JP4041918B2 - ヒュームドシリカ水性分散液の製造方法 - Google Patents
ヒュームドシリカ水性分散液の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4041918B2 JP4041918B2 JP2002076392A JP2002076392A JP4041918B2 JP 4041918 B2 JP4041918 B2 JP 4041918B2 JP 2002076392 A JP2002076392 A JP 2002076392A JP 2002076392 A JP2002076392 A JP 2002076392A JP 4041918 B2 JP4041918 B2 JP 4041918B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fumed silica
- aqueous dispersion
- silica
- dispersion
- aqueous
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
- Glass Melting And Manufacturing (AREA)
- Silicon Compounds (AREA)
- Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体や電子部品の製造工程で使用される研磨スラリーなどとして利用することができるヒュームドシリカ水性分散液の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、四塩化珪素、水素、酸素を原料として高温火炎中での気相加水分解反応(ヒュームド法)により合成されたヒュームドシリカ粒子が知られている。
【0003】
前記ヒュームドシリカは不純物が極めて少ない高純度な原料であってその用途は多岐にわたっており、例えば半導体業界向けの研磨剤たる水性分散液(半導体ウエハの研磨スラリー)の砥粒としても用いられる。このヒュームドシリカの水性分散液は先ず純水(又はケミカルを含む純水)中にシリカ乾式パウダーを分散させ、このシリカ分散液中に塩基性液を添加してpHを塩基性に調整することにより形成されている。
【0004】
しかし、この水性分散液は静置された状態ではヒュームシリカが良好な分散状態を維持しやすいが、振盪や循環など連続的なエネルギーを与え続けると分散状態が不安定となりついには凝集してしまうという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこでこの発明は、連続的にエネルギーを与え続けてもシリカ粒子が従来よりも凝集し難いヒュームドシリカ水性分散液の製造方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するためこの発明では次のような技術的手段を講じている。
【0007】
(1)この発明のヒュームドシリカ水性分散液の製造方法は、pHが2〜11の液中に剪断力をかけながらヒュームドシリカを添加して前記シリカ濃度が20〜60重量%の中間水性分散液を形成し、前記中間水性分散液を塩基性液中へと添加していくことにより、得られたシリカ濃度が1〜50重量%で且つpHが8〜12となるように調整したことを特徴とする。
【0008】
この製造方法では、ヒュームドシリカの中間水性分散液を塩基性液中へと添加していくようにしたので、シリカ分散液を添加していく過程でヒュームドシリカは塩基性液中へと少量づつ拡散していき、塩基性液(「受け入れ母体」となる)中のシリカ濃度はゼロから徐々に高まっていくので、添加する中間水性分散液中のシリカ粒子はゼータ電位が高く分散状態が安定となるアルカリ性領域へ素早く移行することができ、分散液の凝集に対する安定性を高めることができる。またこの方法によると、中間水性分散液の添加の際には緩やかな攪拌を行う程度でも凝集は起こり難い。
【0009】
なお、従来のように塩基性液をヒュームドシリカの中間水性分散液中へと添加していく方法では、ヒュームドシリカの中間水性分散液(「受け入れ母体」となる)のシリカ粒子は、ゼータ電位が低く分散状態が不安定な酸性領域から中性領域を経てアルカリ性領域に移行することとなり、塩基性液の添加の際に充分な剪断力を与えるような攪拌をしないと非常に凝集し易い。
【0010】
(2)得られたシリカ濃度が10〜30wt%となるようにしてもよい。
【0011】
このように得られたシリカ濃度を約10〜30wt%、好ましくは約10〜20wt%とすると、凝集に対する安定性をより向上させることができる。
【0012】
(3)得られたシリカ濃度が11〜13wt%となるようにしてもよい。
【0013】
このように構成すると、分散液の240時間の振盪試験でメジアン粒子径の成長率が約50%以下とすることができる。ここで前記振盪試験とは、50mlの遠沈管にスラリーを20ml入れ、縦型振盪機にセットし、振盪速度が300spm、振盪ストロークが40mmで試験を開始し、240時間経過後に遠沈管を取り外し、分散液のメジアン粒子径を測定して振盪前と比較するという内容である。
【0014】
(4)前記中間水性分散液を塩基性液中へと添加した後、30μm以下の孔径のフィルターを通過させるようにしてもよい。
【0015】
このように構成すると、スラリー中の分散が十分に行われなかった粒子や凝集粒子である粗大粒子とよばれるものを除去することができるという利点がある。
【0016】
(5)添加するヒュームドシリカが40〜300平方m/gの比表面積を有するようにしてもよい。
【0017】
このように構成すると、上記のようにして得られるシリカ分散液中のシリカ粒子の大きさを制御することが可能となり、研磨剤としての性能(例えば研磨速度)を調整すること可能であるという利点がある。
【0018】
▲6▼ pHを調整する物質として、酸性側の調整に塩酸、硝酸、硫酸、リン酸などを用いることができ、アルカリ側の調整に水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウムなどを用いることができる。
【0019】
▲7▼ ヒュームドシリカ水性分散液のpHを調整する塩基性物質として、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウムなどを用いることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を説明する。
【0021】
この実施形態のヒュームドシリカ水性分散液の製造方法は、先ず、pHが約2〜11の液中(例えば超純水)に剪断力をかけながらヒュームドシリカを添加して前記シリカ濃度が約20〜60重量%の中間水性分散液を形成するようにしている。
【0022】
そして、前記中間水性分散液を塩基性液中(例えばアンモニア溶液)へと添加していくことにより、得られたシリカ濃度が約1〜50重量%で且つpHが約8〜12となるように調整する。
【0023】
この製造方法では、ヒュームドシリカの中間水性分散液を塩基性液中へと添加していくようにしたので、シリカ分散液を添加していく過程でヒュームドシリカは塩基性液中へと少量づつ拡散していき、塩基性液(「受け入れ母体」となる)中のシリカ濃度はゼロから徐々に高まっていくので、添加する中間水性分散液中のシリカ粒子はゼータ電位が高く分散状態が安定となるアルカリ性領域へ素早く移行することができ、分散液の凝集に対する安定性を高めることができる。
【0024】
したがって、連続的にエネルギーを与え続けてもシリカ粒子が従来よりも凝集し難いという利点がある。
【0025】
次に、この発明の構成をより具体的に説明する。
(ヒュームドシリカ水性分散液の調製)
ミキサータンク(50L容量)中に超純水を21kg投入し、前記超純水に剪断力をかけながらヒュームドシリカ(比表面積70平方m/g)を9kg順次添加していき、ヒュームドシリカ濃度が30wt%の中間水性分散液を生成した。
【0026】
そして、生成した前記中間水性分散液をアンモニア溶液中に徐々に添加していき、最終的なヒュームドシリカ濃度が11wt%, 12wt%, 13wt%, 15wt%, 18wt%, 25wt%でpHが10〜11となるヒュームドシリカ水性分散液を調製した。
(振盪試験)
前記各濃度のヒュームドシリカ水性分散液を用い、次の振盪試験にて凝集安定性を評価した。すなわち、各ヒュームドシリカ水性分散液の試料を50mlの遠沈管に20ml入れ、縦型振盪機(イワキ産業社製、型式名KMShaker V−DX)にセットし、振盪速度が300spm、振盪ストローク40mmで振盪を開始した。
【0027】
振盪を開始してから所定の時間の経過後(240時間経過まで)に遠沈管を取り外し、各試料のメジアン粒子径を測定し振盪前の径を基準1として比較した。図1に、ヒュームドシリカ水性分散液のメジアン径の成長率と振盪時間との関係のグラフを示す。
(結果)
図1のグラフに示すように、ヒュームドシリカ濃度が低いほどメジアン粒子径の成長率は少なく安定であった。特にヒュームドシリカ濃度が13wt%以下の試料は240時間の振盪試験においてもメジアン粒子径の成長率は50%未満であり、非常に顕著な安定性を示した。
【0028】
このヒュームドシリカ水性分散液は、例えば半導体業界向けの研磨剤たる水性分散液(半導体ウエハの研磨スラリー)などとして用いることができる。
【0029】
【発明の効果】
この発明は上述のような構成であり、次の効果を有する。
【0030】
分散液の凝集に対する安定性を高めることができるので、連続的にエネルギーを与え続けてもシリカ粒子が従来よりも凝集し難いヒュームドシリカ水性分散液の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒュームドシリカ水性分散液のメジアン径の成長率と振盪時間との関係を示すグラフ。
Claims (5)
- pHが2〜11の液中に剪断力をかけながらヒュームドシリカを添加して前記シリカ濃度が20〜60重量%の中間水性分散液を形成し、前記中間水性分散液を塩基性液中へと添加していくことにより、得られたシリカ濃度が1〜50重量%で且つpHが8〜12となるように調整したことを特徴とするヒュームドシリカ水性分散液の製造方法。
- 得られたシリカ濃度が10〜30wt%となるようにした請求項1記載のヒュームドシリカ水性分散液の製造方法。
- 得られたシリカ濃度が11〜13wt%となるようにした請求項1記載のヒュームドシリカ水性分散液の製造方法。
- 前記中間水性分散液を塩基性液中へと添加した後、30μm以下の孔径のフィルターを通過させるようにした請求項1乃至3のいずれかに記載のヒュームドシリカ水性分散液の製造方法。
- 添加するヒュームドシリカが40〜300平方m/gの比表面積を有するようにした請求項1乃至4のいずれかに記載のヒュームドシリカ水性分散液の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002076392A JP4041918B2 (ja) | 2002-03-19 | 2002-03-19 | ヒュームドシリカ水性分散液の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002076392A JP4041918B2 (ja) | 2002-03-19 | 2002-03-19 | ヒュームドシリカ水性分散液の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003268354A JP2003268354A (ja) | 2003-09-25 |
JP4041918B2 true JP4041918B2 (ja) | 2008-02-06 |
Family
ID=29205178
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002076392A Expired - Lifetime JP4041918B2 (ja) | 2002-03-19 | 2002-03-19 | ヒュームドシリカ水性分散液の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4041918B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005169613A (ja) * | 2003-11-20 | 2005-06-30 | Toshiro Doi | ワーク研磨装置およびワーク研磨方法 |
JP2005286048A (ja) * | 2004-03-29 | 2005-10-13 | Nitta Haas Inc | 半導体研磨用組成物 |
JP5164129B2 (ja) * | 2004-03-29 | 2013-03-13 | ニッタ・ハース株式会社 | 半導体研磨用組成物 |
GB0407198D0 (en) | 2004-03-30 | 2004-05-05 | British Telecomm | Joint fault detection |
KR20120031242A (ko) | 2004-05-04 | 2012-03-30 | 캐보트 코포레이션 | 원하는 응집체 입자 직경을 갖는 응집체 금속 산화물 입자 분산액의 제조 방법 |
JP5325572B2 (ja) * | 2008-12-26 | 2013-10-23 | ニッタ・ハース株式会社 | 研磨組成物 |
-
2002
- 2002-03-19 JP JP2002076392A patent/JP4041918B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003268354A (ja) | 2003-09-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5246624A (en) | Aqueous colloidal dispersion of fumed silica, acid and stabilizer | |
US5116535A (en) | Aqueous colloidal dispersion of fumed silica without a stabilizer | |
JP3721497B2 (ja) | 研磨用組成物の製造方法 | |
US5226930A (en) | Method for preventing agglomeration of colloidal silica and silicon wafer polishing composition using the same | |
JP6016625B2 (ja) | 高純度シリカゾルおよびその製造方法 | |
TWI392647B (zh) | 以粒子相轉移法回收切割矽泥中的矽與碳化矽粉 | |
KR100268593B1 (ko) | 실리카 및 알루미늄 술페이트 또는 알룸의 수성 현탁액,상기 현탁액의 제조 및 사용 방법 | |
CA2012719C (en) | Aqueous colloidal dispersion of fumed silica, acid and stabilizer | |
JP5221517B2 (ja) | アルミ改質コロイダルシリカ及びその製造方法 | |
JP2008137822A (ja) | 金平糖状無機酸化物ゾル、その製造方法および前記ゾルを含む研磨剤 | |
CN105060307A (zh) | 一种高比表面积白炭黑及其生产方法 | |
WO2020244182A1 (zh) | 一种梯度pH沉淀法制备高分散二氧化硅的方法 | |
CN114032033B (zh) | 一种高效、高精度硅片抛光组合物及其制备方法和应用 | |
JP4041918B2 (ja) | ヒュームドシリカ水性分散液の製造方法 | |
JP2782692B2 (ja) | シリコーンウェハー用研磨組成物 | |
JP2005145812A (ja) | 高濃度シリカスラリ−及びその製造方法 | |
CN110980737A (zh) | 一种碳化硅微粉表面硅烷化的改性方法及改性碳化硅微粉 | |
JP2015020919A (ja) | 高純度シリカゾルおよびその製造方法 | |
CN113083242A (zh) | 一种能释放负离子除甲醛的新材料及其制备方法 | |
JP3362793B2 (ja) | シリカゾルの製造方法 | |
CN110550882A (zh) | 一种混凝土外加剂的制备方法 | |
CN114249330B (zh) | 一种制备大粒径窄分布硅溶胶的方法 | |
CN113773088A (zh) | 一种莫来石结合SiC磨料的制备方法 | |
CN109399702B (zh) | 一种偏钛酸型锂离子筛用前驱体溶胶的制备方法 | |
JP2003297778A (ja) | 研磨剤用組成物およびその調製方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050228 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070515 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070605 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20070803 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20070808 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070903 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20071003 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20071029 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4041918 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101122 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111122 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111122 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121122 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131122 Year of fee payment: 6 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |