JP4041027B2 - ヒンジ装置並びにヒンジ装置を用いた電子機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話,モバイル等の電子機器の枢着部に設けるヒンジ装置並びにこのヒンジ装置を用いた電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
例えば従来の折り畳み式の携帯電話は、数字キーやファンクションキーを配列した操作部を下側となる本体部の上面側に設け、この操作部のキー操作等により所定の表示がなされる液晶パネルなどのディスプレイ部を上側となる重合部(蓋部)の伏面側(重合側)に設け、この本体部と重合部とをヒンジ装置を介して連結して、本体部と重合部とを二つ折り重合して操作部を重合部により隠蔽した折り畳み閉塞状態から、ヒンジ装置により重合部を起伏回動して略反転し、操作部とディスプレイ部とが露出した開放状態に切り替えできるように構成している。
【0003】
また、従来のこのような単に起伏回動する重合部で本体部の操作部を覆う電子機器においては、折り畳み重合してコンパクト化できるものの操作部を隠蔽した重合状態ではディスプレイ部も隠蔽してしまう構造となり、コンパクト化した状態での使用が制限されざるを得なく不便である場合も多い。
【0004】
また、コンパクト化のため重合した閉塞状態ではディスプレイ部は隠蔽され、使用時に重合部を開放回動して立ち起こした際にはその正面側にディスプレイ部が配置されるためディスプレイ部を見やすいが、人にディスプレイ部を見せずらいし、またカメラ部をディスプレイ部とは反対面に設けている場合、自身の顔を写してディスプレイ部に表示させる場合などは本体毎操作部も裏返し反転させなければならないため、写しづらいし、シャッター操作もしにくい。
【0005】
そのため、開放した重合部を更に自転回動により表裏反転回動できるように構成し、不使用時あるいはキー操作を不要にして折り畳んだ際においても、言い換えるとたとえディスプレイ部を設けた重合部を本体部に重合して操作部を隠蔽したコンパクト化状態においても、従来通りディスプレイ部を伏面側にして操作部と共に隠蔽することも、逆に自転回動反転させてディスプレイ部が上側に配設され、コンパクト化した閉塞状態でもディスプレイ部を視認したり、機能させたりすることが可能となるようにしたものも提案されている。
【0006】
一方、このようなヒンジ装置において、開閉動作や自転回動動作に支障をきたすことなく、配線するために、ヒンジ軸方向に対する周方向に配線を巻回する配線巻回部を設け、この配線巻回部に第一部材(本体部)と第二部材(重合部)との回路部を電気接続するためのフレキシブルな帯板状の配線を巻回配設して、配線があばれないように位置決めすると共に、回動動作に支障が生じないようにしている。
【0007】
しかし、このように配線を巻回したヒンジ装置を梱包したり、搬送している間に、即ち、枢着部にヒンジ装置を組み付けるまでの間に、巻回配線が必要以上に緩んだり、組み付け時に接続するフリー接続端があばれて巻き外れたり緩んだりすることがある。
【0008】
そのため、このヒンジ装置を組み付ける間、配線を止着テープなどで仮止めておくことも試みられているが、配線自体に損傷を与えかねないし、またこれを防止するために仮止テープ位置には十分な注意が必要となる。また、巻回部自体を仮保持することは難しく、それ故組み付け時に改めて配線を適正に巻き直したり、整えたりしなければならず、組み付け作業が能率良くスピーディーに行なえない問題があった。
【0009】
本発明は、このような問題を解決し、ヒンジ装置に巻き付け一体化する配線をヒンジ装置に位置決め保持でき、梱包や搬送も容易に行なえ、次工程の組み付け作業が能率良くスピーディーに行なえ、量産性に秀れ、品質管理も良好となる極めて画期的なヒンジ装置並びにヒンジ装置を用いた電子機器を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0011】
第一部材2と第二部材4とを回動自在に枢着するヒンジ装置であって、前記第一部材2に設ける回路部と前記第二部材4に設ける回路部とを電気接続する湾曲自在な帯板状の配線21を、軸部9,16若しくは軸受部にこのヒンジ軸方向に対する周方向に巻回する配線巻回部22を設け、この配線巻回部22に巻回した前記配線21の巻き出し部若しくは巻き入れ部を係止して位置決め保持する配線係止部25を備え、この配線係止部25は、前記配線21の左右両縁を係止する構成とし、この配線係止部25を前記軸部9,16若しくは軸受部に被嵌する被嵌部材24の外側に又は前記配線巻回部22に巻回した前記配線21を覆うように被嵌して配線21を巻回保持する被嵌部材24の外側に設け、前記被嵌部材 24 を径拡抗弾性部材としてのC環状の筒部材とし、この被嵌部材 24 の外側に板状の配線係止部本体 25 Bを設け、この配線係止部本体 25 Bの左右に配線係止部 25 として係止溝部を形成し、この配線係止部本体 25 Bに前記配線 21 を案内しつつ前記係止溝部でこの配線 21 の左右縁を夫々係止する構成として前記被嵌部材 24 の外側に前記配線係止部 25 を設けたことを特徴とするヒンジ装置に係るものである。
【0012】
また、前記被嵌部材24を着脱自在に設けたことを特徴とする請求項1記載のヒンジ装置に係るものである。
【0013】
また、前記被嵌部材24を前記配線巻回部22に被嵌取り付け若しくは着脱自在に被嵌取り付けするように構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載のヒンジ装置に係るものである。
【0014】
また、操作部を設けた本体部と、ディスプレイ部を設けた重合部とを、前記操作部を操作しない時にはこの操作部を覆うように重合配設し、この重合した状態から前記重合部を相対的に回動して操作部を露出させ、または重合部を表裏反転自在となるべく自転回動することができるように、前記本体部と前記重合部とを回動自在または自転回動自在に連結するヒンジ装置を有し、このヒンジ装置には、前記本体部を前記第一部材2若しくは第二部材4とし、前記重合部を前記第二部材4若しくは第一部材2とした前記請求項1〜3のいずれか1項に記載のヒンジ装置を用いたことを特徴とするヒンジ装置を用いた電子機器に係るものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
好適と考える本発明の実施の形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいてその作用効果を示して簡単に説明する。
【0016】
組み付け製作したヒンジ装置の配線巻回部22に配線21を巻回配設して、配線21があばれないように位置決めすると共に、ヒンジ装置と配線21とを一体化しておき、次工程のヒンジ装置の組み付け作業において、この配線21の各フリー接続端を例えばヒンジ連結する第一部材2の回路部と第二部材4の回路部に夫々接続する。
【0017】
従って、この配線21はヒンジ装置に巻回されて、ある程度位置決めされた状態で所定位置に組み込み収納されることになり、またヒンジ軸方向に対する周方向にある程度の緩みをもって巻回されているため、ヒンジ回動動作に支障を生じることなくヒンジ装置にからめ一体化してヒンジ装置と共に組み付けることができる。
【0018】
本発明では、少なくともヒンジ装置を組み付け製作すると共に配線21を配線巻回部22に巻回配設して、この配線巻回部22に巻回した配線21の巻き出し部若しくは巻き入れ部の左右両縁を係止して位置決め保持する配線係止部25をヒンジ装置に備える。
【0019】
しかもこの配線係止部25は被嵌部材24に設けられ、単にこの被嵌部材24を軸部9,16若しくは軸受部又は配線巻回部22に巻回した前記配線21を覆うように被嵌するだけで良い。
【0020】
従って、この配線係止部25によって、配線21を簡易な手法によって確実に位置決め保持でき、配線21を巻回したヒンジ装置を梱包したり、搬送している間に、即ち、枢着部にヒンジ装置を組み付けるまでの間に、必要以上に緩んだり、組み付け時に接続するフリー接続端があばれて巻き外れたり緩んだりすることがなく、それ故組み付け時に改めて配線21を巻き直したり、整えたりする必要がなく、次工程の組み付け作業が能率良くスピーディーに行なえ、量産性に秀れ、品質管理も良好となる極めて画期的なヒンジ装置並びにヒンジ装置を用いた電子機器となる。
【0021】
【実施例】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0022】
本実施例は、以下の構成に限られるものではないが、重合コンパクト化の図れる以下の構成の携帯電話並びに以下の構成の携帯電話に用いるヒンジ装置に本発明を適用したもので、回路基板,電源等の電子部品をケースに内装した板状の本体部2(第一部材2)の上面側に数字キーやファンクションキーなどを配列したキーボード機能を果たす操作部1を設け、この本体部2に重合して操作部1を覆う略同形の板状の重合部4(第二部材4)を起伏回動自在にヒンジ装置Hにより軸着連結した構成としている。
【0023】
この重合部4の下面側(伏面)には予め設定した画面や前記操作部1の操作や着信等により所定の表示がなされる液晶パネルなどのディスプレイ部3を設けている。
【0024】
この本体部2と重合部4との連結は、双方の端部同志の重合部分を、幅方向に配される起伏回動軸部9と、これと直交する方向に配される自転回動軸部16を有する二軸のヒンジ装置Hにより連結し、従来通り重合部4は起伏回動自在となり、且つ左右方向に180度自転回動自在となり、開放状態として180度反転回動することで、重合部4の表裏向きを切り替えでき、また互いに重合した閉塞状態における重合部4の伏面と露出面とを反転切り替えできるように構成している。
【0025】
従って、コンパクト化された重合状態で、従来通り不使用時に操作部1と共にディスプレイ部3を重合隠蔽することもできるが、簡単な反転操作でディスプレイ部3を重合部4の上面側に配されるように切り替えできるため、操作部1は操作できないにしてもディスプレイ部3を視認することができ、またディスプレイ部3を機能させるように構成すれば、例えば予め操作部1により設定するなどした日付やカレンダーを表示させたり、またデータ通信表示(携帯電話では例えば着信表示など)を行なうようにしたりすれば、ディスプレイ部3は視認できるため様々な使用が可能となり、使用用途が広がったり、機能性が向上し、非常に便利となり実用性(商品価値)が高まる。
【0026】
また、前述のように重合部4を立ち起こした際、重合部4を自転回動して反転させることで、重合部4の表裏向きを変更して、例えばディスプレイ部3を手前に向けることも、向こう側に向けることもできるため、人に見せることも容易となるだけでなく、例えばカメラ部がディスプレイ部3と反対面に設けられている場合、自身の顔を操作部1の操作により撮影する場合は、単に重合部4のみを反転させれば良いため、持ち替える必要もないし、また操作部1は手前にあるため、シャッター操作もし易い。
【0027】
また、例えば自転回動させた反転途中での起伏回動を規制し、例えば開放位置では反転できるが、開放途中では自転回動できず、また開放状態での反転途中のままでは閉塞回動できず、重合部が捩れた位置のまま閉塞することで誤って操作部を押し操作したり、本体部を傷めないようにすることもできる。
【0028】
また、起伏回動軸部9や自転回動軸部6の軸方向に配線巻回部22を設けているため、前記第一部材2に設ける回路部(内装する回路基板)と前記第二部材4に設ける回路部(内装する回路基板)とを電気接続する配線21を配線巻回部22に巻回させて配設することができるため、このような開閉・自転動作に支障をきたすことなく、容易に配線できる。
【0029】
即ち、予めヒンジ装置自体に、支障なく配線できる配線巻回部22を設けているため、配線も容易に行なえ、製作容易となる。
【0030】
次に本発明を適用するヒンジ装置Hの一例について説明する。
【0031】
本実施例では、前述のように本体部2と重合部4とを互いに重合した閉塞状態から起伏回動軸部9を軸として所定角度まで開放回動して重合面が露出する開放状態となるように起伏回動自在にして、且つ本体部2に対して開放回動する重合部4を自転回動軸部16を軸として自転回動自在にして重合部4の重合伏面と露出面とを反転切り替え自在に連結するヒンジ装置Hであって、前記起伏回動軸部9を備えた開閉回動ヒンジ部HAの一方の取付部5を前記本体部2に連結し、他方の取付部6を前記自転回動軸部16を備えた自転回動ヒンジ部HBを介して前記重合部4に連結して、前記自転回動ヒンジ部HBを前記開閉回動ヒンジ部HAにより起伏回動(公転回動)自在に設け、この開閉回動ヒンジ部HAと自転回動ヒンジ部HBとに、閉塞状態から所定角度以上開放回動した回動範囲(開放状態)において、前記重合部4を前記本体部2に対して180度だけ正逆自転回動自在となり、前記所定角度まで開放回動した回動位置には至らない回動位置では、自転回動が阻止されて所定角度以上は自転回動不能で、互いに重合する捩れのない状態が保持規制される回動規制機構Sを設けた構成としている。
【0032】
即ち、本実施例では、前記閉塞状態から略90度以上開放回動した開放状態において、重合部4を本体部2に対して180度自転回動して再び閉塞回動し互いに重合した閉塞状態とすることで、閉塞状態における重合部4の露出面と伏面とを反転切り替えでき、前記開放状態において重合部4を自転回動して180度反転回動途中の捩れ位置にある場合には、少なくとも前記重合部4の端部が前記本体部2の上面に接触するに至る角度以上は閉塞回動し得ないように前記回動規制機構Sを構成している。
【0033】
具体的には、重合部4の自転回動と共に自転回動し重合部4の起伏回動により自転回動ヒンジ装置HBと共に起伏回動する係止部7を自転回動ヒンジ部HBの自転回動軸部16の末端に垂設し、この係止部7の自転回動並びに起伏回動を規制する規制部8を前記本体部2側の開閉回動ヒンジ部HAの起伏回動軸部9に設け、本体部2と重合部4とが重合し得る捩れのない自転回動位置ではこの規制部8に対して係止部7が干渉することなく重合部4の起伏回動が許容され、且つ互いに重合した閉塞状態から所定角度以上開放回動した開放状態においても同様に重合部4を本体部2に対して180度反転回動することが許容されるが、所定角度以上開放回動していない回動位置では、係止部7の動きが規制部8に邪魔されて、重合部4と本体部2とが重合し得る捩れのない自転回動位置から所定角度以上の自転回動が阻止されて閉塞回動に際して重合部4の端部が本体部2の上面に接触しないように、前記係止部7に対する前記規制部8の形状が設定されている。
【0034】
即ち本実施例では、本実施例の開閉回動ヒンジ部HAの起伏回動軸部9に前記係止部7の起伏回動と自転回動を許容する空間(前記係止部7配設空間)としての凹所部を形成し、この凹所部を規制部8としている。
【0035】
更に具体的に説明すると、自転回動ヒンジ部HBの自転回動軸部16の取付座となるベース部10をコ字形に形成し、このベース部10の対向脚片部10Aには起伏回動軸部9を挿通する軸孔を設け、上片部には自転回動軸部16を挿通する軸孔を設けている。
【0036】
先ず、開閉回動ヒンジ部HAについて説明すると、前記ベース部10に挿通した起伏回動軸部9を、ベース部10の側方に配した回り止め形状の筒状ケース12内に配し、この筒状ケース12内に前記起伏回動軸部9を軸として互いに凹凸係合するカム部13とカム係合部14の少なくとも一方を相対回動自在にしてスライド自在に内装し、この筒状ケース12を取付部5として第一部材2の被嵌連結部15に連結すると共に、起伏回動軸部9の反対端も第一部材2に係合している。従って、所定起伏回動位置では、カム係合付勢とバネ11による係合付勢とで位置決め(カムロック)されるように構成し、例えば閉塞状態ではカム係合途中にあって閉塞付勢され、開放状態ではカム係合保持(カムロック)され、また起伏回動途中ではバネ付勢により回動抵抗が生じ、手を放した回動位置が保持されるフリーストップを実現できるように構成している。
【0037】
本実施例では、起伏回動軸部9に挿通して共回りする前記カム部13をスライド自在に前記筒状ケース12に内装し、他方のカム係合部14は、起伏回動軸9に対して相対的に起伏回動する前記ベース部10の一方の対向脚片部10Aに凹凸を形成してこれ自体をカム係合部14としている。
【0038】
また、この対向脚片部10A間の起伏回動軸部9に前記凹所部を形成して規制部8を設けている。
【0039】
そしてこの本体部2(筒状ケース12,起伏回動軸部9)に対して起伏回動するベース部10に、重合部4を自転回動ヒンジ部HBを介して自転回動自在に連結している。
【0040】
この自転回動軸部16を備えた自転回動ヒンジ部HBは、前記ベース部10の上片部の軸孔に、一端(上端)に設けた取付部6を介して重合部4に連結し、他端(下端)に前記係止部7を設けた自転回動軸部16を挿通し、この自転回動軸部16(と前記取付部6)に回り止めされるカム部17を挿通すると共にこのカム部17にカム係合するカム係合部18を本実施例ではベース部10の上片部に凹凸を形成して設け、前記カム部13を自転回動軸部16に沿ってスライド自在に設けると共にバネ19により係合付勢されるように構成している。
【0041】
従って、重合部4は自転回動軸部16を軸に自転回動し、前記カム部17とカム係合部18とのカム係合により、重合閉塞状態できる捩れない回動向きではカムロックされるように構成している。
【0042】
また、捩れのない向きから180度自転回動する際には、バネ19に抗してカム部17がカム係合部18に対して離脱して相対回動し、0度と180度反転位置で開閉回動ヒンジ部HAと略同様に互いに凹凸係合してカムロックされると共に、回動途中位置ではバネ付勢によりフリーストップが実現されるようにして、閉塞回動可能となる捩れのない0度,180度回動位置で位置決めされ、ふらつき回動しないように構成している。
【0043】
また、本実施例では配線に支障のないように略180度以上回動せずこの範囲において正逆自転回動自在となるようにカム部17若しくはこのカム部17(自転回動軸部16)と共に回動する部材と、カム係合部18若しくはこれと一体となる部材とに互いに突き合い係止するストッパー部20を設けている。
【0044】
また、本実施例では、前記係止部7が重合部4の自転回動と共に規制部8に対して自転回動し、重合部4の起伏回動と共に規制部8に対して公転回動するが、この係止部7を太鼓状や楕円状などの短径部と長径部とを有する形状や凹面形状とし、規制部8をこれを受ける凹状形状としている。この係止部7と規制部8の形状は様々に設計可能であるが、例えば係止部7を自転回転面に対して、長辺部と短辺部とを有する形状とした場合には、起伏回動軸部9の太径部間を凹設状態に設けて規制部8を形成するが、自転回動自在とすべき位置に係止部7が配されるときには、これを許容するように四方に十分な径を有する凹部形状とし、且つ所定自転回動向きで起伏回動を許容するため、起伏回動軸部9の回動方向に係止部7の移動を許容する凹部形状とし、前記凹部空間とこの凹部空間とが連設するように形成している。しかし、この起伏回動を許容する連設凹部部分は、自転回動を阻止するため、短辺部より幅広いが長辺部より幅狭い形状としている。
【0045】
また、別例としては、係止部7を下面が軸部を逃げる凹面形状として起伏回動に際して自転回動軸部16を覆い配設しつつ起伏回動方向に移動できるようにし、且つこのときは自転回動が邪魔されて自転回動は阻止されるが、十分に起伏回動した位置では四方に広い凹部によって自転回動が阻止されないように構成するなど様々に設計可能である。
【0046】
即ち、本体部2と重合部4とを重合し得る捩れのない位置(0度,180度自動回動位置)では、規制部8内で起伏回動し、規制部8に干渉せず、また例えば90度重合部4を自転回動した位置では、係止部7が完全に規制部8に突き当たり略立ち起こし位置(本体部2と重合部4とが略直角となる回動位置)以上は閉塞回動できないように構成している。
【0047】
更に説明すれば、本実施例では、前記開閉回動ヒンジ部HAによりカム係合による位置決めロックされた開放状態(並びに略立ち起こした位置に至るまでの開放状態にある回動位置)では、係止部7が規制部8に干渉することなく自由に180度正逆自転回動可能な状態となり、またカムロックしていた開放状態からの閉塞回動に際しては、係止部7の向きが起伏回動可能な状態にあり、また、開放状態で重合部4を自転回動して捩れた回動位置にある場合は、係止部7が規制部8に干渉して前記開放回動位置以上は閉塞回動できず、従って正しい重合向きでない場合には重合部4は閉塞回動できないように構成している。
【0048】
従って、捩れた状態で閉塞回動することも阻止され、また正しい向きで閉塞回動する途中で捩れた向きに自転回動することも阻止されるため、重合部4の端部角部が本体部2に突き当たることを防止でき、また本体部2上の操作部1を誤って押し操作することも防止できるように構成している。
【0049】
また、規制部8の端部を所定形状に面取り設定することで、少し捩れた回動位置で重合部4を閉塞回動すると、前記規制部8の上端形状に沿って自動的に重合部4が正しい向きに修正自転回動して重合閉塞するように構成することもでき、また、前述のようにどの開放範囲まで自転回動可能とし、どのくらい捩れていたら、どの位置以上閉塞回動不能とするかも微妙に調整設定できることとなる。
【0050】
従って、重合部4が捩れ位置にあるにもかかわらず重合部4を閉塞回動することで重合部4の端部角部が前述のように本体部2に接触することを容易に阻止でき、しかも、本実施例では、係止部7と規制部8との形状設定により前述のように回動規制することを容易に実現することができるため、この回動規制を様々なバリエーションに簡単に設計できることとなる。
【0051】
また、本実施例では、前記開閉回動ヒンジ部HAの前記起伏回動軸部9若しくはこの起伏回動軸部9の軸方向に設ける部材、前記第一部材2に設ける回路部と前記第二部材4に設ける回路部とを電気接続する配線21を巻回する配線巻回部22を設けている。
【0052】
即ち、前記開閉回動ヒンジ部HAの起伏回動軸部9の一部若しくはこの軸方向に設けた部分であって前記規制部8の側方部に、外周部に前記配線21の巻回スペースが確保される部分を形成して前記配線巻回部22を設けている。
【0053】
具体的には、前記ベース部10のカム係合ロック機構(筒状ケース12)を設けた側と反対側に延長した起伏回動軸部9を第一部材2に係合するが、この反対側は単に起伏回動軸部9を延長するだけの構成、即ち、延長した軸部にはカム係合機構は設けず、この延長した部分(起伏回動軸部9の一部)を配線巻回部22としている。
【0054】
即ち、本実施例では、起伏回動軸部9の片側には、配線21、具体的にはフレキシブル配線21を数回巻回固定保持する巻回部分としての配線巻回部22を設けている。また一方、前記自転回動ヒンジ部HBの前記自転回動軸部16にも、前記第一部材2に設ける回路部と前記第二部材4に設ける回路部とを電気接続する配線21を巻回する配線巻回部22を設けている。
【0055】
即ち、自転回動軸部16に巻回用リング23を被嵌し、これも配線巻回部22としている。従って、本発明は、このような開閉動作や規制動作に支障をきたすことなく、容易に配線することができる。
【0056】
次に本発明の要旨である配線係止部25について説明する。
【0057】
例えば、図9,図10に示すように、ヒンジ装置Hの軸部9,16(あるいは軸部を設ける軸受部)に被嵌止めするヒンジ装置取付部としての被嵌部材24に、配線係止部本体25Bを一体形成し、この配線係止部本体25Bに配線21を案内しつつ、この配線係止部本体25Bに設けた左右の配線係止部25(係止溝部)で配線21の左右縁を係止する構成としている。
【0058】
この被嵌部材24をC環状の筒部材とし、径拡抗弾性部材に構成して、直交する両軸に設けても良いし、この両軸に設けた前記配線巻回部22の巻回配線21双方に夫々着脱自在に被嵌止めても良い。
【0059】
即ち、バネ材や弾性を有する樹脂でC状リング筒部材に形成し、これを弾性に抗して径大となるように開いて軸部9,16や配線巻回部22に巻回してある巻回配線21に抱持止めて仮止め保持するように構成している。
【0060】
従って、ヒンジ装置Hを枢着部に組み付けるときには取り外すが、組み付けまでの間この巻回部分を仮止め保持しておくことで、必要以上に巻回が緩んだりすることがなく、輸送・管理が容易となる。
【0061】
この着脱にあたって径拡し易いようにC状端に指掛け部を形成しても良い。
【0062】
この配線係止部25もヒンジ装置Hに対して被嵌部材24により着脱自在に設けて、組み付け時に取り外すように構成しても良いし、そのまま取り外さず組み付けるようにしても良い。
【0063】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【0064】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成したから、ヒンジ装置に巻き付け一体化する配線をヒンジ装置に位置決め保持でき、梱包や搬送も容易に行なえ、次工程の組み付け作業が能率良くスピーディーに行なえ、量産性に秀れ、品質管理も良好となる極めて画期的なヒンジ装置並びにヒンジ装置を用いた電子機器となる。
【0065】
しかも本発明は、巻回配線のこの巻き出し部や巻き入れ部がヒンジ装置に対して位置決め係止保持され、更にこれを係止する配線係止部を被嵌部材に設けて、単にこの被嵌部材を軸部若しくは軸受部又は配線巻回部に巻回した前記配線を覆うように被嵌するだけで良いため、一層秀れた画期的なヒンジ装置並びにヒンジ装置を用いた電子機器となる。
【0066】
また、請求項2,3記載の発明においては、一層簡易な構成で容易に実現でき、特に請求項2の発明においては、ヒンジ装置組み付け時には取り外すことができ、また請求項4の発明においては、この取り外し取り付けが極めて簡易に行なえる一層実用性に秀れたヒンジ装置並びにヒンジ装置を用いた電子機器となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例の使用状態を示す説明斜視図である。
【図2】 本実施例の配線を巻回する前の説明斜視図である。
【図3】 本実施例の図2の分解斜視図である。
【図4】 本実施例の自転回動時の動きを示す説明図である。
【図5】 本実施例の開閉回動時の動きを示す説明図である。
【図6】 本実施例の配線を巻回した状態を示す斜視図である。
【図7】 本実施例の配線のみを示す説明斜視図である。
【図8】 本実施例の自転回動時の配線を示す説明斜視図である。
【図9】 本実施例の被嵌部材に設けた配線係止部の一例を示す斜視図である。
【図10】 本実施例の図9に示す一例の使用状態(ヒンジ装置)の説明斜視図である。
【符号の説明】
2 第一部材
4 第二部材
9 軸部
16 軸部
21 配線
22 配線巻回部
24 被嵌部材
25 配線係止部
25 B 配線係止部本体
Claims (4)
- 第一部材と第二部材とを回動自在に枢着するヒンジ装置であって、前記第一部材に設ける回路部と前記第二部材に設ける回路部とを電気接続する湾曲自在な帯板状の配線を、軸部若しくは軸受部にこのヒンジ軸方向に対する周方向に巻回する配線巻回部を設け、この配線巻回部に巻回した前記配線の巻き出し部若しくは巻き入れ部を係止して位置決め保持する配線係止部を備え、この配線係止部は、前記配線の左右両縁を係止する構成とし、この配線係止部を前記軸部若しくは軸受部に被嵌する被嵌部材の外側に又は前記配線巻回部に巻回した前記配線を覆うように被嵌して配線を巻回保持する被嵌部材の外側に設け、前記被嵌部材を径拡抗弾性部材としてのC環状の筒部材とし、この被嵌部材の外側に板状の配線係止部本体を設け、この配線係止部本体の左右に配線係止部として係止溝部を形成し、この配線係止部本体に前記配線を案内しつつ前記係止溝部でこの配線の左右縁を夫々係止する構成として前記被嵌部材の外側に前記配線係止部を設けたことを特徴とするヒンジ装置。
- 前記被嵌部材を着脱自在に設けたことを特徴とする請求項1記載のヒンジ装置。
- 前記被嵌部材を前記配線巻回部に被嵌取り付け若しくは着脱自在に被嵌取り付けするように構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載のヒンジ装置。
- 操作部を設けた本体部と、ディスプレイ部を設けた重合部とを、前記操作部を操作しない時にはこの操作部を覆うように重合配設し、この重合した状態から前記重合部を相対的に回動して操作部を露出させ、または重合部を表裏反転自在となるべく自転回動することができるように、前記本体部と前記重合部とを回動自在または自転回動自在に連結するヒンジ装置を有し、このヒンジ装置には、前記本体部を前記第一部材若しくは第二部材とし、前記重合部を前記第二部材若しくは第一部材とした前記請求項1〜3のいずれか1項に記載のヒンジ装置を用いたことを特徴とするヒンジ装置を用いた電子機器。
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