本発明は上述の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、使用者が必要とするときに、予め定められた使用者であることを迅速に認証できる情報送信システムおよび情報送信装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のある局面にしたがうと、情報送信システムは、携帯端末、および情報送信装置を含む。携帯端末は、リーダ・ライタが出力する電磁波を検知する。情報送信装置は、リーダ・ライタへ信号を送信する。携帯端末は、情報送信装置よりも高い感度でリーダ・ライタからの電磁波を受付けるための携帯端末の受付手段と、携帯端末の受付手段が受付けた電磁波が表わす、予め定められた信号を検出するための携帯端末の検出手段と、情報送信装置に、電磁波を出力するための携帯端末の出力手段と、携帯端末の検出手段が、予め定められた信号を検出すると、電磁波を出力するように、携帯端末の出力手段を制御するための制御手段とを含む。情報送信装置は、リーダ・ライタとの間で、電磁波を用いて送受信するための送受信手段と、送受信手段がリーダ・ライタから受けた電磁波を電力に変換するための第1の変換手段と、第1の変換手段が電磁波から変換した電力を蓄電し、蓄電された電力を供給するための第1の供給手段と、予め電力を蓄電し、かつ蓄電した電力を供給するための第2の供給手段と、第2の供給手段から電力が供給されると、生体それぞれに固有の特徴を検出するための情報送信装置の検出手段と、予め定められた使用者に固有の特徴を表わす情報を記憶するための第1の記憶手段と、第2の供給手段から電力が供給されると、情報送信装置の検出手段が検出した特徴が、第1の記憶手段に記憶された情報により表わされる特徴に一致するか否かを判断するための判断手段と、携帯端末の出力手段が出力した電磁波を受付けるための情報送信装置の受付手段と、情報送信装置の受付手段が受付けた電磁波を、電力に変換するための第2の変換手段と、第2の変換手段が電力を変換すると、情報送信装置の検出手段および判断手段への、第2の供給手段からの電力の供給の停止を解除するための解除手段と、予め定められた使用者に固有の特徴を表わす情報とは異なる情報を記憶するための第2の記憶手段と、判断手段によって、情報送信装置の検出手段が検出した特徴が、第1の記憶手段に記憶された情報により表わされる特徴に一致すると判断されると、第1の供給手段から供給を受けた電力により、第2の記憶手段に記憶された情報に対応するように変調された信号を生成するための生成手段とを含み、送受信手段は、生成手段が生成した信号をリーダ・ライタへ送信する。
すなわち、携帯端末の受付手段は、情報送信装置よりも高い感度でリーダ・ライタからの電磁波を受付ける。携帯端末の検出手段は、携帯端末の受付手段が受付けた電磁波が表わす、予め定められた信号を検出する。携帯端末の出力手段は、情報送信装置に、電磁波を出力する。制御手段は、携帯端末の検出手段が、予め定められた信号を検出すると、電磁波を出力するように、携帯端末の出力手段を制御する。送受信手段は、リーダ・ライタとの間で、電磁波を用いて送受信する。第1の変換手段は、送受信手段がリーダ・ライタから受けた電磁波を電力に変換する。第1の供給手段は、第1の変換手段が電磁波から変換した電力を蓄電し、蓄電された電力を供給する。第2の供給手段は、予め電力を蓄電し、かつ蓄電した電力を供給する。情報送信装置の検出手段は、第2の供給手段から電力が供給されると、生体それぞれに固有の特徴を検出する。第1の記憶手段は、予め定められた使用者に固有の特徴を表わす情報を記憶する。判断手段は、第2の供給手段から電力が供給されると、情報送信装置の検出手段が検出した特徴が、第1の記憶手段に記憶された情報により表わされる特徴に一致するか否かを判断する。情報送信装置の受付手段は、携帯端末の出力手段が出力した電磁波を受付ける。第2の変換手段は、情報送信装置の受付手段が受付けた電磁波を、電力に変換する。解除手段は、第2の変換手段が電力を変換すると、情報送信装置の検出手段および判断手段への、第2の供給手段からの電力の供給の停止を解除する。第2の記憶手段は、予め定められた使用者に固有の特徴を表わす情報とは異なる情報を記憶する。生成手段は、判断手段によって、情報送信装置の検出手段が検出した特徴が、第1の記憶手段に記憶された情報により表わされる特徴に一致すると判断されると、第1の供給手段から供給を受けた電力により、第2の記憶手段に記憶された情報に対応するように変調された信号を生成する。送受信手段は、生成手段が生成した信号をリーダ・ライタへ送信する。これにより、携帯電話の検出手段が予め定められた信号を検出するようなとき、情報送信装置の検出手段が検出した特徴が、第1の記憶手段に記憶された情報により表わされる特徴に一致するか否かが判断される。その結果、使用者が必要とするときに、予め定められた使用者であることを迅速に認証できる情報送信システムを提供することができる。
また、上述の情報送信装置は、携帯端末から電磁波を受付けたこと、および判断手段により情報送信装置の検出手段が検出した特徴が第1の記憶手段に記憶された情報により表わされる特徴に一致すると判断されたことを、それぞれ表示するための表示手段をさらに含むことが望ましい。
すなわち、表示手段は、携帯端末から電磁波を受付けたこと、および判断手段により情報送信装置の検出手段が検出した特徴が第1の記憶手段に記憶された情報により表わされる特徴に一致すると判断されたことを、それぞれ表示する。これにより、情報送信装置の動作の状態が明らかになる。その結果、情報送信装置の動作の状態が明らかで、かつ使用者が必要とするときに、予め定められた使用者であることを迅速に認証できる情報送信システムを提供することができる。
また、上述の情報送信装置は、中心とは異なる位置に検出手段を配置した長方形のICカードであることが望ましい。
すなわち、検出手段は、長方形のICカードの中心とは異なる位置に配置される。これにより、自然な動作の際、情報送信装置の検出手段が検出した特徴が第1の記憶手段に記憶された情報により表わされる特徴に一致するか否かが判断される。その結果、自然な動作により、使用者が必要とするときに、予め定められた使用者であることを迅速に認証できる情報送信システムを提供することができる。
もしくは、上述の中心とは異なる位置は、ICカードの長辺側の端より短辺側の端に近い位置であることが望ましい。
すなわち、検出手段は、ICカードの中心とは異なる、ICカードの長辺側の端より短辺側の端に近い位置に配置される。これにより、より自然な動作の際、情報送信装置の検出手段が検出した特徴が第1の記憶手段に記憶された情報により表わされる特徴に一致するか否かが判断される。その結果、より自然な動作により、使用者が必要とするときに、予め定められた使用者であることを迅速に認証できる情報送信システムを提供することができる。
もしくは、上述の中心とは異なる位置は、ICカードの短辺側の端より長辺側の端に近い位置であることが望ましい。
すなわち、検出手段は、ICカードの中心とは異なる、ICカードの短辺側の端より長辺側の端に近い位置に配置される。これにより、比較的自然な動作の際、情報送信装置の検出手段が検出した特徴が第1の記憶手段に記憶された情報により表わされる特徴に一致するか否かが判断される。その結果、比較的自然な動作により、使用者が必要とするときに、予め定められた使用者であることを迅速に認証できる情報送信システムを提供することができる。
また、上述の解除手段は、第2の変換手段が変換した電力を用いて、電力の供給の停止を解除するための手段を含むことが望ましい。
すなわち、解除手段は、第2の変換手段が変換した電力を用いて、電力の供給の停止を解除する。これにより、解除手段は、第2の変換手段が十分な電力を変換すると、電力の供給の停止を解除する。十分な電力が変換されると電力の供給の停止が解除されるので、より確実に、使用者が必要とするとき、情報送信装置の検出手段が検出した特徴が第1の記憶手段に記憶された情報により表わされる特徴に一致するか否かが判断される。その結果、使用者が必要とするときに、予め定められた使用者であることを、より確実かつ迅速に認証できる情報送信システムを提供することができる。
もしくは、上述の第2の変換手段が変換した電力は、特定波長の電磁波から変換された電力であることが望ましい。
すなわち、解除手段は、第2の変換手段が変換した、特定波長の電磁波から変換された電力を用いて、電力の供給の停止を、解除する。これにより、さらに確実に、使用者が必要とするとき、情報送信装置の検出手段が検出した特徴が第1の記憶手段に記憶された情報により表わされる特徴に一致するか否かが判断される。その結果、使用者が必要とするときに、予め定められた使用者であることを、さらに確実かつ迅速に認証できる情報送信システムを提供することができる。
本発明の他の局面にしたがうと、情報送信装置は、携帯端末が出力した電磁波を受付け、かつ、リーダ・ライタへ信号を送信する。情報送信装置は、リーダ・ライタとの間で、電磁波を用いて送受信するための送受信手段と、送受信手段がリーダ・ライタから受けた電磁波を電力に変換するための第1の変換手段と、第1の変換手段が電磁波から変換した電力を蓄電し、蓄電された電力を供給するための第1の供給手段と、予め電力を蓄電し、かつ蓄電した電力を供給するための第2の供給手段と、第2の供給手段から電力が供給されると、生体それぞれに固有の特徴を検出するための検出手段と、予め定められた使用者に固有の特徴を表わす情報を記憶するための第1の記憶手段と、第2の供給手段から電力が供給されると、検出手段が検出した特徴が、第1の記憶手段に記憶された情報により表わされる特徴に一致するか否かを判断するための判断手段と、携帯端末が出力した電磁波を受付けるための受付手段と、受付手段が受付けた電磁波を電力に変換するための第2の変換手段と、第2の変換手段が電力を変換すると、検出手段および判断手段への、第2の供給手段からの電力の供給の停止を解除するための解除手段と、予め定められた使用者に固有の特徴を表わす情報とは異なる情報を記憶するための第2の記憶手段と、判断手段によって、検出手段が検出した特徴が、第1の記憶手段に記憶された情報により表わされる特徴に一致すると判断されると、第1の供給手段から供給を受けた電力により、第2の記憶手段に記憶された情報に対応するように変調された信号を生成するための生成手段とを含み、送受信手段は、生成手段が生成した信号を前記リーダ・ライタへ送信する。
すなわち、送受信手段は、リーダ・ライタとの間で、電磁波を用いて送受信する。第1の変換手段は、送受信手段がリーダ・ライタから受けた電磁波を電力に変換する。第1の供給手段は、第1の変換手段が電磁波から変換した電力を蓄電し、蓄電された電力を供給する。第2の供給手段は、予め電力を蓄電し、かつ蓄電した電力を供給する。検出手段は、第2の供給手段から電力が供給されると、生体それぞれに固有の特徴を検出する。第1の記憶手段は、予め定められた使用者に固有の特徴を表わす情報を記憶する。判断手段は、第2の供給手段から電力が供給されると、検出手段が検出した特徴が、第1の記憶手段に記憶された情報により表わされる特徴に一致するか否かを判断する。受付手段は、携帯端末が出力した電磁波を受付ける。第2の変換手段は、受付手段が受付けた電磁波を電力に変換する。解除手段は、第2の変換手段が電力を変換すると、検出手段および判断手段への、第2の供給手段からの電力の供給の停止を解除する。第2の記憶手段は、予め定められた使用者に固有の特徴を表わす情報とは異なる情報を記憶する。生成手段は、判断手段によって、検出手段が検出した特徴が、第1の記憶手段に記憶された情報により表わされる特徴に一致すると判断されると、第1の供給手段から供給を受けた電力により、第2の記憶手段に記憶された情報に対応するように変調された信号を生成する。送受信手段は、生成手段が生成した信号をリーダ・ライタへ送信する。これにより、受付手段が予め定められた周波数の電磁波を受付けた場合に、検出手段が検出した特徴が、第1の記憶手段に記憶された情報により表わされる特徴に一致するか否かが判断される。その結果、使用者が必要とするときに、予め定められた使用者であることを迅速に認証できる情報送信装置を提供することができる。
また、上述の解除手段は、第2の変換手段が変換した電力を用いて、電力の供給の停止を、解除するための手段を含むことが望ましい。
すなわち、解除手段は、第2の変換手段が変換した電力を用いて、電力の供給の停止を、解除する。これにより、解除手段は、第2の変換手段が十分な電力を変換すると、電力の供給の停止を解除する。十分な電力が変換されると電力の供給の停止が解除されるので、より確実に、使用者が必要とするとき、検出手段が検出した特徴が第1の記憶手段に記憶された情報により表わされる特徴に一致するか否かが判断される。その結果、使用者が必要とするときに、予め定められた使用者であることを、より確実かつ迅速に認証できる情報送信装置を提供することができる。
もしくは、上述の第2の変換手段が変換した電力は、特定波長の電磁波から変換された電力であることが望ましい。
すなわち、解除手段は、第2の変換手段が変換した、特定波長の電磁波から変換された電力を用いて、電力の供給の停止を、解除する。これにより、さらに確実に、使用者が必要とするとき、検出手段が検出した特徴が第1の記憶手段に記憶された情報により表わされる特徴に一致するか否かが判断される。その結果、使用者が必要とするときに、予め定められた使用者であることを、さらに確実かつ迅速に認証できる情報送信装置を提供することができる。
本発明に係る情報送信システムおよび情報送信装置は、使用者が必要とするときに、予め定められた使用者であることを迅速に認証できる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
<第1の実施の形態>
以下、本発明の第1の実施の形態に係るICカードシステムについて、図面に基づいて説明する。
図1を参照して、本実施の形態に係るICカードシステムは、非接触ICカード60と、携帯端末110とを含む。非接触ICカード60は、外部リーダ・ライタ50との間で電磁波を介して情報を通信する、情報送信装置である。携帯端末110は、外部リーダ・ライタ50が出力する電磁波を検知して、非接触ICカード60に電力を供給する。本実施の形態における携帯端末110は、携帯電話である。また、携帯端末110は、常時、あるいはほとんどの場合において、電源が入っているものである。
図2を参照して、本実施の形態に係る非接触ICカード60は、第1アンテナ部62と、送受信ユニット64と、制御部66と、記憶部68と、第1電源部70と、検出部72と、生体情報記憶部74と、個人認証部76と、第2アンテナ部78と、第2受信部80と、第2電源部82と、内蔵電源部84と、スイッチ86とを含む。第1アンテナ部62は、外部リーダ・ライタ50との間で電波を送受信する。送受信ユニット64は、第1アンテナ部62が取扱う高周波信号と、制御部66が取扱うデータとを相互に変換する。送受信ユニット64は、変換したデータを制御部66に出力する回路でもある。送受信ユニット64は、変換した高周波信号を第1アンテナ部62に出力する回路でもある。送受信ユニット64は、第1アンテナ部62が受信した高周波信号を分岐させ、電力に変換する回路でもある。制御部66は、非接触ICカード60の各部を制御する。制御部66は、各種のデータを管理する回路でもある。その管理には、後述する個人認証部76にて使用者を不正使用者ではないと判断した場合、記憶部68に記憶されたデータの送信などを許可するといった管理も含まれる。記憶部68は、制御部66が管理する、予め定められた、使用者に固有の特徴を表わす情報とは異なる情報を記憶する。第1電源部70は、送受信ユニット64が出力する電力を蓄電する。第1電源部70は、蓄電した電力を非接触ICカード60の各部に供給する回路でもある。検出部72は、内蔵電源部84から電力が供給されると、生体それぞれに固有の特徴を検出する。本実施の形態の場合、検出部72が検出する、生体それぞれに固有の特徴は、指紋、指静脈の分岐点、および指静脈の端点のいずれかの特徴である。このように特徴を検出すると、指紋や指静脈のパターンをすべて検出する場合に比べ、生体情報全体の量を抑制することができる。生体情報全体の量が抑制されると、生体情報の処理を速くでき、かつ電力の消費を抑制することができる。これが、特徴を表わす情報を検出する理由である。検出部72が、指に関する特徴を表わす情報を検出する理由は、ICカードに搭載できる装置のサイズに制限がある点にある。生体情報記憶部74は、予め定められた使用者に固有の特徴を表わす情報(生体情報)を予め記憶する。個人認証部76は、内蔵電源部84から電力が供給されると、検出部72が検出した特徴が、生体情報記憶部74に記憶された情報により表わされる特徴に一致するか否かを判断する。第2アンテナ部78は、携帯端末110の送信部118および送信用アンテナ部120が出力した電磁波(すなわち変調された電磁波である。本実施の形態において、この電磁波の周波数は、800MHz帯であるとする。ただし、この周波数は、携帯電話を使用する国や地域に応じて自由に設定できる。たとえば、日本で、携帯電話を使用する場合、この周波数を1.5GHz帯および2GHz帯のいずれかとしてもよい。)を受付ける。第2アンテナ部78は、自らが受付けた電磁波を、その電磁波の周波数に等しい周波数の交流電力(以下、この交流電力を「高周波信号」と称する。なお、以下の説明において、生成される高周波信号の周波数は、その高周波信号を生成する回路や高周波信号の利用目的などにより異なる。)に変換する装置でもある。なお、第2アンテナ部78が変換する電磁波の周波数は、第1アンテナ部62が変換する電磁波の周波数とは異なる。第2受信部80は、第2アンテナ部78が出力した高周波信号のうち、予め定められた周波数(すなわち携帯端末110が出力する電磁波の周波数)の高周波信号を直流電力に変換する。これにより、第2アンテナ部78が受付けた、予め定められた周波数の電磁波は、第2アンテナ部78自身および第2受信部80によって、電力に変換される。本実施の形態の場合、第2受信部80は、第2アンテナ部78が出力した高周波信号を、整流により、直流電力に変換する。第2電源部82は、第2受信部80が変換した電力を蓄電する。第2電源部82は、蓄電した電力をスイッチ86に供給する回路でもある。内蔵電源部84は、第1電源部70および第2電源部82とは別に、検出部72および個人認証部76に、電力を供給する(内蔵電源部84は、検出部72および個人認証部76のいずれかのみに電力を供給する装置であってもよい。その場合、内蔵電源部84によって電力が供給されないものには、第1電源部70などが電力を供給する。しかし、本実施の形態の場合、内蔵電源部84は、検出部72および個人認証部76に電力を供給することとする)。内蔵電源部84は、蓄電池(シート電池やボタン電池などであってもよい。しかし、本実施の形態の場合、内蔵電源部84は蓄電池であるとする。)により実現される。内蔵電源部84が蓄電する電力は、生体情報の検出や、個人認証に用いられる。内蔵電源部84が蓄電する電力は、送受信ユニット64および第2受信部80のいずれかが変換した電力である(内蔵電源部84がシート電池やボタン電池などである場合、内蔵電源部84が蓄電する電力は、非接触ICカード60を製造した際に充電された電力である)。スイッチ86は、内蔵電源部84から検出部72、生体情報記憶部74、および個人認証部76への回路を開閉する。これにより、スイッチ86が「ON」の状態である場合にのみ、内蔵電源部84は、検出部72、生体情報記憶部74、および個人認証部76に電力を供給することとなる。後述するように、スイッチ86が「ON」の状態となるのは、携帯端末110が非接触ICカード60に電力を出力している間のみである。携帯端末110が非接触ICカード60に電力を出力するのは、携帯端末110が外部リーダ・ライタ50を検出している間のみである。
第1アンテナ部62は、第1アンテナ90と、第1同調回路92とを含む。第1アンテナ90は、外部リーダ・ライタ50との間で通信用に予め定められた周波数の電波を用いて通信する。第1アンテナ90は、受信した電波(電磁波)を高周波信号に変換し、第1同調回路92に出力する。第1アンテナ90は、第2アンテナ100とは異なる装置により、第1同調回路92および後述する送信部94を介して、制御部66が生成した信号に対応する電磁波を、外部リーダ・ライタ50に出力する装置でもある。第1同調回路92は、第1アンテナ90が出力した高周波信号からノイズを除去する。第1同調回路92は、送受信ユニット64が出力した高周波信号のノイズを除去する回路でもある。
送受信ユニット64は、送信部94と第1受信部96とを含む。送信部94は、制御部66が出力した各種データを高周波信号に変換する。第1受信部96は、第1同調回路92が出力した高周波信号を制御部66が利用可能なデータに変換する。第1受信部96は、第1アンテナ部62が出力した高周波信号を分岐させ、分岐させた高周波信号を電力に変換する回路でもある。第1受信部96が高周波信号を直流電力に変換する原理は、第2受信部80が利用する原理と同一である。第1受信部96は、変換された直流電力を第1電源部70に出力する。これにより、第1受信部96は、電波の分岐勢力から得た電力を第1電源部70に供給する。なお、第1受信部96は、個人認証部76の認証処理の結果に応じて、第1アンテナ部62が出力した高周波信号をすべて電力に変換することができる。これは、個人認証部76の認証処理の結果に応じた、制御部66の制御により実現される。
第2アンテナ部78は、第2同調回路98と第2アンテナ100とを含む。第2同調回路98は、第2アンテナ100が出力した高周波信号から、携帯電話が通信に利用する周波数に対応する成分を抽出する。第2同調回路98は、第2受信部80が出力した高周波信号から、ノイズを除去する回路でもある。第2アンテナ100は、後述する第1アンテナ90が出力する電磁波とは周波数が異なる電磁波(すなわち携帯電話から受信した電磁波)を受信する。第2アンテナ100は、携帯電話から受信した電磁波を高周波信号に変換する装置でもある。
図3を参照して、本実施の形態の非接触ICカード60における検出部72の配置を説明する。図3(A)は、非接触ICカード60の短辺側に検出部72を配置する場合を表わす図である。図3(B)は、非接触ICカード60の長辺側に検出部72を配置する場合を表わす図である。これらの図に示すように、本実施の形態に係る非接触ICカード60は、中心とは異なる位置に検出部72を配置した長方形のICカードである。これらの配置は、実際に非接触ICカード60使用する際の、使用者が持つ方向を考慮して決定される。すなわち、使用者が非接触ICカード60を長手方向に持つ場合、検出部72は、図3(A)に示す位置(非接触ICカード60の短辺側の端より長辺側の端に近い位置)に配置される。使用者が非接触ICカード60の短辺を持つ場合、検出部72は、図3(A)に示す位置(非接触ICカード60の長辺側の端より短辺側の端に近い位置)に配置される。使用者が非接触ICカード60の長辺を持つ場合、検出部72は、図3(B)に示す位置に配置される。これにより、カードを保持する部分に検出部72が配置される。カードを保持する部分に検出部72が配置されるので、外部リーダ・ライタ50に非接触ICカード60を近づける自然な動作の際、個人認証が行なわれる。すなわち、個人認証のために非接触ICカード60をわざわざ持ち替える必要がなくなる。なお、本実施の形態の場合、検出部72は、図3(A)に示す位置に配置される。
図4を参照して、携帯端末110は、受信用アンテナ部112と、受信部114と、制御部116と、送信部118と、送信用アンテナ部120とを含む。受信用アンテナ部112は、非接触ICカード60よりも高い感度で外部リーダ・ライタ50からの特定波長の電磁波を受付け、かつ出力する。受信用アンテナ部112は、受信部114に、受信した電磁波を出力する装置でもある。受信部114は、受信用アンテナ部112で受信した電磁波から高周波信号を復調する。受信部114は、復調した高周波信号を制御部116に出力する回路でもある。制御部116は、受信部114が出力した高周波信号(ひいては受信用アンテナ部112が受付けた電磁波)が表わす、予め定められた信号(この信号は外部リーダ・ライタ50の存在を示す)を検出する。制御部116は、自らがこの予め定められた信号を検出すると(ひいては外部リーダ・ライタ50の存在を認識すると)、電磁波を出力するように、送信部118および送信用アンテナ部120を制御する回路でもある。制御部116が電磁波を出力するように送信部118および送信用アンテナ部120を制御する目的は、非接触ICカード60へ電力を送信することにある。制御部116が非接触ICカード60へ電力を送信する目的は、非接触ICカード60のスイッチ86を「ON」にすることにある。送信部118は、制御部116の制御により、非接触ICカード60の第2アンテナ部78が受信可能な、特定の周波数の高周波信号を生成する。送信用アンテナ部120は、送信部118が生成した高周波信号に対応する電磁波を出力する。送信部118および送信用アンテナ部120は、非接触ICカード60に、電磁波を出力する装置を構成することとなる。この電磁波の出力により、非接触ICカード60に電力が供給される。
受信用アンテナ部112は、第1アンテナ130と、第1同調回路132とから構成される。第1アンテナ130は、外部リーダ・ライタ50から、特定波長の電磁波を受信する。第1アンテナ130は、受信した電磁波を高周波信号に変換する装置でもある。第1同調回路132は、第1アンテナ130が出力した高周波信号から、特定波長の電磁波に対応する成分を抽出する。第1アンテナ130は、非接触ICカード60に内蔵している第1アンテナ90よりも高感度のアンテナである。第1アンテナ130を第1アンテナ90よりも高感度のアンテナとする理由は、高感度のアンテナを搭載することが比較的容易という点にある。高感度のアンテナを搭載することが容易な理由は、非接触ICカード60の形状が規格などで規定されているのに対し、携帯端末110の形状は特に規定されていない点にある。第1アンテナ130が第1アンテナ90よりも高感度のアンテナなので、携帯端末110は、非接触ICカード60よりも先に外部リーダ・ライタ50を検出できる。一方、使用者が外部リーダ・ライタ50から離れる(すなわち携帯端末110が外部リーダ・ライタ50から離れる)と、携帯端末110は、外部リーダ・ライタ50が出力する電磁波を受信できなくなる。携帯端末110がその電磁波を受信できなくなると、制御部116は、非接触ICカード60への給電を停止させる。こうすることで、外部リーダ・ライタ50が近傍にある時に、非接触ICカード60のスイッチ86が「ON」になる。これにより、外部リーダ・ライタ50が近傍にある時に、内蔵電源部84は電力を供給する。
送信用アンテナ部120は、第2アンテナ140と、第2同調回路142とから構成される。第2アンテナ140は、第2同調回路142が出力した高周波信号を、その高周波信号の周波数と同じ周波数の電磁波に変換する。第2アンテナ140は、変換した電磁波を出力する装置でもある。第2同調回路142は、送信部118が出力した高周波信号から、ノイズを除去する。
図5を参照して、本実施の形態に係るICカードシステムで実行されるプログラムは、使用者の認証およびデータの入出力に関し、以下のような制御構造を有する。
ステップ100(以下、ステップをSと略す。)にて、携帯端末110の電源が「ON」されると、携帯端末110の制御部116は、携帯端末110の各構成要素を、外部リーダ・ライタ50が検出できる状態となるように制御する。
S102にて、制御部116は、受信用アンテナ部112、および受信部114を制御して外部リーダ・ライタ50を検出する。S104にて、制御部116は、非接触ICカード60に電力を供給するように、送信部118および送信用アンテナ部120を制御する。
S106にて、非接触ICカード60の第2アンテナ部78は、受信した電磁波を高周波信号に変換する。第2受信部80は、高周波信号を電力に変換する。S108にて、非接触ICカード60の第2電源部82は、第2受信部80が出力した電力を蓄電する。S110にて、第2電源部82は、スイッチ86に電力を供給する。スイッチ86は、電力が供給されると、その電力を用いて「ON」になる。スイッチ86が「ON」になると、内蔵電源部84から、検出部72、生体情報記憶部74、および個人認証部76への電路が開かれる。これにより、スイッチ86は、第2アンテナ部78および第2受信部80が電力を変換すると、検出部72および個人認証部76のいずれかに設定された、内蔵電源部84からの電力の供給の停止を、解除することとなる。その際、スイッチ86は、第2アンテナ部78および第2受信部80が変換した電力を用いて、電力の供給の停止を、解除することとなる。S112にて、検出部72は、使用者の指が密着したことを検出する。S114にて、検出部72は、使用者の指紋および指静脈の画像データを採取する。
S116にて、個人認証部76は、検出部72が採取したデータにより表わされる、指紋および指静脈の特徴が、生体情報記憶部74に記憶されている情報により表わされる特徴に一致するか否かを判断する。一致すると判断した場合(S116にてYES)、処理はS118へと移される。もしそうでないと(S116にてNO)、処理はS120へと移される。S118にて、個人認証部76は、「H」レベルの認証信号を制御部66の「RESET入力」の端子(制御部66をリセットさせる端子)に出力する。これにより、制御部66は、外部リーダ・ライタ50との通信が可能となる。S120にて、非接触ICカード60の制御部66は、使用者が不正使用者と判断する。個人認証部76は、「L」レベルの認証信号を制御部66の「RESET入力」の端子(制御部66をリセットさせる端子)に出力する。
S122にて、使用者は非接触ICカード60を外部リーダ・ライタ50に近づける。第1アンテナ部62は、外部リーダ・ライタ50からの電磁波を受信する。S124にて、第1アンテナ部62は、受信した電磁波を高調波信号に変換する。送受信ユニット64の第1受信部96は、高調波信号の一部を電力に変換する。S126にて、第1電源部70は、第1受信部96が変換した電力を蓄電する。S128にて、制御部66は、第1電源部70が供給する電力を受付ける。制御部66は、電力を受付けると、第1アンテナ部62および送受信ユニット64を用いて記憶部68に記憶されたデータの通信を行なう。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、ICカードシステムの動作について説明する。
[真正使用者が非接触ICカードを使用する場合]
携帯端末110の電源が「ON」されると、携帯端末110の制御部116は、携帯端末110の各構成要素を、外部リーダ・ライタ50が検出できる状態となるように制御する(S100)。各構成要素が制御されると、制御部116は、外部リーダ・ライタ50を検出する(S102)。外部リーダ・ライタ50が検出されると、制御部116は、非接触ICカード60に電力を供給させる(S104)。電力が供給されると、非接触ICカード60の第2アンテナ部78は、受信した電磁波を高周波信号に変換する。第2受信部80は、高周波信号を電力に変換する(S106)。高周波信号が電力に変換されると、第2電源部82は、第2受信部80が出力した電力を蓄電する(S108)。電力が蓄電されると、第2電源部82は、スイッチ86に電力を供給する。スイッチ86は、電力が供給されると「ON」になる(S110)。スイッチ86が「ON」になると、検出部72は、使用者の指が密着したことを検出する(S112)。使用者の指が密着したことが検出されると、検出部72は、使用者の指紋および指静脈の画像データを採取する(S114)。画像データが採取されると、個人認証部76は、検出部72が採取したデータにより表わされる、指紋および指静脈の特徴が、生体情報記憶部74に記憶されている情報により表わされる特徴に一致するか否かを判断する(S116)。この場合、一致すると判断されるので(S116にてYES)、個人認証部76は、「H」レベルの認証信号を出力する。これにより、制御部66は、外部リーダ・ライタ50との通信が可能となる(S118)。外部リーダ・ライタ50との通信が可能となると、使用者は非接触ICカード60を外部リーダ・ライタ50に近づける。第1アンテナ部62は、外部リーダ・ライタ50からの電磁波を受信する(S122)。第1アンテナ部62が電磁波を受信すると、第1アンテナ部62は、受信した電磁波を高調波信号に変換する。送受信ユニット64の第1受信部96は、高調波信号の一部を電力に変換する(S124)。高調波信号の一部が電力に変換されると、第1電源部70は、第1受信部96が変換した電力を蓄電する(S126)。電力が蓄電されると、制御部66は、第1電源部70が供給する電力を受付ける。制御部66は、電力を受付けると、第1アンテナ部62および送受信ユニット64を用いて記憶部68に記憶されたデータの通信を行なう(S128)。すなわち、制御部66は、個人認証部76によって、検出部72が検出した特徴が、生体情報記憶部74に記憶された情報により表わされる特徴に一致すると判断されると、記憶部68に記憶された情報に対応するように変調された信号を生成することとなる。さらに、第1アンテナ部62は、制御部66が生成した信号に対応する電磁波を出力することとなる。
これにより、使用者は、クレジット機能やデビットカード機能などといった、所望するICカードの機能を得る。
[不正使用者が非接触ICカードを使用する場合]
画像データが採取されると、個人認証部76は、検出部72が採取したデータにより表わされる、指紋および指静脈の特徴が、生体情報記憶部74に記憶されている情報により表わされる特徴に一致するか否かを判断する(S116)。この場合、一致しないと判断されるので(S116にてNO)、個人認証部76は、「L」レベルの認証信号を制御部66の「RESET入力」の端子に出力する(S120)。「L」レベルの認証信号が出力されると、携帯端末110の制御部116は、非接触ICカード60に電力を供給させる(S104)。電力の供給は、非接触ICカード60および携帯端末110が外部リーダ・ライタ50から離れるまで繰返される。
以上のようにして、本実施の形態に係るICカードシステムは、個人認証に必要な電力の放電を極力防止する。放電が極力防止されるのは、主として携帯端末110が外部リーダ・ライタ50を検出している間(事実上、この間に使用者を認証する必要が生じる)に、内蔵電源部84が、検出部72、生体情報記憶部74、および個人認証部76に電力を供給し、その他のときにはほとんど電力を供給しないためである。放電が極力防止されるので、内蔵電源部84の電力はむやみに消費されない。その上、本実施の形態に係る携帯端末110は、非接触ICカード60の第1アンテナ90よりも早く外部リーダ・ライタ50の存在を検出する。これにより、非接触ICカード60の第1アンテナ90自身が外部リーダ・ライタ50の存在を検出する場合に比べ、早期に個人認証が可能になる。早期に個人認証が可能になるので、使用者が個人認証をしようとしているにも関わらず個人認証が実施されないといったことがなくなる。そのようなことがなくなるので、使用者が必要とするとき、生体情報に基づいて、迅速に個人認証ができる。生体情報に基づいて、個人認証がなされるので、正当な使用者以外の第三者による不正使用を防止できる。使用者が必要とするとき、個人認証ができないといった事態の発生は防止される。その結果、本実施の形態に係るICカードシステムは、使用者が必要とするときに、予め定められた使用者であることを迅速に認証できる。さらに、本実施の形態に係る非接触ICカードは、検出部を使用者が主に保持する位置に配置する。これにより、個人認証のためにあらためてICカードを持直す必要がない、自然な動作によって個人認証が可能なICカード(すなわち情報送信装置)を提供することができる。その上、本実施の形態に係る非接触ICカードは、カード表面に電力の供給を受けるための端子を設ける代わりに、上述した各構成を設けている。これにより、カードに電力を供給する際、端子と電源との位置決めの必要がなくなる。位置決めの必要がなくなるので、カードの利便性が向上する。その結果、より利便性が高いICカードを提供することができる。
なお、検出部72が配置される位置は、図3に示す位置に限定されない。たとえば、検出部72は、非接触ICカード60の四隅のいずれかに配置されてもよい。
また、第2受信部80は、携帯端末110が出力する電磁波以外の電磁波もあわせて電力に変換してもよい。
その他、第2アンテナ部78は、携帯端末110の送信部118および送信用アンテナ部120が出力した電磁波の代わりに、特定波長の電磁波を受付けてもよい。ここでいう「特定波長の電磁波」とは、携帯端末110が外部リーダ・ライタ50から受付ける電磁波のことである。これにより、携帯端末110がなくとも、使用者が必要とするときに、予め定められた使用者であることを迅速に認証できるICカードを提供することができる。
ちなみに、携帯端末110は、携帯電話に限定されない。たとえば携帯用情報端末などといった、使用者が携帯する端末であればよい。
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態に係るICカードシステムについて、図面に基づいて説明する。
図6を参照して、非接触ICカード61は、表示部102をさらに含む。表示部102は、非接触ICカード61の動作の状態に応じた表示をする。すなわち、表示部102は、携帯端末110から電磁波を受付けたこと、および個人認証部76により検出部72が検出した特徴が生体情報記憶部74に記憶された情報により表わされる特徴に一致すると判断されたことを、それぞれ表示する。これらのことは、認証信号に対応する。認証信号は、個人認証部76によって表示部102に入力される。表示部102は、非接触ICカード61の表面(ただし、外部から容易に確認することができる位置であれば、他の場所であってもよい)に取り付けられている。表示部102は、LED(Light Emitting Diode)によって構成される。表示部102は、スイッチ86を通じて内蔵電源部84から電力が供給されると動作する。表示部102は、携帯端末110が外部リーダ・ライタ50を検出するまで点灯しない。電力が給電されていないためである。携帯端末110は、外部リーダ・ライタ50を検出すると、非接触ICカード61に電力を送信する。この場合、スイッチ86が「ON」となる。この時、表示部102は、「第1の点灯状態」になる。「第1の点灯状態」とは、非接触ICカード61が個人認証を行なえる状態になっていることを示す状態である。個人認証が完了し、かつ照合結果が一致している場合、表示部102は、「第2の点灯状態」になる。「第2の点灯状態」とは、非接触ICカード61の制御部66が、記憶部68に記憶された情報を通信できることを示す状態である。照合結果が一致しない場合は、表示部102は「第1の点灯状態」のままである。なお、その他のハードウェア構成については前述の第1の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
図7を参照して、ICカードシステムで実行されるプログラムは、使用者の認証およびデータの入出力に関し、以下のような制御構造を有する。なお、図7に示すフローチャートの中で、前述の図5に示した処理は同じステップ番号を付してある。それらの処理も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
S150にて、内蔵電源部84は、スイッチ86を介して表示部102に電力を供給する。S152にて、個人認証部76は、表示部102を「第2の点灯状態」にする認証信号を出力する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、ICカードシステムの動作について説明する。
S100〜S110の処理を経て、非接触ICカード61のスイッチ86が「ON」になると、内蔵電源部84は、スイッチ86を介して表示部102に電力を供給する(S150)。これにより、表示部102は「第1の点灯状態」となる。表示部102が「第1の点灯状態」となると、S112〜S116の処理を経て、個人認証部76は、認証信号を表示部102に入力する(S152)。認証信号が入力されると、表示部102は「第2の点灯状態」になる。
以上のようにして、本実施の形態に係るICカードシステムは、非接触ICカードの状態に応じた表示をすることができる。これにより、使用者が非接触ICカード61の状態を確認できる。状態が確認されると、指の押付け状態が適切でないなどの原因で、個人認証がNGであった場合、使用者はそのことを確認できる。その結果、本実施の形態に係るICカードシステムは、非接触ICカードの動作の状態が明らかなため、使用者がストレスを感じることがなく、かつ使用者が必要とするときに、予め定められた使用者であることを迅速に認証できる。
なお、「第1の点灯状態」、および「第2の点灯状態」の相違点は、点灯する色であってもよいし、点灯するパターンであってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
50 外部リーダ・ライタ、60,61 非接触ICカード、62 第1アンテナ部、64 送受信ユニット、66,116,150 制御部、68,156 記憶部、70 第1電源部、72 検出部、74 生体情報記憶部、76 個人認証部、78 第2アンテナ部、80 第2受信部、82 第2電源部、84 内蔵電源部、86 スイッチ、90,130 第1アンテナ、92,132 第1同調回路、94,118,172 送信部、96 第1受信部、98,142 第2同調回路、100,140 第2アンテナ、102 表示部、110 携帯端末、112 受信用アンテナ部、114,174 受信部、120 送信用アンテナ部、152 センサ部、154 電源部、158 送受信部、160 アンテナ、162 電源コード。