JP4024686B2 - Joint reinforcement material and joint reinforcement structure for wooden buildings - Google Patents

Joint reinforcement material and joint reinforcement structure for wooden buildings Download PDF

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Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、木造建築物の駆体を構成する基礎、土台、柱あるいは梁等の建築部材同士の接合部を補強する接合補強材、及び接合補強構造に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
近年、阪神淡路大震災以降「建築基準法の改正」や「住宅の品質確保の促進等に関する法律」の実施に伴い、木造建築物における柱と土台などの接合部の引張耐力補強に建築金物が多用されることになった。
【０００３】
木造建築物を構成する基礎、土台、柱、筋かいなどの接合部に取り付けられている従来の建築金物（図示省略）では、特に大きな地震が発生しこの地震による引抜力が上記接合部に作用した場合には当該接合部が破断することがある。この原因として、従来の金物接合では、弾性限度以上の荷重が作用し許容変形量を超えると、木材のめり込みや割裂破壊により、基礎、土台、柱、筋かい及び梁等の接合部がはずれ、急激に耐力が低下することが考えられる。
【０００４】
このため、引張耐力補強のために、地震時に特に大きな引張力が作用する柱に、１５ＫＮ用以上の大型のホールダウン金物（金具）を取り付けることが基準化されている。こうしたホールダウン金物の例としては、特許文献１に記載されているもの等が知られている。
【０００５】
【特許文献１】
特開平１０−１４７９８１号公報
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、こうした大型のホールダウン金物を取り付けるには、基礎から締結しなければならず、施工が困難となる。特に既存の建築物への適用は難しく、コストアップとなる。また、上記ホールダウン金物は、縦一列に配置されたボルトにより柱に取り付けられているので、地震時に柱の割裂破壊が生じやすくなる問題がある。
【０００７】
このように、従来の接合金物だけでは、木質材の欠点であるめり込み、乾燥によるやせ、そり、ねじれ等による接合部のゆるみが生じやすく、さらに割裂破壊により破断し易く、大地震が発生した場合には柱、梁及び筋かい等の破断や接合部の抜けなどにより、建築物の倒壊が起こり得る問題があった。
【０００８】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、基礎、土台、柱あるいは梁等の建築部材同士の接合部を補強し、その接合耐力を向上させることができる接合補強材及び接合補強構造を提供することを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
請求項１に記載の発明は、木造建築物の駆体を構成する建築部材同士の接合部を補強する接合補強材であって、前記接合部を跨いで前記建築部材間に配設される長尺状の高強度繊維からなる繊維部材と、該繊維部材を前記建築部材に定着させる定着部材と、を備えた構成とされ、前記繊維部材は、前記建築部材の外面側に張り渡されて配設されているとともに、該繊維部材の両端部側は、一対の前記定着部材によって各々の前記建築部材に定着され、前記繊維部材は、高強度繊維がシート状に成形された繊維シートから構成され、前記定着部材は、平板状をなして前記繊維シートの表面側に配設される定着プレートとされ、固定部材によって前記建築部材の外面側に前記繊維シートと一体となって取り付けられることを特徴とする。
【００１０】
このような構成としているので、基礎、柱、梁あるいは筋かい等の建築部材同士の接合部の接合強度を高めることができ、接合耐力を向上させることができる。すなわち、地震が発生すると、各建築部材には引抜力が作用して、各建築部材同士の接合部における接合が解除されようとする。ところが、接合部を跨いで建築部材間に、高強度繊維からなる繊維部材が配設されており、この繊維部材は鉄筋の引張強度と比較して５〜７倍の引張強度を有しているため、従来の金物により接合する場合と比較して接合引張強度を向上させることができる。このため、基礎、柱、梁あるいは筋かい等の建築部材同士の接合部の接合耐力を向上させ、接合強度を高めることができる。
なお、高強度繊維としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、金属繊維、ポリエステル繊維などが好ましい。
【００１２】
また、繊維部材を、高強度繊維をシート状に成形した繊維シートとしているので、従来の金物と比較して、張力が作用したときの初期変形量が多少大き目となり、弾性限度を超えた荷重に対しても塑性変形量を考慮して急激な耐力低下を防ぎ、さらに、終局破壊に至るまで耐力の維持ができるので、接合耐力を高いものとすることができる。
また、高強度繊維をシート状としているので、施工性を良好なものとすることができる。そのため、建築部材の外面側に沿わせるようにして直線的に配設することも、外面側に螺旋状に巻き付けて配設することもでき、施工の自由度を高めることができる。
また、定着プレートを用いて、固定部材によって建築部材の外面側に繊維シートと一体をなして取り付けるようにしているので、繊維部材を容易に定着させることができるとともに、定着のために建築部材側に必要な加工を大幅に少なくできるので、建築部材の断面欠損を少なくすることができる。
【００１３】
請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の木造建築物の接合補強材であって、前記繊維部材は、前記繊維シートから構成されるものに代えて、高強度繊維がロープ状に成形され、前記建築部材に接合される建築部材を貫通する１本の繊維ロープ部と、前記高強度繊維がシート状に成形された繊維シート部とが一体に連なった構成とされ、前記定着部材は、平板状をなして前記繊維シート部の表面側に配設される定着プレートとされ、固定部材によって前記建築部材の外面側に前記繊維シート部と一体となって取り付けられることを特徴とする。
また、請求項３に記載の発明は、請求項２に記載の木造建築物の接合補強材であって、前記繊維ロープ部の長手方向両端部側に、前記繊維シート部が設けられていることを特徴とする。
【００１４】
このように、繊維部材を、繊維ロープ部と繊維シート部とが一体に連なるようにしているので、例えば建築部材を貫通させることも、建築部材外面側に定着させることも、容易に行うことができ、多様な施工に対応することができ。施工の自由度を高めることができる。
また、繊維ロープ部の両端部側に繊維シート部を設けるようにすれば、繊維部材の両端部側を、建築部材外面側に各々容易に定着させることができ、より多様な施工に対応することができる。
【００１７】
請求項４に記載の発明は、請求項１〜３の何れかに記載の木造建築物の接合補強材であって、前記定着部材は、平板状をなして前記繊維シートの表面側に配設される定着プレートとされるものに代えて、平板状をなして前記繊維シート又は前記繊維シート部の外面側に配設される第１プレートと、該第１プレートの表面側に折り返された前記繊維シート又は前記繊維シート部の端部側を該第１プレートに押圧する第２プレートと、を備えた定着プレートとされ、固定部材によって前記建築部材の外面側に前記繊維シート又は前記繊維シート部と一体となって取り付けられることを特徴とする。
【００１８】
このように、第１プレートと第２プレートとからなる定着プレートを用いて、繊維シート又は繊維シート部の端部側を狭持するようにしているので、繊維シート又は繊維シート部と定着プレートとの固定をより強固なものとすることができ、建築部材に繊維部材をより的確に定着させることができる。
【００１９】
請求項５に記載の発明は、請求項１〜３の何れかに記載の木造建築物の接合補強材であって、前記定着プレートには、前記繊維シート又は前記繊維シート部を挿通させて該定着プレートの表面側に折り返させる、スリット状の孔が形成されていることを特徴とする。
【００２０】
このように、定着プレートに孔を設けて、繊維シート又は繊維シート部を挿通させて定着プレートの表面側に折り返させるようにしているので、繊維部材に高い張力を加えることができ、終局破壊時に更なる引張耐力の維持を可能とすることができる。
【００２１】
請求項６に記載の発明は、請求項１〜５の何れかに記載の木造建築物の接合補強材であって、前記定着プレートには、裏面側から突出して、前記建築部材の外面側に形成された凹部に前記繊維シート又は前記繊維シート部とともに挿入されるダボ部が設けられていることを特徴とする。
【００２２】
このように、定着プレートにダボ部を設けて、繊維シート又は繊維シート部とともに凹部内に挿入させるようにしているので、繊維部材を容易に定着させることができるとともに、繊維部材を緊張させるように屈曲又は湾曲させて凹部内に固定させることができ、繊維部材に高い張力を加えることができるとともに、繊維部材を建築部材により的確に定着させることができる。
【００２３】
請求項７に記載の発明は、請求項１〜３の何れかに記載の木造建築物の接合補強材であって、前記定着部材は、平板状をなして前記繊維シートの表面側に配設される定着プレートとされるものに代えて、前記建築部材の外面側に形成された凹部に前記繊維シート又は前記繊維シート部とともに挿入されるダボとされていることを特徴とする。
【００２４】
このように、定着部材をダボとして、繊維シート又は繊維シート部とともに凹部内に挿入させるようにしているので、繊維部材を容易に定着させることができるとともに、繊維部材を緊張させるように屈曲又は湾曲させて凹部内に固定させることができ、繊維部材に高い張力を加えることができるとともに、繊維部材を建築部材により的確に定着させることができる。
【００２５】
請求項８に記載の発明は、請求項１〜５の何れかに記載の木造建築物の接合補強材を用いたことを特徴とする。
【００２６】
このように、繊維部材を建築部材の外面側に張り渡して配設し、その両端部側を各々の建築部材に定着させるようにしているので、接合補強材を簡易に取り付けて好適に接合補強することができ、施工性を向上させることができるので、新築のみならず、既存建築物に対しても容易に施工することができる。
【００２７】
請求項９に記載の発明は、請求項６に記載の木造建築物の接合補強材を用いた接合補強構造であって、前記凹部は、前記繊維部材の長手方向と交差する方向に延在するように形成された溝部とされているとともに、前記ダボ部は凸条をなして、前記溝部との間に前記繊維部材を狭持した状態で前記溝部内に挿入されていることを特徴とする。
【００２８】
このように、定着プレートに設けられた凸条をなしたダボ部を、繊維シート又は繊維シート部とともに溝部内に挿入させるようにしているので、繊維部材を緊張させるように屈曲又は湾曲させて溝部内に固定させることができ、繊維部材に高い張力を加えることができるとともに、定着プレートと繊維部材とをより強固に一体化させることができる。
【００２９】
請求項１０に記載の発明は、請求項７に記載の木造建築物の接合補強材を用いた接合補強構造であって、前記凹部は、前記繊維部材の長手方向と交差する方向に延在するように形成された溝部とされているとともに、前記ダボは略円柱形状をなして、前記溝部との間に前記繊維部材を狭持した状態で前記溝部内に挿入されていることを特徴とする。
【００３０】
このように、略円柱形状のダボを用いるようにしているので、溝部内に容易に挿入することができ、繊維部材を好適に緊張させることができるとともに、ダボに角隅部がないため、繊維部材に過度の応力集中が発生することを的確に防止することができる。
【００３１】
請求項１１に記載の発明は、請求項７に記載の木造建築物の接合補強材を用いた接合補強構造であって、前記凹部は、前記繊維部材の長手方向と交差する方向に延在するように形成された溝部とされているとともに、前記ダボは前記溝部と嵌合する略矩形状をなして、前記溝部との間に前記繊維部材を狭持した状態で前記溝部内に挿入されていることを特徴とする。
【００３２】
このように、溝部と嵌合する略矩形状のダボを用いるようにしているので、繊維部材を、溝部の内面とダボの外面とでほぼ隙間無く狭持することができ、繊維部材をより強固に建築部材に定着させることができる。
【００３３】
請求項１２に記載の発明は、請求項８〜１０の何れかに記載の木造建築物の接合補強構造であって、前記繊維部材は、前記建築部材の外面側に螺旋状に巻き付けられて配設されていることを特徴とする。
【００３４】
このように、建築部材の外面側に繊維部材を螺旋状に巻き付けるようにしているので、多様な方向に対しての接合強度を高めることができる。
【００３５】
請求項１３に記載の発明は、木造建築物の駆体を構成する建築部材同士の接合部を補強する接合補強構造であって、高強度繊維がシート状に成形されてなる繊維シートの一端部側が、前記高強度繊維をほぐした状態になっているとともに前記建築部材としての基礎に埋設されているとともに、前記繊維シートの他端部側が前記基礎の外部に延出され、該他端部側は、前記基礎の上部に設けられた木質材に定着されることを特徴とする。
また、請求項１４に記載の発明は、請求項１３に記載の木造建築物の接合補強構造であって、前記繊維シートの一端部側が、前記基礎中の鉄筋に連結されていることを特徴とする。
【００３６】
このように、繊維シートの一端部側を基礎に埋設するとともに、他端部側を上部の木質材に定着させるようにしているので、繊維シートの一端部側をコンクリートと一体として基礎に的確に固定させることができる。そのため、地震が発生した場合でも、基礎と土台、柱、梁あるいは筋交等といった木質材との接合部の接合強度を、向上させることができる。
また、高強度繊維をシート状とした繊維シートを用いているため、施工性を良好とできるとともに、急激な耐力低下を防ぐことができ、終局破壊に至るまで耐力の維持ができるので、接合耐力を高いものとすることができる。
更に、繊維シートの一端部側を鉄筋に連結するようにすれば、繊維シートをより強固に基礎に定着させることができ、接合強度を更に向上させることができる。
【００３７】
請求項１５に記載の発明は、請求項２に記載の木造建築物の接合補強材を用いた接合補強構造であって、前記繊維部材のうちの前記繊維ロープ部の側が、前記建築部材としての鉄筋コンクリート製の基礎に埋設されているとともに、前記繊維シート部の側が前記基礎の外部に延出され、該繊維シート部は、前記基礎の上部に設けられた木質材に定着されることを特徴とする。
また、請求項１６に記載の発明は、請求項１５に記載の木造建築物の接合補強構造であって、前記繊維ロープ部の端部側が、前記基礎中の鉄筋に連結されていることを特徴とする。
【００３８】
このように、繊維部材のうちの繊維ロープ部の側を基礎に埋設するとともに、繊維シート部を上部の木質材に定着するようにしているので、繊維ロープ部の側をコンクリートと一体として基礎に的確に固定させることができる。そのため、基礎と土台、柱あるいは梁等といった木質材との接合部の接合強度を、大幅に向上させることができる。
また、繊維部材が、高強度繊維をロープ状とした繊維ロープ部を有するようにしているため、例えば土台等の木質材を貫通させて配設して、柱等に定着させることも容易に行うことができ、施工性を良好とできる。
更に、繊維シートの一端部側を鉄筋に連結するようにすれば、繊維シートをより強固に基礎中に固定させることができ、接合強度を更に向上させることができる。
【００３９】
請求項１７に記載の発明は、請求項３に記載の木造建築物の接合補強材を用いた接合補強構造であって、前記繊維部材のうちの前記繊維ロープ部は、前記接合部近傍位置の建築部材を貫通して配設されているとともに、該繊維シート部は、一対の前記定着部材によって各々の前記建築部材に定着されることを特徴とする。
【００４０】
このように、繊維ロープ部を、接合部近傍位置の建築部材を貫通させて配設するようにしているとともに、繊維シート部を、一対の前記定着部材によって両端部側の建築部材に各々定着させるようにしているので、両端部側の建築部材同士の接合部のみならず、繊維ロープ部が貫通している建築部材との接合部も含めて一体的に強固に接合補強することができる。
【００４１】
請求項１８に記載の発明は、木造建築物の駆体を構成する建築部材同士の接合部を補強する接合補強構造であって、前記建築部材のうちの一方から他方まで連通するボルト挿通孔が形成されるとともに、前記他方の建築部材には前記ボルト挿通孔と交差するピン挿通孔が形成され、前記一方の建築部材側から前記ボルト挿通孔に挿通されたボルトと、前記ピン挿通孔に挿通されたピンに形成された雌ネジ孔とが螺合されて、前記一方及び他方の建築部材の接合部が剛接合構造とされるとともに、高強度繊維がシート状に成形されてなる繊維シートが、前記接合部を跨いで前記建築部材間に配設され定着されていることを特徴とする。
【００４２】
このように、ボルトとピンとを螺合させることで建築部材同士を剛接合構造とするとともに、繊維シートで接合補強するようにしているので、簡易な構成で、接合部の接合強度、接合耐力を大幅に向上させることができる。
【００４３】
請求項１９に記載の発明は、請求項１８に記載の木造建築物の接合補強構造であって、前記他方の建築部材には、外面側から前記ボルト挿通孔の終端部まで通じるように切欠凹部が形成され、前記ボルト挿通孔から該切欠凹部内に突出する前記ボルトの先端側には、該ボルトの緩みを防止する緩み防止部材が設けられていることを特徴とする。
【００４４】
このようにしているので、ボルト挿通後に、切欠凹部内のボルト先端側に緩み防止部材を設けることができ、ボルトの緩みを的確に抑制することができる。
【００４５】
請求項２０に記載の発明は、請求項１８又は１９に記載の木造建築物の接合補強構造であって、前記ピン挿通孔は断面視円形状に形成されているとともに、前記ピンは円柱形状もしくは円筒形状とされていることを特徴とする。
【００４６】
このように、ピン挿通孔を断面視円形状に形成するとともに、ピンを円柱形状もしくは円筒形状としているので、ピン挿通孔とピンとの間に極度の応力集中が発生することが殆ど無く、建築部材にひび割れや変形等が発生するおそれを的確に抑制することができる。
【００４７】
請求項２１に記載の発明は、請求項２０に記載の木造建築物の接合補強構造であって、前記ピンの端面側には、該ピンを回動させるための工具を係合可能とする係合部が形成されていることを特徴とする。
【００４８】
このように、ピンの端面側に、ピンを回動させるための工具を係合可能とする係合部を形成しているので、ピン挿通孔に挿通されているピンを、工具を用いて周方向に容易に回動させることができ、雌ネジ孔とボルト挿通孔との周方向における位置合わせを容易に行うことができる。
【００４９】
請求項２２に記載の発明は、請求項１８〜２１の何れかに記載の木造建築物の接合補強構造であって、繊維方向が互いに異なる複数の前記繊維シートが、積層状態で配設されていることを特徴とする。
【００５０】
このように、繊維方向が互いに異なる複数の繊維シートを用いるようにしているので、各々の繊維シートの繊維方向に対して高い強度を発揮させることができ、複数方向に対して高い接合強度を得ることができる。
【００５１】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る木造建築物の接合補強材及び接合補強構造の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【００５２】
［第１の実施形態］
先ず、第１の実施形態について、図１乃至図４を用いて説明する。
図１（ａ）には、木造建築物の駆体を構成する建築部材同士の接合部を図示している。この図において、符号１は、この木造建築物の基礎を、符号２は、基礎１の上部に設けられた土台を、符号３は、土台２の上部に立設された柱（管柱）を、各々示している。なお、以下において「建築部材」とは、基礎、土台、柱、梁、あるいは筋交等といった、木造建築物の駆体を構成する部材を意味するものとする。つまり、土台、柱、梁、あるいは筋交等といった木質材は勿論、鉄筋コンクリート等から構成された基礎をも包含する意味である。
【００５３】
図１（ａ）に示すように、基礎１と土台２と柱３との接合部は、接合補強材２０によって接合補強（耐震補強）されている。この接合補強材２０は、接合部を跨いで基礎１と柱３との間に掛け渡され配設される長尺状の繊維シート（繊維部材）２１と、この繊維シート２１を基礎１、柱３に各々定着させる定着プレート（定着部材）２２と、を備えた構成となっている。
【００５４】
繊維シート２１は、接着剤によって基礎１から柱３までの外面に貼り付けられた状態で、配設されている。この繊維シート２１は、高強度繊維をシート状に成形したものであり、少なくとも長手方向には非常に高い強度を発揮できるようになっている。ここで用いる高強度繊維としては、鉄筋の引張強度と比較して５〜７倍程度の引張強度を有している繊維、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、金属繊維、ポリエステル繊維などが好ましい。このような高強度繊維を、プリプレグあるいは織物等に加工することで、容易にシート状とすることができる。
【００５５】
この繊維シート２１の長手方向の両端部側は、基礎１あるいは柱３と定着プレート２２との間に挟まれて、基礎１及び柱３各々に強固に固定されている。なお、繊維シート２１の中間部分には中間取付プレート２３が取り付けられており、この中間部分は、釘、ビス、ボルト等の固定部材２５によって、基礎１、土台２又は柱３と固定されている。この中間取付プレート２３は、要求される接合強度や、繊維シート２１の長さ等により、必要に応じて適宜設けるようにすればよい。
【００５６】
定着プレート２２は、鋼、アルミニウム合金あるいは強化プラスチック等の材料によって構成されている、平板状をなしたプレートであって、繊維シート２１の外面に配設されて、繊維シート２１の端部側を基礎１及び柱３の各々に定着させるものである。これら定着プレート２２には、釘、ビス、ボルト等の固定部材２５を通すために、表面側から裏面側へと貫通する孔２２ｈが複数形成されている。つまり、これら孔２２ｈから固定部材２５を打設して、定着プレート２２を繊維シート２１と一体として基礎１及び柱３の各々の外面側に取り付け、繊維シート２１を各々定着させることができるようになっている。
なお、これら定着プレート２２の幅は、繊維シート２１よりも幅が広くなっており、繊維シート２１との接触面積を広く確保できるようになっている。
【００５７】
なおここでは、釘、ビス、ボルト等といった、建築部材に打設する、あるいは建築部材柱に予め埋設しておくタイプの固定部材を用いるようにしているが、接着剤を固定部材として用いてもよい。この場合には、定着プレート２２に孔２２ｈは形成されていなくともよい。
【００５８】
この接合補強材２０を取り付ける際には、繊維シート２１を長手方向に緊張して、予め所定の張力を付与した状態としておいて、定着プレート２２によって、繊維シート２１の長手方向両端部側を基礎１又は柱３に定着させる。すなわち、繊維シート２１の外面側に配設した定着プレート２２の孔２２ｈから、固定部材２５を打ち込むことで、固定部材２５は繊維シート２１を貫通して基礎１内及び柱３内に進入し固定されるので、繊維シート２１は、定着プレート２２と一体となって基礎１及び柱３に強固に定着される。
【００５９】
本実施形態に係る木造建築物の接合補強材２０及びこれを用いた接合補強構造においては、接合部を跨いで基礎１と柱３との間に配設される長尺状の繊維部材としての繊維シート２１と、繊維シート２１を基礎１及び柱３に定着させる定着部材としての定着プレート２２と、を備えた構成としている。また、この接合補強材２０を用いた接合補強構造においては、繊維シート２１を基礎１から柱３までの外面側に張り渡して配設するるとともに、繊維シート２１の両端部側を、一対の定着プレート２１によって基礎１及び柱３に定着させるようにしている。そのため、基礎１と土台２、土台２と柱３との接合力を向上させることができ、これにより大地震発生時に基礎１と土台２との間、又は土台２と柱３との間の接合部が離間してしまうことを、的確に防止することができる。
【００６０】
すなわち、繊維シート２１の一端部側を基礎１に、他端部側を柱３に各々定着させて、基礎１から柱３に亘ってその外面側に繊維シート２１を張り渡すようにしているが、繊維シート２１は鉄筋の引張強度と比較して５〜７倍程度の引張強度を有しているため、従来のように金物により接合する場合と比較して、接合耐力を向上させることができる。
【００６１】
そして、接合補強材２０をこのような構成としているので、既存の木造建築物にも取り付けることができ、従来の金物取付のための解体範囲を少なくできるため、既存建築物の耐震改修工事にも適している。
【００６２】
また、高強度繊維をシート状に成形した繊維シート２１を繊維部材として用いているため、従来の金物と比較して引張力が作用したときの弾性変形量が多少大きくなるが、また弾性限度を超えた荷重に対しても破壊に至らず、各木質材の引抜力に耐えることができる。このため、大地震発生時に、木造建築物の瞬間的な倒壊を的確に阻止することができ、地震による被害の拡大を極力抑制することができる。加えて、シート状としているため、繊維シート２１巻いたり、捩ったり、曲げたりすることができ、取付作業等の施工を容易にすることができるとともに、施工後のメンテナンス等も容易に行うことができる。
【００６３】
更に、平板状をなして繊維シート２１の外面側に配設される定着プレート２２を定着部材として用い、釘、ビス、ボルト等の固定部材２５によって、定着プレート２２を基礎１及び柱３の外面側に繊維シート２１と一体となって取り付けるようにしているので、その施工が容易になる。このため、基礎１や柱３等を予め加工しておく必要がなく、また作業労力の軽減を図ることができるため、施工及び加工に伴うコストも低減することができる。
【００６４】
また、定着プレート２２は、鋼板以外のアルミニウムや合金、強化プラスチックにより構成することも可能であるので、製造コストを低減することができる。加えて、鋼板を用いた場合であって、定着プレート２２にメッキ処理した場合でも、曲げ・プレス加工で製造し、溶接部を設けないため、腐食しにくい。
【００６５】
更に、繊維シート２１に予め所定の張力を付与しているので、乾燥により土台２や柱３等が木痩せした場合でも、その変化に追従していくことができ、繊維シート２２が緩むのを防止することができる。この結果、木質材等の木痩せによる接合力の低下を防止することができる。
【００６６】
なおここでは、繊維シート２１よりも幅広となった定着プレート２２を用いるようにしているが、柱３等の幅と繊維シート２１の幅とが殆ど同じである場合等においては、図３及び図４に示すように、繊維シート２１の幅と略同一の幅を有する、より小型の定着プレート２２Ｂを用いるようにしても、差し支えない。この定着プレート２２Ｂは、幅と形状以外の点においては、上記定着プレート２２とほぼ同一の構成を有しているものである。
【００６７】
また、建築部材同士として、基礎１と柱３との接合部を接合補強するようにしているが、図１（ｂ）に示すように、上下の柱３と梁４との接合部を接合補強するために用いることもできる。この図において示すように、梁４には２つの柱３が組み付けられており、接合補強材２０は、一方の柱３から接合部を跨いで他方の柱３まで配設されている。すなわち、多数の木質材同士の接合部を接合補強し、接合強度を向上させることもできる。
【００６８】
更に、繊維シート２１を直線的に配設するようにしているが、図１９又は図２０に示すように、繊維シート２１を柱３等の外面側に螺旋状に巻回させて配設してもよい。この図においては、繊維シート２１の長手方向両端部側を、各々符号２１ａ，２１ｂとして示しており、定着部材２２の図示は省略している。このように、柱３等の外面側に繊維シート２１を螺旋状に巻き付けるようにすれば、多様な方向に対しての接合強度を高めることができ、より高い補強効果を得ることができる。
【００６９】
［第２の実施形態］
次に、第２の実施形態について、図５及び図６を用いて説明する。
なお、本実施形態においては、上記第１実施形態と共通する構成要素には、同一の符号を付して、その詳しい説明は省略することとする。
【００７０】
図５に示すように、基礎１と土台２と柱３との接合部は、接合補強材３０によって接合補強されている。この接合補強材３０は、接合部を跨いで基礎１と柱３との間に掛け渡され配設される長尺状の繊維シート（繊維部材）３１と、この繊維シート３１を基礎１、柱３に各々定着させる定着プレート（定着部材）３２と、を備えた構成となっている。
【００７１】
繊維シート３１は、接着剤によって基礎１から柱３までの外面に貼り付けられた状態で、配設されている。この繊維シート３１は、上記第１実施形態における繊維シート２１と同様、高強度繊維をシート状に成形したものであり、少なくとも長手方向には非常に高い強度を発揮できるようになっている。この繊維シート３１の長手方向の両端部側は、定着プレート３２によって、基礎１及び柱３の各々に強固に固定されている。なお、繊維シート３１の中間部分には中間取付プレート２３が取り付けられており、この中間部分は、釘、ビス、ボルト等の固定部材２５によって、中間取付プレート２３とともに基礎１、土台２又は柱３と固定されるようになっている。
【００７２】
定着プレート３２は、繊維シート３１を基礎１及び柱３の各々に定着させるもので、図６に示すように、平板状をなした第１プレート３３と、同じく平板状をなして第１プレート３３表面側に配設される第２プレート３４とからなる。これら第１プレート３３及び第２プレート３４は、鋼、アルミニウム合金あるいは強化プラスチック等の材料によって構成されている。
【００７３】
第１プレート３３は、繊維シート３１の端部側に若干の余長部分を残した状態で、繊維シート２１の外面に配設されている。繊維シート３１の余長部分は、第１プレート３３の端部からこの第１プレート３３の表面側へと折り返された折返部とされており、第２プレート３４によって第１プレート３３へと押圧されている。すなわち、繊維シート３１の折返部は、第１プレート３３と第２プレート３４との間に狭持されている。
【００７４】
また、第１プレート３３及び第２プレート３４には、釘、ビス、ボルト等の固定部材２５、２５Ｂを通すために、表面側から裏面側へと貫通する孔３３ｈ，３３ｉ，３４ｈ，３４ｉが、各々形成されている。すなわち、これら孔３３ｈ，３３ｉ，３４ｈ，３４ｉに固定部材２５，２５Ｂを通して、定着プレート３２を繊維シート３１と一体として基礎１及び柱３の各々の外面側に取り付け、繊維シート３１を各々定着させることができるようになっている。なおここでは、上下２箇所に形成された大径の孔３３ｈ，３４ｈに、基礎１又は柱３に埋め込まれたボルト（固定部材２５Ｂ）を通して、ナット締結により強固に固定するとともに、小径の孔３３ｉ，３４ｉから、基礎１又は柱３に、釘又はビス（固定部材２５）を打ち込むようにしているが、接着剤を固定部材として用いてもよい。この場合には、定着プレート３２に孔３３ｈ，３３ｉ，３４ｈ，３４ｉは形成されていなくともよい。
【００７５】
この接合補強材３０を取り付ける際には、第１プレート３３によって繊維シート３１の両側を基礎１又は柱３に各々押圧した後、繊維シート３１の端部側の余長部分を、第１プレート３３の表面側へと折り返す。つまり繊維シート３１を、第１プレート３３の裏面側と表面側の双方に位置させる。このとき、繊維シート３１の折返部に接着材を塗布して、繊維シート３１を第１プレート３３に接着させてもよい。
【００７６】
この繊維シート３１の折返部を覆うようにして、第２プレート３４を第１プレート３３に取り付け、固定部材２５，２５Ｂにより基礎１又は柱３に固定する。こうすることにより、繊維シート３１の折返部が第１プレート３１の表面に押圧されるとともに、第１プレート３３及び第２プレート３４は、固定部材２５，２５Ｂによって基礎１又は柱３の外面側に繊維シート３１と一体となって取り付けられる。
【００７７】
本実施形態に係る木造建築物の接合補強材３０及びこれを用いた接合補強構造においては、定着部材としての定着プレート３２が、平板状をなして繊維シート３１の外面側に配設される第１プレート３３と、第１プレート３３の表面側に折り返された繊維シート３１の端部側を第１プレート３３に押圧する第２プレート３４と、を備え、固定部材２５，２５Ｂによって基礎１及び柱３の外面側に繊維シート３１と一体となって取り付けられるようにしている。このため、上記第１実施形態におけると同様に、接合強度を向上させることができる。
【００７８】
とりわけこの接合補強材３０及びこれを用いた接合補強構造では、繊維シート３１の端部側を折り返し、この折返部を第１プレート３３と第２プレート３４との間に狭持するようにしているため、定着プレート３２と繊維シート３１との一体性を向上させることができ、基礎１と柱３との接合部の接合強度を更に向上させることができる。
【００７９】
［第３の実施形態］
次に、第３実施形態について、図７及び図８を用いて説明する。
なお、本実施形態においては、上記第１実施形態と共通する構成要素には、同一の符号を付して、その詳しい説明は省略することとする。
【００８０】
図７に示すように、基礎１と柱３との接合部は、接合補強材４０によって接合補強されている。この接合補強材４０は、接合部を跨いで基礎１と柱３との間に掛け渡され配設される長尺状の繊維シート（繊維部材）４１と、この繊維シート４１を基礎１、柱３に各々定着させる定着プレート（定着部材）４２と、を備えた構成となっている。なお、上記第１実施形態におけると同様に、繊維シート２１の中間に取り付けられる中間取付プレート２３を備えた構成としてもよい。
【００８１】
繊維シート４１は、接着剤によって基礎１から柱３までの外面に貼り付けられた状態で、配設されている。この繊維シート４１は、上記第１実施形態における繊維シート２１と同様、高強度繊維をシート状に成形したものであり、少なくとも長手方向には非常に高い強度を発揮できるようになっている。この繊維シート４１の長手方向の両端部側は、定着プレート４２によって、基礎１及び柱３の各々に強固に固定されている。なお、上記第１実施形態におけると同様に、繊維シート４１の中間部分に中間取付プレート２３を取り付け、この中間部分を基礎１、土台２又は柱３と固定させるようにしてもよい。
【００８２】
定着プレート４２は、繊維シート４１を基礎１及び柱３の各々に定着させるもので、鋼、アルミニウム合金あるいは強化プラスチック等の材料によって構成されている。図８に示すように、これら定着プレート４２には、繊維シート４１よりも広幅とされて表面側から裏面側へと貫通するスリット状の孔、つまり第１挿通孔（孔）４３ａ及び第２挿通孔４３ｂが、上下２箇所に形成されている。これら第１挿通孔４３ａ及び第２挿通孔４３ｂは、繊維シート４１を挿通させて、この繊維シート４１の一部を定着プレート４２の表面側へと導出させることを可能とするものである。また、第１挿通孔４３ａ及び第２挿通孔４３ｂの各開口縁には、繊維シート４１を引っ掛け、移動及びずれを阻止するための引掛部４３ｆが形成されている。
【００８３】
また、これら定着プレート４２には、釘、ビス、ボルト等の固定部材２５，２５Ｂを通すために、表面側から裏面側へと貫通する孔４２ｈ，４２ｉが複数形成されている。すなわち、これら孔４２ｈ、４２ｉに固定部材２５，２５Ｂを通すことで、定着プレート４２を繊維シート４１と一体として基礎１及び柱３の各々の外面側に取り付け、繊維シート４１を各々定着させることができるようになっている。なおここでは、上下２箇所に形成された大径の孔４２ｈに、基礎１又は柱３に埋め込まれたボルト（固定部材２５Ｂ）を通して、ナット締結により強固に固定するとともに、小径の孔４２ｉから基礎１又は柱３に、釘又はビス（固定部材２５）を打ち込むようにしているが、接着剤を固定部材として用いてもよい。この場合には、定着プレート４２に孔４２ｈ，４２ｉは形成されていなくともよい。
【００８４】
この接合補強材４０を取り付ける際には、定着プレート４２と基礎１、柱３との間に位置する、繊維シート４１の端部側の余長部分を、第１挿通孔４３ａに通して定着プレート４２の表面側に折返して導出させる。そして、この表面側に位置させた繊維シート４１の端部側を、第２挿通孔４３ｂに通して、再度定着プレート４２の裏面側に導入させる。つまり繊維シート４１を、定着プレート４２の裏面側と表面側との双方に位置させる。このとき、繊維シート４１の折返部に接着材を塗布して、繊維シート４１を定着プレート４２に接着させてもよい。
【００８５】
こうして、繊維シート４１を緊張させた状態としておいて、定着プレート４２によって繊維シート４１の両端部側を基礎１又は柱３に各々押圧するとともに、定着プレート４２を、固定部材２５Ｂを孔４２ｈに通すようにして、基礎１又は柱３に取り付ける。このとき、固定部材２５Ｂは繊維シート４１を貫通する。そして、固定部材２５Ｂのナット締結を行うとともに、孔４２ｉから固定部材２５を打ち込むことで、繊維シート４１は、定着プレート４２と一体となって基礎１及び柱３に強固に定着される。
【００８６】
本実施形態に係る木造建築物の接合補強材４０及びこれを用いた接合補強構造においては、定着プレート４２に、繊維シート４１を挿通させて定着プレート４２の表面側に折り返させる、スリット状の第１挿通孔４３ａと、折り返された繊維シート４１を更に裏面側に導入させる第２挿通孔４３ｂとを、形成するようにしている。このため、第１実施形態におけると同様に、接合強度を向上させることができる。
【００８７】
とりわけこの接合補強材４０及びこれを用いた接合補強構造では、繊維シート４１の端部側が第１挿通孔４３ａ及び第２挿通孔４３ｂに通された状態で、基礎１及び柱３の各々に定着固定されているため、地震が発生し繊維シート４１に引張力が作用した場合でも、繊維シート４１の定着プレート４２に対する移動やずれを的確に防止することができる。また、引掛部４３ｆが繊維シート４１に食い込むため、さらに繊維シート４１のずれ、ゆるみを的確に防止することができる。この結果、定着プレート４２と繊維シート４１との一体性が増し、接合強度をより向上させることができる。
【００８８】
［第４の実施形態］
次に、第４実施形態について、図９及び図１０を用いて説明する。
なお、本実施形態においては、上記第１実施形態と共通する構成要素には、同一の符号を付して、その詳しい説明は省略することとする。
【００８９】
図９に示すように、基礎１と柱３との接合部は、接合補強材５０によって接合補強されている。この接合補強材５０は、接合部を跨いで基礎１と柱３との間に掛け渡され配設される長尺状の繊維シート（繊維部材）５１と、この繊維シート５１を基礎１、柱３に各々定着させる定着プレート（定着部材）５２と、を備えた構成となっている。
【００９０】
繊維シート５１は、接着剤によって基礎１から柱３までの外面に貼り付けられた状態で、配設されている。この繊維シート５１は、上記第１実施形態における繊維シート２１と同様、高強度繊維をシート状に成形したものであり、少なくとも長手方向には非常に高い強度を発揮できるようになっている。この繊維シート５１の長手方向の両端部は、定着プレート５２によって、基礎１及び柱３の各々に強固に固定されている。なお、繊維シート５１の中間部分には中間取付プレート２３が取り付けられており、この中間部分は、釘、ビス、ボルト等の固定部材２５によって、中間取付プレート２３とともに基礎１、土台２又は柱３と固定されている。
【００９１】
定着プレート５２は、鋼、アルミニウム合金あるいは強化プラスチック等の材料によって構成されている、平板状をなしたプレートであって、繊維シート５１の外面に配設されて、繊維シート５１の端部側を基礎１及び柱３の各々に定着させるものである。これら定着プレート５２のほぼ中間部分には、この定着プレート５２を屈曲させることで裏面側から突出するように形成された、ダボ部５２ａが設けられている。このダボ部５２ａは、基礎１、柱３の外面側に形成された溝状の凹部である溝部（凹部）１ｇ、３ｇの各々と嵌合し、且つ、繊維シート５１の長手方向と交差する方向に延在する凸条とされ、繊維シート５１とともに溝部１ｇ、３ｇに挿入されるものである。すなわち繊維シート５１は、溝部１ｇ、３ｇの内面とダボ部５２ａの外面との間に狭持されるようになっている。
【００９２】
また、これら定着プレート５２には、釘、ビス、ボルト等の固定部材２５を通すために、表面側から裏面側へと貫通する孔５２ｈが複数形成されている。すなわち、これら孔５２ｈに固定部材２５を通すことで、定着プレート５２を繊維シート５１と一体として基礎１及び柱３の各々の外面側に取り付け、繊維シート５１を各々定着させることができるようになっている。なおここでは、上下計６箇所に形成された孔５２ｈから、基礎１又は柱３に、釘又はビス（固定部材２５）を打ち込むようにしているが、接着剤を固定部材として用いてもよい。この場合には、定着プレート５２に孔５２ｈは形成されていなくともよい。
【００９３】
この接合補強材５０を取り付ける際には、基礎１及び柱３の各定着位置に、ダボ部５２ａと嵌合する大きさを有する溝部１ｇ，３ｇを、繊維シート５１の長手方向と交差する方向に延在するようにして、予め形成しておく。そして、ダボ部５２ａと溝部１ｇ，３ｇとの間に繊維シート５１を位置させた状態としておき、定着プレート５２を押圧して、ダボ部５２ａを溝部１ｇ，３ｇ内に各々挿入し、孔５２ｈから固定部材２５を打ち込むことで、繊維シート５１は、定着プレート５２と一体となって基礎１及び柱３に強固に定着される。このとき、ダボ部５２ａは、溝部１ｇ，３ｇとの間に繊維シート５１を狭持した状態で溝部１ｇ，３ｇ内に固定されており、繊維シート５１は、屈曲又は湾曲されて溝部１ｇ，３ｇ内に固定されて、両端部側に緊張された状態で定着されることとなる。
【００９４】
本実施形態に係る木造建築物の接合補強材５０及びこれを用いた接合補強構造においては、定着プレート５２にダボ部５２ａを設けて、繊維シート５１とともに溝部１ｇ，３ｇ内に挿入させるようにしている。このため、上記第１実施形態におけると同様に、接合強度を向上させることができる。
【００９５】
とりわけこの接合補強材５０及びこれを用いた接合補強構造では、繊維シート５１を基礎１及び柱３に容易に定着させることができるとともに、繊維シート５１を緊張させるように屈曲又は湾曲させて溝部１ｇ，３ｇ内に固定させることができ、繊維シート５１に高い張力を加えることができるとともに、繊維シート５１を基礎１及び柱３により的確に定着させることができる。これにより、定着プレート５２と繊維シート５１との一体性が増し、接合強度をより向上させることができる。
【００９６】
［第５の実施形態］
次に、第５実施形態について、図１１及び図１２を用いて説明する。
なお、本実施形態においては、上記第１実施形態又は第４実施形態と共通する構成要素には、同一の符号を付して、その詳しい説明は省略することとする。
【００９７】
図１１に示すように、基礎１と柱３との接合部は、接合補強材６０によって接合補強されている。この接合補強材６０は、接合部を跨いで基礎１と柱３との間に掛け渡され配設される長尺状の繊維シート（繊維部材）６１と、この繊維シート６１を基礎１、柱３に各々定着させる定着プレート（定着部材）６２と、を備えた構成となっている。
【００９８】
繊維シート６１は、接着剤によって基礎１から柱３までの外面に貼り付けられた状態で、配設されている。この繊維シート６１は、上記第１実施形態における繊維シート２１と同様、高強度繊維をシート状に成形したものであり、少なくとも長手方向には非常に高い強度を発揮できるようになっている。この繊維シート６１の長手方向の両端部側は、定着プレート６２によって、基礎１及び柱３の各々に強固に固定されている。なお、繊維シート６１の中間部分には中間取付プレート２３が取り付けられており、この中間部分は、釘、ビス、ボルト等の固定部材２５によって、基礎１、土台２又は柱３と固定されている。
【００９９】
定着プレート６２は、鋼、アルミニウム合金あるいは強化プラスチック等の材料によって構成されている、平板状をなしたプレートであって、繊維シート６１の外面に配設されて、繊維シート６１の端部側を基礎１及び柱３の各々に定着させるものである。図１２（ａ）及び（ｂ）に示すように、これら定着プレート６２のほぼ中間部分には、この定着プレート６２を屈曲させることで裏面から外方へと突出するように形成された、ダボ部６２ａが設けられている。このダボ部６２ａは、基礎１、柱３の外面側に形成された溝部１ｇ、３ｇの各々と嵌合し、且つ、繊維シート６１の長手方向と交差する方向に延在する凸条とされ、繊維シート６１とともに溝部１ｇ、３ｇに挿入されるものである。すなわち繊維シート６１は、溝部１ｇ、３ｇの内面とダボ部６２ａの外面との間に狭持されるようになっている。
【０１００】
また、これら定着プレート６２には、繊維シート６１よりも広幅とされて表面側から裏面側へと貫通するスリット状の挿通孔（孔）６３が、ダボ部６２ａよりも端部側の位置に形成されている。この挿通孔６３は、繊維シート６１を挿通させて、この繊維シート６１の一部を定着プレート６２の表面側へと導出させることを可能とするものである。
【０１０１】
更に、これら定着プレート６２には、釘、ビス、ボルト等の固定部材２５を通すために、表面側から裏面側へと貫通する孔６２ｈが複数形成されている。すなわち、これら孔６２ｈに固定部材２５を通して、定着プレート６２を繊維シート６１と一体として基礎１及び柱３の各々の外面側に取り付け、繊維シート６１を各々定着させることができるようになっている。なおここでは、上下計８箇所に形成された孔６２ｈから基礎１又は柱３に、釘又はビス（固定部材２５）を打ち込むようにしているが、接着剤を固定部材として用いてもよい。この場合には、定着プレート６２に孔６２ｈは形成されていなくともよい。
【０１０２】
この接合補強材６０を取り付ける際には、基礎１及び柱３の各定着位置に、ダボ部６２ａと嵌合する大きさを有する溝部１ｇ，３ｇを、繊維シート６１の長手方向と交差する方向に延在するようにして、予め形成しておく。そして、定着プレート６２と基礎１、柱３との間に位置する繊維シート６１の端部側の余長部分を、挿通孔６３に通して定着プレート６２の表面側に導出させる。そして、この表面側に位置させた繊維シート６１の端部側を、定着プレート６２の端部から折り返して、再度定着プレート６２の裏面側に導入させる。つまり繊維シート６１を、定着プレート６２の裏面側と表面側との双方に位置させる。このとき、繊維シート６１の折返部に接着材を塗布して、繊維シート６１を定着プレート６２に接着させてもよい。
【０１０３】
次に、繊維シート６１を緊張させた状態としておいて、定着プレート６２を押圧して、ダボ部６２ａを溝部１ｇ，３ｇ内に各々挿入し、孔６２ｈから固定部材２５を打ち込むことで、繊維シート６１は、定着プレート６２と一体となって基礎１及び柱３に強固に定着される。このとき、ダボ部６２ａは、溝部１ｇ，３ｇとの間に繊維シート６１を狭持した状態で溝部１ｇ，３ｇ内に固定されており、繊維シート６１は、屈曲又は湾曲されて溝部１ｇ，３ｇ内に固定されて、両端部側に高い緊張力で緊張された状態で定着されることとなる。
【０１０４】
本実施形態に係る木造建築物の接合補強材６０及びこれを用いた接合補強構造においては、定着プレート６２に、繊維シート６１を挿通させて定着プレート６２の表面側に導出させる、スリット状の挿通孔６３を設けるとともに、ダボ部６２ａを設けて、繊維シート６１とともに溝部１ｇ，３ｇ内に挿入させるようにしている。このように、上記第３実施形態における接合補強材４０と第４実施形態における接合補強材５０との双方の特徴を併せ持った形態としているので、定着プレート６２と繊維シート６１との一体性を増すことができるとともに、繊維シート６１に高い張力を加えることができ、接合強度、接合耐力を大幅に向上させることができる。
【０１０５】
［第６の実施形態］
次に、第６実施形態について、図１３乃至図１６を用いて説明する。
なお、本実施形態においては、上記第１実施形態と共通する構成要素には、同一の符号を付して、その詳しい説明は省略することとする。
【０１０６】
図１３に示すように、基礎１と柱３との接合部は、接合補強材７０Ａによって接合補強されている。この接合補強材７０Ａは、接合部を跨いで基礎１と柱３との間に掛け渡され配設される長尺状の繊維シート（繊維部材）７１と、この繊維シート７１を基礎１、柱３に各々定着させる円柱ダボ（定着部材、ダボ）７２Ａと、を備えた構成となっている。なお、基礎１、柱３の各々の定着位置の外面側には、繊維シート７１の長手方向と交差する方向に延在するように溝部（凹部）１ｈ，３ｈが予め形成されている。
【０１０７】
繊維シート７１は、接着剤によって基礎１から柱３までの外面に貼り付けられた状態で、配設されている。この繊維シート７１は、上記第１実施形態における繊維シート２１と同様、高強度繊維をシート状に成形したものであり、少なくとも長手方向には非常に高い強度を発揮できるようになっている。この繊維シート７１の長手方向の両端部側は、円柱ダボ７２Ａによって、基礎１及び柱３の各々に強固に固定されている。なおここでは、繊維シート７１の中間部分には中間取付プレート２３が取り付けられており、この中間部分は、釘、ビス、ボルト等の固定部材２５によって、基礎１、土台２又は柱３と固定されるようになっている。
【０１０８】
円柱ダボ７２Ａは、木質材、金属あるいは強化プラスチック等の材料によって構成されている、略円柱形状をなしたダボであって、繊維シート７１の外面に配設されて、繊維シート７１の端部側を基礎１及び柱３の各々に定着させるものである。この円柱ダボ７２Ａは、基礎１、柱３の各々の外面側に形成された溝状の凹部である断面視略矩形状の溝部（凹部）１ｈ，３ｈに、繊維シート７１とともに溝部１ｈ，３ｈに挿入されるものである。すなわち繊維シート７１は、溝部１ｇ、３ｇの内面と円柱ダボ７２Ａの外面との間に狭持されるようになっている。
【０１０９】
この接合補強材７０Ａを取り付ける際には、基礎１及び柱３の各定着位置に、円柱ダボ７２Ａと嵌合する大きさを有する溝部１ｈ，３ｈを、繊維シート７１の長手方向と交差する方向に延在するようにして、予め形成しておく。そして、円柱ダボ７２Ａと溝部１ｈ，３ｈとの間に繊維シート７１を位置させた状態としておき、円柱ダボ７２Ａを押圧して、円柱ダボ７２Ａを溝部１ｈ，３ｈ内に各々挿入し、固定部材２５を打ち込むことで、繊維シート７１は、円柱ダボ７２Ａと一体となって基礎１及び柱３に強固に定着される。なお、接着剤を固定部材として用いて、円柱ダボ７２Ａ及び繊維シート７１を溝部１ｈ，３ｈに固定するようにしてもよい。
【０１１０】
このとき、円柱ダボ７２Ａは、溝部１ｈ，３ｈとの間に繊維シート７１を狭持した状態で溝部１ｈ，３ｈ内に固定されており、繊維シート７１は、屈曲又は湾曲されて溝部１ｈ，３ｈ内に固定されて、両端部側に緊張された状態で定着されることとなる。
【０１１１】
なお、接合補強材７０Ａに替えて、図１５及び図１６に示す接合補強材７０Ｂを用いるようにしてもよい。この接合補強材７０Ｂは、上記接合補強材７０Ａと比較して、円柱ダボ７２Ａの替わりに、角柱ダボ（定着部材、ダボ）７２Ｂを備えている点が異なっているのみである。
【０１１２】
これら角柱ダボ７２Ｂは、溝部１ｈ、３ｈの内面とほぼ隙間無く嵌合するように、略矩形状をなしている。この角柱ダボ７２Ｂを用いれば、繊維シート７１を、溝部１ｈ，３ｈの内面と角柱ダボ７２Ｂの外面とでほぼ隙間無く狭持することができ、繊維シート７１をより強固に基礎１及び柱３に定着させることができる。
【０１１３】
本実施形態に係る木造建築物の接合補強材７０Ａ、７０Ｂにおいては、定着部材を円柱ダボ７２Ａ又は角柱ダボ７２Ｂとして、基礎１又は柱３の外面側に形成された凹部としての溝部１ｈ，３ｈに、繊維シート７１とともに挿入されるようにしている。このため、繊維シート７１を容易に定着させることができるとともに、繊維シート７１を緊張させるように屈曲又は湾曲させて、溝部１ｈ，３ｈ内に固定させることができ、繊維シート７１に高い張力を加えることができるとともに、繊維シート７１を、基礎１及び柱３により的確に定着させることができる。
【０１１４】
また、接合補強材７０Ａを用いた接合補強構造においては、繊維シート７１の長手方向と交差する方向に延在するように溝部１ｈ，３ｈを形成しておき、略円柱形状をなす円柱ダボ７２Ａを用いて、溝部１ｈ，３ｈとの間に繊維シート７１を狭持した状態で溝部１ｈ，３ｈ内に挿入するようにしている。このため、溝部１ｈ，３ｈ内に容易に挿入することができ、繊維シート７１を好適に緊張させることができるとともに、円柱ダボ７２Ａには角隅部がないため、繊維シート７１に過度の応力集中が発生することを、的確に防止することができ、接合補強材７０Ａの耐久性をより高めることができる。
【０１１５】
更に、接合補強材７０Ｂを用いた接合補強構造においては、溝部１ｈ，３ｈと嵌合する略矩形状をなす角柱ダボ７２Ｂを用いるようにしているので、繊維シート７１を、溝部１ｈ，３ｈの内面と角柱ダボ７２Ｂの外面とでほぼ隙間無く狭持することができ、繊維シート７１をより強固に基礎１及び柱３に定着させることができ、接合補強材７０Ｂの信頼性をより高めることができる。
【０１１６】
なお、以上述べてきた第２乃至第６実施形態においては、基礎１と柱３との接合部を接合補強するようにしているが、上記第１実施形態において図１（ｂ）に示したと同様に、多数の木質材同士の接合部を接合補強するために用いることもできる。また、図１９又は図２０において示したように、繊維シートを柱３等の外面側に螺旋状に巻回させて配設することもできることは、言うまでもない。
【０１１７】
［第７の実施形態］
次に、第７実施形態について、図１７及び図１８を用いて説明する。
なお、本実施形態においては、上記第１及び第３実施形態と共通する構成要素には、同一の符号を付して、その詳しい説明は省略することとする。
【０１１８】
図１７に示すように、土台２と柱３との接合部は、接合補強材８０によって接合補強されている。この接合補強材８０は、接合部を跨いで土台２と柱３との間に掛け渡され配設される長尺状の繊維シート（繊維部材）８１と、この繊維シート８１を土台２、柱３に各々定着させる定着プレート（定着部材）８２、２２Ｂと、を備えた構成となっている。
【０１１９】
繊維シート８１は、接着剤によって土台２から柱３までの外面に貼り付けられた状態で、配設されている。この繊維シート８１は、上記第１実施形態における繊維シート２１と同様、高強度繊維をシート状に成形したものであり、少なくとも長手方向には非常に高い強度を発揮できるようになっている。この繊維シート８１の長手方向の両端部側は、定着プレート８２、２２Ｂによって、土台２及び柱３の各々に強固に固定されている。
【０１２０】
定着プレート８２は、鋼、アルミニウム合金あるいは強化プラスチック等の材料によって構成されている、側面視略Ｌ字形状をなしたプレートであって、土台２と柱３との角隅部における繊維シート８１の外面側に配設されて、繊維シート８１の端部側を土台２及び柱３に定着させるものである。この定着プレート８２は、平板が中間部分で屈曲されることで側面視略Ｌ字形状とされており、互いに略直交する第１板部８２ａ及び第２板部８２ｂと、屈曲部分としての角隅部を補強する角部材８２ｃと、が備えられている。
【０１２１】
この定着プレート８２には、釘、ビス、ボルト等の固定部材２５，２５Ｂを通すために、表面側から裏面側へと貫通する孔８２ｈ，８２ｉが複数形成されている。すなわち、これら孔８２ｈ、８２ｉに固定部材２５を通すことで、定着プレート８２を繊維シート８１と一体として土台２及び柱３の各々の外面側に取り付け、繊維シート８１を各々定着させることができるようになっている。なおここでは、第２板部８２ａに形成された大径の孔８２ｈに、土台２に埋め込まれたボルト（固定部材２５Ｂ）を通して、ナット締結により強固に固定するとともに、小径の孔８２ｉから土台２及び柱３に、釘又はビス（固定部材２５）を打ち込むようにしているが、接着剤を固定部材として用いてもよい。この場合には、定着プレート８２に孔８２ｈ，８２ｉは形成されていなくともよい。
【０１２２】
なお、図１７に示すように、定着プレート８２に筋交取付プレート８５を一体に取り付けて、筋交５も定着プレート８２に一体に固定するようにしてもよい。こうすれば、土台２と柱３と筋交５との接合部は、強固に接合補強されることとなる。
【０１２３】
本実施形態に係る木造建築物の接合補強材８０及びこれを用いた接合補強構造においては、略Ｌ字形状とされた定着プレート８２を用いて、土台２と柱３との角隅部における繊維シート８１を定着させるようにしている。このため、土台２と柱３との接合強度を向上させるとともに、これらの角隅部における剛性を高めて、互いの位置ずれや破損が発生することを的確に防止することができる。
【０１２４】
［第８の実施形態］
次に、第８実施形態について、図２１を用いて説明する。
本実施形態は、建築部材としての基礎と、その上部に設けられた土台、柱あるいは梁等といった建築部材としての木質材との接合部を補強する、接合補強構造に関するものである。なお、本実施形態においては、上記第１実施形態と共通する構成要素には、同一の符号を付して、その詳しい説明は省略することとする。
【０１２５】
図２１に示すように、基礎１は、鉄筋１ｒとコンクリート１ｃとから構成された、鉄筋コンクリート製となっている。この基礎１には、繊維シート９１の長手方向の下端部側（一端部側）が、埋設されることにより定着されている。この繊維シート９１は、基礎１の上部に設けられた土台、柱、梁あるいは筋交等といった木質材（図示省略）との接合部を接合補強するためのものであり、繊維シート９１の他端部側（上端部側）は、こうした木質材に定着されるようになっている。この図においては、繊維シートの下端部側（一端部側）を符号９１ａ、上端部側（他端部側）を符号９１ｂとして、各々示している。
【０１２６】
繊維シート９１は、上記第１実施形態における繊維シート２１と同様、高強度繊維をシート状に成形したものであり、少なくとも長手方向には非常に高い強度を発揮できるようになっている。この繊維シート９１の下端部側９１ａは、幅方向に分割されて繊維状とされ、鉄筋１ｒと強固に連結されている。この下端部側９１ａを含む繊維シート９１の下側の一部は、鉄筋１ｒの周囲に打設されたコンクリート１ｃに埋設されることで基礎１に定着されており、また上端部側９１ｂを含む繊維シート９１の上側の一部は、基礎１の外部に延出されている。この上端部側９１ｂが、基礎１の上部に設けられた木質材に定着されて、基礎１と木質材との接合部が接合補強される。
【０１２７】
この繊維シート９１を基礎１に定着させる際には、予め繊維シート９１の下端部側９１ａをほぐしておき、幅方向に分割させて繊維状としておく。そしてこの下端部側９１ａを、配筋された鉄筋１ｒに結束、巻回等することにより、鉄筋１ｒと連結させる。その後、鉄筋１ｒの周囲にコンクリート１ｃを打設し、固化・養生させる。こうすることにより、繊維シート９１の下側の一部が埋設された状態の基礎１が形成される。なおこのとき、繊維シート９１の上側の一部は、コンクリート１ｃの上部側から基礎１の外部に延出させた状態としておく。
【０１２８】
その後の施工により、基礎１の上部に木質材を配設した際に、定着部材（図示省略）を用いる等して、繊維シート９１の上端部側９１ｂを木質材に定着させる。こうすることにより、基礎１と、基礎１の上部に設けられた木質材との接合部は、両側が定着された繊維シート９１によって接合補強される。
なお、ここで用いる定着部材としては、上記第１乃至第７実施形態において用いる定着部材を、適宜用いることができる。
【０１２９】
本実施形態に係る接合補強構造においては、高強度繊維がシート状に成形されてなる繊維シート９１の下端部側９１ａが基礎１に埋設されているとともに、繊維シート９１の上端部側９１ｂが基礎１の外部に延出されて、基礎１の上部に設けられた木質材に定着されるようにしている。このようにしているので、繊維シート９１の下端部側をコンクリート１ｃと一体として基礎１に的確に固定させ定着させることができる。そのため、地震が発生した場合でも、基礎１と土台、柱、梁あるいは筋交等といった木質材との接合部の接合強度を、向上させることができる。また、繊維シート９１の周囲にコンクリート１ｃを打設するようにしているので、繊維シート９１が埋設された状態の基礎１を、容易に施工することができる。
【０１３０】
また、高強度繊維をシート状とした繊維シート９１を用いているため、施工性を良好とできるとともに、急激な耐力低下を防ぐことができ、終局破壊に至るまで耐力の維持ができるので、接合耐力を高いものとすることができる。
更に、高強度繊維は熱伝導製が極めて低いため、基礎１からの冷橋が木質材に殆ど伝わることがなく、木造建築物における結露の発生を極力防止することができる。
【０１３１】
更に、繊維シート９１の下端部側９１ａを鉄筋１ｒに連結しているので、繊維シート９１をより強固に基礎１に固定・定着させることができ、接合強度を更に向上させることができる。
【０１３２】
［第９の実施形態］
次に、第９実施形態について、図２２、図２４及び図２５を用いて説明する。なお、本実施形態においては、上記第１実施形態と共通する構成要素には、同一の符号を付して、その詳しい説明は省略することとする。
【０１３３】
図２２に示すように、基礎１と土台２と柱３との接合部は、接合補強材１００Ａによって接合補強されている。この接合補強材１００Ａは、接合部を跨いで基礎１と柱３との間に掛け渡され配設される長尺状の繊維部材１０１Ａと、この繊維部材１０１Ａを柱３に定着させる定着プレート（定着部材）１０２と、を備えた構成となっている。
【０１３４】
繊維部材１０１Ａは、上記第１実施形態における繊維シート２１におけると同様の高強度繊維から構成されており、図２２及び図２４に示すように、繊維ロープ部１０１ｒと繊維シート部１０１ｓとが、一体に連なった構成とされている。繊維シート部１０１ｓは、高強度繊維がシート状に成形された部分であり、また繊維ロープ部１０１ｒは、高強度繊維がロープ状に成形された部分である。この繊維ロープ部１０１ｒは、繊維シートを編み込む、あるいは結束すること等によって、容易に成形することができる。すなわちこの繊維部材１０１Ａは、上記各実施形態における繊維シートの一端部側をシート状として残しておき、他の部分をロープ状とした形態となっている。
【０１３５】
定着プレート１０２は、上記第１実施形態における定着プレート２２，２２Ｂと同様の構成となっており、固定部材２５によって柱３等に固定されるようになっている。なおここでは、定着部材としての定着プレート１０２を用いることとしているが、上記第２乃至第７実施形態において用いる定着部材を適宜用いるようにしても、差し支えない。
【０１３６】
土台２の接合部近傍位置には、上下方向に貫通する貫通孔２ｈが形成されているとともに、この貫通孔２ｈ内には、繊維ロープ部１０１ｒを挿通させるためのロープ挿通具１０３が取り付けられている。
【０１３７】
このロープ挿通具１０３は、図２５に示すように、長尺状のロープ挿通中空ボルト１０３ａと、この中空ボルト１０３ａの両端部側に螺合されるロープ固定中空ナット１０３ｂと、ロープ固定中空ナット１０３ｃと、から構成されている。ロープ挿通中空ボルト１０３ａは、長尺筒状をなして、少なくとも長手方向両端部側には、外周側及び内周側の各々にネジが形成されている。このロープ挿通中空ボルト１０３ａの外周側には、筒状をなす固定ナット１０３ｂが螺合され、また内周側には、筒状をなすロープ固定中空ナット１０３ｃが螺合されている。
【０１３８】
土台２の貫通孔２ｈの内径は、ロープ挿通中空ボルト１０３ａの外形に対応するように形成されており、貫通孔２ｈ内に挿入されたロープ挿通中空ボルト１０３ａの両端部側に固定ナット１０３ｂを各々螺合させ、土台２を上下方向から狭持することで、ロープ挿通中空ボルト１０３ａは貫通孔２ｈ内に固定されている。そして、ロープ挿通中空ボルト１０３ａ内に挿通された繊維ロープ部１０１ｒを、ロープ挿通中空ボルト１０３ａ端部に螺合させたロープ固定中空ナット１０３ｃで緊結しており、繊維ロープ部１０１ｒは土台２と強固に固定されている。
【０１３９】
繊維部材１０１Ａのうち、繊維ロープ部１０１ｒは、土台２に取り付けられたロープ挿通具１０３を貫通して、鉄筋コンクリート製の基礎１に埋設されている。この繊維ロープ部１０１ｒの下端部側１０１ａは、幅方向に分割されて繊維状とされ、基礎１内の鉄筋（図示省略）と連結されている。この下端部側１０１ａを含む繊維ロープ部１０１ｒの下側の一部は、鉄筋の周囲に打設されたコンクリートに埋設されることで基礎１に定着されており、また繊維シート部１０１ｓを含む繊維部材１０１Ａの上側の一部は、基礎１の外部に延出されている。そしてこの基礎１外部に延出されている繊維ロープ部１０１ｒは、ロープ挿通具１０３に挿通されて土台２を貫通し、その上部の繊維シート部１０１ｓは、固定部材２５によって定着プレート１０２と一体となって柱３の外面側に取り付けられ、定着されている。
【０１４０】
この繊維部材１０１Ａを基礎１に定着させる際には、予め繊維ロープ部１０１ｒの下端部側１０１ａをほぐしておき、幅方向に分割させて繊維状としておく。そしてこの下端部側１０１ａを、配筋された鉄筋に結束、巻回等することにより、鉄筋と連結させる。その後、鉄筋の周囲にコンクリートを打設し、固化・養生させる。こうすることにより、繊維ロープ部１０１ｒの下側の一部が埋設された状態の基礎１が形成される。なおこのとき、繊維部材１０１Ａの上側の一部は、コンクリートの上部側から基礎１の外部に延出させた状態としておく。
【０１４１】
その後の施工により、基礎１の上部に土台２を配設する際に、予め土台２に設けられたロープ挿通具１０３内に繊維部材１０１Ａを挿通させ、繊維シート部１０１ｓを土台２の上側に延出させて、定着プレート１０２及び固定部材２５を用いて、繊維シート部１０１ｓを柱３に定着させる。こうすることで、基礎１と土台２と柱３と接合部を、一体的に接合補強することができる。
【０１４２】
本実施形態に係る接合補強材１００Ａ及びこれを用いた接合補強構造においては、繊維ロープ部１０１ｒと繊維シート部１０１ｓとが一体に連なるように構成した繊維部材１０１Ａを用いるようにしている。このように、繊維部材１０１Ａが、高強度繊維をロープ状とした繊維ロープ部１０１ｒを有するようにしているため、土台２を貫通させて配設することを容易に行うことができるとともに、繊維シート部１０１ｓをも有するようにしているので、土台２から上側の柱３に定着させることも容易に行うことができる。このため、多様な施工に対応することができ。施工の自由度を高めることができる。
【０１４３】
また、繊維部材１０１Ａのうちの繊維ロープ部１０１ｒの側を基礎１に埋設するとともに、繊維シート部１０１ｓを上部の柱３に定着するようにしているので、繊維ロープ部１０１ｒの側をコンクリート１ｃと一体として基礎１に的確に固定させることができる。そのため、基礎１と土台２と柱３との接合部の接合強度を大幅に向上させることができる。
【０１４４】
更に、繊維ロープ部１０１ｒの下端部側１０１ａを鉄筋に連結するようにすれば、繊維部材１０１Ａをより強固に基礎１に固定・定着させることができ、接合強度を更に向上させることができる。
【０１４５】
［第１０の実施形態］
次に、第１０実施形態について、図２３を用いて説明する。
なお、本実施形態においては、上記第１実施形態または第９実施形態と共通する構成要素には、同一の符号を付して、その詳しい説明は省略することとする。
【０１４６】
図２３に示すように、下側の柱３と梁４と上側の柱３との接合部は、接合補強材１００Ｂによって接合補強されている。この接合補強材１００Ｂは、接合部を跨いで柱３と柱３との間に掛け渡され配設される長尺状の繊維部材１０１Ｂと、この繊維部材１０１Ｂを柱３に定着させる定着プレート（定着部材）１０２と、を備えた構成となっている。
【０１４７】
繊維部材１０１Ｂは、上記繊維部材１０１Ａと同様の高強度繊維から構成されており、繊維ロープ部１０１ｒと繊維シート部１０１ｓとが、一体に連なった構成とされている。上記繊維部材１０１Ａと異なる点は、長手方向両端部側に繊維シート部１０１ｓが形成されて中間部分が繊維ロープ部１０１ｒとなっている点である。
【０１４８】
梁４の接合部近傍位置には、上下方向に貫通する貫通孔４ｈが形成されているとともに、この貫通孔４ｈ内には、繊維ロープ部１０１ｒを挿通させるためのロープ挿通具１０３が取り付けられている。
【０１４９】
繊維部材１０１Ｂのうち、繊維ロープ部１０１ｒは、梁４に取り付けられたロープ挿通具１０３を貫通して、梁４の上下側に各々延出されている。そして、両端部側の繊維シート部１０１ｓは、固定部材２５によって定着プレート１０２と一体となって、上下の柱３の外面側に各々取り付けられ、定着されている。
【０１５０】
この繊維部材１０１Ｂを上下の柱３に定着させる際には、予め梁４に設けられたロープ挿通具１０３内に繊維部材１０１Ｂを挿通させ、繊維シート部１０１ｓを梁４の上下側に各々延出させるようにしておき、定着プレート１０２及び固定部材２５を用いて、繊維シート部１０１ｓを上下の柱３に各々定着させる。こうすることで、柱３同士の接合部のみならず、梁４との接合部も含めて一体的に強固に接合補強することができる。
【０１５１】
本実施形態に係る接合補強材１００Ｂ及びこれを用いた接合補強構造においては、繊維ロープ部１０１ｒの両端部側に繊維シート部１０１ｓを有する繊維部材１０１Ｂを用いるようにしているので、梁４を容易に貫通させることができるとともに、柱３の各々の外面側に、繊維部材１００Ｂの両端部側を各々容易に定着させることができ、より多様な施工に対応することができる。
【０１５２】
また、繊維ロープ部１０１ｒを、接合部近傍位置の梁４を貫通させて配設するようにしているとともに、繊維シート部１０１ｓを、一対の定着プレート１０２によって、両端部側の建築部材すなわち上下の柱３に各々定着させるようにしているので、上下の柱３同士の接合部のみならず、繊維ロープ部１０１ｒが貫通している梁４との接合部も含めて、一体的に強固に接合補強することができる。すなわち、多数の木質材同士の接合部を接合補強し、接合強度を向上させることができる。
【０１５３】
［第１１の実施形態］
次に、第１１実施形態について、図２６乃至図３８を用いて説明する。
本実施形態は、建築部材同士としての柱と梁との接合部を補強する、接合補強構造に関するものである。
【０１５４】
図２６及び図３４には、柱（一方の建築部材）１３と梁（他方の建築部材）１４とが略直交方向に組み付けられている接合部を示している。これら柱１３と梁１４との接合部は、ボルト１２１と円柱ピン（ピン）１２２Ａとが螺合していることにより、剛接合構造とされている。
【０１５５】
柱１３及び梁１４には、接合部を通って柱１３から梁１４まで連通する長尺状のボルト挿通孔１３ｈ，１４ｈが、梁１４の長手方向と略平行方向に延在するようにして、各々形成されている。これらボルト挿通孔１３ｈ，１４ｈには、柱１３側から長尺状のボルト１２１が挿通されている。
【０１５６】
梁１４には、ボルト挿通孔１３ｈ，１４ｈと略直交に交差するように、梁１４の横方向に延在するようにして、断面視略円形状をなす長尺状のピン挿通孔１４ｉが、上下２箇所に形成されている。これらピン挿通孔１４ｉは、少なくともボルト挿通孔１３ｈ，１４ｈよりも大径となっており、それに対応する径を有して円柱状をなす円柱ピン１２２Ａが各々挿通されている。このように、ピン挿通孔１４ｉ及び円柱ピン１２２Ａをともに断面視円形状としており、両者間に極度の応力集中が発生するおそれを殆ど無くすことができる。
【０１５７】
円柱ピン１２２Ａは、金属、強化プラスチック等から構成されており、ボルト挿通孔１４ｈに対応する位置に、円柱ピン１２２Ａを横方向に貫通する雌ネジ孔１２２ｈが形成されている。つまり、１つの円柱ピン１２２Ａには、２つの雌ネジ孔１２２ｈが形成されている。これら雌ネジ孔１２２ｈには、ボルト１２１が貫通して螺合されており、円柱ピン１２２Ａとボルト１２１は強固に連結されている。すなわち、柱１３から接合部を通って梁１４まで挿通されたボルト１２１を締め付けることにより、円柱ピン１２２Ａは柱１３側に緊張され、これにより梁１４と柱１３との間に強固な接合力が発生しており、両者は剛接合構造とされた状態となっている。
【０１５８】
また、梁１４には、梁１４の外面側からボルト挿通孔１４ｈの終端部まで通じるように、切欠凹部１５ａが形成されており、この切欠凹部１５ａ内には、円柱ピン１２２Ａを貫通したボルト１２１の先端側が突出している。このボルト１２１の突出部分には、ボルト１２２の緩みを防止するためのナット（緩み防止部材）１２３が螺合・緊結されている。こうした切欠凹部１５ａが形成されていることで、ボルト１２１を円柱ピン１２２Ａに螺合させた後、梁１４外面側からボルト１２１先端側にナット１２３を挿入・螺合させて、ボルト１２１の緩み止めを容易に行うことができる。なお、ナット１２３を螺合・緊結した後に、切欠凹部１５ａ内に接着剤等を充填・固化させるようにすれば、より高い緩み止め効果を得ることができる。
【０１５９】
図２６に示した柱１３と梁１４との接合部においては、梁１４の４隅の各々の内側にボルト１２１を挿通可能とし、横方向から挿通された円柱ピン１２２Ａと螺合させて、計４箇所で剛接合するようにしているが、柱１３と梁１４との接合部を剛接合構造とするには、こうした構成に限定されるものではない。他の変形例について、図２７乃至図３３に各々示す。
【０１６０】
図２７に示す接合部においては、梁１４の上下各１箇所の内側にボルト１２１を挿通可能として、計２箇所で剛接合するようにしている。この場合、ボルト挿通孔１３ｈ，１４ｈは、柱１３及び梁１４の横方向における中央部近傍に各々形成されており、２つの円柱ピン１２２Ａには、雌ネジ孔１２２ｈは各々１箇所形成されている。そしてこれに伴って切欠凹部（符号１５ｂ）は、梁１４の横方向中央部近傍の上下側から、平面視略矩形状の凹部をなして各々形成されている。
【０１６１】
図２８に示す接合部においては、梁１４の４隅の各々の内側にボルト１２１を挿通可能として、計４箇所で剛接合するようにしている点で、図２６に示した接合部と共通している。しかし、円柱ピン１２２Ａよりも加工が容易な円筒ピン（ピン）１２２Ｂを用いている点、及び切欠凹部（符号１５ｃ）が平面視略円形状の凹部をなして各々形成されている点、において異なっている。
【０１６２】
円筒ピン１２２Ｂは、材質等は上記円柱ピン１２２Ａと同様であるが、中空の円筒形状をなしている。この円筒ピン１２２Ｂのボルト挿通孔１４ｈに対応する位置には、円筒ピン１２２Ｂを横方向に貫通する雌ネジ孔１２２ｈ２が形成されている。このように中空の円筒形状をなしていることで、中実の円柱ピン１２２Ａの場合と比較して、雌ネジ孔１２２ｈ２をより容易に加工することができるとともに、より軽量化を図ることができる。なお、ボルト１２１を螺合させた後に、円筒ピン１２２Ｂ内に接着剤等を充填・固化させて、中実構造とするようにしてもよい。
【０１６３】
また、梁１４には、梁１４の外面側からボルト挿通孔１４ｈの終端部まで通じるように、切欠凹部１５ｃが形成されており、この切欠凹部１５ｃ内には、円筒ピン１２２Ｂを貫通したボルト１２１の先端側が突出している。この切欠凹部１５ｃは、上記切欠凹部１５ａよりも小型の平面視略円形状の凹部をなしており、ボルト１２１の緩み防止部材としての接着剤が、充填・固化されている。つまりここでは、ナット１２３を螺合させる必要がないので、梁１４への加工は、接着剤を充填・固化するに必要な最小限に止められている。
【０１６４】
図２９に示す接合部においては、図２７において用いた円柱ピン１２２Ａを、円筒ピン１２２Ｂに置き換えている。これら２つの円筒ピン１２２Ｂには、雌ネジ孔１２２ｈ２は、各々１箇所形成されている。
【０１６５】
図３０及び図３１に示す接合部においては、図２７において用いた円柱ピン１２２Ａを、円柱ピン１２２Ｃに置き換えている。図３０に示す剛接合構造と図３１に示す剛接合構造とは、梁１４に切欠凹部１５ｂが形成されているか否か、つまり緩み止め部材が設けられているか否かという点のみが異なっている。
【０１６６】
円柱ピン１２２Ｃは、基本構成は上記円柱ピン１２２Ａと同様となっており、ボルト挿通孔１４ｈに対応する位置に、円柱ピン１２２Ｃを横方向に貫通する雌ネジ孔１２２ｈ３が形成されている。円柱ピン１２２Ａと異なる点は、長手方向の端面側に、工具を係合可能とするための係合溝（係合部）１２２ｇが形成されている点である。
【０１６７】
断面視円形状のピン挿通孔１４ｉに、それに対応する径を有する円柱ピン１２２Ｃを挿通するようにしているので、円柱ピン１２２Ｃの挿通時において、円柱ピン１２２Ｃが周方向に摺動してしまうおそれがある。こうなると、雌ネジ孔１２２ｈ３とボルト挿通孔１４ｈとの周方向における位置合わせを、挿通後に行う必要がある。円柱ピン１２２Ｃにおいては、工具（図示省略）を係合溝１２２ｇに係合させて容易に回動させることができるので、円柱ピン１２２Ｃの挿入後に、雌ネジ孔１２２ｈ３とボルト挿通孔１４ｈとの周方向における位置合わせを、容易に行うことができる。なおここでの係合溝１２２ｇは、プラスドライバー等を係合可能なように略十字型に形成されているが、その形状等は特に限定されない。またここでは、係合部を溝部、つまり凹部としているが、例えばボルトの頭部のような凸部としてもよい。
【０１６８】
図３２及び図３３に示す接合部においては、梁１４の上下各１箇所の内側にボルト１２１を挿通可能として、計２箇所で剛接合するようにしている点で、図３０及び図３１に示した剛接合構造と共通している。しかし、梁１４の縦方向に延在するようにしてピン挿通孔１４ｉ２が１箇所に形成されており、円柱ピン１２２Ｃが縦方向に挿通されている点が異なる。図３２に示す剛接合構造と図３３に示す剛接合構造とは、梁１４に切欠凹部１５ｂが形成されているか否か、つまり緩み止め部材が設けられているか否かという点のみが異なっている。
【０１６９】
このように、柱１３と梁１４との接合部を剛接合構造とするには、様々な変形例があり、施工コストや施工期間、要求される接合強度や接合耐力等に応じて、その構成は適宜変更することができる。
【０１７０】
柱１３と梁１４とが剛接合構造とされたら、次に図３５乃至図３８に示すように、柱１３と梁１４との接合部を跨いで繊維シートを配設・定着して、更に接合補強を行う。これらの図においては、図２６において示した接合部を接合補強している場合を例にとって説明する。
【０１７１】
図３５には、繊維シート１２５Ａが、接着剤によって柱１３から梁１４までの外面に貼り付けられて配設されている状態について示している。この繊維シート１２５Ａは、上記第１実施形態における繊維シート２１と同様、高強度繊維をシート状に成形したものである。この繊維シート１２５Ａの繊維方向は、梁１４の延在方向と略平行方向とされており、この方向には非常に高い強度を発揮できるようになっている。つまり、梁１４の延在方向に作用する力に対して非常に高い強度を発揮でき、接合部の接合強度、接合耐力を向上させることができるようになっている。
【０１７２】
図３６には、上記繊維シート１２５Ａに加えて、繊維シート１２５Ｂが配設されている状態について示している。この繊維シート１２５Ｂは、上記繊維シート１２５Ａと同様の構成であるが、繊維方向が異なっているので、異なった符号を付しているものである。この繊維シート１２５Ｂの繊維方向は、柱１３の延在方向と略平行方向とされており、繊維シート１２５Ａの梁１４側に、積層状態で配設されている。つまり、梁１４の延在方向と柱１３の延在方向との２方向に作用する力に対して、非常に高い強度を発揮でき、さらに、梁１４のボルト挿通孔１４ｈからの割裂を防止することができ、図３５において示した例に比べて、接合部の接合強度、接合耐力を更に向上させることができるようになっている。
【０１７３】
図３７には、上記繊維シート１２５Ａに加えて、繊維シート１２５Ｃ，１２５Ｄが配設されている状態について示している。これら繊維シート１２５Ｃ，１２５Ｄは、上記繊維シート１２５Ａと同様の構成であるが、繊維方向が異なっているので、異なった符号を付しているものである。これら繊維シート１２５Ｃ，１２５Ｃの繊維方向は、柱１３の延在方向に対して各々±４５°傾斜した方向とされており、柱１３から梁１４にわたって積層状態で配設されている。つまり、梁１４の延在方向と、その方向から±４５°傾斜した方向との３方向に作用する力に対して、非常に高い強度を発揮でき、図３６において示した例に比べて、接合部の、特に柱１３と梁１４の曲げに対する接合強度、接合耐力を、更に向上させることができるようになっている。
【０１７４】
図３８には、上記繊維シート１２５Ａ，１２５Ｃ，１２５Ｄに加えて、上記繊維シート１２５Ｂが積層状態で配設されている状態について示している。つまり、梁１４の延在方向と、柱１３の延在方向と、その方向から±４５°傾斜した方向との４方向に作用する力に対して、非常に高い強度を発揮でき、図３７において示した例に比べて、接合部の接合強度、接合耐力を更に向上させることができるようになっている。
【０１７５】
このように、柱１３と梁１４との接合部を接合補強するには、様々な変形例があり、施工コストや施工期間、要求される接合強度や接合耐力等に応じて、その構成は適宜変更することができる。
【０１７６】
本実施形態に係る木造建築物の接合補強構造においては、柱１３から梁１４まで連通するボルト挿通孔１３ｈ，１４ｈが形成されるとともに、梁１４にはボルト挿通孔１４ｈと交差するピン挿通孔１４ｉが形成され、柱１３側からボルト挿通孔１３ｈ，１４ｈに挿通されたボルト１２１と、ピン挿通孔１４ｉに挿通されたピン１２２Ａ，１２２Ｂ，１２２Ｃに形成された雌ネジ孔１２２ｈ，１２２ｈ２，１２２ｈ３とが螺合されて、柱１３と梁１４との接合部が剛接合構造とされるとともに、繊維シート１２５Ａ，１２５Ｂ，１２５Ｃ，１２５Ｄが、接合部を跨いで柱１３と梁１４との間に配設され定着されるようにしている。このように、ボルト１２１とピン１２２Ａ，１２２Ｂ，１２２Ｃとを螺合させることで、柱１３と梁１４とを剛接合構造とするとともに、繊維シート１２５Ａ，１２５Ｂ，１２５Ｃ，１２５Ｄで接合補強するようにしているので、簡易な構成で、接合部の接合強度、接合耐力を大幅に向上させることができる。
【０１７７】
また、梁１４には、外面側からボルト挿通孔１４ｈの終端部まで通じるように切欠凹部１５ａ，１５ｂ，１５ｃを形成して、ボルト挿通孔１４ｈから切欠凹部内に突出するボルト１２１の先端側に、ボルト１２１の緩みを防止する、ナット１２３や接着剤等の緩み防止部材が設けられるようにしている。このため、ボルト１２１挿通後に、切欠凹部１５ａ，１５ｂ，１５ｃ内のボルト１２１先端側に、ナット１２３等の緩み防止部材を設けることができ、ボルト１２１の緩みを的確に抑制することができ、接合部の信頼性・耐久性を大幅に向上させることができる。
【０１７８】
更に、ピン挿通孔１４ｉ，１４ｉ２を断面視円形状に形成するとともに、ピンを、円柱ピン１２２Ａ，１２２Ｃのような円柱形状、もしくは円筒ピン１２２Ｂのような円筒形状としている。このため、ピン挿通孔１４ｉ，１４ｉ２とピン１２２Ａ，１２２Ｂ，１２２Ｃとの間に、極度の応力集中が発生することが殆ど無く、梁１４にひび割れや変形等が発生するおそれを的確に抑制することができ、接合強度を高めることができるとともに、木造建築物の耐久性を高めることができる。
【０１７９】
更に、円柱ピン１２２Ｃの端面側に、この円柱ピン１２２Ｃを回動させるための工具を係合可能とする係合溝１２２ｇを形成しているので、ピン挿通孔１４ｉ，１４ｉ２に挿通されている円柱ピン１２２Ｃを、工具を用いて周方向に容易に回動させることができ、雌ネジ孔１２２ｈ３とボルト挿通孔１４ｈとの周方向における位置合わせを容易に行うことができる。これにより、施工性を良好とでき、施工時間の短縮化を図ることができる。
【０１８０】
更に、繊維方向が互いに異なる繊維シート１２５Ａ，１２５Ｂ，１２５Ｃ，１２５Ｄが、積層状態で配設されるようにしているので、各々の繊維シート１２５Ａ，１２５Ｂ，１２５Ｃ，１２５Ｄの繊維方向に対して高い強度を発揮させることができ、複数方向に対して高い接合強度、接合耐力を得ることができる。
【０１８１】
以上述べたように、本発明に係る接合補強材及び接合補強構造の各実施形態においては、既存の建築金物にはない靭性に富んだ接合耐力を得ることができる。すなわち、繊維部材を備えているため、地震時の水平荷力による初期の弾性変形量が多少大きくなるが、弾性限度を超えた荷重が作用した場合でも、耐力を維持し続けて急激な耐力低下を防ぎ、仕口の破断・抜けを防止することができる。このため、既存建築金物にはない靭性に富んだ接合耐力が得られ、耐震性及び靭性を向上させることができ、木造建築物の急激な倒壊を防ぐことができる。
【０１８２】
また、既存建築金物の取付けに要した木材加工を大幅に少なくでき、使用木質材の断面欠損が少なくなる。さらに、その欠損部に接着剤を充填することもできるため、欠損による耐力低下を補うことができる。
【０１８３】
更に、必要引抜き耐力が１５ＫＮ以下の場合は、定着部材を取り付けるための固定部材としてのボルトを省略して、ビスや釘、あるいは接着剤等で取付け可能であるため、施工性向上とコストダウンを可能とする。
【０１８４】
更に、基礎に定着部材を取り付ける場合、基礎のコンクリート打設前に予めアンカーボルトやビスの受け材をコンクリート内に埋設しておくことで、容易に取付できる。また、基礎内部に繊維部材の端部側を分割してコンクリートで固定できる構造を用いることで、さらに強固となり、基礎からの冷橋が繊維部材により木部に伝達されないため、結露が発生せず、木材の腐れを防止できる。
【０１８５】
更に、基礎への定着部材の取付けをケミカルアンカーボルト、オールアンカー、アンカービスなどを用いることができ、既存建築物の耐震改修・補強工事にも適し、施工のための解体部分を極力小さく出来るので、コストダウンが可能となる。
【０１８６】
更に、固定部材はプレス加工等で生産できるため、量産により安価に提供可能となる。さらに、固定部材の形状によっては、鋼板、アルミや合金、強化プラスチックなどの素材により押出し成形による製造も可能なため、さらに安価に提供できる。
【０１８７】
更に、既存建築金物に見られる溶接部分がないため、メッキ処理した場合でも、腐食しにくくすることができる。
【０１８８】
更に、接合補強材における両端側の定着部材と木質材とは、繊維部材を介して固定部材で固定されているので、既存建築金物のような冷橋の伝導がなく、結露が発生しないため、木質材の腐朽を発生させ難くすることができる。
【０１８９】
更に、既存のアンカーボルトなどとの併用の場合でも、繊維部材が木質材と定着部材との間に介在するため、結露の発生を抑制できる。
【０１９０】
更に、繊維部材をシート状又はロープ状としているので、巻き込んだり、捩ったり、曲げたり、戻したりすることが可能なため、定着部材への取付作業性を良好とし、さらに基礎の内側から柱等の内側へと巻き込んで取り付けることができるため、施工場所が限定されず、外壁材等の取付けの際に当該作業の支障とならないような構造とすることができる。
【０１９１】
更に、柱と梁との接合補強に、ボルトやピン等といった金物と、繊維シートとを併用することにより、その接合部の剛性を高め、剛接合構造つまり木質ラーメン構造とできるため、門型フレームによる一方向ラーメン建築物を提供することができる。これにより、大スパン化による大空間が木造でも可能となり、筋交などによる耐力壁もスパン方向には必要とならないため、施工性が良く、コストダウンとなる。
【０１９２】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る接合補強材及び接合補強構造においては、上記の如き構成を採用しているので、基礎、土台、柱あるいは梁等の建築部材同士の接合部を補強し、その接合耐力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の第１実施形態に係る接合補強材及び接合補強構造を示す図であって、（ａ）、（ｂ）ともに、接合補強材が建築部材に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図２】 図１における接合補強材の一部を拡大して示す図であって、（ａ）は斜視図、（ｂ）は側断面図である。
【図３】 本発明の第１実施形態に係る接合補強材及び接合補強構造における変形例を示す図であって、接合補強材が建築部材に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図４】 図３における接合補強材の一部を拡大して示す斜視図である。
【図５】 本発明の第２実施形態に係る接合補強材及び接合補強構造を示す図であって、接合補強材が建築部材に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図６】 図５における接合補強材の一部を拡大して示す図であって、（ａ）は斜視図、（ｂ）は側断面図である。
【図７】 本発明の第３実施形態に係る接合補強材及び接合補強構造を示す図であって、接合補強材が建築部材に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図８】 図７における接合補強材の一部を拡大して示す図であって、（ａ）は斜視図、（ｂ）は側断面図である。
【図９】 本発明の第４実施形態に係る接合補強材及び接合補強構造を示す図であって、接合補強材が建築部材に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図１０】 図９における接合補強材の一部を拡大して示す図であって、（ａ）は斜視図、（ｂ）は側断面図である。
【図１１】 本発明の第５実施形態に係る接合補強材及び接合補強構造を示す図であって、接合補強材が建築部材に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図１２】 図１１における接合補強材の一部を拡大して示す図であって、（ａ）は斜視図、（ｂ）は側断面図である。
【図１３】 本発明の第６実施形態に係る接合補強材及び接合補強構造を示す図であって、接合補強材が建築部材に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図１４】 図１３における接合補強材の一部を拡大して示す図であって、（ａ）は斜視図、（ｂ）は側断面図である。
【図１５】 本発明の第６実施形態に係る接合補強材及び接合補強構造における変形例を示す図であって、接合補強材が建築部材に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図１６】 図１５における接合補強材の一部を拡大して示す図であって、（ａ）は斜視図、（ｂ）は側断面図である。
【図１７】 本発明の第７実施形態に係る接合補強材及び接合補強構造を示す図であって、接合補強材が建築部材に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図１８】 図１７における接合補強材の一部を拡大して示す斜視図である。
【図１９】 本発明の第１実施形態に係る接合補強材及び接合補強構造を示す図であって、繊維補強材が建築部材に螺旋状に巻回された状態を示す斜視図である。
【図２０】 本発明の第１実施形態に係る接合補強材及び接合補強構造を示す図であって、繊維補強材が建築部材に螺旋状に巻回された状態を示す斜視図である。
【図２１】 本発明の第８実施形態に係る接合補強構造を示す図であって、繊維シートが基礎に埋設された状態を示す斜視図である。
【図２２】 本発明の第９実施形態に係る接合補強材及び接合補強構造を示す図であって、接合補強材が建築部材に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図２３】 本発明の第１０実施形態に係る接合補強材及び接合補強構造を示す図であって、接合補強材が建築部材に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図２４】 図２２における繊維部材の一部を拡大して示す斜視図である。
【図２５】 図２２におけるロープ挿通具を拡大して示す部分断面図である。
【図２６】 本発明の第１１実施形態に係る接合補強構造を示す図であって、柱と梁との接合部が剛接合構造とされた状態を示す斜視図である。
【図２７】 本発明の第１１実施形態に係る接合補強構造における変形例を示す図であって、柱と梁との接合部が剛接合構造とされた状態を示す斜視図である。
【図２８】 本発明の第１１実施形態に係る接合補強構造における他の変形例を示す図であって、柱と梁との接合部が剛接合構造とされた状態を示す斜視図である。
【図２９】 本発明の第１１実施形態に係る接合補強構造における更に他の変形例を示す図であって、柱と梁との接合部が剛接合構造とされた状態を示す斜視図である。
【図３０】 本発明の第１１実施形態に係る接合補強構造における更に他の変形例を示す図であって、柱と梁との接合部が剛接合構造とされた状態を示す斜視図である。
【図３１】 本発明の第１１実施形態に係る接合補強構造における更に他の変形例を示す図であって、柱と梁との接合部が剛接合構造とされた状態を示す斜視図である。
【図３２】 本発明の第１１実施形態に係る接合補強構造における更に他の変形例を示す図であって、柱と梁との接合部が剛接合構造とされた状態を示す斜視図である。
【図３３】 本発明の第１１実施形態に係る接合補強構造における更に他の変形例を示す図であって、柱と梁との接合部が剛接合構造とされた状態を示す斜視図である。
【図３４】 図２６における接合部を詳細に示す図であって、（ａ）は側面図、（ｂ）は正面図、（ｃ）は平面図である。
【図３５】 図２６における接合部を繊維シートによって接合補強した状態を示す図であって、（ａ）は側面図、（ｂ）は正面図、（ｃ）は平面図である。
【図３６】 図２６における接合部を繊維シートによって接合補強した状態を示す図であって、（ａ）は側面図、（ｂ）は正面図、（ｃ）は平面図である。
【図３７】 図２６における接合部を繊維シートによって接合補強した状態を示す図であって、（ａ）は側面図、（ｂ）は正面図、（ｃ）は平面図である。
【図３８】 図２６における接合部を繊維シートによって接合補強した状態を示す図であって、（ａ）は側面図、（ｂ）は正面図、（ｃ）は平面図である。
【符号の説明】
１ 基礎（建築部材）
１ｃ コンクリート
１ｒ 鉄筋
１ｇ 溝部（凹部）
１ｈ 溝部（凹部）
２ 土台（建築部材、木質材）
２ｈ 貫通孔
３ 柱（建築部材、木質材）
３ｇ 溝部（凹部）
３ｈ 溝部（凹部）
４ 梁（建築部材、木質材）
４ｈ 貫通孔
５ 筋交（建築部材、木質材）
１３ 柱（一方の建築部材）
１３ｈ ボルト挿通孔
１４ 梁（他方の建築部材）
１４ｈ ボルト挿通孔
１４ｉ ピン挿通孔
１５ａ，１５ｂ 切欠凹部
２０，２０Ｂ 接合補強材
２１ 繊維シート（繊維部材）
２２，２２Ｂ 定着プレート（定着部材）
２５，２５Ｂ 固定部材
３０ 接合補強材
３１ 繊維シート（繊維部材）
３２ 定着プレート（定着部材）
３３ 第１プレート
３４ 第２プレート
４０ 接合補強材
４１ 繊維シート（繊維部材）
４２ 定着プレート（定着部材）
４３ａ 第１挿通孔（孔）
４３ｂ 第２挿通孔
５０ 接合補強材
５１ 繊維シート（繊維部材）
５２ 定着プレート（定着部材）
５２ａ ダボ部
６０ 接合補強材
６１ 繊維シート（繊維部材）
６２ 定着プレート（定着部材）
６２ａ ダボ部
６３ 挿通孔（孔）
７０Ａ，７０Ｂ 接合補強材
７１ 繊維シート（繊維部材）
７２Ａ 円柱ダボ（定着部材、ダボ）
７２Ｂ 角柱ダボ（定着部材、ダボ）
８０ 接合補強材
８１ 繊維シート（繊維部材）
８２ 定着プレート（定着部材）
９１ 繊維シート
１００Ａ，１００Ｂ 接合補強材
１０１Ａ，１０１Ｂ 繊維部材
１０１ｓ 繊維シート部
１０１ｒ 繊維ロープ部
１０２ 定着プレート（定着部材）
１２１ ボルト
１２２Ａ 円柱ピン（ピン）
１２２ｈ 雌ネジ孔
１２２Ｂ 円筒ピン（ピン）
１２２ｈ２ 雌ネジ孔
１２２Ｃ 円柱ピン（ピン）
１２２ｈ３ 雌ネジ孔
１２２ｇ 係合溝（係合部）
１２３ ナット（緩み防止部材）
１２５Ａ，１２５Ｂ，１２５Ｃ，１２５Ｄ 繊維シート[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a joint reinforcing material and a joint reinforcing structure for reinforcing a joint portion of building members such as a foundation, a base, a pillar, or a beam constituting a wooden building body.
[0002]
[Prior art]
In recent years, with the implementation of the “Revision of Building Standards Act” and the “Promotion of Housing Quality Assurance” since the Great Hanshin-Awaji Earthquake, construction hardware is often used to reinforce the tensile strength of joints between pillars and foundations in wooden buildings. It was to be done.
[0003]
Conventional building hardware (not shown) attached to the joints of foundations, foundations, pillars, braces, etc. that make up a wooden building causes a particularly large earthquake, and the pulling force from this earthquake acts on the joints. In such a case, the joint may break. As a cause of this, in conventional metal joints, when a load exceeding the elastic limit is applied and the allowable deformation exceeds the allowable deformation, the joints of the foundation, foundation, column, brace, beam, etc. will come off due to the penetration of the wood or split fracture, and suddenly It is conceivable that the yield strength decreases.
[0004]
For this reason, in order to reinforce the tensile strength, it is standardized to attach a large hole down metal fitting (metal fitting) for 15KN or more to a column on which a particularly large tensile force acts during an earthquake. As an example of such a hole-down hardware, one described in Patent Document 1 is known.
[0005]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Laid-Open No. 10-147981
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, in order to attach such a large hole-down hardware, it must be fastened from the foundation, making construction difficult. In particular, it is difficult to apply to existing buildings, which increases costs. Moreover, since the said hole-down metal fitting is attached to the pillar with the bolt arrange | positioned in a vertical line, there exists a problem which becomes easy to produce the split fracture of a pillar at the time of an earthquake.
[0007]
In this way, with conventional joint hardware alone, it is easy to cause loosening of joints due to indentation, thinning due to drying, warping, twisting, etc., which is a drawback of wood materials, and also to break by split fracture, and when a large earthquake occurs However, there was a problem that the building could collapse due to breakage of pillars, beams and braces, or missing joints.
[0008]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and provides a joint reinforcing material and a joint reinforcing structure capable of reinforcing a joint portion between building members such as a foundation, a foundation, a column, or a beam, and improving the joint strength. The purpose is to provide.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
  The invention according to claim 1 is a joint reinforcing material that reinforces the joint portion between the building members constituting the body of the wooden building, and is disposed between the building members across the joint portion. It is configured to include a fiber member made of a scale-like high-strength fiber, and a fixing member that fixes the fiber member to the building member.The fiber member is disposed so as to be stretched to the outer surface side of the building member, and both ends of the fiber member are fixed to the building member by a pair of fixing members, and the fiber The member is composed of a fiber sheet in which high-strength fibers are formed into a sheet shape, and the fixing member is a fixing plate arranged in a flat plate on the surface side of the fiber sheet, and the building member is fixed by the fixing member. Attached to the outer surface side of the member integrally with the fiber sheetIt is characterized by that.
[0010]
Since it is set as such a structure, the joint strength of the junction part of building members, such as a foundation, a pillar, a beam, or a brace, can be raised, and joint yield strength can be improved. That is, when an earthquake occurs, a pulling force acts on each building member, and the joining at the joint portion between the building members tends to be released. However, a fiber member made of high-strength fibers is disposed between the building members across the joint, and this fiber member has a tensile strength five to seven times that of the reinforcing bar. Therefore, it is possible to improve the joint tensile strength as compared with the case of joining with a conventional hardware. For this reason, the joint yield strength of the joint part between building members, such as a foundation, a pillar, a beam, or a brace, can be improved, and joint strength can be raised.
As the high strength fiber, for example, glass fiber, carbon fiber, aramid fiber, metal fiber, polyester fiber and the like are preferable.
[0012]
  Also,Since the fiber member is a fiber sheet in which high-strength fibers are formed into a sheet shape, the amount of initial deformation when tension is applied is somewhat larger than that of conventional hardware, and the load exceeds the elastic limit. However, considering the amount of plastic deformation, it is possible to prevent a sudden decrease in the yield strength, and further to maintain the yield strength until the ultimate failure, so that the joining strength can be increased.
  Moreover, since the high strength fiber is made into a sheet shape, the workability can be improved. Therefore, it can arrange | position linearly so that it may be along the outer surface side of a building member, and it can also wind and arrange | position around the outer surface side, and can raise the freedom degree of construction.
  In addition, since the fixing plate is used to attach the fiber sheet integrally with the outer surface of the building member by the fixing member, the fiber member can be easily fixed and the fixing member side for fixing. Since the processing required for the construction can be greatly reduced, the cross-sectional defects of the building members can be reduced.
[0013]
  Claim2The invention according to claim 1 is a joint reinforcing material for a wooden building according to claim 1, wherein the fiber member isInstead of the one composed of the fiber sheet,High strength fiber is formed into a rope shape, One piece penetrating the building member joined to the building memberThe fiber rope portion and the fiber sheet portion in which the high-strength fiber is formed into a sheet shape are integrally connected.The fixing member has a flat plate shape and is a fixing plate disposed on the surface side of the fiber sheet portion, and is attached integrally to the fiber sheet portion on the outer surface side of the building member by a fixing member.It is characterized by that.
  Claims3The invention described in claim 12It is the joining reinforcement material of the wooden building described in 4, wherein the fiber sheet portion is provided on both ends in the longitudinal direction of the fiber rope portion.
[0014]
As described above, since the fiber member is integrally connected to the fiber rope portion and the fiber sheet portion, for example, it is possible to easily penetrate the building member or fix it on the outer surface side of the building member. It can be used for various constructions. The degree of freedom in construction can be increased.
Moreover, if the fiber sheet portion is provided on both ends of the fiber rope portion, the both ends of the fiber member can be easily fixed to the outer surface of the building member, respectively, and more various constructions can be handled. Can do.
[0017]
  Claim4The invention described in claim 11-3It is a joining reinforcement material for a wooden building according to any one of the above, wherein the fixing member isInstead of a flat plate having a fixing plate disposed on the surface side of the fiber sheet,A first plate arranged in a flat plate on the outer surface side of the fiber sheet or the fiber sheet portion, and an end side of the fiber sheet or the fiber sheet portion folded back on the surface side of the first plate The fixing plate includes a second plate that presses against the first plate, and is attached to the outer surface side of the building member integrally with the fiber sheet or the fiber sheet portion by a fixing member. .
[0018]
In this way, the fixing plate composed of the first plate and the second plate is used to sandwich the end side of the fiber sheet or the fiber sheet portion, so that the fiber sheet or the fiber sheet portion and the fixing plate are Can be made stronger and the fiber member can be more accurately fixed to the building member.
[0019]
  Claim5The invention described in claim 1Any one of 1-3A reinforcing member for joining a wooden building according to claim 1, wherein the fixing plate is formed with a slit-like hole through which the fiber sheet or the fiber sheet portion is inserted and folded to the surface side of the fixing plate. It is characterized by being.
[0020]
In this way, the fixing plate is provided with a hole so that the fiber sheet or the fiber sheet portion is inserted and folded back to the surface side of the fixing plate, so that high tension can be applied to the fiber member, and at the time of ultimate destruction Further maintenance of tensile strength can be made possible.
[0021]
  Claim6The invention described in claim 11-5It is a joining reinforcement material of the wooden building in any one of these, It protrudes from the back surface side in the said fixing plate, and the said fiber sheet or the said fiber sheet part is formed in the recessed part formed in the outer surface side of the said building member A dowel portion to be inserted is provided.
[0022]
As described above, the dowel portion is provided on the fixing plate and is inserted into the concave portion together with the fiber sheet or the fiber sheet portion, so that the fiber member can be easily fixed and the fiber member is tensioned. The fiber member can be bent or curved and fixed in the concave portion, high tension can be applied to the fiber member, and the fiber member can be more accurately fixed to the building member.
[0023]
  Claim7The invention described in claim 11-3It is a joining reinforcement material for a wooden building according to any one of the above, wherein the fixing member isInstead of a flat plate having a fixing plate disposed on the surface side of the fiber sheet,It is set as the dowel inserted with the said fiber sheet or the said fiber sheet part in the recessed part formed in the outer surface side of the said building member.
[0024]
In this way, the fixing member is used as a dowel to be inserted into the recess together with the fiber sheet or the fiber sheet portion, so that the fiber member can be easily fixed and bent or curved so as to tension the fiber member. It can be made to fix in a crevice, while being able to apply high tension to a fiber member, a fiber member can be fixed exactly by a building member.
[0025]
  Claim8The invention described in claim 11-5It is characterized by using the joint reinforcing material of the wooden building described in any of the above.
[0026]
As described above, the fiber member is arranged so as to be stretched over the outer surface side of the building member, and both end portions thereof are fixed to each building member. Since it is possible to improve the workability, it can be easily applied not only to a new construction but also to an existing building.
[0027]
  Claim9The invention described in claim 16It is a joint reinforcement structure using the joint reinforcement material of the wooden building according to, wherein the recess is a groove formed so as to extend in a direction intersecting the longitudinal direction of the fiber member, The dowel portion has a protruding line and is inserted into the groove portion with the fiber member sandwiched between the dowel portion and the groove portion.
[0028]
In this way, since the dowel portion having a protruding line provided on the fixing plate is inserted into the groove portion together with the fiber sheet or the fiber sheet portion, the groove portion is bent or curved so as to tension the fiber member. The fixing member and the fiber member can be more firmly integrated with each other.
[0029]
  Claim10The invention described in claim 17It is a joint reinforcement structure using the joint reinforcement material of the wooden building according to, wherein the recess is a groove formed so as to extend in a direction intersecting the longitudinal direction of the fiber member, The dowel has a substantially cylindrical shape, and is inserted into the groove portion with the fiber member sandwiched between the dowel.
[0030]
As described above, since the substantially cylindrical dowel is used, the fiber member can be easily inserted into the groove portion, and the fiber member can be suitably tensioned. It is possible to accurately prevent the occurrence of excessive stress concentration on the member.
[0031]
  Claim11The invention described in claim 17It is a joint reinforcement structure using the joint reinforcement material of the wooden building according to, wherein the recess is a groove formed so as to extend in a direction intersecting the longitudinal direction of the fiber member, The dowel has a substantially rectangular shape that fits into the groove, and is inserted into the groove with the fiber member sandwiched between the dowel.
[0032]
As described above, since the substantially rectangular dowel that fits into the groove portion is used, the fiber member can be held between the inner surface of the groove portion and the outer surface of the dowel with almost no gap, and the fiber member can be made stronger. It can be fixed to building members.
[0033]
  Claim12The invention described in claim 18-10The structure for joining and reinforcing wooden buildings according to any one of the above, wherein the fiber member is spirally wound around the outer surface of the building member.
[0034]
As described above, since the fiber member is spirally wound around the outer surface side of the building member, the bonding strength in various directions can be increased.
[0035]
  Claim13The invention described in the above is a joint reinforcement structure that reinforces the joint portion between the building members constituting the wooden building body, and one end portion side of the fiber sheet in which high-strength fibers are formed into a sheet shape,While being in a state of loosening the high-strength fiberIt is embedded in the foundation as the building member, and the other end side of the fiber sheet is extended to the outside of the foundation, and the other end side is fixed to a wooden material provided on the upper part of the foundation. It is characterized by that.
  Claims14The invention described in claim 113It is the joining reinforcement structure of the wooden building of description, Comprising: The one end part side of the said fiber sheet is connected with the reinforcing bar in the said foundation.
[0036]
In this way, one end side of the fiber sheet is embedded in the foundation and the other end side is fixed to the upper wooden material, so that the one end side of the fiber sheet is integrated with the concrete and accurately on the foundation. Can be fixed. Therefore, even when an earthquake occurs, it is possible to improve the joint strength of the joint portion between the foundation and a wooden material such as a base, a pillar, a beam, or a brace.
In addition, because it uses a fiber sheet in the form of a sheet of high-strength fibers, it is possible to improve the workability, prevent a sudden decrease in yield strength, and maintain the yield strength until ultimate failure, so the joint strength Can be high.
Furthermore, if one end part side of the fiber sheet is connected to the reinforcing bar, the fiber sheet can be more firmly fixed to the foundation, and the bonding strength can be further improved.
[0037]
  Claim15The invention described in claim 12It is a joint reinforcement structure using the joint reinforcement material of the wooden building according to claim 1, wherein the fiber rope part side of the fiber member is embedded in a reinforced concrete foundation as the building member, and The fiber sheet portion is extended to the outside of the foundation, and the fiber sheet portion is fixed to a wooden material provided on the upper portion of the foundation.
  Claims16The invention described in claim 115It is the joining reinforcement structure of the wooden building of description, Comprising: The edge part side of the said fiber rope part is connected with the reinforcing bar in the said foundation.
[0038]
In this way, the fiber rope part side of the fiber member is embedded in the foundation and the fiber sheet part is fixed to the upper woody material, so the fiber rope part side is integrated with the concrete as a foundation. It can be fixed accurately. Therefore, the joint strength of the joint portion between the foundation and the wooden material such as the base, the pillar, or the beam can be greatly improved.
In addition, since the fiber member has a fiber rope portion in which high-strength fibers are rope-shaped, for example, a wooden material such as a base is disposed so as to penetrate and can be easily fixed to a pillar or the like. It is possible to improve the workability.
Furthermore, if one end part side of the fiber sheet is connected to the reinforcing bar, the fiber sheet can be more firmly fixed in the foundation, and the bonding strength can be further improved.
[0039]
  Claim17The invention described in claim 13A joint reinforcement structure using the joint reinforcement material for a wooden building according to claim 1, wherein the fiber rope portion of the fiber member is disposed through the building member in the vicinity of the joint portion. The fiber sheet portion is fixed to each building member by a pair of fixing members.
[0040]
As described above, the fiber rope portion is arranged so as to penetrate the building member in the vicinity of the joint portion, and the fiber sheet portion is fixed to the building members on both ends by the pair of fixing members. Since it does in this way, not only the junction part of the building members of the both end parts side but also the junction part with the building member which the fiber rope part has penetrated can be integrally strongly reinforced.
[0041]
  Claim18The invention described in 1 is a joint reinforcement structure that reinforces a joint portion between building members constituting a drive unit of a wooden building, and a bolt insertion hole that communicates from one of the building members to the other is formed. In addition, a pin insertion hole intersecting the bolt insertion hole is formed in the other building member, a bolt inserted into the bolt insertion hole from the one building member side, and a pin inserted into the pin insertion hole And a fiber sheet formed by molding a high-strength fiber into a sheet shape, with the joint portion of the one and the other building member having a rigid joint structure. It is arrange | positioned and fixed between the said building members across the part, It is characterized by the above-mentioned.
[0042]
In this way, the building members are rigidly joined to each other by screwing the bolts and pins together, and the fiber sheets are joined and reinforced, so the joining strength and joining strength of the joining portion can be reduced with a simple configuration. It can be greatly improved.
[0043]
  Claim19The invention described in claim 118The wooden building joint reinforcing structure according to claim 1, wherein the other building member is formed with a notch recess extending from an outer surface side to the terminal end of the bolt insertion hole, and the notch recess from the bolt insertion hole. A loosening prevention member for preventing loosening of the bolt is provided on the tip side of the bolt protruding inward.
[0044]
Since it does in this way, a bolt can be provided in the bolt front end side in a notch crevice after bolt insertion, and loosening of a bolt can be controlled exactly.
[0045]
  Claim20The invention described in claim 118 or 19The structure for joining and reinforcing a wooden building according to claim 1, wherein the pin insertion hole is formed in a circular shape in cross section, and the pin is formed in a columnar shape or a cylindrical shape.
[0046]
In this way, the pin insertion hole is formed in a circular shape in cross section, and the pin is formed in a columnar shape or a cylindrical shape, so that there is almost no extreme stress concentration between the pin insertion hole and the pin, and the building member It is possible to accurately suppress the possibility of cracks and deformation.
[0047]
  Claim21The invention described in claim 120The structure for joining and reinforcing a wooden building according to claim 1, wherein an engaging portion is formed on an end face side of the pin so that a tool for rotating the pin can be engaged. .
[0048]
As described above, since the engaging portion that enables engagement with the tool for rotating the pin is formed on the end face side of the pin, the pin inserted through the pin insertion hole is surrounded by the tool. It can be easily rotated in the direction, and alignment of the female screw hole and the bolt insertion hole in the circumferential direction can be easily performed.
[0049]
  Claim22The invention described in claim 118-21A structure for joining and reinforcing a wooden building according to any one of the above, wherein a plurality of the fiber sheets having different fiber directions are arranged in a laminated state.
[0050]
As described above, since a plurality of fiber sheets having different fiber directions are used, a high strength can be exhibited in the fiber direction of each fiber sheet, and a high bonding strength can be obtained in a plurality of directions. be able to.
[0051]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
DESCRIPTION OF EMBODIMENTS Hereinafter, embodiments of a joint reinforcing material and a joint reinforcing structure for wooden buildings according to the present invention will be described with reference to the drawings.
[0052]
[First Embodiment]
First, a first embodiment will be described with reference to FIGS.
FIG. 1 (a) illustrates a joint portion between building members constituting a wooden building body. In this figure, reference numeral 1 denotes the foundation of this wooden building, reference numeral 2 denotes a base provided on the upper part of the base 1, and reference numeral 3 denotes a column (tube pillar) erected on the upper part of the base 2. , Each showing. In the following description, the “building member” means a member that constitutes a body of a wooden building, such as a foundation, a foundation, a column, a beam, or a bracing. In other words, it is meant to include foundations made of reinforced concrete as well as wooden materials such as foundations, columns, beams, bracing, etc.
[0053]
As shown in FIG. 1A, the joint portion of the foundation 1, the base 2, and the column 3 is joined and reinforced (seismic proof) by a joining reinforcing material 20. The joining reinforcing material 20 includes a long fiber sheet (fiber member) 21 disposed between the foundation 1 and the pillar 3 so as to straddle the joint, and the fiber sheet 21 as the foundation 1 and the pillar. 3 and a fixing plate (fixing member) 22 for fixing to each other.
[0054]
The fiber sheet 21 is disposed in a state where the fiber sheet 21 is adhered to the outer surface from the foundation 1 to the pillar 3 with an adhesive. The fiber sheet 21 is formed by molding high-strength fibers into a sheet shape, and can exhibit very high strength at least in the longitudinal direction. As high-strength fibers used here, fibers having a tensile strength of about 5 to 7 times the tensile strength of reinforcing bars, such as glass fibers, carbon fibers, aramid fibers, metal fibers, polyester fibers, etc. preferable. By processing such a high-strength fiber into a prepreg or a woven fabric, it can be easily formed into a sheet.
[0055]
Both ends in the longitudinal direction of the fiber sheet 21 are sandwiched between the foundation 1 or the pillar 3 and the fixing plate 22 and are firmly fixed to the foundation 1 and the pillar 3 respectively. An intermediate mounting plate 23 is attached to an intermediate portion of the fiber sheet 21, and this intermediate portion is fixed to the foundation 1, the base 2, or the pillar 3 by a fixing member 25 such as a nail, a screw, or a bolt. . The intermediate mounting plate 23 may be appropriately provided as necessary depending on the required bonding strength, the length of the fiber sheet 21, and the like.
[0056]
The fixing plate 22 is a flat plate made of a material such as steel, aluminum alloy, or reinforced plastic. The fixing plate 22 is disposed on the outer surface of the fiber sheet 21, and the end side of the fiber sheet 21 is disposed on the fixing plate 22. It is fixed to each of the foundation 1 and the pillar 3. These fixing plates 22 are formed with a plurality of holes 22h penetrating from the front surface side to the back surface side so that fixing members 25 such as nails, screws, and bolts can pass therethrough. That is, the fixing member 25 is driven through the holes 22h, and the fixing plate 22 is integrally attached to the fiber sheet 21 and attached to the outer surface side of each of the foundation 1 and the pillar 3, so that the fiber sheet 21 can be fixed. It has become.
The fixing plates 22 are wider than the fiber sheet 21 so that a wide contact area with the fiber sheet 21 can be secured.
[0057]
Here, a fixing member of a type such as a nail, a screw, a bolt, or the like that is placed on a building member or embedded in a building member column in advance is used, but an adhesive may be used as a fixing member. Good. In this case, the hole 22h may not be formed in the fixing plate 22.
[0058]
When attaching the joining reinforcing material 20, the fiber sheet 21 is tensioned in the longitudinal direction so that a predetermined tension is applied in advance, and both ends of the fiber sheet 21 in the longitudinal direction are based on the fixing plate 22. Fix to 1 or pillar 3. That is, by fixing the fixing member 25 from the hole 22h of the fixing plate 22 disposed on the outer surface side of the fiber sheet 21, the fixing member 25 penetrates the fiber sheet 21 and enters the foundation 1 and the pillar 3 to be fixed. Therefore, the fiber sheet 21 is firmly fixed to the foundation 1 and the pillar 3 integrally with the fixing plate 22.
[0059]
In the joint reinforcement material 20 of the wooden building and the joint reinforcement structure using the same according to the present embodiment, as a long fiber member disposed between the foundation 1 and the pillar 3 across the joint portion. The fiber sheet 21 and a fixing plate 22 as a fixing member for fixing the fiber sheet 21 to the foundation 1 and the pillar 3 are provided. Further, in the joint reinforcing structure using the joint reinforcing material 20, the fiber sheet 21 is disposed so as to be stretched over the outer surface side from the foundation 1 to the pillar 3, and both ends of the fiber sheet 21 are paired with a pair of the fiber sheet 21. The fixing plate 21 fixes the foundation 1 and the pillar 3. Therefore, it is possible to improve the bonding force between the foundation 1 and the foundation 2 and between the foundation 2 and the pillar 3, and thereby, between the foundation 1 and the foundation 2 or between the foundation 2 and the pillar 3 when a large earthquake occurs. It can prevent exactly that a part leaves | separates.
[0060]
That is, one end side of the fiber sheet 21 is fixed to the foundation 1 and the other end side is fixed to the pillar 3, and the fiber sheet 21 is stretched over the outer surface side from the foundation 1 to the pillar 3. Since the fiber sheet 21 has a tensile strength of about 5 to 7 times that of the reinforcing bar, it is possible to improve the bonding strength as compared to the case where the fiber sheet 21 is bonded with a metal as in the prior art. .
[0061]
And since the joining reinforcement material 20 has such a configuration, it can be attached to an existing wooden building, and the dismantling range for conventional hardware attachment can be reduced, so that it can also be used for seismic retrofitting of existing buildings. Is suitable.
[0062]
In addition, since the fiber sheet 21 formed from a high-strength fiber in the form of a sheet is used as a fiber member, the amount of elastic deformation when a tensile force is applied is somewhat larger than that of a conventional hardware. Even if it exceeds the load, it does not break and can withstand the pulling force of each wooden material. For this reason, when a large earthquake occurs, the instantaneous collapse of the wooden building can be accurately prevented, and expansion of damage caused by the earthquake can be suppressed as much as possible. In addition, since it is in the form of a sheet, the fiber sheet 21 can be wound, twisted, bent, etc., making it possible to easily perform installation work, etc., and easily perform maintenance after construction. Can do.
[0063]
Further, the fixing plate 22 that is flat and disposed on the outer surface side of the fiber sheet 21 is used as a fixing member, and the fixing plate 22 is fixed to the outer surface of the foundation 1 and the pillar 3 by a fixing member 25 such as a nail, a screw, or a bolt. Since the fiber sheet 21 is integrally attached to the side, the construction becomes easy. For this reason, it is not necessary to process the foundation 1, the pillar 3, etc. beforehand, and since the work labor can be reduced, the costs associated with construction and processing can also be reduced.
[0064]
Further, since the fixing plate 22 can be made of aluminum, an alloy, or reinforced plastic other than the steel plate, the manufacturing cost can be reduced. In addition, even when a steel plate is used, even when the fixing plate 22 is plated, it is not easily corroded because it is manufactured by bending and pressing and no weld is provided.
[0065]
Further, since a predetermined tension is applied to the fiber sheet 21 in advance, even when the base 2 or the pillar 3 is thinned by drying, the change can be followed and the fiber sheet 22 is loosened. Can be prevented. As a result, it is possible to prevent a decrease in bonding force due to thinning of the wood material or the like.
[0066]
Here, the fixing plate 22 which is wider than the fiber sheet 21 is used. However, in the case where the width of the pillar 3 and the like and the width of the fiber sheet 21 are almost the same, FIG. 3 and FIG. As shown in FIG. 4, a smaller fixing plate 22B having a width substantially the same as the width of the fiber sheet 21 may be used. The fixing plate 22B has substantially the same configuration as the fixing plate 22 except for the width and shape.
[0067]
In addition, as the building members, the joint portion between the foundation 1 and the column 3 is joined and reinforced. As shown in FIG. 1B, the joint portion between the upper and lower pillars 3 and the beam 4 is joined and reinforced. It can also be used to As shown in this figure, two pillars 3 are assembled to the beam 4, and the joining reinforcing material 20 is disposed from one pillar 3 to the other pillar 3 across the joint. That is, it is possible to reinforce joint portions between a large number of wood materials and improve joint strength.
[0068]
Furthermore, although the fiber sheet 21 is arranged linearly, as shown in FIG. 19 or FIG. 20, the fiber sheet 21 is arranged spirally wound around the outer surface side of the pillar 3 or the like. Also good. In this figure, both ends in the longitudinal direction of the fiber sheet 21 are indicated by reference numerals 21a and 21b, respectively, and the fixing member 22 is not shown. Thus, if the fiber sheet 21 is spirally wound around the outer surface side of the pillar 3 or the like, the bonding strength in various directions can be increased, and a higher reinforcing effect can be obtained.
[0069]
[Second Embodiment]
Next, a second embodiment will be described with reference to FIGS.
In the present embodiment, components common to those in the first embodiment are denoted by the same reference numerals, and detailed description thereof is omitted.
[0070]
As shown in FIG. 5, the joint portion of the foundation 1, the base 2, and the column 3 is joined and reinforced by a joining reinforcing material 30. The joining reinforcing material 30 includes a long fiber sheet (fibre member) 31 that is spanned and disposed between the foundation 1 and the pillar 3 across the joining portion, and the fiber sheet 31 that serves as the foundation 1 and the pillar. 3 and a fixing plate (fixing member) 32 for fixing each of the three.
[0071]
The fiber sheet 31 is disposed in a state where the fiber sheet 31 is attached to the outer surface from the foundation 1 to the pillar 3 with an adhesive. Like the fiber sheet 21 in the first embodiment, the fiber sheet 31 is obtained by molding high-strength fibers into a sheet shape, and can exhibit very high strength at least in the longitudinal direction. Both ends in the longitudinal direction of the fiber sheet 31 are firmly fixed to the foundation 1 and the pillars 3 by fixing plates 32. An intermediate mounting plate 23 is attached to an intermediate portion of the fiber sheet 31, and the intermediate portion is fixed to the foundation 1, base 2, or pillar 3 together with the intermediate mounting plate 23 by a fixing member 25 such as a nail, a screw, or a bolt. It is supposed to be fixed.
[0072]
The fixing plate 32 fixes the fiber sheet 31 to each of the foundation 1 and the pillar 3. As shown in FIG. 6, the first plate 33 having a flat plate shape and the first plate 33 having a flat plate shape are also used. It consists of the 2nd plate 34 arrange | positioned by the surface side. The first plate 33 and the second plate 34 are made of a material such as steel, aluminum alloy or reinforced plastic.
[0073]
The first plate 33 is disposed on the outer surface of the fiber sheet 21 in a state where a slight extra length is left on the end side of the fiber sheet 31. The extra length portion of the fiber sheet 31 is a folded portion that is folded back from the end of the first plate 33 toward the surface of the first plate 33, and is pressed against the first plate 33 by the second plate 34. ing. That is, the folded portion of the fiber sheet 31 is sandwiched between the first plate 33 and the second plate 34.
[0074]
Further, the first plate 33 and the second plate 34 have holes 33h, 33i, 34h, 34i penetrating from the front surface side to the back surface side in order to pass the fixing members 25, 25B such as nails, screws, bolts and the like. Each is formed. That is, the fixing plate 32 is integrated with the fiber sheet 31 through the fixing members 25 and 25B through the holes 33h, 33i, 34h, and 34i, and is attached to the outer surface side of each of the foundation 1 and the pillar 3 to fix the fiber sheet 31 respectively. Can be done. Here, the bolts (fixing member 25B) embedded in the foundation 1 or the pillar 3 are passed through the large-diameter holes 33h and 34h formed at the two upper and lower positions, and are firmly fixed by nut fastening, and the small-diameter holes 33i are fixed. , 34i, nails or screws (fixing member 25) are driven into the foundation 1 or the pillar 3, but an adhesive may be used as the fixing member. In this case, the holes 33h, 33i, 34h, and 34i may not be formed in the fixing plate 32.
[0075]
When attaching the joining reinforcing material 30, both sides of the fiber sheet 31 are pressed against the foundation 1 or the pillar 3 by the first plate 33, and then the extra length portion on the end side of the fiber sheet 31 is replaced with the first plate 33. Fold it back to the front side. That is, the fiber sheet 31 is positioned on both the back side and the front side of the first plate 33. At this time, the fiber sheet 31 may be bonded to the first plate 33 by applying an adhesive to the folded portion of the fiber sheet 31.
[0076]
The second plate 34 is attached to the first plate 33 so as to cover the folded portion of the fiber sheet 31 and fixed to the foundation 1 or the pillar 3 by the fixing members 25 and 25B. By doing so, the folded portion of the fiber sheet 31 is pressed against the surface of the first plate 31, and the first plate 33 and the second plate 34 are moved to the outer surface side of the foundation 1 or the column 3 by the fixing members 25 and 25B. The fiber sheet 31 is attached integrally.
[0077]
In the joint reinforcing material 30 for a wooden building and the joint reinforcing structure using the same according to the present embodiment, a fixing plate 32 as a fixing member is disposed on the outer surface side of the fiber sheet 31 in a flat plate shape. 1 plate 33, and a second plate 34 that presses the end side of the fiber sheet 31 folded back to the surface side of the first plate 33 against the first plate 33, and the foundation 1 and the pillar are fixed by the fixing members 25 and 25 </ b> B. 3 is attached to the fiber sheet 31 integrally with the outer surface side. For this reason, it is possible to improve the bonding strength as in the first embodiment.
[0078]
In particular, in the joint reinforcing material 30 and the joint reinforcing structure using the same, the end portion side of the fiber sheet 31 is folded back, and the folded portion is sandwiched between the first plate 33 and the second plate 34. Therefore, the integrity of the fixing plate 32 and the fiber sheet 31 can be improved, and the joint strength of the joint portion between the foundation 1 and the column 3 can be further improved.
[0079]
[Third Embodiment]
Next, a third embodiment will be described with reference to FIGS.
In the present embodiment, components common to those in the first embodiment are denoted by the same reference numerals, and detailed description thereof is omitted.
[0080]
As shown in FIG. 7, the joint between the foundation 1 and the column 3 is joined and reinforced by a joining reinforcing material 40. This joining reinforcing material 40 includes a long fiber sheet (fibre member) 41 that is spanned and disposed between the foundation 1 and the pillar 3 across the joining portion, and the fiber sheet 41 as the foundation 1 and pillar. 3 and a fixing plate (fixing member) 42 to be fixed respectively. In addition, it is good also as a structure provided with the intermediate attachment plate 23 attached to the middle of the fiber sheet 21 similarly to the said 1st Embodiment.
[0081]
The fiber sheet 41 is disposed in a state where the fiber sheet 41 is attached to the outer surface from the foundation 1 to the pillar 3 with an adhesive. Like the fiber sheet 21 in the first embodiment, the fiber sheet 41 is obtained by molding high-strength fibers into a sheet shape, and can exhibit very high strength at least in the longitudinal direction. Both ends in the longitudinal direction of the fiber sheet 41 are firmly fixed to the foundation 1 and the pillars 3 by fixing plates 42. As in the first embodiment, the intermediate attachment plate 23 may be attached to the intermediate portion of the fiber sheet 41 and the intermediate portion may be fixed to the foundation 1, the base 2, or the pillar 3.
[0082]
The fixing plate 42 fixes the fiber sheet 41 to each of the foundation 1 and the pillar 3 and is made of a material such as steel, aluminum alloy, or reinforced plastic. As shown in FIG. 8, these fixing plates 42 have slit-like holes that are wider than the fiber sheet 41 and penetrate from the front surface side to the back surface side, that is, the first insertion holes (holes) 43 a and the second insertion holes. Holes 43b are formed in two places at the top and bottom. The first insertion hole 43 a and the second insertion hole 43 b allow the fiber sheet 41 to be inserted, and a part of the fiber sheet 41 to be led out to the surface side of the fixing plate 42. Further, hooking portions 43f are formed at the opening edges of the first insertion hole 43a and the second insertion hole 43b to hook the fiber sheet 41 and prevent the movement and displacement.
[0083]
The fixing plate 42 is formed with a plurality of holes 42h and 42i penetrating from the front surface side to the back surface side in order to pass the fixing members 25 and 25B such as nails, screws and bolts. That is, by passing the fixing members 25 and 25B through the holes 42h and 42i, the fixing plate 42 is integrated with the fiber sheet 41 and attached to the outer surface side of each of the foundation 1 and the pillar 3, and the fiber sheet 41 is fixed. It can be done. Here, the bolts (fixing members 25B) embedded in the foundation 1 or the pillar 3 are passed through the large-diameter holes 42h formed in two places at the top and bottom, and are firmly fixed by nut fastening, and the foundations are opened from the small-diameter holes 42i. A nail or a screw (fixing member 25) is driven into 1 or the pillar 3, but an adhesive may be used as the fixing member. In this case, the holes 42h and 42i may not be formed in the fixing plate 42.
[0084]
When attaching the joint reinforcing member 40, the extra length portion on the end side of the fiber sheet 41 located between the fixing plate 42, the foundation 1, and the pillar 3 is passed through the first insertion hole 43a and the fixing plate. 42 is led back to the surface side. Then, the end portion side of the fiber sheet 41 positioned on the front surface side is passed through the second insertion hole 43 b and introduced again to the back surface side of the fixing plate 42. That is, the fiber sheet 41 is positioned on both the back side and the front side of the fixing plate 42. At this time, the fiber sheet 41 may be adhered to the fixing plate 42 by applying an adhesive to the folded portion of the fiber sheet 41.
[0085]
In this way, with the fiber sheet 41 in a tensioned state, both ends of the fiber sheet 41 are pressed against the foundation 1 or the pillars 3 by the fixing plate 42, and the fixing plate 42 is passed through the fixing member 25B through the hole 42h. Thus, it attaches to the foundation 1 or the pillar 3. At this time, the fixing member 25 </ b> B penetrates the fiber sheet 41. The fiber sheet 41 is firmly fixed to the foundation 1 and the pillar 3 integrally with the fixing plate 42 by fastening the nut of the fixing member 25B and driving the fixing member 25 through the hole 42i.
[0086]
In the joint reinforcing material 40 of a wooden building and the joint reinforcing structure using the same according to the present embodiment, a slit-shaped second member is inserted into the fixing plate 42 through the fiber sheet 41 and folded back to the surface side of the fixing plate 42. A first insertion hole 43a and a second insertion hole 43b through which the folded fiber sheet 41 is further introduced to the back surface side are formed. For this reason, as in the first embodiment, the bonding strength can be improved.
[0087]
In particular, in the joint reinforcing material 40 and the joint reinforcing structure using the same, the fiber sheet 41 is fixed to each of the foundation 1 and the column 3 in a state where the end side of the fiber sheet 41 is passed through the first insertion hole 43a and the second insertion hole 43b. Since they are fixed, even when an earthquake occurs and a tensile force acts on the fiber sheet 41, the movement and displacement of the fiber sheet 41 with respect to the fixing plate 42 can be accurately prevented. Moreover, since the hook part 43f bites into the fiber sheet 41, the fiber sheet 41 can be prevented from being further displaced and loosened. As a result, the integrity between the fixing plate 42 and the fiber sheet 41 is increased, and the bonding strength can be further improved.
[0088]
[Fourth Embodiment]
Next, 4th Embodiment is described using FIG.9 and FIG.10.
In the present embodiment, components common to those in the first embodiment are denoted by the same reference numerals, and detailed description thereof is omitted.
[0089]
As shown in FIG. 9, the joint between the foundation 1 and the column 3 is joined and reinforced by a joining reinforcing material 50. This joining reinforcing material 50 includes a long fiber sheet (fibre member) 51 that is spanned and disposed between the foundation 1 and the pillar 3 across the joining portion, and the fiber sheet 51 as the foundation 1 and pillar. 3 and a fixing plate (fixing member) 52 to be fixed to each other.
[0090]
The fiber sheet 51 is disposed in a state where the fiber sheet 51 is attached to the outer surface from the foundation 1 to the pillar 3 with an adhesive. Like the fiber sheet 21 in the first embodiment, the fiber sheet 51 is formed by forming high-strength fibers into a sheet shape, and can exhibit very high strength at least in the longitudinal direction. Both ends in the longitudinal direction of the fiber sheet 51 are firmly fixed to the foundation 1 and the pillars 3 by fixing plates 52. An intermediate mounting plate 23 is attached to an intermediate portion of the fiber sheet 51. The intermediate portion is fixed together with the intermediate mounting plate 23 together with the intermediate mounting plate 23 by a fixing member 25 such as a nail, a screw, or a bolt 3. And are fixed.
[0091]
The fixing plate 52 is a flat plate made of a material such as steel, aluminum alloy, or reinforced plastic, and is disposed on the outer surface of the fiber sheet 51, and the end side of the fiber sheet 51 is disposed on the fixing plate 52. It is fixed to each of the foundation 1 and the pillar 3. A dowel portion 52 a is formed at a substantially intermediate portion of the fixing plate 52 so as to protrude from the back surface side by bending the fixing plate 52. The dowel portion 52 a is fitted into each of the groove portions (recess portions) 1 g and 3 g which are groove-like recess portions formed on the outer surface side of the foundation 1 and the pillar 3, and intersects the longitudinal direction of the fiber sheet 51. And is inserted into the grooves 1 g and 3 g together with the fiber sheet 51. That is, the fiber sheet 51 is sandwiched between the inner surfaces of the groove portions 1g and 3g and the outer surface of the dowel portion 52a.
[0092]
The fixing plate 52 has a plurality of holes 52h penetrating from the front surface side to the back surface side so as to allow the fixing member 25 such as a nail, a screw, or a bolt to pass therethrough. That is, by passing the fixing member 25 through these holes 52h, the fixing plate 52 can be attached to the outer surface side of each of the foundation 1 and the pillar 3 integrally with the fiber sheet 51, and the fiber sheet 51 can be fixed. ing. Here, nails or screws (fixing members 25) are driven into the foundation 1 or the pillars 3 from the holes 52h formed at six places in the vertical direction, but an adhesive may be used as the fixing members. In this case, the hole 52 h may not be formed in the fixing plate 52.
[0093]
When attaching the joint reinforcing material 50, the groove portions 1 g and 3 g having a size to be fitted to the dowel portion 52 a are provided at the fixing positions of the foundation 1 and the pillar 3 in the direction intersecting the longitudinal direction of the fiber sheet 51. It is formed in advance so as to extend. Then, the fiber sheet 51 is positioned between the dowel portion 52a and the groove portions 1g and 3g, the fixing plate 52 is pressed, and the dowel portions 52a are inserted into the groove portions 1g and 3g, respectively, through the holes 52h. By driving the fixing member 25, the fiber sheet 51 is firmly fixed to the foundation 1 and the pillar 3 integrally with the fixing plate 52. At this time, the dowel portion 52a is fixed in the groove portions 1g and 3g with the fiber sheet 51 sandwiched between the groove portions 1g and 3g, and the fiber sheet 51 is bent or curved to be the groove portions 1g and 3g. It is fixed inside and fixed in a state where it is tensioned to both ends.
[0094]
In the joint reinforcing material 50 for a wooden building and the joint reinforcing structure using the same according to the present embodiment, the fixing plate 52 is provided with a dowel portion 52a and is inserted into the groove portions 1g and 3g together with the fiber sheet 51. Yes. For this reason, it is possible to improve the bonding strength as in the first embodiment.
[0095]
In particular, in the joint reinforcing material 50 and the joint reinforcing structure using the same, the fiber sheet 51 can be easily fixed to the foundation 1 and the pillar 3, and the fiber sheet 51 is bent or curved so as to be tensioned, thereby forming the groove portion 1g. , 3g, high tension can be applied to the fiber sheet 51, and the fiber sheet 51 can be accurately fixed to the foundation 1 and the column 3. Thereby, the integrity of the fixing plate 52 and the fiber sheet 51 is increased, and the bonding strength can be further improved.
[0096]
[Fifth Embodiment]
Next, 5th Embodiment is described using FIG.11 and FIG.12.
In the present embodiment, components common to those in the first embodiment or the fourth embodiment are denoted by the same reference numerals, and detailed description thereof is omitted.
[0097]
As shown in FIG. 11, the joint portion between the foundation 1 and the column 3 is joined and reinforced by a joining reinforcing material 60. This joining reinforcing material 60 includes a long fiber sheet (fibre member) 61 that is disposed between the foundation 1 and the pillar 3 so as to straddle the joining portion, and the fiber sheet 61 is used as the foundation 1 and the pillar. 3 and a fixing plate (fixing member) 62 for fixing to each other.
[0098]
The fiber sheet 61 is disposed in a state where the fiber sheet 61 is adhered to the outer surface from the foundation 1 to the pillar 3 with an adhesive. Like the fiber sheet 21 in the first embodiment, the fiber sheet 61 is formed by forming high-strength fibers into a sheet shape, and can exhibit very high strength at least in the longitudinal direction. Both ends in the longitudinal direction of the fiber sheet 61 are firmly fixed to the foundation 1 and the pillars 3 by fixing plates 62. An intermediate mounting plate 23 is attached to an intermediate portion of the fiber sheet 61, and this intermediate portion is fixed to the foundation 1, the base 2 or the pillar 3 by a fixing member 25 such as a nail, a screw, or a bolt. .
[0099]
The fixing plate 62 is a flat plate made of a material such as steel, aluminum alloy, or reinforced plastic, and is disposed on the outer surface of the fiber sheet 61 so that the end side of the fiber sheet 61 is disposed on the end side. It is fixed to each of the foundation 1 and the pillar 3. As shown in FIGS. 12A and 12B, a dowel portion formed so as to protrude outward from the back surface of the fixing plate 62 by bending the fixing plate 62 at a substantially intermediate portion thereof. 62a is provided. The dowel portion 62a is a ridge that fits with each of the groove portions 1g and 3g formed on the outer surface side of the foundation 1 and the pillar 3, and extends in a direction intersecting the longitudinal direction of the fiber sheet 61, The fiber sheet 61 is inserted into the grooves 1g and 3g. That is, the fiber sheet 61 is sandwiched between the inner surfaces of the groove portions 1g and 3g and the outer surface of the dowel portion 62a.
[0100]
The fixing plate 62 has a slit-like insertion hole (hole) 63 that is wider than the fiber sheet 61 and penetrates from the front surface side to the back surface side at a position closer to the end portion side than the dowel portion 62a. Has been. The insertion hole 63 allows the fiber sheet 61 to be inserted and a part of the fiber sheet 61 to be led out to the surface side of the fixing plate 62.
[0101]
Further, the fixing plate 62 has a plurality of holes 62h penetrating from the front surface side to the back surface side so that the fixing member 25 such as a nail, a screw, or a bolt can pass therethrough. In other words, the fixing plate 25 is integrated with the fiber sheet 61 through the fixing members 25 and attached to the outer surface sides of the foundation 1 and the column 3 so that the fiber sheets 61 can be fixed respectively. Here, nails or screws (fixing members 25) are driven into the foundation 1 or the pillars 3 from the holes 62h formed at eight places in the vertical direction, but an adhesive may be used as the fixing members. In this case, the hole 62h may not be formed in the fixing plate 62.
[0102]
When attaching the joint reinforcing member 60, the groove portions 1 g and 3 g having a size to be fitted to the dowel portion 62 a are provided at the fixing positions of the foundation 1 and the pillar 3 in the direction intersecting the longitudinal direction of the fiber sheet 61. It is formed in advance so as to extend. Then, the extra length portion on the end side of the fiber sheet 61 located between the fixing plate 62 and the foundation 1 and the pillar 3 is led to the surface side of the fixing plate 62 through the insertion hole 63. Then, the end portion side of the fiber sheet 61 positioned on the front surface side is folded back from the end portion of the fixing plate 62 and introduced again to the back surface side of the fixing plate 62. That is, the fiber sheet 61 is positioned on both the back side and the front side of the fixing plate 62. At this time, the fiber sheet 61 may be adhered to the fixing plate 62 by applying an adhesive to the folded portion of the fiber sheet 61.
[0103]
Next, in a state where the fiber sheet 61 is in a tensioned state, the fixing plate 62 is pressed, the dowel portions 62a are respectively inserted into the groove portions 1g and 3g, and the fixing member 25 is driven through the holes 62h. 61 is firmly fixed to the foundation 1 and the pillar 3 integrally with the fixing plate 62. At this time, the dowel portion 62a is fixed in the groove portions 1g and 3g with the fiber sheet 61 sandwiched between the groove portions 1g and 3g, and the fiber sheet 61 is bent or curved to be the groove portions 1g and 3g. It is fixed inside, and is fixed in a state in which it is tensioned with high tension on both end sides.
[0104]
In the joint reinforcing material 60 for a wooden building and the joint reinforcing structure using the same according to the present embodiment, a slit-like insertion that allows the fiber sheet 61 to be inserted into the fixing plate 62 and led to the surface side of the fixing plate 62. While providing the hole 63, the dowel part 62a is provided and it is made to insert in the groove parts 1g and 3g with the fiber sheet 61. FIG. Thus, since it has the form which has the characteristic of both the joining reinforcement material 40 in the said 3rd Embodiment, and the joining reinforcement material 50 in 4th Embodiment, the integrity of the fixing plate 62 and the fiber sheet 61 is increased. In addition, a high tension can be applied to the fiber sheet 61, and the bonding strength and bonding strength can be greatly improved.
[0105]
[Sixth Embodiment]
Next, a sixth embodiment will be described with reference to FIGS.
In the present embodiment, components common to those in the first embodiment are denoted by the same reference numerals, and detailed description thereof is omitted.
[0106]
As shown in FIG. 13, the joint portion between the foundation 1 and the column 3 is joined and reinforced by a joining reinforcing material 70A. 70 A of this joining reinforcement material is the elongate fiber sheet (fiber member) 71 spanning and arrange | positioned across the junction part between the foundation 1 and the pillar 3, and this fiber sheet 71 as the foundation 1, pillar. 3 is provided with a cylindrical dowel (fixing member, dowel) 72A to be fixed to each other. Grooves (concave portions) 1 h and 3 h are formed in advance on the outer surface sides of the fixing positions of the foundation 1 and the pillar 3 so as to extend in a direction intersecting the longitudinal direction of the fiber sheet 71.
[0107]
The fiber sheet 71 is disposed in a state where the fiber sheet 71 is adhered to the outer surface from the foundation 1 to the pillar 3 with an adhesive. Like the fiber sheet 21 in the first embodiment, the fiber sheet 71 is obtained by molding high-strength fibers into a sheet shape and can exhibit very high strength at least in the longitudinal direction. Both ends in the longitudinal direction of the fiber sheet 71 are firmly fixed to the foundation 1 and the pillars 3 by cylindrical dowels 72A. Here, an intermediate mounting plate 23 is attached to an intermediate portion of the fiber sheet 71, and this intermediate portion is fixed to the foundation 1, the base 2 or the pillar 3 by a fixing member 25 such as a nail, a screw, or a bolt. It has become so.
[0108]
The cylindrical dowel 72A is a dowel having a substantially cylindrical shape made of a material such as a wood material, metal, or reinforced plastic, and is disposed on the outer surface of the fiber sheet 71. Is fixed to each of the foundation 1 and the pillar 3. This cylindrical dowel 72A is formed into groove portions (concave portions) 1h and 3h, which are groove-shaped concave portions formed on the outer surface sides of the foundation 1 and the pillars 3 in a cross-sectional view, and into the groove portions 1h and 3h together with the fiber sheet 71. Is to be inserted. That is, the fiber sheet 71 is sandwiched between the inner surfaces of the groove portions 1g and 3g and the outer surface of the cylindrical dowel 72A.
[0109]
When attaching the joining reinforcing material 70A, the groove portions 1h and 3h having a size to be fitted to the cylindrical dowel 72A at the fixing positions of the foundation 1 and the pillar 3 in a direction intersecting with the longitudinal direction of the fiber sheet 71. It is formed in advance so as to extend. Then, the fiber sheet 71 is placed between the cylindrical dowel 72A and the groove portions 1h and 3h, the cylindrical dowel 72A is pressed, and the cylindrical dowel 72A is inserted into the groove portions 1h and 3h, respectively, and the fixing member 25 is pressed. The fiber sheet 71 is firmly fixed to the foundation 1 and the pillar 3 integrally with the cylindrical dowel 72A. In addition, you may make it fix the cylindrical dowel 72A and the fiber sheet 71 to the groove parts 1h and 3h using an adhesive agent as a fixing member.
[0110]
At this time, the cylindrical dowel 72A is fixed in the groove portions 1h and 3h with the fiber sheet 71 sandwiched between the groove portions 1h and 3h, and the fiber sheet 71 is bent or curved to be the groove portions 1h and 3h. It is fixed inside and fixed in a state where it is tensioned to both ends.
[0111]
In place of the joint reinforcing material 70A, a joint reinforcing material 70B shown in FIGS. 15 and 16 may be used. This joining reinforcing material 70B is different from the joining reinforcing material 70A only in that a prismatic dowel (fixing member, dowel) 72B is provided instead of the cylindrical dowel 72A.
[0112]
These prismatic dowels 72B have a substantially rectangular shape so as to be fitted to the inner surfaces of the grooves 1h and 3h with almost no gap. If this prismatic dowel 72B is used, the fiber sheet 71 can be sandwiched between the inner surfaces of the grooves 1h and 3h and the outer surface of the prismatic dowel 72B with almost no gap, and the fiber sheet 71 can be more firmly attached to the foundation 1 and the pillar 3. It can be fixed.
[0113]
In the joint reinforcing materials 70A and 70B of the wooden building according to the present embodiment, the fixing member is a cylindrical dowel 72A or a prismatic dowel 72B, and the grooves 1h and 3h as recesses formed on the outer surface side of the foundation 1 or the pillar 3 are used. The fiber sheet 71 is inserted. For this reason, the fiber sheet 71 can be easily fixed, and the fiber sheet 71 can be bent or curved so as to be tensioned and fixed in the grooves 1h and 3h, and a high tension is applied to the fiber sheet 71. In addition, the fiber sheet 71 can be accurately fixed by the foundation 1 and the pillar 3.
[0114]
Moreover, in the joint reinforcement structure using the joint reinforcement 70A, the groove portions 1h and 3h are formed so as to extend in the direction intersecting with the longitudinal direction of the fiber sheet 71, and a cylindrical dowel 72A having a substantially cylindrical shape is formed. The fiber sheet 71 is sandwiched between the groove portions 1h and 3h and inserted into the groove portions 1h and 3h. For this reason, it can be easily inserted into the grooves 1h and 3h, the fiber sheet 71 can be suitably tensioned, and the cylindrical dowel 72A has no corners, so excessive stress concentration on the fiber sheet 71. Occurrence can be prevented accurately, and the durability of the joint reinforcement 70A can be further increased.
[0115]
Further, in the joint reinforcing structure using the joint reinforcing material 70B, the rectangular sheet dowel 72B having a substantially rectangular shape that fits into the groove portions 1h and 3h is used, so that the fiber sheet 71 is attached to the inner surfaces of the groove portions 1h and 3h. And the outer surface of the prismatic dowel 72B with almost no gap, the fiber sheet 71 can be more firmly fixed to the foundation 1 and the pillar 3, and the reliability of the joint reinforcement 70B can be further improved. .
[0116]
In the second to sixth embodiments described above, the joint portion between the foundation 1 and the column 3 is joined and reinforced, but the same as that shown in FIG. 1B in the first embodiment. Moreover, it can also be used to join and reinforce joints between many wood materials. Moreover, as shown in FIG. 19 or FIG. 20, it is needless to say that the fiber sheet can be spirally wound around the outer surface of the column 3 or the like.
[0117]
[Seventh Embodiment]
Next, a seventh embodiment will be described with reference to FIGS. 17 and 18.
In the present embodiment, components common to those in the first and third embodiments are denoted by the same reference numerals, and detailed description thereof is omitted.
[0118]
As shown in FIG. 17, the joint portion between the base 2 and the pillar 3 is joined and reinforced by a joining reinforcing material 80. The joining reinforcing material 80 includes a long fiber sheet (fibre member) 81 that is disposed between the base 2 and the pillar 3 so as to straddle the joint portion, and the fiber sheet 81 is provided on the base 2 and the pillar. 3, fixing plates (fixing members) 82 and 22 </ b> B that are fixed to each other.
[0119]
The fiber sheet 81 is disposed in a state where the fiber sheet 81 is adhered to the outer surface from the base 2 to the pillar 3 with an adhesive. Like the fiber sheet 21 in the first embodiment, the fiber sheet 81 is obtained by molding high-strength fibers into a sheet shape, and can exhibit very high strength at least in the longitudinal direction. Both ends in the longitudinal direction of the fiber sheet 81 are firmly fixed to the base 2 and the pillars 3 by fixing plates 82 and 22B.
[0120]
The fixing plate 82 is made of a material such as steel, aluminum alloy, or reinforced plastic, and has a substantially L shape in side view. The fixing plate 82 has a fiber sheet 81 at the corners of the base 2 and the pillar 3. It is arrange | positioned at the outer surface side and fixes the edge part side of the fiber sheet 81 to the base 2 and the pillar 3. The fixing plate 82 is formed in a substantially L shape in side view by bending a flat plate at an intermediate portion, and includes a first plate portion 82a and a second plate portion 82b that are substantially orthogonal to each other, and corners as bent portions. And a corner member 82c for reinforcing the portion.
[0121]
The fixing plate 82 is formed with a plurality of holes 82h and 82i penetrating from the front surface side to the back surface side in order to allow the fixing members 25 and 25B such as nails, screws and bolts to pass therethrough. That is, by passing the fixing member 25 through these holes 82h and 82i, the fixing plate 82 is integrated with the fiber sheet 81 and attached to the outer surface side of each of the base 2 and the pillar 3, so that the fiber sheet 81 can be fixed respectively. It has become. Here, a bolt (fixing member 25B) embedded in the base 2 is passed through a large-diameter hole 82h formed in the second plate portion 82a to be firmly fixed by nut fastening, and the base 2 is connected from the small-diameter hole 82i. In addition, a nail or a screw (fixing member 25) is driven into the pillar 3, but an adhesive may be used as the fixing member. In this case, the holes 82h and 82i may not be formed in the fixing plate 82.
[0122]
As shown in FIG. 17, the bracing attachment plate 85 may be integrally attached to the fixing plate 82, and the bracing 5 may be fixed integrally to the fixing plate 82. If it carries out like this, the junction part of the base 2, the pillar 3, and the bracing 5 will be firmly joined and reinforced.
[0123]
In the joint reinforcement member 80 of the wooden building and the joint reinforcement structure using the same according to the present embodiment, the fibers at the corners of the base 2 and the pillar 3 are formed using the fixing plate 82 having a substantially L shape. The sheet 81 is fixed. For this reason, while improving the joint strength of the base 2 and the pillar 3, the rigidity in these corner parts can be improved, and it can prevent exactly that a mutual position shift and damage generate | occur | produce.
[0124]
[Eighth Embodiment]
Next, an eighth embodiment will be described with reference to FIG.
The present embodiment relates to a joint reinforcement structure that reinforces a joint portion between a foundation as a building member and a wood material as a building member such as a base, a pillar, or a beam provided on the foundation. In the present embodiment, components common to those in the first embodiment are denoted by the same reference numerals, and detailed description thereof is omitted.
[0125]
As shown in FIG. 21, the foundation 1 is made of reinforced concrete composed of reinforcing bars 1r and concrete 1c. The foundation 1 is fixed by embedding the lower end side (one end side) of the fiber sheet 91 in the longitudinal direction. This fiber sheet 91 is for joining and reinforcing a joint portion with a wooden material (not shown) such as a base, a pillar, a beam or a brace provided on the upper part of the foundation 1, and the other end of the fiber sheet 91. The part side (upper end side) is fixed to such a wood material. In this figure, the lower end part side (one end part side) of the fiber sheet is indicated by reference numeral 91a, and the upper end part side (other end part side) is indicated by reference numeral 91b.
[0126]
The fiber sheet 91 is formed by molding high-strength fibers into a sheet shape, like the fiber sheet 21 in the first embodiment, and can exhibit very high strength at least in the longitudinal direction. The lower end portion 91a of the fiber sheet 91 is divided in the width direction into a fiber shape, and is firmly connected to the reinforcing bar 1r. A part of the lower side of the fiber sheet 91 including the lower end side 91a is fixed to the foundation 1 by being embedded in the concrete 1c placed around the reinforcing bar 1r, and includes the upper end side 91b. A part of the upper side of the fiber sheet 91 is extended to the outside of the foundation 1. This upper end side 91b is fixed to the wood material provided on the upper portion of the foundation 1, and the joint portion between the foundation 1 and the wood material is joined and reinforced.
[0127]
When the fiber sheet 91 is fixed to the foundation 1, the lower end side 91a of the fiber sheet 91 is loosened in advance and is divided into a fiber shape in the width direction. And this lower end part side 91a is connected with the reinforcing bar 1r by binding, winding, etc. to the reinforcing bar 1r. Thereafter, concrete 1c is placed around the reinforcing bar 1r, and solidified and cured. By doing so, the foundation 1 in a state where a part of the lower side of the fiber sheet 91 is embedded is formed. At this time, a part of the upper side of the fiber sheet 91 is made to extend from the upper side of the concrete 1 c to the outside of the foundation 1.
[0128]
When the wood material is disposed on the upper portion of the foundation 1 by subsequent construction, the upper end side 91b of the fiber sheet 91 is fixed to the wood material by using a fixing member (not shown). By doing so, the joint portion between the foundation 1 and the wood material provided on the upper portion of the foundation 1 is joined and reinforced by the fiber sheet 91 fixed on both sides.
As the fixing member used here, the fixing member used in the first to seventh embodiments can be appropriately used.
[0129]
In the joint reinforcement structure according to the present embodiment, the lower end side 91a of the fiber sheet 91 formed by forming high-strength fibers into a sheet is embedded in the foundation 1, and the upper end side 91b of the fiber sheet 91 is the foundation. 1 is extended to the outside of 1 and fixed to a wood material provided on the upper part of the foundation 1. Since it is doing in this way, the lower end part side of the fiber sheet 91 can be accurately fixed and fixed to the foundation 1 integrally with the concrete 1c. Therefore, even when an earthquake occurs, it is possible to improve the joint strength of the joint portion between the foundation 1 and a wooden material such as a base, a column, a beam, or a brace. Moreover, since the concrete 1c is laid around the fiber sheet 91, the foundation 1 with the fiber sheet 91 embedded therein can be easily constructed.
[0130]
In addition, since the fiber sheet 91 made of high-strength fibers in sheet form is used, the workability can be improved, and a sudden decrease in the proof stress can be prevented, and the proof stress can be maintained until the ultimate failure. Yield strength can be increased.
Furthermore, since the high-strength fiber is extremely low in heat conduction, the cold bridge from the foundation 1 is hardly transmitted to the wooden material, and the occurrence of condensation in the wooden building can be prevented as much as possible.
[0131]
Furthermore, since the lower end side 91a of the fiber sheet 91 is connected to the reinforcing bar 1r, the fiber sheet 91 can be more firmly fixed and fixed to the foundation 1, and the bonding strength can be further improved.
[0132]
[Ninth Embodiment]
Next, a ninth embodiment will be described with reference to FIGS. In the present embodiment, components common to those in the first embodiment are denoted by the same reference numerals, and detailed description thereof is omitted.
[0133]
As shown in FIG. 22, the joint portion between the foundation 1, the base 2, and the column 3 is joined and reinforced by a joining reinforcing material 100 </ b> A. The joining reinforcing material 100A includes a long fiber member 101A that is disposed between the foundation 1 and the pillar 3 so as to straddle the joining portion, and a fixing plate that fixes the fiber member 101A to the pillar 3 ( Fixing member) 102.
[0134]
The fiber member 101A is composed of the same high-strength fibers as in the fiber sheet 21 in the first embodiment, and as shown in FIGS. 22 and 24, the fiber rope portion 101r and the fiber sheet portion 101s are integrated. It is configured to be connected to. The fiber sheet portion 101s is a portion in which high-strength fibers are formed into a sheet shape, and the fiber rope portion 101r is a portion in which high-strength fibers are formed into a rope shape. The fiber rope portion 101r can be easily formed by weaving or binding a fiber sheet. That is, the fiber member 101A has a form in which one end portion side of the fiber sheet in each of the above embodiments is left in a sheet shape and the other part is in a rope shape.
[0135]
The fixing plate 102 has the same configuration as the fixing plates 22 and 22B in the first embodiment, and is fixed to the pillar 3 or the like by the fixing member 25. Here, the fixing plate 102 as the fixing member is used. However, the fixing member used in the second to seventh embodiments may be appropriately used.
[0136]
A through hole 2h penetrating in the vertical direction is formed in the vicinity of the joint portion of the base 2 and a rope insertion tool 103 for inserting the fiber rope portion 101r is attached in the through hole 2h. Yes.
[0137]
As shown in FIG. 25, the rope insertion tool 103 includes a long rope insertion hollow bolt 103a, a rope fixing hollow nut 103b screwed to both ends of the hollow bolt 103a, and a rope fixing hollow nut 103c. And is composed of. The rope insertion hollow bolt 103a has a long cylindrical shape, and screws are formed on each of the outer peripheral side and the inner peripheral side at least on both ends in the longitudinal direction. A cylindrical fixing nut 103b is screwed to the outer peripheral side of the rope insertion hollow bolt 103a, and a cylindrical rope fixing hollow nut 103c is screwed to the inner peripheral side.
[0138]
The inner diameter of the through hole 2h of the base 2 is formed so as to correspond to the outer shape of the rope insertion hollow bolt 103a, and fixing nuts 103b are respectively provided at both ends of the rope insertion hollow bolt 103a inserted into the through hole 2h. The rope insertion hollow bolt 103a is fixed in the through hole 2h by screwing and holding the base 2 from above and below. The fiber rope portion 101r inserted into the rope insertion hollow bolt 103a is fastened by a rope fixing hollow nut 103c screwed to the end of the rope insertion hollow bolt 103a, and the fiber rope portion 101r is firmly attached to the base 2. It is fixed to.
[0139]
Of the fiber member 101 </ b> A, the fiber rope portion 101 r passes through the rope insertion tool 103 attached to the base 2 and is embedded in the reinforced concrete foundation 1. The lower end portion side 101a of the fiber rope portion 101r is divided into a fiber shape in the width direction, and is connected to a reinforcing bar (not shown) in the foundation 1. A part of the lower side of the fiber rope portion 101r including the lower end portion 101a is fixed to the foundation 1 by being embedded in concrete cast around the reinforcing bar, and a fiber including the fiber sheet portion 101s. A part of the upper side of the member 101 </ b> A extends to the outside of the foundation 1. The fiber rope portion 101r extending to the outside of the foundation 1 is inserted through the rope insertion tool 103 and penetrates the base 2, and the upper fiber sheet portion 101s is integrated with the fixing plate 102 by the fixing member 25. It is attached to the outer surface side of the pillar 3 and fixed.
[0140]
When fixing the fiber member 101A to the foundation 1, the lower end portion 101a of the fiber rope portion 101r is loosened in advance and divided into a fiber shape in the width direction. And this lower end part side 101a is connected with a reinforcing bar by bundling, winding, etc. to the reinforcing bar. After that, concrete is placed around the reinforcing bars and solidified and cured. By doing so, the foundation 1 in a state where a part of the lower side of the fiber rope portion 101r is embedded is formed. At this time, a part of the upper side of the fiber member 101A is made to extend from the upper side of the concrete to the outside of the foundation 1.
[0141]
When the base 2 is disposed on the upper part of the foundation 1 by subsequent construction, the fiber member 101A is inserted into the rope insertion tool 103 provided in advance on the base 2, and the fiber sheet portion 101s is extended to the upper side of the base 2. The fiber sheet portion 101 s is fixed to the pillar 3 by using the fixing plate 102 and the fixing member 25. By carrying out like this, the foundation 1, the base 2, the pillar 3, and a junction part can be integrally joined and reinforced.
[0142]
In the joint reinforcing material 100A according to the present embodiment and the joint reinforcing structure using the same, the fiber member 101A configured so that the fiber rope portion 101r and the fiber sheet portion 101s are integrally connected is used. Thus, since the fiber member 101A has the fiber rope portion 101r in which the high-strength fiber is formed into a rope shape, the fiber member 101A can be easily disposed through the base 2, and the fiber sheet. Since the portion 101s is also included, the fixing from the base 2 to the upper pillar 3 can be easily performed. For this reason, it can respond to various constructions. The degree of freedom in construction can be increased.
[0143]
Further, since the fiber rope portion 101r side of the fiber member 101A is embedded in the foundation 1, and the fiber sheet portion 101s is fixed to the upper column 3, the fiber rope portion 101r side is made of concrete 1c. It can be accurately fixed to the foundation 1 as a unit. Therefore, the joint strength of the joint part of the foundation 1, the base 2, and the pillar 3 can be significantly improved.
[0144]
Furthermore, if the lower end side 101a of the fiber rope portion 101r is connected to the reinforcing bar, the fiber member 101A can be more firmly fixed and fixed to the foundation 1, and the bonding strength can be further improved.
[0145]
[Tenth embodiment]
Next, a tenth embodiment will be described with reference to FIG.
In the present embodiment, components common to those in the first embodiment or the ninth embodiment are denoted by the same reference numerals, and detailed description thereof is omitted.
[0146]
As shown in FIG. 23, the joint between the lower pillar 3, the beam 4, and the upper pillar 3 is joined and reinforced by a joining reinforcing material 100B. The joining reinforcing material 100B includes a long fiber member 101B that is disposed between the pillar 3 and the pillar 3 so as to straddle the joining portion, and a fixing plate that fixes the fiber member 101B to the pillar 3 ( Fixing member) 102.
[0147]
The fiber member 101B is made of the same high-strength fiber as the fiber member 101A, and the fiber rope portion 101r and the fiber sheet portion 101s are integrally connected. The difference from the fiber member 101A is that fiber sheet portions 101s are formed on both ends in the longitudinal direction, and an intermediate portion is a fiber rope portion 101r.
[0148]
A through hole 4h penetrating in the vertical direction is formed near the joint portion of the beam 4, and a rope insertion tool 103 for inserting the fiber rope portion 101r is attached in the through hole 4h. Yes.
[0149]
Of the fiber member 101 </ b> B, the fiber rope portion 101 r passes through the rope insertion tool 103 attached to the beam 4 and extends to the upper and lower sides of the beam 4. The fiber sheet portions 101 s on both ends are fixed to the outer surfaces of the upper and lower columns 3 by being fixed to the fixing plate 102 by the fixing member 25.
[0150]
When fixing the fiber member 101B to the upper and lower pillars 3, the fiber member 101B is inserted into the rope insertion tool 103 provided in advance on the beam 4, and the fiber sheet portion 101s extends to the upper and lower sides of the beam 4, respectively. The fiber sheet 101s is fixed to the upper and lower columns 3 using the fixing plate 102 and the fixing member 25, respectively. By doing so, not only the joint portion between the columns 3 but also the joint portion with the beam 4 can be integrally and strongly reinforced.
[0151]
In the joint reinforcing material 100B according to the present embodiment and the joint reinforcing structure using the same, since the fiber member 101B having the fiber sheet portion 101s is used on both ends of the fiber rope portion 101r, the beam 4 can be easily used. The both ends of the fiber member 100B can be easily fixed to the outer surface side of each of the pillars 3, respectively, and more various constructions can be handled.
[0152]
In addition, the fiber rope portion 101r is arranged to penetrate the beam 4 in the vicinity of the joint portion, and the fiber sheet portion 101s is constructed by a pair of fixing plates 102 on the both end side building members, that is, the upper and lower sides. Since each of the pillars 3 is fixed, not only the joint part between the upper and lower pillars 3 but also the joint part with the beam 4 through which the fiber rope part 101r penetrates is firmly and integrally strengthened. can do. That is, it is possible to reinforce joint portions between a large number of wood materials and improve joint strength.
[0153]
[Eleventh embodiment]
Next, an eleventh embodiment will be described with reference to FIGS.
The present embodiment relates to a joint reinforcing structure that reinforces a joint portion between a column and a beam as building members.
[0154]
26 and 34 show a joint portion in which a column (one building member) 13 and a beam (the other building member) 14 are assembled in a substantially orthogonal direction. The joint portion between the column 13 and the beam 14 has a rigid joint structure because the bolt 121 and the cylindrical pin (pin) 122A are screwed together.
[0155]
In the column 13 and the beam 14, long bolt insertion holes 13 h and 14 h that communicate from the column 13 to the beam 14 through the joint portion extend in a direction substantially parallel to the longitudinal direction of the beam 14. Each is formed. Long bolts 121 are inserted into the bolt insertion holes 13h and 14h from the column 13 side.
[0156]
The beam 14 has a long pin insertion hole 14i that extends in the lateral direction of the beam 14 so as to cross the bolt insertion holes 13h, 14h substantially orthogonally and has a substantially circular shape in cross section. It is formed in two places at the top and bottom. These pin insertion holes 14i have a larger diameter than at least the bolt insertion holes 13h and 14h, and cylindrical pins 122A having a diameter corresponding to the pin insertion holes 14A are inserted therethrough. Thus, the pin insertion hole 14i and the cylindrical pin 122A are both circular in cross-sectional view, and the risk of extreme stress concentration between them can be almost eliminated.
[0157]
The cylindrical pin 122A is made of metal, reinforced plastic, or the like, and a female screw hole 122h penetrating the cylindrical pin 122A in the lateral direction is formed at a position corresponding to the bolt insertion hole 14h. That is, two female screw holes 122h are formed in one cylindrical pin 122A. Bolts 121 are threaded through these female screw holes 122h, and the cylindrical pins 122A and the bolts 121 are firmly connected. That is, by tightening the bolt 121 inserted from the column 13 through the joint to the beam 14, the cylindrical pin 122 </ b> A is tensioned to the column 13 side, whereby a strong bonding force is provided between the beam 14 and the column 13. It has occurred, and both are in a state of a rigid joint structure.
[0158]
Further, a notch recess 15a is formed in the beam 14 so as to lead from the outer surface side of the beam 14 to the terminal end of the bolt insertion hole 14h, and a bolt 121 penetrating the cylindrical pin 122A is formed in the notch recess 15a. The tip side of is protruding. A nut (a loosening prevention member) 123 for preventing the bolt 122 from loosening is screwed and fastened to the protruding portion of the bolt 121. By forming such a notch recess 15a, the bolt 121 is screwed to the cylindrical pin 122A, and then a nut 123 is inserted and screwed from the outer surface side of the beam 14 to the tip end side of the bolt 121 to prevent the bolt 121 from loosening. Can be easily performed. If the nut 123 is screwed and tightened and then the notch recess 15a is filled and solidified with an adhesive or the like, a higher locking effect can be obtained.
[0159]
26, the bolt 121 can be inserted inside each of the four corners of the beam 14 and screwed with the cylindrical pin 122A inserted from the lateral direction. Although rigid joining is performed at four locations, the joint portion between the column 13 and the beam 14 is not limited to such a configuration in order to obtain a rigid joint structure. Other modified examples are shown in FIGS. 27 to 33, respectively.
[0160]
In the joint portion shown in FIG. 27, the bolt 121 can be inserted through one inside each of the upper and lower portions of the beam 14, and the joint is rigidly joined at two places in total. In this case, the bolt insertion holes 13h and 14h are respectively formed in the vicinity of the central portion in the lateral direction of the column 13 and the beam 14, and one female screw hole 122h is formed in each of the two cylindrical pins 122A. . Accordingly, the notch recesses (reference numeral 15b) are formed from the upper and lower sides in the vicinity of the central portion in the lateral direction of the beam 14 so as to form recesses having a substantially rectangular shape in plan view.
[0161]
The joint shown in FIG. 28 is common to the joint shown in FIG. 26 in that the bolt 121 can be inserted inside each of the four corners of the beam 14 and is rigidly joined at a total of four locations. ing. However, the difference is that a cylindrical pin (pin) 122B that is easier to process than the cylindrical pin 122A is used, and that the notch recess (reference numeral 15c) is formed as a substantially circular recess in plan view. ing.
[0162]
The material of the cylindrical pin 122B is the same as that of the cylindrical pin 122A, but has a hollow cylindrical shape. A female screw hole 122h2 penetrating the cylindrical pin 122B in the lateral direction is formed at a position corresponding to the bolt insertion hole 14h of the cylindrical pin 122B. By forming the hollow cylindrical shape in this way, the female screw hole 122h2 can be processed more easily and the weight can be further reduced as compared with the case of the solid cylindrical pin 122A. . In addition, after screwing the bolt 121, the cylindrical pin 122B may be filled and solidified with an adhesive or the like to form a solid structure.
[0163]
The beam 14 is formed with a notch recess 15c extending from the outer surface side of the beam 14 to the terminal end of the bolt insertion hole 14h, and the bolt 121 passing through the cylindrical pin 122B is formed in the notch recess 15c. The tip side of is protruding. The notch recess 15c has a substantially circular recess in plan view that is smaller than the notch recess 15a, and an adhesive as a loosening prevention member for the bolt 121 is filled and solidified. That is, here, since it is not necessary to screw the nut 123, the processing on the beam 14 is kept to the minimum necessary for filling and solidifying the adhesive.
[0164]
In the joint shown in FIG. 29, the cylindrical pin 122A used in FIG. 27 is replaced with a cylindrical pin 122B. Each of the two cylindrical pins 122B has one female screw hole 122h2.
[0165]
30 and 31, the cylindrical pin 122A used in FIG. 27 is replaced with a cylindrical pin 122C. The rigid joint structure shown in FIG. 30 is different from the rigid joint structure shown in FIG. 31 only in whether or not a notch recess 15b is formed in the beam 14, that is, whether or not a locking member is provided. .
[0166]
The basic structure of the cylindrical pin 122C is the same as that of the cylindrical pin 122A, and a female screw hole 122h3 penetrating the cylindrical pin 122C in the lateral direction is formed at a position corresponding to the bolt insertion hole 14h. A difference from the cylindrical pin 122A is that an engagement groove (engagement portion) 122g for enabling engagement of the tool is formed on the end face side in the longitudinal direction.
[0167]
Since the cylindrical pin 122C having a corresponding diameter is inserted through the pin insertion hole 14i having a circular shape in cross section, the cylindrical pin 122C may slide in the circumferential direction when the cylindrical pin 122C is inserted. There is. In this case, it is necessary to align the female screw hole 122h3 and the bolt insertion hole 14h in the circumferential direction after insertion. In the cylindrical pin 122C, a tool (not shown) can be easily rotated by engaging with the engaging groove 122g. Therefore, after the cylindrical pin 122C is inserted, the circumference of the female screw hole 122h3 and the bolt insertion hole 14h is increased. The alignment in the direction can be easily performed. Here, the engagement groove 122g is formed in a substantially cross shape so that a plus driver or the like can be engaged, but the shape or the like is not particularly limited. Here, the engaging portion is a groove, that is, a concave portion, but may be a convex portion such as a head portion of a bolt.
[0168]
32 and 33, the bolt 121 can be inserted into the inside of each of the upper and lower portions of the beam 14, and the joint is shown in FIGS. 30 and 31. It is common with the rigid joint structure. However, the pin insertion hole 14i2 is formed in one place so as to extend in the vertical direction of the beam 14, and the cylindrical pin 122C is inserted in the vertical direction. The rigid joint structure shown in FIG. 32 is different from the rigid joint structure shown in FIG. 33 only in whether or not a notch recess 15b is formed in the beam 14, that is, whether or not a locking member is provided. .
[0169]
As described above, in order to make the joint portion between the column 13 and the beam 14 have a rigid joint structure, there are various modifications, and depending on the construction cost, construction period, required joint strength, joint strength, etc., the configuration Can be appropriately changed.
[0170]
When the column 13 and the beam 14 have a rigid joint structure, as shown in FIGS. 35 to 38, a fiber sheet is disposed and fixed across the junction between the column 13 and the beam 14, and further joined. Reinforce. In these drawings, the case where the joint shown in FIG. 26 is joined and reinforced will be described as an example.
[0171]
FIG. 35 shows a state in which the fiber sheet 125A is attached and disposed on the outer surface from the column 13 to the beam 14 with an adhesive. This fiber sheet 125A is formed by molding high-strength fibers into a sheet shape, similar to the fiber sheet 21 in the first embodiment. The fiber direction of the fiber sheet 125 </ b> A is a direction substantially parallel to the extending direction of the beam 14, and extremely high strength can be exhibited in this direction. That is, a very high strength can be exhibited with respect to the force acting in the extending direction of the beam 14, and the joint strength and joint strength of the joint can be improved.
[0172]
FIG. 36 shows a state in which a fiber sheet 125B is provided in addition to the fiber sheet 125A. The fiber sheet 125B has the same configuration as the fiber sheet 125A, but has a different reference because it has a different fiber direction. The fiber direction of the fiber sheet 125B is substantially parallel to the extending direction of the column 13, and is disposed in a laminated state on the beam 14 side of the fiber sheet 125A. That is, very high strength can be exerted against the force acting in two directions of the extending direction of the beam 14 and the extending direction of the column 13, and further, the splitting of the beam 14 from the bolt insertion hole 14h is prevented. As compared with the example shown in FIG. 35, the joint strength and joint strength of the joint can be further improved.
[0173]
FIG. 37 shows a state in which fiber sheets 125C and 125D are arranged in addition to the fiber sheet 125A. These fiber sheets 125C and 125D have the same configuration as the fiber sheet 125A, but have different reference numerals because the fiber directions are different. The fiber directions of these fiber sheets 125 </ b> C and 125 </ b> C are inclined by ± 45 ° with respect to the extending direction of the column 13, and are arranged in a stacked state from the column 13 to the beam 14. That is, extremely high strength can be exerted with respect to the force acting in three directions of the extending direction of the beam 14 and the direction inclined by ± 45 ° from the direction, and compared with the example shown in FIG. It is possible to further improve the joint strength and joint strength of the part, particularly the bending of the column 13 and the beam 14.
[0174]
FIG. 38 shows a state in which the fiber sheet 125B is arranged in a laminated state in addition to the fiber sheets 125A, 125C, and 125D. That is, a very high strength can be exerted with respect to forces acting in four directions, that is, the extending direction of the beam 14, the extending direction of the column 13, and the direction inclined ± 45 ° from the direction. Compared to the example shown, the joint strength and joint strength of the joint can be further improved.
[0175]
As described above, there are various modifications to join and reinforce the joint between the column 13 and the beam 14, and the configuration is appropriately determined according to the construction cost, construction period, required joint strength, joint strength, and the like. Can be changed.
[0176]
In the joint reinforcement structure for a wooden building according to the present embodiment, bolt insertion holes 13h and 14h communicating from the pillar 13 to the beam 14 are formed, and the pin insertion hole 14i intersecting the bolt insertion hole 14h is formed in the beam 14. Are formed, and bolts 121 inserted into the bolt insertion holes 13h and 14h from the pillar 13 side, and female screw holes 122h, 122h2, and 122h3 formed in the pins 122A, 122B, and 122C inserted into the pin insertion holes 14i. The joints between the pillars 13 and the beams 14 are rigidly joined by screwing, and the fiber sheets 125A, 125B, 125C, and 125D are disposed between the pillars 13 and the beams 14 across the joints. To be fixed. In this way, the bolts 121 and the pins 122A, 122B, and 122C are screwed together so that the column 13 and the beam 14 have a rigid joint structure, and the fiber sheets 125A, 125B, 125C, and 125D are joined and reinforced. Therefore, it is possible to greatly improve the joint strength and joint strength of the joint part with a simple configuration.
[0177]
Further, the beam 14 is formed with notch recesses 15a, 15b, 15c so as to extend from the outer surface side to the terminal end of the bolt insertion hole 14h, and on the tip side of the bolt 121 protruding into the notch recess from the bolt insertion hole 14h. A loosening prevention member such as a nut 123 or an adhesive that prevents the bolt 121 from loosening is provided. For this reason, after the bolt 121 is inserted, a loosening prevention member such as a nut 123 can be provided at the front end side of the bolt 121 in the notch recesses 15a, 15b, and 15c, and the loosening of the bolt 121 can be accurately suppressed. The reliability and durability of the parts can be greatly improved.
[0178]
Further, the pin insertion holes 14i and 14i2 are formed in a circular shape in cross section, and the pins are formed in a columnar shape such as columnar pins 122A and 122C or a cylindrical shape such as a cylindrical pin 122B. For this reason, there is almost no extreme stress concentration between the pin insertion holes 14i, 14i2 and the pins 122A, 122B, 122C, and it is possible to accurately suppress the possibility of cracks and deformations occurring in the beam 14. The joint strength can be increased, and the durability of the wooden building can be increased.
[0179]
Further, since an engagement groove 122g that enables engagement of a tool for rotating the cylindrical pin 122C is formed on the end face side of the cylindrical pin 122C, the cylindrical column inserted through the pin insertion holes 14i and 14i2. The pin 122C can be easily rotated in the circumferential direction by using a tool, and the female screw hole 122h3 and the bolt insertion hole 14h can be easily aligned in the circumferential direction. Thereby, workability can be made favorable and construction time can be shortened.
[0180]
Further, since the fiber sheets 125A, 125B, 125C, and 125D having different fiber directions are arranged in a laminated state, the fiber sheets 125A, 125B, 125C, and 125D have high strength with respect to the fiber direction. Can be exhibited, and high bonding strength and bonding strength can be obtained in a plurality of directions.
[0181]
As described above, in each embodiment of the joint reinforcing material and the joint reinforcing structure according to the present invention, it is possible to obtain joint strength rich in toughness that is not found in existing construction hardware. In other words, since the fiber member is provided, the initial amount of elastic deformation due to the horizontal load during an earthquake becomes somewhat large, but even when a load exceeding the elastic limit is applied, the proof strength continues to be maintained and a sudden decrease in the proof stress occurs. It is possible to prevent breakage and omission of the joint. For this reason, the joining strength rich in toughness which existing building hardware does not have can be obtained, the earthquake resistance and toughness can be improved, and the sudden collapse of the wooden building can be prevented.
[0182]
Moreover, the wood processing required for mounting the existing construction hardware can be greatly reduced, and the cross-sectional defect of the used wood material is reduced. Furthermore, since the adhesive part can also be filled in the defect | deletion part, the yield strength fall by defect | deletion can be compensated.
[0183]
Furthermore, when the required pulling strength is 15 KN or less, the bolt as a fixing member for attaching the fixing member can be omitted, and it can be attached with a screw, a nail, an adhesive, or the like. Make it possible.
[0184]
Further, when the fixing member is attached to the foundation, it can be easily attached by burying anchor bolts or screw receiving materials in the concrete in advance before placing the foundation into the concrete. In addition, by using a structure in which the end side of the fiber member can be divided and fixed with concrete inside the foundation, it becomes even stronger, and the cold bridge from the foundation is not transmitted to the wood part by the fiber member, so condensation does not occur Can prevent wood rotting.
[0185]
In addition, chemical anchor bolts, all anchors, anchor screws, etc. can be used to attach the fixing member to the foundation, making it suitable for seismic retrofitting and reinforcement work for existing buildings, and the dismantling part for construction can be made as small as possible. Cost reduction is possible.
[0186]
Furthermore, since the fixing member can be produced by pressing or the like, it can be provided at a low cost by mass production. Furthermore, depending on the shape of the fixing member, it can be manufactured by extrusion using a material such as a steel plate, aluminum, an alloy, or a reinforced plastic, so that it can be provided at lower cost.
[0187]
Furthermore, since there are no welded parts found in existing construction hardware, it can be made difficult to corrode even when plated.
[0188]
Furthermore, since the fixing member and the wood material on both ends of the joint reinforcing material are fixed by the fixing member via the fiber member, there is no conduction of the cold bridge like the existing construction hardware, and no dew condensation occurs. It can be made difficult to cause decay of wood.
[0189]
Furthermore, even when used in combination with existing anchor bolts or the like, since the fiber member is interposed between the wood material and the fixing member, the occurrence of condensation can be suppressed.
[0190]
Furthermore, since the fiber member is in the form of a sheet or rope, it can be wound, twisted, bent, and returned, so that it can be attached to the fixing member with good workability, and the pillars from the inside of the foundation. Therefore, the construction site is not limited, and a structure that does not hinder the work when the outer wall material is attached can be obtained.
[0191]
Furthermore, by using a combination of hardware such as bolts and pins and a fiber sheet for the reinforcement of the connection between the pillar and the beam, the rigidity of the joint can be increased and a rigid joint structure, that is, a wooden frame structure can be formed. Can provide a one-way ramen building. As a result, a large space with a large span can be formed even in a wooden structure, and a bearing wall due to bracing is not required in the span direction, so that the workability is good and the cost is reduced.
[0192]
【The invention's effect】
As described above, in the joint reinforcing material and the joint reinforcing structure according to the present invention, since the above-described configuration is adopted, the joint portion between building members such as a foundation, a foundation, a column, or a beam is reinforced, The joint strength can be improved.
[Brief description of the drawings]
FIGS. 1A and 1B are views showing a joint reinforcing material and a joint reinforcing structure according to a first embodiment of the present invention, both of (a) and (b) are perspective views showing a state in which the joint reinforcing material is attached to a building member. FIG.
2 is an enlarged view of a part of the joining reinforcing material in FIG. 1, wherein (a) is a perspective view and (b) is a side sectional view.
FIG. 3 is a view showing a modification of the joint reinforcing material and the joint reinforcing structure according to the first embodiment of the present invention, and is a perspective view showing a state in which the joint reinforcing material is attached to a building member.
4 is an enlarged perspective view showing a part of the joining reinforcing material in FIG. 3. FIG.
FIG. 5 is a view showing a joint reinforcing material and a joint reinforcing structure according to a second embodiment of the present invention, and is a perspective view showing a state where the joint reinforcing material is attached to a building member.
6 is an enlarged view of a part of the joining reinforcing material in FIG. 5, in which (a) is a perspective view and (b) is a side sectional view.
FIG. 7 is a view showing a joint reinforcing material and a joint reinforcing structure according to a third embodiment of the present invention, and is a perspective view showing a state where the joint reinforcing material is attached to a building member.
8 is an enlarged view of a part of the joining reinforcing material in FIG. 7, in which (a) is a perspective view and (b) is a side sectional view.
FIG. 9 is a view showing a joint reinforcing material and a joint reinforcing structure according to a fourth embodiment of the present invention, and is a perspective view showing a state in which the joint reinforcing material is attached to a building member.
10 is an enlarged view of a part of the joining reinforcing material in FIG. 9, wherein (a) is a perspective view and (b) is a side sectional view.
FIG. 11 is a view showing a joint reinforcing material and a joint reinforcing structure according to a fifth embodiment of the present invention, and is a perspective view showing a state where the joint reinforcing material is attached to a building member.
12 is an enlarged view of a part of the joining reinforcing material in FIG. 11, wherein (a) is a perspective view and (b) is a side sectional view.
FIG. 13 is a view showing a joint reinforcing material and a joint reinforcing structure according to a sixth embodiment of the present invention, and is a perspective view showing a state where the joint reinforcing material is attached to a building member.
14 is an enlarged view of a part of the joining reinforcing material in FIG. 13, wherein (a) is a perspective view and (b) is a side sectional view.
FIG. 15 is a view showing a modification of the joint reinforcing material and the joint reinforcing structure according to the sixth embodiment of the present invention, and is a perspective view showing a state where the joint reinforcing material is attached to the building member.
16 is an enlarged view of a part of the joining reinforcing material in FIG. 15, wherein (a) is a perspective view and (b) is a side sectional view.
FIG. 17 is a view showing a joint reinforcing material and a joint reinforcing structure according to a seventh embodiment of the present invention, and is a perspective view showing a state in which the joint reinforcing material is attached to a building member.
18 is an enlarged perspective view showing a part of the joining reinforcing material in FIG.
FIG. 19 is a view showing the joint reinforcing material and the joint reinforcing structure according to the first embodiment of the present invention, and is a perspective view showing a state in which the fiber reinforcing material is spirally wound around the building member.
FIG. 20 is a view showing the joint reinforcing material and the joint reinforcing structure according to the first embodiment of the present invention, and is a perspective view showing a state in which the fiber reinforcing material is spirally wound around the building member.
FIG. 21 is a view showing a joint reinforcing structure according to an eighth embodiment of the present invention, and is a perspective view showing a state in which a fiber sheet is embedded in a foundation.
FIG. 22 is a view showing a joint reinforcing material and a joint reinforcing structure according to a ninth embodiment of the present invention, and is a perspective view showing a state in which the joint reinforcing material is attached to a building member.
FIG. 23 is a diagram showing a joint reinforcing material and a joint reinforcing structure according to a tenth embodiment of the present invention, and is a perspective view showing a state in which the joint reinforcing material is attached to a building member.
24 is an enlarged perspective view showing a part of the fiber member in FIG. 22. FIG.
25 is a partial cross-sectional view showing the rope insertion tool in FIG. 22 in an enlarged manner.
FIG. 26 is a diagram showing a joint reinforcing structure according to an eleventh embodiment of the present invention, and is a perspective view showing a state in which a joint portion between a column and a beam is a rigid joint structure.
FIG. 27 is a view showing a modification of the joint reinforcing structure according to the eleventh embodiment of the present invention, and is a perspective view showing a state in which the joint portion between the column and the beam is a rigid joint structure.
FIG. 28 is a view showing another modified example of the joint reinforcing structure according to the eleventh embodiment of the present invention, and is a perspective view showing a state in which the joint portion between the column and the beam is a rigid joint structure.
FIG. 29 is a view showing still another modified example of the joint reinforcing structure according to the eleventh embodiment of the present invention, and is a perspective view showing a state in which the joint portion between the column and the beam is a rigid joint structure. .
FIG. 30 is a view showing still another modified example of the joint reinforcing structure according to the eleventh embodiment of the present invention, and is a perspective view showing a state in which a joint portion between a column and a beam is a rigid joint structure. .
FIG. 31 is a diagram showing still another modified example of the joint reinforcing structure according to the eleventh embodiment of the present invention, and is a perspective view showing a state in which a joint portion between a column and a beam is a rigid joint structure. .
FIG. 32 is a view showing still another modified example of the joint reinforcing structure according to the eleventh embodiment of the present invention, and is a perspective view showing a state where the joint portion between the column and the beam is a rigid joint structure; .
FIG. 33 is a view showing still another modified example of the joint reinforcing structure according to the eleventh embodiment of the present invention, and is a perspective view showing a state in which the joint portion between the column and the beam is a rigid joint structure. .
FIG. 34 is a diagram showing in detail the joint in FIG. 26, where (a) is a side view, (b) is a front view, and (c) is a plan view.
FIGS. 35A and 35B are diagrams showing a state in which the joint portion in FIG. 26 is joined and reinforced with a fiber sheet, wherein FIG. 35A is a side view, FIG. 35B is a front view, and FIG.
FIG. 36 is a view showing a state in which the joint portion in FIG. 26 is joined and reinforced with a fiber sheet, in which (a) is a side view, (b) is a front view, and (c) is a plan view.
FIGS. 37A and 37B are diagrams showing a state in which the joining portion in FIG. 26 is joined and reinforced by the fiber sheet, where FIG. 37A is a side view, FIG. 26B is a front view, and FIG.
FIGS. 38A and 38B are diagrams showing a state in which the joint portion in FIG. 26 is joined and reinforced with a fiber sheet, where FIG. 38A is a side view, FIG. 38B is a front view, and FIG.
[Explanation of symbols]
1 foundation (building materials)
1c concrete
1r rebar
1g Groove (recess)
1h Groove (concave)
2 Foundation (building materials, wood materials)
2h Through hole
3 pillars (building materials, wood)
3g Groove (recess)
3h Groove (recess)
4 beams (building materials, wood)
4h Through hole
5 Bracing (building materials, wood materials)
13 pillars (one building member)
13h Bolt insertion hole
14 Beam (the other building member)
14h Bolt insertion hole
14i pin insertion hole
15a, 15b Notch recess
20, 20B Joint reinforcement
21 Fiber sheet (fiber member)
22, 22B Fixing plate (fixing member)
25,25B Fixing member
30 Joint reinforcement
31 Fiber sheet (fiber member)
32 Fixing plate (fixing member)
33 First plate
34 Second plate
40 Bonding reinforcement
41 Fiber sheet (fiber member)
42 Fixing plate (fixing member)
43a First insertion hole (hole)
43b Second insertion hole
50 Bonding reinforcement
51 Fiber sheet (fiber member)
52 Fixing plate (fixing member)
52a Dowel Club
60 Joint reinforcement
61 Fiber sheet (fiber member)
62 Fixing plate (fixing member)
62a Dowel Club
63 Insertion hole (hole)
70A, 70B joint reinforcement
71 Fiber sheet (fiber member)
72A cylindrical dowel (fixing member, dowel)
72B prismatic dowel (fixing member, dowel)
80 Joint reinforcement
81 Fiber sheet (fiber member)
82 Fixing plate (fixing member)
91 Fiber sheet
100A, 100B joint reinforcement
101A, 101B fiber member
101s Fiber sheet part
101r Fiber rope part
102 Fixing plate (fixing member)
121 volts
122A cylindrical pin (pin)
122h Female screw hole
122B Cylindrical pin (pin)
122h2 female screw hole
122C cylindrical pin (pin)
122h3 female screw hole
122g engagement groove (engagement part)
123 Nut (Loosening prevention member)
125A, 125B, 125C, 125D fiber sheet

Claims (22)

木造建築物の駆体を構成する建築部材同士の接合部を補強する接合補強材であって、
前記接合部を跨いで前記建築部材間に配設される長尺状の高強度繊維からなる繊維部材と、
該繊維部材を前記建築部材に定着させる定着部材と、
を備え、
前記繊維部材は、前記建築部材の外面側に張り渡されて配設されているとともに、該繊維部材の両端部側は、一対の前記定着部材によって各々の前記建築部材に定着され、
前記繊維部材は、高強度繊維がシート状に成形された繊維シートから構成され、
前記定着部材は、平板状をなして前記繊維シートの表面側に配設される定着プレートとされ、固定部材によって前記建築部材の外面側に前記繊維シートと一体となって取り付けられることを特徴とする木造建築物の接合補強材。It is a joint reinforcement that reinforces the joints between building members that make up the body of a wooden building,
A fiber member composed of long high-strength fibers disposed between the building members across the joint, and
A fixing member for fixing the fiber member to the building member;
Equipped with a,
The fiber member is disposed so as to be stretched on the outer surface side of the building member, and both end portions of the fiber member are fixed to each building member by a pair of fixing members,
The fiber member is composed of a fiber sheet in which high-strength fibers are formed into a sheet shape,
The fixing member has a flat plate shape and is a fixing plate disposed on the surface side of the fiber sheet, and is fixed to the outer surface side of the building member by a fixing member so as to be integrated with the fiber sheet. Reinforcing reinforcement for wooden buildings. 前記繊維部材は、前記繊維シートから構成されるものに代えて、高強度繊維がロープ状に成形され、前記建築部材に接合される建築部材を貫通する１本の繊維ロープ部と、前記高強度繊維がシート状に成形された繊維シート部とが一体に連なった構成とされ、
前記定着部材は、平板状をなして前記繊維シート部の表面側に配設される定着プレートとされ、固定部材によって前記建築部材の外面側に前記繊維シート部と一体となって取り付けられることを特徴とする請求項１に記載の木造建築物の接合補強材。The fiber member is replaced with the fiber sheet, and a high-strength fiber is formed into a rope shape, and one fiber rope portion penetrating the building member joined to the building member; and the high strength The fiber sheet portion in which the fiber is formed into a sheet shape is integrally connected ,
The fixing member is formed as a fixing plate having a flat plate shape and disposed on the surface side of the fiber sheet portion, and is attached to the outer surface side of the building member by the fixing member integrally with the fiber sheet portion. The joining reinforcement material of the wooden building of Claim 1 characterized by the above-mentioned. 前記繊維ロープ部の長手方向両端部側に、前記繊維シート部が設けられていることを特徴とする請求項２に記載の木造建築物の接合補強材。The joining reinforcing material for a wooden building according to claim 2 , wherein the fiber sheet portion is provided on both ends in the longitudinal direction of the fiber rope portion. 前記定着部材は、平板状をなして前記繊維シートの表面側に配設される定着プレートとされるものに代えて、平板状をなして前記繊維シート又は前記繊維シート部の外面側に配設される第１プレートと、該第１プレートの表面側に折り返された前記繊維シート又は前記繊維シート部の端部側を該第１プレートに押圧する第２プレートと、を備えた定着プレートとされ、固定部材によって前記建築部材の外面側に前記繊維シート又は前記繊維シート部と一体となって取り付けられることを特徴とする請求項１〜３の何れかに記載の木造建築物の接合補強材。The fixing member has a flat plate shape and is disposed on the outer surface side of the fiber sheet or the fiber sheet portion , instead of a fixing plate that has a flat plate shape and is disposed on the surface side of the fiber sheet. And a second plate that presses the fiber sheet folded back to the surface side of the first plate or the end side of the fiber sheet portion against the first plate. The joint reinforcing material for a wooden building according to any one of claims 1 to 3 , wherein the reinforcing member is attached to the outer surface side of the building member integrally with the fiber sheet or the fiber sheet portion by a fixing member. 前記定着プレートには、前記繊維シート又は前記繊維シート部を挿通させて該定着プレートの表面側に折り返させる、スリット状の孔が形成されていることを特徴とする請求項１〜３の何れかに記載の木造建築物の接合補強材。4. A slit-like hole is formed in the fixing plate, and the slit is inserted into the fiber sheet or the fiber sheet portion and folded back to the surface side of the fixing plate . Reinforcement material for wooden buildings described in 1. 前記定着プレートには、裏面側から突出して、前記建築部材の外面側に形成された凹部に前記繊維シート又は前記繊維シート部とともに挿入されるダボ部が設けられていることを特徴とする請求項１〜５の何れかに記載の木造建築物の接合補強材。The dowel part which is inserted with the fiber sheet or the fiber sheet part is provided in the crevice formed in the fixing plate in the crevice formed from the back side and projecting from the back side. The joining reinforcement material of the wooden building in any one of 1-5 . 前記定着部材は、平板状をなして前記繊維シートの表面側に配設される定着プレートとされるものに代えて、前記建築部材の外面側に形成された凹部に前記繊維シート又は前記繊維シート部とともに挿入されるダボとされていることを特徴とする請求項１〜３の何れかに記載の木造建築物の接合補強材。The fixing member has a flat plate shape and is replaced with a fixing plate disposed on the surface side of the fiber sheet, and the fiber sheet or the fiber sheet is formed in a recess formed on the outer surface side of the building member. The joint reinforcing material for a wooden building according to any one of claims 1 to 3 , wherein the reinforcing material is a dowel inserted together with the portion. 請求項１〜５の何れかに記載の木造建築物の接合補強材を用いたことを特徴とする木造建築物の接合補強構造。Bonding reinforcing structure wooden structure, characterized by using a bonding reinforcement wooden structure according to claim 1. 請求項６に記載の木造建築物の接合補強材を用いた接合補強構造であって、
前記凹部は、前記繊維部材の長手方向と交差する方向に延在するように形成された溝部とされているとともに、前記ダボ部は凸条をなして、前記溝部との間に前記繊維部材を狭持した状態で前記溝部内に挿入されていることを特徴とする木造建築物の接合補強構造。It is the joint reinforcement structure using the joint reinforcement material of the wooden building of Claim 6 ,
The recess is a groove formed so as to extend in a direction intersecting the longitudinal direction of the fiber member, and the dowel part forms a ridge, and the fiber member is interposed between the groove and the groove. A joining reinforcement structure for a wooden building, wherein the structure is inserted into the groove in a sandwiched state. 請求項７に記載の木造建築物の接合補強材を用いた接合補強構造であって、
前記凹部は、前記繊維部材の長手方向と交差する方向に延在するように形成された溝部とされているとともに、前記ダボは略円柱形状をなして、前記溝部との間に前記繊維部材を狭持した状態で前記溝部内に挿入されていることを特徴とする木造建築物の接合補強構造。It is a joint reinforcement structure using the joint reinforcement material of the wooden building of Claim 7 ,
The recess is a groove formed so as to extend in a direction intersecting the longitudinal direction of the fiber member, and the dowel has a substantially cylindrical shape, and the fiber member is interposed between the groove and the groove. A joint reinforcement structure for a wooden building, wherein the structure is inserted into the groove in a sandwiched state. 請求項７に記載の木造建築物の接合補強材を用いた接合補強構造であって、
前記凹部は、前記繊維部材の長手方向と交差する方向に延在するように形成された溝部とされているとともに、前記ダボは前記溝部と嵌合する略矩形状をなして、前記溝部との間に前記繊維部材を狭持した状態で前記溝部内に挿入されていることを特徴とする木造建築物の接合補強構造。It is a joint reinforcement structure using the joint reinforcement material of the wooden building of Claim 7 ,
The recess is a groove formed so as to extend in a direction intersecting with the longitudinal direction of the fiber member, and the dowel has a substantially rectangular shape that fits into the groove, A joint reinforcing structure for a wooden building, wherein the fiber member is inserted between the groove portions with the fiber member interposed therebetween. 前記繊維部材は、前記建築部材の外面側に螺旋状に巻き付けられて配設されていることを特徴とする請求項８〜１０の何れかに記載の木造建築物の接合補強構造。The joint reinforcing structure for a wooden building according to any one of claims 8 to 10 , wherein the fiber member is spirally wound around the outer surface side of the building member. 木造建築物の駆体を構成する建築部材同士の接合部を補強する接合補強構造であって、
高強度繊維がシート状に成形されてなる繊維シートの一端部側が、前記高強度繊維をほぐした状態になっているとともに前記建築部材としての基礎に埋設されているとともに、前記繊維シートの他端部側が前記基礎の外部に延出され、該他端部側は、前記基礎の上部に設けられた木質材に定着されることを特徴とする木造建築物の接合補強構造。It is a joint reinforcement structure that reinforces the joints between building members that make up the body of a wooden building,
One end part side of the fiber sheet formed by forming the high-strength fiber into a sheet is loosened from the high-strength fiber and is embedded in the foundation as the building member, and the other end of the fiber sheet A joint reinforcement structure for a wooden building, wherein a portion side is extended to the outside of the foundation, and the other end portion is fixed to a wooden material provided on an upper portion of the foundation. 前記繊維シートの一端部側が、前記基礎中の鉄筋に連結されていることを特徴とする請求項１３に記載の木造建築物の接合補強構造。The one end part side of the said fiber sheet is connected with the reinforcing bar in the said foundation, The joining reinforcement structure of the wooden building of Claim 13 characterized by the above-mentioned. 請求項２に記載の木造建築物の接合補強材を用いた接合補強構造であって、
前記繊維部材のうちの前記繊維ロープ部の側が、前記建築部材としての鉄筋コンクリート製の基礎に埋設されているとともに、前記繊維シート部の側が前記基礎の外部に延出され、該繊維シート部は、前記基礎の上部に設けられた木質材に定着されることを特徴とする木造建築物の接合補強構造。It is the joint reinforcement structure using the joint reinforcement material of the wooden building of Claim 2 ,
The fiber rope part side of the fiber member is embedded in a reinforced concrete foundation as the building member, and the fiber sheet part side is extended to the outside of the foundation. A joining reinforcement structure for a wooden building, which is fixed to a wooden material provided on an upper portion of the foundation. 前記繊維ロープ部の端部側が、前記基礎中の鉄筋に連結されていることを特徴とする請求項１５に記載の木造建築物の接合補強構造。The joint reinforcement structure for a wooden building according to claim 15 , wherein an end side of the fiber rope portion is connected to a reinforcing bar in the foundation. 請求項３に記載の木造建築物の接合補強材を用いた接合補強構造であって、
前記繊維部材のうちの前記繊維ロープ部は、前記接合部近傍位置の建築部材を貫通して配設されているとともに、
該繊維シート部は、一対の前記定着部材によって各々の前記建築部材に定着されることを特徴とする木造建築物の接合補強構造。It is the joint reinforcement structure using the joint reinforcement material of the wooden building of Claim 3 ,
While the fiber rope portion of the fiber member is disposed through the building member in the vicinity of the joint portion,
The fiber sheet portion is fixed to each building member by a pair of fixing members. 木造建築物の駆体を構成する建築部材同士の接合部を補強する接合補強構造であって、
前記建築部材のうちの一方から他方まで連通するボルト挿通孔が形成されるとともに、前記他方の建築部材には前記ボルト挿通孔と交差するピン挿通孔が形成され、
前記一方の建築部材側から前記ボルト挿通孔に挿通されたボルトと、前記ピン挿通孔に挿通されたピンに形成された雌ネジ孔とが螺合されて、前記一方及び他方の建築部材の接合部が剛接合構造とされるとともに、
高強度繊維がシート状に成形されてなる繊維シートが、前記接合部を跨いで前記建築部材間に配設され定着されていることを特徴とする木造建築物の接合補強構造。It is a joint reinforcement structure that reinforces the joints between building members that make up the body of a wooden building,
A bolt insertion hole communicating from one of the building members to the other is formed, and a pin insertion hole intersecting the bolt insertion hole is formed in the other building member,
The bolt inserted into the bolt insertion hole from the one building member side and the female screw hole formed in the pin inserted into the pin insertion hole are screwed together to join the one and other building members The part has a rigid joint structure,
A joining reinforcement structure for a wooden building, characterized in that a fiber sheet formed by forming high-strength fibers into a sheet is disposed and fixed between the building members across the joining portion. 前記他方の建築部材には、外面側から前記ボルト挿通孔の終端部まで通じるように切欠凹部が形成され、前記ボルト挿通孔から該切欠凹部内に突出する前記ボルトの先端側には、該ボルトの緩みを防止する緩み防止部材が設けられていることを特徴とする請求項１８に記載の木造建築物の接合補強構造。The other building member is formed with a notch recess so as to lead from the outer surface side to the terminal end of the bolt insertion hole, and the bolt at the tip end side of the bolt protruding into the notch recess from the bolt insertion hole The joint reinforcement structure for a wooden building according to claim 18 , wherein a loosening prevention member for preventing the loosening of the wooden building is provided. 前記ピン挿通孔は断面視円形状に形成されているとともに、前記ピンは円柱形状もしくは円筒形状とされていることを特徴とする請求項１８又は１９に記載の木造建築物の接合補強構造。The joint reinforcement structure for a wooden building according to claim 18 or 19 , wherein the pin insertion hole is formed in a circular shape in a sectional view, and the pin is formed in a columnar shape or a cylindrical shape. 前記ピンの端面側には、該ピンを回動させるための工具を係合可能とする係合部が形成されていることを特徴とする請求項２０に記載の木造建築物の接合補強構造。21. The joint reinforcement structure for a wooden building according to claim 20 , wherein an engaging portion is formed on an end face side of the pin so as to be engageable with a tool for rotating the pin. 繊維方向が互いに異なる複数の前記繊維シートが、積層状態で配設されていることを特徴とする請求項１８〜２１の何れかに記載の木造建築物の接合補強構造。The joint reinforcing structure for a wooden building according to any one of claims 18 to 21 , wherein a plurality of the fiber sheets having different fiber directions are arranged in a laminated state.
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