお、本実施の形態では、端部近傍ではヒンジ数を密にし、中央部近傍では2〜3オクターブ分の鍵幅を2個のヒンジ部で支持するようにしている。
ヒンジ部1Aは、メインフレーム10の接続部位10P1とサブフレーム20の連結部20Zの接続部位20P1とを接続する。同様に、ヒンジ部1Bは、接続部位10P2と接続部位20P2とを接続し、ヒンジ部1Cは、接続部位10P3と接続部位20P3とを接続する。図示はしないが、ヒンジ部1D、1E、1Fは、装置中央位置CTを中心としてそれぞれヒンジ部1C、1B、1Aと略左右対称に同様に構成される。
鍵盤フレームは弾性のある合成樹脂で構成されるので、ヒンジ部1も弾性を有する。しかも、ヒンジ部1の鍵並び方向における厚みはメインフレーム10やサブフレーム20に比べれば非常に薄い。従って、サブフレーム20とメインフレーム10との間に、鍵並び方向における相対的な力が加わると、ヒンジ部1が撓むことで、両者は相対的に移動乃至揺動可能になる。後述するように、この揺動は鍵30の操作によって生じる。なお、鍵盤フレームを構成する素材は、弾性材料であればよく、合成樹脂に限られない。
図2は、鍵盤フレーム及びその周辺要素の(図1の右方からみた)側面図、図3は、図1のA−A線に沿う断面図、図4は図1のB−B線に沿う断面図である。図5は、図1のD−D線に沿うヒンジ部1の断面図である。
図2に示すように、押離鍵方向におけるヒンジ部1の最大厚みをH1、ヒンジ部1の前後方向の全長に亘る範囲において、押離鍵方向におけるメインフレーム10の最大厚みをH2とし、また、図3に示すように、ヒンジ部1の前後方向の全長に亘る範囲において、押離鍵方向におけるサブフレーム20の最大厚みをH3とする。厚みH1は厚みH3と略同一で、厚みH2は厚みH1、H3よりやや厚く設定されている。
ヒンジ部1の厚みH1が、メインフレーム10及びサブフレーム20のうち薄い方であるサブフレーム20の最大厚みH3と略同一に形成されることで、上下方向に突出しない範囲で、押離鍵方向における鍵盤フレームの高い剛性が確保される。また、図5に示すように、ヒンジ部1は、断面形状が押離鍵方向に縦長、すなわち、上下方向の厚みH1が鍵並び方向の厚みB1よりも大きく形成され、しかも「H型」に形成される。これにより、同じ外郭寸法、少ない断面積で、大きい断面2次モーメントが効果的に確保される。これらにより、サブフレーム20の鍵並び方向への揺動は確保されると共に押離鍵方向には変位しにくい丈夫なフレーム構造が得られ、押離鍵方向における鍵盤フレームの剛性が一層増大する。なお、ヒンジ部1の断面形状は、断面2次モーメントが大きい形状であればよく、「H型」に限定されない。
また、ヒンジ部1の前後方向の全長に亘る範囲においては、メインフレーム10、サブフレーム20、及びヒンジ部1の上限位置(図2に示す位置U)が略一致している。これにより、上下方向のスペースが有効に利用される。
図1、図2に示すように、鍵30は、その基端部30cがメインフレーム10の鍵設置部11に取り付けられ、鍵支点部12を中心に自由端部30bが押離鍵方向に回動自在となるように取り付けられる。図3に示すように、メインフレーム10のバネ係止部14と鍵30のバネ受け部31との間には復帰バネ32が装着される。復帰バネ32は、鍵30を常に上方に付勢し、押鍵後に離鍵されると鍵30を初期位置(非押鍵位置)に復帰させる。
図2、図3に示すように、鍵30には2枚の垂下片30aが下方に延設されている。サブフレーム20の連結部20Z前部には、キーガイド23が各鍵30に対応してサブフレーム20と一体に形成されており、2枚の垂下片30aが僅かなクリアランスをもってキーガイド23を挟むようにして鍵30が配設される。
キーガイド23と垂下片30aとの間には不図示の潤滑剤が施される。鍵支点部12は、ローリングが防止されるが、押離鍵方向及び鍵並び方向の揺動が許容される支点構造をしている。鍵30の鍵並び方向の揺動は、基本的にはキーガイド23によって抑制される。より正確には、鍵30を鍵並び方向に揺動させると、その力がキーガイド23を介してサブフレーム20に伝わり、サブフレーム20がメインフレーム10に対して鍵並び方向に揺動することになる。なお、他の白鍵、黒鍵やそれらに対応するキーガイドについても同様に構成される。
図2、図3に示すように、サブフレーム20には、上限ストッパ22が設けられる。上限ストッパ22は、各鍵30毎に連結部20Zの下面に固着され、鍵30の垂下片30aを介して鍵30の初期位置を規定する。サブフレーム20にはまた、図1、図3に示すように、基板取り付け部21(21A、21B)が設けられる。基板取り付け部21A、21Bは、サブフレーム20の後部、前部にそれぞれ複数(第1、第3ブロック20A、20Cには前後2個ずつ、第2ブロック20Bには前後4個ずつ)突設され、サブフレーム20と一体に形成されている。
スイッチ基板40は、サブフレーム20に取り付けられている。スイッチ基板40は、メインフレーム10よりやや短い全長を有し、基板取り付け部21(21A、21B)にネジ41(41A、41B)で取り付けられている。スイッチ基板40の上面には、押鍵スイッチ2が各鍵30に対応して設けられている。押鍵スイッチ2は、鍵30によって押下され押鍵操作を検出する。
サブフレーム20の第1ブロック20Aには、図3に示すように、鉄製で板状の板状部材50が設けられる。板状部材50は、鍵並び方向の幅が第1ブロック20Aのそれより小さく、第1ブロック20Aに形成されたリブ27、28に複数(例えば、4個ずつ)のネジ24、25で取り付けられている。なお、板状部材50は、第3ブロック20Cにも設けられている(図示せず)。板状部材50を鍵盤装置両端近傍において左右対称に設けることで、後述するセンサ55による押離鍵方向の押鍵操作の検出精度を向上させている。
図1、図2に示すように、板状部材50には、下限ストッパホルダ51が設けられる。下限ストッパホルダ51は、略全鍵幅の全長を有し、両側の板状部材50を橋渡しする形で各板状部材50にネジ53で固定されている。下限ストッパホルダ51には、略全鍵幅の全長を有するフェルト製の下限ストッパ52が固着されている。
この下限ストッパ52は、押鍵による鍵30の正確な下限位置を規定するものではなく、板状部材50の厚み方向の変位を許容するものであって、押鍵後のさらなる押鍵(アフタタッチ)力の程度に応じてさらに下方に変位可能に構成されている。
下限ストッパホルダ51と鍵30との間には、押離鍵方向の押鍵力成分を検出するための第1検出手段としてのセンサ55が設けられる。図1、図2に示すように、サブフレーム20の前部には取り付け台26が取り付けられ、センサ55は取り付け台26に取り付けられている。センサ55は、下限ストッパホルダ51の上面に対向し、下限ストッパホルダ51によりプリコンプレッションされた状態で取り付けられている。センサ55は、例えばインダクタンス変化型の誘導起電力誘発型センサで構成される。
センサ55は、下限ストッパホルダ51との距離の変化に応じた信号を出力し、これによってサブフレーム20側と板状部材50側との相対的変位が検出される。なお、第1検出手段は同様の構成のものが第3ブロック20Cの対称位置にも設けられる(図示せず)。検出値としては、左右の第1検出手段の総和値が採用される。
鍵30を押鍵すると、垂下片30aの下端部が下限ストッパ52に当接し、押鍵力が下限ストッパ52を介して下限ストッパホルダ51に伝わって、これにより、板状部材50がほぼリブ28(ネジ25)の位置を支点として下方に撓む。すなわち、鍵30の回動はほぼ停止するが、押鍵ストローク後の押鍵力によって、鍵30がさらに下方へ僅かに移動し、それに伴い下限ストッパホルダ51がセンサ55から離間する方向に変位する。この変位がセンサ55により検出され、押離鍵方向における押鍵後の押鍵操作が検出されることになる。
アフタタッチがさらに増すと、板状部材50の下面は下限リミッタ20Lに当接して、鍵30の変位を停止させる。下限リミッタ20Lは金属で形成され、上面には保護のためのテーピングLTが施される。下限リミッタ20Lは、下部がサブフレーム20にネジ29で固着されている。下限リミッタ20Lは、例えば、幼児が鍵盤に乗ってもスイッチ等の破壊を防止するのに役立つ。
鍵盤フレームの装置中央位置CT近傍には、ストッパ機構MSが設けられる(図1参照)。ストッパ機構MSは、ストッパ部S1(第1当接部)及びストッパ部S2(第2当接部)で構成される。ストッパ部S1は、メインフレーム10から前方に突出した凸部でメインフレーム10と一体に形成され、ストッパ部S2は、ストッパ部S1に対応してサブフレーム20に一体に形成された凹部で構成される。図1に示すように、凸状のストッパ部S1の左右両外側面と凹状のストッパ部S2との左右両内側面との間には、間隙D1が形成される。
鍵30の鍵並び方向への操作によってサブフレーム20が鍵並び方向に揺動すると、ストッパ部S2の一方の内側面がそれに対向するストッパ部S1の外側面に当接して、サブフレーム20の移動が規制される。すなわち、ストッパ機構MSは、サブフレーム20の移動量の上限を規制する機能を果たし、これによりヒンジ部1の破損や故障が防止される。また、メインフレーム10に対するサブフレーム20の移動量の上限に相当するのが間隙D1である。間隙D1は、ヒンジ部1が弾性限界に対して充分に余裕のある変形量に収まるような値に設定される。
ストッパ機構MSが、メインフレーム10とサブフレーム20との前後方向における間に設けられ、しかもストッパ部S1、S2が、メインフレーム10、サブフレーム20とそれぞれ一体に形成されているので、構成が簡単になっている。また、ストッパ機構MSは、鍵並び方向における略中央に設けられるので、どの鍵による鍵並び方向への力に対しても、サブフレーム20の移動規制機能を均等に果たすことができる。なお、ストッパ機構MSは、移動規制機能をより確実にする観点からは、鍵並び方向に複数設けるようにしてもよい。
装置中央位置CT近傍にはさらに、アクチュエータ13及びセンサ43からなり鍵並び方向の押鍵力成分を検出するための第2検出手段が設けられる。図1、図4に示すように、アクチュエータ13は、メインフレーム10のストッパ部S1上部から前方に延設され、メインフレーム10と一体に形成されている。サブフレーム20には、アクチュエータ13に対応する穴20aが形成され、金型成形におけるアンダーカットを回避している。
図1〜図3に示すように、スイッチ基板40の下面には、センサ取り付け部42が下方に突設されている。センサ取り付け部42は、サブフレーム20に形成された長穴20b(図1参照)に不図示のネジで取り付けられ、鍵並び方向に位置調整が可能になっている。そしてこのセンサ取り付け部42に、センサ43が設けられている。図1に示すように、センサ43は、アクチュエータ13に対向しアクチュエータ13によりプリコンプレッションされた状態で取り付けられる。センサ43は、センサ55(図2参照)と同様に、例えばインダクタンス変化型の誘導起電力誘発型センサで構成される。センサ43は、アクチュエータ13に駆動されて鍵並び方向に出入りすることで、メインフレーム10に対するサブフレーム20の鍵並び方向の移動を検出する。これにより、鍵30の鍵並び方向への押鍵操作が検出される。
図6は、図1のC−C線に沿う断面図(同図(a))及び変形例の一部を示す図(同図(b))である。
上述したように、基板取り付け部21A、21Bは、サブフレーム20に突設されるが、基板取り付け部21Aはサブフレーム20の後部から前方に向き、基板取り付け部21Bはサブフレーム20の前部から後方に向いて、それぞれ突設されている。同図(a)に示すように、サブフレーム20には、各基板取り付け部21A、21Bに対応して、穴20c、20dが形成されている。穴20c、20dは、各基板取り付け部21A、21Bにスイッチ基板40をネジ41(41A、41B)で下方から固定する際に、作業の便宜上必要とされる。
なお、これとは逆に、上方からネジ止めするように構成してもよい。例えば、同図(b)に示すように、スイッチ基板140を基板取り付け部121A、121Bの上部に重ね、ネジ141(141A、141B)を上方から螺合するようにすれば、穴20c、20dの形成は不要になり、構成を簡単にすることができる。
かかる構成(図1〜図6(a))において、奏者が鍵30を押鍵すると、押鍵スイッチ2によりその押鍵操作が検出され、その検出信号に応じて不図示の音源回路、スピーカを介して楽音が発生する。
また、押鍵ストローク中または押鍵後に、奏者は鍵30を鍵並び方向に揺動させる操作を行うことができる。鍵30の鍵並び方向への力は、上述したようにキーガイド23を介してサブフレーム20に伝わり、これにより、サブフレーム20がメインフレーム10に対して鍵並び方向に揺動する。この揺動がセンサ43で検出される。
さらに、奏者は、押鍵ストローク後に鍵30をさらに下方に押下することができる。上述したように、鍵30の下方への力は、垂下片30a、下限ストッパ52、下限ストッパホルダ51を介して板状部材50に伝わり、板状部材50が下方に撓む。それに伴い下限ストッパホルダ51がセンサ55から離間する方向に変位し、この変位がセンサ55により検出される。
センサ43による検出信号及びセンサ55による検出信号を、例えば、音色、音量、ピッチ、リバーブ、パン、ビブラート等に反映させて楽音を制御することで、アフターコントロール等をはじめ多彩な楽音制御が可能になる。これにより、演奏の幅を広げ表現力を豊かにすることができる。なお、センサ43、センサ55の各検出信号に基づき制御されるパラメータは、それぞれ予め定めておいてもよいし、奏者が任意に割り当て可能に構成してもよい。
なお、鍵30の下限ストッパ52当接後でなくても、操作する指と鍵表面との摩擦により押鍵途中で横動(鍵並び方向への)操作があれば、センサ43によって微妙な偏倚(変位)を検出できるので、これに基づく楽音制御も可能である。
本実施の形態によれば、メインフレーム10とサブフレーム20とをヒンジ部1で接続して合成樹脂で金型により一体成型し、サブフレーム20がヒンジ部1を介してメインフレーム10に対して鍵並び方向に相対的に移動可能に構成したので、部品点数を削減し、製造コストを抑制することができるだけでなく、連結のための金属部品が不要となり、軽量化にも資する。また、鍵30の鍵並び方向への力がキーガイド23を介してサブフレーム20に伝わり、サブフレーム20がメインフレーム10に対して鍵並び方向に揺動するようにし、そして、メインフレーム10側に設けたアクチュエータ13と、サブフレーム20側に設けたセンサ43とによって、上記鍵並び方向の揺動を検出して、これを楽音制御に反映させるようにしたので、鍵並び方向への押鍵操作に基づく楽音制御が可能になる。よって、構成を簡単にして、製造容易化、コスト削減、軽量化を図りつつ、鍵並び方向への押鍵操作に基づく多彩な楽音制御の実現を可能にすることができる。
本実施の形態によればまた、ヒンジ部1の前後方向の全長に亘る範囲において、上下方向におけるヒンジ部1の最大厚みH1が、メインフレーム10の最大厚みH2とサブフレーム20の最大厚みH3のうち薄い方である厚みH3と略同一に形成されることで、上下方向に突出しない範囲で、押離鍵方向における鍵盤フレームの高い剛性が確保され、しかも、ヒンジ部1の断面形状が押離鍵方向に縦長に形成されるので、押離鍵方向の押鍵力を検出して楽音制御に反映させる場合において、押離鍵操作の微妙な検出を行うことが容易となる。加えてヒンジ部1が「H型」に形成されることで、同じ外郭寸法、少ない断面積で、大きい断面2次モーメントを効果的に確保でき、少ない材料で強度を保持することができると共に、合成樹脂で成形する際、「ひけ」等の不具合の発生を防止して成形精度を向上することができる。よって、サブフレーム20の鍵並び方向への揺動を確保しつつ押離鍵方向には変位しにくい丈夫なフレーム構造を得ることで、押離鍵方向への押鍵操作の検出の信頼性を向上して鍵操作に基づく繊細な楽音制御の実現を可能にすることができる。
なお、本実施の形態では、鍵30の鍵並び方向への力がキーガイド23を介してサブフレーム20に伝わるようにしたが、これに限るものでなく、キーガイド23を除外し、押鍵後に鍵30の自由端部30bとサブフレーム20とが当接関係(介在物があってもよい)となって、自由端部30bとサブフレーム20との間で生ずる摩擦力によって押鍵後の鍵30に対する鍵並び方向への力がサブフレーム20に伝わるように構成してもよい。例えば、垂下片30aと下限ストッパ52との摩擦力を利用して、板状部材50を介してサブフレーム20に力が伝達されるようにしてもよい。その場合には、キーガイドに代わって、鍵30の自由端部30bを鍵並び方向に過剰に揺動させないようにする手段が必要となる。例えば、特開平10−340078号公報等に示すように、鍵30を鍵並び方向に幅広の連結部でメインフレーム10に取り付け、自由端部30bが鍵並び方向には微少に揺動可能に構成すればよい。
なお、本実施の形態では、押離鍵方向の押鍵力成分を検出する第1検出手段及び鍵並び方向の押鍵力成分を検出する第2検出手段は、誘導起電力誘発型のセンサを用いるようにしたが、これらに限るものでなく、ホール素子、歪みゲージ等、他の検出機構を用いるようにしてもよい。その際、移動を検出するために、磁気、光、圧力等、利用するパラメータも限定されない。
例えば、第1検出手段をホール素子を用いて構成する場合は、ホール素子を取り付け台26に取り付け、磁石をホール素子に対向して下限ストッパホルダ51に取り付ければよい。あるいは、ホール素子と磁石との取り付け位置をこれとは逆にしてもよい。
なお、ストッパ機構MSは、メインフレーム10側に凸状のストッパ部S1、サブフレーム20側に凹状のストッパ部S2を形成する構成としたが、凹凸関係をこれとは逆にしてもよい。
なお、本実施の形態では、スイッチ基板40はサブフレーム20に対して固定的に設けたことから、センサ43はサブフレーム20側に、アクチュエータ13はメインフレーム10にそれぞれ設けることで、両フレーム10、20間の相対的移動を検出するようにした。しかし、これに限るものでなく、スイッチ基板40はメインフレーム10に固定的に設けてもよい。その場合は、アクチュエータ13に相当するものをサブフレーム20に設け、センサ43に相当するものをスイッチ基板40に設ければよい。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、鍵30の基端部30cがメインフレーム10に固定され、鍵30の鍵並び方向への力はキーガイド23を介してサブフレーム20に伝わるように構成された。これに対し本第2の実施の形態では、鍵の基端部をサブフレームに固定し、鍵の鍵並び方向への力が基端部を介してサブフレームに伝わるように構成する。
図7は、本発明の第2の実施の形態に係る鍵盤装置の鍵盤フレーム及びその周辺要素の断面図(同図(a))並びに鍵盤フレームの部分平面図(同図(b))である。
同図(b)に示すように、鍵盤フレームは、メインフレーム210とサブフレーム220とがヒンジ部201で接続されて一体に形成される。鍵盤フレームの全体の形状は異なるが、機能は第1の実施の形態の場合と同様である。
同図(a)に示すように、白鍵230は、基端部230cにてサブフレーム220の連結部220Zに固定され、自由端部230bが押離鍵方向に回動可能になっている。また、例えば、特開平10−340078号公報等に示された構成と同様に、白鍵230は、基端部230cとは鍵並び方向に幅広の連結部232で接続されており、しかも連結部232には延設部231が白鍵230の長手方向略中央近傍まで延設されている。延設部231は、白鍵230本体の鍵並び方向における操作部分の最大幅と略同一に形成されている。幅広の連結部232及び延設部231により、白鍵230の自由端部230bは、キーガイドなしに、押離鍵方向には自在に揺動するが鍵並び方向にはほとんど揺動しないように構成される。なお、黒鍵は、延設部の長さが異なるが全体としてはほぼ同様に構成される。
板状部材50に相当する鉄製板状の板状部材250は、サブフレーム220にネジ224、225で固定される。板状部材250には、下限ストッパ52に相当するフェルト製の下限ストッパ252が設けられる。
メインフレーム210上には、スイッチ基板40に相当するスイッチ基板240が設けられ、スイッチ基板240には押鍵スイッチ2に相当する押鍵スイッチ202が各鍵毎に設けられる。メインフレーム210にはさらに、過変形防止ストッパ203が設けられ、鍵230の過剰な押鍵力による板状部材250の過剰な変形を抑制する。
なお、図示はしないが、押離鍵方向の押鍵力成分を検出する第1検出手段は、板状部材250及びメインフレーム210間に構成され(一方に検出器、他方にアクチュエータ等)、鍵並び方向の押鍵力成分を検出するための第2検出手段は、メインフレーム210及びサブフレーム220間に構成される(一方にアクチュエータ13、他方にセンサ43)。
また、押鍵時に押鍵スイッチ202が鍵230により駆動される際に、鍵230に鍵並び方向への力が加わると、押鍵スイッチ202上面が歪んだりこすれたりして、誤動作により検出誤差を生ずるおそれがある。これを防止するために、押鍵スイッチ202上面とそれに当接する鍵230のアクチュエータ下面(図示せず)とは、滑り易いように構成される。例えば、押鍵スイッチ202上面は、滑りのよい材料を用いて2色成形にて固める。または、押鍵スイッチ202がねじれるか否かにかかわらず誤動作を起こさないように、オン、オフ、タッチレスポンス等の早めの押鍵処理を行なえるような構造とする。あるいは、スイッチ基板240及び押鍵スイッチ202をサブフレーム220側に設けると共に、鍵アクチュエータ部は鍵長手方向中央よりやや後方のスイッチ対応部に設けるようにしてもよい。
かかる構成において、鍵230を鍵並び方向に揺動させる操作を行うと、鍵230の鍵並び方向への力は、基端部230cを介してサブフレーム220に伝わり、これにより、サブフレーム220がメインフレーム210に対して鍵並び方向に揺動する。この揺動が上記第2検出手段で検出される。
なお、押離鍵操作は押鍵スイッチ202で検出され、押離鍵方向の押鍵ストローク後の押鍵力成分は、板状部材250の撓みを介して上記第1検出手段で検出される。
本実施の形態によれば、構成を簡単にして、製造容易化、コスト削減、軽量化を図りつつ、鍵並び方向への押鍵操作に基づく多彩な楽音制御の実現を可能にすることに関し、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
(第3の実施の形態)
第1の実施の形態では、押離鍵方向の押鍵力成分を検出する第1検出手段を構成するセンサ55は、取り付け台26を介してサブフレーム20に取り付けられ、第1検出手段はサブフレーム20側と板状部材50側との相対的変位を検出するように構成された。これに対し本第3の実施の形態では、センサ55をメインフレーム側に固定し、第1検出手段は、メインフレーム側と板状部材50(弾性体)側との相対的変位を検出するように構成される。
図8は、本発明の第3の実施の形態に係る鍵盤装置の鍵盤フレームの一部を示す平面図(同図(a))並びに鍵盤フレーム及びその周辺要素の側面図(同図(b))である。
メインフレーム310には、延設部310aが設けられる。延設部310aは、メインフレーム310の同図における右端部(奏者からみて左端部)から前方に突設され、メインフレーム310と一体に形成される。延設部310aの前端面310aaには、取り付け台326が固着され、センサ55は、この取り付け台326に取り付けられている。なお、センサ55による第1検出手段(押鍵力検出手段)は、同様の構成のものが第3ブロック20Cの対称位置にも設けられる(図示せず)。サブフレーム20や鍵30をはじめ、その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
かかる構成において、押鍵ストローク後に鍵30をさらに下方に押下すると、第1の実施の形態と同様に、鍵30の下方への力は板状部材50に伝わり、それに伴い下限ストッパホルダ51がセンサ55から離間する方向に変位し、この変位がセンサ55により検出される。
鍵盤装置前後方向において、センサ55、下限ストッパホルダ51におけるセンサ55対向部分の各配設位置をそれぞれ「Q1」(第1の位置)、「Q2」(第2の位置)、メインフレーム310とヒンジ部1Aとの接続位置(接続部位10P1に相当)を「CN1」(第1接続部)、サブフレーム20とヒンジ部1Aとの接続位置(接続部位20P1に相当)を「CN2」(第2接続部)、板状部材50が下方に撓む場合の支点位置(リブ28、ネジ25の配設位置、図3参照)を「CN3」(第3接続部)とする。
側方からみた「Q1」から「Q2」に至る経路を考察すると、「Q1」から取り付け台326、メインフレーム310を通って「CN1」に至り、「CN1」で折り返してヒンジ部1Aを通って「CN2」に至り、次に「CN2」で折り返してサブフレーム20を通って「CN3」に至り、さらに「CN3」で折り返して板状部材50を通って「Q2」に至ることがわかる。すなわち、「Q1」から「Q2」に至る経路が、「CN1」と「CN3」とで2度折り返す2度折り返し構造となっている。
メインフレーム310とサブフレーム20とは、ヒンジ部1を介して鍵並び方向に移動可能であって、上下方向にはほとんど相対的移動をしないが、厳密には鍵盤フレームの弾性により、上下方向にも僅かに変位する。第1の実施の形態では、センサ55がサブフレーム20に固定的であったため、両フレーム間の変位は押離鍵方向の押鍵力の検出に関係がなかった。しかし、本第3の実施の形態では、センサ55がメインフレーム310に固定的であるため、両フレーム間の変位が押離鍵方向の押鍵力の検出に関係する。
ところが、上記のように、本実施の形態では、「Q1」から「Q2」に至る経路が2度折り返し構造となっているので、「Q1」と「Q2」との相対的位置ずれが検出精度に与える影響を軽減できる結果、組み付けが容易になる。また、「Q1」と「Q2」との総距離が長くなることで、同じ押鍵力が大きなモーメントとして作用することから、押鍵力の微妙な検出が容易になる。
本実施の形態によれば、限られたスペース内で押鍵力を検出するための部位間の総距離が長い構造を得ることで、製造を容易にすると共に、押離鍵方向における押鍵力の検出の信頼性を向上して鍵操作に基づく繊細な楽音制御の実現を可能にすることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る鍵盤装置の鍵盤フレームの一部を示す平面図である。 鍵盤フレーム及びその周辺要素の側面図である。 図1のA−A線に沿う断面図である。 図1のB−B線に沿う断面図である。 図1のD−D線に沿うヒンジ部1の断面図である。 図1のC−C線に沿う断面図(同図(a))及び変形例の一部を示す図(同図(b))である。 本発明の第2の実施の形態に係る鍵盤装置の鍵盤フレーム及びその周辺要素の断面図(同図(a))並びに鍵盤フレームの部分平面図(同図(b))である。 本発明の第3の実施の形態に係る鍵盤装置の鍵盤フレームの一部を示す平面図(同図(a))並びに鍵盤フレーム及びその周辺要素の側面図(同図(b))である。
符号の説明
1 ヒンジ部、 2 押鍵スイッチ、 10、210、310 メインフレーム、 13 アクチュエータ、 20、220 サブフレーム、 23 キーガイド、 30 鍵、 30b 自由端部、 30c 基端部、 40、140 スイッチ基板、 43 センサ、 50 板状部材(第3の実施の形態では弾性体)、 52 下限ストッパ、 55 センサ(第3の実施の形態では押鍵力検出手段の一部)、 H1 ヒンジ部厚み、 H2 メインフレーム厚み、 H3 サブフレーム厚み、 MS ストッパ機構、 S1 ストッパ部(第1当接部)、 S2 ストッパ部(第2当接部)、 Q1 位置(第1の位置)、 Q2 位置(第2の位置)、 CN1 位置CN1(第1接続部)、 CN2 位置(第2接続部)、 CN3 位置(第3接続部)

Claims (5)

  1. 複数の鍵からなる鍵盤と鍵盤楽器本体に対して固定的に設けられたメインフレームと前記鍵盤楽器本体に対して鍵並び方向に揺動可能に設けられたサブフレームとから構成される鍵盤フレームを備えた鍵盤装置であって、
    前記複数の鍵は、それぞれ前記メインフレームまたは前記サブフレームのいずれか一方に一部が固定されてなり、
    前記鍵盤フレームは、合成樹脂で一体成型により一体に形成されて、前記メインフレームと前記サブフレームとがヒンジ部を介して連結され、前記鍵を鍵並び方向に揺動させたとき、前記サブフレームが前記メインフレームに対して前記ヒンジ部を介して鍵並び方向に揺動し得るように構成され、
    前記ヒンジ部は、該ヒンジ部の前後方向の全長に亘る範囲における押離鍵方向の最大厚みが、前記メインフレーム及び前記サブフレームのうち前記ヒンジ部の前後方向の全長に亘る範囲における押離鍵方向の最大厚みが薄い方の最大厚みと略同一に形成され、且つ、その断面形状が押離鍵方向に縦長に形成され、
    前記ヒンジ部の前後方向の全長に亘る範囲においては、前記ヒンジ部、前記メインフレーム及び前記サブフレームの上端位置が一致しており、且つ、前記ヒンジ部と、前記メインフレーム及び前記サブフレームのうち前記ヒンジ部の前後方向の全長に亘る範囲における押離鍵方向の最大厚みが薄い方とは、上下方向において、前記メインフレーム及び前記サブフレームのうち前記ヒンジ部の前後方向の全長に亘る範囲における押離鍵方向の最大厚みが厚い方の上端位置から下端位置までの範囲内に位置していることを特徴とする鍵盤装置。
  2. 鍵盤楽器本体に対して固定的に設けられたメインフレームと前記鍵盤楽器本体に対して鍵並び方向に揺動可能に設けられたサブフレームとから構成される鍵盤フレームを備えた鍵盤装置であって、
    押離鍵操作可能な鍵と、
    前記サブフレームを前記メインフレームに対して鍵並び方向に揺動可能に連結するヒンジ部と、
    前記サブフレームに連結され、前記鍵に対する押鍵力に応じて撓み得るように構成された弾性体と、
    前記メインフレームに対して固定的な第1の位置(Q1)に対する、前記弾性体に対して固定的な第2の位置(Q2)の移動を検出することで、前記押鍵力を検出する押鍵力検出手段とを備え、
    前記メインフレームと前記ヒンジ部とは前記第1の位置から離間した第1接続部(CN1)で接続され、
    前記ヒンジ部と前記サブフレームとは前記第1接続部から離間した第2接続部(CN2)で接続され、
    前記サブフレームと前記弾性体とは前記第2の位置から離間した第3接続部(CN3)で接続されることで、
    前記第1の位置から前記第2の位置までの経路が、前記メインフレームを通って前記第1接続部で折り返し前記ヒンジ部を通って前記第2接続部に至り、さらに前記サブフレームを通って前記第3接続部で折り返し前記弾性体を通って前記第2の位置に至る2度折り返し構造となっていることを特徴とする鍵盤装置。
  3. 前記サブフレームの前記メインフレームに対する鍵並び方向への移動量の上限を規制するためのストッパ機構を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の鍵盤装置。
  4. 前記ストッパ機構は、前記メインフレームに一体的に形成した第1当接部と前記サブフレームに一体的に形成した第2当接部とが前記サブフレームの鍵並び方向への移動時に当接し得るように構成されたことを特徴とする請求項3記載の鍵盤装置。
  5. 複数の鍵からなる鍵盤と鍵盤楽器本体に対して固定的に設けられたメインフレームと前記鍵盤楽器本体に対して鍵並び方向に揺動可能に設けられたサブフレームとから構成される鍵盤フレームを備えた鍵盤装置であって、
    前記複数の鍵は、それぞれ前記メインフレームまたは前記サブフレームのいずれか一方に一部が固定されてなり、
    前記鍵盤フレームは、前記メインフレームと前記サブフレームとがヒンジ部を介して連結され、前記鍵を鍵並び方向に揺動させたとき、前記サブフレームが前記メインフレームに対して前記ヒンジ部を介して鍵並び方向に揺動し得るように構成され、
    前記ヒンジ部は、押離鍵方向の厚みが前記メインフレーム及び前記サブフレームのうち薄い方の厚みと略同一に形成され、且つ、その断面形状が押離鍵方向に縦長に形成され、
    さらに、前記サブフレームの前記メインフレームに対する鍵並び方向への移動量の上限を規制するためのストッパ機構を備え、
    前記ストッパ機構は、前記メインフレームに一体的に形成した第1当接部と前記サブフレームに一体的に形成した第2当接部とが前記サブフレームの鍵並び方向への移動時に当接し得るように構成されたことを特徴とする鍵盤装置。
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