JP4032964B2 - 画像通信システム - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、第1の端末に表示された画像を第2の端末が撮像することにより、第1の端末から第2の端末にデータを送信する画像通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えばカメラ機能付き携帯電話機(以下、携帯電話機と称する)と情報コード読取装置とを利用し、携帯電話機に表示された画像を情報コード読取装置が撮像する(読取る)ことにより、携帯電話機から情報コード読取装置にデータを送信する画像通信システムが供されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−109420号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このようにデータを伝達するための媒体として画像を利用したものは、電波を用いたデータの伝達において懸念される電波の傍受などが皆無であるという利点がある。しかしながら、その一方では、画像が容易に複製可能であることや、デジタル化により複製された(偽物の)画像が本物の画像と容易に識別不可能であることから、第三者が不正を行ったとしても、不正が行われたことを適切に発見(指摘)することが困難であり、不正に対する安全性を適切に確保することが難しいという問題があった。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、第1の端末に表示された画像を第2の端末が撮像することにより、第1の端末から第2の端末にデータを送信するものにおいて、不正が行われたか否かを適切に認識することができ、不正に対する安全性を適切に確保することができる画像通信システムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した画像通信システムによれば、第2の端末において、第2の制御手段は、所定の第1の変形方法を示す画像を第2の表示手段に表示させ、第1の端末において、第1の制御手段は、第2の表示手段に表示された画像を第1の撮像手段に撮像させることにより、画像を第1の表示手段に表示させる直前に第2の端末から所定の第1の変形方法を受信し、目的とするデータが格納された画像に対して当該受信された所定の第1の変形方法に基づいて変形を施して第1の表示手段に表示させ、そして、第2の端末において、第2の制御手段は、画像が第1の表示手段に表示されると、表示された画像を第2の撮像手段に撮像させ、第2の撮像手段により撮像された画像に対して所定の第1の復元方法に基づいて復元を施し、復元が施された画像に格納されていたデータに対して所定の誤り検査を行い、誤りが検出されなければ、当該データが真であることを特定する。
【0007】
すなわち、このものによれば、第1の端末は、目的とするデータが格納された画像に対して所定の第1の変形方法に基づいて変形を施して表示し、一方、第2の端末は、画像に対して所定の第1の復元方法に基づいて復元を施し、復元が施された画像に格納されていたデータに対して所定の誤り検査を行い、誤りが検出されなければ、当該データが真であることを特定する。このように第1の端末と第2の端末との間で所定の第1の変形方法および所定の第1の復元方法の規定(取決め)を設定した上で、第1の端末から第2の端末にデータを送信し、誤りが検出されなければ、当該データが真であることを特定するので、従来のものとは異なって、不正が行われたか否かを適切に認識することができ、不正に対する安全性を適切に確保することができる。また、第三者が不正を行い得る時間を皆無にすることができ、不正に対する安全性をより適切に確保することができる。さらに、第2の端末は、所定の第1の変形方法を画像通信により第1の端末に通知することができ、第1の端末は、第2の端末から画像通信により通知された所定の第1の変形方法に基づいて画像に対して変形を施すことができる。
【0008】
尚、この場合、変形とは、伝達されるデータに対してあるいは伝達されるデータがコード化された画像に対して施すことができるものであり、例えばデータのビット列や画像の明暗パターンを並替える処理や、データを所定の演算式により演算する処理や、画像の明暗パターンに他のパターン(マスクパターン)を重ねて論理演算して明暗パターンを作成する処理などであり、復元とは、これらの処理が施されたデータのビット列や画像の明暗パターンを元の状態に戻す処理である。
【0011】
請求項に記載した画像通信システムによれば、第2の端末において、第2の制御手段は、所定の第1の変形方法に対して所定の第2の変形方法に基づいて変形を施し、所定の第2の変形方法に基づいて変形が施された第1の変形方法を第1の端末に送信し、そして、第1の端末において、第1の制御手段は、第2の端末から所定の第1の変形方法を受信し、受信された所定の第1の変形方法に対して所定の第2の復元方法に基づいて復元を施し、画像に対して当該復元が施された所定の第1の変形方法に基づいて変形を施す。
【0012】
これにより、所定の第1の変形方法に対して所定の第2の変形方法に基づいて変形を施し、所定の第2の変形方法に基づいて変形が施された所定の第1の変形方法に対して所定の第2の復元方法に基づいて復元を施した後に、目的とするデータが格納された画像に対して所定の第1の変形方法に基づいて変形を施すことにより、システム全体として二重に変形を施すことになるので、不正に対する安全性をより適切に確保することができる。
【0013】
請求項に記載した画像通信システムにおいて、第1の端末において、第1の制御手段は、所定の第2の変形方法を示す画像を第1の表示手段に表示させ、そして、第2の端末において、第2の制御手段は、所定の第2の変形方法を示す画像が第1の表示手段に表示されると、表示された画像を第2の撮像手段に撮像させることにより、第1の端末から所定の第2の変形方法を受信し、所定の第1の変形方法を示す画像に対して当該受信された所定の第2の変形方法に基づいて変形を施す。これにより、第1の端末は、所定の第2の変形方法を画像通信により第2の端末に通知することができ、第2の端末は、第1の端末から画像通信により通知された所定の第2の変形方法に基づいて所定の第1の変形方法に対して変形を施すことができる。
【0014】
請求項に記載した画像通信システムによれば、第1の端末において、第1の制御手段は、データを変形した後に当該変形されたデータをコード化して画像を生成するか、または、データをコード化して画像を生成した後に当該生成された画像を変形するかにより、画像に対して変形を施す。これにより、第1の端末は、データをコード化して画像を生成する前およびデータをコード化して画像を生成した後のうちいずれかで、画像に対して変形を施すことができ、画像に対して変形を施すタイミングをシステムの形態に応じて柔軟に設定することができる。
【0015】
請求項に記載した画像通信システムによれば、第2の端末において、第2の制御手段は、画像を復元した後に当該復元された画像をデコード化してデータを生成するか、または、画像をデコード化してデータを生成した後に当該生成されたデータを復元するかにより、画像に対して復元を施す。これにより、第2の端末は、画像をデコード化してデータを生成する前および画像をデコード化してデータを生成した後のうちいずれかで、画像に対して復元を施すことができ、画像に対して復元を施すタイミングをシステムの形態に応じて柔軟に設定することができる。
【0016】
請求項に記載した画像通信システムによれば、所定の第1の変形方法および所定の第2の変形方法のうち少なくとも一つの変形方法として暗号化を用い、画像に対して変形を施す処理として公開鍵を用いてデータを暗号化すると共に、画像に対して復元を施す処理として秘密鍵を用いてデータを復号化する。これにより、公開鍵および秘密鍵を用いた暗号化の特徴を生かした安全性の高いシステムを構築することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
(第1実施例)
以下、本発明の第1実施例として、第1の端末としてカメラ機能付き携帯電話機(以下、携帯電話機と称する)を適用すると共に、第2の端末として情報コード読取装置を適用した場合について、図1ないし図5を参照して説明する。
まず、図1は、画像通信システム1を構成する携帯電話機2および情報コード読取装置3の電気的な構成を機能ブロック図として示している。携帯電話機2は、制御回路4(本発明でいう第1の制御手段)、カメラ5(本発明でいう第1の撮像手段)、表示器6(本発明でいう第1の表示手段)、マイクロホン7、スピーカ8、キーボード9、メモリ10、無線回路11を備えて構成されている。
【0018】
制御回路4は、マイクロコンピュータを主体として構成されており、制御プログラムを実行することにより携帯電話機2の動作全般を制御する。カメラ5は、携帯電話機2が所定の読取位置に位置しており、情報コード読取装置3の表示器12(本発明でいう第2の表示手段)が対向しているときに、表示器12に表示された画像を撮像可能となっており、撮像された画像を制御回路4に出力する。
【0019】
制御回路4は、カメラ5から画像が入力されると、入力された画像が二次元コードであるときには、二次元コードを解析し、解析データを生成する。表示器6は、携帯電話機2から情報コード読取装置3に送信すべきデータがコード化された二次元コードを表示する。マイクロホン7は、ユーザが発した音声を送話音声として入力する。スピーカ8は、無線通信網から無線回路11に受信された音声を受話音声として出力する。
【0020】
キーボード9は、ユーザが操作するための電源キー、通話開始キー、通話終了キーおよび数字キーなどが配列されて構成されており、いずれかのキーが操作されると、操作されたキーを示す操作信号を制御回路4に出力する。メモリ10は、制御回路4が二次元コードを解析して生成した解析データを記憶する。無線回路11は、制御回路4が二次元コードを解析して生成した解析データを無線通信網に送信する(出力する)。
【0021】
情報コード読取装置3は、制御回路13(本発明でいう第2の制御手段)、CCDセンサ14(本発明でいう第2の撮像手段)、結像レンズ15、増幅回路16、A/D変換回路17、同期信号発生回路18、アドレス発生回路19、画像メモリ20、表示器12、表示器21、近接センサ22、操作スイッチ23、LED24、ブザー25、メモリ26、通信インタフェース回路27を備えて構成されている。
【0022】
制御回路13は、マイクロコンピュータを主体として構成されており、制御プログラムを実行することにより情報コード読取装置3の動作全般を制御する。CCDセンサ14は、携帯電話機2の表示器6が対向しているときに、表示器6に表示された画像を結像レンズ15を通じて撮像可能になっている。
【0023】
CCDセンサ14は、撮像された画像を同期信号発生回路18から入力された同期信号(クロック信号)に同期して走査線信号として増幅回路16に出力する。増幅回路16は、CCDセンサ14から走査線信号が入力されると、入力された走査線信号を増幅してA/D変換回路17に出力する。A/D変換回路17は、増幅回路16から増幅された走査線信号が入力されると、入力された走査線信号を多段階のレベルからなるデジタル信号に変換して画像メモリ20に出力する。
【0024】
アドレス発生回路19は、同期信号発生回路18から入力された同期信号に基づいて画像メモリ20に対するアドレスを発生させる。そして、制御回路13は、A/D変換回路17から出力されるデジタル信号を画像情報としてアドレス発生回路19により設定された画像メモリ20のアドレスに記憶させる。また、制御回路13は、画像メモリ20に記憶させた画像情報を読出すことにより、CCDセンサ14により撮像された画像を入力し、入力された画像が二次元コードであるときには、入力された二次元コードを解析し、解析データを生成する。
【0025】
表示器12は、情報コード読取装置3から携帯電話機2に送信すべきデータがコード化された二次元コードを表示する。近接センサ22は、例えば投光素子と受光素子とが対向して配設された透過型の光電センサにより構成されており、投光素子から投じられた光が受光素子に受光されなかった(遮光された)か否かを監視することにより、携帯電話機2が所定の読取位置に位置したか否かを監視する。この場合、近接センサ22は、投光素子から投じられた光が受光素子に受光されなかったことを検出したことにより、携帯電話機2が所定の読取位置に位置したことを検出すると、検出信号を制御回路13に出力する。尚、ここでいう所定の読取位置とは、上記したように携帯電話機2のカメラ5と情報コード読取装置3の表示器12とが対向する位置である。
【0026】
操作スイッチ23は、ユーザが操作するための各種のスイッチが配列されて構成されており、いずれかのスイッチが操作されると、操作されたスイッチを示す操作信号を制御回路4に出力する。LED24は、制御回路13から駆動信号が入力されると、点灯または点滅するように構成されており、ブザー25は、制御回路13から駆動信号が入力されると、鳴動するように構成されている。
【0027】
メモリ26は、制御回路13が二次元コードを解析して生成した解析データを記憶する。通信インタフェース回路27は、制御回路13が二次元コードを解析して生成した解析データを外部に出力する。この場合、通信インタフェース回路27は、解析データを無線通信で外部に出力する構成であっても良いし、解析データを有線通信で外部に出力する構成であっても良い。
【0028】
次に、上記した構成の作用について、図2ないし図5も参照して説明する。ここで、図2は、情報コード読取装置3の制御回路13が行う処理および携帯電話機2の制御回路4が行う処理をフローチャートとして示している。尚、ここでは、目的とするデータがコード化された画像として二次元コード(この場合はQRコード)を表示することを前提として説明する。
【0029】
情報コード読取装置3の制御回路13は、第1の変形方法を示すデータをコード化して二次元コードを生成し、生成された二次元コード、つまり、第1の変形方法を示す二次元コードを表示器12に表示させる(ステップS1)。
【0030】
一方、携帯電話機2の制御回路4は、第1の変形方法を示す二次元コードが情報コード読取装置3の表示器12に表示されると、表示された二次元コードをカメラ5に撮像させ(ステップT1)、撮像された二次元コードをデコード化して第1の変形方法を識別する(ステップT2)。
【0031】
次いで、制御回路4は、携帯電話機2から情報コード読取装置3に送信すべき目的とするデータに第1の誤り訂正符号(ECC(1))を付加し(ステップT3)、第1の誤り訂正符号が付加されたデータを第1の変形方法に基づいて変形する(ステップT4)。この場合、変形とは、例えばデータのビット列を並替える処理や、データを所定の演算式により演算する処理などである。
【0032】
次いで、制御回路4は、変形されたデータに第2の誤り訂正符号(ECC(2))を付加し(ステップT5)、第2の誤り訂正符号が付加されたデータをコード化して二次元コードを生成する(ステップT6)。そして、制御回路4は、このようにして生成された二次元コード、つまり、目的とするデータが第1の変形方法に基づいて変形されてコード化された二次元コードを表示器6に表示させる(ステップT7)。
【0033】
情報コード読取装置3の制御回路13は、目的とするデータが第1の変形方法に基づいて変形されてコード化された二次元コードが携帯電話機2の表示器6に表示されると、表示された二次元コードをCCDセンサ14に撮像させ(ステップS2)、画像の明暗パターンを判別して(デコード化して)データ(ビット列)を生成する(ステップS3)。
【0034】
次いで、制御回路13は、生成されたデータを第2の誤り訂正符号により誤り訂正を行い(ステップS4)、誤り訂正されたデータを第1の復元方法に基づいて復元する(ステップS5)。この場合、復元とは、上記した変形により処理が施されたデータのビット列を元の状態に戻す処理である。そして、制御回路13は、復元されたデータを第1の誤り訂正符号により誤り訂正を行い(ステップS6)、誤りが検出されなければ、データが真であることを特定する(ステップS7)。
【0035】
すなわち、以上に説明した一連の処理では、画像通信システム1において、まず、携帯電話機2は、第1の変形方法を示す二次元コードが情報コード読取装置3に表示されると、表示された第1の変形方法を示す二次元コードを撮像し(図3中、▲1▼参照)、目的とするデータを第1の変形方法に基づいて変形し、変形されたデータをコード化して二次元コードを生成して表示することになる。
【0036】
そして、情報コード読取装置3は、目的とするデータが第1の変形方法に基づいて変形されてコード化された二次元コードが携帯電話機2に表示されると、表示された二次元コードを撮像し(図3中、▲2▼参照)、二次元コードをデコード化してデータを生成し、生成されたデータを第1の復元方法に基づいて復元して誤り訂正を行い、誤りが検出されなければ、目的とするデータが真であることを特定することになる。
【0037】
ところで、上記した処理では、携帯電話機2において、データを第1の変形方法に基づいて変形した後に当該変形されたデータをコード化して二次元コードを生成する場合を説明したものであるが、データをコード化して二次元コードを生成した後に当該生成された二次元コードを第1の変形方法に基づいて変形しても良い。この場合、変形とは、図4に示すように、画像の明暗パターンを並替える処理や、図5に示すように、画像の明暗パターンに他のパターン(マスクパターン)を重ねて論理演算して明暗パターンを作成する処理などである。尚、具体的には、図4では、行を並替える処理を示しており、図5では、排他的論理和を用いる処理を示している。
【0038】
また、情報コード読取装置3において、二次元コードをデコード化(画像の明暗パターンを判別)してデータ(ビット列)を生成した後に当該生成されたデータを第1の復元方法に基づいて復元する場合を説明したものであるが、二次元コードを第1の復元方法に基づいて復元した後に当該復元された二次元コードをデコード化してデータを生成しても良い。
【0039】
また、携帯電話機2および情報コード読取装置3の双方が近距離無線通信(例えばBluetooth通信、無線LAN通信および赤外線通信など)の機能を搭載している構成であれば、必ずしも第1の変形方法を示すデータをコード化して二次元コードの状態で情報コード読取装置3から携帯電話機2に送信する必要はなく、第1の変形方法を示すデータをビット列の状態で情報コード読取装置3から携帯電話機2に無線通信で送信するように構成しても良い。さらに、携帯電話機2および情報コード読取装置3の双方が接点端子を搭載している構成であれば、第1の変形方法を示すデータを情報コード読取装置3から携帯電話機2に接点を通じて送信するように構成しても良い。
【0040】
以上に説明したように第1実施例によれば、画像通信システム1において、携帯電話機2は、目的とするデータを第1の変形方法に基づいて変形し、変形されたデータをコード化して二次元コードを生成して表示し、情報コード読取装置3は、携帯電話機2に表示された画像を撮像し、撮像された画像をデコード化してデータを生成し、生成されたデータを第1の復元方法に基づいて復元して誤り訂正を行い、誤りが検出されなければ、目的とするデータが真であることを特定するように構成した。
【0041】
このように携帯電話機2と情報コード読取装置3との間で第1の変形方法および第1の復元方法の規定(取決め)を設定した上で、携帯電話機2から情報コード読取装置3にデータを送信し、誤りが検出されなければ、当該データが真であることを特定するように構成したので、従来のものとは異なって、不正が行われたか否かを適切に認識することができ、不正に対する安全性を適切に確保することができる。
【0042】
また、携帯電話機2では、データを変形した後に当該変形されたデータをコード化して二次元コードを生成するか、または、データをコード化して二次元コードを生成した後に当該生成された二次元コードを変形するように構成したので、データをコード化して二次元コードを生成する前およびデータをコード化して二次元コードを生成した後のうちいずれかで、二次元コードに対して変形を施すことができ、二次元コードに対して変形を施すタイミングをシステムの形態に応じて柔軟に設定することができる。
【0043】
また、情報コード読取装置3では、二次元コードを復元した後に当該復元された二次元コードをデコード化してデータを生成するか、または、二次元コードをデコード化してデータを生成した後に当該生成されたデータを復元するように構成したので、二次元コードをデコード化してデータを生成する前および二次元コードをデコード化してデータを生成した後のうちいずれかで、二次元コードに対して復元を施すことができ、二次元コードに対して復元を施すタイミングをシステムの形態に応じて柔軟に設定することができる。
【0044】
(第2実施例)
次に、本発明の第2実施例について、図6および図7を参照して説明する。尚、上記した第1実施例と同一部分については説明を省略し、異なる部分について説明する。第2実施例は、上記した第1実施例と比較すると、情報コード読取装置3において、第1の変形方法を第2の変形方法に基づいて変形する処理を行う点が異なる。
すなわち、携帯電話機2の制御回路4は、第2の変形方法を示すデータをコード化して二次元コードを生成し、生成された二次元コード、つまり、第2の変形方法を示す二次元コードを表示器6に表示させる(ステップT8)。
【0045】
情報コード読取装置3の制御回路13は、第2の変形方法を示す二次元コードが携帯電話機2の表示器6に表示されると、表示された二次元コードをCCDセンサ14に撮像させ(ステップS8)、撮像された二次元コードをデコード化して第2の変形方法を識別する(ステップS9)。次いで、制御回路13は、第1の変形方法を示すデータをコード化して二次元コードを生成し、第1の変形方法を示す二次元コードを第2の変形方法に基づいて変形する(ステップS10)。そして、制御回路13は、第2の変形方法に基づいて変形された第1の変形方法を示す二次元コードを表示器12に表示させる(ステップS1)。
【0046】
携帯電話機2の制御回路4は、第2の変形方法に基づいて変形された第1の変形方法を示す二次元コードが情報コード読取装置3の表示器12に表示されると、表示された二次元コードをカメラ5に撮像させ(ステップT1)、撮像された二次元コードを第2の復元方法に基づいて復元して第1の変形方法を識別する(ステップT9)。
【0047】
これ以降、携帯電話機2の制御回路4は、上記した第1実施例で説明したステップT3〜T7の処理を行い、一方、情報コード読取装置3の制御回路13は、上記した第1実施例で説明したステップS1〜S7の処理を行う。
【0048】
すなわち、以上に説明した一連の処理では、画像通信システム1において、まず、情報コード読取装置3は、第2の変形方法を示す二次元コードが携帯電話機2に表示されると、表示された第2の変形方法を示す二次元コードを撮像し(図7中、▲1▼参照)、第1の変形方法を示す二次元コードを第2の変形方法に基づいて変形して表示することになる。
【0049】
次いで、携帯電話機2は、第2の変形方法に基づいて変形された第1の変形方法を示す二次元コードが情報コード読取装置3に表示されると、表示された第1の変形方法を示す二次元コードを撮像し(図7中、▲2▼参照)、第1の変形方法を示す二次元コードを第2の復元方法に基づいて復元し、目的とするデータを第1の変形方法に基づいて変形し、変形された二次元コードを生成して表示することになる。
【0050】
そして、情報コード読取装置3は、目的とするデータが第1の変形方法に基づいて変形されてコード化された二次元コードが携帯電話機2に表示されると、表示された二次元コードを撮像し(図7中、▲3▼参照)、二次元コードをデコード化してデータを生成し、データを第1の復元方法に基づいて復元して誤り訂正を行い、誤りが検出されなければ、目的とするデータが真であることを特定することになる。
【0051】
また、この場合も、携帯電話機2および情報コード読取装置3の双方が近距離無線通信の機能を搭載している構成であれば、第1の変形方法を示すデータや第2の変形方法を示すデータをビット列の状態で情報コード読取装置3と携帯電話機2との間で無線通信で送受信するように構成しても良く、携帯電話機2および情報コード読取装置3の双方が接点端子を搭載している構成であれば、第1の変形方法を示すデータや第2の変形方法を示すデータを情報コード読取装置3と携帯電話機2との間で接点を通じて送受信するように構成しても良い。
【0052】
以上に説明したように第2実施例によれば、画像通信システム1において、情報コード読取装置3は、第1の変形方法を第2の変形方法に基づいて変形し、携帯電話機2は、第2の変形方法に基づいて変形された第1の変形方法を第2の復元方法に基づいて復元し、目的とするデータを第1の変形方法に基づいて変形し、変形されたデータをコード化して二次元コードを生成して表示するように構成したので、システム全体として二重に変形を施すことにより、不正に対する安全性をより適切に確保することができる。
【0053】
(第3実施例)
次に、本発明の第3実施例について、図8を参照して説明する。尚、上記した第2実施例と同一部分については説明を省略し、異なる部分について説明する。第3実施例は、第1の変形方法や第2の変形方法として暗号化を採用したものであり、画像に対して変形を施す処理として公開鍵を用いてデータを暗号化すると共に、画像に対して復元を施す処理として秘密鍵を用いてデータを復号化する。
【0054】
この場合、情報コード読取装置3は、ステップS11〜S20の一連の処理を行うときに、第1の公開鍵および第1の秘密鍵を保持し、第1の公開鍵を携帯電話機2に公開することになる。一方、携帯電話機2は、ステップT11〜T18の一連の処理を行うときに、第2の公開鍵および第2の秘密鍵を保持し、第2の公開鍵を情報コード読取装置3に公開することになる。
【0055】
以上に説明したように第3実施例によれば、画像通信システム1において、変形方法および復元方法として暗号化を採用することにより、公開鍵および秘密鍵を用いた暗号化の特徴を生かした安全性の高いシステムを構築することができる。
【0056】
(その他の実施例)
本発明は、上記した実施例にのみ限定されるものではなく、以下のように変形または拡張することができる。
第1の端末と第2の端末との間で上記した実施例における役割を交替する構成であっても良く、つまり、第2の端末から第1の端末に目的とするデータを送信するときに変形および復元を適用しても良い。第1の端末は、カメラ機能付き携帯電話機に限らず、カメラ機能付き携帯情報端末であっても良く、第2の端末は、POS端末の機能を有するものであっても良い。
【0057】
QRコード以外の二次元コードであっても良く、例えばPDF417やMaxi CodeやData Matrixなどの他のものであっても良い。また、目的とする画像は、一次元コードであっても良い。
近接センサは、反射型の光電センサにより構成されるものであっても良い。 システムで要求する安全性のレベルに応じて変形する度合いを任意に設定可能に構成しても良い。また、変形が複数の処理を組合わせたものであっても良く、例えばデータのビット列を並替えた後に、ビット列が並替えられたデータのビット列を所定の演算式により演算しても良い。
撮像手段は、CMOSセンサやエリアセンサであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例を示す機能ブロック図
【図2】 フローチャート
【図3】 作用を示す図
【図4】 画像の変形および復元の一例を示す図
【図5】 画像の変形および復元の他の例を示す図
【図6】 本発明の第2実施例を示すフローチャート
【図7】 図3相当図
【図8】 本発明の第3実施例を示すフローチャート
【符号の説明】
図面中、1は画像通信システム、2はカメラ付き携帯電話機(第1の端末)、3は情報コード読取装置(第2の端末)、4は制御回路(第1の制御手段)、5はカメラ(第1の撮像手段)、6は表示器(第1の表示手段)、12は表示器(第2の表示手段)、13は制御回路(第2の制御手段)、14はCCDセンサ(第2の撮像手段)である。

Claims (6)

  1. 画像を表示する第1の表示手段と、前記第1の表示手段を制御する第1の制御手段と、画像を撮像する第1の撮像手段とを備えた第1の端末と、
    画像を撮像する第2の撮像手段と、前記第2の撮像手段を制御する第2の制御手段と、画像を表示する第2の表示手段とを備えた第2の端末とを具備し、
    前記第1の表示手段に表示された画像を前記第2の撮像手段が撮像することにより、前記第1の端末から前記第2の端末にデータを送信する画像通信システムであって、
    前記第2の制御手段は、所定の第1の変形方法を示す画像を前記第2の表示手段に表示させ、
    前記第1の制御手段は、前記第2の表示手段に表示された画像を前記第1の撮像手段に撮像させることにより、画像を前記第1の表示手段に表示させる直前に前記第2の端末から所定の第1の変形方法を受信し、目的とするデータが格納された画像に対して当該受信された所定の第1の変形方法に基づいて変形を施して前記第1の表示手段に表示させ、
    前記第2の制御手段は、前記第1の表示手段に表示された画像を前記第2の撮像手段に撮像させ、前記第2の撮像手段により撮像された画像に対して所定の第1の復元方法に基づいて復元を施し、復元が施された画像に格納されていたデータに対して所定の誤り検査を行い、誤りが検出されなかったときに当該データが真であることを特定することを特徴とする画像通信システム。
  2. 請求項1に記載した画像通信システムにおいて、
    前記第2の制御手段は、所定の第1の変形方法に対して所定の第2の変形方法に基づいて変形を施し、所定の第2の変形方法に基づいて変形が施された第1の変形方法を第1の端末に送信し、
    前記第1の制御手段は、前記第2の端末から所定の第1の変形方法を受信し、受信された所定の第1の変形方法に対して所定の第2の復元方法に基づいて復元を施し、画像に対して当該復元が施された所定の第1の変形方法に基づいて変形を施すことを特徴とする画像通信システム。
  3. 請求項2に記載した画像通信システムにおいて、
    前記第1の制御手段は、所定の第2の変形方法を示す画像を前記第1の表示手段に表示させ、
    前記第2の制御手段は、前記第1の表示手段に表示された画像を前記第2の撮像手段に撮像させることにより、前記第1の端末から所定の第2の変形方法を受信し、所定の第1の変形方法を示す画像に対して当該受信された所定の第2の変形方法に基づいて変形を施すことを特徴とする画像通信システム。
  4. 請求項1ないし3いずれかに記載した画像通信システムにおいて、
    前記第1の制御手段は、データを変形した後に当該変形されたデータをコード化して画像を生成するか、または、データをコード化して画像を生成した後に当該生成された画像を変形するかにより、画像に対して変形を施すことを特徴とする画像通信システム。
  5. 請求項1ないしのいずれかに記載した画像通信システムにおいて、
    前記第2の制御手段は、画像を復元した後に当該復元された画像をデコード化してデータを生成するか、または、画像をデコード化してデータを生成した後に当該生成されたデータを復元するかにより、画像に対して復元を施すことを特徴とする画像通信システム。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載した画像通信システムにおいて、
    所定の第1の変形方法および所定の第2の変形方法のうち少なくとも一つの変形方法として暗号化を用い、画像に対して変形を施す処理として公開鍵を用いてデータを暗号化すると共に、画像に対して復元を施す処理として秘密鍵を用いてデータを復号化することを特徴とする画像通信システム。
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