JP4040891B2 - 建造物のレベル調整方法及び沈下計測装置 - Google Patents

建造物のレベル調整方法及び沈下計測装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4040891B2
JP4040891B2 JP2002057074A JP2002057074A JP4040891B2 JP 4040891 B2 JP4040891 B2 JP 4040891B2 JP 2002057074 A JP2002057074 A JP 2002057074A JP 2002057074 A JP2002057074 A JP 2002057074A JP 4040891 B2 JP4040891 B2 JP 4040891B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
prediction
building
subsidence
settlement
jack
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2002057074A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003253693A (ja
Inventor
幹夫 松尾
心 山崎
実 陣内
▲清▼人 美奈川
照吉 真崎
公志郎 山村
秀徳 真子
秀光 末吉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Matsuo Construction Co Ltd
Original Assignee
Matsuo Construction Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsuo Construction Co Ltd filed Critical Matsuo Construction Co Ltd
Priority to JP2002057074A priority Critical patent/JP4040891B2/ja
Publication of JP2003253693A publication Critical patent/JP2003253693A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4040891B2 publication Critical patent/JP4040891B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Working Measures On Existing Buildindgs (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地盤の不同沈下により建造物に傾きが生じたときにジャッキアップ工法を用いてレベル修正を行う建造物のレベル調整方法及びこの方法を実施する際に用いる沈下計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
軟弱地盤上の建造物の基礎が不同沈下を起こし、居住性、機能性、構造安全性の観点から許容できないと判断した場合には、基礎の復旧が必要となる。このため、比較的良質な軟弱地盤の場合でも、支持杭としている場合が多く、これが基礎のコストアップにつながっている。
【0003】
そこで、比較的良質な軟弱地盤の場合、建造物の荷重にもよるが、不同沈下を起こした場合の対策として、ジャッキアップ工法を前もって準備しておけば、必要最低限の地盤改良等を採用しても初期建築コストを安くできる利点があると共に、水平に戻せるので安心感が得られる(尚、ジャッキアップ工法は、本来、騒音、振動、埃が無く、居住したまま工事か可能で、施工中から工事が可能であるという特徴を有している)。
【0004】
そのためには、建造物の着工前に、建設予定地においてジャッキアップ工法の採用が可能か否かを判断するのに地盤沈下を予測する必要がある。また、ジャッキアップ工法を採用した場合、当然施工中や竣工後においても不同沈下を起こすため、実際の沈下量を計測し、地盤沈下を予測する必要がある。
【0005】
現状の沈下計算、予測は一般に、圧密沈下量を一次元圧密理論に準じ、圧密試験結果を用いてe〜logP、Cc、mvを用いた3式で計算し、弾性沈下量を地盤の変形係数E、ポアソン比νを用いて弾性理論で計算し、かつクリープ(二次圧密沈下)を圧密試験結果のCα法を用いて計算し、これらを合計している。
【0006】
また、沈下予測においては、土質試験結果を用いて、粘弾塑性有限要素法解析(「カムクレーモデル」、「太田・関口モデル等」)を行ったり、ある期間の実測沈下量を用いて最終沈下量、沈下挙動を「双曲線法」や「浅岡法」で予測している。ところが、前者の場合は複雑な土層構成、各土層のパラメータの設定が難しく、事前設計に用いるのは非常にむずかしい。一方、後者の場合は実荷重による実際の沈下量に基づいた予測であり、精度は良いが、工事着工後の観測施工(情報化施工)が主であり、着工前に行うには大規模となる門題点がある。何れにしても、地盤沈下量の予測には不確定要素が多く、高精度で予測するためには、実際の沈下挙動を確認し、それに基づいた解析が必要である。
【0007】
ところで、実際の沈下は、弾性、圧密、クリープ(二次圧密)が同時に進行している。従って、計算値と実際の最終沈下量が同等としても、その過程は異なる。また、土層構成(沈下対象層厚)の変化、土質諸係数のバラツキ、載荷速度の相違、土質調査の限界等により、計算及び事前予測沈下量と実測沈下量は必ずしも一致しないのが現実である。従って、いかに現実の沈下量を早期に確認し、その結果を予測にフィードバックするか、また、このデータをいかに多く蓄積するかが高精度の予測法を確立する重要な要素である。
【0008】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、高精度な沈下予測に基づいてジャッキアップ工法を安全かつ効率的に実施して初期建築コストを安くできる信頼性の高い建造物のレベル調整方法と、この方法を実施する際に用いて有効な沈下計測装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決するための本発明に係る建造物のレベル調整方法は、地盤の不同沈下により建造物に傾きが生じたときにジャッキアップ工法を用いてレベル修正を行う方法であって、設計前に建設予定地の地盤沈下を予測する第1の工程と、前記予測後に構造設計する第2の工程と、前記設計後の地盤沈下を予測する第3の工程と、前記予測後に建設を開始する第4の工程と、前記建設中の沈下状況を監視する第5の工程と、前記監視下でジャッキアップ工法を用いて建造物をジャッキアップする第6の工程と、前記建設後の沈下状況を監視する第7の工程と、前記監視下で建設後にジャッキアップ工法を用いて建造物をジャッキアップする第8の工程と、を有し、前記第1の工程において、地盤情報データベースを用いた沈下予測を行う第1段予測と土質調査情報を用いた沈下予測を行う第2段予測とを実施すると共に、前記第3の工程において、沈下測定装置による実沈下データを用いた沈下予測を行う第3段予測を実施し、前記第5の工程及び第7の工程において、実構造物建設中及び建設後の実沈下量測定による沈下予測を行う第4段予測を実施することを特徴とする。
【0011】
また、前記第2段予測と第3段予測と第4段予測の各データは前記第1段予測の地盤情報データベースに蓄積されることを特徴とする。
【0012】
また、前記建造物をジャッキアップする際には、基礎から切り離された各柱脚部に複数台の油圧ジャッキを配し、1台の電動ポンプで各油圧ジャッキに同時に油圧をかけ、必要なジャッキアップ量の制御を変位制御で行うことを特徴とする。
【0013】
また、前記建造物をジャッキアップする際には、各油圧ジャッキのアップ量の計測と建造物フレームの応力解析とを常に平行して行うことを特徴とする。
【0014】
また、前記第5工程及び第7工程において、建造物に設置した沈下センサーを用いて不同沈下を遠隔監視することを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る沈下計測装置は、前記建造物のレベル調整方法に用いる沈下計測装置であって、ボーリング孔を介して支持層に立設されたロッドと、該ロッドを中央に貫通させて地表面に設置された底板と、該底板上に設置されて流動体を貯留可能な貯留槽と、該貯留槽と前記ロッドとの間に介装された変位計と、を有することを特徴とする。
【0016】
また、前記貯留槽は複数個からなることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る建造物のレベル調整方法及びこれに用いる沈下計測装置を実施例により図面を用いて詳細に説明する。
【0018】
[実施例]
図1は本発明の一実施例に係る建造物のレベル調整方法の概略フロー図、図2は地盤沈下予測システムの概略フロー図、図3は沈下計測装置の構造説明図、図4はジャッキアップ工事システムの作業手順を示すフロー図、図5は油圧ジャッキの動作説明図、図6はポンプ・ジャッキの配置図、図7はジャッキアップ柱脚詳細図、図8はフィラープレート取付詳細図、図9はジャッキアップ工事中の安全監視システムの作業手順を示すフロー図、図10は各柱脚の時系列変化のアップ量実測値のグラフ、図11は各柱脚の時系列変化のアップ量予測値のグラフ、図12は遠隔監視システムの説明図である。
【0019】
本実施例に係る建造物のレベル調整方法は、図1の建造物のレベル調整方法の概略フロー図に示すように、地盤の不同沈下により建造物に傾きが生じたときにジャッキアップ工法を用いてレベル修正を行うものである。
【0020】
先ず、ステップP1で後述する地盤沈下予測システムにより設計前に建設予定地の地盤沈下を予測し(第1の工程)、その後ステップP2で鉄骨構造等の規模等の構造設計を行う(第2の工程)。次に、ステップP3で再度後述する地盤沈下予測システムにより設計後の地盤沈下を予測する(第3の工程)。ここまでは着工前の手順である。
【0021】
次に、ステップP4で建設を開始し(第4の工程、地盤沈下も開始する)、その後ステップP5で建設中の沈下状況を計測・解析・照合等を行って監視する(第5の工程)。次に、ステップP6で前記監視下で建設中に後述するジャッキアップ工法(ジャッキアップ工事システム)やジャッキアップ工事中の安全監視システムを用いて建造物をジャッキアップし(第6の工程)、その後ステップP7で建設が終了したか否かを判断し、終了していなければステップP5に戻り、沈下状況を監視する。一方、終了していればステップP8に移行する。ここまでは施工中の手順である。
【0022】
次に、ステップP8で前記建設後の沈下状況を計測・解析・照合等を行って監視し(第7の工程)。その後ステップP9で前記監視下で建設後にジャッキアップ工法(ジャッキアップ工事システム−後述する)やジャッキアップ工事中の安全監視システム(後述する)を用いて建造物をジャッキアップする(第8の工程)。その後ステップP10で建造物に有害な沈下が終了したか否かを判断し、終了していなければステップP8に戻り、沈下状況を監視する。一方、終了していれば本レベル調整方法の実施を終了する。ここまでは竣工後の手順である。
【0023】
このように着工前の設計前に建設予定地の地盤沈下を予測するので、ジャッキアップ工法の採用の可否を容易に判断できる。また、着工前の設計後の地盤沈下を予測するので、高精度な沈下予測に基づいて鉄骨構造の基礎形式やジャッキアップ工法の仕様等が確定される。また、建設中及び建設後に沈下状況を計測・解析・照合等を行って監視するので、ジャッキアップ工法を安全かつ効率的に実施できる。これらの結果、初期建築コストを安くできると共にレベル調整方法の信頼性が高まる。
【0024】
そして、本実施例では、前述した建造物のレベル調整方法を実施する際に、図2の地盤沈下予測システムの概略フロー図に示すように、4段階に亙って地盤沈下予測を行うようになっている。
【0025】
即ち、前記ステップP1(第1の工程)において、地盤情報データベースから、建設予定地の土層構成、土質パラメータを推測し、構造物(建造物)荷重による地盤沈下を予測する第1段地盤沈下予測(本フローのステップP11参照)を実施し、この結果から、基礎形式(ベタ基礎、独立基礎等)を設定し、ジャッキアップ時期、回数を仮定すると共に、建設予定地で土質調査を行い、その結果をもとに、構造物荷重による地盤沈下を予測する第2段地盤沈下予測(本フローのステップP12参照)を実施し、この結果から、基礎形式(ベタ基礎、独立基礎等)を設定し、ジャッキアップ時期、回数を仮定するのである。
【0026】
また、前記ステップP3(第3の工程)において、建設予定地で後述する沈下測定装置を用い実際の沈下を計測し、その結果をもとに、構造物荷重による地盤沈下を予測する第3段地盤沈下予測(本フローのステップP13参照)を実施し、この結果から、最適な基礎形式(ベタ基礎、独立基礎等)を決定し、ジャッキアップ時期、回数を仮定すると共に、前記ステップP5(第5工程)及びステップP8(第7工程)において、実構造物建設中及び建設後の実際の沈下を計測し、地盤沈下を予測する第4段地盤沈下予測(本フローのステップP14参照)を実施し、この結果により、ジャッキアップの正確な時期及びジャッキアップ量を決定するのである。
【0027】
そして、前記第2段地盤沈下予測と第3段地盤沈下予測と第4段地盤沈下予測の各データは前記第1段地盤沈下予測の地盤情報データベースに蓄積されるようになっている。
【0028】
このように事前予測沈下量に加えて現実の沈下量を早期に確認できるようにしたので、より高精度な沈下予測が行える。また、各データを第1段地盤沈下予測にフィードバックして蓄積するようにしたので、地盤情報データベースが高精度で予測できる情報ベースとして成長することができる。
【0029】
また、前記沈下測定装置は、図3に示すように、建設予定地の支持層1まで実施された土質調査又は土層確認用のボーリング孔2と、該ボーリング孔2を介して前記支持層1に下端部がモルタル等で定着されたロッド3と、該ロッド3を中央に貫通させて地表面GLに図示しないアンカー棒等を介して設置された組立式の矩形状の底板4と、該底板4上に設置されて水(泥水、乾燥砂等の流動体でも良い)を貯留可能な複数個(図示例では4個)のユニット函体(貯留槽)5a〜5dと、該ユニット函体5a〜5dの一つ又は全部と前記ロッド3上端に固設したプレート6との間に介装された沈下計測変位計7とから概ね構成される。尚、図中8a〜8cはバルブ付の連結管で、9a〜9dはバルブ付の排水管である。
【0030】
従って、前記ユニット函体5a〜5d内に水を所定荷重まで充填させることで、前記ロッド3上端を不動点として沈下計測変位計7により実際の沈下量が電気的に計測される。つまり、計算と比べて現実性がある沈下量が把握できるのである。
【0031】
また、前記沈下測定装置は、建設予定地内のボーリング調査3〜4箇所に組み立て設置され、各装置において載荷荷重を各々変えて沈下計測が開始される。そこで、各装置毎の時間〜沈下量関係をプロットすることで、各荷重に対する実測沈下量から最終沈下量を予測し、調査地盤での沈下特性を推定し、実際の構造物荷重に対する沈下量を高精度で予測できる。
【0032】
また、前記沈下測定装置では、荷重として水を使用しているため、載荷速度、載荷・除荷に容易に対応でき、建設予定地の実沈下データが簡単に得られる。また、軽量材を用いたユニット函体5a〜5dによる装置であるため、運搬・組立・解体が容易である。また、前記ユニット函体5a〜5dは複数個からなるので、偏心荷重の載荷も各ユニット函体5a〜5d内の水の貯溜量調整で容易に可能となる。
【0033】
前記ジャッキアップ工事は、図4のジャッキアップ工事システムの作業手順を示すフロー図にしたがって、図5に示す油圧ジャッキ装置10を使用して実施される。
【0034】
即ち、前記油圧ジャッキ装置10は、図5に示すように、下部プレート11と、該下部プレート11上に設置された油圧ジャッキ12と、該油圧ジャッキ12のラム上端に取り付けられた上部プレート13と、該上部プレート13に載置された調整ロッド14及び当て板15と、前記下部プレート11に立設され螺子切りされた上端側が上部プレート13を貫通する4本の支持鋼棒16と、該支持鋼棒16の螺子部に上部プレート13の下方に位置して螺合された下部ナット17と、同じく支持鋼棒16の螺子部に上部プレート13の上方に位置して螺合された上部ナット18とから概ね構成される。
【0035】
そして、この油圧ジャッキ装置10は、例えば図6に示すように、建造物の17本の柱脚20部(厳密には梁下)にそれぞれ1〜4本宛配置されて一台の電動ポンプ21に対し複数個の分岐金具22及び複数本の油圧ホース23で接続される。また、図7に示すように、前記各柱脚20は基礎24と切り離されることから、各柱脚20のベースプレート25にシアキー26を取り付けることで、建造物への水平力に対応され、数回のジャッキアップを可能としている。尚、図中27はベースプレート25を基礎24に固結するアンカーボルトである。また、図示しないが、各柱脚20には変位計が取り付けられ、その信号が同じく図示しない計測装置に入力されるようになっている。
【0036】
このような条件下で、図4のジャッキアップ工事システムの作業手順を示すフロー図にしたがって、ジャッキアップ工事が実施される。
【0037】
先ず、ステップP20で施工計画の立案が作成される。即ち、ジャッキアップ時における各柱脚20のアップ量の時系列予測の解析、それに伴うフレーム応力を解析し、これらの解析結果に基づいてジャッキアップ量及びジャッキアップ回数の計画やフィラープレート28(図8参照)厚み他工事計画を決定するのである。次に、ステップP21でストッパ治具(支持鋼棒16、下部ナット17、上部ナット18)や油圧ジャッキ12の機器類を搬入する。次に、ステップP22でストッパ治具を配置・組立し、油圧ジャッキ12を据え付ける(図5の(a)参照)。次に、ステップP23で電動ポンプ21・分岐金具22・油圧ホース23を接続し、その後ステップP24で柱脚20のアンカーボルト27のナットを緩める。次に、ステップP25で計測用機器類をセットする。ここまでが準備段階である。
【0038】
次に、ステップP26でストッパ治具の下部ナット17を調整する(図5の(b)参照)。即ち、1〜2トン程度加圧して当て板15を建造物の梁に当て、下部ナット17を上部プレート13に当たるまで締め上げるのである。次に、ステップP27で減圧した後、ステップP28で上部ナット18の調整を行う(図5の(b)参照)。即ち、ジャッキアップ量分の隙間を空けるのである。次に、ステップP29で後述するジャッキアップ工事中の安全監視システムを作動させながら加圧する(図5の(c)参照)。即ち、全ての上部プレート13が上部ナット18に当たるまで徐々に加圧するのである。次に、ステップP30で下部ナット17を上部プレート13に当たるまで締め上げる(図5の(d)参照)。次に、ステップP31で建造物が所定の高さまで達したか判断し、達していなかったらステップP27に戻ってジャッキアップをやり直し、達していればステップP32でベースプレート25下部に複数分割されたフィラープレート28を挿入する(図8参照)。ここまでが実施段階である。
【0039】
次に、ステップP33でストッパ治具の下部ナット17が緩むまで加圧し、その後ステップP34で下部ナット17を緩める。次に、ステップP35で減圧(柱脚20を降ろす)。即ち、ベースプレート25下面がフィラープレート28に当たるまで下げるのである。次に、ステップP36で着地の確認をした後、ステップP37で柱脚20のアンカーボルト27のナットを締める。次に、ステップP38で各種機器類の撤去・搬出を行う。ここまでが後処理段階である。
【0040】
このようにして、1台の電動ポンプ21で多数の油圧ジャッキ装置10(油圧ジャッキ12)に同時に油圧をかけ、必要なジャッキアップ量の制御を変位制御で行うので、ジャッキアップ量の制御が容易であると共に、作業員の員数削減、装置の部品点数削減によりコストダウンが図れる。
【0041】
また、前記ジャッキアップ工事中には、図9のジャッキアップ工事中の安全監視システムの作業手順を示すフロー図に沿って安全監視が行われる。
【0042】
先ず、ステップP40で各柱脚20をジャッキアップするそのアップ量を即時に計測し、その時系列変化をグラフ表示し、その後ステップP41で各柱脚20の時系列変化のアップ量予測値と実計測値とを照合する。即ち、図10の各柱脚の時系列変化のアップ量実測値のグラフと図11の各柱脚の時系列変化のアップ量予測値のグラフとを比較照合するのである。尚、図10及び図11のグラフでは17本の柱脚20の中、8本の柱脚20のジャッキアップ量を便宜上表示している。
【0043】
次に、ステップP42で実測値に異常はないか判断し、無ければステップP50で図10の各柱脚の時系列変化のアップ量実測値のグラフにより、建造物が所要の高さに達したか判断する。実測値異常の例としては、特定の柱脚20のみ非常に大きなアップ量を示したり、特定の柱脚20のみジャッキアップされない場合が考えられる。前記ステップP50で所要の高さに達したら工事は終了し、達していなければステップP40に戻り、安全監視をやり直す。
【0044】
前記ステップP42で異常があれば、ステップP43でジャッキアップを直ちに中止した後、ステップP44で問題の分析と原因のチェックを行う。原因のチェック例としては、治具の確認(上部ナット18のセットミス等)、計測器具の確認(各柱脚20にセットした変位計のセットミス等)、予測値確認(解析・グラフミス)等がある。
【0045】
次に、ステップP45で実測アップ量によるフレーム応力解析をジャッキアップシミュレーション有限要素解析モデル等を用いて現場で即実行し、その後ステップP46で解析結果を現場で分析する。
【0046】
次に、ステップP47で構造安全性に特に問題ないか判断し、無ければステップP50に移行する。問題が有ればステップP48で対応策を検討した後、ステップP49で対応策を実施し、その後ステップP50に移行する。対応策の例としては、特定の柱脚20のみジャッキアップを行ったり、一度、全ての柱脚20を水平高さに揃え、それから目標値までジャッキアップを数回に分けて行ったりして、ジャッキアップ量の再調整を行うことが考えられる。また、特定の柱脚20のみ極端に予測値よりジャッキアップ量が遅れる場合、ジャッキアップ装置10を増やして対応したりして、ジャッキアップ装置10の増減も考えられる。
【0047】
このようにして、前記建造物をジャッキアップする際には、各油圧ジャッキ装置10(油圧ジャッキ12)のアップ量の計測と建造物フレームの応力解析とを常に平行して行うので、ジャッキアップ工事を安全かつ高精度に実施できる。
【0048】
更に、本実施例では、図12に示すように、建造物の各柱脚20間に亙って沈下センサー30が設置され、建設中や建物竣工後において、この沈下センサー30からの検出信号を電子メールで携帯電話31や会社パソコン(パーソナルコンピュータ)32に入力して、不同沈下を遠隔監視するようになっている。これにより、建設中や建設後のジャッキアップ工事時期を自動的にかつ確実に把握できる。
【0049】
尚、本発明は上記実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、各種変更が可能であることはいうまでもない。例えば、沈下計測装置の貯留槽は一個でも良い。
【0050】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、請求項1に係る発明の建造物のレベル調整方法によれば、地盤の不同沈下により建造物に傾きが生じたときにジャッキアップ工法を用いてレベル修正を行う方法であって、設計前に建設予定地の地盤沈下を予測する第1の工程と、前記予測後に構造設計する第2の工程と、前記設計後の地盤沈下を予測する第3の工程と、前記予測後に建設を開始する第4の工程と、前記建設中の沈下状況を監視する第5の工程と、前記監視下でジャッキアップ工法を用いて建造物をジャッキアップする第6の工程と、前記建設後の沈下状況を監視する第7の工程と、前記監視下で建設後にジャッキアップ工法を用いて建造物をジャッキアップする第8の工程と、を有し、前記第1の工程において、地盤情報データベースを用いた沈下予測を行う第1段予測と土質調査情報を用いた沈下予測を行う第2段予測とを実施すると共に、前記第3の工程において、沈下測定装置による実沈下データを用いた沈下予測を行う第3段予測を実施し、前記第5の工程及び第7の工程において、実構造物建設中及び建設後の実沈下量測定による沈下予測を行う第4段予測を実施するので、高精度な沈下予測に基づいてジャッキアップ工法を安全かつ効率的に実施して初期建築コストを安くできると共にレベル調整方法の信頼性も高い。
【0052】
また、請求項に係る発明によれば、前記第2段予測と第3段予測と第4段予測の各データは前記第1段予測の地盤情報データベースに蓄積されるので、地盤情報データベースが高精度で予測できる情報ベースとして成長することができる。
【0053】
また、請求項に係る発明によれば、前記建造物をジャッキアップする際には、基礎から切り離された各柱脚部に複数台の油圧ジャッキを配し、1台の電動ポンプで各油圧ジャッキに同時に油圧をかけ、必要なジャッキアップ量の制御を変位制御で行うので、ジャッキアップ量の制御が容易であると共に、作業員の員数削減、装置の部品点数削減によりコストダウンが図れる。
【0054】
また、請求項に係る発明によれば、前記建造物をジャッキアップする際には、各油圧ジャッキのアップ量の計測と建造物フレームの応力解析とを常に平行して行うので、ジャッキアップ工事を安全かつ高精度に実施できる。
【0055】
また、請求項に係る発明によれば、建造物に設置した沈下センサーを用いて不同沈下を遠隔監視するので、ジャッキアップ工事時期を自動的にかつ確実に把握できる。
【0056】
また、請求項に係る発明の沈下計測装置によれば、前記建造物のレベル調整方法に用いる沈下計測装置であって、ボーリング孔を介して支持層に立設されたロッドと、該ロッドを中央に貫通させて地表面に設置された底板と、該底板上に設置されて流動体を貯留可能な貯留槽と、該貯留槽と前記ロッドとの間に介装された変位計と、を有するので、載荷速度、載荷・除荷に容易に対応でき、建設予定地の実沈下データが簡単に得られる。また、装置の運搬・組立・解体が容易である。
【0057】
また、請求項に係る発明によれば、前記貯留槽は複数個からなるので、偏心荷重の載荷も各貯留槽内の流動体の貯溜量調整で容易に可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る建造物のレベル調整方法の概略フロー図である。
【図2】地盤沈下予測システムの概略フロー図である。
【図3】沈下計測装置の構造説明図である。
【図4】ジャッキアップ工事システムの作業手順を示すフロー図である。
【図5】油圧ジャッキの動作説明図である。
【図6】ポンプ・ジャッキの配置図である。
【図7】ジャッキアップ柱脚詳細図である。
【図8】フィラープレート取付詳細図である。
【図9】ジャッキアップ工事中の安全監視システムの作業手順を示すフロー図である。
【図10】各柱脚の時系列変化のアップ量実測値のグラフである。
【図11】各柱脚の時系列変化のアップ量予測値のグラフである。
【図12】遠隔監視システムの説明図である。
【符号の説明】
1 支持層
2 ボーリング孔
3 ロッド
4 底板
5a〜5d ユニット凾体
6 プレート
7 沈下計測歪み計
8a〜8c バルブ付の連結管
9a〜9d バルブ付の排水管
10 油圧ジャッキ装置
11 下部プレート
12 油圧ジャッキ
13 上部プレート
14 調整ロッド
15 当て板
16 支持鋼棒
17 下部ナット
18 上部ナット
20 柱脚
21 電動ポンプ
22 分岐金具
23 油圧ホース
24 基礎
25 ベースプレート
26 シアキー
27 アンカーボルト
28 フィラープレート
30 沈下センサー
31 携帯電話
32 会社パソコン(パーソナルコンピュータ)

Claims (7)

  1. 地盤の不同沈下により建造物に傾きが生じたときにジャッキアップ工法を用いてレベル修正を行う方法であって、設計前に建設予定地の地盤沈下を予測する第1の工程と、前記予測後に構造設計する第2の工程と、前記設計後の地盤沈下を予測する第3の工程と、前記予測後に建設を開始する第4の工程と、前記建設中の沈下状況を監視する第5の工程と、前記監視下でジャッキアップ工法を用いて建造物をジャッキアップする第6の工程と、前記建設後の沈下状況を監視する第7の工程と、前記監視下で建設後にジャッキアップ工法を用いて建造物をジャッキアップする第8の工程と、を有し、
    前記第1の工程において、地盤情報データベースを用いた沈下予測を行う第1段予測と土質調査情報を用いた沈下予測を行う第2段予測とを実施すると共に、前記第3の工程において、沈下測定装置による実沈下データを用いた沈下予測を行う第3段予測を実施し、前記第5の工程及び第7の工程において、実構造物建設中及び建設後の実沈下量測定による沈下予測を行う第4段予測を実施することを特徴とする建造物のレベル調整方法。
  2. 前記第2段予測と第3段予測と第4段予測の各データは前記第1段予測の地盤情報データベースに蓄積されることを特徴とする請求項記載の建造物のレベル調整方法。
  3. 前記建造物をジャッキアップする際には、基礎から切り離された各柱脚部に複数台の油圧ジャッキを配し、1台の電動ポンプで各油圧ジャッキに同時に油圧をかけ、必要なジャッキアップ量の制御を変位制御で行うことを特徴とする請求項1又は2記載の建造物のレベル調整方法。
  4. 前記建造物をジャッキアップする際には、各油圧ジャッキのアップ量の計測と建造物フレームの応力解析とを常に平行して行うことを特徴とする請求項1,2又は3記載の建造物のレベル調整方法。
  5. 前記第5の工程及び第7の工程において、建造物に設置した沈下センサーを用いて不同沈下を遠隔監視することを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の建造物のレベル調整方法。
  6. 請求項1,2,3,4又は5記載の建造物のレベル調整方法を実施する際に用いる沈下計測装置であって、ボーリング孔を介して支持層に立設されたロッドと、前記ロッドを中央に貫通させて地表面に設置された底板と、前記底板上に設置されて流動体を貯留可能な貯留槽と、前記貯留槽と前記ロッドとの間に介装された変位計と、を有することを特徴とする沈下計測装置。
  7. 前記貯留槽は複数個からなることを特徴とする請求項記載の沈下計測装置。
JP2002057074A 2002-03-04 2002-03-04 建造物のレベル調整方法及び沈下計測装置 Expired - Lifetime JP4040891B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002057074A JP4040891B2 (ja) 2002-03-04 2002-03-04 建造物のレベル調整方法及び沈下計測装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002057074A JP4040891B2 (ja) 2002-03-04 2002-03-04 建造物のレベル調整方法及び沈下計測装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003253693A JP2003253693A (ja) 2003-09-10
JP4040891B2 true JP4040891B2 (ja) 2008-01-30

Family

ID=28667430

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002057074A Expired - Lifetime JP4040891B2 (ja) 2002-03-04 2002-03-04 建造物のレベル調整方法及び沈下計測装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4040891B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008261144A (ja) * 2007-04-12 2008-10-30 Asahi Kasei Homes Kk 免震建物及び免震建物の高さ調整方法
KR101514264B1 (ko) * 2013-04-26 2015-04-22 한국전기연구원 중력센서를 이용한 지반 침하 측정방법
CN106088652B (zh) * 2016-07-20 2018-04-03 叶香雄 倾斜建筑物的纠偏施工方法
CN114809389A (zh) * 2022-04-26 2022-07-29 中铁二十局集团第三工程有限公司 钢结构防坍塌施工控制方法、设备、系统及介质
CN115018164B (zh) * 2022-06-09 2023-04-07 广州市第三市政工程有限公司 泥水平衡顶管施工沉降预测方法、系统、设备及存储介质

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003253693A (ja) 2003-09-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN104165807B (zh) 一种预应力混凝土板梁大挠度破坏试验装置及测试方法
CN100469996C (zh) 计算机应变控制梁柱托换方法
CN209670980U (zh) 一种隧道盾构管片现场监测系统
CN106049559B (zh) 一种基于荷载补偿的大直径桩基自平衡检测方法
CN204101361U (zh) 一种预应力混凝土板梁大挠度破坏试验装置
CN112649046A (zh) 一种全过程模拟仿真系杆拱桥整体顶推监控方法
Krasiński et al. Static load test on instrumented pile–field data and numerical simulations
CN111287228A (zh) 用于单桩竖向抗压静载荷及桩负摩阻力检测的自平衡方法
Hannewald et al. Quasi-static cyclic tests on RC bridge piers with detailing deficiencies
JP4040891B2 (ja) 建造物のレベル調整方法及び沈下計測装置
Miśkiewicz et al. Monitoring system of the road embankment
CN104075843A (zh) 土压力盒现场即时标定方法
Casadei et al. In situ load testing of parking garage reinforced concrete slabs: comparison between 24 h and cyclic load testing
CN110132714B (zh) 一种测试不规则岩体试样变形参数的装置及测试方法
Pinho et al. Performance of single and double flat jacks in stone masonry lab tests
CN211773959U (zh) 模型桩试验装置及其试验系统
CN212294351U (zh) 高架桥现浇梁支架体系水袋预压施工设备
KR102355940B1 (ko) 기존 파일의 정재하시험 방법
KR102511531B1 (ko) 변위계를 이용한 기존말뚝의 정재하 시험방법
Radončić et al. Strain gauges in pre‐cast concrete segments: working principle, evaluation and interpretation/Dehnmessgeber in Tübbingsegmenten–Funktionsweise, Auswertung und Interpretation
Kim Observed performance and inverse analysis of a sheet pile-supported excavation in Chicago clays
CN108982246B (zh) 一种多孔砖墙体砌体抗剪强度检测装置及其使用方法
ISSMFE Subcommittee on Field and Laboratory Testing Axial pile loading test—Part 1: Static loading
CN111827375A (zh) 基于自平衡静载进行基桩荷载检测的施工方法
Sharma et al. Instrumentation and monitoring of tunnel T2 (Between KM. 33+ 212 TO KM. 38+ 375) of Katra to Dharam Section of Udhampur-Srinagar Baramulla New BG Railway Project

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050119

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070314

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070807

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071002

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071030

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071108

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101116

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4040891

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101116

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111116

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121116

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121116

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131116

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term