JP4042006B2 - 動翼の抜止構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は動翼をディスクに固定するための動翼の抜止構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
軸流ファンやガスタービンでは、回転するディスクに動翼を固定するために、図5に例示するような構造が従来から用いられている。この図において、(A)は横断面図、(B)はA部拡大図、(C)はB−B矢視図である。この(B)(C)では動翼を省略して示している。この図において、1は動翼、2は軸心Z−Zを中心に回転するディスク、3はディスクの外周部に設けられたダブテール溝、4はディスクの端部に設けられたリテーナ溝、5はこの溝に嵌まるリング状のリテーナリングである。動翼1のダブテール部1aは、(C)に示すダブテール溝3と嵌合する形状(内方が膨らんだ形状)に形成されており、このダブテール部1aをダブテール溝3に溝に沿って軸方向斜めに挿入し、次いで、リテーナ溝4に内側からリング状のリテーナリング5を嵌めることにより、動翼1をダブテール溝3に固定し、かつダブテール溝3から軸方向に抜け出すのを防ぐようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、リテーナ溝4は内方が開口した溝であり、その内側からリテーナリング5を嵌める必要がある。そのため、リテーナリング5には必ず切れ目があり、その切れ目5aの間隔Gを狭めることにより、直径を縮めてリテーナ溝4に挿入する。そのためリテーナリング5には、従来、1枚又は2枚の円形リングが用いられていた。
【0004】
しかし、小型の軸流ファンやガスタービンの場合には、ディスクの直径が小さくなり、リテーナリング5に組み立てに必要な切れ目5aを設けると、その切れ目5aがダブテール溝3に位置してしまうことがある。この場合に、動翼1がダブテール溝3から抜け出ようとする力を片持ち状態のリテーナリングの端部で受けることになり、リテーナリング5に過大な応力が生じて破損するおそれがある。また、2枚のリングを位置をずらして重ねる場合でも、この部分の応力が過大となる。
【0005】
本発明はかかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、ディスクの直径が小さい場合でも、動翼がダブテール溝から抜け出ようとする力を常に両端支持状態で支持することができ、これにより、高速運転時の高応力等に耐えることができる動翼の抜止構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、複数の動翼のダブテール部(1a)をディスクの外周部に設けた複数のダブテール溝(3)にそれぞれ軸方向に挿入し、ダブテール溝を含むディスクの挿入側端部に設けられたリテーナ溝(4)にリテーナリング(10)を嵌めて各動翼の軸方向の抜けを防止する動翼の抜止構造において、前記リテーナリングは、リテーナ溝の溝幅のほぼ半分の厚さTを有する1対の円形リング(10a)からなり、各円形リングは、リテーナ溝の位置におけるダブテール溝の周方向間隔より大きい隙間Lを有する切れ目(12)と、切れ目の回転中心Zに対する対称位置に軸方向に突出した突起部(14)と、切れ目の両側に位置し半径方向外方に突出した一対の回り止め部(16)とを有し、突起部(14)の厚さはリングの厚さTにほぼ等しく、その周方向長さは切れ目の間隔Lよりわずかに短く構成され、これにより、一対の回り止め部により各切れ目(12)をダブテール溝(3)を跨いで位置決めし、かつ1対の円形リング(10a)の一方の切れ目(12)に他方の突起部(14)を嵌合させて切れ目のない一体のリング状に形成する、ことを特徴とする動翼の抜止構造が提供される。
【0007】
上述した本発明の構成によれば、1対の円形リング(10a)の一方の切れ目(12)に他方の突起部(14)を嵌合させて切れ目のない一体のリング状に形成することにより、リテーナリングのどの部分でも厚さがリテーナ溝の溝幅にほぼ等しくなり、リテーナリングに作用する軸方向力をリテーナ溝の溝端面で確実に支持することができる。また、一対の回り止め部(16)により各切れ目(12)をダブテール溝(3)を跨いで位置決めるので、2つダブテール溝がそれぞれ切れ目(12)に位置するが、この切れ目にリングの厚さTにほぼ等しい別の円形リングの突起部(14)が嵌合しているので、この部分のリテーナリングの厚さも、リテーナ溝の溝幅にほぼ等しくなっており、かつこの突起部(14)がダブテール溝(3)を跨いで位置するので、肉厚の突起部(14)の両端支持状態により、この部分のリテーナリングに作用する軸方向力も突起部(14)を介してリテーナ溝の溝端面で確実に支持することができる。
【0008】
また、一対の回り止め部(16)によりリテーナリング全体の回転も防止できる。更に、一対の円形リング(10a)の一方の切れ目(12)に他方の突起部(14)を嵌合させると、全体として断面が同一の矩形を有する切れ目のない一体のリング状になり、回転中心に対して完全な対称形となり、高速回転時の動バランスを容易に取ることができる。従って、全体として翼荷重によりリングに発生する応力を常に両持ち状態での低い応力に保たつことができ、信頼性を高めることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図1は、本発明の動翼の抜止構造を示す断面図であり、図2は、図1のB−B矢視図(平面図)である。図1において、(A)は横断面図、(B)はA部拡大図である。また、図2では、動翼1を省略して示している。
【0010】
図1及び図2に示すように、本発明の動翼の抜止構造は、軸流ファンやガスタービンにおける複数の動翼1のダブテール部1aをディスク2の外周部に設けた複数のダブテール溝3に、図2に矢印で示す方向に、それぞれ軸方向に斜めに挿入し、ダブテール溝3を含むディスク2の挿入側端部に設けられたリテーナ溝4にリテーナリング10を嵌めて各動翼1の軸方向の抜けを防止するようになっている。
【0011】
なお、この例では、ディスク2の挿入側反対端に、ディスク2の外周部より外方に突出した鍔部2aが設けられ、この鍔部にボルト6で固定された別部品のフランジでダブテール溝3の蓋をして後方向(図で右方向)には抜けないようにしている。また、図1(B)に示すように、リテーナ溝4は矩形の溝断面の半径方向内方が開口した、全体としては軸線Z−Zを中心とする円形の溝である。
【0012】
図3は、図1のC−C矢視図であり、図4は、図3のリテーナリングの説明図である。図3及び図4(A)に示すように、リテーナリング10は、切れ目のない一体のリング状に形成されている。また、このリテーナリング10は、全体として4つの回り止め部14を有し、この回り止め部14がダブテール溝3にそれぞれ嵌合してリテーナリング10の中心軸Zを中心とする回転を防止するようになっている。
【0013】
図4(B)に示すように、リテーナリング10は、リテーナ溝4の溝幅のほぼ半分の厚さTを有する1対の円形リング10aからなる。各円形リング10aは、完全に同一形状をしており、リテーナ溝4の位置におけるダブテール溝3の周方向間隔より大きい隙間Lを有する切れ目12と、切れ目12の回転中心に対する対称位置に、図4(C)に示すように、軸方向に突出した突起部14と、切れ目12の両側に位置し半径方向外方に突出した一対の回り止め部16とを有する。突起部14の厚さはリング10aの厚さTにほぼ等しく、その周方向長さは切れ目の間隔Lよりわずかに短く構成されている。
【0014】
この構成により、図3及び図4(A)に示すように、一対(2つ)の回り止め部16により各切れ目12をダブテール溝3を跨いで位置決めし、かつ1対の円形リング10の一方の切れ目12に他方の突起部14を嵌合させて切れ目のない一体のリング状に形成することができる。
【0015】
上述した本発明の構成により、図4(A)に示すように、1対の円形リング10aの一方の切れ目12に他方の突起部14を嵌合させて切れ目のない一体のリング状に形成することにより、リテーナリング10のどの部分でも厚さがリテーナ溝4の溝幅(2T)にほぼ等しくなり、リテーナリング10に作用する軸方向力をリテーナ溝4の溝端面で確実に支持することができる。
【0016】
また、図3に示すように、一対の回り止め部16により各切れ目12をダブテール溝3を跨いで位置決めするので、2つダブテール溝3がそれぞれ切れ目12に位置するが、この切れ目12にリングの厚さTにほぼ等しい別の円形リング10aの突起部14が嵌合しているので、この部分のリテーナリングの厚さも、リテーナ溝4の溝幅にほぼ等しくなる。更に、この突起部14がダブテール溝3を跨いで位置するので、肉厚の突起部14の両端支持状態により、この部分のリテーナリングに作用する軸方向力も突起部14を介してリテーナ溝4の溝端面で確実に支持することができる。
【0017】
また、一対の回り止め部16によりリテーナリング10全体の回転も防止できる。更に、一対の円形リング10aの一方の切れ目12に他方の突起部14を嵌合させると、全体として断面が同一の矩形を有する切れ目のない一体のリング状になり、回転中心に対して完全な対称形となり、高速回転時の動バランスを容易に取ることができる。従って、全体として翼荷重によりリングに発生する応力を常に両持ち状態での低い応力に保つことができ、信頼性を高めることができる。
【0018】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0019】
【発明の効果】
上述したように、本発明の動翼の抜止構造は、ディスクの直径が小さい場合でも、動翼がダブテール溝から抜け出ようとする力を常に両端支持状態で支持することができ、これにより、高速運転時の高応力等に耐えることができる、等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の動翼の抜止構造を示す断面図である。
【図2】図1のB−B矢視図(平面図)である。
【図3】図1のC−C矢視図である。
【図4】図3のリテーナリングの説明図である。
【図5】従来の動翼の抜止構造を示す説明図である。
【符号の説明】
1 動翼
1a ダブテール部
2 ディスク
2a 鍔部
3 ダブテール溝
4 リテーナ溝
5 リテーナリング
5a 切れ目
5b 回り止め部
6 ボルト
10 リテーナリング
10a 円形リング
12 切れ目
14 突起部
16 回り止め部
Claims (1)
- 複数の動翼のダブテール部(1a)をディスクの外周部に設けた複数のダブテール溝(3)にそれぞれ軸方向に挿入し、ダブテール溝を含むディスクの挿入側端部に設けられたリテーナ溝(4)にリテーナリング(10)を嵌めて各動翼の軸方向の抜けを防止する動翼の抜止構造において、
前記リテーナリングは、リテーナ溝の溝幅のほぼ半分の厚さTを有する1対の円形リング(10a)からなり、
各円形リングは、リテーナ溝の位置におけるダブテール溝の周方向間隔より大きい隙間Lを有する切れ目(12)と、切れ目の回転中心Zに対する対称位置に軸方向に突出した突起部(14)と、切れ目の両側に位置し半径方向外方に突出した一対の回り止め部(16)とを有し、突起部(14)の厚さはリングの厚さTにほぼ等しく、その周方向長さは切れ目の間隔Lよりわずかに短く構成され、これにより、一対の回り止め部により各切れ目(12)をダブテール溝(3)を跨いで位置決めし、かつ1対の円形リング(10a)の一方の切れ目(12)に他方の突起部(14)を嵌合させて切れ目のない一体のリング状に形成する、ことを特徴とする動翼の抜止構造。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP02330998A JP4042006B2 (ja) | 1998-02-04 | 1998-02-04 | 動翼の抜止構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP02330998A JP4042006B2 (ja) | 1998-02-04 | 1998-02-04 | 動翼の抜止構造 |
Publications (2)
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JPH11223104A JPH11223104A (ja) | 1999-08-17 |
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ID=12107003
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JP02330998A Expired - Fee Related JP4042006B2 (ja) | 1998-02-04 | 1998-02-04 | 動翼の抜止構造 |
Country Status (1)
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Families Citing this family (1)
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1998
- 1998-02-04 JP JP02330998A patent/JP4042006B2/ja not_active Expired - Fee Related
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