JP4024691B2 - Leather-like sheet - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、天然皮革調の優美な外観とソフトな表面触感、バランスの良い充実感のある風合いを有する皮革様シートに関するもので、靴、ボール、鞄等の用途に広く使用することができる皮革様シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、合成皮革や人工皮革は、天然皮革の代替品として靴、衣料、手袋、鞄、ボール、インテリアなどのあらゆる分野に多く利用されている。これらは、より高い品質と感性が要求されており、とりわけ優美な天然皮革調の外観、ソフトな表面触感とバランスの良い充実感のある風合いが両立したものが強く望まれている。
【0003】
従来、天然皮革調の外観を作り出すために離型紙を用いて天然皮革のシボを再現した樹脂フィルムを作り基体に貼り付ける造面法が提案されている(例えば、特許参考文献1参照。)。あるいは、同一の弾性体が均一に充填された基体層の片面に多孔樹脂層を形成し、エンボスロールで型押しすることで天然皮革のシボを再現する方法が提案されている(例えば、特許参考文献2参照。)。
さらには、表面多孔層と同一の弾性樹脂を表面多孔層と連続して基体表層に充填する方法が提案されている(例えば、特許参考文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−184950号
【特許文献2】
特開平11−140779号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの方法では、目的とする天然皮革調の優美な外観とソフトな表面触感とバランスの良い充実感のある風合いの両立のすべて満たすことはできない。
まず、離型紙を用いる造面法では、あまりに均一で人工的であり天然皮革調とは言えず、また深いシボ模様を形成することはできない。
また、同一の弾性体が均一に充填された基体層の片面に密着した多孔樹脂層を形成し、エンボスロールで型押しすることで天然皮革のシボを再現する方法では、自然な天然皮革調の外観を得られるが、天然皮革様のソフトな表面触感と充実感のある風合いを得るために表面層にはソフト樹脂を使用し、基体層にはやや硬めの樹脂を充填する方法が考えられる。しかし、この方法ではソフトな表面層と硬めの基体層との間に急激な差異があり、バランスの悪い風合いとなり、天然皮革調の風合いとは言いにくい。
【0006】
さらには、表面多孔層と同一の弾性樹脂を表面多孔層と連続して基体表層に充填する方法では、エンボス型押しにより自然な天然皮革調の外観を得られ、またソフトな樹脂を表皮層に、やや硬い樹脂を基体層に用いれば、表皮層と同一の樹脂が基体層表層にあるために、ある程度連続性があり、風合いのバランスは改善されるが、やはり表皮層と基体層との樹脂の差異が現れ、天然皮革調のバランスの良い風合いは得られにくい。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討の結果、目的とする天然皮革調の優美な外観とソフトな表面触感とバランスの良い充実感のある風合いの両立した靴、ボール、鞄等の用途に広く使用することができる皮革様シートが得られることを見出した。
すなわち、本発明は、単繊維繊度0.2dtex以下の極細繊維からなる3次元絡合不織布の絡合空間にポリウレタンを主体とする弾性樹脂が充填された繊維質基体層、該繊維質基体層の表面に密着した表面多孔層、および表面仕上げ層からなる皮革様シートにおいて、該表面多孔層が100%モジュラスaのポリウレタン樹脂Aからなり、表面多孔層と密着した繊維質基体層中の上層部分には100%モジュラスbのポリウレタン樹脂B、該繊維質基体層中の下層部分には100%モジュラスcのポリウレタン樹脂Cが充填され、かつ下記(1)および(2)を満足していることを特徴とする皮革様シートである。
20≦b−a (1)
20≦c−b (2)
そして、ポリウレタン樹脂Bがポリウレタン樹脂Aより熱変形しにくい樹脂である皮革様シートであることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
まず本発明で使用する繊維質基体は、単繊維繊度0.2dtex以下であることが重要であり、好ましくは単繊維繊度0.0001〜0.05dtexの極細繊維の束からなる三次元絡合不織布とその絡合空間に存在する弾性重合体の多孔構造体とからなる表面平滑な基体である。単繊維繊度0.2dtex以下の極細繊維の束は、従来公知の方法で製造される。例えば、少なくとも2種類のポリマーからなる極細繊維発生型繊維から少なくとも1成分を溶解又は分解除去することにより、又は機械的又は化学的な処理により2成分の界面で剥離することにより得ることができる。得られる極細繊維の束を構成する極細繊維の単繊維繊度を0.2dtex以下とするためには、貼合わせ型の極細繊維発生型繊維を用いるよりは繊維断面が海島構造となっている極細繊維発生型繊維を用いることが工程上有利である。
【0009】
極細繊維発生型繊維中で極細繊維を構成するポリマーとしては、6−ナイロン、66−ナイロンをはじめとする溶融紡糸可能なポリアミド類、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、カチオン可染型変性ポリエチレンテレフタレートをはじめとする溶融紡糸可能なポリエステル類などから選ばれた少なくとも1種類のポリマーが挙げられる。
また溶解または分解除去される成分としては、極細繊維成分と溶剤または分解剤に対する溶解性または分解性を異にし、極細繊維成分との相溶性の低いポリマーであり、かつ紡糸条件下で極細繊維成分より溶融粘度が小さいかあるいは表面張力が小さいポリマーであり、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンプロピレン共重合体、変性ポリエステルなどのポリマーから選ばれた少なくとも1種類のポリマーである。
【0010】
極細繊維発生型繊維は、カードで解繊し、ウェバーを通してウェブを形成し、得られた繊維ウェブは、所望の重さ、厚さに積層し、次いで、ニードルパンチ、高速水流などの公知の方法で絡合処理を行って三次元絡合不織布とする。ウェブには必要に応じて織編物等を積層することもできる。三次元絡合不織布は、表面が極細繊維発生型繊維でなっていればよいが、得られるシートの風合いの点から繊維シート全体が極細繊維発生型繊維又は極細繊維からなっている場合が好ましい。三次元絡合不織布は、表面平滑な基体層とするため、弾性重合体の含浸前にプレス処理などにより表面平滑化することが好ましい。
三次元絡合不織布、あるいはプレスして得られる不織布の厚みは、得られる皮革様シートの用途等によって任意に選択でき、特に制限されるものではないが、1枚ものの場合にその厚みは0.2〜10mm程度であることが好ましく、0.4〜5mm程度であることがより好ましい。密度は0.15g/cm3〜0.50g/cm3が好ましく、0.20g/cm3〜0.40g/cm3がより好ましい。0.15g/cm3未満であると含浸する樹脂が多くなりゴムライクな風合いとなり、さらに剥離強力も低下する。0.50g/cm3を越えると得られる皮革様シートの風合いが硬くなる傾向がある。
【0011】
次に該三次元絡合不織布中にポリウレタン樹脂溶液または分散液を充填し、ポリウレタン樹脂溶液または分散液をコートしたのち、凝固し表面多孔層を有する繊維質基体層を形成する。
含浸、コートするポリウレタンの好ましい代表例としては、ポリエステル系ジオール、ポリエーテル系ジオール、ポリエステル・エーテル系ジオール、ポリカーボネート系ジオールなどの高分子ジオールの1種または2種以上と、有機ポリイソシアネート、好ましくは脂肪族系、芳香族系あるいは脂環族系の有機ジイソシアネートの1種または2種以上と、低分子ジオール、低分子ジアミン、ヒドラジンなどの活性水素原子を2個有する鎖伸長剤とから得られるポリウレタンがあげられる。
【0012】
好ましい代表例としては、両末端にヒドロキシル基を有する分子量500〜5000のポリマーグリコールと4,4′−ジフェニルメタン−ジイソシアネートと炭素数2〜6の低級アルキレングリコールを主体とするハードセグメントから得られたポリウレタン、あるいは、両末端にヒドロキシル基を有する分子量500〜5000のポリマーグリコールと脂肪族または脂環族ジイソシアネートと有機ジアミンあるいは有機酸ジヒドラジドを主体とするハードセグメントから得られたポリウレタンなどがあげられる。ただし、ソフト性、耐久性、加工性、多孔質膜形成性等を考慮し、これらの共重合物、混合物も用いられる。
【0013】
両末端にヒドロキシル基を有する分子量500〜5000のポリマーグリコールとしては、ポリエチレンアジペートグリコール、ポリブチレンアジペートグリコール、ポリヘキサメチレンアジペートグリコール、ポリカプロラクトングリコールなどのポリエステル系グリコール、ポリヘキサメチレンカーボネートグリコールで代表されるポリカーボネート系グリコール、ポリエチレンエーテルグリコール、ポリプロピレンエーテルグリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコールなどのポリエーテル系グリコールおよびこれらの混合物が使用されるが、特に、ポリエステル系グリコール、ポリカーボネート系グリコールあるいはポリエステル系グリコールとポリカーボネート系グリコールとの混合グリコール、ポリエステル系グリコール、ポリカーボネート系グリコールとポリエーテル系グリコールとの混合グリコールが好ましい。
【0014】
脂肪族ジイソシアネートとしては、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどが、また脂環族ジイソシアネートとしては、シクロヘキサンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタン−ジイソシアネートなどが、また芳香族ジイソシアネートとしては、4,4′−ジフェニルメタン−ジイソシアネートなどが挙げられる。有機ジアミンとしては、p−フェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、4,4′−ジアミンジフェニルメタン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエタノールアミン、4,4′−ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミンなどが挙げられ、有機酸ジヒドラジドとしてはアジピン酸ジヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジドなどが挙げられる。
【0015】
炭素数2〜6の低級アルキレングリコールの代表例としては、エチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどがあり、中でもエチレングリコールが良好な型押し性が得られる点で好ましい。ここで、用いられるポリウレタンエラストマーは、ポリウレタンエラストマー全質量に対する、該ポリウレタンエラストマーを合成するのに用いた有機ポリイソシアネート中のイソシアネート基を構成する窒素原子の質量百分率(以下N%と称す)が2.5〜5%であるようなポリウレタンエラストマーまたはこのポリウレタンエラストマーを主体とするポリマー混合物が好ましい。N%が2.5%未満の場合には、得られる表面多孔層や繊維質基体層は耐摩耗性や耐引っ掻き強さにおいて劣る傾向があり、またN%が5%を越える場合には、折り曲げシワが粗くなり、風合いも硬く、得られる皮革様シートが安っぽくなると同時に、耐屈曲疲労性においても低下する傾向がある。
【0016】
表面多孔層に用いるポリウレタン樹脂Aは、エンボス型押しにより天然皮革調のシボが形成可能であり、ソフトな表面触感が得られるポリウレタン樹脂を用いる。
好ましいポリウレタン樹脂としては、100%モジュラスが20〜80kg/cm2であり、より好ましくは30〜60kg/cm2である。20kg/cm2未満の場合は、表面物性が劣る傾向があり、80kg/cm2を越えると、目標とするソフトな風合いが得られなくなる傾向がある。また、表面多孔層の好ましい厚みとしては、0.02〜1.50mmであり、より好ましくは0.05〜1.00mmである。0.02mm未満の場合には、平滑な面が得られず、本発明の効果の一つであるソフトな表面触感が得られにくく、さらにエンボス型押し性も不良となる傾向があり、1.50mmを越えるとゴムライクな風合いになる傾向がある。
【0017】
繊維質基体層(以下、基体層と略すこともある)にもポリウレタン樹脂を充填するが、特に表面多孔層に接する基体層中の上層部分(以下基体層上層と略すこともある)には表面多孔層を形成するポリウレタン樹脂Aよりやや硬めの100%モジュラスが30〜140kg/cm2、より好ましくは、50〜90kg/cm2のポリウレタン樹脂B、基体層中の下層部分(以下基体層下層と略すこともある)には充実感を重視し、上層との風合いなどのバランスを考慮した100%モジュラスが40〜150kg/cm2のポリウレタン樹脂Cであり、より好ましくは50〜110kg/cm2のポリウレタン樹脂Cを含浸する。
【0018】
表面多孔層を形成するポリウレタン樹脂Aが柔らかく、基体層上層のポリウレタン樹脂B、基体層下層のポリウレタン樹脂Cが表面多孔層を形成するポリウレタン樹脂Aより順次硬めとなることで、目的とするソフトな表面触感、バランスの良い充実感のある天然皮革様の風合いが得られる。すなわち、表面多孔層のポリウレタン樹脂Aの100%モジュラスa、基体層上層のポリウレタン樹脂Bの100%モジュラスb、基体層下層のポリウレタン樹脂Cの100%モジュラスcとすると、各ポリウレタン樹脂の間に以下の関係があることが重要である。
20≦b−a (1)
20≦c−b (2)
b−aの値のみが20未満の場合には、表面多孔層を形成するポリウレタン樹脂Aと基体層上層のポリウレタン樹脂Bとのソフトさに有意差がなくなり、ソフトな基体層上層を形成するポリウレタン樹脂Bと硬めの基体層下層を形成するポリウレタン樹脂Cとの間で急激な差異が生まれ、目的とする表面多孔層を形成するポリウレタン樹脂Aがやわらかく、基体層上層のポリウレタン樹脂B、基体層下層のポリウレタン樹脂Cが表面多孔層を形成するポリウレタン樹脂Aより順次硬めとならず、ソフトな表面触感、バランスの良い充実感のある天然皮革様の風合いが得られない。またc−bの値のみが20未満の場合には、基体層上層を形成するポリウレタン樹脂Bと基体層下層を形成するポリウレタン樹脂Cとの間に有意差がなくなり、ソフトな表面多孔層を形成するポリウレタン樹脂Aと硬めの基体層上層を形成するポリウレタン樹脂Bとの間で急激な差異が生まれ、目的とする表面多孔層を形成するポリウレタン樹脂Aがやわらかく、基体層上層のポリウレタン樹脂B、基体層下層のポリウレタン樹脂Cが表面多孔層を形成するポリウレタン樹脂Aより順次硬めとならず、ソフトな表面触感、バランスの良い充実感のある天然皮革様の風合いが得られない。また、b−aおよびc−bの値が両方とも20未満の場合には、得られる皮革様シートの風合いに一体感はあるものの、天然皮革様の充実感のある風合いが得られにくい。従って、目的とする表面多孔層を形成するポリウレタン樹脂Aがやわらかく、基体層上層のポリウレタン樹脂B、基体層下層のポリウレタン樹脂Cが表面多孔層を形成するポリウレタン樹脂Aより順次硬めとなる皮革様シートの構成を得るためにはa、b、cの樹脂に明確な差があり、しかも連続性があることが好ましく、b−aの値が20以上かつc−bの値が20以上であることが必須であり、より特長ある表面ソフト性とバランスの良い充実感を得るためには、a、b、cの樹脂にさらに明確な差があり、連続性があることが好ましくb−a及びc−bの値が30以上であることがより好ましい。また、得られる皮革様シートの一体感ある風合いの点からb−a及びc−bの値が70以下であることが好ましく60以下であることがより好ましく、50以下であることが特に好ましい。
【0019】
表面多孔層に接する基体層中の上層部分を構成する三次元絡合不織布の絡合空間には表面多孔層を形成するポリウレタン樹脂Aより熱変形しにくい、すなわち対熱変形固定性が大きいポリウレタン樹脂Bを用いることが好ましい。
これは、エンボス型押し処理により表面多孔層が熱変形固定し天然皮革調の絞がシャープに形成される際に、基体層は熱変形しにくく、柔軟性を保持するためである。そのために、基体層中の上層部分は表面多孔層を構成するポリウレタン樹脂Aより対熱変形固定性が大きい(スポンジ構造が潰れにくい)ポリウレタン樹脂Bを選択することが好ましい。具体的には、表面多孔層に使用するポリウレタン樹脂Aと基体層中の上層部分に使用するポリウレタン樹脂Bの後述する評価方法による対熱変形固定性比が1.05〜2.0、好ましくは1.10〜1.50のものを使用する。対熱変形固定性比が1.05に満たない場合は、エンボス型押し時に表面多孔層と同様に変形し、基体層の風合いが硬化する傾向がある。また、対熱変形固定性比が2.0を越える場合は、エンボス型押し時に生じる表面多孔層と基体層の一体感が損なわれ、風合いが劣る傾向がある。
また、表面多孔層、基体層中の上層部分、基体層中の下層部分を構成するポリウレタン樹脂A、B、Cの100%モジュラスおよび対熱変形固定性比を本発明の範囲内にするための手段としては、公知のポリウレタン製造方法を用いて適宜調整することが可能である。
【0020】
基体層に充填するポリウレタン樹脂は、基体層に全体のバランスを損なわない範囲の量を充填する。
また、その充填量は、不織布の繊維質量に対して、固型分で0.3〜3.0倍、好ましくは、0.8〜2.0倍で設定する。不織布の繊維質量に対して、0.3倍未満では、本発明のモジュラスの差による風合い改善効果が得られにくく、繊維とのバインダー効果が弱く、必要な強力が得られず、3.0倍を越える場合には繊維を固定しすぎ、また密度が高くなりすぎて、基体層が硬くなり商品価値を損なう。
【0021】
また、表面多孔層に接する基体層中の上層部分に充填されたポリウレタン層は、基体層の厚みにもよるが、例えば0.1mm〜1.0mm、好ましくは0.2mm〜0.6mm厚みで存在させることが好ましい。層厚みが、0.1mmを下回ると表皮層と基体層下部との緩衝地帯の役割を果たさず、また、1.0mmを上回ると、基体層上層部の比率が大きくなりすぎ、表皮層と基体層下部とのバランスが崩れ、表皮層から徐々にソフトからハードに変化する期待している風合いが得られにくい。
さらに基体層中の上層部分と下層部分を構成するポリウレタン樹脂の好ましい質量比率は固型分で10:90〜60:40より好ましくは20:80〜40:60である。上層部分が10%に満たなくても、60%を越えた場合でも上述と同様に、表皮層と基体層下部とのバランスが崩れ、表皮層から徐々にソフトからハードに変化する期待している風合いが得られにくい。
【0022】
基体層へのポリウレタン溶液の含浸は、以下のいくつかの方法が好ましい。
まず、三次元絡合不織布に上面より基体上層用のポリウレタン樹脂Bからなる溶液を所定量塗布し、自然浸透させるか、ロールあるいはナイフでこすり付けるように浸透させ、下面より基体下層用のポリウレタン樹脂Cからなる溶液をロールあるいはナイフ等でこすりつけるように浸透させ、過剰分はナイフ等でかきとる方法がある。
あるいは、不織布全体にいったん基体下層用のポリウレタン樹脂Cからなる溶液を充填した後、ロールあるいはナイフで圧縮し、その直後に基体上層用のポリウレタン樹脂Bからなる溶液をコートし、不織布の回復力を利用して浸透させ、その後該三次元絡合不織布よりはみ出した過剰分はナイフでかきとる方法も使用できる。
【0023】
ポリウレタン溶液を充填させた基体に表面多孔層を形成するには、上記基体層上層部の表面にポリウレタン樹脂Aからなる溶液を基体層の樹脂を凝固させる前に続いてコートする方法、あるいは基体層にポリウレタン樹脂BおよびCを含浸後に凝固液中で基体層のポリウレタンを凝固させ、乾燥後に基体層表面にポリウレタン樹脂Aからなる溶液をコーティングする方法があるが、基体層と表面多孔層の密着性を考えると、含浸後に引き続いてコートし、その後に基体層と表面多孔層を構成するポリウレタン溶液を同時に凝固する方法が好ましい。密着とは基体表面層と表面多孔層が実質的に該2層以外の物質を介さず連続的に結合している状態を言う、そして部分的に接している状態と異なる場合を言う。部分的に接している状態とは、基体層表面にグラビアロール等でポリウレタン樹脂溶液等を塗布し、表面多孔層を貼り合せることによって基体層表面と表面多孔層とが点接着されている場合や、基体層表面と表面多孔層とが架橋型ポリウレタン接着剤によりドライ接着されているような状態を言う。
ポリウレタンの凝固方法としては、ポリウレタン樹脂の非溶剤を含む液に浸漬して湿式凝固するか、ゲル化させた後加熱乾燥する方法などが挙げられるが、基体層および表面多孔層がソフトな多孔構造を作ることが可能な湿式凝固する方法が好ましく用いられる。
また、ポリウレタン樹脂溶液には、必要に応じて着色剤、凝固調節剤、酸化防止剤、分散剤等の添加剤を配合する。そして、発明の効果が変わらない範囲内であれば、少量別のポリウレタン樹脂等の樹脂を添加させても良い。
【0024】
ついで、極細繊維発生型繊維を少なくとも1成分の溶解剤若しくは分解剤で処理して、又は機械的若しくは化学的処理により2成分の界面で剥離して極細繊維束に変性する。極細繊維発生型繊維の変性処理はポリウレタン樹脂の付与前であってもよいが、極細繊維束に変性後にポリウレタン樹脂を含浸、凝固すると、ポリウレタン樹脂が極細繊維に接着し風合いが硬くなりやすいため、ポリウレタン樹脂付与後に変性することが好ましい。ポリウレタン樹脂付与前に変性処理を行った場合は、極細繊維とポリウレタン樹脂が接着しないようにポリビニルアルコールなどの溶解除去可能な仮充填剤を付与した後にポリウレタン樹脂を付与し、その後に該仮充填剤を除去することが好ましい。
【0025】
上記で得られた三次元絡合不織布とポリウレタンを主体とした弾性重合体からなり、表面多孔層を有する繊維質基体層は、以下の方法で仕上げることで、天然皮革調の外観を得ることができる。すなわち、顔料、染料等の着色剤と樹脂とからなるインクをグラビアロール、リバースロール、スクリーン等の手法で基体表面に転写して着色し、表面仕上げ層を形成する。該表面仕上げ層の好ましい厚みは、表面層のソフトさを損なわないような出来るだけ薄く、しかし必要な表面磨耗強度を確保するために2〜20μmの範囲が好ましい。次に、エンボスロールで型押しして天然皮革調のシボを再現する。これにより得られたシート状物は、天然皮革調の高級な外観を有するものであった。また、エンボス加工により天然皮革調の外観を付与するためのエンボス加工条件は、エンボスロールの加熱温度100〜230℃の範囲が好ましい。加熱温度が100℃未満の場合、多孔層を形成するポリウレタン樹脂の軟化温度にもよるが、エンボス絞の掛かり斑が発生する場合があり、230℃を越えた場合には、絞のくずれが生じたり基体層中のポリウレタン樹脂の軟化にも影響を与え風合いが硬くなる場合がある。エンボスロールのプレス圧力は0.5〜15kg/cm2の範囲が好ましい。0.5kg/cm2未満の場合、エンボス絞の掛かり斑が発生する場合があり、15kg/cm2を越えた場合には、基体層下層にくたりを生じ風合いが硬くなる場合がある。得られる皮革様シートの柔軟性と天然皮革調の外観を兼ね備える為、さらに好ましくは、加熱温度120〜190℃、プレス圧力1〜6kg/cm2の範囲である。
さらに、エンボス型押し後に機械的な揉み処理あるいは液流型染色機等でリラックス処理を行うことで、自然な揉みシワが入り、ソフト性も増し自然な高級感を増すことができる。また、グラビア着色時に染料で染色可能な樹脂を塗布しておき、エンボス後に染色機で染料による着色を行うと透明感のある着色がされ、自然なシュリンク等も表現され、さらにソフト性も増すので、より高い高級感が得られる。
【0026】
本発明皮革様シートの一例の模式図を図1に示す。図1は断面を示すものであるが、皮革様シートの表面から、表面仕上げ層(1)、表面多孔層(2)、繊維質基材(3)の順に積層され、繊維質基材は上層(4)と下層(5)が存在する。
【0027】
本文中で述べている対熱変形固定性については、以下の方法により評価している。
<測定サンプル作成>
海成分としてメルトインデックス70のポリエチレン50質量部および島成分として6−ナイロン50質量部を同一溶融系で溶融紡糸して、単繊維繊度10dtex、島数約300の複合繊維を製造した。この複合繊維を3.0倍に延伸し、捲縮を付与した後、繊維長51mmに切断し、カードで解繊した後クロスラッパーウェバーでウェブとした。次に、9バーブのニードル針でパンチ数500パンチ/cm2の条件でニードルパンチを行い、120℃に加熱したロールでプレスし、厚み2.17mm、目付650g/m2、密度0.30g/cm3の繊維絡合不織布を作成する。
この不織布に評価するポリウレタンの13%ジメチルホルムアミド(以下DMFと略すこともある)溶液を含浸し、DMF/水=30/70、温度40℃の凝固浴中で凝固して、多孔構造体とする。続いて、水洗後、複合繊維中のポリエチレンを90℃に加熱したトルエンにて抽出除去して、0.01dtexの6−ナイロン極細繊維束状繊維とポリウレタンとからなるサンプルを作成する。
【0028】
<対熱変形固定性の評価>
上記サンプルを150℃に加熱された平板金型にクリアランスなしで2.0kg/cm2の圧力で挟み、10秒間圧着する。
その後、平板金型で圧縮された後の厚みを3点測定し、これらの平均をTとする。Tを対熱変形固定性と定義し、大きい程つぶれにくく、小さい程つぶれやすい。
比較するサンプル同士の圧縮された後の厚み(T1:表面多孔層構成するウレタン樹脂使用時の圧縮された後の厚み、T2:基体層中の上層部分を構成するウレタン樹脂使用時の圧縮された後の厚み)の比を算出し、これを対熱変形固定性比と呼ぶ。
対熱変形固定性比=T2/T1
【0029】
【実施例】
次に本発明を具体的に実施例で説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部及び%は断わりのない限り質量に関するものである。また本発明でいう単繊維繊度は、繊維束の断面の顕微鏡写真から、繊維束を構成する極細繊維の本数を数え、繊維束のトータル繊度を該本数で割った値である。
【0030】
実施例1
海成分としてポリエチレン50質量部および島成分として6−ナイロン50質量部を同一溶融系で溶融紡糸して、繊度10dtexの複合繊維を製造した。この複合繊維を3.0倍に延伸し、捲縮を付与した後、繊維長51mmに切断し、カードで解繊した後クロスラッパーウェバーでウェブとした。次に、ニードルパンチにより、目付650g/m2の繊維絡合不織布とした。この不織布にポリエチレンプロピレンアジペートと4,4′−ジフェニルメタン−ジイソシアネート(以下MDIと略す)、エチレングリコール(以下EGと略す)で共重合された100%モジュラス100kg/cm2のポリエステル系ポリウレタン20%ジメチルホルムアミド溶液を含浸後にナイフを押し当てて、不織布厚みの70%まで圧縮し、その直後にソフトセグメントがポリテトラメチレングリコール、ポリカプロラクトン、ポリエチレングリコールが67.5:22.5:10の質量比で構成され、MDI、4,4′−ジアミンジフェニルメタン(以下DAMと略す)、EGで共重合された100%モジュラス70kg/cm2のポリウレタンの18%ジメチルホルムアミド溶液(T2=1.05mm)をコートし浸透させた後、浸透しきれなかった溶液をナイフでかきとった後の上面に、ポリヘキサカーボネートグリコール、ポリメチレンプロピレンアジペート、メチレンジアミンで構成され、n−ヘキサンジイソシアネート、MDI、EGで共重合された100%モジュラス40kg/cm2のポリカーボネート系ポリウレタン18%ジメチルホルムアミド溶液(T1=0.80mm)をコートし、DMF/水=30/70の比率の凝固浴中で凝固して、多孔構造体とする。続いて、水洗後、複合繊維中のポリエチレンを抽出除去して、0.01dtexの極細繊維からなる6−ナイロン極細繊維束状繊維とポリウレタンとからなる厚さ1.3mmの繊維質基体を得た。そして厚さ0.2mmの表面多孔層が該繊維質基体と密着した状態であり、表面多孔層と基体層中の上層部分のポリウレタンの対熱変形固定性比は、1.3であった。
この基体中の表面多孔層に接する基体上層部のポリウレタンの層は、厚みが0.3mm、繊維とポリウレタンの比率は、質量比50/50であり、その下層部は、繊維とポリウレタンの比は、質量比60/40であった。
【0031】
この基体表面に茶色顔料を含むポリウレタン液をグラビアロールで塗布し、厚み5μmの表面仕上げ層を形成した。その後、150℃に加熱したエンボスロールを30秒間プレス圧2kg/cm2で型押し、天然皮革調模様を付与した。さらに揉み機で揉むことで、天然皮革調の優美な外感とソフトな表面触感、バランスの良い充実感のある風合いを有する皮革様シートが得られた.
【0032】
実施例2
実施例1と同一の不織布の上層より、ポリテトラメチレングリコール、ポリカプロラクトンが70:30の質量比であり、MDI、DAM、EGで共重合された100%モジュラス70kg/cm2のポリウレタンの18%ジメチルホルムアミド溶液(T2=1.05mm)をコートし、ロールでこすり付けるように浸透させ、浸透しきれなかった溶液をナイフでかきとった後、下層より100%モジュラス100kg/cm2のポリエステル系ポリウレタン樹脂を主体とするポリウレタン16%ジメチルホルムアミド溶液をロールでパンより持ち上げ、こすり付けるように含浸後し、浸透しきれなかった溶液をナイフでかきとった後、さらに不織布の上層面に、100%モジュラス40kg/cm2のポリカーボネート系ポリウレタン18%ジメチルホルムアミド溶液(T1=0.80mm)をコートし、DMF/水=30/70の比率の凝固浴中で凝固して、多孔構造体とした。続いて、水洗後、複合繊維中のポリエチレンを抽出除去して、0.01dtexの極細繊維からなる6−ナイロン極細繊維束状繊維とポリウレタンとからなる厚さ1.3mmの繊維質基体を得た。そして厚さ0.2mmの表面多孔層が該繊維質基体と密着した状態であり、表面多孔層と基体層中の上層部分のポリウレタンの対熱変形固定性比は、1.3であった。
この基体中の表面多孔層に接する基体上層部のポリウレタンの層は、厚みが0.3mm、繊維とポリウレタンの比率は、質量比50/50であり、その下層部は、繊維とポリウレタンの比は、質量比60/40であった。
【0033】
この基体表面に茶色顔料を含むポリウレタン液をグラビアロールで塗布し、厚み5μmの表面仕上げ層を形成した。その後、150℃に加熱したエンボスロールを30秒間プレス圧2kg/cm2で型押しし、天然皮革調模様を付与した。さらに揉み機で揉むことで、天然皮革調の優美な外感とソフトな表面触感、バランスの良い充実感のある風合いを有する皮革様シートが得られた。
【0034】
比較例1
実施例1と同一の不織布に、100%モジュラス40kg/cm2ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂を主体とするポリウレタン樹脂13%ジメチルホルムアミド溶液を含浸後にナイフを押し当てて、不織布厚みの70%まで圧縮し、その直後に100%モジュラス60kg/cm2ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂を主体とするポリウレタン樹脂13%ジメチルホルムアミド溶液(T2=0.80mm)をコートし、不織布の回復力を利用して浸透させた後、浸透しきれなかった溶液をナイフでかきとった後、さらに同一の100%モジュラス60kg/cm2のポリカーボネート系ポリウレタン樹脂18%ジメチルホルムアミド溶液(T1=0.80mm)をコートし、DMF/水=30/70の比率の凝固浴中で凝固して、多孔構造体とする。続いて、水洗後、複合繊維中のポリエチレンを抽出除去して、0.01dtexの極細繊維からなる6−ナイロン極細繊維束状繊維とポリウレタン樹脂とからなる厚さ1.3mmの繊維質基体を得た。そして厚さ0.2mmの表面多孔層が該繊維質基体と密着した状態であり、表面多孔層と基体層中の上層部分のポリウレタンの対熱変形固定性比は、1.0であった。
この基体中の表面多孔層に接する基体上層部のポリウレタン樹脂の層は、厚みが0.3mm、繊維とポリウレタン樹脂の比率は、質量比50/50であり、その下層部は、繊維とポリウレタン樹脂の比は、質量比60/40であった。
【0035】
この基体表面に茶色顔料を含むポリウレタン液をグラビアロールで塗布し、厚み5μmの表面仕上げ層を形成した。その後、150℃に加熱したエンボスロールを30秒間プレス圧2kg/cm2で型押しし、天然皮革調模様を付与した。さらに揉み機で揉み製品とした。
このものは、全体にソフトであり、期待した充実感とソフトな表面触感が両立した風合いは得られなかった。
【0036】
比較例2
実施例1と同一の不織布に、100%モジュラス40kg/cm2ポリカーボネート系ポリウレタンを主体とするポリウレタン13%ジメチルホルムアミド溶液を含浸後にナイフを押し当てて、不織布厚みの70%まで圧縮し、その直後にポリテトラメチレングリコール、ポリカプロラクトンが70:30の質量比であり、MDI、DAM、EGで共重合された100%モジュラス50kg/cm2のポリウレタンの18%ジメチルホルムアミド溶液(T2=1.05mm)をコートし、不織布の回復力を利用して浸透させた後、浸透しきれなかった溶液をナイフでかきとった後、さらに100%モジュラス80kg/cm2ポリエステル系ポリウレタンを主体とするポリウレタン20%ジメチルホルムアミド溶液(T1=1.05mm)をコートし、DMF/水=30/70の比率の凝固浴中で凝固して、多孔構造体とする。続いて、水洗後、複合繊維中のポリエチレンを抽出除去して、0.01dtexの極細繊維からなる6−ナイロン極細繊維束状繊維とポリウレタンとからなる厚さ1.3mmの繊維質基体を得た。そして厚さ0.2mmの表面多孔層が該繊維質基体と密着した状態であり、表面多孔層と基体層中の上層部分のポリウレタンの対熱変形固定性比は、1.0であった。
この基体中の表面多孔層に接する基体上層部のポリウレタンの層は、厚みが0.3mm、繊維とポリウレタンの比率は、質量比50/50であり、その下層部は、繊維とポリウレタンの比は、質量比60/40であった。
【0037】
この基体表面に茶色顔料を含むポリウレタン液をグラビアロールで塗布し、厚み5μmの表面仕上げ層を形成した。その後、150℃に加熱したエンボスロールを30秒間プレス圧2kg/cm2で型押しし、天然皮革調の模様を付与した。さらに揉み機で揉み製品とした。
このものは、期待した充実感とソフトな表面触感が得られなかった。
【0038】
比較例3
実施例1と同一の不織布に100%モジュラス70kg/cm2ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂を主体とするポリウレタン樹脂13%ジメチルホルムアミド溶液を含浸後にナイフを押し当てて、不織布厚みの70%まで圧縮し、その直後に実施例1でコート層に使用した100%モジュラス40kg/cm2のポリカーボネート系ポリウレタン18%ジメチルホルムアミド溶液(T2=0.80mm)をコートし、不織布の回復力を利用して浸透させた後、浸透しきれなかった溶液をナイフでかきとった後、DMF/水=30/70の比率の凝固浴中で凝固して、多孔構造体とする。続いて、水洗後、複合繊維中のポリエチレンを抽出除去して、0.01dtexの極細繊維からなる6−ナイロン極細繊維束状繊維とポリウレタンとからなる厚さ1.1mmの繊維質基体を得た。
この基体表面に100%モジュラス40kg/cm2ポリエステル系ポリウレタン樹脂を主体とするポリウレタン20%ジメチルホルムアミド溶液(T1=1.05mm)をコートし、DMF/水=30/70の比率の凝固浴中で凝固して、多孔皮膜を形成した。なお、表面多孔層と基体層中の上層部分のポリウレタンの対熱変形固定性比は、0.8であった。
この基体中の表面多孔層に接する基体上層部のポリウレタンの層は、厚みが0.3mm、繊維とポリウレタン樹脂の比率は、質量比50/50であり、その下層部は、繊維とポリウレタンの比は、質量比60/40であった。
【0039】
この基体表面に茶色顔料を含むポリウレタン液をグラビアロールで塗布し、厚み5μmの表面仕上げ層を形成した。その後、150℃に加熱したエンボスロールを30秒間プレス圧2kg/cm2で型押しし、天然皮革調模様を付与した。さらに揉み機で揉み処理を行ったが、得られた皮革様シートはソフトな表面触感を有していたが、表面多孔層と基体層との一体感に乏しく、バランスの悪い風合いとなった。
【0040】
【発明の効果】
本発明は、天然皮革調の優美な外感とソフトな表面触感、バランスの良い充実感のある風合いを有する皮革様シートを提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の皮革様シートを模式的に表す断面図である。
【符号の説明】
1 表面仕上げ層
2 表面多孔層
3 繊維質基体
4 繊維質基体上層
5 繊維質基体下層[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a leather-like sheet having a natural leather-like graceful appearance, a soft surface touch, and a well-balanced texture, and can be widely used for shoes, balls, bags and the like. About the sheet.
[0002]
[Prior art]
In recent years, synthetic leather and artificial leather are widely used as substitutes for natural leather in various fields such as shoes, clothing, gloves, bags, balls, and interiors. These are required to have higher quality and sensibility, and in particular, those having both an elegant natural leather-like appearance, a soft surface touch and a well-balanced texture are strongly desired.
[0003]
Conventionally, in order to create a natural leather-like appearance, a surface-forming method has been proposed in which a release film is used to create a resin film that reproduces the texture of natural leather and affix it to a substrate (for example, see Patent Reference 1). Alternatively, a method of reproducing a texture of natural leather by forming a porous resin layer on one side of a base layer uniformly filled with the same elastic body and embossing with an embossing roll has been proposed (for example, patent reference) Reference 2).
Furthermore, a method of filling the substrate surface layer with the same elastic resin as that of the surface porous layer continuously with the surface porous layer has been proposed (for example, see Patent Reference 2).
[0004]
[Patent Document 1]
JP-A-6-184950
[Patent Document 2]
JP-A-11-1407779
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, these methods cannot satisfy all of the desired natural leather-like graceful appearance, soft surface touch, and well-balanced texture.
First, the surface forming method using a release paper is too uniform and artificial and cannot be said to be a natural leather tone, and a deep wrinkle pattern cannot be formed.
In addition, the method of reproducing the texture of natural leather by forming a porous resin layer in close contact with one side of the base layer uniformly filled with the same elastic body and embossing with an embossing roll, Although an appearance can be obtained, in order to obtain a texture with a soft surface feel and fullness like natural leather, a method of using a soft resin for the surface layer and filling a slightly hard resin for the base layer is conceivable. However, in this method, there is a sharp difference between the soft surface layer and the hard base layer, and the texture becomes unbalanced, and it is difficult to say that the texture is natural leather.
[0006]
Furthermore, in the method of filling the substrate surface layer with the same elastic resin as the surface porous layer, a natural natural leather-like appearance can be obtained by embossing embossing, and a soft resin can be used for the skin layer. If a somewhat hard resin is used for the base layer, the same resin as the skin layer is present on the base layer, so there is some continuity and the balance of the texture is improved, but the resin between the skin layer and the base layer is still good. The difference of the appearance appears, it is difficult to obtain a well-balanced texture of natural leather.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
As a result of diligent studies to achieve the above object, the present inventors have achieved a natural leather-like graceful appearance, soft surface touch, and a well-balanced and balanced texture, such as shoes, balls, and heels. It was found that a leather-like sheet that can be widely used for various purposes is obtained.
That is, the present invention provides a fibrous base layer in which an elastic resin mainly composed of polyurethane is filled in an entangled space of a three-dimensional entangled nonwoven fabric made of ultrafine fibers having a single fiber fineness of 0.2 dtex or less, In a leather-like sheet comprising a surface porous layer in close contact with the surface and a surface finish layer, the surface porous layer is made of polyurethane resin A of 100% modulus a, and is formed on the upper layer portion of the fibrous base layer in close contact with the surface porous layer. Is 100% modulus b polyurethane resin B, the lower part of the fibrous base layer is filled with 100% modulus c polyurethane resin C, and satisfies the following (1) and (2): It is a leather-like sheet.
20 ≦ ba (1)
20 ≦ c−b (2)
And it is preferable that the polyurethane resin B is a leather-like sheet which is a resin that is less likely to be thermally deformed than the polyurethane resin A.
[0008]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention will be described in detail below.
First, it is important that the fibrous base material used in the present invention has a single fiber fineness of 0.2 dtex or less, and preferably a three-dimensional entangled nonwoven fabric comprising a bundle of ultrafine fibers having a single fiber fineness of 0.0001 to 0.05 dtex. And an elastic polymer porous structure present in the entangled space. A bundle of ultrafine fibers having a single fiber fineness of 0.2 dtex or less is produced by a conventionally known method. For example, it can be obtained by dissolving or decomposing and removing at least one component from an ultrafine fiber-generating fiber composed of at least two kinds of polymers, or by peeling at an interface between two components by mechanical or chemical treatment. In order to make the single fiber fineness of the ultrafine fiber constituting the bundle of ultrafine fibers to be 0.2 dtex or less, the ultrafine fiber has a sea-island structure in cross section rather than using a bonded ultrafine fiber generating fiber. The use of generating fibers is advantageous in the process.
[0009]
Polymers constituting ultrafine fibers in the ultrafine fiber generating fibers include melt-spinnable polyamides such as 6-nylon and 66-nylon, polyethylene terephthalate, polybutylene terephthalate, and cationic dyeable modified polyethylene terephthalate. And at least one polymer selected from the melt-spinnable polyesters.
In addition, as a component to be dissolved or decomposed and removed, the polymer is different in solubility or decomposability with respect to the ultrafine fiber component and the solvent or decomposing agent, and is a polymer having low compatibility with the ultrafine fiber component, and under the spinning conditions A polymer having a lower melt viscosity or a lower surface tension, for example, at least one polymer selected from polymers such as polyethylene, polystyrene, polyethylene-propylene copolymer, and modified polyester.
[0010]
The ultra fine fiber generating type fiber is defibrated with a card, and a web is formed through webber. The obtained fiber web is laminated to a desired weight and thickness, and then a known method such as needle punching, high-speed water flow, etc. The entanglement process is performed with a three-dimensional entangled nonwoven fabric. If necessary, a woven or knitted fabric can be laminated on the web. The surface of the three-dimensional entangled nonwoven fabric only needs to be made of ultrafine fiber-generating fibers, but the case where the entire fiber sheet is made of ultrafine fiber-generating fibers or ultrafine fibers is preferable in terms of the texture of the obtained sheet. In order to make the three-dimensional entangled nonwoven fabric a base layer having a smooth surface, it is preferable to smooth the surface by pressing or the like before impregnation with the elastic polymer.
The thickness of the three-dimensional entangled nonwoven fabric or the nonwoven fabric obtained by pressing can be arbitrarily selected depending on the intended use of the leather-like sheet to be obtained, and is not particularly limited. It is preferably about 2 to 10 mm, and more preferably about 0.4 to 5 mm. Density is 0.15 g / cm 3 ~ 0.50g / cm 3 Is preferable, 0.20 g / cm 3 ~ 0.40g / cm 3 Is more preferable. 0.15 g / cm 3 If it is less than this, the amount of resin impregnated increases, resulting in a rubber-like texture, and the peel strength also decreases. 0.50 g / cm 3 If it exceeds 1, the texture of the leather-like sheet obtained tends to be hard.
[0011]
Next, the three-dimensional entangled nonwoven fabric is filled with a polyurethane resin solution or dispersion, coated with the polyurethane resin solution or dispersion, and then solidified to form a fibrous base layer having a surface porous layer.
Preferable representative examples of the polyurethane to be impregnated and coated include one or more polymer diols such as polyester diol, polyether diol, polyester / ether diol, polycarbonate diol, and organic polyisocyanate, preferably Polyurethane obtained from one or more of aliphatic, aromatic or alicyclic organic diisocyanates and a chain extender having two active hydrogen atoms such as low molecular diol, low molecular diamine and hydrazine Can be given.
[0012]
A preferred representative example is a polyurethane obtained from a hard segment mainly composed of a polymer glycol having a hydroxyl group at both ends and a molecular weight of 500 to 5000, 4,4'-diphenylmethane diisocyanate, and a lower alkylene glycol having 2 to 6 carbon atoms. Or, a polyurethane obtained from a hard segment mainly composed of a polymer glycol having a hydroxyl group at both ends and a molecular weight of 500 to 5000, an aliphatic or alicyclic diisocyanate, an organic diamine or an organic acid dihydrazide. However, in consideration of softness, durability, processability, porous film formation, etc., these copolymers and mixtures are also used.
[0013]
Examples of the polymer glycol having a hydroxyl group at both ends and having a molecular weight of 500 to 5000 are represented by polyethylene glycol such as polyethylene adipate glycol, polybutylene adipate glycol, polyhexamethylene adipate glycol, and polycaprolactone glycol, and polyhexamethylene carbonate glycol. Polyether glycols such as polycarbonate glycols, polyethylene ether glycols, polypropylene ether glycols, polytetramethylene ether glycols, polyhexamethylene ether glycols, and mixtures thereof are used, particularly polyester glycols, polycarbonate glycols or polyesters. Mixing of glycol and polycarbonate glycol Glycol, polyester glycol, a mixed glycol and polycarbonate-based glycol and a polyether-based glycol preferably.
[0014]
Examples of the aliphatic diisocyanate include tetramethylene diisocyanate and hexamethylene diisocyanate, examples of the alicyclic diisocyanate include cyclohexane diisocyanate and 4,4′-dicyclohexylmethane-diisocyanate, and examples of the aromatic diisocyanate include 4,4 ′. -Diphenylmethane diisocyanate etc. are mentioned. Examples of the organic diamine include p-phenylenediamine, metaphenylenediamine, 4,4′-diaminediphenylmethane, ethylenediamine, propylenediamine, diethanolamine, 4,4′-diaminodicyclohexylmethane, and isophoronediamine. Examples of the organic acid dihydrazide include Examples include adipic acid dihydrazide, sebacic acid dihydrazide, terephthalic acid dihydrazide, and isophthalic acid dihydrazide.
[0015]
Typical examples of the lower alkylene glycol having 2 to 6 carbon atoms include ethylene glycol, butanediol, hexanediol, diethylene glycol, dipropylene glycol and the like. Among them, ethylene glycol is preferable in that good embossing property can be obtained. Here, the polyurethane elastomer used has a mass percentage (hereinafter referred to as N%) of nitrogen atoms constituting an isocyanate group in the organic polyisocyanate used for synthesizing the polyurethane elastomer with respect to the total mass of the polyurethane elastomer. A polyurethane elastomer of 5 to 5% or a polymer mixture based on this polyurethane elastomer is preferred. When N% is less than 2.5%, the resulting surface porous layer or fibrous substrate layer tends to be inferior in wear resistance and scratch resistance, and when N% exceeds 5%, Bending wrinkles become rough, the texture is hard, and the resulting leather-like sheet becomes cheap, and at the same time, the bending fatigue resistance tends to decrease.
[0016]
The polyurethane resin A used for the surface porous layer is a polyurethane resin that can form a natural leather-like texture by embossing embossing and can provide a soft surface feel.
As a preferable polyurethane resin, 100% modulus is 20 to 80 kg / cm. 2 And more preferably 30-60 kg / cm 2 It is. 20kg / cm 2 If it is less than 80 kg / cm, the surface properties tend to be inferior. 2 If it exceeds, the target soft texture tends not to be obtained. Moreover, as preferable thickness of a surface porous layer, it is 0.02-1.50 mm, More preferably, it is 0.05-1.00 mm. When the thickness is less than 0.02 mm, a smooth surface cannot be obtained, and it is difficult to obtain a soft surface touch which is one of the effects of the present invention, and the embossing pushability tends to be poor. If it exceeds 50 mm, there is a tendency to have a rubber-like texture.
[0017]
The fibrous base layer (hereinafter also abbreviated as base layer) is also filled with polyurethane resin, but the surface of the upper layer part (hereinafter also abbreviated as base layer upper layer) in the base layer in contact with the surface porous layer is the surface. 100% modulus slightly harder than polyurethane resin A forming the porous layer is 30 to 140 kg / cm 2 More preferably, 50 to 90 kg / cm 2 Polyurethane resin B, the lower layer portion in the base layer (hereinafter sometimes abbreviated as the base layer lower layer) emphasizes a sense of fulfillment, and a 100% modulus considering the balance with the upper layer is 40 to 150 kg / cm 2 Polyurethane resin C, more preferably 50-110 kg / cm 2 Of polyurethane resin C.
[0018]
The polyurethane resin A that forms the surface porous layer is soft, and the polyurethane resin B that is the upper layer of the base layer and the polyurethane resin C that is the lower layer of the base layer are sequentially harder than the polyurethane resin A that forms the surface porous layer. A natural leather-like texture with a sense of surface and good balance can be obtained. That is, assuming that 100% modulus a of the polyurethane resin A in the surface porous layer, 100% modulus b of the polyurethane resin B in the upper layer of the base layer, and 100% modulus c of the polyurethane resin C in the lower layer of the base layer are as follows. It is important to have a relationship.
20 ≦ ba (1)
20 ≦ c−b (2)
When only the value of ba is less than 20, there is no significant difference in the softness of the polyurethane resin A forming the surface porous layer and the polyurethane resin B of the base layer upper layer, and the polyurethane forming the soft base layer upper layer A sudden difference is produced between the resin B and the polyurethane resin C forming the hard base layer lower layer, and the polyurethane resin A forming the target surface porous layer is soft, and the polyurethane resin B in the upper layer of the base layer, the lower layer of the base layer The polyurethane resin C does not become harder than the polyurethane resin A that forms the porous surface layer, and a soft leather texture and a well-balanced natural leather-like texture cannot be obtained. Further, when only the value of c−b is less than 20, there is no significant difference between the polyurethane resin B forming the base layer upper layer and the polyurethane resin C forming the base layer lower layer, and a soft surface porous layer is formed. The polyurethane resin A and the polyurethane resin B forming the hard base layer upper layer have a sharp difference, and the polyurethane resin A forming the target porous surface layer is soft. The polyurethane resin C in the lower layer does not become harder than the polyurethane resin A forming the surface porous layer, and a soft surface feel and a well-balanced natural leather-like texture cannot be obtained. Further, when both the values of b−a and c−b are less than 20, although the texture of the obtained leather-like sheet has a sense of unity, it is difficult to obtain a texture with a full sense of natural leather. Therefore, the polyurethane resin A that forms the target porous surface layer is soft, and the polyurethane resin B that is the upper layer of the base layer and the polyurethane resin C that is the lower layer of the base layer are sequentially harder than the polyurethane resin A that forms the porous surface layer. In order to obtain the structure of the above, there is a clear difference in the resins a, b and c, and it is preferable that the resin has continuity, the value of ba is 20 or more and the value of cb is 20 or more. In order to obtain more characteristic surface softness and a well-balanced fulfillment, there is a clear difference between the resins a, b and c, and there is preferably continuity. More preferably, the value of -b is 30 or more. In addition, the value of ba and cb is preferably 70 or less, more preferably 60 or less, and particularly preferably 50 or less, from the viewpoint of a feeling of unity of the obtained leather-like sheet.
[0019]
Polyurethane resin that is less likely to be thermally deformed than polyurethane resin A forming the surface porous layer in the entangled space of the three-dimensional entangled nonwoven fabric constituting the upper layer portion in the base layer in contact with the surface porous layer, that is, has high heat deformation fixability It is preferable to use B.
This is because when the surface porous layer is thermally deformed and fixed by the embossing embossing process and the natural leather-like aperture is sharply formed, the base layer is hardly thermally deformed and retains flexibility. Therefore, it is preferable to select a polyurethane resin B having a higher heat deformation fixability (a sponge structure is not easily crushed) than the polyurethane resin A constituting the surface porous layer in the upper layer portion of the base layer. Specifically, the heat deformation fixability ratio according to the evaluation method described later of the polyurethane resin A used for the surface porous layer and the polyurethane resin B used for the upper layer portion in the base layer is 1.05 to 2.0, preferably 1.1.0-1.50 is used. When the heat deformation fixability ratio is less than 1.05, there is a tendency that the embossing die is deformed similarly to the surface porous layer, and the texture of the base layer is hardened. On the other hand, when the heat deformation fixability ratio exceeds 2.0, the sense of unity between the surface porous layer and the base layer generated when the embossing die is pressed tends to be impaired, and the texture tends to be inferior.
Further, the polyurethane resin A, B, C constituting the surface porous layer, the upper layer portion in the base layer, and the lower layer portion in the base layer have a 100% modulus and a heat deformation fixability ratio within the scope of the present invention. As a means, it can adjust suitably using a well-known polyurethane manufacturing method.
[0020]
The polyurethane resin to be filled in the base layer fills the base layer in an amount that does not impair the overall balance.
Moreover, the filling amount is set to 0.3 to 3.0 times, preferably 0.8 to 2.0 times, as a solid component, with respect to the fiber mass of the nonwoven fabric. If the fiber mass is less than 0.3 times the fiber mass of the nonwoven fabric, the effect of improving the texture due to the difference in modulus of the present invention is difficult to obtain, the binder effect with the fiber is weak, the required strength cannot be obtained, and 3.0 times If it exceeds 1, the fiber is fixed too much and the density becomes too high, the base layer becomes hard and the commercial value is impaired.
[0021]
Further, the polyurethane layer filled in the upper layer portion of the base layer in contact with the surface porous layer has a thickness of, for example, 0.1 mm to 1.0 mm, preferably 0.2 mm to 0.6 mm, depending on the thickness of the base layer. Preferably it is present. If the layer thickness is less than 0.1 mm, it does not serve as a buffer zone between the skin layer and the lower part of the base layer. If the layer thickness exceeds 1.0 mm, the ratio of the upper part of the base layer becomes too large. The balance with the lower part of the layer is lost, and it is difficult to obtain an expected texture that gradually changes from soft to hard from the skin layer.
Furthermore, the preferable mass ratio of the polyurethane resin constituting the upper layer portion and the lower layer portion in the base layer is 10:90 to 60:40, more preferably 20:80 to 40:60 in terms of solid content. Even if the upper layer portion is less than 10% or exceeds 60%, the balance between the skin layer and the lower part of the base layer is broken as described above, and the skin layer is expected to gradually change from soft to hard. The texture is difficult to obtain.
[0022]
The following several methods are preferable for impregnating the base layer with the polyurethane solution.
First, a predetermined amount of a solution made of polyurethane resin B for the upper layer of the substrate is applied to the three-dimensional entangled nonwoven fabric from the upper surface and allowed to permeate naturally or by rubbing with a roll or knife, and the polyurethane resin for the lower layer of the substrate from the lower surface. There is a method in which the solution of C is permeated so as to be rubbed with a roll or a knife, and the excess is scraped off with a knife or the like.
Alternatively, the entire nonwoven fabric is once filled with a solution made of polyurethane resin C for the lower layer of the substrate, and then compressed with a roll or knife, and immediately after that, the solution made of polyurethane resin B for the upper layer of the substrate is coated. It is also possible to use a method in which the excess is allowed to penetrate and then the excess portion protruding from the three-dimensional entangled nonwoven fabric is scraped with a knife.
[0023]
In order to form a surface porous layer on a substrate filled with a polyurethane solution, the surface of the upper layer of the substrate layer is coated with a solution of polyurethane resin A before the resin of the substrate layer is solidified, or the substrate layer There is a method in which polyurethane resin B and C are impregnated in the coagulating solution to solidify the polyurethane of the base layer, and after drying, the surface of the base layer is coated with a solution made of polyurethane resin A. In view of the above, it is preferable to apply the coating method after the impregnation and then coagulate the polyurethane solution constituting the base layer and the surface porous layer at the same time. Adhesion refers to a state in which the substrate surface layer and the surface porous layer are continuously bonded substantially without any substance other than the two layers, and different from a partially in contact state. The partially contacted state means that the surface of the base layer and the surface porous layer are point-bonded by applying a polyurethane resin solution or the like to the surface of the base layer with a gravure roll or the like and bonding the surface porous layer. The state in which the substrate layer surface and the surface porous layer are dry-bonded with a cross-linked polyurethane adhesive.
Examples of the coagulation method of polyurethane include a method of wet coagulation by dipping in a liquid containing a non-solvent of a polyurethane resin, or a method of heating and drying after gelation, but the base layer and the surface porous layer have a soft porous structure. A method of wet coagulation capable of producing the is preferably used.
The polyurethane resin solution is blended with additives such as a colorant, a coagulation regulator, an antioxidant, and a dispersant as necessary. And, as long as the effect of the invention does not change, a small amount of another resin such as polyurethane resin may be added.
[0024]
Subsequently, the ultrafine fiber-generating fiber is treated with at least one component solubilizer or decomposer, or peeled at the interface between the two components by mechanical or chemical treatment to be modified into an ultrafine fiber bundle. The modification treatment of the ultrafine fiber generation type fiber may be before the application of the polyurethane resin, but when the polyurethane resin is impregnated and solidified after the modification to the ultrafine fiber bundle, the polyurethane resin adheres to the ultrafine fiber and the texture tends to become hard. It is preferable to modify the polyurethane resin after application. When the modification treatment is carried out before the polyurethane resin is applied, a polyurethane resin is applied after applying a temporary removable filler such as polyvinyl alcohol so that the ultrafine fibers and the polyurethane resin do not adhere, and then the temporary filler. Is preferably removed.
[0025]
The fibrous base layer composed of the three-dimensional entangled nonwoven fabric obtained above and an elastic polymer mainly composed of polyurethane, and having a surface porous layer, can be finished in the following manner to obtain a natural leather-like appearance. it can. That is, an ink composed of a colorant such as a pigment or a dye and a resin is transferred to the surface of the substrate using a gravure roll, reverse roll, screen, or the like, and colored to form a surface finish layer. The preferred thickness of the surface finish layer is as thin as possible without impairing the softness of the surface layer, but is preferably in the range of 2 to 20 μm in order to ensure the necessary surface wear strength. Next, emboss rolls are embossed to reproduce the natural leather-like texture. The sheet-like material thus obtained had a natural leather-like high-grade appearance. The embossing conditions for imparting a natural leather-like appearance by embossing are preferably in the range of a heating temperature of 100 to 230 ° C. of the embossing roll. Depending on the softening temperature of the polyurethane resin that forms the porous layer, if the heating temperature is less than 100 ° C, embossed squeezing spots may occur. In some cases, it may affect the softening of the polyurethane resin in the base layer and the texture may become hard. The embossing roll press pressure is 0.5-15kg / cm 2 The range of is preferable. 0.5kg / cm 2 Less than 15kg / cm 2 In the case of exceeding the range, there is a case where a texture is hardened due to the formation of a crack in the lower layer of the base layer. In order to combine the flexibility of the obtained leather-like sheet with the appearance of natural leather, more preferably, the heating temperature is 120 to 190 ° C., the press pressure is 1 to 6 kg / cm. 2 Range.
Furthermore, by carrying out a mechanical stagnation process or a liquid flow type dyeing machine after embossing, a natural stagnation wrinkle enters, softness is increased, and a natural luxury feeling can be increased. In addition, if a resin that can be dyed with a dye is applied at the time of gravure coloring and coloring with a dyeing machine is performed after embossing, it will be colored with transparency, natural shrink etc. will be expressed, and softness will also increase Higher sense of quality can be obtained.
[0026]
The schematic diagram of an example of this invention leather-like sheet | seat is shown in FIG. FIG. 1 shows a cross section. From the surface of the leather-like sheet, a surface finishing layer (1), a surface porous layer (2), and a fibrous base material (3) are laminated in this order, and the fibrous base material is an upper layer. (4) and lower layer (5) exist.
[0027]
The heat deformation fixability described in the text is evaluated by the following method.
<Measurement sample creation>
50 parts by mass of polyethylene having a melt index of 70 as a sea component and 50 parts by mass of 6-nylon as an island component were melt-spun in the same melt system to produce a composite fiber having a single fiber fineness of 10 dtex and an island number of about 300. The composite fiber was stretched 3.0 times, crimped, cut to a fiber length of 51 mm, defibrated with a card, and then made into a web with a cross wrapper weber. Next, the punch number is 500 punch / cm with a 9 barb needle. 2 The needle was punched under the following conditions, pressed with a roll heated to 120 ° C., thickness 2.17 mm, basis weight 650 g / m 2 , Density 0.30g / cm 3 Create a fiber-entangled nonwoven fabric.
This nonwoven fabric is impregnated with a 13% dimethylformamide (hereinafter sometimes abbreviated as DMF) solution of polyurethane, and solidified in a coagulation bath of DMF / water = 30/70, temperature 40 ° C. to obtain a porous structure. . Subsequently, after washing with water, the polyethylene in the composite fiber is extracted and removed with toluene heated to 90 ° C. to prepare a sample made of 0.01 dtex 6-nylon ultrafine fiber bundle fiber and polyurethane.
[0028]
<Evaluation of heat deformation fixability>
The above sample was placed in a flat plate mold heated to 150 ° C. and 2.0 kg / cm without clearance. 2 And press for 10 seconds.
Thereafter, the thickness after compression with a flat plate mold is measured at three points, and the average of these is T. T is defined as fixability against heat deformation. The larger the value, the more difficult it is to collapse.
Thickness after compression of samples to be compared (T1: Thickness after compression when using urethane resin constituting surface porous layer, T2: Compression when using urethane resin constituting upper layer portion in base layer) The ratio of the latter thickness) is calculated, and this ratio is referred to as heat deformation fixability ratio.
Thermal deformation fixation ratio = T2 / T1
[0029]
【Example】
EXAMPLES Next, although an Example demonstrates this invention concretely, this invention is not limited to these Examples. In addition, unless otherwise indicated, the part and% in an Example are related to mass. The single fiber fineness referred to in the present invention is a value obtained by counting the number of ultrafine fibers constituting the fiber bundle from the micrograph of the cross section of the fiber bundle and dividing the total fineness of the fiber bundle by the number.
[0030]
Example 1
50 parts by mass of polyethylene as a sea component and 50 parts by mass of 6-nylon as an island component were melt-spun in the same melt system to produce a composite fiber having a fineness of 10 dtex. The composite fiber was stretched 3.0 times, crimped, cut to a fiber length of 51 mm, defibrated with a card, and then made into a web with a cross wrapper weber. Next, with a needle punch, the basis weight is 650 g / m. 2 The fiber entangled nonwoven fabric. 100% modulus 100 kg / cm copolymerized with polyethylene propylene adipate, 4,4'-diphenylmethane-diisocyanate (hereinafter abbreviated as MDI) and ethylene glycol (hereinafter abbreviated as EG) on this nonwoven fabric. 2 A 20% dimethylformamide polyester polyurethane solution was impregnated with a knife and pressed to 70% of the nonwoven fabric thickness. Immediately thereafter, the soft segment was polytetramethylene glycol, polycaprolactone, polyethylene glycol 67.5: 22. 100% modulus 70 kg / cm composed of MDI, 4,4'-diaminediphenylmethane (hereinafter abbreviated as DAM) and EG 2 After coating and infiltrating an 18% dimethylformamide solution of polyurethane (T2 = 1.05 mm), the top surface after scraping off the solution that did not penetrate with a knife, polyhexacarbonate glycol, polymethylenepropylene adipate, 100% modulus 40 kg / cm composed of methylenediamine and copolymerized with n-hexane diisocyanate, MDI, EG 2
The polyurethane layer in the upper layer portion of the substrate in contact with the surface porous layer in the substrate has a thickness of 0.3 mm, the ratio of fibers to polyurethane is 50/50, and the lower layer portion has a ratio of fibers to polyurethane. The mass ratio was 60/40.
[0031]
A polyurethane liquid containing a brown pigment was applied to the substrate surface with a gravure roll to form a surface finish layer having a thickness of 5 μm. Thereafter, the embossing roll heated to 150 ° C. is pressed for 2 seconds at a press pressure of 2 kg / cm. 2 Embossed with natural leather-like pattern. Furthermore, by squeezing with a kneading machine, a leather-like sheet having a natural leather-like sensation of appearance, a soft surface feel, and a well-balanced texture was obtained.
[0032]
Example 2
From the upper layer of the same nonwoven fabric as in Example 1, polytetramethylene glycol and polycaprolactone were in a mass ratio of 70:30 and 100% modulus 70 kg / cm copolymerized with MDI, DAM and EG. 2 After coating with an 18% dimethylformamide solution of polyurethane (T2 = 1.05 mm) and rubbed with a roll, the solution that did not penetrate completely was scraped with a knife, and then 100% modulus 100 kg / cm from the lower layer. 2 A 16% polyurethane dimethylformamide solution mainly composed of a polyester polyurethane resin is lifted from a pan with a roll and impregnated so as to be rubbed. The solution which has not been completely penetrated is scraped with a knife, and further on the upper surface of the nonwoven fabric. 100% modulus 40kg / cm 2 Polycarbonate polyurethane 18% dimethylformamide solution (T1 = 0.80 mm) was coated and coagulated in a coagulation bath with a ratio of DMF / water = 30/70 to obtain a porous structure. Subsequently, after washing with water, polyethylene in the composite fiber was extracted and removed to obtain a fibrous substrate having a thickness of 1.3 mm made of 6-nylon ultrafine fiber bundle fiber made of 0.01 dtex ultrafine fiber and polyurethane. . The surface porous layer having a thickness of 0.2 mm was in intimate contact with the fibrous substrate, and the heat deformation fixability ratio of polyurethane in the upper layer portion of the surface porous layer and the substrate layer was 1.3.
The polyurethane layer in the upper layer portion of the substrate in contact with the surface porous layer in the substrate has a thickness of 0.3 mm, the ratio of fibers to polyurethane is 50/50, and the lower layer portion has a ratio of fibers to polyurethane. The mass ratio was 60/40.
[0033]
A polyurethane liquid containing a brown pigment was applied to the substrate surface with a gravure roll to form a surface finish layer having a thickness of 5 μm. Thereafter, the embossing roll heated to 150 ° C. is pressed for 2 seconds at a press pressure of 2 kg / cm. 2 Embossed with a natural leather-like pattern. Furthermore, by squeezing with a kneading machine, a leather-like sheet having a natural leather-like graceful appearance, soft surface touch, and a well-balanced texture was obtained.
[0034]
Comparative Example 1
100% modulus 40 kg / cm on the same nonwoven fabric as in Example 1 2 Polyurethane resin mainly composed of polycarbonate polyurethane resin 13% dimethylformamide solution impregnated and pressed with a knife to compress to 70% of the nonwoven fabric thickness, immediately thereafter 100% modulus 60 kg / cm 2 After coating 13% dimethylformamide solution (T2 = 0.80mm) with a polyurethane resin mainly composed of polycarbonate polyurethane resin, it was infiltrated using the recovery force of the nonwoven fabric, and then the solution that could not be infiltrated was scraped with a knife. After that, the same 100% modulus 60 kg / cm 2 A 18% dimethylformamide solution of polycarbonate-based polyurethane resin (T1 = 0.80 mm) is coated and coagulated in a coagulation bath with a ratio of DMF / water = 30/70 to obtain a porous structure. Subsequently, after washing with water, polyethylene in the composite fiber is extracted and removed to obtain a fibrous substrate having a thickness of 1.3 mm made of a bundle of 6-nylon ultrafine fibers made of 0.01 dtex ultrafine fibers and polyurethane resin. It was. The surface porous layer having a thickness of 0.2 mm was in intimate contact with the fibrous substrate, and the heat deformation fixability ratio of polyurethane in the upper layer portion of the surface porous layer and the substrate layer was 1.0.
The layer of the polyurethane resin in the upper layer portion of the substrate that is in contact with the surface porous layer in the substrate has a thickness of 0.3 mm, the ratio of the fiber to the polyurethane resin is 50/50, and the lower layer portion is composed of the fiber and the polyurethane resin. The ratio was a mass ratio of 60/40.
[0035]
A polyurethane liquid containing a brown pigment was applied to the substrate surface with a gravure roll to form a surface finish layer having a thickness of 5 μm. Thereafter, the embossing roll heated to 150 ° C. is pressed for 2 seconds at a press pressure of 2 kg / cm. 2 Embossed with a natural leather-like pattern. Furthermore, it was made into a product by a massaging machine.
This product is soft overall, and a texture that satisfies both the sense of fulfillment and the soft surface feel was not obtained.
[0036]
Comparative Example 2
100% modulus 40 kg / cm on the same nonwoven fabric as in Example 1 2 After impregnating a polyurethane 13% dimethylformamide solution mainly composed of polycarbonate polyurethane, press the knife and compress it to 70% of the nonwoven fabric thickness. Immediately thereafter, polytetramethylene glycol and polycaprolactone are in a mass ratio of 70:30. 100% modulus 50 kg / cm copolymerized with MDI, DAM and EG 2 After coating with an 18% dimethylformamide solution of polyurethane (T2 = 1.05 mm) and infiltrating using the recovery force of the non-woven fabric, the solution which could not be infiltrated was scraped off with a knife and then further 100% modulus 80 kg / cm 2 A polyurethane 20% dimethylformamide solution (T1 = 1.05 mm) mainly composed of polyester-based polyurethane is coated and solidified in a coagulation bath having a ratio of DMF / water = 30/70 to obtain a porous structure. Subsequently, after washing with water, polyethylene in the composite fiber was extracted and removed to obtain a fibrous substrate having a thickness of 1.3 mm made of 6-nylon ultrafine fiber bundle fiber made of 0.01 dtex ultrafine fiber and polyurethane. . The surface porous layer having a thickness of 0.2 mm was in intimate contact with the fibrous substrate, and the heat deformation fixability ratio of polyurethane in the upper layer portion of the surface porous layer and the substrate layer was 1.0.
The polyurethane layer in the upper layer portion of the substrate in contact with the surface porous layer in the substrate has a thickness of 0.3 mm, the ratio of fibers to polyurethane is 50/50, and the lower layer portion has a ratio of fibers to polyurethane. The mass ratio was 60/40.
[0037]
A polyurethane liquid containing a brown pigment was applied to the substrate surface with a gravure roll to form a surface finish layer having a thickness of 5 μm. Thereafter, the embossing roll heated to 150 ° C. is pressed for 2 seconds at a press pressure of 2 kg / cm. 2 Embossed with a natural leather-like pattern. Furthermore, it was made into a product by a massaging machine.
This product did not provide the expected fulfillment and soft surface feel.
[0038]
Comparative Example 3
100% modulus 70 kg / cm on the same nonwoven fabric as in Example 1 2 After impregnating a 13% dimethylformamide solution with a polyurethane resin mainly composed of a polycarbonate-based polyurethane resin, the knife was pressed to compress it to 70% of the thickness of the nonwoven fabric. Immediately thereafter, the 100% modulus 40 kg / cm 2 After coating with a
100% modulus 40 kg / cm on the surface of this substrate 2 A polyurethane 20% dimethylformamide solution (T1 = 1.05 mm) mainly composed of a polyester-based polyurethane resin was coated and coagulated in a coagulation bath having a ratio of DMF / water = 30/70 to form a porous film. The ratio of fixability to heat deformation of the polyurethane in the upper layer portion of the surface porous layer and the base layer was 0.8.
The polyurethane layer in the upper layer portion of the substrate that is in contact with the surface porous layer in the substrate has a thickness of 0.3 mm, the ratio of the fiber to the polyurethane resin is 50/50, and the lower layer portion has a ratio of the fiber to the polyurethane. The mass ratio was 60/40.
[0039]
A polyurethane liquid containing a brown pigment was applied to the substrate surface with a gravure roll to form a surface finish layer having a thickness of 5 μm. Thereafter, the embossing roll heated to 150 ° C. is pressed for 2 seconds at a press pressure of 2 kg / cm. 2 Embossed with a natural leather-like pattern. Further, the scouring process was performed with a squeezing machine, but the obtained leather-like sheet had a soft surface feel, but the sense of unity between the surface porous layer and the substrate layer was poor, and the texture was unbalanced.
[0040]
【The invention's effect】
The present invention provides a leather-like sheet having a natural leather-like elegant appearance, a soft surface touch, and a well-balanced texture.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view schematically showing a leather-like sheet of the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Surface finish layer
2 Surface porous layer
3 Fibrous substrate
4 Fiber substrate upper layer
5 Fiber substrate lower layer
Claims (2)
20≦b−a (1)
20≦c−b (2)A fibrous base layer in which an elastic resin mainly composed of polyurethane is filled in an entangled space of a three-dimensional entangled non-woven fabric made of ultrafine fibers having a single fiber fineness of 0.2 dtex or less, and a surface porosity closely adhered to the surface of the fibrous base layer In the leather-like sheet comprising a layer and a surface finishing layer, the surface porous layer is made of polyurethane resin A having a 100% modulus a, and the upper layer portion in the fibrous base layer in close contact with the surface porous layer has a 100% modulus b. A leather-like sheet characterized in that polyurethane resin B and a lower layer portion in the fibrous base layer are filled with 100% modulus c polyurethane resin C and satisfy the following (1) and (2).
20 ≦ ba (1)
20 ≦ c−b (2)
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