JP4040071B2 - 光源装置および映像表示装置 - Google Patents
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Description
従来、輝度の高い光源を必要とする投影型表示装置等に用いられている光源装置においては、メタルハライドランプや、キセノンショートアークランプ、高圧型の水銀ランプといった、アーク放電を発生させることにより照明を行う発光管が使用されている。
光源装置は、図18に示すように、発光管1と、この発光管1から出射された出射光を反射する耐熱ガラス基材やセラミクス基材によりなるリフレクタ2とを有する構成になっている。
また、カソード電極4には、カソード側リード棒4Aが接続されているとともに、そのカソード側リード棒4Aにはモリブデンシート7が溶接されている。なお、5A,5Bは、アノード側リード棒3Aやカソード側リード棒4Aを封入した封し部である。
上記の構成においては、発光管1から出射された出射光は、リフレクタ2によって、所定の方向又は領域に照射されるようになっている。
しかし、光軸垂直配置型の光源装置では、光の出力分布に偏りが生じやすいため、特開平4−242064号公報(特許文献2)、特開平6−214115号公報(特許文献3)等のように、全出射光線の出射範囲にコンデンサレンズやフレネルレンズを配置することにより、光の出力分布を改善する提案がされている。これを「第2の先行技術」とする。
クタの反射面を楕円面とした、第1の先行技術の一例に係る光軸垂直配置型の光源装置の上面図、図21は、リフレクタの光反射面を楕円面にし、かつ、光軸に対して発光管の電極軸をほぼ垂直に配置した第1の先行技術の他例に係る光源装置の側面図である。
なお、図20,21に示す光源装置は、発光管の向きが異なっている点(光軸垂直配置型)を除けば、図18,19に示す光源装置と同等の構成になっているので、ここでは、それらと同等のものに同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
また、図20,21において、X軸は光軸方向、Y軸は最終組品で見た場合の高さ方向、Z軸は最終組品で見た場合の奥行き方向とし、X−Z断面を見たときの図を上面図、X−Y面を見たときの図を側面図としている。
また、光軸LAからθLossの光線は前記光反射面に照射しないため、ほとんどが集光点Spに到達せず、ロス光となる。
発光管1の配光分布はLA−L0−2a(2b)で形成する角度範囲内のものであり、前記した図18に示す配光分布θlampに相当する。図21に示す側面から見たときには、発光管1の発光点L0を中心にX−Y面の全方向、即ち360度の光線分布となる。
この構成においては、発光管1から出射された出射光線は、発光点L0から集光レンズ11方向に、角度θ2(図18のθlampに同じ)の配光分布で出射する。
図22ではほとんどの出射光線が所定の集光点Spへ到達するように見えるが、図23に示す側面図を見ると、発光管からの出射光は、発光点L0を中心に、X−Y面の全方向、即ち360度の光線分布となる。
これらの出射光線のうち、集光レンズ11に入射する出射光線は角度θ2の広がり角分だけ、すなわち集光レンズ11の有効径に入射した光線のみ集光点Spに到達する。
本発明は、一対の主電極を1本の電極軸上に配置してガラス管の封入空間内に封入し、それら主電極のリードをガラスからなる封し部で封しした発光管と、この発光管から出射された出射光を反射するリフレクタを有しており、それら主電極の電極軸を上記出射光の光軸と交差させた光源装置において、
前記リフレクタは、金属基材からなり、上記発光管を境に後方に、発光管の発光点を中心とする球面からなる第1のリフレクタ部を形成すると共に、上記発光管を境に前方に、楕円面からなる第2のリフレクタ部とを形成し、これら第1および第2のリフレクタ部によって、その反射光を所定の集光点に到達させるように構成すると共に、
前記発光管から前記第2のリフレクタ部以外に向けて出射された出射光を集光し所定の方向にまたは領域に照射するレンズを第2のリフレクタ部内部に設け、かつ、
前記発光管のガラスからなる封し部と前記第1のリフレクタ部および第2のリフレクタ部とを放熱材を介して固定し、この放熱材を発光管の封し部基端側に延在させており、
第2のリフレクタ部の先端部に、先細りの錐体が延長し、この錐体先端が前記所定の集光点付近で開口している密閉型光源としたことを特徴とする光源装置である。
本発明において、前記発光管の封し部と放熱材の間、または、前記第1のリフレクタ部および第2のリフレクタ部と放熱材の間にこの放熱材と材質の異なる介在物を介在させたことが好適である。
本発明は、上記の光源装置のいずれかを用いた映像表示装置である。
発光管20は、直径10(mm)ほどの直流点灯型で高圧型の水銀ランプであり、一対の主電極であるアノード電極21,カソード電極22をガラス管23内に封入したものである。なお、発光管の投入電力は150(W)から200(W)である。なお、23aはアノード電極側リード棒24を封しした封し部、23bはカソード電極側リード棒27を封しした封し部である。
すなわち、点灯始動時には、アノード電極21とカソード電極22間に数kvから数十kvの電位差を発生させ、それらアノード電極21とカソード電極22間の絶縁破壊を起して、グロー放電を開始し、アーク放電となり、安定点灯の継続状態に移行する。なお、25,26は、アノード電極側リード棒24及びカソード電極側リード棒27の一部に溶接されたモリブデンシートである。
本実施形態においては、ガラスの200倍の熱伝導を有するアルミニウム基材を用いて形成されている。なお、従来においては、リフレクタを、上記した耐熱ガラス基材の他、セラミクス基材により形成していた。
すなわち、リフレクタ30の放熱対策を考慮して、酸化アルマイトやクロムメッキ、黒色塗料等で赤外線成分を熱変換する層を設けることにより、リフレクタ30に効率よく熱を吸収,放射する構成とし、前記赤外線を熱変換する層上に緩衝・平坦化用途のベースコートを施した後、TiO2とSiO2からなる誘電体反射多層膜を形成して、可視光線を所定の集光点に到達させている。
発光管20のアノード電極21,カソード電極22の電極軸O1を光軸LAに対してほぼ直交する配置にしている。この場合、前記楕円面にした反射面(第2のリフレクタ部32)を、発光管20の発光点L0を第1焦点F1とし、所定の集光点Spを第2焦点F2として、次式により設計している。
x2/a2+y2/b2=1 …(1)
e=(a2−b2)1/2/a …(2)
F1=a×e=L0 …(3)
F2=(−a)×e=Sp …(4)
参考例1に係る光源装置Cは、リフレクタの構成を除き、上述した第1の実施形態に係る光源装置Bと同等の構成になっているので、それらと同等のものに同一の符号を付して詳細な説明を省略し、ここでは、構成の異なるリフレクタのみについて説明する。
この参考例1に係るリフレクタ50において、「第1のリフレクタ部41と異なる曲面」は双曲面(パラボラ面)である。
なお、参考例1に示すように、第2のリフレクタ部42を双曲面とした場合には、前記所定の領域Spの照度ムラを改善するために、光源装置と所定の領域の光路上にフライアレイ等を配置してもよい。
なお、図4〜6において、第1の実施形態に係る光源装置Bにおいて説明したものと同等のものには、それらと同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
前記両凸レンズ41aとドーナツ型レンズ41bとは、ドーナツ型レンズ41bの孔41a′の部分に、前記両凸レンズ41aを嵌み込むとともに耐熱性固着剤にて貼り合わせている。
このレンズ機構41は、第2のリフレクタ部32の所定位置に全周にわたり形成した嵌合溝32aに、前記ドーナツ型レンズ42bの外周縁部を嵌め込むことにより固定している。
この構成によれば、発光管20の配光分布がθ1(図18に示すθlamp参考)とすると、レンズ40の有効径をθ1よりも大きくすることにより、レンズ保持部材43a,43aに出射光線の照射はなく、光源から出射される出射光の利用効率を低下させることはない。なお、レンズ保持部材43a,43aは、第2のリフレクタ部32と一体に形成しなくともよい。
発光管20の発光点L0から出射した出射光のうち、光軸LAから見て発光管20の後方の第1のリフレクタ部31で反射した光は、発光点L0を再度通過し、光軸LAから見て発光管20の前方に出射して行く。
レンズ40がない場合、b−L0−Spがなす角度範囲の光線の大半は、前記第2のリフレクタ部32に照射しない。ここで、発光管20の発光点L0から出射して、第2のリフレクタ部32の最外部(開口部付近)に照射する出射光線(L0−b)と、第2のリフレクタ部32のa点で反射する光線(a−Sp)の交わる点をcとし、レンズ40の主点H(薄肉レンズを想定)を光軸LA上に取ると、c−Hの長さが配置するレンズの有効半径となる。
発光管20の発光点L0を像高yの物体面、また、集光点Spを像高ydの像面とした場合、配置するレンズ40の前側焦点をF、後側焦点をFd、また、レンズの前側曲率半径R1、後側曲率半径R2とし、主点Hから前側焦点Fまでの距離及びその主点Hから後側焦点Fdまでの距離をf、また、前側焦点Fから物体面までの距離をZ、後側焦点Fdから像面Spまでの距離をZdとしたとき、以下の関係が成り立つようにレンズを設計した。
ただし、Nはレンズ硝材の屈折率
y/yd=Z/f …(5)
y/yd=f/Zd …(6)
ここで、結像倍率M=yd/yとすると、
Z =f/M …(7)
Zd=f×M …(8)
また、C−L0−Sp=U(取込み角)、C−Sp−L0=Ud(集光角)とし、C−H=hとすると、
U =h/〔(1+1/M)×f〕 …(9)
Ud=h/〔(1+ M)×f〕 …(10)
(9),(10)式から、
U/Ud=(1+M)/(1+1/M)=M(1+M)/(1+M)
=M
=yd/y …(11)
図3に示すように、第2のリフレクタ部42を双曲面とした場合には、上記と同様にレンズ40を主点Hに設定し、発光管20からの出射光がレンズ40に入射した後、所定の領域Spにほぼ垂直(光軸LAに対してほぼ平行)に照射するように設計すればよい。
図中「黒丸」は本発明、「黒三角」は、実用化されている光軸に対して発光管の電極軸を平行配置とし、かつ、リフレクタに楕円面とした反射面を具備した従来の光源装置、「黒四角」は、先行提案されている光軸に対して発光管の電極軸をほぼ直交配置とし、楕円面にしたリフレクタを具備した光源装置(第1の先行技術)、また、「バツ」は、光軸に対して発光管の電極軸をほぼ直交配置とし、リフレクタに球面にした反射面を有しかつレンズを設けた光源装置(第2の先行技術)を示している。
前記第1の先行技術は、主にリフレクタの楕円面で反射された光線しか取り込めておらず、所望の集光点Spの対角寸法が5〜10(mm)の間では、本発明の光源装置に比べ10(%)のロス光がある。
前記第2の先行技術のレンズとして、屈折率1.46から1.98の硝材を使用し試算した。図8においては、前記屈折率1.98の際のデータであるが、発光管の近傍の高温雰囲気中で劣化を生じない硝材としては、石英、合成石英があり、その屈折率は1.46程度であり、さらに光源から出射される出射光の利用効率は落ちる。その他の硝材として、サファイア(屈折率1.77)、ダイアモンド(屈折率2.4)があるが、高価なために実用的ではない。
図9は、本発明の第2の実施形態に係る光源装置Dの基本的構成を示す平断面図である。
第2の実施形態に係る光源装置Dは、リフレクタの構成を除き、上述した第1の実施形態に係る光源装置と同等の構成になっているので、それらと同等のものに同一の符号を付して詳細な説明を省略し、ここでは、構成の異なるリフレクタのみについて説明する。
「第1のリフレクタ部45と異なる曲面」は、本実施形態においては楕円面である。
換言すると、光源から出射される出射光を目的の形状に成形しかつ多重反射にてミキシングすることで光線の面照度を均一化する機能を有している(ミキシング機構)。
「目的の形状」とは、ライトバルブの相似形状(ここではDMDの形状=四角)を意味している。
照度均一化手段44aの内面は、次のように形成したミキシング機構とすることができる。
・第2のリフレクタ部46、第1のリフレクタ部45と同様に、赤外成分の熱変換層と平坦化層とТiO2とSiO2からなる誘電体反射多層膜を形成する。
・前記誘電体反射多層膜以外に、アルミニウム基材(金属基材)を磨いただけの構成や、アルミ基材に銀等の全反射膜蒸着と増反射膜を施してもよい。
さらに、前記レンズロッドインテグレータとして蛍石のような紫外線や赤外線を可視光線に変換する硝材を用いることで光源から出射される出射光の利用効率を向上できる。
第3の実施形態に係る光源装置Eは、放熱材を設けたことを除き、上述した第2の実施形態に係る光源装置と同等の構成になっているので、それらと同等のものに同一の符号を付して詳細な説明を省略し、ここでは、放熱材のみについて説明する。
第4の実施形態に係る光源装置Fは、補助電極を設けたこと、及びリフレクタを接地したことを除き、上述した第3の実施形態に係る光源装置と同等の構成になっているので、それらと同等のものに同一の符号を付して詳細な説明を省略し、ここでは、相違点のみを説明する。
第5の実施形態に係る光源装置Gは、補助電極をリフレクタに一体に形成したことを除き、上述した第4の実施形態に係る光源装置と同等の構成になっているので、それらと同等のものに同一の符号を付して詳細な説明を省略し、ここでは、相違点のみを説明する。
補助電極部材48,48には、発光管20の封し部23a,23bの外径に一致する円形の嵌合孔48a,48aが形成されている。これにより、発光管20の始動性を改善することができるとともに、発光管20の配光分布以外の空間に該補助電極を形成できるため、光源から出射される出射光の利用効率を阻害することがないことは前記した第4の実施形態におけるものと同様である。
図13は、第1の例に係るリフレクタの概略図、図14(a)は、第2の例に係るリフレクタの概略平断面図、(b)は、(a)に示すI−I線に沿う断面図、図15は、第3の例に係るリフレクタの概略平断面図、(b)は、(a)に示すII−II線に沿う断面図である。
リフレクタ分割体71の分割面には、ボルト遊挿孔71cを形成したフランジ71bが、また、リフレクタ分割体72の分割面には、ボルト螺合孔72cを形成したフランジ72bが突出して形成されており、それらフランジ71b,72bを介してボルト等により連結,分離が容易に行なえるようになっている。
その他の構成としては、カップリングする凹凸を設けて、単純にリフレクタ分割体どうしを嵌め込む構成にするとともに、別途保持機構を設けて、両者を固定することができる。
複合形状のリフレクタに蒸着膜を付着させる際には、曲率の違いと、蒸着分子の飛行距離、膜形成面への蒸着分子の入射角によって膜の積層厚さや膜密度が不均一になる。このため、図13に示すリフレクタ70では、同じ曲率の反射面単位で分割し、同心円面部分と楕円面部分での各々の蒸着条件出しを行い成膜することで、可視光線領域の反射率の良いリフレクタが実現でき、光源から出射される出射光の利用効率を向上させることができる。
しかしながら、蒸着ソースSoと反射膜形成面の位置eを結ぶ直線S0−eと、反射膜形成面の法線がなす角θsaが比較的大きい。これは反射膜形成面の位置eへの蒸着分子の入射角が大きいことを意味しており、この部分への膜の付着は、反射膜形成面の位置fに比べてよくはない。
各リフレクタ分割体91(92〜94)には、発光管20の発光点L0を中心とする球面からなる第1のリフレクタ部95の四半部95a及びその第1のリフレクタ部95と異なる曲面からなる第2のリフレクタ部96の四半部96aが形成されている。
反射膜形成面の位置iでの成膜結果は、図14に示す反射膜形成面jに比べ、2倍の精度が得られた。また、分割したリフレクタ分割体同士を互いに同一の形状にしているので、1回の蒸着バッチ処理で多数のリフレクタ分割体を成膜できるため、分割構造としながらもコストの観点では従来と変わらない。
光源装置Bの発光管20から出射した出射光は、リフレクタ30で反射し、ロッドインテグレータ101の入射面に集光する。
そして、ライトバルブ106で形成した投影光像は、投影レンズ107を通過し、スクリーン108に照射して映像を投影する。
前述した各実施形態に係る光源装置は、投影型映像表示装置に用いる光源装置として説明したが、これに限るものではなく、その他の装置の光源として用いることができる。
また、投影型映像表示装置は、図16に示すものの他、光路を異ならせた構成やライトバルブ106に液晶を用いた構成のものであっても、本発明の各実施形態に係る光源装置を適用することができる。
21,22 主電極
23a,23b 封し部
30,44 リフレクタ
31,45 第1のリフレクタ部
32,46 第2のリフレクタ部
40 レンズ(集光体)
44a 照度均一化手段
60 放熱材
B,C,D,E,F,G 光源装置
O1 電極軸
LA 光軸
L0 発光点
H 映像表示装置
Claims (3)
- 一対の主電極を1本の電極軸上に配置してガラス管の封入空間内に封入し、それら主電極のリードをガラスからなる封し部で封しした発光管と、この発光管から出射された出射光を反射するリフレクタを有しており、それら主電極の電極軸を上記出射光の光軸と交差させた光源装置において、
前記リフレクタは、金属基材からなり、発光管を境に後方に、該発光管の発光点を中心とする球面からなる第1のリフレクタ部を形成すると共に、上記発光管を境に前方に、楕円面からなる第2のリフレクタ部を形成し、これら第1および第2のリフレクタ部によって、その反射光を所定の集光点に到達させるように構成すると共に、
前記発光管から前記第2のリフレクタ部以外に向けて出射された出射光を集光し所定の方向にまたは領域に照射するレンズを第2のリフレクタ部内部に設け、かつ、
前記発光管のガラスからなる封し部と前記第1のリフレクタ部および第2のリフレクタ部とを放熱材を介して固定し、この放熱材を発光管の封し部基端側に延在させており、
第2のリフレクタ部の先端部に、先細りの錐体が延長し、この錐体先端が前記所定の集光点付近で開口している密閉型光源としたことを特徴とする光源装置。 - 前記発光管の封し部と放熱材の間、または、前記第1のリフレクタ部および第2のリフレクタ部と放熱材の間にこの放熱材と材質の異なる介在物を介在させたことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
- 請求項1または2に記載の光源装置を用いた映像表示装置。
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