JP4041012B2 - Cbf定量解析方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、CBF(Cerebral Blood Flow:脳血流量)定量解析方法および装置に関し、更に詳しくは、CBF定量値の過大評価および過小評価を防ぐことが出来るCBF定量解析方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、造影剤を用いて撮影した組織のMR−PWI(Magnetic Resonance - Perfusion Weighted Imaging)画像からCBF定量値を求めるCBF定量解析方法が知られている(非特許文献1〜5参照。)。
【0003】
図15は、従来のCBF定量解析方法の処理手順を示すフロー図である。
ステップJ1では、造影剤を用いると共にGRE(GRadient Echo)系のEPI(Echo Planar Imaging)法のパルスシーケンスにより撮影した組織のMR−PWI(Magnetic Resonance - Perfusion Weighted Imaging)画像G(t1)〜G(tn)を得る。MR−PWI画像G(t1)〜G(tn)は、例えば1.4秒間隔(Δt=1.4)で連続撮影した85フレーム(n=85)の画像である。
【0004】
ステップJ2では、MR−PWI画像G(t1)〜G(tn)に平滑処理を施し、ノイズ成分を抑制する。
【0005】
ステップJ3では、MR−PWI画像G(t1)〜G(tn)の各画素qについての信号値より組織濃度ΔR2 *q(t1)〜ΔR2 *q(tn)を求める。図16に、組織濃度ΔR2 *q(t1)〜ΔR2 *q(tn)を概念的に示す。
なお、関数名に添字qを付けた場合、ある画素qについての当該関数の値を意味するものとする。
【0006】
ステップJ5では、組織濃度ΔR2 *q(t1)〜ΔR2 *q(tn)より組織濃度行列[ΔR2 *q]を得る。図17に、組織濃度行列[ΔR2 *q]を示す。
【0007】
ステップJ6では、MR−PWI画像G(t1)〜G(tn)の動脈中に選んだ数点の画素についての信号値の平均値を基にして動脈濃度Caif(t1)〜Caif(tn)を求め、動脈入力関数AIF(Arterial Input Function)の係数行列[A]を得る。図18に、動脈濃度Caif(t1)〜Caif(tn)を概念的に示す。また、図19に、係数行列[A]を示す。係数行列[A]は、n次正方行列である。
【0008】
ステップJ7では、係数行列[A]をSVD(Singular Value Decomposition)法により特異値分解する。すなわち、[A]=[U]・[S]・[V]Tに分解する。行列[U]はn次正方行列であり、[U]T・[U]=[I](n次単位行列)である。また、行列[S]はn次対角行列であり、対角要素S1,S2,…,Snは係数行列[A]の特異値([A]T・[A]の固有値の正平方根)であり、S1≧S2≧…≧Sn≧0である。図20に、行列[S]を示す。転置行列[V]Tはn次正方行列であり、[V]T・[V]=[V]・[V]T=[I]である。
【0009】
ステップJ9では、各画素qのレスポンス関数行列[Rq]を算出する。すなわち、[Rq]=[A]−1・[ΔR2 *q]である。逆行列[A]−1は、[A]−1=[V]・[S]−1・[U]Tである。逆行列[S]−1は、対角要素S1−1,S2−1,…,Sn−1)を持つn次対角行列である。ただし、Si=0のとき、Si−1=0とする(i=1〜n)。
【0010】
ステップJ10では、各画素qの脳血流量CBFqを算出する。すなわち、Kを補正パラメータ、Rqmaxをレスポンス関数行列[Rq]の要素の最大値とするとき、CBFq=K・Rqmaxである。
なお、補正パラメータKは、例えば太い血管の赤血球容積率をHLVとし、細い血管の赤血球容積率をHSVとし、脳密度をρとするとき、K=(1−HLV)/{(1−HSV)・ρ}である。
【0011】
ステップJ11では、各画素qの脳血液量CBVqを算出する。すなわち、CBVq=∫t1 tnGq(ti)dt/∫t1 tnCaifq(ti)dt、i=1,2,…,nである。
さらに、各画素qの平均通過時間MTTqを算出する。すなわち、MTTq=CBVq/CBFqである。
【0012】
ステップJ12では、CBFマップ画像、MTTマップ画像、CBVマップ画像を作成し、描画する。
【0013】
図21は、従来の組織濃度算出処理手順を示すフロー図である。
ステップV1では、組織のMR−PWI画像内の複数画素(例えば全脳の画素)の平均信号強度Sav(t)を得る。図22に、平均信号強度Sav(t)を例示する。
ステップV2では、平均信号強度Sav(t)の造影剤が入る前と思われる領域を操作者がスキップ領域Kとして設定する。図22に、スキップ領域Kを例示する。
ステップV3では、スキップ領域Kに含まれる平均信号強度Sav(t)の平均値をベースライン値Soとする。図22に、ベースライン値Soを例示する。
ステップV7’では、エコー時間をTEとし、MR−PWI画像内のある画素qの値をgq(t)とするとき、次式により画素qの組織濃度ΔR2 *q(t)を求める。
ΔR2 *q(t)=−(1/TE)・ln{gq(t)/So}
図23に、画素qの組織濃度ΔR2 *q(t)を例示する。この画素qの組織濃度ΔR2 *q(t)を概念的に表した図が、図16である。
【0014】
【非特許文献1】
Katrin A. Remmp, Etc:Quantification of Regional Cerebral Blood Flow and Volume with Dynamic Susceptibility Contrast-enhanced MR Imaging:Radiology, Vol.193:637-641
【非特許文献2】
Leif Ostergaard, Etc:High Resolution Measurement of Cerebral Blood Flow using Intravascuar Tracer Bolus Passage. Part 1:Mathematical Approach and Statistical Analysis:MRM, Vol.36:715-725
【非特許文献3】
Leif Ostergaard, Etc:High Resolution Measurement of Cerebral Blood Flow using Intravascuar Tracer Bolus Passage. Part 2:Experimental Comparison and Preliminary Resulus:MRM, Vol.36:725-736
【非特許文献4】
椎野顯彦, Etc:Dynamic susceptibility contrast 法によるCBF定量化−AIF補正法:日本磁気共鳴医学会雑誌 Vol.31:134
【非特許文献5】
宮地利明:DSC−MRIによる脳血流動態の測定:日本放射線技術学会雑誌第58巻 第1号 第58頁〜第66頁
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
従来のCBF定量解析方法では、CBF定量値の過大評価および過小評価を生じる問題点があった。
そこで、本発明の目的は、CBF定量値の過大評価および過小評価を防ぐことが出来るCBF定量解析方法および装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
第1の観点では、本発明は、造影剤を用いて撮影した組織のMR−PWI画像を基に各画素qの組織濃度ΔR2 *qを求め、各組織濃度ΔR2 *qの時間変化から各画素qの造影剤の影響の消失時刻を求め、造影剤の影響の消失時刻より後のMR−PWI画像は当該画素qの脳血流量CBFqを算出するのに用いないことを特徴とするCBF定量解析方法を提供する。
造影剤の影響が現われる期間は、部位によって異なる。つまり、造影剤の影響が現われる期間は、全ての画素で同一ではない。しかし、従来のCBF定量解析方法では、どの画素qの脳血流量CBFqを算出するのにも、全てのMR−PWI画像G(t1)〜G(tn)を基にして求めた組織濃度ΔR2 *q(t1)〜ΔR2 *q(tn)および動脈濃度Caif(t1)〜Caif(tn)を用いていた。このため、余分の期間の信号の影響が入り、CBF定量値が不正確になっていた。
そこで、上記第1の観点によるCBF定量解析方法では、造影剤を用いて撮影した組織のMR−PWI画像を基に各画素qの組織濃度ΔR2 *qを求めた後、組織濃度ΔR2 *qの時間変化から各画素qの造影剤の影響の消失時刻を求め、造影剤の影響の消失時刻より後のMR−PWI画像は当該画素qの脳血流量CBFqを算出するのに用いないこととした。これにより、余分の期間の信号の影響が入らず、CBF定量値が正確になり、CBF定量値の過大評価および過小評価を防ぐことが出来る。
【0017】
第2の観点では、本発明は、
(1)造影剤を用いると共にGRE系のEPI法により撮影した組織のMR−PWI画像G(t1)〜G(tn)を得る。
(2)MR−PWI画像G(t1)〜G(tn)の各画素qについて組織濃度ΔR2 *q(t1)〜ΔR2 *q(tn)を求める。
(3)MR−PWI画像G(t1)〜G(tn)の各画素qについての組織濃度ΔR2 *q(t1)〜ΔR2 *q(tn)のピークの立上り時刻の最も早い時刻を開始時刻taとする。また、組織濃度ΔR2 *q(t1)〜ΔR2 *q(tn)のピークが終わった時刻を終了時刻teqとする。ここで、t1≦ta<teq≦tnである。
(4)各画素qについてMR−PWI画像G(ta)〜G(teq)の組織濃度ΔR2 *q(ta)〜ΔR2 *q(teq)より組織濃度行列[ΔR2 *q]を得る。
(5)MR−PWI画像G(t1)〜G(tn)の動脈にとった関心領域中の画素gの平均値を基にして各画素qについての動脈濃度Caifq(ta)〜Caifq(teq)を求め、係数行列[Aq]を求める。係数行列[Aq]は(teq−ta+1)次正方行列である。
(6)係数行列[Aq]をSVD法で[Aq]=[Uq]・[Sq]・[Vq]Tに分解する。行列[Uq]は(teq−ta+1)次正方行列であり、[Uq]T・[Uq]=[I](n次単位行列)である。また、行列[Sq]は(teq−ta+1)次対角行列であり、対角要素S1≧S2≧…≧Seq-a+1≧0であり、S1,S2,…,Seq-a+1は係数行列[Aq]の特異値([Aq]T・[Aq]の固有値の正平方根)である。行列[Vq]は(teq−ta+1)次正方行列であり、[Vq]T・[Vq]=[Vq]・[Vq]T=[I]である。
(7)逆行列[Sq]−1=dias(S1−1,S2−1,…,Seq-a+1−1)を求める。ただし、dias()は対角行列を表し、Si=0のとき、Si−1=0とする(i=1〜eq-a+1)。
(8)逆行列[Aq]−1を算出する。すなわち、[Aq]−1=[Vq]・[Sq]−1・[Uq]Tである。
(9)係数行列[Aq]の対角要素S1,S2,…,Seq-a+1の平均値Saveqと最大値Smaxqを求め、さらに補正パラメータPq=Saveq/Smaxqを算出する。
(10)画素qのレスポンス関数行列[Rq]を算出する。すなわち、[Rq]=Pq・[Aq]−1・[ΔR2 *q]である。
(11)画素qの脳血流量CBFqを算出する。すなわち、Kを補正パラメータ、Rqmaxをレスポンス関数行列[Rq]の要素の最大値とするとき、CBFq=K・Rqmaxである。
以上の(1)〜(11)のステップを含むことを特徴とするCBF定量解析方法を提供する。
【0018】
造影剤の影響が現われる期間は、部位によって異なる。つまり、造影剤の影響が現われる期間は、全ての画素で同一ではない。しかし、従来のCBF定量解析方法では、どの画素qの脳血流量CBFqを算出するのにも、全てのMR−PWI画像G(t1)〜G(tn)を基にして求めた組織濃度ΔR2 *q(t1)〜ΔR2 *q(tn)および動脈濃度Caif(t1)〜Caif(tn)を用いていた。このため、余分の期間の信号の影響が入り、CBF定量値が不正確になっていた。
そこで、上記第2の観点によるCBF定量解析方法では、造影剤を用いて撮影した組織のMR−PWI画像を基に各画素qの組織濃度ΔR2 *qを求めた後、組織濃度ΔR2 *qの時間変化から各画素qの造影剤の影響の出現時刻taqと造影剤の影響の消失時刻teqを求め、全画素で最も早い出現時刻を開始時刻taとし、消失時刻teqを終了時刻teqとし、開始時刻taから終了時刻teqの間のMR−PWI画像を用いて当該画素qの脳血流量CBFqを算出することとした。これにより、余分の期間の信号の影響が入らず、CBF定量値が正確になる。
【0019】
さらに、上記第2の観点によるCBF定量解析方法では、補正パラメータPqを用いるため、次の作用がある。
(1)画像のコントラストが急激に変化している組織(灰白質や血管など)では、補正パラメータPq=Saveq/Smaxqが小さくなるので、CBFの過大評価を抑えることが出来る。
(2)画像のコントラストがあまり変化しない組織(白質や脳室や病変組織など)では、補正パラメータPq=Saveq/Smaxqが大きくなるので、CBFの過小評価を抑えることが出来る。
(3)補正パラメータPqは画素qごとに異なるため、画素間における組織の差を補うことが出来る。
【0020】
第3の観点では、本発明は、上記構成のCBF定量解析方法において、CBVq=∫t1 tnGq(ti)dt/∫t1 tnCaifq(ti)dt、i=1,2,…,nにより各画素qの脳血液量CBVqを算出することを特徴とするCBF定量解析方法を提供する。
上記第3の観点によるCBF定量解析方法では、各画素qの動脈濃度Caifq(t)から脳血液量CBVqを算出することが出来る。
【0021】
第4の観点では、本発明は、上記構成のCBF定量解析方法において、MTTq=CBVq/CBFqにより各画素qの平均通過時間MTTqを算出することを特徴とするCBF定量解析方法を提供する。
上記第4の観点によるCBF定量解析方法では、各画素qの脳血液量CBVqおよび脳血流量CBFqから平均通過時間MTTqを算出することが出来る。
【0022】
第5の観点では、本発明は、上記構成のCBF定量解析方法において、CBFマップ画像、MTTマップ画像、CBVマップ画像の少なくとも一つを作成することを特徴とするCBF定量解析方法を提供する。
上記第5の観点によるCBF定量解析方法では、部位による脳血流量CBF、平均通過時間MTT、脳血液量CBVの差異を容易に視認することが出来る。
【0023】
第6の観点では、本発明は、造影剤を用いて撮影した組織のMR−PWI画像を基に各画素qの組織濃度ΔR2 *qを求める手段と、各組織濃度ΔR2 *qの時間変化から造影剤の影響の消失時刻を求める手段と、造影剤の影響の消失時刻に基づいてMR−PWI画像を選択する手段と、選択したMR−PWI画像を基に当該画素qの脳血流量CBFqを算出する手段とを具備したことを特徴とするCBF定量解析装置を提供する。
上記第6の観点によるCBF定量解析装置では、上記第1の観点によるCBF定量解析方法を好適に実施できる。
【0024】
第7の観点では、本発明は、
(1)造影剤を用いると共にGRE系のEPI法により撮影した組織のMR−PWI画像G(t1)〜G(tn)を得る手段。
(2)MR−PWI画像G(t1)〜G(tn)の各画素qについて組織濃度ΔR2 *q(t1)〜ΔR2 *q(tn)を求める手段。
(3)MR−PWI画像G(t1)〜G(tn)の各画素qについての組織濃度ΔR2 *q(t1)〜ΔR2 *q(tn)のピークの立上り時刻の最も早い時刻を開始時刻taとし、組織濃度ΔR2 *q(t1)〜ΔR2 *q(tn)のピークが終わった時刻を終了時刻teqとする手段。ここで、t1≦ta<teq≦tnである。
(4)各画素qについてMR−PWI画像G(ta)〜G(teq)の組織濃度ΔR2 *q(ta)〜ΔR2 *q(teq)より組織濃度行列[ΔR2 *q]を得る手段。
(5)MR−PWI画像G(ta)〜G(teq)の動脈にとった関心領域中の画素gの平均値を基にして各画素qについての動脈濃度Caifq(ta)〜Caifq(teq)を求め、係数行列[Aq]を求める手段。係数行列[Aq]は(teq−ta+1)次正方行列である。
(6)係数行列[Aq]をSVD法で[Aq]=[Uq]・[Sq]・[Vq]Tに分解する手段。行列[Uq]は(teq−ta+1)次正方行列であり、[Uq]T・[Uq]=[I](n次単位行列)である。また、行列[Sq]は(teq−ta+1)次対角行列であり、対角要素S1≧S2≧…≧Seq-a+1≧0であり、S1,S2,…,Seq-a+1は係数行列[Aq]の特異値([Aq]T・[Aq]の固有値の正平方根)である。行列[Vq]は(teq−ta+1)次正方行列であり、[Vq]T・[Vq]=[Vq]・[Vq]T=[I]である。
(7)逆行列[Sq]−1=dias(S1−1,S2−1,…,Seq-a+1−1)を求める手段。ただし、dias()は対角行列を表し、Si=0のとき、Si−1=0とする(i=1〜eq-a+1)。
(8)逆行列[Aq]−1=[Vq]・[Sq]−1・[Uq]Tを算出する手段。
(9)係数行列[Aq]の対角要素S1,S2,…,Seq-a+1の平均値Saveqと最大値Smaxqを求め、さらに補正パラメータPq=Saveq/Smaxqを算出する手段。
(10)画素qのレスポンス関数行列[Rq]=Pq・[Aq]−1・[ΔR2 *q]を算出する手段。
(11)Kを補正パラメータ、Rqmaxをレスポンス関数行列[Rq]の要素の最大値とするとき、画素qの脳血流量CBFq=K・Rqmaxを算出する手段。
以上の(1)〜(11)の手段を具備したことを特徴とするCBF定量解析装置を提供する。
上記第7の観点によるCBF定量解析装置では、上記第2の観点によるCBF定量解析方法を好適に実施できる。
【0025】
第8の観点では、本発明は、上記構成のCBF定量解析装置において、CBVq=∫t1 tnGq(ti)dt/∫t1 tnCaifq(ti)dt、i=1,2,…,nにより各画素qの脳血液量CBVqを算出する手段を具備したことを特徴とするCBF定量解析装置を提供する。
上記第8の観点によるCBF定量解析装置では、上記第3の観点によるCBF定量解析方法を好適に実施できる。
【0026】
第9の観点では、本発明は、上記構成のCBF定量解析装置において、MTTq=CBVq/CBFqにより各画素qの平均通過時間MTTqを算出する手段を具備したことを特徴とするCBF定量解析装置を提供する。
上記第9の観点によるCBF定量解析装置では、上記第4の観点によるCBF定量解析方法を好適に実施できる。
【0027】
第10の観点では、本発明は、上記構成のCBF定量解析装置において、CBFマップ画像、MTTマップ画像、CBVマップ画像の少なくとも一つを作成する手段を具備したことを特徴とするCBF定量解析装置を提供する。
上記第10の観点によるCBF定量解析装置では、上記第5の観点によるCBF定量解析方法を好適に実施できる。
【0028】
第11の観点では、本発明は、上記構成のCBF定量解析方法において、組織のMR−PWI画像のうちの操作者が設定したスキップ領域に含まれるMR−PWI画像内の複数画素の平均値からベースライン値Soを求め、エコー時間をTEとしMR−PWI画像内のある画素qの値をgq(t)として仮組織濃度Pre-ΔR2 *q(t)=−(1/TE)・ln{gq(t)/So}を求め、Pre-ΔR2 *q(t)が急上昇する前の平坦領域を新スキップ領域とし、組織のMR−PWI画像のうちの画素qの新スキップ領域に含まれる信号値から新ベースライン値Soqを求めるか又は新スキップ領域に含まれるMR−PWI画像内の複数画素の平均値から新ベースライン値Soqを求め、組織濃度ΔR2 *q(t)=−(1/TE)・ln{gq(t)/Soq}を求めることを特徴とするCBF定量解析方法を提供する。
従来は、画素qの組織濃度ΔR2 *q(t)を求めるのに用いるベースライン値Soとして、操作者が設定したスキップ領域Kでの平均信号強度を採用していた。
しかし、異なる組織(動脈,白質,灰白質または静脈)に造影剤が入るタイミングはそれぞれ異なるため、一律に操作者が設定したスキップ領域Kでの平均信号強度をベースライン値Soとすると、異なる組織に造影剤が入るタイミングの異なりにより定量解析に誤差を生じる。また、操作者によりスキップ領域Kの設定にバラツキがあるため、これによっても定量解析に誤差を生じる。
そこで、上記第11の観点によるCBF定量解析方法では、操作者が設定したスキップ領域Kでの平均信号強度をベースライン値Soとして従来と同様の処理で画素qの仮組織濃度Pre-ΔR2 *q(t)を求め、次に画素qの仮組織濃度Pre-ΔR2 *q(t)から当該画素qに最適の新スキップ領域Kqを求め、その新スキップ領域Kqでの平均信号強度を新ベースライン値Soqとし、その新ベースライン値Soqを用いて画素qの組織濃度ΔR2 *q(t)を求めるようにした。
これにより、画素qごとに最適化した新ベースライン値Soqを用いるため、異なる組織に造影剤が入るタイミングの異なりにより定量解析に誤差を生じることを回避できる。また、新スキップ領域Kqには操作者による設定のバラツキが入らないから、この点でも定量解析に誤差を生じることを回避できる。
なお、組織のMR−PWI画像のうちの画素qの新スキップ領域に含まれる信号値から新ベースライン値Soqを求めるのが好ましいが、簡易的には新スキップ領域に含まれるMR−PWI画像内の複数画素の平均値から新ベースライン値Soqを求めてもよい。
【0029】
第12の観点では、本発明は、上記構成のCBF定量解析装置において、前記各画素qについて組織濃度ΔR2 *q(t1)〜ΔR2 *q(tn)を求める手段は、組織のMR−PWI画像のうちの操作者が設定したスキップ領域に含まれるMR−PWI画像内の複数画素の平均値からベースライン値Soを求め、エコー時間をTEとしMR−PWI画像内のある画素qの値をgq(t)として仮組織濃度Pre-ΔR2 *q(t)=−(1/TE)・ln{gq(t)/So}を求め、Pre-ΔR2 *q(t)が急上昇する前の平坦領域を新スキップ領域とし、組織のMR−PWI画像のうちの画素qの新スキップ領域に含まれる信号値から新ベースライン値Soqを求めるか又は新スキップ領域に含まれるMR−PWI画像内の複数画素の平均値から新ベースライン値Soqを求め、その新ベースライン値Soqを用いて組織濃度ΔR2 *q(t)=−(1/TE)・ln{gq(t)/Soq}を求めることを特徴とするCBF定量解析装置を提供する。
上記第12の観点によるCBF定量解析装置では、上記第11の観点によるCBF定量解析方法を好適に実施できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図に示す実施形態により本発明をさらに詳しく説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態にかかる医用画像診断装置を示すブロック図である。
この医用画像診断装置100は、被検体KをスキャンしてMR−PWI画像を撮影するMRI(Magnetic Resonance Imaging)装置1と、そのMRI装置1からMR−PWI画像を受け取ってCBF定量解析処理などを行うコンピュータ2と、CRTのような表示装置3と、キーボードやマウスのような操作装置4と、ハードディスクのような記憶装置5とを具備している。
【0032】
図2は、本発明にかかるCBF定量解析方法の処理手順を示すフロー図である。
ステップW1では、造影剤を用いると共にGRE系のEPI法のパルスシーケンスにより撮影した組織のMR−PWI画像G(t1)〜G(tn)を得る。MR−PWI画像G(t1)〜G(tn)は、例えば1.4秒間隔(Δt=1.4)で連続撮影した85フレーム(n=85)の画像である。
【0033】
ステップW2では、MR−PWI画像G(t1)〜G(tn)に平滑処理を施し、ノイズ成分を抑制する。
【0034】
ステップW3では、MR−PWI画像G(t1)〜G(tn)の各画素qについての信号値より組織濃度ΔR2 *q(t1)〜ΔR2 *q(tn)を求める。図3に、組織濃度ΔR2 *q(t1)〜ΔR2 *q(tn)を概念的に示す。
【0035】
ステップW4では、各画素qの組織濃度ΔR2 *q(t1)〜ΔR2 *q(tn)のピークの立上り時刻taqのうちで最も早い時刻を開始時刻taとする。また、各画素qの組織濃度ΔR2 *q(t1)〜ΔR2 *q(tn)のピークが終わった時刻を終了時刻teqとする。ここで、t1≦ta<teq≦tnである。
なお、各画素qの組織濃度ΔR2 *q(t1)〜ΔR2 *q(tn)のピークの立上り時刻taqを各画素qごとの開始時刻としてもよいが、ピークの立上り時刻taqにはほとんど差がないので、処理の簡単化のため、開始時刻taを各画素共通とする。これに対して、各画素qの組織濃度ΔR2 *q(t1)〜ΔR2 *q(tn)のピークが終わった時刻には差があるため、終了時刻は各画素共通とせず、各画素qごとの終了時刻teqとする。
【0036】
ステップW5では、組織濃度ΔR2 *q(ta)〜ΔR2 *q(teq)より組織濃度行列[ΔR2 *q]を得る。図4に、組織濃度行列[ΔR2 *q]を示す。
【0037】
ステップW6では、MR−PWI画像G(t1)〜G(tn)の動脈中に操作者が選んだ数点(=関心領域)の画素であってMR−PWI画像G(ta)〜G(teq)についての信号値の平均値を基にして動脈濃度Caif(ta)〜Caif(teq)を求め、動脈入力関数AIF(Arterial Input Function)の係数行列[Aq]を得る。図5に、動脈濃度Caif(t1)〜Caif(tn)を概念的に示す。また、図6に、係数行列[Aq]を示す。係数行列[Aq]は、(teq−ta+1)次正方行列である。
【0038】
ステップW7では、係数行列[Aq]をSVD(Singular Value Decomposition)法により特異値分解する。すなわち、[Aq]=[Uq]・[Sq]・[Vq]Tに分解する。行列[Uq]は(teq−ta+1)次正方行列であり、[Uq]T・[Uq]=[I](n次単位行列)である。また、行列[Sq]は(teq−ta+1)次対角行列であり、対角要素S1,S2,…,Seq-a+1は係数行列[Aq]の特異値([Aq]T・[Aq]の固有値の正平方根)であり、S1≧S2≧…≧Seq-a+1≧0である。図7に、行列[Sq]を示す。転置行列[Vq]Tは(teq−ta+1)次正方行列であり、[Vq]T・[Vq]=[Vq]・[Vq]T=[I]である。
【0039】
ステップW8では、係数行列[Aq]の対角要素S1,S2,…,Seq-a+1の平均値Saveqと最大値Smaxqを求め、さらに補正パラメータPqを算出する。Pq=Saveq/Smaxqである。
【0040】
ステップW9では、各画素qのレスポンス関数行列[Rq]を算出する。すなわち、[Rq]=Pq・[Aq]−1・[ΔR2 *q]である。逆行列[Aq]−1は、[Aq]−1=[Vq]・[Sq]−1・[Uq]Tである。逆行列[Sq]−1は、対角要素S1−1,S2−1,…,Seq-a+1−1)を持つ(teq−ta+1)次対角行列である。ただし、Si=0のとき、Si−1=0とする(i=1〜eq-a+1)。
【0041】
ステップW10では、各画素qの脳血流量CBFqを算出する。すなわち、Kを補正パラメータ、Rqmaxをレスポンス関数行列[Rq]の要素の最大値とするとき、CBFq=K・Rqmaxである。
なお、補正パラメータKは、例えば太い血管の赤血球容積率をHLVとし、細い血管の赤血球容積率をHSVとし、脳密度をρとするとき、K=(1−HLV)/{(1−HSV)・ρ}である。
【0042】
ステップW11では、各画素qの脳血液量CBVqを算出する。すなわち、CBVq=∫t1 tnGq(ti)dt/∫t1 tnCaifq(ti)dt、i=1,2,…,nである。
さらに、各画素qの平均通過時間MTTqを算出する。すなわち、MTTq=CBVq/CBFqである。
【0043】
ステップW12では、CBFマップ画像、MTTマップ画像、CBVマップ画像を作成し、表示装置3に表示する。
【0044】
図8は、医用画像診断装置100によって求めた健常組織および病変組織の平均CBF値、平均MTT値、平均CBV値を例示する図表である。
健常組織に比べて病変組織では血液が流れにくくなっているが、これは平均CBF値の低下と平均MTT値の増加とから明確に読みとることが出来る。
【0045】
図9は、図2に示す本発明にかかるCBF定量解析方法と図10に示す従来のCBF定量解析方法とによって求めたROI1〜ROI5の平均CBF値を比較した図表である。
従来例で平均CBF値が高いROI1〜ROI3では、実施例では平均CBF値が低くなっており、過大評価を防ぐことが出来た。また、従来例で平均CBF値が低いROI4,ROI5では、実施例では平均CBF値が高くなっており、過小評価を防ぐことが出来た。
【0046】
図10は、本発明にかかる組織濃度算出処理手順を示すフロー図である。
ステップV1では、組織のMR−PWI画像内の複数画素(例えば全脳の画素)の平均信号強度Sav(t)を得る。図11に、平均信号強度Sav(t)を例示する。
ステップV2では、図11に示すように、平均信号強度Sav(t)の造影剤が入る前と思われる領域を操作者がスキップ領域Kとして設定する。
ステップV3では、図11に示すように、スキップ領域Kに含まれる平均信号強度Sav(t)の平均値をベースライン値Soとする。図11に、ベースライン値Soを例示する。
ステップV4では、エコー時間をTEとし、MR−PWI画像内のある画素qの値をgq(t)とするとき、次式により画素qの仮組織濃度Pre-ΔR2 *q(t)を求める。
Pre-ΔR2 *q(t)=−(1/TE)・ln{gq(t)/So}
図12に、画素qの仮組織濃度Pre-ΔR2 *q(t)を例示する。
【0047】
ステップV5では、図12に示すように、画素qの仮組織濃度Pre-ΔR2 *q(t)が急上昇する前の平坦領域を画素qの新スキップ領域Kqとする。
ステップV6では、図13に示すように、組織のMR−PWI画像のうちの画素qの新スキップ領域Kqに含まれる信号値Sq(t)の平均値を新ベースライン値Soqとするか又は画素qの新スキップ領域Kqに含まれる平均信号強度Sav(t)の平均値を画素qの新ベースライン値Soqとする。
ステップV7では、次式により画素qの組織濃度ΔR2 *q(t)を求める。
ΔR2 *q(t)=−(1/TE)・ln{gq(t)/Soq}
図14に、画素qの組織濃度ΔR2 *q(t)を例示する。この画素qの組織濃度ΔR2 *q(t)を概念的に表した図が、図3である。
【0048】
−他の実施形態−
(1)MR−PWI画像G(t1)〜G(tn)に対する平滑処理を省略してもよい。
(2)組織濃度ΔR2 * を求める際に何らかの補正処理を加えてもよい。
(3)本明細書で採用したCBF等の計算方法は Ostergaard の研究グループが提案したものであるが、これに限定されず、例えば Remmp の研究グループが提案した計算方法に対しても本発明を適用しうる。
【0049】
【発明の効果】
本発明のCBF定量解析方法および装置によれば、ある画素qの脳血流量CBFqを算出するのに、当該画素qにおける造影剤の影響が消失する時刻より後のMR−PWI画像は用いないから、余分の期間の信号の影響が入らず、CBF定量値が正確になり、CBF定量値の過大評価および過小評価を防ぐことが出来る。
【0050】
さらに、画素qごとに異なる補正パラメータPqを用いるから、画素間の組織の差を補うことが出来る。よって、CBF定量値が正確になり、CBF定量値の過大評価および過小評価を防ぐことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる医用画像診断装置のブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかるCBF定量解析処理の手順を示すフロー図である。
【図3】組織濃度の時間変化を示す概念図である。
【図4】組織濃度行列の例示図である。
【図5】血管濃度の時間変化を示す概念図である。
【図6】係数行列の例示図である。
【図7】特異値を対角要素とする行列の例示図である。
【図8】本発明により求めた健常組織と病変組織の平均CBF値等を示す例示図である。
【図9】本発明により求めた平均CBF値と従来方法により求めた平均CBF値を比較した図表である。
【図10】本発明の一実施形態にかかる組織濃度算出処理の手順を示すフロー図である。
【図11】平均信号強度の時間変化、スキップ領域およびベースライン値を示す概念図である。
【図12】仮組織濃度の時間変化を示す概念図である。
【図13】平均信号強度の時間変化、新スキップ領域および新ベースライン値を示す概念図である。
【図14】組織濃度の時間変化を示す概念図である。
【図15】従来のCBF定量解析処理の手順を示すフロー図である。
【図16】組織濃度の時間変化を示す概念図である。
【図17】従来の組織濃度行列の例示図である。
【図18】血管濃度の時間変化を示す概念図である。
【図19】従来の係数行列の例示図である。
【図20】特異値を対角要素とする行列の例示図である。
【図21】従来の組織濃度算出処理の手順を示すフロー図である。
【図22】平均信号強度の時間変化、スキップ領域およびベースライン値を示す概念図である。
【図23】組織濃度の時間変化を示す概念図である。
【符号の説明】
1 MRI装置
2 コンピュータ
100 医用画像診断装置
Claims (12)
- 造影剤を用いて撮影した組織のMR−PWI画像を基に各画素qの組織濃度ΔR2 *qを求め、各組織濃度ΔR2 *qの時間変化から各画素qの造影剤の影響の消失時刻を求め、造影剤の影響の消失時刻より後のMR−PWI画像は当該画素qの脳血流量CBFqを算出するのに用いないことを特徴とするCBF定量解析方法。
- (1)造影剤を用いると共にGRE系のEPI法により撮影した組織のMR−PWI画像G(t1)〜G(tn)を得る。
(2)MR−PWI画像G(t1)〜G(tn)の各画素qについて組織濃度ΔR2 *q(t1)〜ΔR2 *q(tn)を求める。
(3)MR−PWI画像G(t1)〜G(tn)の各画素qについての組織濃度ΔR2 *q(t1)〜ΔR2 *q(tn)のピークの立上り時刻の最も早い時刻を開始時刻taとする。また、組織濃度ΔR2 *q(t1)〜ΔR2 *q(tn)のピークが終わった時刻を終了時刻teqとする。ここで、t1≦ta<teq≦tnである。
(4)各画素qについてMR−PWI画像G(ta)〜G(teq)の組織濃度ΔR2 *q(ta)〜ΔR2 *q(teq)より組織濃度行列[ΔR2 *q]を得る。
(5)MR−PWI画像G(t1)〜G(tn)の動脈にとった関心領域中の画素gの平均値を基にして各画素qについての動脈濃度Caifq(ta)〜Caifq(teq)を求め、係数行列[Aq]を求める。係数行列[Aq]は(teq−ta+1)次正方行列である。
(6)係数行列[Aq]をSVD法で[Aq]=[Uq]・[Sq]・[Vq]Tに分解する。行列[Uq]は(teq−ta+1)次正方行列であり、[Uq]T・[Uq]=[I](n次単位行列)である。また、行列[Sq]は(teq−ta+1)次対角行列であり、対角要素S1≧S2≧…≧Seq-a+1≧0であり、S1,S2,…,Seq-a+1は係数行列[Aq]の特異値([Aq]T・[Aq]の固有値の正平方根)である。行列[Vq]は(teq−ta+1)次正方行列であり、[Vq]T・[Vq]=[Vq]・[Vq]T=[I]である。
(7)逆行列[Sq]−1=dias(S1−1,S2−1,…,Seq-a+1−1)を求める。ただし、dias()は対角行列を表し、Si=0のとき、Si−1=0とする(i=1〜eq-a+1)。
(8)逆行列[Aq]−1を算出する。すなわち、[Aq]−1=[Vq]・[Sq]−1・[Uq]Tである。
(9)係数行列[Aq]の対角要素S1,S2,…,Seq-a+1の平均値Saveqと最大値Smaxqを求め、さらに補正パラメータPq=Saveq/Smaxqを算出する。
(10)画素qのレスポンス関数行列[Rq]を算出する。すなわち、[Rq]=Pq・[Aq]−1・[ΔR2 *q]
(11)画素qの脳血流量CBFqを算出する。すなわち、Kを補正パラメータ、Rqmaxをレスポンス関数行列[Rq]の要素の最大値とするとき、CBFq=K・Rqmax
以上の(1)〜(11)のステップを含むことを特徴とするCBF定量解析方法。 - 請求項2に記載のCBF定量解析方法において、CBVq=∫t1 tnGq(ti)dt/∫t1 tnCaifq(ti)dt、i=1,2,…,nにより各画素qの脳血液量CBVqを算出することを特徴とするCBF定量解析方法。
- 請求項3に記載のCBF定量解析方法において、MTTq=CBVq/CBFqにより各画素qの平均通過時間MTTqを算出することを特徴とするCBF定量解析方法。
- 請求項4に記載のCBF定量解析方法において、CBFマップ画像、MTTマップ画像、CBVマップ画像の少なくとも一つを作成することを特徴とするCBF定量解析方法。
- 造影剤を用いて撮影した組織のMR−PWI画像を基に各画素qの組織濃度ΔR2 *qを求める手段と、各組織濃度ΔR2 *qの時間変化から造影剤の影響の消失時刻を求める手段と、造影剤の影響の消失時刻に基づいてMR−PWI画像を選択する手段と、選択したMR−PWI画像を基に当該画素qの脳血流量CBFqを算出する手段とを具備したことを特徴とするCBF定量解析装置。
- (1)造影剤を用いると共にGRE系のEPI法により撮影した組織のMR−PWI画像G(t1)〜G(tn)を得る手段。
(2)MR−PWI画像G(t1)〜G(tn)の各画素qについて組織濃度ΔR2 *q(t1)〜ΔR2 *q(tn)を求める手段。
(3)MR−PWI画像G(t1)〜G(tn)の各画素qについての組織濃度ΔR2 *q(t1)〜ΔR2 *q(tn)のピークの立上り時刻の最も早い時刻を開始時刻taとし、組織濃度ΔR2 *q(t1)〜ΔR2 *q(tn)のピークが終わった時刻を終了時刻teqとする手段。ここで、t1≦ta<teq≦tnである。
(4)各画素qについてMR−PWI画像G(ta)〜G(teq)の組織濃度ΔR2 *q(ta)〜ΔR2 *q(teq)より組織濃度行列[ΔR2 *q]を得る手段。
(5)MR−PWI画像G(ta)〜G(teq)の動脈にとった関心領域中の画素gの平均値を基にして各画素qについての動脈濃度Caifq(ta)〜Caifq(teq)を求め、係数行列[Aq]を求める手段。係数行列[Aq]は(teq−ta+1)次正方行列である。
(6)係数行列[Aq]をSVD法で[Aq]=[Uq]・[Sq]・[Vq]Tに分解する手段。行列[Uq]は(teq−ta+1)次正方行列であり、[Uq]T・[Uq]=[I](n次単位行列)である。また、行列[Sq]は(teq−ta+1)次対角行列であり、対角要素S1≧S2≧…≧Seq-a+1≧0であり、S1,S2,…,Seq-a+1は係数行列[Aq]の特異値([Aq]T・[Aq]の固有値の正平方根)である。行列[Vq]は(teq−ta+1)次正方行列であり、[Vq]T・[Vq]=[Vq]・[Vq]T=[I]である。
(7)逆行列[Sq]−1=dias(S1−1,S2−1,…,Seq-a+1−1)を求める手段。ただし、dias()は対角行列を表し、Si=0のとき、Si−1=0とする(i=1〜eq-a+1)。
(8)逆行列[Aq]−1=[Vq]・[Sq]−1・[Uq]Tを算出する手段。
(9)係数行列[Aq]の対角要素S1,S2,…,Seq-a+1の平均値Saveqと最大値Smaxqを求め、さらに補正パラメータPq=Saveq/Smaxqを算出する手段。
(10)画素qのレスポンス関数行列[Rq]=Pq・[Aq]−1・[ΔR2 *q]を算出する手段。
(11)Kを補正パラメータ、Rqmaxをレスポンス関数行列[Rq]の要素の最大値とするとき、画素qの脳血流量CBFq=K・Rqmaxを算出する手段。
以上の(1)〜(11)の手段を具備したことを特徴とするCBF定量解析装置。 - 請求項7に記載のCBF定量解析装置において、CBVq=∫t1 tnGq(ti)dt/∫t1 tnCaifq(ti)dt、i=1,2,…,nにより各画素qの脳血液量CBVqを算出する手段を具備したことを特徴とするCBF定量解析装置。
- 請求項8に記載のCBF定量解析装置において、MTTq=CBVq/CBFqにより各画素qの平均通過時間MTTqを算出する手段を具備したことを特徴とするCBF定量解析装置。
- 請求項9に記載のCBF定量解析装置において、CBFマップ画像、MTTマップ画像、CBVマップ画像の少なくとも一つを作成する手段を具備したことを特徴とするCBF定量解析装置。
- 請求項1から請求項5のいずれかに記載のCBF定量解析方法において、組織のMR−PWI画像のうちの操作者が設定したスキップ領域に含まれるMR−PWI画像内の複数画素の平均値からベースライン値Soを求め、エコー時間をTEとしMR−PWI画像内のある画素qの値をgq(t)として仮組織濃度Pre-ΔR2 *q(t)=−(1/TE)・ln{gq(t)/So}を求め、Pre-ΔR2 *q(t)が急上昇する前の平坦領域を新スキップ領域とし、組織のMR−PWI画像のうちの画素qの新スキップ領域に含まれる信号値から新ベースライン値Soqを求めるか又は新スキップ領域に含まれるMR−PWI画像内の複数画素の平均値から新ベースライン値Soqを求め、組織濃度ΔR2 *q(t)=−(1/TE)・ln{gq(t)/Soq}を求めることを特徴とするCBF定量解析方法。
- 請求項6から請求項10のいずれかに記載のCBF定量解析装置において、前記各画素qについて組織濃度ΔR2 *q(t1)〜ΔR2 *q(tn)を求める手段は、組織のMR−PWI画像のうちの画素qの新スキップ領域に含まれる信号値から新ベースライン値Soqを求めるか又は新スキップ領域に含まれるMR−PWI画像内の複数画素の平均値から新ベースライン値Soqを求め、エコー時間をTEとしMR−PWI画像内のある画素qの値をgq(t)として仮組織濃度Pre-ΔR2 *q(t)=−(1/TE)・ln{gq(t)/So}を求め、Pre-ΔR2 *q(t)が急上昇する前の平坦領域を新スキップ領域とし、組織のMR−PWI画像のうちの画素qの新スキップ領域に含まれる信号値から新ベースライン値Soqを求めるか又は新スキップ領域に含まれるMR−PWI画像内の複数画素の平均値から新ベースライン値Soqを求め、その新ベースライン値Soqを用いて組織濃度ΔR2 *q(t)=−(1/TE)・ln{gq(t)/Soq}を求めることを特徴とするCBF定量解析装置。
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