JP4040286B2 - 物体通過計測装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学式センサを利用して物体の通過を計測する物体通過計測装置に関し、詳しくは、受光手段の受光パターンにおける物体による光の遮断開始点、終了点及び最大遮断位置並びに遮断継続時間等に基づいて、計測領域内を通過した物体の通過情報を検出する物体通過計測装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の物体通過計測装置、例えばゴルフボール又は野球ボール等の飛球状態を検出する装置としては、特開平6−292747号公報に記載されているように、測定面を飛球が通過したときに、その通過点の上下方向位置及び左右方向位置を二次元座標として検出する多数の反射型光学センサが、各座標点に対して少なくとも二つの方向から光を照射するように床面に埋め込まれ、ゴルフボールからの反射光を検出した複数の光学センサの出力信号に基づいて該ゴルフボールの通過点の座標を算出する飛球方向検出装置がある。
【0003】
また、特開平6−154380号公報に記載されているように、ボールの飛び出し方向に対して直交する方向の光束を下方から垂直上方へ射出する光束源と、該光束源付近に複数の受光センサを各列毎に等間隔に並べて配置した2組の受光センサ列と、上記光束中のボールが反射する予め定めた2方向の光を受けて該ボールの位置及び飛び出し方向を演算によって求めるコンピュータとを備えたボール飛び出し方向検知装置がある。
【0004】
さらに、特開2000−342735号公報に記載されているように、奥行きを有してホームベース上に設置された計測枠内に所定間隔毎に垂直方向及び水平方向に設置された前部光電センサと、該前部光電センサとは一定の距離を隔てて枠の垂直方向又は水平方向に設置された後部光電センサと、該光電センサから放射された光を遮った際の光電センサの水平及び垂直位置に基づきボールかストライクかの判定を行うと共に、上記前部光電センサを遮った後に後部光電センサを遮るまでに要した時間から球速を演算する機能を有する制御装置とを備えた投球練習機がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来の飛球状態検出装置においては、ボールの通過点の座標を算出したり、ボールの飛び出し方向を求めると共に、ボールの速度情報を同時に知るには多数の光学センサが必要となるものであった。例えば、特開2000−342735号公報に記載されているように、ボールの通過経路上の2点間に別々の光学センサを設けておき、ボールが2点間の光学センサを通過するのに要した時間を測定して演算により球速を計測していた。このように、打球からあらゆる情報を同時に検出して必要な飛球状態を検出するには、部品点数が多くなり、装置が複雑かつ大掛かりとなるものであった。また、装置によっては光学センサ等を地中に埋設する工事が必要となり、装置の設置コストが上昇することがあった。さらに、装置を実際に運用する際には、計測対象となるボール等の大きさに応じて光学センサ等の初期設定などのセッティングが必要となり、手間が掛かるものであった。
【0006】
そこで、本発明は、このような問題点に対処し、簡単な構成により、受光手段の受光パターンにおける物体による光の遮断開始点、終了点及び最大遮断位置並びに遮断継続時間等に基づいて、計測領域内を通過した物体の通過情報を検出する物体通過計測装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明による物体通過計測装置は、発光部から射出される光ビームの進行方向を振って所定の計測領域を走査する走査光を発生する光走査手段と、この光走査手段に所定距離で対向配置され、該光走査手段からの走査光を再帰反射し得る光反射手段と、上記光走査手段の近傍に配置され、該光走査手段で上記計測領域を走査することにより上記光反射手段で再帰反射された光ビームを受光し得るものとされ、上記再帰反射された光ビームの受光タイミングと、上記光走査手段からの走査光が上記計測領域内を通過する物体によって遮断されることにより生じる再帰反射による光ビームの非受光タイミングとから、上記計測領域内を物体が通過する際のその物体による光ビームの遮断開始点、終了点及び最大遮断位置並びに遮断継続時間を示す受光パターンのデータを出力する受光手段と、この受光手段の受光パターンのデータに基づいて、上記計測領域内を通過した物体の通過位置、通過角度、通過速度からなる物体の通過情報を検出する物体通過検出手段と、を備えて成るものである。
【0008】
このような構成により、光走査手段により発光部から射出される光ビームの進行方向を振って所定の計測領域を走査する走査光を発生し、上記光走査手段に所定距離で対向配置された光反射手段で該光走査手段からの走査光を再帰反射し、上記光走査手段の近傍に配置され、該光走査手段で上記計測領域を走査することにより上記光反射手段で再帰反射された光ビームを受光し得るものとされた受光手段により、上記再帰反射された光ビームの受光タイミングと、上記光走査手段からの走査光が上記計測領域内を通過する物体によって遮断されることにより生じる再帰反射による光ビームの非受光タイミングとから、上記計測領域内を物体が通過する際のその物体による光ビームの遮断開始点、終了点及び最大遮断位置並びに遮断継続時間を示す受光パターンのデータを出力し、上記受光手段の受光パターンのデータに基づいて、物体通過検出手段により上記計測領域内を通過した物体の通過位置、通過角度、通過速度からなる物体の通過情報を検出する。これにより、一つの光走査手段と一つの受光手段を用いた簡単な構成により、計測領域内を通過した物体の通過位置、通過角度、通過速度を含む物体の通過情報を検出することができる。
【0009】
また、上記発光部から射出される光ビームの進行方向を振るのは、電磁力を利用して駆動される共振型ミラーを用いたものである。これにより、上記発光部からの光ビームが共振型ミラーの揺動に応じて周期的に走査されるようになる。
【0010】
さらに、上記光走査手段は、発光部からの光ビームを一直線上で走査するものとし、上記光反射手段は、光走査手段からの走査光を再帰反射する所定形状の再帰反射体を等間隔で列状に配置してもよい。これにより、上記光走査手段からの光ビームが個々の再帰反射体で光走査手段側に反射される。
【0011】
さらにまた、上記光走査手段の発光部からの光ビームをパルス光にし、上記光反射手段にて走査光を再帰反射する部材を所定長さで連続する直線状に形成してもよい。これにより、上記光走査手段からのパルス光が直線状に連続する再帰反射部材で各パルス毎に光走査手段側に反射される。
【0012】
また、上記物体通過検出手段は、現在の物体の通過情報を用いてその後の物体移動予測を行うものである。これにより、所定の計測領域内を通過した現在の物体の通過位置、通過角度、通過速度等を用いてその後の物体移動予測を行うことが可能となる。
【0013】
また、上記光走査手段と受光手段とを対にして複数組隣接させて設け、上記光走査手段からの光ビームによる計測領域を平行に複数形成してもよい。これにより、物体通過の計測領域が複数形成されて計測制度が向上する。
【0014】
さらに、上記光走査手段からの光ビームを上下、左右に振って2次元走査により計測領域を走査してもよい。これにより、物体通過の計測領域が2次元的に広がって計測制度が向上する。
【0015】
さらに、上記光走査手段と受光手段と物体通過検出手段とを組み合わせて一つのセンサユニットを構成し、このセンサユニットを上記光反射手段に対し所定距離で対向配置したものを2組有し、該両者を、それらの間に各々の光走査手段からの光ビームの走査光による所定の計測領域が互いに重なることなく全領域をカバーするように配置してもよい。これにより、対向配置された2組のセンサユニットと光反射手段との間の全領域をカバーする計測領域によって、対向配置された光反射手段間のどのような位置を物体が通過してもその通過情報を検出することが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明による物体通過計測装置の実施の形態を示すブロック図であり、図2は上記物体通過計測装置の外観を示す斜視図である。この物体通過計測装置は、光学式センサを利用して物体の通過を計測するもので、センサユニット1と、反射部2と、制御部3と、出力部4とを備えて成る。ただし、図2では、制御部3及び出力部4の図示は省略している。
【0017】
上記センサユニット1は、外部に放出した走査光の反射戻り光を受光することで物体の通過を検出するもので、図1に示すように、発光部5と、発光制御部6と、光走査部7と、光走査駆動部8と、受光部9と、物体通過検出部10とを有している。
【0018】
上記発光部5は、物体通過を計測するための光ビームを射出する光源となるもので、例えば半導体レーザから成る。この半導体レーザは、所要の波長のレーザ光を発生するもので、発光制御部6から出力される駆動信号によって駆動制御されるようになっている。この場合、上記発光制御部6は、例えば水晶発振子からのクロック信号に同期すると共に予め設定された周波数で変調がかけられたレーザ駆動信号を生成し、制御部3からの発光指令を受けて該レーザ駆動信号を発光部5としての半導体レーザに出力する。
【0019】
光走査部7は、上記発光部5から射出される光ビームの進行方向を振って走査光を発生するもので、内部構成は図示省略したが、発光部5からの光ビームの進行方向を振るための可動ミラーと、その駆動回路とから成る。上記可動ミラーとしては、例えば、電磁力を利用して駆動される共振型ミラーを用いるとよい。具体的には、本出願人により先に提案され、特開平7−175005号公報及び特開平7−218857号公報等に記載されたマイクロマシニング技術を用いて製造される半導体ガルバノミラーを用いるの好適である。
【0020】
ここで、上記半導体ガルバノミラーの基本的な構成について簡単に説明しておく。半導体ガルバノミラーは、例えば図3に示すように、シリコン基板11の内側に、トーションバー12と該トーションバー12により支持された可動板13とをシリコン基板11に一体に設け、可動板13の上面には、その周辺に平面コイル14を設け、該平面コイル14で囲まれた略中央にミラー10を設け、シリコン基板11を枠状の絶縁基板16上に載置してある。そして、上記シリコン基板11の対向する側面に、N極、S極を対向させて永久磁石17が配置されている。なお、符号18は、平面コイル14と電気的に接続する電極端子を示している。
【0021】
この半導体ガルバノミラーは、上記電極端子18から平面コイル14に交流電流を流すと、可動板13の両端にフレミングの左手の法則に従って電磁力が働き、該可動板13はトーションバー12を中心に周期的に図中の矢印A,B方向に揺動する。前記交流電流の周波数を半導体ガルバノミラーの共振周波数(例えば1.5kHz)付近に設定すれば、小さい入力で可動板13の振れ角を大きくできる。
【0022】
上記のような半導体ガルバノミラーを光走査部7として用い、発光部5からの光ビーム(レーザ光)がミラー15に照射されるように光学系を設計すれば、可動板13の矢印A,B方向の揺動動作によって、レーザ光が一直線上で所要の振れ角で走査されるようになる。なお、光走査駆動部8は、制御部3からのミラー角度の指令を受けて走査駆動信号を光走査部7へ送るものである。
【0023】
そして、上記発光部5と光走査部7とで、光源から射出される光ビームの進行方向を振って所定の計測領域D(第2図参照)を走査する走査光を発生する光走査手段を構成している。
【0024】
受光部9は、上記光走査部7で上記計測領域Dを走査することにより後述の反射部2で該光走査部7からの光ビームが再帰反射された光を受光する受光手段となるもので、上記光走査部7の近傍に設けられている。この受光部9は、図示省略したが、内部に受光素子、増幅回路及び検波回路等を備えている。受光素子は、集光レンズ19により集光された反射光を受光して電気信号に変換し、該受光信号が、増幅回路で所要のレベルまで増幅される。検波回路は、上記増幅回路からの出力信号を基に、受光した光の変調成分を復調する。そして、この検波された変調成分を基に、上記受光素子で受光した反射光が光走査部7から放出された光ビームの反射戻り光であるかを判断し、反射戻り光であると判断できたときには、受光波形を示す信号を後述の物体通過検出部10に出力する。そして、上記受光部9の前面には、反射部2で再帰反射された光を該受光部9の受光面に集光する集光レンズ19が設けられている。この集光レンズ19としては、例えばフレネルレンズ等を用いるのが好適である。
【0025】
物体通過検出部10は、上記受光部9の受光パターンのデータにおける物体による光の遮断開始点、終了点及び最大遮断位置並びに遮断継続時間等に基づいて、上記計測領域D内を通過した物体の通過位置、通過角度、通過速度からなる物体の通過情報を検出する物体通過検出手段となるもので、図示省略したが、内部に検出信号処理部、演算部及び演算結果一時保持部等を備えている。上記検出する物体の通過情報は、所定の計測領域Dでの物体通過位置、物体通過角度、物体通過速度等である。そして、これらの物体の通過情報を用いてその後の物体移動予測を行うことも可能となる。
【0026】
前記反射部2は、上記光走査部7からの走査光を再帰反射し得る光反射手段となるもので、該光走査部7に所定距離で対向配置されている。この反射部2は、図2に示すように、例えば角棒状の支柱20の一側面に、光走査部7からの走査光を再帰反射する所定形状の再帰反射体21a,21b,…,21nを等間隔で上下に並ぶ列状に配置して構成されている。再帰反射体21a〜21nは、反射光の大部分が再帰反射になるような反射面を有する部材であって、ここでは、例えば短冊状に形成され、支柱20の光走査部7に対向する面の所定位置に取り付けられている。なお、図1では図示の都合上、反射部2の入射光と反射光とが異なる光路を進むかのごとく表記されているが、実際の再帰反射とは、広い入射角に亘って、入射光の光路にほぼ沿う方向に、選択的に反射光が戻るような反射を意味している。
【0027】
前記制御部3は、外部等から入力される制御指令に応じて、センサユニット1の動作を制御する信号を生成するとともに、センサユニット1で計測された物体の通過に関する情報を出力部4で出力させる信号を生成するものである。また、出力部4は、上記制御部3から出力された前記計測領域Dでの物体通過位置、物体通過角度、物体通過速度等の計測結果を外部に出力するもので、その計測結果を視覚的に表示する表示装置、又は紙面に印刷する印刷装置、その他公知の出力方式で外部に示す装置等である。
【0028】
次に、このように構成された物体通過計測装置における物体通過の検出について説明する。図2において、センサユニット1の光走査部7から光ビーム22a〜22nが放出され、上記光走査部7を一つの頂点としてΔ形に拡がる計測領域Dを形成する走査光を発生するとし、この計測領域D内を例えばボール23等の物体が矢印F方向に通過するとする。そして、上記センサユニット1と反射部2とで、上記計測領域D内を通過するボール23等の物体通過位置、物体通過角度、物体通過速度等の通過情報を検出するとする。
【0029】
いま、説明を簡単にするため、図2において、上記ボール23が計測領域Dを含む平面に対して直交する方向に真っ直ぐに通過するとする。このとき、ボール23が計測領域Dを通過する間は、上記光走査部7から再帰反射体21a〜21nに進む光ビーム22a〜22nの内、ボール23に当たった光ビームは遮断されて対応する再帰反射体には到達しない。したがって、受光部9は、上記ボール23で遮断された部分の再帰反射体からの反射光を受光しない。このときのボール通過の計測データは、図4に示すようになる。
【0030】
図4は、横軸を計測の経過時間とし、縦軸を再帰反射体21a〜21nの配置間隔として、上記ボール23が計測領域Dを通過するときの受光部9での受光パターンをマトリックス状に示している。図において、×印はボール23によって光ビームが遮断されたポイントを示し、横軸のSはボール通過による光ビームの遮断開始時を示し、Eは遮断終了時を示し、Cは中間時を示している。この場合、図2に示す反射部2の再帰反射体21a〜21nの列は上記遮断開始時Sに対応する位置に在る。
【0031】
図2において、ボール23が計測領域Dの手前側から該計測領域Dにさしかかると、該ボール23の先端のみで光ビームを遮る。したがって、図4において、遮断開始時Sにボール23の先端での遮断点Pが検出される。以後、時間の経過と共に遮断点の数が増えて行く。その後、ボール23が計測領域Dを抜けるときには、該ボール23の後端のみで光ビームを遮り、遮断終了時Eにボール23の後端での遮断点Qが検出される。そして、ボール23による光ビームの遮断開始時Sから遮断終了時Eまでの中間時Cにおいて、遮断点の数が最も多くなり該ボール23の直径部分が通過したことが分かる。
【0032】
上記の受光パターンのデータから、図2に示すように通過するボール23について、次のような通過情報が分かる。まず、先端での遮断点Pと後端での遮断点Qが同じ高さにあることから、計測領域Dを真っ直ぐ(水平)に通過していることが検出される。また、ボール23のサイズを予め入力しておけば、中間時Cにおける遮断点の最大個数(図4では21個)との関係から光走査部7を中心とする円弧領域(図5ではE21)が決定される。このとき、図4に示す中間時Cにおける遮断数は、再帰反射体21a〜21nの配置間隔が既知であることから、ボール23の直径サイズに相当する。
【0033】
さらに、図4に示す中間時Cにおける最大遮断数の中心点O(ボール23の中心に当たる)に対応する光ビームを記録しておくことにより、図5において、第1の光ビーム22aから第nの光ビーム22nの内のどの光ビーム22mに対応するかにより、上記円弧領域E21における上記ボール23の通過位置(物体通過位置)が検出される。
【0034】
また、図4において、光ビームの遮断開始時Sから遮断終了時Eまでの時間はボール23の直径が通過した時間であるので、ボール23の直径をその通過時間で除算することにより、ボール23の速度(物体通過速度)が検出される。
【0035】
次に、図2において、ボール23が計測領域Dを含む平面に対して斜め方向に或る傾斜角で通過するとする。このとき、図6において、遮断開始時Sにボール23の先端での遮断点P1が検出され、遮断終了時Eにボール23の後端での遮断点Q1が検出されたとする。これにより、上記先端での遮断点P1の高さと後端での遮断点Q1の高さとの差Zが求められ、この間にボール23の直径が通過しているので、次のようにして物体通過角度が求められる。
【0036】
すなわち、図7において、ボール23が通過する側面形状にて三角形P1Q1R1を考え、ボール23の通過角度をθとすると、近似的に、
通過角度θ=tan-1(Z/ボールの直径)
で求められる。このようにして、ボール23の通過角度(物体通過角度)が検出される。
【0037】
次に、図1において、発光部5からの光ビームは光走査部7で高速にスキャンされているので、図6において、ボール23が先端での遮断点P1から後端での遮断点Q1まで通過する間に、どれだけのスキャン数の光ビームを遮ったかによりボール23の速度を演算することができる。例えば、光走査部7を周波数10kHzでスキャンさせると、往復を考慮して1秒間に20000回スキャンすることになる。ここで、ボール23が図2に示す計測領域Dを通過したときに光ビームを遮った回数が40回であったとすると、ボール23の通過に0.002秒かかったことが分かる。そして、ボール23の直径を例えば74mmとすると、該ボール23の速度の水平方向成分Vxは、
Vx=74(mm)/2(msec)=37(m/sec)=133.2(km/h)
で求められる。
【0038】
このようにして、ボール23の速度の水平方向成分Vxが求められると、図7に示すボール23の通過角度θの関係から、該ボール23のθ方向の速度Vは、
V=Vx/cosθ
で求められる。これにより、ボール23の通過速度(物体通過速度)が検出される。なお、上記のようにボール23の通過速度が演算されると、該ボール23の時間t後の到達距離も算出できる。
【0039】
なお、図2においては、反射部2の再帰反射体21a〜21nを例えば短冊状に形成して、例えば角棒状の支柱20の一側面に等間隔で上下に並べて配置したものとしたが、本発明はこれに限らず、前記発光部5からの光ビームをパルス光にし、上記反射部2にて走査光を再帰反射する部材を所定長さで連続する直線状に形成して角棒状の支柱20の一側面に取り付けてもよい。
【0040】
また、以上の説明では、計測領域Dを通過する物体としてボール23を例として説明したが、他の形状の物体であっても、計測領域Dの光ビームに対する物体先端での遮断点、後端での遮断点、先端での遮断点から後端での遮断点まで通過する時間等を計測することにより、上記と同様に物体の通過情報を検出することができる。
【0041】
図8は、本発明の第2の実施形態を示す概略上面図である。この実施形態は、図2に示すセンサユニット1の光走査部7と受光部9とを対にして複数組(71,91:72,92)隣接させて設け、上記光走査部71,72からの光ビームによる計測領域Dを平行に複数(D1,D2)形成したものである。この場合は、物体通過の計測領域DがD1,D2のように複数形成されて計測制度が向上する。
【0042】
図9は、本発明の第3の実施形態を示す概略上面図である。この実施形態は、図2に示すセンサユニット1の光走査部7からの光ビームを上下、左右に振って2次元走査により計測領域Dを走査するようにしたものである。この場合は、物体通過の計測領域Dが2次元的に広がって計測制度が向上する。
【0043】
図10は、本発明の第4の実施形態を示す外観斜視図である。この実施形態は、図2に示すセンサユニット1を反射部2に対し所定距離で対向配置したものを2組有し、該両者を、それらの間に各々の光走査部7からの光ビームの走査光による所定の計測領域Dが互いに重なることなく全領域をカバーするように配置したものである。すなわち、二つの反射部2a,2bを所定距離で対向配置し、互いの反射部2a,2bの内側面の上端部と下端部とにそれぞれセンサユニット1の光走査部7aと受光部9a、光走査部7bと受光部9bを設け、一方の光走査部7aと受光部9aとで第1の計測領域Daを形成し、他方の光走査部7bと受光部9bとで第2の計測領域Dbを形成している。この場合は、対向配置された2組のセンサユニット(7a,9a:7b,9b)と反射部2a,2bとの間の全領域をカバーする計測領域Da,Dbによって、上記対向配置された反射部2a,2b間のどのような位置をボール23(物体)が通過してもその通過情報を検出することが可能となる。
【0044】
なお、図10の実施形態においても、図8又は図9の実施形態を適用して計測制度を向上させることができる。
【0045】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されたので、請求項1に係る発明によれば、光走査手段により発光部から射出される光ビームの進行方向を振って所定の計測領域を走査する走査光を発生し、上記光走査手段に所定距離で対向配置された光反射手段で該光走査手段からの走査光を再帰反射し、上記光走査手段の近傍に配置され、該光走査手段で上記計測領域を走査することにより上記光反射手段で再帰反射された光ビームを受光し得るものとされた受光手段により、上記再帰反射された光ビームの受光タイミングと、上記光走査手段からの走査光が上記計測領域内を通過する物体によって遮断されることにより生じる再帰反射による光ビームの非受光タイミングとから、上記計測領域内を物体が通過する際のその物体による光ビームの遮断開始点、終了点及び最大遮断位置並びに遮断継続時間を示す受光パターンのデータを出力し、上記受光手段の受光パターンのデータに基づいて、物体通過検出手段により上記計測領域内を通過した物体の通過位置、通過角度、通過速度からなる物体の通過情報を検出することができる。これにより、一つの光走査手段と一つの受光手段を用いた簡単な構成により、計測領域内を通過した物体の通過位置、通過角度、通過速度を含む物体の通過情報を検出することができる。
【0046】
また、請求項2に係る発明によれば、上記発光部から射出される光ビームの進行方向を振る手段として電磁力を利用して駆動される共振型ミラーを用いたことにより、上記発光部からの光ビームが共振型ミラーの揺動に応じて周期的に高精度で走査することができる。
【0047】
さらに、請求項3に係る発明によれば、光走査手段は、発光部からの光ビームを一直線上で走査するものとし、光反射手段は、上記光走査手段からの走査光を再帰反射する所定形状の再帰反射体を等間隔で列状に配置したことにより、上記光走査手段からの光ビームが個々の再帰反射体で光走査手段側に反射されるようにできる。
【0048】
さらにまた、請求項4に係る発明によれば、光走査手段の発光部からの光ビームをパルス光にし、光反射手段にて走査光を再帰反射する部材を所定長さで連続する直線状に形成したことにより、上記光走査手段からのパルス光が直線状に連続する再帰反射部材で各パルス毎に光走査手段側に反射されるようにできる。
【0049】
また、請求項5に係る発明によれば、上記物体通過検出手段は、現在の物体の通過情報を用いてその後の物体移動予測を行うことにより、所定の計測領域内を通過した現在の物体の通過位置、通過角度、通過速度等を用いてその後の物体移動予測を行うことができる。
【0050】
また、請求項6に係る発明によれば、光走査手段と受光手段とを対にして複数組隣接させて設け、上記光走査手段からの光ビームによる計測領域を平行に複数形成することにより、物体通過の計測領域が複数形成されて計測制度が向上する。
【0051】
さらに、請求項7に係る発明によれば、光走査手段からの光ビームを上下、左右に振って2次元走査により計測領域を走査することにより、物体通過の計測領域が2次元的に広がって計測制度が向上する。
【0052】
さらにまた、請求項8に係る発明によれば、光走査手段と受光手段と物体通過検出手段とを組み合わせて一つのセンサユニットを構成し、このセンサユニットを光反射手段に対し所定距離で対向配置したものを2組有し、該両者を、それらの間に各々の光走査手段からの光ビームの走査光による所定の計測領域が互いに重なることなく全領域をカバーするように配置したことにより、対向配置された2組のセンサユニットと光反射手段との間の全領域をカバーする計測領域によって、対向配置された光反射手段間のどのような位置を物体が通過してもその物体の通過情報を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による物体通過計測装置の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】 上記物体通過計測装置の外観を示す斜視図である。
【図3】 光走査部の具体例としての半導体ガルバノミラーの基本的な構成を示す分解斜視図である。
【図4】 本発明において物体が水平に通過するのを検出する状態を説明する受光パターンを示す図である。
【図5】 本発明において物体の通過位置を検出する状態を説明する図である。
【図6】 本発明において物体が斜め方向に或る傾斜角で通過するのを検出する状態を説明する受光パターンを示す図である。
【図7】 本発明において物体の通過角度を検出する状態を説明する図である。
【図8】 本発明の第2の実施形態を示す概略上面図である。
【図9】 本発明の第3の実施形態を示す概略上面図である。
【図10】 本発明の第4の実施形態を示す外観斜視図である。
【符号の説明】
1…センサユニット
2…反射部
3…制御部
4…出力部
5…発光部
6…発光制御部
7…光走査部
8…光走査駆動部
9…受光部
10…物体通過検出部
21a〜21n…再帰反射体
22a〜22n…光ビーム
23…ボール(物体)
D…計測領域
Claims (8)
- 発光部から射出される光ビームの進行方向を振って所定の計測領域を走査する走査光を発生する光走査手段と、
この光走査手段に所定距離で対向配置され、該光走査手段からの走査光を再帰反射し得る光反射手段と、
上記光走査手段の近傍に配置され、該光走査手段で上記計測領域を走査することにより上記光反射手段で再帰反射された光ビームを受光し得るものとされ、上記再帰反射された光ビームの受光タイミングと、上記光走査手段からの走査光が上記計測領域内を通過する物体によって遮断されることにより生じる再帰反射による光ビームの非受光タイミングとから、上記計測領域内を物体が通過する際のその物体による光ビームの遮断開始点、終了点及び最大遮断位置並びに遮断継続時間を示す受光パターンのデータを出力する受光手段と、
この受光手段の受光パターンのデータに基づいて、上記計測領域内を通過した物体の通過位置、通過角度、通過速度からなる物体の通過情報を検出する物体通過検出手段と、
を備えたことを特徴とする物体通過計測装置。 - 上記発光部から射出される光ビームの進行方向を振るのは、電磁力を利用して駆動される共振型ミラーを用いたことを特徴とする請求項1記載の物体通過計測装置。
- 上記光走査手段は、発光部からの光ビームを一直線上で走査するものとし、上記光反射手段は、光走査手段からの走査光を再帰反射する所定形状の再帰反射体を等間隔で列状に配置したものであることを特徴とする請求項1又は2記載の物体通過計測装置。
- 上記光走査手段の発光部からの光ビームをパルス光にし、上記光反射手段にて走査光を再帰反射する部材を所定長さで連続する直線状に形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の物体通過計測装置。
- 上記物体通過検出手段は、現在の物体の通過情報を用いてその後の物体移動予測を行うことを特徴とする請求項1記載の物体通過計測装置。
- 上記光走査手段と受光手段とを対にして複数組隣接させて設け、上記光走査手段からの光ビームによる計測領域を平行に複数形成することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の物体通過計測装置。
- 上記光走査手段からの光ビームを上下、左右に振って2次元走査により計測領域を走査することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の物体通過計測装置。
- 上記光走査手段と受光手段と物体通過検出手段とを組み合わせて一つのセンサユニットを構成し、このセンサユニットを上記光反射手段に対し所定距離で対向配置したものを2組有し、該両者を、それらの間に各々の光走査手段からの光ビームの走査光による所定の計測領域が互いに重なることなく全領域をカバーするように配置したことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の物体通過計測装置。
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