JP5143986B2 - 脳血流計測装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は脳血流計測装置に関し、とくに、造影剤を注入して磁気共鳴撮影した頭部断層像に基づいて脳血流計測を行う装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
被検体に造影剤を注入して磁気共鳴撮影(MRI:Magnetic Resonance Imaging)装置により頭部の断層像を撮影し、断層像における造影剤濃度の時間的変化に基づいて脳血流を計測することが行われる。
【0003】
造影剤としてはガドリニウム(Gd)造影剤等のサセプティビリティ(susceptibility)効果を有する造影剤が用いられる。脳血流計測の主な項目は、脳血液量(CBV:Cerebral Blood Volume)、脳血流量(CBF:Cerebral Blood Flow)、平均通過時間(MTT:Mean Transit Time)等である。
【0004】
脳血流計測を行うためには、被検体ごとに動脈入力関数(AIF:Arterial Input Function)を求めることが必要とされる。動脈入力関数は、造影剤を注入して撮影した被検体の頭部断層像における内頸動脈の信号強度の時間的変化から求められる。
【0005】
動脈入力関数は、関心領域における造影剤の実測濃度−時間曲線を、デコンボリューション(deconvolution)により、インパルスレスポンス(impulse response)すなわち理想的濃度−時間曲線に変換する目的等に用いられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
動脈入力関数を得るための内頸動脈を含んだ断層像を撮影するスライス(slice)位置は脳底部の骨や空気の多いところなので、画像のゆがみや信号強度の精度低下等が生じやすい。このため、動脈入力関数が不正確となり、それを用いて行った脳血流計測は不正確なものとなりがちである。
【0007】
そこで、本発明の課題は、脳血流計測を正しく行う脳血流計測装置を実現することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)上記の課題を解決するための1つの観点での発明は、被検体に造影剤を注入する注入手段と、前記造影剤の注入時点から予め定められた時間にわたって継続的に前記被検体の頭部の断層像を磁気共鳴を利用して撮影する撮影手段と、前記断層像に基づいて予め定められた動脈の信号強度の時間的変化および予め定められた静脈の信号強度の時間的変化をそれぞれ測定する信号変化測定手段と、前記動脈の信号強度の時間的変化の最大値と前記静脈の信号強度の時間的変化の最大値との比を求める比計算手段と、前記比の値を用いて前記動脈の信号強度を補正する補正手段と、前記補正後の動脈の信号に基づいて動脈入力関数を決定する関数決定手段と、前記動脈入力関数を用いて前記断層像に基づく脳血流計測を行う血流計測手段と、を具備することを特徴とする脳血流計測装置である。
【0009】
(2)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、被検体に造影剤を注入する注入手段と、前記造影剤の注入時点から予め定められた時間にわたって継続的に前記被検体の頭部の断層像を磁気共鳴を利用して撮影する撮影手段と、前記断層像に基づいて内頸動脈の信号強度の時間的変化および上矢状静脈の信号強度の時間的変化をそれぞれ測定する信号変化測定手段と、前記内頸動脈の信号強度の時間的変化の最大値と前記上矢状静脈の信号強度の時間的変化の最大値との比を求める比計算手段と、前記比の値を用いて前記内頸動脈の信号強度を補正する補正手段と、前記補正後の内頸動脈の信号に基づいて動脈入力関数を決定する関数決定手段と、前記動脈入力関数を用いて前記断層像に基づく脳血流計測を行う血流計測手段と、を具備することを特徴とする脳血流計測装置である。
【0010】
(1)および(2)に記載の各観点での発明では、動脈の信号強度の時間的変化および静脈の信号強度の時間的変化をそれぞれ求め、動脈の信号強度の時間的変化の最大値と静脈の信号強度の時間的変化の最大値との比を求め、この比の値を用いて動脈の信号強度を補正し、補正後の動脈の信号に基づいて動脈入力関数を求めるので、正しい動脈入力関数を得ることができ、この動脈入力関数を用いることにより脳血流計測を正しく行うことができる。
【0011】
前記補正手段は下記の式によって補正を行うことが、動脈の信号強度を正規化する点で好ましい。

【0012】
【数2】
Figure 0005143986
【0013】
ここで、
Sc(t):補正後の値
S(t):補正前の値
a:動脈の信号強度の時間的変化の最大値
b:静脈の信号強度の時間的変化の最大値
(3)上記の課題を解決する他の観点での発明は、被検体に造影剤を注入する注入手段と、前記造影剤の注入時点から予め定められた時間にわたって継続的に前記被検体の頭部の断層像を磁気共鳴を利用して撮影する撮影手段と、前記断層像に基づいて予め定められた動脈の信号強度の時間的変化および予め定められた静脈の信号強度の時間的変化をそれぞれ測定する信号変化測定手段と、前記動脈の信号に基づいて動脈入力関数を決定する関数決定手段と、前記動脈の信号強度の時間的変化の最大値と前記静脈の信号強度の時間的変化の最大値との比を求める比計算手段と、前記比の値を用いて前記動脈入力関数を補正する補正手段と、前記補正後の動脈入力関数を用いて前記断層像に基づく脳血流計測を行う血流計測手段と、を具備することを特徴とする脳血流計測装置である。
【0014】
(4)上記の課題を解決する他の観点での発明は、被検体に造影剤を注入する注入手段と、前記造影剤の注入時点から予め定められた時間にわたって継続的に前記被検体の頭部の断層像を磁気共鳴を利用して撮影する撮影手段と、前記断層像に基づいて内頸動脈の信号強度の時間的変化および上矢状静脈の信号強度の時間的変化をそれぞれ測定する信号変化測定手段と、前記内頸動脈の信号に基づいて動脈入力関数を決定する関数決定手段と、前記内頸動脈の信号強度の時間的変化の最大値と前記上矢状静脈の信号強度の時間的変化の最大値との比を求める比計算手段と、前記比の値を用いて前記動脈入力関数を補正する補正手段と、前記補正後の動脈入力関数を用いて前記断層像に基づく脳血流計測を行う血流計測手段と、を具備することを特徴とする脳血流計測装置である。
【0015】
(3)および(4)に記載の各観点での発明では、動脈の信号強度の時間的変化および静脈の信号強度の時間的変化をそれぞれ求め、動脈の信号に基づいて動脈入力関数を求め、動脈の信号強度の時間的変化の最大値と静脈の信号強度の時間的変化の最大値との比を求め、この比の値を用いて動脈入力関数を補正するので、正しい動脈入力関数を得ることができそれを用いて脳血流計測を正しく行うことができる。
【0016】
(5)上記の課題を解決する他の観点での発明は、被検体に造影剤を注入する注入手段と、前記造影剤の注入時点から予め定められた時間にわたって継続的に前記被検体の頭部の断層像を磁気共鳴を利用して撮影する撮影手段と、前記断層像に基づいて予め定められた動脈の信号強度の時間的変化および予め定められた静脈の信号強度の時間的変化をそれぞれ測定する信号変化測定手段と、前記動脈の信号に基づいて動脈入力関数を決定する関数決定手段と、前記動脈入力関数を用いて前記断層像に基づく脳血流計測を行う血流計測手段と、前記動脈の信号強度の時間的変化の最大値と前記静脈の信号強度の時間的変化の最大値との比を求める比計算手段と、前記比の値を用いて前記脳血流計測の計測値を補正する補正手段と、を具備することを特徴とする脳血流計測装置である。
【0017】
(6)上記の課題を解決する他の観点での発明は、被検体に造影剤を注入する注入手段と、前記造影剤の注入時点から予め定められた時間にわたって継続的に前記被検体の頭部の断層像を磁気共鳴を利用して撮影する撮影手段と、前記断層像に基づいて内頸動脈の信号強度の時間的変化および上矢状静脈の信号強度の時間的変化をそれぞれ測定する信号変化測定手段と、前記内頸動脈の信号に基づいて動脈入力関数を決定する関数決定手段と、前記動脈入力関数を用いて前記断層像に基づく脳血流計測を行う血流計測手段と、前記内頸動脈の信号強度の時間的変化の最大値と前記上矢状静脈の信号強度の時間的変化の最大値との比を求める比計算手段と、前記比の値を用いて前記脳血流計測の計測値を補正する補正手段と、を具備することを特徴とする脳血流計測装置である。
【0018】
(5)および(6)に記載の発明では、動脈の信号強度の時間的変化および静脈の信号強度の時間的変化をそれぞれ求め、動脈の信号に基づいて動脈入力関数を求め、動脈入力関数を用いて断層像に基づく脳血流計測を行い、動脈の信号強度の時間的変化の最大値と静脈の信号強度の時間的変化の最大値との比を求め、この比の値を用いて脳血流計測の計測値を補正するので、脳血流計測を正しく行うことができる。
【0019】
前記血流計測手段は脳血液量を計測することが、脳血液量を正しく計測する点で好ましい。
前記血流計測手段は脳血流量を計測することが、脳血流量を正しく計測する点で好ましい。
【0020】
前記血流計測手段は平均通過時間を計測することが、平均通過時間を正しく計測する点で好ましい。
前記血流計測手段は脳血液量、脳血流量および平均通過時間をそれぞれ計測することが、脳血液量、脳血流量および平均通過時間を正しく計測する点で好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は実施の形態に限定されるものではない。図1に脳血流計測システム(system)のブロック(block)図を示す。本システムは本発明の実施の形態の一例である。本システムの構成によって、本発明の装置に関する実施の形態の一例が示される。
【0022】
同図に示すように、本システムは、造影剤注入装置102、磁気共鳴撮影装置104、脳血流計測装置106、表示装置108および操作装置110を有する。本システムは、磁気共鳴撮影装置104の撮影空間に搬入された被検体200の脳血流を計測するシステムである。
【0023】
造影剤注入装置102は被検体200に造影剤を注入する。造影剤としては、サセプティビリティ効果を有する造影剤、例えば、ガドリニウム造影剤等が用いられる。被検体への注入は例えば静脈注射等によって行われる。注入はインパルス的に行われる。造影剤注入装置102は、本発明における注入手段の実施の形態の一例である。
【0024】
磁気共鳴撮影装置104は、被検体200内のプロトン(proton)のスピン(spin)の磁気共鳴を利用して頭部の断層像を撮影する。撮影には、時間分解能が高い断層像が得られる撮影方法、例えば、エコープラナー・イメージング(EPI:Echo Planar Imaging)法等が用いられる。
【0025】
撮影は造影剤注入と同時に開始され所定時間継続される。撮影継続時間は造影剤が脳を完全に通過する時間より長くしてある。撮影は、例えば図2に示すようなマルチスライス(multi−slice)によって行われ、複数のスライス位置における断層像をそれぞれ獲得する。
【0026】
撮影が所定の時間にわたって行われることにより、各スライスの断層像はいずれも複数フレーム(frame)の画像となる。各画像フレームそれぞれ異なる時相の断層像を与える。磁気共鳴撮影装置104は、本発明における撮影手段の実施の形態の一例である。
【0027】
このような断層像が脳血流計測装置106に入力される。脳血流計測装置106は、コンピュータ(computer)を利用したデータ(data)処理装置、例えば、エンジニアリング・ワークステーション(EWS:Engineering Work Station)等によって構成される。
【0028】
脳血流計測装置106には表示装置108および操作装置110が接続され、それらを通じて使用者がインタラクティブ(interactive)に脳血流計測装置106を操作することが可能になっている。
【0029】
図3に、本システムの動作のフロー(flow)図を示す。同図に示すように、ステップ(step)302で、頭部造影撮影が行われる。すなわち、造影剤注入装置102により被検体200に造影剤を注入するとともに、磁気共鳴撮影装置104によって被検体200の頭部のマルチスライス撮影を所定の時間にわたって行う。これによって、複数スライスのおのおのについて複数フレームの断層像が得られ、これらの断層像が脳血流計測装置106に入力される。
【0030】
次に、ステップ304で、内頸動脈信号強度変化測定が行われる。この測定は脳血流計測装置106のデータ処理機能によって行われる。これ以降のステップの各処理も同様である。このステップにおける脳血流計測装置106は、本発明における信号変化測定手段の実施の形態の一例である。
【0031】
信号強度変化を測定すべき個所は、例えば図4に示すように、脳底部の断層像上に関心領域ROIaとして予め使用者によって設定されている。関心領域ROIaは内頸動脈の断面の輪郭に沿って設定されたものである。この断層像は、例えば図2におけるスライス番号4の断層像に相当する。
【0032】
関心領域ROIaを設定する断層像としては、スライス6における断層像を用いるようにしてもよい。スライス6は内頸動脈がほぼスライスに平行に走行する部分であり、内頸動脈が比較的大きく描出されるので、関心領域ROIaの設定がやりやすい。
【0033】
なお、ここでは内頸動脈を選択しているが、これは一般的な脳血流計測の手法に従ったものであり、内頸動脈に限る必要はない。以下、内頸動脈の例で説明するが他の血管の場合も同様になる。
【0034】
この関心領域ROIaの信号強度について造影剤注入前の値からの変化が各フレームごとに求められる。これによって、例えば図5に示すような信号強度変化曲線が得られる。同図において縦軸は信号強度であり、横軸は時間である。なお、時間の原点は造影剤注入開始点である。
【0035】
次に、ステップ306で、最大値抽出が行われる。これによって、図5に示した信号強度変化曲線のピーク(peak)値aが抽出される。
次に、ステップ308で、上矢状静脈信号強度変化測定が行われる。測定すべき個所は、例えば図6に示すように、脳中部の断層像上に関心領域ROIbとして予め使用者によって設定されている。関心領域ROIbは上矢状静脈の断面の輪郭に沿って設定されたものである。この断層像は、例えば図2におけるスライス番号8の断層像に相当する。
【0036】
この関心領域ROIbの信号強度について造影剤注入前の値からの変化が各フレームごとに求められる。これによって、例えば図7に示すような信号強度変化曲線が得られる。このステップにおける脳血流計測装置106は、本発明における信号変化測定手段の実施の形態の一例である。
【0037】
ここでは、上矢状静脈を選択しているが上矢状静脈に限るものではなく、全脳血液がスライスにほぼ垂直に通過し、かつ血管径が1ピクセルサイズより大きな血管であればよい。以下、上矢状静脈の例で説明するが他の血管の場合も同様になる。
【0038】
次に、ステップ310で、最大値抽出が行われる。これによって、図7に示した信号強度変化曲線のピーク値bが抽出される。
内頸動脈の信号強度変化と上矢状静脈の信号強度変化を同一の時間軸上に示せば、例えば図8に示すようになる。同図に示すように、上矢状静脈の信号強度変化は内頸動脈の信号強度変化よりも遅れて生じる。
【0039】
次に、ステップ312で、比計算が行われる。これによって、ピーク値aの対するピーク値bの比すなわちb/aが求められる。このステップにおける脳血流計測装置106は、本発明における比計算手段の実施の形態の一例である。
【0040】
次に、ステップ314で、内頸動脈信号強度変化補正が行われる。この補正は、内頸動脈信号強度の各瞬時値に比b/aを乗じることによって行われる。すなわち、
【0041】
【数3】
Figure 0005143986
【0042】
ここで、
Sc(t):補正後の内頸動脈信号強度変化
S(t):補正前の内頸動脈信号強度変化
このステップにおける脳血流計測装置106は、本発明における補正手段の実施の形態の一例である。
【0043】
このような補正により、内頸動脈信号強度変化は、図9に破線で示すようなものになる。補正後の内頸動脈信号強度変化のピーク値は、上矢状静脈信号強度変化のピーク値bに一致する。
【0044】
内頸動脈の信号強度変化は、前述したように、断層像を撮影するスライス位置に由来する画像のゆがみや信号強度の精度低下等により、不正確なものになりやすい。これに対して、上矢状静脈は脳に流入したすべての血液が集まって流れる比較的太い血管であり、しかも、その断層像を撮影するスライス位置は脳中部であるから、画像のゆがみや信号強度の精度低下等は脳底部に比べてはるかに少ない。このため、上矢状静脈の信号強度変化の測定値は、内頸動脈の信号強度変化の測定値よりもはるかに正確である。
【0045】
このような測定値のピーク値bの内頸動脈信号強度変化のピーク値aに対する比b/aを内頸動脈信号強度変化の瞬時値に乗じるので、内頸動脈信号強度変化の各瞬時値は、上矢状静脈信号強度変化のピーク値に基づく正規化(ノーマライズ:normalize)が行われることになる。このような正規化により、内頸動脈信号強度変化は上矢状静脈信号強度変化と同程度の正確さを持つものとなる。
【0046】
次に、ステップ316で、動脈入力関数決定を行う。動脈入力関数決定は、上記のような補正後の内頸動脈信号強度変化曲線、すなわち、図9に破線で示した信号強度変化曲線に基づいて決定する。このように補正後の内頸動脈信号強度変化曲線に基づいて動脈入力関数を決定することにより、精度の良い動脈入力関数を得ることができる。このステップにおける脳血流計測装置106は、本発明における関数決定手段の実施の形態の一例である。
【0047】
次に、ステップ318で、脳血流計測が行われる。ここでの脳血流測定は、動脈入力関数として上記のようにして求めたものを用いる以外は従来と同様にして行われる。
【0048】
すなわち、所望のスライスの断層像について関心領域の信号強度を求め、それを次式によって造影剤濃度値に変換する。
【0049】
【数4】
Figure 0005143986
【0050】
ここで、
k:定数
TE:エコータイム(echo time)
S(t):信号強度
S0:造影剤注入前の信号強度
この造影剤濃度値Cm(t)を用いて、次式により局所脳血液量rCBVを求める。
【0051】
【数5】
Figure 0005143986
【0052】
ここで、
kH:定数
ρ:脳密度
S(t):信号強度
AIF(t):動脈入力関数
また、造影剤濃度値Cm(t)が、次式および図10に示すように、造影剤濃度のインパルスレスポンスC(t)と動脈入力関数AIF(t)とのコンボリューションで与えられることにより、
【0053】
【数6】
Figure 0005143986
【0054】
造影剤濃度値Cm(t)を動脈入力関数AIF(t)でデコンボリューションすることにより、造影剤濃度のインパルスレスポンスC(t)を求める。
次式の関係から局所脳血流量rCVFを求める。
【0055】
【数7】
Figure 0005143986
【0056】
ここで、
Cmax:C(t)のピーク値
次式の関係から平均通過時間MTTを求める。
【0057】
【数8】
Figure 0005143986
【0058】
このステップにおける脳血流計測装置106は、本発明における血流計測手段の実施の形態の一例である。
次に、ステップ320で、血流計測値の表示および記憶が行われる。
【0059】
比b/aを用いた補正は、内頸動脈信号強度変化の代わりに、補正前の内頸動脈信号強度変化に基づいて仮に決定した動脈入力関数について行うようにしてもよい。そのようにした場合の本システムの動作を図11に示す。
【0060】
同図において、ステップ312までは図3に示したフロー図と共通である。次のステップ334で、動脈入力関数仮決定を行う。すなわち動脈入力関数を補正前の内頸動脈信号強度変化に基づいて仮に決定する。このステップにおける脳血流計測装置106は、本発明における関数決定手段の実施の形態の一例である。
【0061】
次に、ステップ336で、動脈入力関数補正を行う。補正はステップ334で仮決定した動脈入力関数の比b/aを乗じることによって行う。これによって、補正後の内頸動脈信号強度変化に基づいて決定動脈入力関数と同等ものが得られる。このステップにおける脳血流計測装置106は、本発明における補正手段の実施の形態の一例である。
【0062】
以下、補正後の動脈入力関数を用いて、ステップ338で上述と同様な血流計測を行う。このステップにおける脳血流計測装置106は、本発明における血流計測手段の実施の形態の一例である。ステップ340で計測値を表示および記憶する。
【0063】
比b/aを用いた補正は、血流計測値について行うようにしてもよい。そのようにした場合の本システムの動作を図12に示す。
同図において、ステップ334までは図11に示したフロー図と共通である。次のステップ356で、仮決定の動脈入力関数を用いて、上述と同様な血流計測を行う。このステップにおける脳血流計測装置106は、本発明における血流計測手段の実施の形態の一例である。
【0064】
次に、ステップ358で、計測値補正を行う。計測値補正は比b/aを用いて行う。この場合の補正は必ずしも単純な比の乗算とはならないが、それぞれの計測値を求める式の形に応じた補正は可能である。このステップにおける脳血流計測装置106は、本発明における補正手段の実施の形態の一例である。補正後の各計測値はステップ360で表示および記憶される。
【0065】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、脳血流計測を正しく行う脳血流計測装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例の装置のブロック図である。
【図2】頭部にマルチスライスの概念図である。
【図3】本発明の実施の形態の一例の装置の動作の一例のフロー図である。
【図4】頭部断層像を示す略図である。
【図5】内頸動脈信号強度変化を示す波形図である。
【図6】頭部断層像を示す略図である。
【図7】上矢状静脈信号強度変化を示す波形図である。
【図8】内頸動脈信号強度変化および上矢状静脈信号強度変化を示す波形図である。
【図9】内頸動脈信号強度変化の補正を示す波形図である。
【図10】造影剤濃度変化、造影剤濃度インパルスレスポンスおよび動脈入力関数の関係を示す波形図である。
【図11】本発明の実施の形態の一例の装置の動作の一例のフロー図である。
【図12】本発明の実施の形態の一例の装置の動作の一例のフロー図である。
【符号の説明】
102 造影剤注入装置
104 磁気共鳴撮影装置
106 脳血流計測装置
108 表示装置
110 操作装置

Claims (11)

  1. 被検体に造影剤を注入する注入手段と、
    前記造影剤の注入時点から予め定められた時間にわたって継続的に前記被検体の頭部の断層像を磁気共鳴を利用して撮影する撮影手段と、
    前記断層像に基づいて予め定められた動脈の信号強度の時間的変化および予め定められた静脈の信号強度の時間的変化をそれぞれ測定する信号変化測定手段と、
    前記動脈の信号強度の時間的変化の最大値と前記静脈の信号強度の時間的変化の最大値との比を求める比計算手段と、
    前記比の値を用いて前記動脈の信号強度を補正する補正手段と、
    前記補正後の動脈の信号に基づいて動脈入力関数を決定する関数決定手段と、
    前記動脈入力関数を用いて前記断層像に基づく脳血流計測を行う血流計測手段と、
    を具備することを特徴とする脳血流計測装置。
  2. 被検体に造影剤を注入する注入手段と、
    前記造影剤の注入時点から予め定められた時間にわたって継続的に前記被検体の頭部の断層像を磁気共鳴を利用して撮影する撮影手段と、
    前記断層像に基づいて内頸動脈の信号強度の時間的変化および上矢状静脈の信号強度の時間的変化をそれぞれ測定する信号変化測定手段と、
    前記内頸動脈の信号強度の時間的変化の最大値と前記上矢状静脈の信号強度の時間的変化の最大値との比を求める比計算手段と、
    前記比の値を用いて前記内頸動脈の信号強度を補正する補正手段と、
    前記補正後の内頸動脈の信号に基づいて動脈入力関数を決定する関数決定手段と、
    前記動脈入力関数を用いて前記断層像に基づく脳血流計測を行う血流計測手段と、
    を具備することを特徴とする脳血流計測装置。
  3. 前記補正手段は下記の式によって補正を行う、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の脳血流計測装置。

    Figure 0005143986
    ここで、
    Sc(t):補正後の値
    S(t):補正前の値
    a:前記動脈の信号強度の時間的変化の最大値
    b:前記静脈の信号強度の時間的変化の最大値
  4. 被検体に造影剤を注入する注入手段と、
    前記造影剤の注入時点から予め定められた時間にわたって継続的に前記被検体の頭部の断層像を磁気共鳴を利用して撮影する撮影手段と、
    前記断層像に基づいて予め定められた動脈の信号強度の時間的変化および予め定められた静脈の信号強度の時間的変化をそれぞれ測定する信号変化測定手段と、
    前記動脈の信号に基づいて動脈入力関数を決定する関数決定手段と、
    前記動脈の信号強度の時間的変化の最大値と前記静脈の信号強度の時間的変化の最大値との比を求める比計算手段と、
    前記比の値を用いて前記動脈入力関数を補正する補正手段と、
    前記補正後の動脈入力関数を用いて前記断層像に基づく脳血流計測を行う血流計測手段と、
    を具備することを特徴とする脳血流計測装置。
  5. 被検体に造影剤を注入する注入手段と、
    前記造影剤の注入時点から予め定められた時間にわたって継続的に前記被検体の頭部の断層像を磁気共鳴を利用して撮影する撮影手段と、
    前記断層像に基づいて内頸動脈の信号強度の時間的変化および上矢状静脈の信号強度の時間的変化をそれぞれ測定する信号変化測定手段と、
    前記内頸動脈の信号に基づいて動脈入力関数を決定する関数決定手段と、
    前記内頸動脈の信号強度の時間的変化の最大値と前記上矢状静脈の信号強度の時間的変化の最大値との比を求める比計算手段と、
    前記比の値を用いて前記動脈入力関数を補正する補正手段と、
    前記補正後の動脈入力関数を用いて前記断層像に基づく脳血流計測を行う血流計測手段と、
    を具備することを特徴とする脳血流計測装置。
  6. 被検体に造影剤を注入する注入手段と、
    前記造影剤の注入時点から予め定められた時間にわたって継続的に前記被検体の頭部の断層像を磁気共鳴を利用して撮影する撮影手段と、
    前記断層像に基づいて予め定められた動脈の信号強度の時間的変化および予め定められた静脈の信号強度の時間的変化をそれぞれ測定する信号変化測定手段と、
    前記動脈の信号に基づいて動脈入力関数を決定する関数決定手段と、
    前記動脈入力関数を用いて前記断層像に基づく脳血流計測を行う血流計測手段と、
    前記動脈の信号強度の時間的変化の最大値と前記静脈の信号強度の時間的変化の最大値との比を求める比計算手段と、
    前記比の値を用いて前記脳血流計測の計測値を補正する補正手段と、
    を具備することを特徴とする脳血流計測装置。
  7. 被検体に造影剤を注入する注入手段と、
    前記造影剤の注入時点から予め定められた時間にわたって継続的に前記被検体の頭部の断層像を磁気共鳴を利用して撮影する撮影手段と、
    前記断層像に基づいて内頸動脈の信号強度の時間的変化および上矢状静脈の信号強度の時間的変化をそれぞれ測定する信号変化測定手段と、
    前記内頸動脈の信号に基づいて動脈入力関数を決定する関数決定手段と、
    前記動脈入力関数を用いて前記断層像に基づく脳血流計測を行う血流計測手段と、
    前記内頸動脈の信号強度の時間的変化の最大値と前記上矢状静脈の信号強度の時間的変化の最大値との比を求める比計算手段と、
    前記比の値を用いて前記脳血流計測の計測値を補正する補正手段と、
    を具備することを特徴とする脳血流計測装置。
  8. 前記血流計測手段は脳血液量を計測する、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項7のうちのいずれか1つに記載の脳血流計測装置。
  9. 前記血流計測手段は脳血流量を計測する、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項7のうちのいずれか1つに記載の脳血流計測装置。
  10. 前記血流計測手段は平均通過時間を計測する、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項7のうちのいずれか1つに記載の脳血流計測装置。
  11. 前記血流計測手段は脳血液量、脳血流量および平均通過時間をそれぞれ計測する、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項7のうちのいずれか1つに記載の脳血流計測装置。
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