JP4037012B2 - 変位傾斜測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は変位傾斜測定装置に係わり、特に、被測定物の変位及び傾斜を光学的に同時に測定する変位傾斜測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平7−33295公報は、複数の光ビームを使用した変位傾斜測定装置を開示している。図1は特開平7−33295公報に開示された変位傾斜測定装置の原理を説明するための図である。この変位傾斜測定装置では、所定の角度を有する2つの光ビームを光源2a,2bから被測定物1の表面上に定められた測定点に対して投射し、被測定物により反射された光ビームを2つの位置検出装置3a,3bにより個別に受光してその位置変化を検出する。そして、2つの反射光ビームの位置変化の検出結果に基づいて被測定物1の変位及び傾斜を演算処理部4にて算出する。図1からわかるように、この変位傾斜測定装置では、被測定物1のZ方向の変位とX軸及びY軸に関する傾斜とを測定することができる。
【0003】
また、本出願人は、特願平11−034773号において、複数の光ビームを用いて被測定物の変位及び傾きを同時に計測する方法を提案している。この方法では、被測定物上の測定点にマーカを設け、マーカにより反射した光ビームの位置変化により被測定物の変位及び傾斜を算出する。マーカの中心部分には所定の大きさの鏡面部分(反射面)が設けられており、その周囲は無反射面又は光散乱面となっている。そして、マーカの鏡面より十分大きいビーム径を有する複数の光ビームをマーカに向けて照射し、その鏡面部分からの反射光ビームを個別に受光部により検出する。受光部には、傾斜検出部と位置検出部とが設けられている。傾斜検出部は光ビームの傾きのみを検出し、位置検出部は光ビームの傾きを含む変位を検出する。そして、傾斜検出部の検出結果及び位置検出部の検出結果に基づいて被測定物の変位及び傾斜を同時に測定する。複数の異なる方向から光ビームを同時に投射することにより、被測定物の6軸に関する変位(X方向、Y方向及びZ方向の変位、並びにX軸、Y軸及びZ軸に関する傾斜)を同時に計測することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述の特開平7−332954号公報に開示された変位傾斜測定装置では、被測定物上の測定点から光源及び受光部までの光路長は予め定められた値にする必要がある。したがって、被測定物と光源及び受光部との位置関係を一定に固定できるような条件が必要であり、被測定物を自由に選ぶことができないという問題がある。すなわち、この変位傾斜測定装置では、被測定物と測定装置とを精度よく配置できるような精密ステージを設ける必要があり、被測定物に関して汎用性に欠けるといった問題があった。
【0005】
また、特開平7−332954号公報に開示された変位傾斜測定装置は、変位に関しては、z方向の変位しか測定することができない。このため、X方向及びY方向の変位を同時に測定するには、図1に示した構成をX軸及びY軸に関しても別個に設けなければらならない。したがって、6軸に関する変位を計測するためには、計測装置の構造が複雑となり、演算処理の量も多くなる。また、光ビームが照射された点が測定点となるため、被測定物の変位に伴って測定点自体が移動してしまい、正確な三次元測定ができないという問題があった。
【0006】
また、特願平11−034773号において提案した方法は、6軸に関する変位を同時に測定することができるが、光ビームのスポット内にマークの鏡面部が収まるように被測定物の位置を調節しなければならない。光ビームの径は微小であり、さらにその内側に鏡面部全体が入るようにするには、被測定物の位置の微妙な調節が必要となる。6軸に関する変位を同時に測定するには、複数の光ビームの重なり合った部分にマークの鏡面部がおさまるように調節しなければならず、被測定物の位置の調節は更に高い精度が要求される。また、複数の光ビームの重なり合った部分においてのみ測定が可能であるため、測定範囲が狭いといった問題もある。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で精度よく三次元の変位及び傾斜を測定可能な変位傾斜測定装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の問題は次に述べる各手段を講じることにより解決することができる。
請求項1に記載の発明に係る変位傾斜測定装置は、
被測定物の変位及び傾斜を測定する変位傾斜測定装置であって、
被測定物に固定されるように形成され、光ビームを射出する光源を有する光源ユニットと、
光源ユニットから射出された光ビームを受光して、前記光源ユニットの傾斜を検出する傾斜検出部と、
光源ユニットから射出された光ビームを受光して、光源ユニットの傾斜含む二次元的な変位を検出する変位検出部と、
傾斜検出部で検出された検出及び変位検出部で検出された変位に基づいて、光源ユニットの変位を演算する演算部と
を有することを特徴とするものである。
【0009】
したがって、傾斜検出部において光源ユニットの傾斜が検出され、位置検出部において傾斜成分を含む変位が検出される。傾斜検出部による検出結果はそのまま光源ユニットの傾斜を表すものであるが、位置検出部における検出結果には光源ユニットの変位に起因する変位成分に傾斜成分が含まれており、そのままでは変位を表す情報とはならない。そこで、演算部において位置検出部の検出結果を傾斜検出部の検出結果に基づいて演算することで、光源ユニットの変位のみを演算で求めることができる。光源ユニットは被測定物に固定されて被測定物と一体的に変位及び傾斜するため、光源ユニットの変位及び傾斜を被測定物の変位及び傾斜として求めることができる。
【0010】
このように、本発明によれば一つの光ビームにより変位と傾斜を同時に測定することができ、精度の高い測定を実現できる。また、測定装置の構成が簡単となり、小型で安価となる。
また、請求項2記載の発明は、
被測定物の変位及び傾斜を測定する変位傾斜測定装置であって、
被測定物に固定されるように形成され、光ビームを複数の異なる方向に射出する光源ユニットと、
複数の異なる方向の各々に対応して設けられ、光源ユニットから射出された光ビームを受光して、光源ユニットの傾斜を検出する複数の傾斜検出部と、
複数の異なる方向の各々に対応して設けられ、光源ユニットから射出された光ビームを受光して、光源ユニットの傾斜を含む二次元的な変位を検出する複数の変位検出部と、
傾斜検出部で検出された検出及び変位検出部で検出された変位に基づいて、光源ユニットの変位を算出する演算部と
を有することを特徴とするものである。
【0011】
したがって、傾斜検出部において光源ユニットの傾斜が検出され、位置検出部において傾斜成分を含む変位が検出される。傾斜検出部による検出結果はそのまま光源ユニットの傾斜を表すものであるが、位置検出部における検出結果には光源ユニットの変位に起因する変位成分に傾斜成分が含まれており、そのままでは変位を表す情報とはならない。そこで、演算部において位置検出部の検出結果を傾斜検出部の検出結果に基づいて演算することで、光源ユニットの変位のみを演算で求めることができる。光源ユニットは被測定物に固定されて被測定物と一体的に変位及び傾斜するため、光源ユニットの変位及び傾斜を被測定物の変位及び傾斜として求めることができる。
【0012】
また、光ビームは複数の異なる方向に射出され、各々の方向に対して傾斜検出部及び位置検出部が設けられる。一方向のみの光ビームによる検出では、光ビームの軸方向への光源ユニットの変位及び光ビームの軸方向回りの光源ユニットの傾斜は検出することができない。本発明では、複数の異なる方向に光ビームを照射し、その各々の方向に対して傾斜検出部及び位置検出部を設けている。したがって、少なくとも異なる二方向に関して変位及び傾斜を検出することにより、三次元のX,Y,Z方向すべてとX,Y,Z軸回りの傾斜を同時に測定することができる。
【0013】
このように、本発明によれば複数の方向に光ビームを照射することにより三次元の変位と傾斜を同時に測定することができ、精度の高い測定を実現できる。また、測定装置の構成が簡単となり、小型で安価となる。
また、請求項3に記載の発明は、
請求項2に記載の変位傾斜測定装置であって、
光源ユニットは、光ビームを射出する発光素子と、該光ビームを平行光に変換するレンズ系と、平行光の光ビームを互いに直交する二方向に分岐するビーム分離手段とを有し、
傾斜検出部は、受光面における光ビームの入射位置を検出して位置信号を出力する位置検出素子と、光ビームの傾斜に起因する変位成分のみを抽出する傾斜検出用光学系とを有し、
位置検出部は、受光面における光ビームの入射位置を検出して位置信号を出力する位置検出素子を有し、
演算部は、位置検出素子からの位置信号に基づいて、ビーム分離手段による光ビームの分岐点の変位量及び回転量を演算することを特徴とするものである。
【0014】
したがって、光源ユニットは、発光素子とレンズ系とビームスプリッタ等のビーム分離手段により構成することができ、小型の光源ユニットを構成することができる。また、傾斜検出部及び位置検出部に使用される位置検出素子としては、小型で安価なPSDを使用することができる。光源ユニットからの複数の光ビームはビーム分離手段により分岐されたものであり、この分岐点の変位及び回転を演算することにより光源ユニットの変位及び傾斜を同時に計測することができる。
【0015】
また、請求項4に記載の発明は、
請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載の変位傾斜測定装置であって、
傾斜検出部は所定の焦点距離を有するレンズを有しており、位置検出素子の受光面は前記レンズの焦点位置に配置されることを特徴とするものである。
したがって、傾斜検出部に入射する光ビームはレンズを介して位置検出素子の受光面に入射する。受光面がレンズの焦点位置であるため、レンズの光軸に平行な光ビームはレンズのどの位置に入射してもすべてレンズの焦点に集光される。すなわち、レンズの光軸に平行な光ビームは位置検出素子の一定の位置に集光される。一方、レンズの光軸に対して傾斜して入射した光ビームは、その傾斜に応じた角度で屈折し、位置検出素子の受光面への入射位置もずれることになる。したがって、光ビームをレンズを介してレンズの焦点位置に配置された受光面に入射させることにより、光源ユニットの傾斜成分のみを表す位置信号を得ることができる。このように、レンズを設けるだけで容易に傾斜成分のみを検出することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、
請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載の変位傾斜測定装置であって、
位置検出部は所定の焦点距離を有する変倍レンズを有しており、位置検出素子の受光面は変倍レンズの焦点位置以外の位置に配置されることを特徴とするものである。
【0017】
したがって、位置検出部に入射する光ビームの位置変化は変倍レンズにより縮小又は拡大される。位置検出部の受光面が変倍レンズの焦点距離の二倍以上の位置にあれば、光ビームの位置変化は拡大されることとなり、位置検出部の分解能以上の微小な変位でも検出することができる。また、位置検出部の受光面が変倍レンズの焦点距離の二倍以下の位置にあれば、光ビームの位置変化は縮小されることとなり、位置検出部の受光面積を減少することができる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、
請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載の変位傾斜測定装置であって、
変位検出部は、受光した光ビームの光スポットの強度分布を空間位置としてデジタル的に検出する受光素子よりなり、所定の受光強度以上の領域よりなる光スポット像の光学的重心位置を光ビームの受光位置として検出することを特徴とするものである。
【0019】
したがって、位置検出素子が受光する光ビームに歪みが生じたり、輪郭がボケてしまったような場合であっても、光ビームによる光スポットの所定の強度以上の領域に基づいて重心位置を決定するため、光ビームの歪や輪郭ボケによる測定誤差を低減することができる。
請求項7記載の発明は、
請求項1乃至6のうちいずれか一項に記載の変位傾斜測定装置であって、
光源ユニットは可視光の光ビームを射出する可視光発光素子と、可視光の光ビームを光ビームに重畳する手段とを有し、可視光の光ビームが傾斜検出部及び変位検出部に入射する前に可視光の光ビームを遮光するフィルタ手段を設けたことを特徴とするものである。
【0020】
本発明に係わる光学的変位傾斜測定装置では、測定用の光ビームに赤外光を用いるのが一般的である。これは、一般照明下において位置検出素子による測定用光ビームに可視光の影響が現れないようにするためである。しかし、赤外光を測定用光ビームに使用すると、目視により光ビームの位置が確認できないため、光学系の光軸調整等がやりにくくなる。そこで、本発明では、測定用の光ビームに可視光の光ビームを重畳することにより、目視で光軸等の調整を可能としたものである。
【0021】
請求項8に記載の発明は、
請求項1乃至7のうちいずれか一項に記載の変位傾斜測定装置であって、
傾斜検出部及び変位検出部における光ビームの受光状態を表示する表示手段を更に有することを特徴とするものである。
したがって、変位傾斜測定装置を設定するときに、位置検出素子の受光面の範囲に光りビームが正確に入射しているか等の情報を表示することにより、被測定物(すなわち光源ユニット)の位置調整等を表示装置で確認しながら行うことができ、調整作業が容易となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
図2は本発明の第1の実施形態による三次元変位傾斜測定装置10の構成を示す図である。三次元変位傾斜測定装置10は検出部11と演算部12とを有する。検出部11は、被測定物13の変位及び傾斜を光学的に検出する部分である。演算部12は、検出部11の検出結果に基づいて被測定物13の変位及び傾斜を演算する。
【0023】
検出部11は、被測定物13に固定可能に形成された光源ユニット14を含んでいる。光源ユニット14は、ねじ止め等の機械的な手段又は接着剤等により被測定物13に対して固定される。したがって、被測定物13に変位及び傾斜が生じると、光源ユニット14も被測定物13と一体的に変位及び傾斜することとなる。すなわち、被測定物13の変位及び傾斜は、光源ユニット14の変位及び傾斜に等しいこととなり、光源ユニット14の変位及び傾斜を検出すれば、被測定物13の変位及び傾斜を検出することができる。
【0024】
ここで、図2及び図3を参照しながら、検出部11の光学系の構成に関して説明する。図3は図2の検出部11における光学系の構成を示す斜視図である。
光源ユニット14は、図2に示すように光源14aとビームスプリッタ14bとを有する。光源14aから射出された光ビーム15はビームスプリッタ14bに入射して互いに直交する二方向に分割される。分割された一方の光ビーム15aはビームスプリッタ16に入射し、他方の光ビーム15bはビームスプリッタ19に入射する。
【0025】
ビームスプリッタ16に入射した光ビーム15aは、ビームスプリッタ16により分割されて異なる2方向へ向けられる。ビームスプリッタ16により分割された光ビーム15aの一方は位置検出素子17に入射し、他方は低収差レンズ18aを介して位置検出素子18bに入射する。
また、ビームスプリッタ19に入射した光ビーム15bは、ビームスプリッタ19により分割されて異なる2方向へ向けられる。ビームスプリッタ19により分割された光ビーム15bの一方は位置検出素子20に入射し、他方は低収差レンズ21aを介して位置検出素子21bに入射する。
【0026】
位置検出素子17、18b、20、21bの各々は、素子の受光面上において光ビームが入射している位置を表す情報を電圧信号として出力する素子である。位置検出素子17、18b、20、21bの各々から出力された電圧信号は、演算部12に供給される。
演算部12は信号処理回路22を有しており、供給された電圧信号は信号処理回路22に入力される。信号処理回路22は、入力された電圧信号を位置データに変換してデータ処理装置23に出力する。データ処理装置23はパーソナルコンピュータ等により構成され、信号処理回路22からの位置データに基づいて光源ユニット14(すなわち、被測定物13)の変位及び傾斜を演算する。
【0027】
ここで、上述の変位傾斜測定装置10の各部に関して更に詳細に説明する。
図4は光源ユニット14の内部構成を示す斜視図である。光源14aは発光素子14a−1とレンズ系14a−2とよりなる。発光素子14a−1としてはLD又はLEDが使用される。レンズ系14a−2はコリメートレンズ等よりなり、発光素子14a−1から射出された光を平行光に変換する。したがって、レンズ系14a−2からは、平行光である光ビーム15が射出される。光ビーム15はビームスプリッタ14bに入射し、光ビーム15aと光ビーム15bとに分割される。光ビーム15aは光源14の光軸の延長方向に進み、光ビーム15bは光源14の光軸に直交する方向に進む。
【0028】
発光素子14a−1、レンズ系14a−2及びビームスプリッタ14bは、それらの光軸が調整されて筐体(図示せず)に収容され一体化され、光源ユニット14として形成される。なお、光源ユニット14の筐体内には発光素子を駆動するための電源となるバッテリ等も収容される。あるいは、外部から電源を供給する構成としてもよい。上述の例では発光素子14a−1が光源ユニット14に組み込まれているが、光ファイバ等により外部から光を導く構成としてもよい。
【0029】
光ビーム15aが入射する低収差レンズ18aと位置検出素子18bとを組み合わせた構成は、光源ユニット14の傾斜のみを検出する傾斜検出部として機能する。同様に、光ビーム15bが入射する低収差レンズ21aと位置検出素子21bとを組み合わせた構成も、光源ユニット14の傾斜のみを検出する傾斜検出部として機能する。図5は、光源ユニット14の傾斜のみを検出する傾斜検出部の機能を説明するための図である。
【0030】
図5において、低収差レンズ18aと位置検出素子18bとの距離は、低収差レンズ18aの焦点距離fに等しい。すなわち、位置検出素子18bの受光面は低収差レンズ18aの焦点位置とされている。したがって、低収差レンズ18aの光軸に平行な光ビームが低収差レンズ18aに入射した場合は、その光ビームが光軸からずれていても、すべて低収差レンズ18aの焦点に集光することとなる。すなわち、図5に実線で示す光ビームa及びbは光軸からのずれが異なるが、受光素子18bの受光面における同じ位置(すなわち、低収差レンズ18aの焦点位置)に入射する。一方、低収差レンズ18aの光軸に対して傾斜して入射した光ビームc(図5において点線で示す)はその傾斜に応た距離だけ低収差レンズ18aの焦点位置からずれた位置に入射する。
【0031】
上述の構成によれば、光源ユニット14がどの方向に変位しても光ビーム15aは位置検出素子18bの受光面の同じ位置(低収差レンズ18aの焦点位置)に入射する。そして、光源ユニット14が傾斜した場合にのみ、位置検出素子18bの受光面における光ビーム15aの入射位置がずれることになる。したがって、位置検出素子18bの受光面における光ビーム15aの入射位置のずれは光源ユニット14の傾斜だけで生じるものであり、光源ユニット14の変位成分は含まれない。したがって、位置検出素子18aから出力される位置信号は、光源ユニット14の傾斜のみを表すものとなる。
【0032】
一方、位置検出素子17にはビームスプリッタにより分割された光ビーム15aが直接入射する。よって、光源ユニット14に変位が生じると、その変位は位置検出素子17の受光面における光ビーム15aの入射位置の変位となる。ただし、光源ユニット14が傾斜した場合も、位置検出素子17の受光面における光ビーム15aの入射位置がずれることとなる。したがって、位置検出素子17から出力される位置信号は、光源ユニット14の変位及び傾斜の両方を表すものとなる。
【0033】
なお、光ビーム15aに関する位置検出素子18b及び位置検出素子17では、光ビーム15aの軸方向の変位及び光ビーム15aの軸回りの傾斜は検出できない。そこで、変位傾斜測定装置10においては、光ビーム15aの光軸に直交した方向に光ビーム15bを分岐させ、位置検出素子20及び21b及び低収差レンズ21aを光ビーム15bに関して配置することにより、光源ユニット14の光ビーム15aの軸方向の変位及び軸回りの傾斜も同時に検出できるよう構成されている。
【0034】
ここで、位置検出素子17,18b,20,21bについて説明する。本実施の形態においては、これらの位置検出素子として、フォトダイオードの表面抵抗を利用した非分割型位置センサ(一般的にPSDと称される)を使用している。二次元PSDは略正方形の受光面を有し、受光面に入射する光ビームの位置に応じてX方向の位置に対応する位置信号(光電流)及びY方向の位置に対応する位置信号(光電流)を出力する。したがって、X方向の位置信号及びY方向の位置信号を電圧信号に変換することにより、受光面における光ビームの入射位置を電圧信号に基づく二次元座標として表すことができる。
【0035】
上述の位置検出素子(PSD)17,18b,20,21bから出力された位置信号は演算部12に入力される。図6は演算部12の機能を表すブロック図である。
位置検出素子(PSD)17,18b,20,21bから出力された位置信号は、まず信号処置回路11に入力される。位置検出素子17,18b,20,21bの各々からは、X方向及びY方向に関する2つの位置信号(光電流)が出力されており、これらを信号処理回路22によりスポット位置情報(電圧による座標値)に変換する。
【0036】
例えば、位置検出素子の受光面におけるX方向に対応する位置信号を変換して求められた電圧信号が3Vであり、Y方向に対応する位置信号を変換して求められた電圧信号が2Vであった場合は、光ビームの入射位置は受光面における座標位置(X=3,Y=2)に光ビームが入射しているときである。信号処理回路11は、この座標位置を表すスポット位置情報を各々の位置検出素子からの位置信号に関して生成する。電圧信号で表されたスポット位置情報は、演算処理を行うためにディジタル値に変換されてデータ処理装置23に出力される。
【0037】
データ処理装置23は、信号処理回路22からのスポット位置情報に基づいて光源ユニット14(すなわち被測定物13)の空間位置(X,Y,Z)及び傾斜角度を演算する。演算処理装置23がパーソナルコンピュータ等により構成されていて表示機能あるいは印刷機能を有している場合は、演算結果をディスプレイに表示したりプリントアウトしたりできる。
【0038】
データ処理装置23は、まず位置検出素子18b,21bからスポット位置情報に基づいて、傾斜角度の演算を行う。上述のように、位置検出素子18b,21bからの位置信号は光源ユニット14の傾斜のみを表す信号なので、スポット位置情報に基づいて傾斜角度を求めることができる。すなわち、位置検出素子18b,21bの受光面における光ビーム15a,15bの入射位置の変化から傾斜角度を求める。
【0039】
次に、データ処理装置23は、位置検出素子17,20からのスポット位置情報及び演算された傾斜角度に基づいて、光源ユニット14の空間位置(X,Y,Z)を演算する。上述のように、位置検出素子17,20からのスポット位置情報には光源ユニット14のX,Y,Z方向の変位に加えてX,Y,Z軸回りの傾斜も含まれている。X,Y,Z軸回りの傾斜角度は事前に演算で求められているので、位置検出素子17,20からのスポット位置情報により求められる変位からから傾斜成分を減じることにより、光源ユニット14のX,Y,Z方向の変位のみを求めることができる。
【0040】
次に、図7を参照して、X,Y,Z方向の変位のみを求める演算について説明する。
本発明では、直交する2軸のそれぞれに対して2つの位置検出素子が設けられる。図7においては、2つの位置検出素子がZ軸に関して設けられ、2つの位置検出素子がXZ平面にありX軸に平行な軸上に関して設けられている構成を示すものであるが、簡略化のため2つの位置検出素子が一つの素子(PSD1及びPSD2)として描かれている。同じ軸に関して配置されている2つの位置検出素子の一方には光ビーム15a,15bが直接入射し、他方の位置検出素子にはレンズL1 又はL2 を介して光ビームが入射する。
【0041】
今、レンズL1 ,L2 が理想的なレンズ、すなわち収差がまったく無いレンズであるとすると、一方の位置検出素子上の光スポット位置は、基準ビームのレンズへの入射角のみにより決定される。この点をA1 及びA2 とする。点A1 に関しては位置検出素子PSD1の中心を空間座標の原点Oにとり、空間座標と同じく位置検出素子PSD1上のローカル座標のx軸及びy軸をとったときの点A1 のローカル座標を(xl1 ,yl1 )とする。このとき、光ビーム15aの入射ベクトルV1 は、以下のように表される。ここで、θ1 は入射ベクトルV1 と空間座標のZ軸との間の角度であり、φ1 は入射ベクトルV1 と空間座標のX軸との間の角度である。
【0042】
1 =(sinθ1 cosφ1 ,sinθ1 sinφ1 ,cosθ1
ここで、f・tanθ1 =√(xl1 2+yl1 2)tanφ1 =yl1 /xl1 という関係が成り立つ。
同様な方法により、基準光ビーム15bにおける入射ベクトルV2 も算出される。但し、点A2 における位置検出素子PSD2上のローカル座標系と測定系の空間座標系との対応関係に注意して入射ベクトルV2 を算出する必要がある。
【0043】
次に、レンズL1 ,L2 を通過しないで位置検出素子PSD1,PSD2に直接入射する各光ビーム15a,15bの空間座標上のスポット位置をP1 ,P2 とすると、光ビーム15a,15bの交点Sは、直線OP1 +tV1 と直線OP2 +kV2 との交点として求められる。ここでt及びkは任意の実数である。この交点Sが光源ユニット14(ビームスプリッタ14により光ビームが分岐される点)の位置に相当する。
【0044】
しかし、実際には測定誤差あるいは光学系の誤差等の影響で、直線OP1 +tV1 と直線OP2 +kV2 とは正確に交差しない。この場合、直線OP1 +tV1 又は直線OP2 +kV2 上において、両直線が最も近接する点を交点Sとみなすことで、交点Sの座標を求めることができる。
ここで、光ビーム15a,15b上の任意の点をそれぞれQ1 ,Q2 とし、Q1 2 ⊥(OP1 +tV1 )かつQ1 2 ⊥(OP2 +kV2 )が成り立つt及びkを求めれば、交点Sの三次元座標を求めることができる。すなわち、以下の連立方程式を解くことにより、交点Sの空間座標を求めることができる。
【0045】
1 ・Q1 2 =(OP2 −OP1 )・V1 +kV2 ・V1 −tV1 ・V1 =0
2 ・Q1 2 =(OP2 −OP1 )・V1 +kV2 ・V2 −tV1 ・V2 =0
また、光ビーム15a,15bの光源(光源ユニット14)は被測定物13に固定されているので、ベクトルV1 ,V2 の変動成分が交点Sの回転変位量、すなわち光源ユニット14の傾斜角度に相当することとなる。以上のような演算を行うことにより、被測定物13の三次元座標位置及び傾斜角度を算出することができる。
【0046】
上述の実施の形態では、位置検出素子17,20に対しては、レンズを介さずに光ビーム15a,15bを直接入射させているが、図8に示すように低収差レンズ(変倍レンズ)30を介して光ビームを位置検出素子17,20に入射させることとしてもよい。この場合、レンズ30への入射角をβ、レンズの中心から入射位置までの距離ををsとすると、位置検出素子17,21の受光面の中心から入射位置までの距離rは以下の式で表される。
【0047】
r=(f+δf)tanβ−δf/f・s
すなわち、レンズ30での入射位置変位δsに対して、位置検出素子上の変位はδf=−δf/f・δsとなる。δf>fとすれば、光ビームの変位はレンズ30によりδf/f倍に拡大される。これにより、位置検出素子の分解能以上の微小な変位を検出することが可能となる。また、δf<fとすれば、光ビームの変位はレンズ30によりδf/f倍に縮小される。これにより、位置検出素子の受光面の大きさを減少することができる。
【0048】
また、上述の実施の形態では、位置検出素子としてPSDを使用しているが、入射した光ビームのスポットの強度分布が空間の位置としてデジタル的に検出できるような素子、例えばCCDのような受光素子を使用してもよい。図9はそのような素子であるCCD37による光ビームの受光の様子を示す図である。受光された光ビームによる光スポットの重心位置を光ビームの位置信号とするものであるが、このとき、所定の受光光量レベル以上の部分からなるスポット像35を計算し、得られたスポット像35の輪郭36を算出する。そして、光スポットの光量分布情報とともに光スポットの重心位置を算出することにより、その光スポットの位置情報を得る。
【0049】
これにより、レンズの収差に起因した光スポットの歪みの影響や光スポットの輪郭のボケによる影響を低減することができる。また、光ビームが傾斜して位置検出素子の受光面に入射した場合の重心検出誤差を補正することができる。したがって、信頼性の高い高精度の位置検出が可能となる。
次に、本発明の第2の実施形態について図10を参照して説明する。図10は本発明の第2の実施形態による三次元変位傾斜測定装置に設けられた検出部の斜視図である。図10において、図2及び図3に示された構成部品と同じ部品には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0050】
本実施形態では光ビーム15として赤外光を使用し、光ビーム15に加えて可視光ビームを光ビーム15と同じ光路に射出する。すなわち、測定用の光源としては赤外領域の波長が適しているが、赤外光は目視できないため光学系の軸合わせや調整に使用することができない。この不都合を解消するために、本実施形態では、測定用の赤外光ビームに加えて可視光ビームを光源ユニット14から射出する構成としている。
【0051】
図11は、本実施形態における光源ユニット14の構成を示す斜視図である。この光源ユニット14には測定用光源としての光源14a−1の他に可視光用光源44が設けられている。光源44から射出される可視光ビーム40は、光路合成手段45により光源14a−1からの光ビームに合成される。光路合成手段45としては、ハーフミラー又はビームスプリッタ等が使用される。したがって、レンズ系14a−2から射出される光ビームは赤外光ビーム15と可視光ビーム40とが合成された光ビームである。この合成光ビームは、ビームスプリッタ14bにより、赤外光ビーム15aと可視光ビーム40aが合成された光ビームと赤外光ビーム15bと可視光ビーム40bとが合成された光ビームとに分岐される。
【0052】
可視光ビーム40a,40bは、ビームスプリッタ18a,21aに入射する前にフィルタ42,43により遮光され、赤外光ビーム15a,15bのみが測定用ビームとして位置検出素子に入射することとなる。したがって、可視光ビーム40a,40bが位置検出素子へ入射して光ビームの検出に影響を及ぼすことはない。
【0053】
以上のように、本実施形態では、赤外光を測定用光ビームとして使用するため一般照明下においても信頼性のある精度の高い測定を行うことができる。また、可視光ビームを光路上に投射するため、目視にて容易に光軸の調整を行うことができる。
次に、図12を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。図12は本発明の第3の実施形態による三次元変位傾斜測定装置の構成を示す図である。図12において、図2に示された構成部品と同じ部品には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0054】
本実施形態による変位傾斜測定装置は、上述の第1及び第2の実施形態に対して表示装置50を設けたものである。表示装置は信号処理回路22に接続されており、信号処理回路22からの位置信号に基づいて位置検出素子の受光面上の光スポットが検出範囲内に入っているか等の情報、あるいは、測定が問題なく行われたか等の情報を表示する。
【0055】
表示方法としては、単純に二色表示ランプという構成として、検出範囲内にあるときは一方のランプを点灯し、検出範囲外のときは他方のランプを点灯するような簡単な方法でもよい。また、図13に示すように、モニタ53上に検出可能な範囲51a,51b,51c,51dを表示し、現在の光スポットの位置を検出範囲内に表示してもよい。このとき、図13に示すように光スポットの軌跡52a,52b,52c,52dを表示することにより、調整作業をより簡単にすることができる。
【0056】
なお、表示方法及び表示する情報については、上述のもの以外に様々なものが考えられる。また、表示情報を音声により作業者に通知することも考えられる。また、データ処理装置23がパーソナルコンピュータ等により構成されて表示手段を有している場合は、データ処理装置23が表示装置50を兼ねる構成としてもよい。
【0057】
上述の実施の形態では、光ビームを直交する2方向に分岐して、同時に三次元の変位と3軸に関する傾斜の測定を可能としているが、光ビームを分岐させずに2つの位置検出装置を設けるだけでも、二次元の変位と2軸に関する傾斜の測定を行うことができる。
【0058】
【発明の効果】
上述のように、請求項1に記載の発明によれば、傾斜検出部において光源ユニットの傾斜が検出され、位置検出部において傾斜成分を含む変位が検出されるため、演算部において位置検出部の検出結果を傾斜検出部の検出結果に基づいて演算することで、光源ユニットの変位のみを演算で求めることができる。光源ユニットは被測定物に固定されて被測定物と一体的に変位及び傾斜するため、光源ユニットの変位及び傾斜を被測定物の変位及び傾斜として求めることができる。したがって、一つの光ビームにより変位と傾斜を同時に測定することができ、精度の高い測定を実現できる。また、測定装置の構成が簡単となり、小型で安価となる。
【0059】
請求項2に記載の発明によれば、傾斜検出部において光源ユニットの傾斜が検出され、位置検出部において傾斜成分を含む変位が検出されるため、演算部において位置検出部の検出結果を傾斜検出部の検出結果に基づいて演算することで、光源ユニットの変位のみを演算で求めることができる。光源ユニットは被測定物に固定されて被測定物と一体的に変位及び傾斜するため、光源ユニットの変位及び傾斜を被測定物の変位及び傾斜として求めることができる。
【0060】
また、光ビームは複数の異なる方向に射出され、各々の方向に対して傾斜検出部及び位置検出部が設けられるため、少なくとも異なる二方向に関して変位及び傾斜を検出することにより、三次元のX,Y,Z方向すべてとX,Y,Z軸回りの傾斜を同時に測定することができる。したがって、複数の方向に光ビームを照射することにより三次元の変位と傾斜を同時に測定することができ、精度の高い測定を実現できる。また、測定装置の構成が簡単となり、小型で安価となる。
【0061】
請求項3に記載の発明によれば、光源ユニットは、発光素子とレンズ系とビームスプリッタ等のビーム分離手段により構成することができ、小型の光源ユニットとを構成することができる。また、傾斜検出部及び位置検出部に使用される位置検出素子としては、小型で安価なPSDを使用することができる。光源ユニットからの複数の光ビームはビーム分離手段により分岐されたものであり、この分岐点の変位及び回転を演算することにより光源ユニットの変位及び傾斜を同時に計測することができる。
【0062】
請求項4に記載の発明によれば、傾斜検出部は所定の焦点距離を有するレンズを有しており、位置検出素子の受光面は前記レンズの焦点位置に配置されるため、傾斜検出部に入射する光ビームはレンズを介して位置検出素子の受光面に入射する。受光面がレンズの焦点位置であるため、レンズの光軸に平行な光ビームはレンズのどの位置に入射してもすべてレンズの焦点に集光される。すなわち、レンズの光軸に平行な光ビームは位置検出素子の一定の位置に集光される。一方、レンズの光軸に対して傾斜して入射した光ビームは、その傾斜に応じた角度で屈折し、位置検出素子の受光面への入射位置もずれることになる。したがって、光ビームをレンズを介してレンズの焦点位置に配置された受光面に入射させることにより、光源ユニットのの傾斜成分のみを表す位置信号を得ることができ、レンズを設けるだけで容易に傾斜成分のみを検出することができる。
【0063】
請求項5に記載の発明によれば、位置検出部は所定の焦点距離を有する変倍レンズを有しており、位置検出素子の受光面は変倍レンズの焦点位置以外の位置に配置されるため、位置検出部に入射する光ビームの位置変化は変倍レンズにより縮小又は拡大される。位置検出部の受光面が変倍レンズの焦点距離の二倍以上の位置にあれば、光ビームの位置変化は拡大されることとなり、位置検出部の分解能以上の微小な変位でも検出することができる。また、位置検出部の受光面が変倍レンズの焦点距離の二倍以下の位置にあれば、光ビームの位置変化は縮小されることとなり、位置検出部の受光面積を減少することができる。
【0064】
請求項6に記載の発明によれば、位置検出部は、受光した光ビームの光スポットの強度分布を空間位置としてデジタル的に検出する受光素子よりなり、所定の受光強度以上の領域よりなる光スポット像の光学的重心位置を光ビームの受光位置として検出するため、位置検出素子が受光する光ビームに歪みが生じたり、輪郭がボケてしまったような場合であっても、光ビームによる光スポットの所定の強度以上の領域に基づいて重心位置を決定するため、光ビームの歪や輪郭ボケによる測定誤差を低減することができる。
【0065】
請求項7に記載の発明によれば、光源ユニットは可視光の光ビームを射出する可視光発光素子と、可視光の光ビームを光ビームに重畳する手段とを有し、可視光の光ビームが傾斜検出部及び位置検出部に入射する前に可視光の光ビームを遮光するフィルタ手段が設けられるため、測定用の光ビームに可視光の光ビームを重畳することにより、目視で光軸等の調整が可能となる。
【0066】
請求項8に記載の発明によれば、傾斜検出部及び位置検出部における光ビームの受光状態を表示する表示手段が設けられるため、変位傾斜測定装置を設定するときに、位置検出素子の受光面の範囲に光ビームが正確に入射しているか等の情報を表示することにより、被測定物(すなわち光源ユニット)の位置調整等を表示装置で確認しながら行うことができ、調整作業が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の変位傾斜測定装置の構成を説明するための斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態による変位傾斜測定装置の構成を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態による変位傾斜測定装置の検出部の光学系を示す斜視図である。
【図4】光源の構成を示す斜視図である。
【図5】傾斜検出部の傾斜検出原理を説明するための図である。
【図6】本発明の第1の実施形態による変位傾斜測定装置の演算部の機能を示すブロック図である。
【図7】本発明による変位及び傾斜の演算原理を説明するための図である。
【図8】位置検出部に変倍レンズを設けた場合の作用を説明するための図である。
【図9】CCDにおける光スポットのスポット位置情報の検出を説明するための図である。
【図10】本発明の第2の実施形態による変位傾斜測定装置の検出部の光学系を示す斜視図である。
【図11】本発明の第2の実施形態による変位傾斜測定装置の光源ユニットの構成を示す斜視図である。
【図12】本発明の第3の実施形態による変位傾斜測定装置の構成を示す図である。
【図13】表示装置に表示される情報の一例を示す図である。
【符号の説明】
10 変位傾斜測定装置
11 検出部
12 演算部
13 被測定物
14 光源ユニット
14a 光源
14b,16,19 ビームスプリッタ
15,15a,15b 光ビーム
17,18b,20,21b 位置検出素子
18,21 傾斜検出部
18a,21a,30 低収差レンズ
22 信号処理回路
23 データ処理装置
37 CCD
42,43 フィルタ
44 可視光用光源
45 光路合成手段
50 表示装置

Claims (9)

  1. 被測定物の変位及び傾斜を測定する変位傾斜測定装置であって、
    被測定物に固定されるように形成され、光ビームを射出する光源を有する光源ユニットと、
    前記光源ユニットから射出された光ビームを受光して、前記光源ユニットの傾斜を検出する傾斜検出部と、
    前記光源ユニットから射出された光ビームを受光して、前記光源ユニットの傾斜含む二次元的な変位を検出する変位検出部と、
    前記傾斜検出部で検出された検出及び前記変位検出部で検出された変位に基づいて、前記光源ユニットの変位を演算する演算部と
    を有することを特徴とする変位傾斜測定装置。
  2. 被測定物の変位及び傾斜を測定する変位傾斜測定装置であって、
    被測定物に固定されるように形成され、光ビームを複数の異なる方向に射出する光源ユニットと、
    前記複数の異なる方向の各々に対応して設けられ、前記光源ユニットから射出された光ビームを受光して、前記光源ユニットの傾斜を検出する複数の傾斜検出部と、
    前記複数の異なる方向の各々に対応して設けられ、前記光源ユニットから射出された光ビームを受光して、前記光源ユニットの傾斜を含む二次元的な変位を検出する複数の変位検出部と、
    前記傾斜検出部で検出された検出及び前記変位検出部で検出された変位に基づいて、前記光源ユニットの変位を算出する演算部と
    を有することを特徴とする変位傾斜測定装置。
  3. 請求項2に記載の変位傾斜測定装置であって、
    前記光源ユニットは、光ビームを射出する発光素子と、該光ビームを平行光に変換するレンズ系と、平行光の光ビームを違いに直交する二方向に分岐するビーム分離手段とを有し、
    前記傾斜検出部は、受光面における光ビームの入射位置を検出して位置信号を出力する位置検出素子と、光ビームの傾斜に起因する変位成分のみを抽出する傾斜検出用光学系とを有し、
    前記変位検出部は、受光面における光ビームの入射位置を検出して位置信号を出力する位置検出素子を有し、
    前記演算部は、前記位置検出素子からの位置信号に基づいて、前記ビーム分離手段による光ビームの分岐点の変位量及び回転量を演算することを特徴とする変位傾斜測定装置。
  4. 請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載の変位傾斜測定装置であって、
    前記傾斜検出部は所定の焦点距離を有するレンズを有しており、前記位置検出素子の受光面は前記レンズの焦点位置に配置されることを特徴とする変位傾斜測定装置。
  5. 請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載の変位傾斜測定装置であって、
    前記傾斜検出部は所定の焦点距離を有する変倍レンズを有しており、前記位置検出素子の受光面は前記変倍レンズの焦点位置に配置されることを特徴とする変位傾斜測定装置。
  6. 請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載の変位傾斜測定装置であって、
    前記変位検出部は、受光した光ビームの光スポットの強度分布を空間位置としてデジタル的に検出する受光素子よりなり、所定の受光強度以上の領域よりなる光スポット像の光学的重心位置を前記光ビームの受光位置として検出することを特徴とする変位傾斜測定装置。
  7. 請求項1乃至6のうちいずれか一項に記載の変位傾斜測定装置であって、
    前記光源ユニットは可視光の光ビームを射出する可視光発光素子と、該可視光の光ビームを前記光ビームに重畳する手段とを有し、前記可視光の光ビームが前記傾斜検出部及び変位検出部に入射する前に前記可視光の光ビームを遮光するフィルタ手段を設けたことを特徴とする変位傾斜測定装置。
  8. 請求項1乃至7のうちいずれか一項に記載の変位傾斜測定装置であって、
    前記傾斜検出部及び前記変位検出部における光ビームの受光状態を表示する表示手段を更に有することを特徴とする変位傾斜測定装置。
  9. 請求項3乃至8のうちいずれか一項に記載の変位傾斜測定装置であって、
    前記演算部は、前記ビーム分離手段により二方向に分離した2つの光ビームの各々を示す直線の式に基づいて、傾斜角度及び三次元位置の変位量を算出することを特徴とする変位傾斜測定装置。
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