JP4041757B2 - 汚染土壌の浄化方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば工場跡地等の汚染物質で汚染された土壌を現地で浄化処理する場合の浄化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、社会問題となっている市街地での土壌汚染のうちで、重金属による土壌汚染の問題が深刻化しつつある。現在、重金属汚染土壌は掘り出して固定化処理を行った後に処分場に運ぶ方法が多く採用されているが、近年の処分場の枯渇化が叫ばれる中で、汚染土壌を浄化して埋め戻すための各種技術開発が進められている。例えば、現地で掘削した汚染土壌を洗浄操作により汚染源である重金属類を洗い流して清浄化された土壌を掘削跡地に埋め戻すという新しい浄化方式が注目されている。
【0003】
この場合、上記浄化方式の処理方法には、汚染土壌を浄化する装置をどこに設置するかで2つの形態がある。その1つは、浄化装置を汚染箇所の敷地内もしくはその近傍に設置して処理するオンサイト処理であり、他の1つは浄化装置を全く別の場所に設置し、そこへ汚染土壌を搬送して浄化処理を施すオフサイト処理である。上記2つの形態のうち、オンサイト処理は、現場で汚染土壌を清浄化処理してその場で埋め戻せるため、搬送費用が少なくて済む等の利点がある。
【0004】
また土壌浄化装置に関しては、細粒部に汚染物質が集まる傾向を利用する分級式洗浄法や、土壌粒子の比重差を利用する比重選別法、鉱山技術である浮遊選鉱技術を応用した浮選式分別法などがあり、さらに本出願人は先に特願2001−366172において、土壌浄化装置の内部に自動分析機を備えてオンライン選別を行いながら汚染濃度の分析処理を行うことにより処理効率を向上させることを提案した。
【0005】
しかし、上記いずれの方法を採用するにしても、浄化処理した土壌を、そのまま直ぐに現地に埋め戻せるかというと、そうではない。処理した土壌を埋め戻すには、その土壌の汚染濃度すなわち汚染物質の残留濃度が、所定の規定値以下まで低下したことを、所定の公定法による分析によって埋め戻す直前に必ず確認する必要がある。
【0006】
一方、オンサイト処理では、土壌浄化装置を汚染現場に設置することになるため、その敷地内での効率的なスペース利用が必要となる。ところが、土壌浄化装置を対象敷地内に設置するには、浄化装置本体の設置スペースとして少なくとも500平方メートル程度は確保する必要がある。また浄化装置で処理した土壌は充分に清浄化されたことを確認するまで所定の保管場所に一時堆積してから埋め戻すことになるが、速やかに埋め戻さないと、土壌の置き場所が足りなくなる。そのため、より多くの堆積場所を確保しなければならないが、もともと敷地スペースが充分広くない場合が多く、汚染サイトの浄化にオンサイト処理技術を適用するには、上記のようなスペース利用の観点からの何らかの対策が必要となる。
【0007】
それには、浄化後の土壌中汚染物の濃度を、効率よく迅速に把握することが解決につながると予想される。具体的には、例えば簡易法による迅速な分析手段を適用することが考えられるが、迅速分析法と呼ばれる各種の方法は、いずれも、いわゆる公定法として分析値の信頼性を証明する手段としては認知されていない。そのため、浄化処理した土壌の本質的な浄化度合いの確認手段としても社会的に認知されないことから、簡易法のみで処理することはできない。
【0008】
そこで、やむをえず公定法で埋め戻し直前の浄化度合いの確認をしようとすると、例えば鉛や砒素、カドミニウム、クロムといったような重金属の土壌含有量を公定法で分析する場合、分析ラボ等を現場にそっくり持ち込まない限り、分析機関への試料の送付にかかる時間を含めて3日間程度はかかってしまうのが通常であり、そのために3日間分の処理土壌は少なくとも埋め戻さずにストックしておく必要がある。
【0009】
また、この場合、3日間で溜まる処理土壌の全体量を一括して汚染濃度を分析するよりも、なるべく少量に小分けして分析した方が、埋め戻し基準をクリアする土壌量を増やす上で都合がよいことは容易に想像されるが、分析点数が増大するために分析にかかるコストが増加し、しかも、現地で分析対象土壌をサンプリングする際の縮分作業の作業量も増加するため、作業工数も増大してしまう。さらに問題なのは、上記のように小分けした土壌を堆積させるための広い設置場所を浄化サイト敷地内に確保することは、スペースの有効利用の観点からは非常に問題があるといわざるを得ない。なぜならば、小分けした土壌を、それぞれ離して堆積する必要があり設置面積が著しく増大してしまうからである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題点に鑑みて提案されたもので、浄化装置を汚染された土地の敷地内もしくはその近傍に設置して浄化処理を施すオンサイト処理における汚染土壌浄化処理の能率と信頼性の両方を向上させることにできる汚染土壌の浄化方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明による汚染土壌の浄化方法は、以下の構成としたものである。即ち、汚染土壌を現地で掘削した後に、現地に設置した土壌浄化装置により浄化して清浄化された土壌を現地に埋め戻す汚染土壌の浄化方法において、土壌浄化装置で浄化処理された土壌を、所定単位量ごとに土壌浄化装置の近傍に留め置いた上で汚染濃度を迅速分析法により測定して合否判定すると共に、合格した土壌は清浄化度合いに応じて複数の合格グループにランク分けし、上位合格グループの土壌は埋め戻し位置近傍に、下位合格グループの土壌は土壌浄化装置に比較的近い位置に、それぞれ移動して堆積させた上で埋め戻さずに待機させ、上記各グループ毎に堆積させた全ての堆積土壌の汚染濃度をそれぞれ公定法によって分析調査し、その汚染濃度が所定の規制値以下である堆積土壌は掘削跡地に埋戻し、上記汚染濃度が所定の規制値以上である堆積土壌は埋め戻さずに再度浄化処理を施すか若しくは廃棄物として場外に搬出することを特徴とする。
【0012】
上記の迅速分析法としては例えば蛍光X線分析法を用いることができる。また上記の土壌浄化装置で浄化処理された土壌を、所定単位量ごとに土壌浄化装置の近傍に留め置く際の所定単位量は、好ましくは湿量基準重量で100トン以下となるようにする。また上位合格グループの土壌を埋め戻し位置近傍に移動して堆積させる際の土壌堆積量は、湿量基準重量で300トン以上となるようにするのが望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図に示す実施形態に基づいて本発明を具体的に説明する。図1は本発明による汚染土壌の浄化方法の一実施形態を示すもので、土壌汚染が発見された敷地(サイト)S内に汚染土壌を浄化する土壌浄化装置1をオンサイトで導入して浄化処理を行っている状態の概略を表したものである。
【0014】
なお、本発明を適用することのできる汚染土壌としては、その汚染源として例えば、鉛、カドミニウム、砒素、水銀、セレン、クロムなどの重金属類や、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、塩素系有機化合物、油、PCB、ダイオキシン類などの有機系汚染物質等の1種または複数種を含んだ汚染土壌を挙げることができる。
【0015】
上記の土壌浄化装置1としては、例えば土壌洗浄方式や土壌選別方式などの公知の各種方式の中からそのサイトの汚染実態に合わせて適宜選択して採用すればよく、例えば分級型の土壌洗浄処理装置等を用いることができる。このような分級型のものを用いると、その処理過程で比較的粒度の大きい細粒土壌を分級して取り出すことが可能となる。又その土壌浄化装置1は前記サイトS内もしくはその近傍の所望の位置に設置して浄化処理を行う。
【0016】
図において、2は汚染土壌を掘削中もしくは掘削直後の掘削跡地、3はその掘削した汚染土壌の堆積場所、4は土壌浄化装置1の近傍に設けた汚染土壌の堆積場所、5a・5bは土壌浄化装置1で浄化処理した土壌の一次堆積場所、6は後述する一次調査で下位合格グループにランク分けされた土壌の堆積場所、7a〜7cは既に汚染土壌を掘削して埋め戻し中もしくは埋め戻し待機中の掘削跡地、8a〜8cは一次調査で上位合格グループにランク分けされた土壌の堆積場所、9は清浄化された土壌で埋め戻された掘削跡地のそれぞれ一例を示す。Pはパワーショベルなどの重機、Dはダンプカー等の土壌搬送手段である。
【0017】
前記サイト内の汚染土壌は重機J等を用いて掘削したのち土壌浄化装置1に供給するもので、その掘削した汚染土壌は、図の場合は掘削跡地2の近傍の汚染土壌堆積場所3にパイル状に一旦堆積し、それを土壌浄化装置1の土壌供給口近傍の汚染土壌堆積場所4へ移送したのち土壌浄化装置1に供給するようにしたものであるが、上記のような堆積場所3、4のいずれか一方または両方に堆積することなく、ベルトコンベア等で土壌浄化装置1に直接供給するようにしてもよい。
【0018】
上記土壌洗浄装置1によって浄化処理された土壌は、土壌洗浄装置1の近傍に一次的に堆積させるもので、その際の堆積量は所定単位量ごとに堆積場所5a・5b等に小分けしてパイル状に堆積させる。その各堆積場所5a・5b等に堆積した土壌を即座に一次調査として迅速分析法により汚染濃度すなわち汚染物質の残留量が所定の基準値以下であるか否かを判定する。その場合、上記各堆積場所5a・5b等に堆積した土壌の量、すなわち、一次調査の一回分の対象土壌量は、湿量基準重量で100トン以下であることが望ましい。この対象土壌量が100トンを越えると、以下に述べる浄化処理達成度のランク分けの繊密な判定ができなくなり、後述の実施例で示すように、結果として埋め戻せる土壌の総量が減ってしまうからである。
【0019】
また上記の一次調査に用いる迅速分析法としては、例えば蛍光X線分析法などを用いることができる。又この場合の分析方式は、いわゆるオンライン式ではなく、バッチ式として用いることが望ましい。オンライン式は試料採取せずにその場で非破壊式に分析を行うのに対し、バッチ式は試料を分取し系外に取り出した上で分析機にかけて計測するもので、分析値の信頼性は一般にオンライン式よりもパッチ式の方が高く、また既に堆積した土壌を対象とする場合には、オンライン式を採用することは難しいからである。
【0020】
なお場合によっては、上記のオンライン式とバッチ式とを併用するようにしてもよく、例えば前述の特願2001−366172では土壌浄化装置の中に組み込まれた形態の蛍光X線オンライン分析法が示されているが、このような構成で土壌浄化処理自体を実施した後も、本発明の方法による処理後の土壌に関する埋め戻し前の確認を行うようにすれば、埋め戻される土壌の浄化達成の信頼性を更に向上させることができる。
【0021】
また上記一次調査を行う際の試料採取は、好ましくは堆積土壌毎(パイル毎)に複数箇所から採取する。そして、それらの測定値(汚染濃度)が最も高いものを代表値として採用する。或いは、それら測定値の平均値を採用して前記の判定を行うようにしてもよい。
【0022】
次いで、上記のようにして行った一次調査の判定結果が不合格であれば、再び土壌洗浄装置1に送って浄化処理を施し、所定回数の浄化処理を施しても基準濃度以上であるときは、廃棄物として場外に搬出して所定の廃棄処理がなされる。
【0023】
一方、上記の一次調査の結果が合格であるときには、その浄化度合いに応じて複数の合格グループにランク分けする。本実施形態においては、上位合格グループと下位合格グループとの2つ(2段階)にランク分けしたが、3つ(3段階)以上にランク分けしてもよい。また上記のランク分けは、例えば後述する二次調査で合格する可能性の高いものを上位合格グループとし、可能性の低いものを下位合格グループとすればよく、その判定基準は予備調査もしくは予想される土壌の汚染状況等を勘案して適宜設定すればよい。
【0024】
そして、上位合格グループにランク分けされた土壌は、埋め戻し待機中の掘削跡地7a〜7cの近傍の堆積場所8a〜8cに移動して所定の堆積量になるまで堆積させる。なお図1において、堆積場所8cは現在堆積中の状態にあり、堆積場所8a・8bは既に所定量の堆積量まで堆積させた状態にある。
【0025】
上記のようにして上位合格グループの土壌を堆積場所8a・8b等に所定の堆積量まで堆積したら、それ以上は堆積せずに留め置いた上で信頼性の高い公定法分析による二次調査を行う。その二次調査は、上記堆積場所8a・8b等に堆積した土壌の全域からサンプリングして汚染物質の残留濃度が所定の埋め戻し可能な許容濃度以下になったか否かを判定する。その判定に合格した土壌は埋め戻し可能であり、不合格となった土壌は再度土壌洗浄装置1に送って浄化処理を施こす。図1においては堆積場所8aに堆積した土壌が二次調査に合格し、掘削跡地7aへの埋め戻しが行われている状態を表している。
【0026】
上記の上位合格グループの土壌を堆積場所8a〜8c等に堆積させる際の堆積量は、各掘削跡地7a〜7c等への埋め戻しに必要な土壌量と一致させておくのが望ましく、又その際の土壌堆積量は湿量基準重量で300トン以上とすることが望ましい。この堆積量が300トン未満であると、公定法分析でのサンプリング作業を含めた手間や費用が増加するだけでなく、土壌を堆積するときの高さを2m程度確保することが難しくなるので総体的に設置場所が多く必要となってきて問題化するからである。
【0027】
なお、上記のように土壌堆積高さを2m程度確保するのは以下の理由による。即ち、通常はパワーシャベルを用いて土壌を埋め戻す作業を行うことになるが、埋め戻し場所の土壌が、おおよそ300トン以上だと、パワーシャベルは積み上げた堆積土壌の上面を水平に均したうえで、その上にパワーシャベル自体が乗り上げることが初めてできるようになり、その状態で埋戻しのための土壌移設をすることが可能になる。つまり、パワーシャベルが土を持ち上げるときの動作としては、リーチを延ばして上から押さえて手前にすくい取る動作が主であり、堆積土壌の上に登って作業する方が、作業能率上、特に周辺に面積的な余裕の無い状況下において有利なことが多い。ところが、堆積量が300トン未満であると、パワーシャベルが上に登れるだけの足場にはならず、上記のような能率のよい作業ができないからである。
【0028】
一方、一次調査で合格したものの、下位合格グループにランク分けされた土壌は、埋め戻し場所の近傍に直ぐには移動させずに、土壌浄化装置1に比較的近い土壌堆積場所6に堆積させておく。そして、これらの土壌についても前記と同様に所定量ごとに公定法分析による二次調査を行い、その二次調査で合格した土壌は、その後埋め戻し場所へ運んで埋め戻す。また上記二次調査で不合格となった土壌は、一次調査不合格の土壌と同様に、再び土壌洗浄装置1に送って浄化処理を施す。
【0029】
上記のような段取りと配置関係で埋め戻し作業を行うと、土壌浄化および埋め戻し作業の効率を飛躍的に向上させることが可能となる。特に、一次調査を行う土壌量を小分けすると、その一次調査をクリアする土壌量を増やすことができると共に、一次調査で合格した土壌を上位合格グループと下位合格グループとにランク分けして、公定法による二次調査で合格する可能性の高い上位合格グループの土壌は埋め戻し位置近傍に、また二次調査で合格する可能性が比較的低い下位合格グループの土壌は土壌浄化装置に比較的近い位置に、それぞれ分けて堆積させて二次調査を行うと、それぞれの堆積場所の確保および埋め戻し作業等が容易となるものである。
【0030】
【実施例】
〔実施例1〕
鉛汚染含有濃度が検出され、鉛溶出濃度は検出されない汚染土壌が堆積している状況の汚染土壌を有する或る試験対象場所において、以下の実験を実施した。土壌洗浄装置1としては湿式分級型土壌洗浄処理装置を用い、それを上記試験対象場所の敷地内の所定位置に設置して浄化処理を行った。それにより一日当たり120トンの処理土壌と、鉛が濃集した15トンの細粒土壌とを取り出した。その鉛が濃集した細粒土壌は廃棄物として場外に搬出し、上記120トンの処理土壌は、敷地内の掘削箇所に埋め戻す予定で、1日当たり2山ずつの各々60トン単位に分けて土壌洗浄装置1の排出口付近に堆積した。
【0031】
そして、その日のうちに各山ごとにサンプリングすると共に、一次調査として上記敷地内の移動型ラボ(自動車)内に設置した蛍光X線分析装置により土壌中の鉛の含有量を測定し、その測定値に応じて上位合格グループと下位合格グループの2つの合格グループと、不合格の3種類に判別した。その結果、上位合格グループと下位合格グループの判定数の比は、5:1となった。
【0032】
上位合格グループについては埋め戻し場所の近傍に、下位合格グループは土壌洗浄装置1の排出口から30m以内の距離にある別の置き場へそれぞれ運び、不合格と判定したものは土壌洗浄装置1の供給口付近にある処理前土壌の置き場へ戻した。上位合格グループおよび下位合格グループの土壌はそれぞれ300トン単位にまとまり次第、公定法分析による2次調査を行った。その2次調査は、上位合格グループについては3日毎に一回の頻度で、下位合格グループについては9日に一回の頻度で、それぞれ300トン単位の土壌毎に複数箇所のサンプリング作業を行って複数点数を対象に分析した。
【0033】
その分析期間である3日または9日の後に得られた分析結果で、それら複数点数の全てが埋め戻し可能な低い鉛濃度になっていることを確認したものは、その後すみやかに埋め戻したが、複数点数のうち一点でも埋め戻し可能な鉛濃度を越えているものがあれば、その300トン単位の土壌は二次調査不合格として、土壌洗浄処理装置の入口にある処理前土壌の置き場へ戻すか、あるいは廃棄物として場外に搬出した。
【0034】
以上の要領で処理した総重量約4050トンの土壌のうち、鉛が濃集した細粒土壌を除く処理土壌約3600トンについて統計を取ったところ、一次調査で上位合格した約3000トンについては二次調査でも全て合格となり、それら全量を埋め戻すことができた。一方、一次調査で下位合格となった約600トンのうち、約360トンは二次調査で合格となって埋め戻すことができ、残りの約240トンは二次調査では不合格と判定されたために埋め戻すことができなかった。その結果、処理土壌約3600トンのうち、再処理の必要がなく土壌洗浄機を一巡しただけで所定の基準値以下の浄化が達成され、埋め戻すことができた土壌の割合は約93%であった。
【0035】
〔実施例2〕
上記実施例1では土壌洗浄装置1で浄化処理を行った土壌のうち、鉛が濃集した細粒土壌を除く一日当たり120トンの処理土壌を60トンずつに小分けして一次調査を行ったが、本実施例では小分けすることなく120トン単位で一次調査を行った以外は上記実施例1と同じ対象土壌を用いて同様の条件で試験を実施した。
【0036】
以上の要領で処理した総重量約4050トンの土壌のうち、鉛が濃集した細粒土壌を除く処理土壌約3600トンについて統計を取ったところ、一次調査で上位合格した約3000トンのうち約2400トンは二次調査でも合格となって埋め戻すことができ、残りの約600トンは二次調査では不合格と判定され埋め戻すことができなかった。また一次調査で下位合格となった約600トンのうち約360トンは二次調査で合格となって埋め戻すことができ、残りの約240トンは二次調査では不合格となって埋め戻すことができなかった。その結果、処理土壌約3600トンのうち、再処理の必要がなく土壌洗浄機を一巡しただけで所定の基準値以下の浄化が達成され、埋め戻すことができた土壌の割合は約77%であった。
【0037】
以上の結果からも明らかなように、一次調査を行う土壌量は小分けして少なくするほど埋め戻し達成率が大きくなることが確認できた。また上記以外の実験や経験則をも含めて上記の土壌量は100トン以下とするのが、より好ましいことが分かった。
【0038】
【発明の効果】
以上のように本発明による汚染土壌の浄化方法は、上記の構成であるから、汚染物質により汚染された土地の修復において、土壌浄化装置を汚染された土地の敷地の上に設置して限られた有効スペースの中で運用する場合における、汚染土壌の浄化処理の能率向上や処理コストを低減することが可能となり、さらに浄化の信頼性を向上させることができる等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を説明するための概略構成図である。
【符号の説明】
1 土壌浄化装置
2、7a〜7c 掘削跡地
3、4、5a、5b、6、8a〜8c 堆積場所
9 埋め戻された掘削跡地
P 重機
D 土壌搬送手段

Claims (4)

  1. 汚染土壌を現地で掘削した後に、現地に設置した土壌浄化装置により浄化して清浄化された土壌を現地に埋め戻す汚染土壌の浄化方法において、土壌浄化装置で浄化処理された土壌を、所定単位量ごとに土壌浄化装置の近傍に留め置いた上で汚染濃度を迅速分析法により測定して合否判定すると共に、合格した土壌は清浄化度合いに応じて複数の合格グループにランク分けし、上位合格グループの土壌は埋め戻し位置近傍に、下位合格グループの土壌は土壌浄化装置に比較的近い位置に、それぞれ移動して堆積させた上で埋め戻さずに待機させ、上記各グループ毎に堆積させた全ての堆積土壌の汚染濃度をそれぞれ公定法によって分析調査し、その汚染濃度が所定の規制値以下である堆積土壌は掘削跡地に埋戻し、上記汚染濃度が所定の規制値以上である堆積土壌は埋め戻さずに再度浄化処理を施すか若しくは廃棄物として場外に搬出することを特徴とする汚染土壌の浄化方法。
  2. 前記迅速分析法が蛍光X線分析法である請求項1記載の汚染土壌の浄化方法。
  3. 前記土壌浄化装置で浄化処理された土壌を、所定単位量ごとに土壌浄化装置の近傍に留め置く際の所定単位量を、湿量基準重量で100トン以下となるようにした請求項1または2記載の汚染土壌の浄化方法。
  4. 前記上位合格グループの土壌を埋め戻し位置近傍に移動して堆積させる際の土壌堆積量を、湿量基準重量で300トン以上となるようにした請求項1〜3のいずれかに記載の汚染土壌の浄化方法。
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