JP4031196B2 - シートベルト用リトラクター - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、衝突時等の車両緊急時における初期段階のウエビングの引き出しを抑えて乗員の前方移動を抑制し、乗員に作用するエネルギーを効率よく吸収するエネルギー吸収機構を有するシートベルト用リトラクターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両等の座席に備えられるシートベルト装置は、ウエビングが緊急ロック装置を備えたリトラクターに巻き取られるように構成されている。そして、衝突時等においては、緊急ロック装置が作動し、ウエビングが巻装された巻取ドラムの回転を阻止することによりウエビングの引き出しを阻止し、乗員を拘束して保護するように構成されている。
【0003】
また、ウエビングに作用する荷重が予め設定された所定値を越えた場合には、トーションバーのねじれ変形を利用して、ウエビングを所定荷重下で所定量引き出させることにより乗員に生じる衝撃エネルギーを吸収するエネルギー吸収機構を備えたシートベルト用リトラクターも提案されている。
【0004】
この種のシートベルト用リトラクターとして、例えば、特開平10−310027号公報に開示のものがあり、ウエビングが巻装される略筒状の巻取ドラムと、車両緊急時にロッキングベースをリトラクターベースと連結させてウエビングの引き出し方向の回転を阻止する緊急ロック手段と、緊急ロック手段作動後のウエビングに所定の荷重を付加しながらウエビングを引き出し可能とするエネルギー吸収手段とを備えた構造とされている。
【0005】
そして、車両緊急時に、ウエビングに所定荷重以上の張力が作用した場合には、ウエビングの引き出しにより巻取ドラムはその引き出し方向へ移動してリトラクターベースの内周部に当接し、その後のトーションバーのねじれ変形によるウエビングの引き出しによる巻取ドラムの回転に伴って、リトラクターベースの内周部に設けられた研削手段によって巻取ドラムの外周面が削られてエネルギーの吸収が行われると共に、トーションバーのねじれ変形によってもエネルギーの吸収が行われる構造とされていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来公報に開示のシートベルト用リトラクターによれば、車両緊急時に、リトラクターベースに一端側で片持ち状に支持された巻取ドラムの遊端部側が前記内周部まで移動された後に研削手段により削られる構造であり、巻取ドラムが内周部に当接するまで移動される時間だけ研削によるエネルギーの吸収の開始が遅れ、ウエビングの引き出し開始直後のエネルギー吸収が低くなるため、乗員の前方への移動量が大きくなり、ステアリングやインパネへの2次衝突のおそれや展開したエアバッグへの乗員の衝撃力が大きくなるおそれがあった。
【0007】
また、巻取ドラムは片持ち支持構造であるため、遊端側でその回転中心は移動可能な支持構造となっており、リトラクターベースの内周部に当接する際の弾みで巻取ドラムが前記内周部から離れたり、逆に研削手段に深く噛み込んでしまうおそれもあり、さらには、通常時においても巻取ドラムが不用意に移動して被研削面を荒らしてしまうおそれもあり、このような場合、研削手段による研削が一定に行われず安定したエネルギー吸収が得られない問題があった。
【0008】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、ウエビングの引き出し直後からエネルギーを効率よく安定して吸収できるシートベルト用リトラクターを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するための技術的手段は、ウエビングが巻装されると共にその巻取方向に回動付勢された巻取ドラムと、巻取ドラムに嵌挿されてその一端部が巻取ドラムの一端部に相対回転不能に結合されたトーションバーと、トーションバーの他端部に相対回転不能に結合されたラチェットホイールと、車両緊急時にラチェットホイールの回転を阻止して巻取ドラムのウエビング引出方向の回転を阻止する緊急ロック装置とを備え、緊急ロック装置の作動後にウエビングがさらに引き出される際、トーションバーがねじれ変形されるシートベルト用リトラクターにおいて、前記巻取ドラムの他端部に設けられると共に巻取ドラムと一体回転する円筒状の太陽体と、前記トーションバーの他端部近傍にトーションバーと相対回転不能に設けられると共に前記太陽体の外周面と離隔して対向する内周面を有する内歯体とを備え、太陽体の外周面もしくは内歯体の内周面のいずれか一方がギヤ面とされると共に他方が変形部材よりなり、なくとも一つの遊星ギヤが前記ギヤ面に噛合されると共に対向する前記変形部材に係合されて組付けられ、前記緊急ロック装置の作動後にウエビングが引き出されて太陽体と内歯体とが相対回転される際、遊星ギヤが変形部材の表面に噛み込んで塑性変形させながら公転される点にある。
【0010】
また、前記変形部材に対する前記遊星ギヤの噛み込み深さが、変形部材の表面から遊星ギヤの歯の根本までの間隙長さより短く構成された構造としてもよい。
【0011】
さらに、前記変形部材における遊星ギヤの組付け位置から遊星ギヤの移動方向に沿って、前記塑性変形の変形代が漸次少なくなるべく、変形部材が形成されてなる構造としてもよい。
【0012】
また、前記変形部材に位置決めピンが突設され、前記ギヤ面を有する前記一方の前記太陽体もしくは前記内歯体に組付け状態で前記位置決めピンが係合される係合孔が設けられた構造としてもよい。
【0013】
さらに、前記遊星ギヤの各歯が、歯の根本から歯先方向に漸次幅狭となる台形状に形成された構造としてもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明すると、図1ないし図5に示される如く、シートベルト用リトラクター1は、ウエビングが巻装されるアルミ材から形成された巻取ドラム2を備え、その軸心方向両端部には径方向に張出形成されたフランジ部2aを有している。その一方のフランジ部2aに形成された結合孔部2bには、一方に角柱状の支軸部3aを有し、他方にスプライン凹部3bを有するスチール材からなる結合体3が相対回転不能に圧入固定されている。
【0015】
そして、トーションバー(ねじり棒)4が巻取ドラム2内に嵌挿されて、その一端部に備えられたスプライン部4aが前記スプライン凹部3bにスプライン結合され、トーションバー4と巻取ドラム2とが一端部で互いに相対回転不能に結合されている。また、トーションバー4の他端部には、スチール材からなるラチェットホイール5が圧入固定されて互いに相対回転不能に結合されている。
【0016】
巻取ドラム2他端部のフランジ部2a外面側には、同心状に筒状のスプライン軸部2cが一体に形成され、アルミ材よりなる円筒状の太陽体としての変形部材7に形成されたスプライン孔部7cが前記スプライン軸部2cとスプライン結合しており、この変形部材7の外周面と離隔して対向する内周面を有する内歯体としての内歯ギヤ8が配置されている。この内歯ギヤ8は、スチール材から形成されてなり、一側部にスプライン孔部8aを備えた支持側壁8bを備え、支持側壁8bのスプライン孔部8aが前記ラチェットホイール5の軸部5aに形成されたスプライン部5bにスプライン結合されている。ここに、トーションバー4と内歯ギヤ8とは互いに相対回転不能に結合されている。
【0017】
また、支持側壁8bに対向する変形部材7の対向面には、周方向に離隔して一対の位置決めピン10が一体に突設され、支持側壁8bの対応する位置には組付け状態で各位置決めピン10が係脱自在に係合される係合孔11がそれぞれ形成されている。
【0018】
さらに、変形部材7外周面と内歯ギヤ8内周面のギヤ面との間に位置して一対のスチール材からなる遊星ギヤ13が組付けられている。この際、各遊星ギヤ13は内歯ギヤ8のギヤ面に噛合されると共に、変形部材7外周面の径方向に離隔した2個所位置に形成された歯部7aに噛合状に係合されている。また、各歯部7aの両側における変形部材7外周面の非歯部7bと遊星ギヤ13の歯13aとは互いに噛合しない構造とされ、各遊星ギヤ13の組付け状態において、各遊星ギヤ13はトーションバー4に対して相対回転不能に構成されている。
【0019】
そして、車体に固定される背板15aとその両側縁より互いに対向して延設された一対の側板15bとを備えた平面視略コ字状のハウジング体15に、各遊星ギヤ13が組付け状態とされた巻取ドラム2およびトーションバー4等が回転自在に支持されている。
【0020】
即ち、図1に示される如く、巻取ドラム2の一端部で、結合体3の支軸部3aが、一方の側板15bに回転自在に支持された巻取軸17に相対回転不能に嵌入され、巻取ドラム2の他端部で、他方の側板にラチェットホイール5の軸部5aが回転自在に支持されている。この際、巻取ドラム2の他端部は、ラチェットホイール5の支軸部5cでも軸支されている。
【0021】
そして、一方の側板15bに支持された巻取軸17には渦巻バネ18が装着されており、巻取軸17をウエビングの巻取方向に常時、回動付勢している。また、他方の側板15bには、衝突等の車両緊急時に、側板15bの外側面に位置するラチェットホイール5に係脱自在に係止してラチェットホイール5の回転を阻止するパウル19を備えた緊急ロック装置(図示省略)が備えられている。
【0022】
なお、このような衝突等における車体に加わる加速度や異常傾斜を検知して作動する緊急ロック装置としては、実開平5−78658号公報、実開平6−27384号公報、特開平10−138869号公報等に開示の従来から公知の構造を適宜採用すればよい。
【0023】
そして、衝突等による車両緊急時に緊急ロック装置が作動してパウル19がラチェットホイール5に係止されると、ラチェットホイール5の回転が阻止されて巻取ドラム2の回転が阻止され、巻取ドラム2に巻装されているウエビングの引き出し方向の回転が阻止される。
【0024】
また、この緊急ロック装置の作動後、ウエビングに所定荷重以上の張力が作用すると、トーションバー4の一端部は相対回転不能に結合された巻取ドラム2と一体回転するのに対して、トーションバー4の他端部は緊急ロック装置によりウエビングの引出方向に回転しないため、巻取ドラム2の回転に伴ってトーションバー4にねじれ変形が生じる。ここに、トーションバー4がねじれ変形して荷重を吸収しながらウエビングが引き出される。
【0025】
一方、この巻取ドラム2の回転開始、即ち、トーションバー4にねじれ変形が生じると同時に、各位置決めピン10がせん断されて巻取ドラム2の他端部に形成された変形部材7が巻取ドラム2と共に一体回転し、緊急ロック装置により回転不能とされている内歯ギヤ8に対して相対回転する。
【0026】
この変形部材7と内歯ギヤ8の相対回転により、内歯ギヤ8のギヤ面に噛合している遊星ギヤ13が転動し、変形部材7の係合している歯部7aから外周面の非歯部7b位置に移動されていき、順次噛み込んで変形部材7を塑性変形させていく。
【0027】
この際、図5に示される如く、変形部材7に対する遊星ギヤ13の噛み込み深さLが、変形部材7の非歯部7b表面から遊星ギヤ13の歯13aの根本までの間隙長さSより短く構成されているため、遊星ギヤ13が変形部材7の非歯部7bに順次噛み込んでいく場合に、塑性変形時に生じる偏肉がその間隙に十分確保でき、噛み込みによる変形部材7の塑性変形が円滑になされる。
【0028】
また、変形部材7は巻取ドラム2に一体に形成されており、巻取ドラム2の両端部はそれぞれ支軸部3aやラチェットホイール5を介して各側板15bに常に支持された状態であるため、ウエビングの引き出し時において巻取ドラム2、即ち変形部材7の回転中心がずれず、ウエビングの引き出し初期から変形部材7の塑性変形によるエネルギー吸収を開始することができる。
【0029】
そして、図6に示される初期状態より、ウエビングが引き出されると、巻取ドラム2の回転に伴って変形部材7と内歯ギヤ8とが相対回転し、図7および図8に示される如く、内歯ギヤ8のギヤ面に噛合しながら各遊星ギヤ13が転動して変形部材7の外周を公転し、変形部材7の非歯部7bに順次噛み込んで変形部材7を塑性変形させていく。同時にトーションバー4がねじれ変形されているため、図9に示される如く、各遊星ギヤ13が変形部材7に塑性変形による歯を刻み終えると、その後は、トーションバー4のみがねじれ変形されていく。
【0030】
以上のように、ウエビングに所定荷重以上の張力が作用した場合に、組付け状態のままトーションバー4のねじれ変形と変形部材7の塑性変形とを同時に変形開始させることができ、ウエビングの引き出し開始直後に、ウエビングはより大きな荷重を受けながら引き出されることとなる。従って、ウエビングの引き出し直後に高荷重を付加できるのでエネルギーを効率よく吸収して、ウエビングの引き出しを抑制し乗員の前方への移動を小さくすることができ、エアバックへの乗員の衝撃力を有効に抑えることができる。
【0031】
また、巻取ドラム2の軸心移動がなく、遊星ギヤ13と内歯ギヤ8および変形部材7との噛合も塑性変形途中で解除されることがなく、変形部材7の塑性変形が終了するまで安定して荷重を付加することができる。
【0032】
さらに、遊星ギヤ13等のギヤ比や変形部材7の材質等の変更により、ウエビングに付加される荷重の荷重制御が可能で、車両の種類等に応じてエネルギーの吸収量の設定を容易に変更できる。
【0033】
また、遊星ギヤ13と非歯部7bとの相互間の間隙により、塑性変形時の偏肉が有効に退避し、遊星ギヤ13が変形部材7表面の非歯部7bに順次噛み込んでいく際の塑性変形も安定して得られる。
【0034】
さらに、図10に示される如く、遊星ギヤ13の各歯13aが、歯13aの根本から歯先方向に漸次幅狭となる台形状に形成することによって、歯先方向に同幅のいわゆる矩形状の歯の場合と比較して、変形部材7の非歯部7bに対する噛み込みによる塑性変形がより円滑になされると共にその際に生じる偏肉の逃げもより円滑になされる利点がある。
【0035】
また、変形部材7の位置決めピン10に内歯ギヤ8の係合孔11を係合させて組付けることによって容易に位置合わせできると共に、変形部材7、遊星ギヤ13、内歯ギヤ8をユニットとして扱え、組付け作業が容易となる。
【0036】
さらに、変形部材7の塑性変形開始時にせん断される各位置決めピン10の荷重も初期のエネルギー吸収に付加でき、ウエビングの引き出し初期における高荷重付加に有効に寄与できる。
【0037】
図11は第2の実施形態を示しており、変形部材7の非歯部7bを遊星ギヤ13の組付け位置から遊星ギヤ13の相対的な移動方向に対して漸次深く形成した構造とされている。
【0038】
従って、この場合、第1の実施形態と同様の効果を奏するだけでなく、ウエビングが引き出される開始初期において、ウエビングに対する荷重が最も高く、ウエビングの引き出しに伴ってウエビングに対する荷重が徐々に減ってくるため、乗員に作用するエネルギーを滑らかに低減していくことができるという利点もある。
【0039】
なお、非歯部7bを遊星ギヤ13の組付け位置から遊星ギヤ13の相対的な移動方向に対して段階的に漸次深く形成した構造を示しているが、変形部材7における非歯部7bの半径長さが、遊星ギヤ13の組付け位置から遊星ギヤ13の相対的な移動方向に対して漸次短く形成した構造としても同様の効果が得られ、従って、遊星ギヤ13の組付け位置から遊星ギヤ13の移動方向に沿って、非歯部7bの塑性変形の変形代が漸次少なくなるべく、変形部材7を形成することによって同様の効果が得られる。
【0040】
図12は第3の実施形態を示しており、遊星ギヤ13が単一とされた構造を示している。そして、この場合も第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0041】
このように、遊星ギヤ13の数は1個や2個に限られず、初期のエネルギーの吸収量に応じて適宜決定すればよい。
【0042】
また、変形部材7が巻取ドラム2と一体に形成された構造とされてもよい。
【0043】
なお、上記各実施形態において、太陽体を変形部材7とした構造を示しているが、太陽体を遊星ギヤ13と噛合する太陽ギヤとし、内歯体を変形部材とする構造であってもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上のように、本発明のシートベルト用リトラクターによれば、巻取ドラムの他端部に設けられると共に巻取ドラムと一体回転する円筒状の太陽体と、トーションバーの他端部近傍にトーションバーと相対回転不能に設けられると共に太陽体の外周面と離隔して対向する内周面を有する内歯体とを備え、太陽体の外周面もしくは内歯体の内周面のいずれか一方がギヤ面とされると共に他方が変形部材よりなり、なくとも一つの遊星ギヤがギヤ面に噛合されると共に対向する変形部材に係合されて組付けられ、緊急ロック装置の作動後にウエビングが引き出されて太陽体と内歯体とが相対回転される際、遊星ギヤが変形部材の表面に噛み込んで塑性変形させながら公転されるものであり、ウエビングに所定荷重以上の張力が作用した場合に、組付け状態のままトーションバーのねじれ変形と変形部材の塑性変形とを同時に変形開始させることができ、ウエビングの引き出し開始直後に、ウエビングはより大きな荷重を受けながら引き出されることとなり、ウエビングの引き出し直後に高荷重を付加できるのでエネルギーを効率よく吸収して、ウエビングの引き出しを抑制し乗員の前方への移動を小さくすることができ、乗員がステアリングやインパネに衝突することを抑えたり、エアバックへの乗員の衝撃力を有効に抑えることができるという利点がある。
【0045】
また、巻取ドラムの軸心移動がなく、遊星ギヤと内歯体および太陽体との噛合も塑性変形途中で解除されることがなく、変形部材の塑性変形が終了するまでウエビングに安定して荷重を付加することができるという利点がある。
【0046】
さらに、遊星ギヤ等のギヤ比や変形部材の材質等の変更により、ウエビングに付加される荷重の荷重制御が可能で、車両の種類等に応じてエネルギーの吸収量の設定を容易に変更できるという利点もある。
【0047】
また、変形部材に対する遊星ギヤの噛み込み深さが、変形部材の表面から遊星ギヤの歯の根本までの間隙長さより短く構成された構造とすれば、遊星ギヤと変形部材の表面との相互間の間隙により、塑性変形時の偏肉が有効に退避し、遊星ギヤが変形部材の表面に順次噛み込んでいく際の塑性変形も安定して得られるという利点がある。
【0048】
さらに、変形部材における遊星ギヤの組付け位置から遊星ギヤの移動方向に沿って、塑性変形の変形代が漸次少なくなるべく、変形部材が形成されてなる構造とすれば、ウエビングが引き出される開始初期において、ウエビングに対する荷重が最も高く、ウエビングの引き出しに伴ってウエビングに対する荷重が徐々に減ってくるため、乗員に作用するエネルギーを滑らかに低減していくことができるという利点がある。
【0049】
また、変形部材に位置決めピンが突設され、ギヤ面を有する太陽体もしくは内歯体に組付け状態で位置決めピンが係合される係合孔が設けられた構造とすれば、組付け作業が容易になると共に太陽体、遊星ギヤ、内歯体をユニットとして扱え、さらには、変形部材の塑性変形開始時にせん断される各位置決めピンの荷重も初期のエネルギー吸収に付加でき、ウエビングの引き出し初期における高荷重付加に有効に寄与できるという利点がある。
【0050】
さらに、遊星ギヤの各歯が、歯の根本から歯先方向に漸次幅狭となる台形状に形成された構造とすれば、変形部材の表面に対する噛み込みによる塑性変形がより円滑になされると共にその際に生じる偏肉の逃げもより円滑になされる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す正面図である。
【図2】同側面図である。
【図3】同分解斜視図である。
【図4】同分解斜視図である。
【図5】要部拡大説明図である。
【図6】動作説明図である。
【図7】動作説明図である。
【図8】動作説明図である。
【図9】動作説明図である。
【図10】遊星ギヤの正面図である。
【図11】第2の実施形態を示す要部拡大説明図である。
【図12】第3の実施形態を示す要部分解斜視図である。
【符号の説明】
1 シートベルト用リトラクター
2 巻取ドラム
3 結合体
4 トーションバー
5 ラチェットホイール
7 変形部材
8 内歯ギヤ
10 位置決めピン
11 係合孔
13 遊星ギヤ

Claims (5)

  1. ウエビングが巻装されると共にその巻取方向に回動付勢された巻取ドラムと、巻取ドラムに嵌挿されてその一端部が巻取ドラムの一端部に相対回転不能に結合されたトーションバーと、トーションバーの他端部に相対回転不能に結合されたラチェットホイールと、車両緊急時にラチェットホイールの回転を阻止して巻取ドラムのウエビング引出方向の回転を阻止する緊急ロック装置とを備え、緊急ロック装置の作動後にウエビングがさらに引き出される際、トーションバーがねじれ変形されるシートベルト用リトラクターにおいて、
    前記巻取ドラムの他端部に設けられると共に巻取ドラムと一体回転する円筒状の太陽体と、前記トーションバーの他端部近傍にトーションバーと相対回転不能に設けられると共に前記太陽体の外周面と離隔して対向する内周面を有する内歯体とを備え、太陽体の外周面もしくは内歯体の内周面のいずれか一方がギヤ面とされると共に他方が変形部材よりなり、なくとも一つの遊星ギヤが前記ギヤ面に噛合されると共に対向する前記変形部材に係合されて組付けられ、前記緊急ロック装置の作動後にウエビングが引き出されて太陽体と内歯体とが相対回転される際、遊星ギヤが変形部材の表面に噛み込んで塑性変形させながら公転されることを特徴とするシートベルト用リトラクター。
  2. 前記変形部材に対する前記遊星ギヤの噛み込み深さが、変形部材の表面から遊星ギヤの歯の根本までの間隙長さより短く構成されたことを特徴とする請求項1記載のシートベルト用リトラクター。
  3. 前記変形部材における遊星ギヤの組付け位置から遊星ギヤの移動方向に沿って、前記塑性変形の変形代が漸次少なくなるべく、変形部材が形成されてなることを特徴とする請求項1または2記載のシートベルト用リトラクター。
  4. 前記変形部材に位置決めピンが突設され、前記ギヤ面を有する前記一方の前記太陽体もしくは前記内歯体に組付け状態で前記位置決めピンが係合される係合孔が設けられたことを特徴とする請求項1、2または3記載のシートベルト用リトラクター。
  5. 前記遊星ギヤの各歯が、歯の根本から歯先方向に漸次幅狭となる台形状に形成されたことを特徴とする請求項1、2、3または4記載のシートベルト用リトラクター。
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