JP4024485B2 - 電気的特性測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子部品等のワークの電気的特性を測定する電気的特性測定装置に係り、とりわけ電極部の調整を確実に行なうことができる電気的特性測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より電気的特性測定装置として、図6乃至図8に示すように、対向する一対の側壁3a,3aを有するフレーム3と、両方の側壁3a,3aに設けられ互いに対向して延びる一対の固定シャフト8,8および一対の可動シャフト9,9と、両方の側壁3a,3aに各々設けられた一対の電極ホルダ2,2とを備えたものが知られている。
【0003】
一対の電極ホルダ2,2は、ソレノイド7と、カム5と、ローラ4によって構成された開閉駆動手段によって駆動され、各々対応する固定シャフト8と可動シャフト9により案内される。また一対の電極ホルダ2,2は、各々対向する電極部6,6を有し、一対の電極ホルダ2,2の開閉動作により各々の電極部6,6をワークWに接触させてワークWの電気的特性を測定している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一対の電極ホルダ2,2の電極部6,6は、各々その突出高さをワークW毎に調整できるようになっている。また固定シャフト8は対応する側壁3aに固定されているが、可動シャフト9は側壁3aに対して移動自在となっており、固定ボルト11を締め、可動シャフト9を側壁3aに対して長穴18内で移動させた後に固定ボルト11を締め付けることにより電極ホルダ2の電極部6の位置を調整している。
【0005】
しかしながら可動シャフト9を側壁3aに対して移動させた場合、固定ボルト11の締め付け時等に可動シャフト9が移動し、固定シャフト8と可動シャフト9との間の間隔(ピッチ)が変化し、電極ホルダ2が固定シャフト8と可動シャフト9によって案内される際、引掛りが生じて電極ホルダ2を確実に駆動することができないことがある。
【0006】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、可動シャフトを移動させて電極ホルダの電極部の位置を調整する場合に、固定シャフトと可動シャフトとの間の間隔を一定に保つことができる電気的特性測定装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、対向する一対の側壁を有するフレームと、フレームの両方の側壁に固定して設けられ、互いに対向して延びる一対の固定シャフトと、フレームの両方の側壁に可動に設けられ、互いに対向して延びる一対の可動シャフトと、一方の側壁側に設けられ、一方の固定シャフトおよび一方の可動シャフトにより摺動自在に支持されるとともに電極部を有する一方の電極ホルダと、他方の側壁側に設けられ、他方の固定シャフトおよび他方の可動シャフトにより摺動自在に支持されるとともに電極部を有する他方の電極ホルダと、一方の電極ホルダと他方の電極ホルダを開閉駆動する開閉駆動手段と、一方の電極ホルダとこれに対応する側壁との間に設けられ、一方の固定シャフトと一方の可動シャフトが貫通する一方のピッチ規制プレートと、他方の電極ホルダとこれに対応する側壁との間に設けられ、他方の固定シャフトと他方の可動シャフトが貫通する他方のピッチ規制プレートと、を備えたことを特徴とする電気的特性測定装置である。
【0008】
各ピッチ規制プレートの固定シャフトの嵌合孔と可動シャフトの嵌合孔との間の間隔は、対応する電極ホルダの固定シャフトの嵌合孔と可動シャフトの嵌合孔との間の間隔と同一となっていてもよい。
【0009】
各可動シャフトは対応するピッチ規制プレートに対して回り止め手段を用いて回転方向に係止されていてもよい。
【0010】
各固定シャフトは対応する側壁に固定手段により固定されていてもよい。
【0011】
各可動シャフトは対応する側壁に設けられた長穴内で可動自在となっていてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図4は本発明による電気的特性測定装置の一実施の形態を示す図である。
【0013】
図1乃至図4に示すように、電気的特性測定装置20は電子部品等のワークWに対して電気的特性を測定するものであり、この電気的特性測定装置20は対向する一対の側壁3a、3aを有するフレーム3と、両方の側壁3a、3aに設けられ、互いに対向して延びる一対の固定シャフト8、8および一対の可動シャフト9、9と、両方の側壁3a、3bに設けられた一対の電極ホルダ2、2とを備えている。
【0014】
このうち、一対の電極ホルダ2、2は、各々その下端に電極部6、6を有し、一対の電極ホルダ2、2の電極部6、6内にワークWを挟持してワークWの電気的特性を測定するようになっている。
【0015】
また一対の電極ホルダ2、2のうち、例えば図1の右側の電極ホルダ(一方の電極ホルダ)2は右側の側壁(一方の側壁)3aに対応しており、図1の左側の電極ホルダ(他方の電極ホルダ)2は左側の側壁(他方の側壁)3aに対応している。これらの電極ホルダ2、2は、いずれも対応する固定シャフト8および可動シャフトにより摺動自在に支持されている。
【0016】
また各固定シャフト8は固定シャフト止めねじ13により、フレーム3の側壁3aに堅固に固定されている。また各可動シャフト9は、側壁3aに設けられた長穴18に沿って移動可能となっており、可動シャフト9の位置が定まった後、固定ボルト11を締付けて可動シャフト9を側壁3aに固定するようになっている(図2参照)。
【0017】
また電極ホルダ2、2は、各々ガイドブッシュ16、17を有し、これらガイドブッシュ16、17内に固定シャフト8および可動シャフト9を貫通させることにより、固定シャフト8と可動シャフト9に沿って摺動するようになっている。
【0018】
この場合、電極ホルダ2、2は、開閉駆動手段により図1に示す左右方向に移動して開閉するようになっている。
【0019】
すなわち電極ホルダ2、2には、各々ローラ4が設けられ、各ローラ4、4間に両側に斜面を有するカム5が配置されている。このカム5は支持軸5aを介して上方に連結されたソレノイド7により上下方向に移動するようになっている。また支持軸5aはブッシュ5b間を摺動するようになっている。さらに各側壁3aには、電極ホルダ2、2をカム5側へ押付けるスプリング10、10が設けられている。
【0020】
上記構成部材のうち、ローラ4、4と、カム5と、ソレノイド7と、スプリング10、10とにより電極ホルダ2、2の開閉駆動手段が構成され、ソレノイド7によりカム5が引上げられた場合、カム5およびローラ4を介して電極ホルダ2、2がスプリング10、10の力に抗して開となり、ソレノイド7による力に対する作動が停止すると、電極ホルダ2、2のスプリング10、10の力により閉じるようになっている。
【0021】
また図1に示すように、右側の電極ホルダ(一方の電極ホルダ)2とこれに対応する側壁3aとの間に、固定シャフト8および可動シャフト9が貫通するピッチ規制プレート21が設けられ、左側の電極ホルダ(他方の電極ホルダ)2とこれに対応する側壁3aとの間に、固定シャフト8および可動シャフト9が貫通するピッチ規制プレート21が設けられている。
【0022】
図3に示すように、これらピッチ規制プレート21、21は、その中央部にスプリング10が挿入される挿入口22を有している。またピッチ規制プレート21、21の両端側に、固定シャフト8が貫通する嵌合孔23と、可動シャフト9が貫通する嵌合孔24とが設けられている。このうち嵌合孔24には、回り止めねじ12が装着されるねじ穴24aが直交して設けられ、ねじ穴24a内に回り止めねじ12を装着し、この回り止めねじ12を可動シャフト9の切欠部9aに嵌合させることにより可動シャフト9がピッチ規制プレート21に対して回動しないようになっている(図4参照)。
【0023】
ところで、各ピッチ規制プレート21の嵌合孔23、24は、電極ホルダ2のブッシュ(嵌合孔)16、17に正確に対応して設けられており、このためピッチ規制プレート21の嵌合孔23、24間の間隔(ピッチ)は電極ホルダ2のブッシュ16、17間の間隔(ピッチ)と正確に一致している。
【0024】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0025】
まずソレノイド7による引上動作が解除されると、一対の電極ホルダ2、2がスプリング10、10の力により閉方向へ移動する。この間、一対の電極ホルダ2、2は、固定シャフト8と可動シャフト9に沿って内方へ移動する。
【0026】
この場合、一対の電極ホルダ2、2の下端に設けられた電極部6、6がワークWを挟持し、この電極部6、6によりワークWに対する電気的特性が測定される。
【0027】
ワークWに対する電気的特性の測定が終了すると、ソレノイド7によりカム5が引上げられ、ローラ4を介して一対の電極ホルダ2、2が開方向へ移動する。
【0028】
ワークWの形状に合わせて、一対の電極ホルダ2、2に設けられた電極部6、6の位置を調整することがある。この場合は、電極部6、6の電極ホルダ2、2に対する突出高さを調整したり、可動シャフト9を長穴18内で微小に移動させて電極部6、6の位置の調整を行なう。
【0029】
可動シャフト9を長穴18内で移動させる際、はじめに固定ボルト11を緩めて可動シャフト9を長穴18内で微小長さ移動させる。その後、固定ボルト11を締付けて可動シャフト9を長穴18内に固定する。
【0030】
可動シャフト9を長穴18内で移動させる際、固定シャフト8と可動シャフト9との間の間隔(ピッチ)はピッチ規制プレート21により定まるため、可動シャフト9の移動中に固定シャフト8と可動シャフト9との間の間隔が変化することはない。このため可動シャフト9を固定ボルト11により固定した場合に、固定シャフト8と可動シャフト9との間の間隔を一定に保つことができるので、一対の電極ホルダ2が固定シャフト8と可動シャフト9に沿って移動する場合、電極ホルダ2、2のブッシュ16、17内に固定シャフト8と可動シャフト9をスムースに通過させることができる。このため引掛りなく、電極ホルダ2、2の移動を行なうことができる。
【0031】
なお、可動シャフト9を長穴18内で移動させる際、固定ボルト11をスパナで緩めたり締付けたりする必要があるが、可動シャフト9は回り止めねじ12によりピッチ規制プレート21に対して回動が係止されているので、固定ボルト11を緩めたり締付ける際に可動シャフト9が連れ回りしたりスパナの偏力により位置ずれすることはない。
【0032】
次に図5により本発明の他の実施の形態について説明する。
【0033】
図5に示す実施の形態は、一対の電極ホルダ2、2の開閉駆動手段として、スプリング10、ローラ4およびカム5を設ける代わりに、リンク機構22を設けたものであり、他は図1乃至図4に示す実施の形態と略同一である。
【0034】
図5において、図1乃至図4に示す実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0035】
図5において、ソレノイド7に一対のリンク22aを有するリンク機構22が連結され、リンク機構22の各リンク22aは対応する電極ホルダ2に連結されている。
【0036】
ソレノイド7の上下動によりリンク機構22を介して電極ホルダ2が開閉する。
【0037】
なお、図1乃至図4を示す実施の形態および図5に示す実施の形態において、開閉駆動手段として、更にソレノイド7の代わりに油圧駆動機構を設けてもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、一対の電極ホルダと、各々の電極ホルダに対応する側壁との間に固定シャフトと可動シャフトが貫通するピッチ規制プレートが配置されているので、可動シャフトを側壁に対して可動させた場合でも、固定シャフトと可動シャフトとの間の間隔をピッチ規制プレートにより一定に維持することができる。このため一対の電極ホルダを固定シャフトと可動シャフトに沿ってスムースに移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電気的特性測定装置を示す概略図
【図2】電気的特性測定装置の側面図
【図3】ピッチ規制プレートを示す図
【図4】可動シャフトを示す図
【図5】本発明による電気的特性測定装置の他の実施の形態を示す図
【図6】従来の電気的特性測定装置を示す図
【図7】図6に示す電気的特性測定装置の側面図
【図8】可動シャフトを示す図
【符号の説明】
2 電極ホルダ
3 フレーム
3a 側壁
4 ローラ
5 カム
6 電極部
7 ソレノイド
8 固定シャフト
9 可動シャフト
10 スプリング
11 固定ボルト
12 回り止めねじ
13 固定シャフト止めねじ
16、17 ガイドブッシュ
18 長穴
20 電気的特性測定装置
21 ピッチ規制プレート

Claims (5)

  1. 対向する一対の側壁を有するフレームと、
    フレームの両方の側壁に固定して設けられ、互いに対向して延びる一対の固定シャフトと、
    フレームの両方の側壁に可動に設けられ、互いに対向して延びる一対の可動シャフトと、
    一方の側壁側に設けられ、一方の固定シャフトおよび一方の可動シャフトにより摺動自在に支持されるとともに電極部を有する一方の電極ホルダと、
    他方の側壁側に設けられ、他方の固定シャフトおよび他方の可動シャフトにより摺動自在に支持されるとともに電極部を有する他方の電極ホルダと、
    一方の電極ホルダと他方の電極ホルダを開閉駆動する開閉駆動手段と、
    一方の電極ホルダとこれに対応する側壁との間に設けられ、一方の固定シャフトと一方の可動シャフトが貫通する一方のピッチ規制プレートと、
    他方の電極ホルダとこれに対応する側壁との間に設けられ、他方の固定シャフトと他方の可動シャフトが貫通する他方のピッチ規制プレートと、を備えたことを特徴とする電気的特性測定装置。
  2. 各ピッチ規制プレートの固定シャフトの嵌合孔と可動シャフトの嵌合孔との間の間隔は、対応する電極ホルダの固定シャフトの嵌合孔と可動シャフトの嵌合孔との間の間隔と同一となっていることを特徴とする請求項1記載の電気的特性測定装置。
  3. 各可動シャフトは対応するピッチ規制プレートに対して回り止め手段を用いて回転方向に係止されていることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の電気的特性測定装置。
  4. 各固定シャフトは対応する側壁に固定手段により固定されることを特徴とする請求項1記載の電気的特性測定装置。
  5. 各可動シャフトは対応する側壁に設けられた長穴内で可動自在となっていることを特徴とする請求項1記載の電気的特性測定装置。
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