JP4026872B2 - 位置検出装置及びそれを備えた電子ビーム露光装置 - Google Patents

位置検出装置及びそれを備えた電子ビーム露光装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は位置検出装置及びそれを備えた電子ビーム露光装置に関し、特にレジストが塗布されたウエハ上のマークの位置を高精度に検出する位置検出装置、およびそれを用いて既にウエハ上に形成されたパターンの位置に合わせて新たなパターンを高精度に描画する電子ビーム露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子ビーム露光装置では、既にウエハ上に形成されたパターンの位置に合わせて、別の新たなパターンを描画する。このような合わせ描画を行う為には、事前にウエハ上に形成された位置合わせマークの位置を検出し、その位置を基準として新たなパターンを描画することが行われている。
【0003】
図16に従来のビームをスポット状にして使用するポイントビーム型の電子ビーム露光装置を示す。
【0004】
201は電子ビームを放射し、描画されるパターンに応じて電子ビームの放射をon/offする電子銃、202は、電子銃からの電子ビームをポイント状にしてウエハ203上に縮小投影する縮小電子光学系、204はポイント状の電子ビームをウエハ上で走査させる偏向器、205はウエハを載置して移動するXYステージ、206は、ウエハ上の位置合わせマークを電子ビームで走査した際発生する反射電子、2次電子を検出する検出器である。
【0005】
上記構成によって従来は、ウエハ上に既に形成された複数のパターン領域の一つの所定パターン領域に新たなパターンを描画する時、XYステージ205によって、ウエハ上に形成されている所定パターン領域の線状の位置合わせマークをポイント状の電子ビームの基準位置近傍に位置させ、次に、電子ビームを偏向器204によって位置合わせマーク上を走査させ、その時の線状の位置合わせマークからの反射電子、2次電子を検出器206で検出している。そして走査位置とその位置において検出された反射電子・2次電子の量に基づいて、電子ビームの基準位置に対する位置合わせマークの位置を決定する。それから、決定された位置合わせマークの位置を基準に、電子ビームを走査するとともに、描画されるパターンに応じてon/offすることによりウエハ上に新たなパターンを描画している。
【0006】
【発明が解決しようとしている課題】
図17にウエハ上の異なる位置のパターン領域の位置合わせマークの平面図及び断面構造(上段)と走査位置とその位置における検出された反射電子・2次電子の量であるアライメント信号(下段)を示す。
【0007】
図17に示すように、位置合わせマークの断面構造は、位置合わせマークのウエハ上の位置、その形成方法によって様々に歪み、そのマークを覆うレジストの塗布状態もそのマークのウエハ上での位置、そのマーク断面構造、更にはそのマークの周辺のパターン構造によって異なるため、位置合わせマークからのアライメント信号も歪む。またアライメント信号は外乱及び検出系自体からランダムノイズが乗る。その為、位置合わせマークの位置検出に誤差が生じるという問題があった。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の電子ビーム露光装置である形態は、複数の電子ビームを用いて物体の被露光面上にパターンを露光する電子ビーム露光装置において、
前記複数の電子ビームを予め決められた間隔で配列させて照射する照射手段と、前記複数の電子ビームを偏向させる偏向手段と、前記物体を載置して移動する移動手段と、前記複数の電子ビームの前記被露光面への入射を個別に制御するブランキング制御手段と、前記複数の電子ビームのうち前記ブランキング制御手段により前記被露光面へ入射するように制御された複数の電子ビームを、前記移動手段に載置された前記被露光面へ入射するように制御された複数の電子ビームに対応したマークに対して同時に同一の量だけ走査させた際に、前記被露光面へ入射するように制御された複数の電子ビームの入射によって前記マークから生じる電子の電子量を合成して同時に検出する検出手段と、を有することを特徴とする。
【0015】
前記マークは、格子状マークであることを特徴とする。
【0016】
前記格子状マークのピッチは、前記複数の電子ビームの配列間隔に基づいて決定されることを特徴とする。
【0017】
前記偏向手段により、前記所定数の電子ビームを前記マークに対して走査させることを特徴とする
【0018】
前記移動手段により、前記所定数の電子ビームを前記マークに対して走査させることを特徴とする。
【0019】
前記マークは、前記物体上に形成されていることを特徴とする。
【0020】
なお、本発明には、上記の電子ビーム露光装置を用いてデバイスを製造することを特徴とするデバイス製造方法も含まれる。
【0028】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
〔電子ビーム露光装置の構成要素説明〕
図1は本発明に係る電子ビーム露光装置の要部概略図である。
【0029】
図1において、1は、カソード1a、グリッド1b、アノード1cよりなる電子銃であって、カソード1aから放射された電子はグリッド1b、アノード1cの間でクロスオーバ像を形成する。(以下、これらのクロスオーバ像を光源と記す)
【0030】
この光源から放射される電子は、その前側焦点位置が前記光源位置にあるコンデンサーレンズ2によって略平行の電子ビームとなる。略平行な電子ビームは、要素電子光学系アレイ3に入射する。要素電子光学系アレイ3は、ブランキング電極と開口と電子レンズで構成される要素電子光学系が光軸AXに直交する方向に複数配列されて形成されたものである。要素電子光学系アレイ3の詳細については後述する。
【0031】
要素電子光学系アレイ3は、光源の中間像を複数形成し、各中間像は後述する縮小電子光学系4によって縮小投影され、ウエハ5上に光源像を形成する。
【0032】
その際、ウエハ5上の光源像の間隔が光源像の大きさの整数倍になるように、要素電子光学系アレイ3の各要素は設定されている。更に、要素電子光学系アレイ3は、各中間像の光軸方向の位置を縮小電子光学系4の像面湾曲に応じて異ならせるとともに、各中間像が縮小電子光学系4よってウエハ5に縮小投影される際に発生する収差を予め補正している。
【0033】
縮小電子光学系4は、第1投影レンズ41(43)と第2投影レンズ42(44)とからなる対称磁気タブレットで構成される。第1投影レンズ41(43)の焦点距離をf1、第2投影レンズ42(44)の焦点距離をf2とすると、この2つのレンズ間距離はf1+f2になっている。光軸上AXの物点は第1投影レンズ41(43)の焦点位置にあり、その像点は第2投影レンズ42(44)の焦点に結ぶ。この像は-f2/f1に縮小される。また、2つのレンズ磁界が互いに逆方向に作用する様に決定されているので、理論上は、球面収差、等方性非点収差、等方性コマ収差、像面湾曲収差、軸上色収差の5つの収差を除いて他のザイデル収差および回転と倍率に関する色収差が打ち消される。
【0034】
6は、要素電子光学系アレイ3からの複数の電子ビームを偏向させて、複数の光源像をウエハ5上でX,Y方向に略同一の変位量だけ変位させる偏向器である。偏向器6は、図示はされていないが、偏向幅が広い場合に用いられる主偏向器と偏向幅が狭い場合に用いられる副偏向器で構成されていて、主偏向器は電磁型偏向器で、副偏向器は静電型偏向器である。
【0035】
7は偏向器6を作動させた際に発生する偏向収差により光源像のフォーカス位置のずれを補正するダイナミックフォーカスコイルであり、8は、ダイナミックフォーカスコイル7と同様に、偏向により発生する偏向収差の非点収差を補正するダイナミックスティグコイルである。
【0036】
9は、要素電子光学系アレイ3からの電子ビームが、ウエハ5上に形成された位置合わせマークもしくはステージ基準板13上のマークを照射した際に生じる反射電子又は2次電子を検出する反射電子検出器である。
【0037】
10は、X及びY方向にのびる2つのシングルナイフエッジを有するファラデーカップで要素電子光学系からの電子ビームが形成する光源像の電荷量を検出する。
【0038】
11は、ウエハを載置し、光軸AX(Z軸)方向とZ軸回りの回転方向に移動可能なθ-Zステージであって、前述したステージ基準板13とファラデーカップ10が固設されている。
【0039】
12は、θ-Zステージを載置し、光軸AX(Z軸)と直交するXY方向に移動可能なXYステージである。
【0040】
次に、図2を用いて要素電子光学系アレイ3について説明する。
【0041】
要素電子光学系アレイ3は、複数の要素電子光学系をグループ(サブアレイ)とし、そのサブアレイが複数形成されている。そして、本実施例では7つのサブアレイA〜Gが形成されている。各サブアレイは、複数の要素電子光学系が2次元的に配列されている。そして、本実施例の各サブアレイではD(1,1)〜D(5,5)のように25個の要素電子光学系が形成されていて、各要素電子光学系は縮小電子光学系4を介してウエハ上にはX方向もY方向もピッチPb(μm)の間隔で配列する光源像を形成する。
【0042】
各要素電子光学系の断面図を図3に示す。
【0043】
図3において、301は一対の電極で構成され、偏向機能を有するブランキング電極であり、302は、透過する電子ビームの形状を規定する開口(AP)を有する基板で他の要素電子光学系と共通である。その上にブランキング電極301と電極をon/offするための配線(W)が形成されている。303は、3つの開口電極で構成され、上下の電極を加速電位V0と同じにし、中間の電極を別の電位V1またはV2に保った収斂機能を有するユニポテンシャルレンズ303a、303bの2つを用いた電子レンズである。
【0044】
ユニポテンシャルレンズ303aの上、中、下の電極及びユニポテンシャルレンズ303bの上、下の電極の形状は図4(A)に示すような形状であり、ユニポテンシャルレンズ303a、303bの上下電極は、後述する焦点・非点制御回路1によって全ての要素電子光学系において共通の電位に設定している。
【0045】
ユニポテンシャルレンズ303aの中間電極は、焦点・非点制御回路1によって要素電子光学系毎に電位が設定出来る為、ユニポテンシャルレンズ303aの焦点距離が要素電子光学系毎に設定できる。
【0046】
また、ユニポテンシャルレンズ303bの中間電極は、図4(B)に示すような4つの電極で構成され、焦点・非点制御回路によって各電極の電位が個別に設定でき、要素電子光学系毎にも個別設定出来るため、ユニポテンシャルレンズ303bは直交する断面において焦点距離が異なるようにでき、かつ要素電子光学系毎にも個別に設定出来る。
【0047】
その結果、要素電子光学系の中間電極をそれぞれ制御することによって、要素電子光学系の電子光学特性(中間像形成位置、非点収差)を制御することができる。
【0048】
コンデンサーレンズ2で略平行にされた電子ビームは、ブランキング電極301と開口(AP)を介し、電子レンズ303によって、光源の中間像を形成する。この時、ブランキング電極301の電極間に電界をかけていないと電子ビーム束305の様に偏向されない。一方、ブランキング電極301の電極間に電界をかけると電子ビーム束306の様にに偏向される。すると、電子光束305と電子ビーム束306は、縮小電子光学系4の物体面で互いに異なる角度分布を有するので、縮小電子光学系4の瞳位置(図1のP面上)では電子ビーム束305と電子ビーム束306は互いに異なる領域に入射される。したがって、電子ビーム束305だけを透過させるブランキング開口BAを縮小電子光学系の瞳位置(図1のP面上)に設けてある。
【0049】
また、各要素電子光学系は、それぞれが形成する中間像が縮小電子光学系4によって被露光面に縮小投影される際に発生する像面湾曲・非点収差を補正するために、各要素電子光学系の2つの中間電極の電位を個別に設定して、各要素電子光学系の電子光学特性(中間像形成位置、非点収差)を異ならしめている。ただし、本実施例では、中間電極と焦点・非点制御回路1との配線を減らす為に同一サブアレイ内の要素電子光学系は同一の電子光学特性にしてあり、要素電子光学系の電子光学特性(中間像形成位置、非点収差)をサブアレイ毎に制御している。
【0050】
さらに、複数の中間像が縮小電子光学系4によって被露光面に縮小投影される際に発生する歪曲収差を補正するために、縮小電子光学系4の歪曲特性を予め知り、それに基づいて、縮小電子光学系4の光軸と直交する方向の各要素電子光学系の位置を設定している。
【0051】
次に本実施例のシステム構成図を図5に示す。
【0052】
ブランキング制御回路14は、要素電子光学アレイ3の各要素電子光学系のブランキング電極のon/offを個別に制御する制御回路、焦点・非点制御回路1(15)は、要素電子光学アレイ3の各要素電子光学系の電子光学特性(中間像形成位置、非点収差)を個別に制御する制御回路である。
【0053】
焦点・非点制御回路2(16)は、ダイナミックスティグコイル8及びダイナミックフォーカスコイル7を制御して縮小電子光学系4の焦点位置、非点収差を制御する制御回路で、偏向制御回路17は偏向器6を制御する制御回路、倍率調整回路18は、縮小電子光学系4の倍率を調整する制御回路、光学特性回路19は、縮小電子光学系4を構成する電磁レンズの励磁電流を変化させ回転収差や光軸を調整する制御回路である。
【0054】
ステージ駆動制御回路20は、θ-Zステージを駆動制御し、かつXYステージ12の位置を検出するレーザ干渉計21と共同してXYステージ12を駆動制御する制御回路である。
【0055】
制御系22は、描画パターンに関する情報が記憶されたメモリ23からのデータに基づく露光及び位置合わせの為に上記複数の制御回路および反射電子検出器9・ファラデーカップ10を同期して制御する。制御系22は、インターフェース24を介して電子ビーム露光装置全体をコントロールするCPU25によって制御されている。
【0056】
〔動作の説明〕
ウエハ5上には、図6に示すように複数の矩形のパターン領域CPがマトリックス上に配列されている。各パターン領域CP(1-9)のそれぞれは、描画しようとするパターンと重なり合うように定められたパターンが事前に形成されている。各パターン領域CPには、X方向のアライメント用のマークSX、Y方向のアライメント用のマークSY1、XY面内の回転方向のアライメント用のマークSY2が付随して形成されている。各マークは、計測方向にピッチPm(μm)で線状マークが配列された格子状マークである。前述したようにウエハ上の複数の電子ビームの間隔をPbとすると、Pb=N×Pm (Nは正の整数)となるように格子状マークのピッチは設定されている。
【0057】
図5を用いて本実施例の電子ビーム露光装置の動作について説明する。
【0058】
重ね合わせ露光の際、CPU25は、インターフェース24を介して制御系22に「アライメントの実行」を命令する、
図2に示した要素電子光学系アレイ3の中心にある要素電子光学系D(3,3)からの電子ビームが偏向を受けないでウエハに照射する位置をビーム基準位置とすると、制御系22はステージ駆動制御回路20に命令して、XYステージ12を移動させ、パターン領域CP(1)のマークSXの中心位置が、ビーム基準位置に略一致するようにウエハ5を位置づけさせる。
【0059】
そして、制御系22はブランキング制御回路14に命令して、要素電子光学系D(2,2)、D(2,3)、D(2,4)、D(3,2)、D(3,3)、D(3,4)、D(4,2)、D(4,3)、D(4,4)からの9本の電子ビームだけがウエハ上に入射するように、対応する要素電子光学系のブランキング電極だけをoffにし、その他をonに維持する。本実施例では9本の電子ビームを用いているが、計測方向の位置が同じで計測方向と直交する方向に配列された要素電子光学系D(2,3)、D(3,3)、D(4,3)からの3本のビームだけを用いても構わない。
【0060】
そして、9本の電子ビームをウエハに入射させると同時に、制御系22は偏向制御回路17に命令し、図7の上段に示すように各電子ビームを各電子ビームのビーム基準位置を中心に±Ld(μm)の領域において格子状パターン(SX)上を変位(走査)させると共に、各電子ビームに対応した格子状マークからの反射電子又は2次電子を合成して同時に反射電子検出器9によって検出させる。そして制御系22は、変位量に対応した検出電子量の信号である離散的信号列(アライメント信号)を記憶する。(この離散的電気信号のサンプリング間隔Ls(μm)は偏向器6の分解能で定められる)
【0061】
この時、各電子ビームの起点位置(図中黒丸)は、前述したように互いに計測方向(X方向)に関し同じ位置もしくはその間隔PbがPb=K×Pm (Kは正の整数、Pmは、格子状マークのピッチ)を満足している。その結果、各電子ビームの起点位置とそれに対応する走査する線状マークとの位置関係は、全ての電子ビームにおいて同じであるため、変位量と検出される電子量との関係の信号(アライメント信号)が略同一となる。更に、この離散的信号は、後述するようにフーリエ変換され、格子上マークのピッチで決まる周期信号の位相を検知する。その処理を容易にする為に、走査領域は、2Ld=M×Pm(Mは正の整数)と2Ld=N×Ls(Nは正の整数,M<N)を満足するように設定されている。
【0062】
また、図7の下段に示すように格子状マークの両端の線状マークは、他の線状マークに比べその断面構造が歪みやすく、それを覆うレジストの形状も歪みやすいので、本実施例では電子ビームが走査する領域を格子状マークの両端を除いた領域に設定している。
【0063】
各電子ビームを個別に走査して得られた時の各離散的信号列(アライメント信号)を図8(A)に示す。各アライメント信号は、略同一形状はしているが、走査した線状マークの断面構造およびそれを覆うレジスト形状の違いによりそれぞれ異なる歪みを受けるとともに、互いに異なるランダムノイズが乗っている。
【0064】
本実施例では、各電子ビームに対応した格子状マークからの反射電子又は2次電子を合成して同時に反射電子検出器8によって検出しているので、図8(B)のように歪みが少なくランダムノイズが低減された離散的電気信号列S(x)(アライメント信号)を得ている。
【0065】
制御系22は、得られた離散的電気信号列S(x)を離散的フーリエ変換によって空間周波数領域の信号に変換し、格子状マークのピッチで決まる周波数(1/Pm)のフーリエ係数を演算する。
【0066】
その手法は公知のもであり、サンプリング周波数1/2Ldを1に正規化したとき、前述より1/Pm=M/2Ldを満足するので格子状マークのピッチで決まる周期的信号の空間周波数はMとなり、その空間周波数Mの複素フーリエ係数X(M)は、
X(M)=ΣS(n×Ls)e-j2 π (M/N)(n × Ls)
(ただし、jは虚数単位)
となる。またこの時の周期的信号の強度E(M)、位相Θ(M)はそれぞれ
E(M)=( (Re(X(M))2 + (Im(X(M))2 )
Θ(M)=tan -1 (Im(X(M))/(Re(X(M)))
(ただし、Re(X(M))、Im(X(M))は各々、複素数X(k)の実部、虚部を表す)
と表すことができる。
【0067】
上記の手法で得られた周波数1/Pmの周期信号の位相Θ(M)より、格子状マークSXの中心位置と要素電子光学系D(3,3)からの電子ビームの基準位置とのX方向のずれDXを下記の式を用いて算出する。
【0068】
DX=Pm × (Θ(M)/2π)
【0069】
制御系22は、格子状マークSXに対する格子状マークSY1,SY2の設計上の相対位置に基づいて、順次要素電子光学系D(3,3)からの電子ビームのビーム基準位置にそれぞれのマークをステージ制御回路によって移動させ、ビーム基準位置に対する格子状マークSY1,SY2のずれを検出して、ビーム基準位置に対する格子状マークSY1,SY2の位置関係を検出する。
【0070】
そして、ビーム基準位置に対する格子状マークSX,SY1,SY2の位置関係に基づいて、要素電子光学系アレイ3から複数の電子ビームのビーム基準位置がパターン領域CP(1)の所望の位置に位置するようにウエハ5をステージ制御回路によって移動させる。
【0071】
次に、CPU25は、インターフェース24を介して制御系22に「露光の実行」を命令すると、制御系22は下記のステップを実行する。
【0072】
(ステップ1)
制御系22は、偏向制御回路17に命じ、偏向器6の副偏向器によって、要素電子光学系アレイからの複数の電子ビーム偏向させるとともに、ブランキング制御回路14に命じ各要素電子光学系のブランキング電極をウエハ5に露光すべきパターンに応じてon/offさせる。この時XYステージ12はX方向に連続移動しており、偏向制御回路17は、XYステージ12の移動量も含めて電子ビームの偏向位置を制御している。
【0073】
その結果、一つの要素電子光学系からの電子ビームは、図9に示すようにウエハ5上の露光フィールド(EF)を黒四角を起点として走査し露光する。また、一つのサブアレイの複数の電子ビームは、図10に示すようにサブアレイ内の各要素電子光学系の露光フィールドを隣接させたサブアレイ露光フィールド(SEF)を露光する。よって、ウエハ5は、図11に示すような複数のサブアレイ露光フィールド(SEF)を有するサブフィールドが露光される。
【0074】
(ステップ2)
制御系22は、図12に示すサブフィールド▲1▼を露光後、サブフィールド▲2▼を露光する為に、偏向制御回路17に命じ、偏向器6の主偏向器によって、要素電子光学系アレイからの複数の電子ビーム偏向させる。この時、制御系22は、焦点・非点制御回路2に命じ、予め求められた動的焦点補正データに基づいてダイナミックフォーカスコイル7を制御して縮小電子光学系4の焦点位置を補正するとともに、予め求められ動的非点補正データに基づいてダイナミックスティグコイル8を制御して、縮小電子光学系の非点収差を補正する。そして、ステップ1の動作を行い、サブフィールド▲2▼を露光する。
【0075】
以上のステップ1、2を繰り返して、図12示すようにサブフィールド▲3▼▲4▼というようにサブフィールドを順次露光してウエハ全面を露光する。
【0076】
(実施例2)
実施例1では、9本の電子ビームを偏向して格子状パターン(SX)上を走査させると共に、各電子ビームに対応した格子状マークからの反射電子又は2次電子を合成して同時に反射電子検出器9によって検出させていたが、本実施例ではXYステージ12をステージ駆動制御回路20により移動させて9本の電子ビームを格子状パターン(SX)上を走査させると共に、各電子ビームに対応した格子状マークからの反射電子又は2次電子を合成して同時に反射電子検出器9によって検出させている。そしてXYステージ12の位置に対応した検出電子量の信号であるアライメント信号を記憶する。その他は実施例1と同じである。
【0077】
(実施例3)
実施例1では、9本の電子ビームを偏向して格子状パターン(SX)上を走査させていたが、図13に示すように、本実施例では、起点位置が計測方向に関して同一の位置にある3本の電子ビームを線状パターン上を走査させると共に、各電子ビームに対応した線状マークからの反射電子又は2次電子を合成して同時に反射電子検出器9によって検出させている。更に本実施例では、線状マークの中心位置と要素電子光学系D(3,3)からの電子ビームの基準位置とのX方向のずれは、得られた離散的信号(アライメント信号)を従来より用いられているスライスレベル法もしくは相関法によって処理して検出している。
【0078】
次に上記説明した電子ビーム露光装置及び露光方法を利用したデバイスの生産方法の実施例を説明する。
【0079】
図14は微小デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造のフローを示す。ステップ1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行なう。ステップ2(露光制御データ作成)では設計した回路パターンに基づいて露光装置の露光制御データを作成する。一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハを製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記用意した露光制御データが入力された露光装置とウエハを用いて、リソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路を形成する。次のステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ6(検査)ではステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行なう。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップ7)される。
【0080】
図15は上記ウエハプロセスの詳細なフローを示す。ステップ11(酸化)ではウエハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)ではウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)ではウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イオン打込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では上記説明した露光装置によって回路パターンをウエハに焼付露光する。ステップ17(現像)では露光したウエハを現像する。ステップ18(エッチング)では現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)ではエッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行なうことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
【0081】
本実施例の製造方法を用いれば、従来は製造が難しかった高集積度の半導体デバイスを低コストに製造することができる。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、位置合わせマークの断面構造の断面構造の歪み、もしくは位置合わせマークを覆うレジストの塗布状態の影響を低減して、位置合わせマークの位置を検出できる電子ビーム露光装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子ビーム露光装置の要部概略を示す図。
【図2】要素電子光学系アレイ3について説明する図。
【図3】要素電子光学系を説明する図。
【図4】要素電子光学系の電極を説明する図。
【図5】本発明に係るシステム構成を説明する図。
【図6】ウエハ上のアライメント用マークを説明する図。
【図7】アライメント用マークと電子ビームとの位置関係を説明する図。
【図8】アライメント信号を説明する図。
【図9】露光フィールド(EF)を説明する図。
【図10】サブアレイ露光フィールド(SEF)を説明する図。
【図11】サブフィールドを説明する図。
【図12】ウエハ全面露光を説明する図。
【図13】実施例3におけるアライメント用マークと電子ビームとの位置関係を説明する図。
【図14】微小デバイスの製造フローを説明する図。
【図15】ウエハプロセスを説明する図。
【図16】従来のマルチビーム型電子ビーム露光装置を説明する図。
【図17】従来のアライメント信号を説明する図。
【符号の説明】
1 電子銃
2 コンデンサーレンズ
3 要素電子光学系アレイ
4 縮小電子光学系
5 ウエハ
6 偏向器
7 ダイナミックフォーカスコイル
8 ダイナミックスティグコイル
9 反射電子検出器
10 ファラデーカップ
11 θ−Zステージ
12 XYステージ
13 ステージ基準板
14 ブランキング制御回路
15 焦点・非点制御回路1
16 焦点・非点制御回路2
17 偏向制御回路
18 倍率調整回路
19 光学特性回路
20 ステージ駆動制御回路
21 レーザ干渉計
22 制御系
23 メモリ
24 インターフェース
25 CPU

Claims (7)

  1. 複数の電子ビームを用いて物体の被露光面上にパターンを露光する電子ビーム露光装置において、
    前記複数の電子ビームを予め決められた間隔で配列させて照射する照射手段と、前記複数の電子ビームを偏向させる偏向手段と
    前記物体を載置して移動する移動手段と、
    前記複数の電子ビームの前記被露光面への入射を個別に制御するブランキング制御手段と、
    前記複数の電子ビームのうち前記ブランキング制御手段により前記被露光面へ入射するように制御された複数の電子ビームを、前記移動手段に載置された前記被露光面へ入射するように制御された複数の電子ビームに対応したマークに対して同時に同一の量だけ走査させた際に、前記被露光面へ入射するように制御された複数の電子ビームの入射によって前記マークから生じる電子の電子量を合成して同時に検出する検出手段と、
    を有することを特徴とする電子ビーム露光装置。
  2. 前記マークは、格子状マークであることを特徴とする請求項1に記載の電子ビーム露光装置。
  3. 前記格子状マークのピッチは、前記複数の電子ビームの配列間隔に基づいて決定されることを特徴とする請求項2に記載の電子ビーム露光装置。
  4. 前記偏向手段により、前記被露光面へ入射するように制御された複数の電子ビームを前記マークに対して走査させることを特徴とする請求項1に記載の電子ビーム露光装置。
  5. 前記移動手段により、前記被露光面へ入射するように制御された複数の電子ビームを前記マークに対して走査させることを特徴とする請求項1に記載の電子ビーム露光装置。
  6. 前記マークは、前記物体上に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子ビーム露光装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の電子ビーム露光装置を用いてデバイスを製造することを特徴とするデバイス製造方法。
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