JP4027125B2 - ディジタル情報配信方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、ディジタル情報配信方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
有料のコンテンツ(ディジタル情報)をサーバー(送信元)から情報端末(受信側)へ送る場合、前記情報端末に予め与えてある個別の鍵情報にて前記コンテンツを暗号化して送出し、情報端末側では暗号化されたコンテンツを前記鍵情報を用いて解読する方法が考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、同一の有料コンテンツを多数の情報端末に送る場合には、受信側ごとの個別の鍵情報にて暗号化したコンテンツに受信側アドレスを付加して、受信側の数だけ送出処理を繰り返すことが必要になってしまう。一方、IPマルチキャストの配信方法によれば、あるグループの宛て先となるマルチキャストアドレスを同一のコンテンツに付加して送出するだけで、分岐点上のルーターがコンテンツ(パケット)を複製して転送してくれる。従って、送信側が受信側の数だけ送出処理を繰り返す必要はなくなる。しかしながら、IPマルチキャストでは、同一のディジタル情報が複製されて転送されるのであるから、受信側ごとの個別の鍵情報にて暗号化したコンテンツを配信することはできない。
【0004】
この発明は、上記の事情に鑑み、IPマルチキャストなどで暗号化コンテンツを配信する場合でも、受信側ごとの個別の鍵情報に基づき暗号化コンテンツを解読することができるディジタル情報配信方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明のディジタル情報配信方法は、上記の課題を解決するために、ネットワークを介してコンテンツを情報端末に配信するディジタル情報配信方法において、コンテンツ提供者側はコンテンツ暗号鍵を含む情報をワーク鍵で暗号化した暗号化情報及び前記コンテンツ暗号鍵で暗号化したコンテンツを生成すると共に、前記ワーク鍵を含む情報を個別のマスター鍵にて暗号化した暗号化情報を生成して、これら情報を前記ネットワークを介して情報端末に送り、情報端末は固有に持つマスター鍵にて暗号化情報を解読してワーク鍵を含む情報を取り出し、更に前記ワーク鍵にてコンテンツ暗号鍵を取り出し、前記コンテンツ暗号鍵にて暗号化コンテンツの暗号を解くことを特徴とする。
【0006】
上記の構成であれば、同一の有料コンテンツを多数の情報端末に送る場合において、コンテンツ暗号鍵及びワーク鍵を受信側ごとに異ならせずに共通とすることができるから、例えばIPマルチキャストのごとく同一のディジタル情報が複製されて転送される場合でも何ら問題はない。受信側では固有に持つマスター鍵にて暗号化情報を解読してワーク鍵を含む情報を取り出し、更に前記ワーク鍵にてコンテンツ暗号鍵を取り出し、前記コンテンツ暗号鍵にて暗号化コンテンツの暗号を解くことができる。
【0007】
また、この発明のディジタル情報配信方法は、ネットワークを介してコンテンツを情報端末に配信するディジタル情報配信方法において、コンテンツ提供者側はコンテンツ暗号鍵を含む情報を個別のマスター鍵で暗号化した暗号化情報及び前記コンテンツ暗号鍵で暗号化したコンテンツを生成して、これら情報を前記ネットワークを介して情報端末に送り、情報端末は固有に持つマスター鍵にて暗号化情報を解読してコンテンツ暗号鍵を取り出し、前記コンテンツ暗号鍵にて暗号化コンテンツの暗号を解くことを特徴とする。
【0008】
上記の構成であれば、同一の有料コンテンツを多数の情報端末に送る場合において、コンテンツ暗号鍵を受信側ごとに異ならせずに共通とすることができるから、例えばIPマルチキャストのごとく同一のディジタル情報が複製されて転送される場合でも何ら問題はない。受信側では固有に持つマスター鍵にて暗号化情報を解読してコンテンツ暗号鍵を含む情報を取り出し、前記コンテンツ暗号鍵にて暗号化コンテンツの暗号を解くことができる。
【0009】
二以上のコンテンツが二以上のコンテンツ暗号鍵にて暗号化され、情報端末側では、契約内容に基づき一又は複数のコンテンツ暗号鍵を得て、一又は複数の暗号化コンテンツの暗号を解くようにしてもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図1乃至図3に基づいて説明する。図1はネット接続形態を示した説明図であり、図2は送信側の構成を示した説明図であり、図3は受信側の構成を示した説明図である。
【0011】
図1に示すように、この実施形態のディジタル情報配信方法は、インターネット1を介してサーバー2と情報端末(パーソナルコンピュータや携帯端末等)3…とが接続され、サーバー2から情報端末3…へとコンテンツが配信される。
【0012】
ここで、コンテンツサービス内容として、この実施形態では、例えば、コンサート映像を二次元映像で視聴できる契約と三次元映像(立体視)で視聴できる契約のいずれかを利用者との間で結ぶものと仮定する。そして、図2に示すように、第1コンテンツは右眼用映像とし、第2コンテンツは左眼用映像(或いは、両眼視差を生じさせる差分情報でもよい)とする。
【0013】
第1コンテンツはコンテンツ暗号鍵Kc1にて暗号化され、第2コンテンツはコンテンツ暗号鍵Kc2にて暗号化される。Kcテーブル(コンテンツ暗号鍵Kc1及びコンテンツ暗号鍵Kc2)は関連情報と共にワーク鍵Kwにて暗号化される。関連情報はコンテンツを特定するための情報等であり、例えば、「○○ミュージシャンの△△コンサート及び□□コンサート」のような情報からなる。
【0014】
ワーク鍵Kwと契約情報は個別のマスター鍵Kmにて暗号化される。契約情報は契約内容等を示す情報であり、例えば、「三次元視聴契約をしている」或いは「二次元視聴契約をしている」或いは「三次元視聴契約はしていないが5分間の試し(三次元視聴)を許可する」或いは「○○ミュージシャンの△△コンサートについては三次元視聴を許可する」など、受信者(契約者)ごとの個別情報をなす。かかる個別情報は複数存在することになるので、受信側ごとのIDを付与しておき、受信側となる情報端末3においては、自身のIDに一致するIDを持つ個別情報を取り出すことになる。或いは、かかる個別情報については各受信者にユニキャストで個別に送信することとしてもよい。
【0015】
情報端末3は、第1コンテンツである右眼用映像及び第2コンテンツである左眼用映像の両方をとりあえずは受け取ることになるが、契約内容に基づき、右眼用映像のみの復号が許可されるか若しくは両眼映像の復号が許可されることになる。情報端末3は、インターネット1を介してサーバー2から受け取ったディジタル情報のなかから、自身のIDが付与されている個別情報を取り出し、この個別情報を固有のマスター鍵Kmにて復号し、ワーク鍵Kw及び契約情報を取り出す。
【0016】
ワーク鍵Kwを取得できたら、このワーク鍵Kwにて暗号化情報を復号してKcテーブル(コンテンツ暗号鍵Kc1及びコンテンツ暗号鍵Kc2)及び関連情報を取り出す。そして、この関連情報と前記契約情報とに基づき、閲覧判定を行なう。例えば、契約情報が「○○ミュージシャンの△△コンサートについては三次元視聴を許可する」といった内容であれば、○○ミュージシャンの△△コンサートの部分に対してコンテンツ暗号鍵Kc1及びコンテンツ暗号鍵Kc2が出力されるが、□□コンサートの部分に対してコンテンツ暗号鍵Kc1のみが出力される。
【0017】
復号されるのが右眼映像のみであれば、これを通常の映像と同様に扱って映像表示を行なえばよい。一方、復号されるのが右眼映像及び左眼映像であれば、これらを図示しない立体視映像作成ソフトウェアに供給する。この立体視映像作成ソフトウェアにより、例えば、右眼映像と左眼映像が縦ストライプ状に交互に表示される。画面に前記縦ストライプに対応した部分位相差フィルムを貼り付け、偏光眼鏡を装着して画面を見ることで、立体視が行なえる。立体視の方法としては、パララックスバリア方式や時分割シャッタ方式等があり、どのような方法を用いてもよい。
【0018】
このように、同一の有料コンテンツを多数の情報端末に送る場合において、コンテンツ暗号鍵Kc及びワーク鍵Kwを受信側ごとに異ならせずに共通とすることができるから、例えばIPマルチキャストのごとく同一のディジタル情報が複製されて転送される場合でも何ら問題はない。受信側では固有に持つマスター鍵Kmにて暗号化情報を解読してワーク鍵Kw及び契約情報を取り出し、前記ワーク鍵Kwにてコンテンツ鍵及び関連情報を取り出すことで、コンテンツを視聴することができる。なお、かかる配信方法においては、ディジタル放送で用いられている限定受信システムを利用することができる。ディジタル放送で用いる限定受信システムでは、マスター鍵の保持、視聴可否判断、及びスクランブル鍵の出力をICカードが担うが、この実施形態のディジタル情報配信方法において、情報端末3にICカードインターフェイスを接続する構成としたり、或いは、情報端末3がその情報記憶部に、マスター鍵及びソフトウェア(視聴可否判断やスクランブル鍵の生成)を保持する構成としてもよい。
【0019】
上記実施形態では、コンテンツ暗号鍵Kc及び関連情報をワーク鍵Kwで暗号化することとしたが、コンテンツ暗号鍵Kc及び他の情報(関連情報及び契約情報)を個別のマスター鍵Kmで暗号化してもよい。情報端末3は固有に持つマスター鍵Kmにてコンテンツ暗号鍵Kc及び他の情報を取り出し、前記コンテンツ暗号鍵Kcにて暗号化コンテンツの暗号を解くことになる。
【0020】
また、同時送出する二つのコンテンツの内容として、右眼映像と左眼映像を挙げたが、これに限るものではない。例えば、映像の輝度データを第1コンテンツとし、映像の色差データを第2コンテンツとし、モノクロ映像とカラー映像のいずれかが契約内容によって視聴できる形態とすることもできる。また、例えば、映像の色差データをコンテンツ暗号鍵Kc1 で暗号化し、この暗号化色差データと輝度データをまとめたものをコンテンツ暗号鍵Kc2 で暗号化し、契約内容によってコンテンツ暗号鍵Kc1 及びコンテンツ暗号鍵Kc2 の両方又はコンテンツ暗号鍵Kc2 のみを受信側で得られることとしてもよい。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、同一の有料コンテンツを多数の情報端末に送る場合において、コンテンツ暗号鍵等を受信側ごとに異ならせずに共通とすることができるから、例えばIPマルチキャストのごとく同一のディジタル情報が複製されて複数の情報端末に転送される場合でも、契約者のみの情報端末においてコンテンツを取得させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ネット接続形態を示した説明図である。
【図2】この発明の実施形態のディジタル情報配信方法におけるコンテンツ送出側構成を示した説明図である。
【図3】この発明の実施形態のディジタル情報配信方法におけるコンテンツ受け取り側構成を示した説明図である。
【符号の説明】
1 インターネット
2 サーバー
3 情報端末

Claims (3)

  1. 通信ネットワークを介してコンテンツを情報端末に配信するディジタル情報配信方法において、コンテンツ提供装置側はコンテンツ暗号鍵を含む情報をワーク鍵で暗号化した第1暗号化情報及び前記コンテンツ暗号鍵で暗号化した暗号化コンテンツを生成すると共に、前記ワーク鍵を含む情報を個別のマスター鍵にて暗号化した第2暗号化情報を生成し、前記第1暗号化情報についてはマルチキャストにより、前記第2暗号化情報についてはユニキャストにより前記通信ネットワークを介して情報端末に送り、前記情報端末は固有に持つマスター鍵にて前記第2暗号化情報を解読して前記ワーク鍵を含む情報を取り出し、更に前記ワーク鍵にて前記第1暗号化情報を解読して前記コンテンツ暗号鍵を取り出し、前記コンテンツ暗号鍵にて前記暗号化コンテンツの暗号を解くことを特徴とするディジタル情報配信方法。
  2. 通信ネットワークを介してコンテンツを情報端末に配信するディジタル情報配信方法において、コンテンツ提供装置側はコンテンツ暗号鍵を含む情報をワーク鍵で暗号化した第1暗号化情報及び前記コンテンツ暗号鍵で暗号化した暗号化コンテンツを生成すると共に、前記ワーク鍵を含む情報を個別のマスター鍵にて暗号化した第2暗号化情報を生成し、前記第2暗号化情報については個々の識別情報を付与して前記第1暗号化情報とともにマルチキャストにより前記通信ネットワークを介して情報端末に送り、前記情報端末は前記識別情報に基づいて自己宛ての第2暗号化情報を取得し、固有に持つマスター鍵にて前記第2暗号化情報を解読して前記ワーク鍵を含む情報を取り出し、更に前記ワーク鍵にて前記第1暗号化情報を解読して前記コンテンツ暗号鍵を取り出し、前記コンテンツ暗号鍵にて前記暗号化コンテンツの暗号を解くことを特徴とするディジタル情報配信方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のディジタル情報配信方法において、二以上のコンテンツが個々のコンテンツ暗号鍵にて暗号化され、前記情報端末は、前記第2暗号化情報中に含められている契約情報に基づき一又は複数のコンテンツ暗号鍵を得て、一又は複数の暗号化コンテンツの暗号を解くことを特徴とするディジタル情報配信方法。
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