JP4029068B2 - 高圧タンク及びその製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、高圧の気体が充填される高圧タンク及びその製造方法の改良に関するものである。
天然ガスや水素ガス等を高圧で充填して貯留する高圧タンクでは、カーボン繊維等をタンク本体外周に巻き付けて補強するワインディングが施される。特に、ガス取出筒部やこれに続く椀状鏡部は応力が集中し易い箇所であるため、強固に補強する必要がある。しかし、上記鏡部のガス取出筒部との境目近傍はワインディングし辛く、補強し難い。
このため、長筒状ブランク材の開口部から所定領域をスピニングにより口絞りして鏡部及びガス取出筒部を胴部よりも厚くすることが行われる。
これに関し、本出願人は、長筒状ブランク材の開口部から所定領域をフローフォーミングにより他の領域よりも厚く成形し、この厚くなった領域にスピニングにより口絞りして鏡部及びガス取出筒部をさらに厚くする技術を出願し、特許権を取得している(例えば、特許文献1参照)。
特許第3251216号公報(第3頁、図1)
ところが、上記の前者の技術では、厚みが全体に均一な長筒状ブランク材を用いているので、鏡部及びガス取出筒部を厚くするのに限界があり、特に、充填圧が35〜75MPaである水素ガス用の高圧タンクには適用し辛い。
そこで、長筒状ブランク材の胴部を全体に厚くして鏡部及びガス取出筒部の厚みを確保することが考えられるが、この場合には、製造された高圧タンク全体が厚くなって重くなり、軽量化を図ることができない。また、厚物の長筒状ブランク材を用いているため、材料費も嵩む。
一方、後者の特許文献1では、予め長筒状ブランク材の開口部から所定領域を他の領域よりも厚くしているので、鏡部及びガス取出筒部を上記の前者の技術よりも厚く確保することができるとともに、胴部を薄くして全体の重量を軽減することができる。しかし、この特許文献1では、フローフォーミングとスピニングという2工程を経る必要があるため、手間が掛かる。また、水素ガス用の高圧タンクにおいて、鏡部及びガス取出筒部の厚みを十分に確保しようとすると、絞り込み量を大きくしなければならず、この場合には、ガス取出筒部が閉塞してしまうので、後工程としてガス取出口を穿設する必要があり、さらに手間が掛かる。
この発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、軽量でありながら35〜75MPaの高圧に十分に耐え得る高圧タンクを簡単にかつ安価に提供することである。
上記の目的を達成するため、この発明は、ガス取出筒部から鏡部にかけての外周を別部材で補強したことを特徴とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、請求項1,2に記載の発明は、高圧タンクに関するものであって、そのうち、請求項1に記載の発明は、アルミニウム合金製の短筒状ブランク材を塑性変形させて筒状胴部の一端に椀状鏡部を介してガス取出筒部が一体に突設されて構成され、上記鏡部及びガス取出筒部は上記胴部よりも厚く形成され、かつ上記鏡部は胴部からガス取出筒部に近づくに従って胴部の厚みからガス取出筒部の厚みに漸次増大していて35〜75MPaの高圧ガスが充填される金属製のタンク本体と、上記ガス取出筒部に外嵌合されて焼ばめによりこのガス取出筒部から鏡部にかけての外周に一体に嵌着された合金鋼又はチタン合金からなる金属製の筒状補強カラーとからなることを特徴とする。
上記の構成により、請求項1に記載の発明では、応力が集中し易いガス取出筒部及びその近傍の鏡部の実質的な厚みが補強カラーの厚みにより増大して当該箇所の強度が十分に確保され、35〜75MPaの高圧に十分に耐え得る高圧タンクとなる。また、補強カラーがタンク本体全体ではなく、応力が集中し易い鏡部及びガス取出筒部にだけ部分的に嵌着されているため、高圧タンクの重量がそれほど増加せず軽量化が図られるとともに、加工の簡易化、低価格化が図られる。また、補強カラーの素材である合金鋼又はチタン合金の性質により、応力が集中し易い鏡部及びガス取出筒部の強度が一層強化される。さらに、タンク本体がアルミニウム合金製で軽量であるため、全体としての重量がさらに軽減される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、補強カラーは、ガス取出筒部に嵌着される筒部と、この筒部の一端から外側方に張り出す張出部とからなり、この張出部裏面には、リング状膨出部が膨出して形成され、一方、鏡部のガス取出筒部との境目近傍における外周には、上記補強カラーを上記ガス取出筒部から鏡部にかけての外周に嵌着した状態で、上記膨出部が嵌入するリング状嵌合凹部が形成されていることを特徴とする。
上記の構成により、請求項2に記載の発明では、補強カラーの膨出部が鏡部の嵌合凹部に嵌入することで、両者の嵌合状態が確実になる。また、上記膨出部があることで当該箇所の補強カラーの厚みが増大し、その分だけ強度アップとなる
請求項は高圧タンクの製造方法に関するものであって、そのうち、請求項に記載の発明は、まず、アルミニウム合金製の筒状ブランク材を回転させながら塑性変形させて筒状胴部の一端に椀状鏡部を介してガス取出筒部が一体に突設されて構成され、上記鏡部及びガス取出筒部は上記胴部よりも厚く形成され、かつ上記鏡部は胴部からガス取出筒部に近づくに従って胴部の厚みからガス取出筒部の厚みに漸次増大していて35〜75MPaの高圧ガスが充填される金属製のタンク本体を成形し、その後、合金鋼又はチタン合金からなる金属製の筒状補強カラーを上記タンク本体のガス取出筒部に外嵌合させて焼ばめにより上記補強カラーをタンク本体のガス取出筒部から鏡部にかけての外周に一体に嵌着させることを特徴とする。
上記の構成により、請求項に記載の発明では、別途用意した補強カラーをタンク本体のガス取出筒部に外嵌合させるだけであるため、手間が掛からず、軽量でかつ35〜75MPaの高圧に十分に耐え得る高圧タンクが簡単に得られる。
請求項に記載の発明は、まず、アルミニウム合金製の筒状ブランク材を回転させながら塑性変形させて筒状胴部の一端に椀状鏡部を介してガス取出筒部が一体に突設されて構成され、上記鏡部及びガス取出筒部は上記胴部よりも厚く形成され、かつ上記鏡部は胴部からガス取出筒部に近づくに従って胴部の厚みからガス取出筒部の厚みに漸次増大していて35〜75MPaの高圧ガスが充填される金属製のタンク本体を成形した後、上記鏡部のガス取出筒部との境目近傍における外周にリング状嵌合凹部を形成し、その後、リング状膨出部を有する合金鋼又はチタン合金からなる金属製の筒状補強カラーを上記タンク本体のガス取出筒部に外嵌合させて上記膨出部を鏡部の嵌合凹部に嵌入させ、焼ばめにより上記補強カラーをタンク本体のガス取出筒部から鏡部にかけての外周に一体に嵌着させることを特徴とする。
上記の構成により、請求項に記載の発明では、別途用意した補強カラーをタンク本体のガス取出筒部に外嵌合させてその膨出部を鏡部の嵌合凹部に嵌入させるだけであるため、手間が掛からず、軽量でかつ35〜75MPaの高圧に十分に耐え得る高圧タンクが簡単に得られる。しかも、両者の嵌合部分において補強カラーの厚みが増大した分だけ強度アップする。
請求項1に係る発明によれば、タンク本体の応力が集中し易い鏡部及びガス取出筒部に補強カラーを焼ばめにより嵌着したので、上記ガス取出筒部及びその近傍の鏡部の厚みを補強カラーの厚みで補って当該箇所を十分に強化して、35〜75MPaの高圧に十分に耐え得る高圧タンクとすることができる。また、上記補強カラーをタンク本体に部分的に嵌着するだけなので、高圧タンクの軽量化、加工の簡易化及び低価格化を達成することができる。また、補強カラーを合金鋼又はチタン合金にしたので、その性質によって鏡部及びガス取出筒部の強度を一層強化することができる。さらに、タンク本体をアルミニウム合金にしたので、さらに軽量化を達成することができる。
請求項2に係る発明によれば、補強カラーの膨出部を鏡部の嵌合凹部に嵌入させたので、両者の嵌合状態を確実にすることができるとともに、上記膨出部があることで当該箇所の補強カラーの厚みを増大してその分だけ強度を向上させることができる
請求項に係る発明によれば、塑性変形により成形したタンク本体のガス取出筒部に、別途用意した補強カラーを外嵌合させるだけでよいので、手間を掛けずに軽量でかつ35〜75MPaの高圧に十分に耐え得る高圧タンクを簡単に製造することができる。
請求項に係る発明によれば、塑性変形により成形したタンク本体のガス取出筒部に別途用意した補強カラーを外嵌合させてその膨出部を鏡部の嵌合凹部に嵌入させるだけでよいので、手間を掛けずに軽量でかつ35〜75MPaの高圧に耐え得る高圧タンクを簡単に製造することができる。しかも、両者の嵌合部分において補強カラーの厚みを増大させた分だけ強度を向上させることができる。
以下、この発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1はこの発明の実施の形態に係る高圧タンク1を示す。この高圧タンク1は、水素ガス等の35〜75MPaの高圧ガスが充填されるタンク本体2を備え、このタンク本体2は、横断面円形の筒状胴部3の一端に椀状鏡部4を介して横断面円形のガス取出筒部5が一体に突設され、このガス取出筒部5にはガス取出口6が形成されているとともに、上記胴部3の他端には底部7が一体に形成されて構成され、内部に高圧ガスを収容する中空部8を有している。
上記タンク本体2は、例えば、JIS A 6061やJIS A 6062等のアルミニウム合金からなる金属製で、成形後にT6処理等の熱処理が施されてなるものであり、筒状ブランク材を塑性変形させて成形され、上記鏡部4、ガス取出筒部5及び底部7は胴部3よりも厚く形成されている。特に、上記鏡部4は、その成形に起因して胴部3からガス取出筒部5に近づくに従って胴部3の厚みからガス取出筒部5の厚みに漸次増大しており、これにより、応力が集中し易い鏡部4を強化している。
この発明の特徴として、上記タンク本体2のガス取出筒部5から鏡部4にかけての外周には、焼ばめにより金属製の筒状補強カラー10が一体に嵌着されている。この補強カラー10は、図2にも示すように、上記ガス取出筒部5とほぼ厚みが等しい横断面円形の筒部11と、この筒部11の下端に一体に形成されて外側方に張り出した張出部12とからなり、この張出部12の厚みは外端に近づくに従って薄くなっており、これにより、張出部12外端が段差なく鏡部4外表面に沿うようになっている。この補強カラー10は、例えば、SNCM440、SCM440、SKD61等の合金鋼又はチタン合金からなる金属製で、鍛造成形や旋削加工されてなるものであるが、これに限定されず、強度/重量比がアルミニウムよりも高いものであればよく、これによれば、重量軽減に大きく貢献することができる。そして、上記補強カラー10は、その嵌合孔14に上記タンク本体2のガス取出筒部5を挿入した状態でガス取出筒部5に一体に外嵌合され、焼ばめによりタンク本体2のガス取出筒部5から鏡部4にかけての外周に一体に嵌着されている。
上述の如くガス取出筒部5及びその近傍の鏡部4の厚みが胴部3に比べて厚くなっているが、補強カラー10を嵌着することで当該箇所の実質的な厚みをさらに増大させることができ、しかも、補強カラー10の素材である合金鋼又はチタン合金等の性質と相俟って当該箇所の強度を一層強固なものにすることができる。したがって、35〜75MPaの高圧に十分に耐え得る高圧タンク1とすることができる。
また、補強カラー10の装着箇所をタンク本体2全体ではなく、応力が集中し易い鏡部4及びガス取出筒部5に限っているので、高圧タンク1の大幅な重量増加を避けることができて軽量化を図ることができるとともに、加工の簡易化、低価格化を図ることができる。さらに、タンク本体2がアルミニウム合金製で軽量であるため、全体としての重量をさらに軽減することができる。
次に、上述の如く構成された高圧タンク1の製造要領の一例を説明する。
まず、図3(I)に示すようなアルミニウム合金製の短筒状ブランク材21を用意する。この短筒状ブランク材21は、図示しないが、例えば円柱形のビレットを鍛造成形することにより成形され、筒状胴部31に底部71が一体に形成された有底筒状をしている。別の方法として、円板の板材をダイとポンチとでプレス絞りして有底筒状に成形してもよい。
そして、上記短筒状ブランク材21をフローフォーミングする。その要領は、図3(II)に示すように、マンドレル15に短筒状ブランク材21を外嵌合して取り付け、上記マンドレル15をその軸心回りに回転させて上記短筒状ブランク材21を一体に回転させ、成形ローラ16を上記短筒状ブランク材21の外周面に圧接させることで回転させながら胴部31を軸心方向にしごくようにする。これにより、短筒状ブランク材21が塑性変形して長筒状ブランク材211が成形される。この段階で、胴部311及び底部711の厚みが、完成品としてのタンク本体2の胴部3及び底部7の厚みと等しくなっている。
次いで、上記長筒状ブランク材211を図示しないチャック装置で保持してその開口部から所定領域をスピニングにより口絞りする。その要領は、図3(III )に示すように、長筒状ブランク材211をその軸心回りに回転させ、この状態で、成形ローラ17を長筒状ブランク材211の開口部から所定領域に亘って傾けて圧接させることで回転させながら長筒状ブランク材211の軸心に対して斜めに移動させてしごくようにする。これにより、長筒状ブランク材211の開口部から所定領域が塑性変形して筒状胴部3の一端に椀状鏡部4を介してガス取出筒部5が一体に突設されたタンク本体2が成形される。このタンク本体2では、上述の如きスピニングによる口絞り成形により、鏡部4の厚みが胴部3からガス取出筒部5に近づくに従って漸次増大するように成形される。
その後、図3(IV)に示すように、別途鍛造成形や旋削加工した合金鋼製又はチタン合金製等の補強カラー10を用意する。この補強カラー10は、上述の如く筒部11の下端に張出部12が一体に形成されているとともに、内部に筒部11及び張出部12を上下に貫通する嵌合孔14が形成されている(図2参照)。上記嵌合孔14の内径は、ガス取出筒部5の外径との関係において焼ばめによる締め代を考慮して設定されている。
そして、図3(V)に示すように、上記補強カラー10をタンク本体2のガス取出筒部5に外嵌合させ、焼ばめにより上記補強カラー10をタンク本体2のガス取出筒部5から鏡部4にかけての外周に一体に嵌着させる。
このように、別途用意した補強カラー10をタンク本体2のガス取出筒部5に外嵌合させるだけであるため、手間を掛けることなく簡単に高圧タンク1を製造することができる。
(実施の形態2)
図4はこの発明の実施の形態2に係る高圧タンク1を示す。この高圧タンク1は、水素ガス等の35〜75MPaの高圧ガスが充填されるタンク本体2を備え、このタンク本体2は、横断面円形の筒状胴部3の一端に椀状鏡部4を介して横断面円形のガス取出筒部5が一体に突設され、このガス取出筒部5にはガス取出口6が形成されているとともに、上記胴部3の他端には底部7が一体に形成されて構成され、内部に高圧ガスを収容する中空部8を有している。
上記タンク本体2は、例えば、JIS A 6061やJIS A 6062等のアルミニウム合金からなる金属製で、成形後にT6処理等の熱処理が施されてなるものであり、筒状ブランク材を塑性変形させて成形され、上記鏡部4、ガス取出筒部5及び底部7は胴部3よりも厚く形成されている。特に、上記鏡部4は、その成形に起因して胴部3からガス取出筒部5に近づくに従って胴部3の厚みからガス取出筒部5の厚みに漸次増大しており、これにより、応力が集中し易い鏡部4を強化している。また、この実施の形態2の特徴として、上記鏡部4のガス取出筒部5との境目近傍における外周には、リング状嵌合凹部9が形成されている。
この発明の特徴として、上記タンク本体2のガス取出筒部5から鏡部4にかけての外周には、焼ばめにより金属製の筒状補強カラー10が一体に嵌着されている。この補強カラー10は、図5にも示すように、上記ガス取出筒部5とほぼ厚みが等しい横断面円形の筒部11と、この筒部11の下端に一体に形成されて外側方に張り出した張出部12とからなり、この張出部12の厚みは外端に近づくに従って薄くなっており、これにより、張出部12外端が段差なく鏡部4外表面に沿うようになっている。また、この実施の形態2では、上記鏡部4の嵌合凹部9との関係で、上記張出部12の裏面には、リング状膨出部13が一体に下方に膨出して形成され、上記補強カラー10の内部には、上記筒部11及び張出部12を上下に貫通する嵌合孔14が形成されている。この補強カラー10は、例えば、SNCM440、SCM440、SKD61等の合金鋼又はチタン合金からなる金属製で、鍛造成形や旋削加工されてなるものであるが、これに限定されず、強度/重量比がアルミニウムよりも高いものであればよく、これによれば、重量軽減に大きく貢献することができる。そして、上記補強カラー10は、その嵌合孔14に上記タンク本体2のガス取出筒部5を挿入した状態で、上記筒部11がガス取出筒部5に一体に外嵌合されているとともに、上記張出部12がその膨出部13を上記鏡部4の嵌合凹部9に嵌入した状態で焼ばめにより鏡部4外表面に一体に接合されている。
上述の如くガス取出筒部5及びその近傍の鏡部4の厚みが胴部3に比べて厚くなっているが、補強カラー10を嵌着することで当該箇所の実質的な厚みをさらに増大させることができ、しかも、補強カラー10の素材である合金鋼又はチタン合金等の性質と相俟って当該箇所の強度を一層強固なものにすることができる。さらには、補強カラー10の膨出部13を鏡部4の嵌合凹部9に嵌入させているので、両者の嵌合状態を確実に行うことができるとともに、上記膨出部13があることで当該箇所の補強カラー10の厚みを増大させてその分だけ強度を向上させることができる。したがって、35〜75MPaの高圧にさらに十分に耐え得る高圧タンク1とすることができる。
また、補強カラー10の装着箇所をタンク本体2全体ではなく、応力が集中し易い鏡部4及びガス取出筒部5に限っているので、高圧タンク1の大幅な重量増加を避けることができて軽量化を図ることができるとともに、加工の簡易化、低価格化を図ることができる。さらに、タンク本体2がアルミニウム合金製で軽量であるため、全体としての重量をさらに軽減することができる。
次に、上述の如く構成された高圧タンク1の製造要領の一例を説明する。
まず、図6(I)に示すようなアルミニウム合金製の短筒状ブランク材21を用意する。この短筒状ブランク材21は、図示しないが、例えば円柱形のビレットを鍛造成形することにより成形され、筒状胴部31に底部71が一体に形成された有底筒状をしている。別の方法として、円板の板材をダイとポンチとでプレス絞りして有底筒状に成形してもよい。
そして、上記短筒状ブランク材21をフローフォーミングする。その要領は、図6(II)に示すように、マンドレル15に短筒状ブランク材21を外嵌合して取り付け、上記マンドレル15をその軸心回りに回転させて上記短筒状ブランク材21を一体に回転させ、成形ローラ16を上記短筒状ブランク材21の外周面に圧接させることで回転させながら胴部31を軸心方向にしごくようにする。これにより、短筒状ブランク材21が塑性変形して長筒状ブランク材211が成形される。この段階で、胴部311及び底部711の厚みが、完成品としてのタンク本体2の胴部3及び底部7の厚みと等しくなっている。
次いで、上記長筒状ブランク材211を図示しないチャック装置で保持してその開口部から所定領域をスピニングにより口絞りする。その要領は、図6(III )に示すように、長筒状ブランク材211をその軸心回りに回転させ、この状態で、成形ローラ17を長筒状ブランク材211の開口部から所定領域に亘って傾けて圧接させることで回転させながら長筒状ブランク材211の軸心に対して斜めに移動させてしごくようにする。これにより、長筒状ブランク材211の開口部から所定領域が塑性変形して筒状胴部3の一端に椀状鏡部4を介してガス取出筒部5が一体に突設されたタンク本体2が成形される。このタンク本体2では、上述の如きスピニングによる口絞り成形により、鏡部4の厚みが胴部3からガス取出筒部5に近づくに従って漸次増大するように成形される。
その後、上記タンク本体2を切削装置に搬入し、図6(IV)に示すように、鏡部4のガス取出筒部5との境目近傍における外周にリング状嵌合凹部9を形成する。
しかる後、図6(V)に示すように、別途鍛造成形や旋削加工した合金鋼製又はチタン合金製等の補強カラー10を用意する。この補強カラー10は、上述の如く筒部11の下端に張出部12が一体に形成され、張出部12の裏面にはリング状膨出部13が一体に形成されているとともに、内部に筒部11及び張出部12を上下に貫通する嵌合孔14が形成されている(図5参照)。上記嵌合孔14の内径は、ガス取出筒部5の外径との関係において焼ばめによる締め代を考慮して設定されている。
そして、図6(VI)に示すように、上記補強カラー10をタンク本体2のガス取出筒部5に外嵌合させて補強カラー10の膨出部13を鏡部4の嵌合凹部9に嵌入させ、焼ばめにより上記補強カラー10をタンク本体2のガス取出筒部5から鏡部4にかけての外周に一体に嵌着させる。
このように、別途用意した補強カラー10をタンク本体2のガス取出筒部5に外嵌合させるだけであるため、手間を掛けることなく簡単に高圧タンク1を製造することができる。しかも、両者の嵌合部分において補強カラー10の厚みを増大させてその分だけ強度を向上させることができる。
なお、上記の実施の形態1,2では、フローフォーミングに供する短筒状ブランク材21として有底筒状のものを例示したが、両端が開口した円筒体であってもよく、この場合には、両端の開口部から所定領域をスピニングにより口絞りすることになる。
この発明は、軽量でありながら35〜75MPaの高圧ガスに耐え得る高圧タンクとして有用であり、例えば自動車用水素燃料タンク等として利用することができる。
この発明の実施の形態1に係る高圧タンクの縦断面図である。 この発明の実施の形態1に係る高圧タンクに使用される補強カラーの縦断面図である。 この発明の実施の形態1に係る高圧タンクの製造工程において素材から完成品に至る過程を示し、(I)はフローフォーミングに供される短筒状ブランク材の縦断面図、(II)はフローフォーミング工程図、(III )はスピニング工程図、(IV)はタンク本体に補強カラーを焼ばめにより嵌着する前の状態の縦断面図、(V)はタンク本体に補強カラーを焼ばめにより嵌着した状態の縦断面図である。 この発明の実施の形態2に係る高圧タンクの縦断面図である。 この発明の実施の形態2に係る高圧タンクに使用される補強カラーの縦断面図である。 この発明の実施の形態2に係る高圧タンクの製造工程において素材から完成品に至る過程を示し、(I)はフローフォーミングに供される短筒状ブランク材の縦断面図、(II)はフローフォーミング工程図、(III )はスピニング工程図、(IV)はタンク本体の鏡部に嵌合凹部を形成した状態の縦断面図、(V)はタンク本体に補強カラーを焼ばめにより嵌着する前の状態の縦断面図、(VI)はタンク本体に補強カラーを焼ばめにより嵌着した状態の縦断面図である。
符号の説明
1 高圧タンク
2 タンク本体
3 胴部
4 鏡部
5 ガス取出筒部
9 嵌合凹部
10 補強カラー
13 膨出部
21,211 ブランク材

Claims (4)

  1. アルミニウム合金製の短筒状ブランク材を塑性変形させて筒状胴部の一端に椀状鏡部を介してガス取出筒部が一体に突設されて構成され、上記鏡部及びガス取出筒部は上記胴部よりも厚く形成され、かつ上記鏡部は胴部からガス取出筒部に近づくに従って胴部の厚みからガス取出筒部の厚みに漸次増大していて35〜75MPaの高圧ガスが充填される金属製のタンク本体と、
    上記ガス取出筒部に外嵌合されて焼ばめによりこのガス取出筒部から鏡部にかけての外周に一体に嵌着された合金鋼又はチタン合金からなる金属製の筒状補強カラーとからなることを特徴とする高圧タンク。
  2. 請求項1に記載の高圧タンクにおいて、
    補強カラーは、ガス取出筒部に嵌着される筒部と、この筒部の一端から外側方に張り出す張出部とからなり、この張出部裏面には、リング状膨出部が膨出して形成され、
    一方、鏡部のガス取出筒部との境目近傍における外周には、上記補強カラーを上記ガス取出筒部から鏡部にかけての外周に嵌着した状態で、上記膨出部が嵌入するリング状嵌合凹部が形成されていることを特徴とする高圧タンク
  3. アルミニウム合金製の筒状ブランク材を回転させながら塑性変形させて筒状胴部の一端に椀状鏡部を介してガス取出筒部が一体に突設されて構成され、上記鏡部及びガス取出筒部は上記胴部よりも厚く形成され、かつ上記鏡部は胴部からガス取出筒部に近づくに従って胴部の厚みからガス取出筒部の厚みに漸次増大していて35〜75MPaの高圧ガスが充填される金属製のタンク本体を成形し、
    その後、合金鋼又はチタン合金からなる金属製の筒状補強カラーを上記タンク本体のガス取出筒部に外嵌合させて焼ばめにより上記補強カラーをタンク本体のガス取出筒部から鏡部にかけての外周に一体に嵌着させることを特徴とする高圧タンクの製造方法。
  4. アルミニウム合金製の筒状ブランク材を回転させながら塑性変形させて筒状胴部の一端に椀状鏡部を介してガス取出筒部が一体に突設されて構成され、上記鏡部及びガス取出筒部は上記胴部よりも厚く形成され、かつ上記鏡部は胴部からガス取出筒部に近づくに従って胴部の厚みからガス取出筒部の厚みに漸次増大していて35〜75MPaの高圧ガスが充填される金属製のタンク本体を成形した後、上記鏡部のガス取出筒部との境目近傍における外周にリング状嵌合凹部を形成し、
    その後、リング状膨出部を有する合金鋼又はチタン合金からなる金属製の筒状補強カラーを上記タンク本体のガス取出筒部に外嵌合させて上記膨出部を鏡部の嵌合凹部に嵌入させ、焼ばめにより上記補強カラーをタンク本体のガス取出筒部から鏡部にかけての外周に一体に嵌着させることを特徴とする高圧タンクの製造方法。
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