JP4024012B2 - 光学活性ポリエステル、光反応型キラル剤、液晶組成物、液晶カラーフィルタ、光学フィルム及び記録媒体、並びに液晶の螺旋構造を変化させる方法、液晶の螺旋構造を固定化する方法 - Google Patents

光学活性ポリエステル、光反応型キラル剤、液晶組成物、液晶カラーフィルタ、光学フィルム及び記録媒体、並びに液晶の螺旋構造を変化させる方法、液晶の螺旋構造を固定化する方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光性を有する光学活性ポリエステル、液晶構造に変化を起こさせる光反応型キラル剤、これを含む液晶組成物、光学フィルム、液晶カラーフィルタ及び記録媒体、並びに液晶の螺旋構造を変化若しくは固定化させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶材料が注目され、例えば、螺旋構造を有し、該螺旋の捻れ力(捻れ角)により多彩な選択反射色を示すコレステリック液晶化合物等は、その選択反射性や選択反射光の色純度に優れることから、光学フィルム、液晶カラーフィルタ、あるいは記録媒体等に広く使用されている。
その具体例として、カラーフィルタを一例に以下に述べる。
【0003】
例えば、カラー液晶ディスプレー等に用いられるカラーフィルタは、一般に、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各画素と、その間隙に表示コントラスト向上を目的とするブラックマトリクスとが形成されて構成される。このようなカラーフィルタは、従来、樹脂中に顔料を分散させたものや染料を染着させたものが主流であり、その製造方法も、着色樹脂液をスピンコート等によりガラス基板上に塗布して着色レジスト層を形成しフォトリソグラフィ法によるパターニングを行ってカラーフィルタ画素を形成したり、着色画素を基板に直接印刷したりする方法が一般的であった。
【0004】
しかし、例えば、印刷法による製造方法では、画素の解像度が低く高精細な画像パターンの形成には対応が難しいという欠点があり、スピンコート法による製造方法では材料ロスが大きく、また大面積の基板に塗布する場合の塗布ムラが大きいといった欠点があった。また、電着法による製造方法によると、比較的解像度が高く、着色層のムラも少ないカラーフィルタを得ることができる反面、製造工程が煩雑であり液管理も難しいといった難点を有していた。
以上より、カラーフィルタの製造工程としては、材料ロスが少なく高効率に、かつ簡便に高品質なカラーフィルタを製造しうる製造方法が要望されていた。
【0005】
一方、カラーフィルタの性能としては、透過率、色純度が高いことが求められ、近年、染料を用いた方法では染料の種類や染着樹脂を最適化したり、顔料を用いる方法ではより微細分散した顔料を用いることにより上記要求に対する向上が図られてきた。しかしながら、最近の液晶ディスプレイ(LCD)パネルにおける、カラーフィルタの透過率、色純度に対する要求は極めて高く、特に反射型LCD用カラーフィルタにおいては、ペーパーホワイトの白表示とコントラスト、及び色再現性の両立が難しい一方、従来の製造方法における、樹脂中に染料を染着させ、或いは、顔料を分散させて製造されるカラーフィルタは、いずれも光吸収型のカラーフィルタであるため、透過率の更なる向上による色純度の改善はほぼ限界に達していた。
【0006】
以上のような状況に対して、コレステリック液晶を主成分とする偏光利用型カラーフィルタが知られている。この偏光利用型カラーフィルタは、一定の光量を反射しそれ以外を透過して画像表示を行うため、光の利用効率が高く、透過率、色純度の点でも光吸収型のカラーフィルタよりも卓越した性能を有する。他方、その製造方法には、均一厚が得られる観点から、スピンコート法等を用いて基板上に成膜する方法が一般に行われてきたが、材料ロスが大きいといった問題がありコストの点で不利であった。
【0007】
上記問題を解決し、カラーフィルタ膜の色純度等の均一性を確保することができ、しかも製造工程数の低減をも実現しうる手段として、光反応型のキラル化合物(カイラル化合物)を用いる方法が有用である。この方法は、光反応型のキラル化合物を含む液晶組成物に該キラル化合物の反応波長の光をパターン状に照射すると、その照射エネルギーの強度に応じてキラル化合物の反応が進行し、液晶化合物の螺旋ピッチ(螺旋の捻れ角)が変化するので、光量差のあるパターン露光のみにより画素ごとに選択反射色が形成されるという原理を用いている。つまり、カラーフィルタ形成時におけるパターニングの回数は透過光量の異なるマスクを用いた一回のマスク露光で完了しうるといたメリットがある。
従って、画像様に光照射してパターニングした後、パターニングされたコレステリック液晶化合物を固定化することにより、カラーフィルタとして機能する膜を形成できる。これは、光学用のフィルムや画像の記録等にも応用できる。
【0008】
特に、一回のマスク露光によってカラーフィルタを作製する場合などは、B(青色)、G(緑色)、R(赤色)の3原色を一回の露光で色純度良く形成できることが望まれる。しかし、液晶の捻れの変化率が小さい場合には十分な色純度が得られない。したがって、一回の露光で色純度の高い3原色を表示させる観点では、実用的には、用いる光反応型のキラル化合物として、液晶化合物の螺旋構造の捻れ力を大きく変化させ得る、捻れ変化率の大きいキラル化合物(キラル剤)を用いる必要がある。即ち、捻れ変化率の大きいキラル化合物を用いることにより、その光量変化により選択反射する色相の幅を拡げることができる。
【0009】
このようなキラル剤として、先に本出願人によりイソソルビド骨格を持つ低分子量の光反応型キラル剤の出願がなされている(特願2000−193142)。又、WO00/34808には、低分子量のベンジリデンメントン骨格を有する光反応型キラル剤が開示されている。
一方、画像様に光照射してパターニングした後、パターニングされたコレステリック液晶化合物を固定化する場合は、パターニングした後固定化するまでの間、そのパターンが維持されていなければ、解像度の良好な画像を得ることができない。
しかしながら、これらに記載のキラル剤では、良好な解像度を有する画像が得られないという問題を有していた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、照射する光量により液晶の螺旋ピッチ(捻れ力、螺旋の捻れ角)等の配向構造を変化させ得る光反応性を備え、しかも、例えばネマチック液晶化合物を含むコレステリック液晶相の場合に、選択反射可能な波長領域の幅が広く多彩な選択反射を示し、特に3原色(B、G、R)を色純度高く及び解像度良く表示させることができるなど、その螺旋ピッチ(捻れ力)を大きく変化させることの可能な光反応型キラル剤は、未だ提供されていないのが現状である。
【0011】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、
本発明は、第一に、感光性を有し、光により異性化して構造変化し得る新規な光学活性化合物を提供することを目的とする。
第二に、液晶性化合物の配向を制御し得、かつ光による液晶の螺旋ピッチ(捻れ力)の変化率(以下、「捻れ変化率」ということがある。)が大きく、例えばコレステリック液晶相の場合には、3原色(B、G、R)を含む広範な選択反射が可能で、色純度の高く解像度の良好な3原色を表示させ得る光反応型キラル剤を提供することを目的とする。
第三に、光により液晶の螺旋ピッチ(捻れ力)を変化でき、且つその捻れ変化率の大きい光反応型キラル剤を含み、光により液晶分子の配向状態を大きく立体的に制御して光学特性を変化しうる液晶組成物、例えばコレステリック液晶の場合には、光照射により3原色を含む広範な選択反射色を示し、しかも色純度及び解像度に優れた3原色の表示が可能な液晶組成物を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、第四に、捻れ変化率の大きい光反応型キラル剤を含む液晶組成物に光照射して液晶の螺旋ピッチ(捻れ力)を大きく変化させうる、液晶の螺旋構造を変化させる方法を提供することを目的とする。
第五に、捻れ変化率の大きい光反応型キラル剤を含む液晶組成物に対し、画像様に露光した後、パターン化された螺旋ピッチを損なわず維持された状態で固定化でき、特に液晶相がコレステリック液晶相の場合には、所望の選択反射色に液晶の螺旋構造を固定化し、色純度の高い色相を得ることのできる、液晶の螺旋構造を固定化する方法を提供することを目的とする。
【0013】
更に本発明は、第六に、光照射により液晶の螺旋ピッチ(捻れ力)を大きく変化させ得る光反応型キラル剤を含み、色純度の高い液晶カラーフィルタを提供することを目的とする。
第七に、光照射により液晶の捻れ力を大きく変化させ得る光反応型キラル剤を含む非光吸収型の光学フィルム、例えばコレステリック液晶相の場合には、選択反射域が広範で色純度の高い光学フィルムを提供することを目的とする。
第八に、光照射により液晶の捻れ力を大きく変化させ得る光反応型キラル剤を含み、画像様に光量を変化させることにより鮮明な画像を形成し得る記録媒体、例えば液晶相がコレステリック液晶相の場合には、色相が広範で色純度の高い選択反射色よりなる画像を形成し得る記録媒体を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明の手段は、以下の通りである。
<1> 少なくとも下記一般式(I)及び下記一般式(II)で示される構成単位からなることを特徴とする光学活性ポリエステル。
【化3】
Figure 0004024012
〔式(I)中、Ar1とAr2は、二価の芳香族基又は二価の複素芳香環基を表し、X1とX2は、水素原子又は電子吸引性基を表す。式(II)中のAは、二価の置換基を表す。〕
<2> 上記<1>において、Ar1とAr2が同じ置換基であり、且つ、X1とX2も同じ置換基で水素原子又はシアノ基である光学活性ポリエステル。
<3> 前記一般式(II)において、Aが二価の芳香族基である上記<1>又は<2>に記載の光学活性ポリエステル。
<4> 更に下記一般式(III)で示される構成単位を有する上記<1>から<3>のいずれかに記載の光学活性ポリエステル。
【化4】
Figure 0004024012
〔式(III)中のBは、二価の置換基を表す。〕
<5> 上記<1>から<4>のいずれかに記載の光学活性ポリエステルからなる光反応型キラル剤。
<6> 少なくとも液晶性化合物と、上記<1>から<4>のいずれかに記載の光学活性ポリエステルの少なくとも一種とを含む液晶組成物。
<7> 重合性基を少なくとも一つ有する液晶性化合物と、上記<1>から<4>のいずれかに記載の光学活性ポリエステルの少なくとも一種と、光重合開始剤とを含む液晶組成物。
<8> 上記<1>から<4>のいずれかに記載の光学活性ポリエステルと光重合開始剤とが、それぞれ異なる感光波長領域を持つ上記<7>に記載の液晶組成物。
<9> 上記<6>から<8>のいずれかに記載の液晶組成物に光照射して、当該組成物中の光学活性ポリエステルの構造を変化させる、液晶の螺旋構造を変化させる方法。
<10> 上記<6>から<8>のいずれかに記載の液晶組成物に対して、当該組成物中の光学活性ポリエステルの感光波長領域の光を画像様に照射した後、光重合開始剤の感光波長領域の光を照射して光重合を行う工程を有する、液晶の螺旋構造を固定化する方法。
<11> 少なくとも液晶性化合物と、上記<1>から<4>のいずれかに記載の光学活性ポリエステルの少なくとも一種とを含む液晶カラーフィルタ。
<12> 少なくとも液晶性化合物と、上記<1>から<4>のいずれかに記載の光学活性ポリエステルの少なくとも一種とを含む光学フィルム。
<13> 少なくとも液晶性化合物と、上記<1>から<4>のいずれかに記載の光学活性ポリエステルの少なくとも一種とを含む記録媒体。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
(光学活性ポリエステル)
本発明の光学活性ポリエステルは、少なくとも下記一般式(I)及び下記一般式(II)で示される構成単位からなることを特徴としている。
【0016】
【化5】
Figure 0004024012
式(I)中、Ar1とAr2は、二価の芳香族基又は二価の複素芳香環基を表し、X1とX2は、水素原子又は電子吸引性基を表す。式(II)中のAは、二価の置換基を表す。〕
【0017】
上記一般式(I)で表される構成単位について説明する。
Ar1とAr2で表される二価の芳香族基は、総炭素数が6〜30のものが好ましく、総炭素数が6〜20のものがより好ましい。
このような二価の芳香族基の内、下記で表される基が特に好ましい。
【0018】
【化6】
Figure 0004024012
【0019】
上式中のR1とR2は、一般式(I)で酸素原子と結合を形成する基であり、単結合、1,4−フェニレン基であり、この基中に存在する1個又は2個以上のCH基はNにより置き換えられていてもよく、或いは、ナフタレン−2,6−ジイル基であり、これらの基は、全部が未置換であるか、置換基として1個又は2個以上のハロゲン原子、総炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基を有していてもよい。これらの中でも、単結合と1,4−フェニレン基が好ましく、特に単結合が好ましい。
【0020】
上式中のR3とR4は、一般式(I)で酸素原子と結合を形成する基であり、上記のR1とR2から単結合を除いたものと同義であり、中でも1,4−フェニレン基が好ましい。
上式中のY1とY2は、無置換基若しくは置換基を有するエテニレン基又はエチニレン基を表し、エテニレン基の置換基としては、総炭素数1〜6のアルキル基、総炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、総炭素数6〜16のアリール基、シアノ基が挙げられ、特に無置換エテニレン基又はエチニレン基が好ましい。
【0021】
上式中のL1〜L4は、ハロゲン原子、総炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基が好ましく、特に総炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましい。
上式中のa〜dは、0、1〜4の整数を表し、特に0、1が好ましい。
特に好ましい二価の芳香族基は、下記である。
【0022】
【化7】
Figure 0004024012
【0023】
二価の芳香族基の例としては、次に掲げるものを挙げることができる。式中、右側の部分で酸素原子と結合を形成するものとする。式中のL5〜L7は、ハロゲン原子、総炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基を表す。
【0024】
【化8】
Figure 0004024012
【0025】
【化9】
Figure 0004024012
【0026】
1〜R4中の置換基として挙げられるハロゲン原子及びL1〜L7で表される前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましく、特にフッ素原子が好ましい。
【0027】
1〜R4中の置換基として挙げられるアルキル基、Y1〜Y2中の置換基として挙げられるアルキル基及びL1〜L7で表される前記アルキル基としては、直鎖でも分岐でもよく、ハロゲン原子或いはアルコキシ基で置換されていてもよい。
【0028】
1〜R4中の置換基として挙げられるアルコキシ基及びL1〜L7で表される前記アルコキシ基としては、直鎖でも分岐でもよく、ハロゲン原子或いはアルコキシ基で置換されていてもよい。
【0029】
1とY2中の置換基として挙げられるアルコキシカルボニル基としては、直鎖でも分岐でもよく、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルケニル基、アリール基で置換されていてもよい。Y1とY2中の置換基として挙げられるアリール基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基で置換されていてもよい。
【0030】
Ar1とAr2で表される前記の二価複素芳香環基としては、総炭素数4〜20のものが好ましく、特に4〜16のものが好ましい。又、含窒素複素芳香環基が好ましく、特にピリジル基、ピリミジニル基が好ましい。
このような複素芳香環基としては、、フリル基、ベンゾフラニル基が挙げられ、この中でも、ピリジル基、ピリミジニル基が好ましい。
【0031】
このような二価の複素芳香環基の内、下記式で表される基が好ましい。
【化10】
Figure 0004024012
【0032】
上式中のR5〜R8は、一般式(I)で酸素原子と結合を形成する基であり、前記のR1〜R4と同義であり、L8〜L11は、前記のL1〜L4と同義である。e〜hは0、1、2の整数であり、特に0が好ましい。
【0033】
この中でも、特に下記式で表される二価の複素芳香環基が好ましい。
【化11】
Figure 0004024012
【0034】
二価の複素芳香族基の例としては、次に掲げるものを挙げることができる。式中、右側の部分で酸素原子と結合を形成するものとする。式中のL12は、ハロゲン原子、総炭素数1〜6のアルキル基又はアルコキシ基を表す。
【0035】
【化12】
Figure 0004024012
【0036】
5〜R8中の置換基として挙げられるハロゲン原子及びL8〜L12で表される前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましく、特にフッ素原子が好ましい。
【0037】
5〜R8中の置換基として挙げられるアルキル基及びL8〜L12で表される前記アルキル基としては、直鎖でも分岐でもよく、ハロゲン原子或いはアルコキシ基で置換されていてもよい。
【0038】
5〜R8中の置換基として挙げられるアルコキシ基及びL8〜L12で表される前記アルコキシ基としては、直鎖でも分岐でもよく、ハロゲン原子或いはアルコキシ基で置換されていてもよい。
【0039】
以上のようなAr1とAr2の内、特に二価の芳香族基が好ましく、又、Ar1とAr2が同一の基を表すものが特に好ましい。
【0040】
一般式(I)中のX1とX2で表される前記電子吸引基としては、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基が好ましく、特にシアノ基が好ましい。
【0041】
上記アルコキシカルボニル基としては、総炭素数2〜30のアルコキシカルボニル基が好ましく、特に2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましい。
上記アルキルスルホニル基としては、総炭素数1〜30のアルキルスルホニル基が好ましく、特に1〜20のアルキルスルホニル基が好ましい。
上記アリールオキシカルボニル基としては、総炭素数2〜30のアリールオキシカルボニル基が好ましく、特に2〜20のアリールオキシカルボニル基が好ましい。
上記アリールスルホニル基としては、総炭素数2〜30のアリールスルホニル基が好ましく、特に2〜20のアリールスルホニル基が好ましい。
これらは置換基を有していてもよく、置換基としてはハロゲン原子、アルキル基等が挙げられる。
1とX2としては、水素原子又はシアノ基が好ましく、特にX1とX2が同一の置換基であるのが好ましい。
【0042】
以下、前記一般式(I)で表される構成単位の具体例(例示化合物1−1〜12、2−1〜12、3−1〜8、4−1〜8、5−1〜8)を示す。但し、本発明においては、これらに制限されるものではない。
【0043】
【化13】
Figure 0004024012
【0044】
【化14】
Figure 0004024012
【0045】
【化15】
Figure 0004024012
【0046】
【化16】
Figure 0004024012
【0047】
【化17】
Figure 0004024012
【0048】
【化18】
Figure 0004024012
【0049】
【化19】
Figure 0004024012
【0050】
【化20】
Figure 0004024012
【0051】
次に、前記一般式(II)で表される構成単位について説明する。
【0052】
Aで表される二価の置換基は、総炭素数が1〜40の二価の置換基であることが好ましく、特に総炭素数が6〜40の二価の芳香族基であることが好ましい。ここで二価の芳香族基とは、ベンゼン環やナフタレン環等の芳香環を表すものの他、これら芳香環に共役する二重結合又は三重結合を有するものも含む。又、一般式(II)において、カルボニル基と結合する部分が芳香族基であれば、その間に芳香族基以外の二価の置換基を介していてもよい。
【0053】
本発明の構成単位である一般式(II)において、Aが二価の芳香族基を表す場合(以下、芳香族ジカルボン酸成分という。)、下記に掲げるもの(6−1〜6−6)が好ましく、この中でも特に、6−1、6−2、6−3が好ましい。
【化21】
Figure 0004024012
【0054】
上式中のL21〜L29は、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基を表し、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基が好ましく、特にハロゲン原子、アルキル基が好ましい。又、i〜gは0、1、2、3の整数であり、特に0が好ましい。
【0055】
上式中のG1〜G4は、単結合、−O−、−S−、−O−CO−、−COO−、−O−COO−、−O−CO−N(R11)−、−N(R12)−COO−、−N(R13)−CO−、−CO−N(R14)−、−N(R15)−CO−N(R16)−を表し、この中で、単結合、−O−、−O−CO−N(R11)−、−N(R12)−COO−、−N(R13)−CO−、−N(R15)−CO−N(R16)−が好ましく、特に単結合、−O−、−N(R13)−CO−が好ましい。
【0056】
11〜R16で表される前記アルキル基は、無置換でも置換基で置換されていてもよく、総炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、総炭素数1〜8のアルキル基が特に好ましい。置換されている場合の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリール基等が挙げられる。
【0057】
上式中のA1とA2は、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基を表し、この中でも、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基が好ましく、特にアルキレン基、アリーレン基が好ましい。
【0058】
前記一般式(II)で表される構成単位の具体例としては、下記に示される基(7−1〜7−18)が挙げられ、この中でも特に、7−1〜7−8が好ましい。
【化22】
Figure 0004024012
【0059】
【化23】
Figure 0004024012
【0060】
上式中のL21〜L29で表される前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましく、特にフッ素原子、塩素原子が好ましい。
【0061】
上式中のL21〜L29で表される前記アルキル基としては、無置換でも置換基で置換されていてもよく、総炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、総炭素数1〜8のアルキル基が特に好ましい。置換されている場合の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシ基等が挙げられる。
【0062】
上式中のL21〜L29で表される前記アリール基、無置換でも置換基で置換されていてもよく、総炭素数6〜20のアリール基が好ましく、総炭素数6〜15のアリール基が特に好ましい。置換されている場合の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基等が挙げられる。
【0063】
上式中のL21〜L29で表される前記アルコキシ基としては、無置換でも置換基で置換されていてもよく、総炭素数1〜12のアルコキシ基が好ましく、総炭素数1〜8のアルコキシ基が特に好ましい。置換されている場合の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシ基等が挙げられる。
【0064】
上式中のA1とA2は二価の連結基を表し、例えば、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基等を挙げることができる。
上式のA1とA2で表される前記アルキレン基としては、置換基を有していてもよく、直鎖状でも分岐状でも環状でもよく、総炭素数が1〜28のアルキレン基が好ましく、総炭素数が2〜20のアルキレン基が特に好ましい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシ基等が挙げられる。又、一つ又は隣接しない二つ以上のCH2が、酸素原子、硫黄原子、前記G1基で置き換わっていてもよく、又アルキレン鎖中にアリール基が含まれていてもよい。
【0065】
上式のA1とA2で表される前記アルケニレン基としては、置換基を有していてもよく、直鎖状でも分岐状でも環状でもよく、総炭素数が2〜28のアルケニレン基が好ましく、総炭素数が2〜20のアルケニレン基が特に好ましい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシ基等が挙げられる。
【0066】
上式のA1とA2で表される前記アルキニレン基としては、総炭素数が2〜28のアルキニレン基が好ましく、総炭素数が2〜20のアルキニレン基が特に好ましい。
【0067】
上式のA1とA2で表される前記アリーレン基としては、置換基を有していてもよく、総炭素数が6〜28のアリーレン基が好ましく、総炭素数が6〜20のアリーレン基が特に好ましい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシ基等が挙げられる。
【0068】
以下、本発明で用いられる芳香族ジカルボン酸成分の具体例(例示化合物A−1〜A−38)を示す。但し、本発明においては、これらに制限されるものではない。
【0069】
【化24】
Figure 0004024012
【0070】
【化25】
Figure 0004024012
【0071】
【化26】
Figure 0004024012
【0072】
【化27】
Figure 0004024012
【0073】
【化28】
Figure 0004024012
【0074】
【化29】
Figure 0004024012
【0075】
又、本発明の一般式(II)で表される構成単位は、上記の芳香族ジカルボン酸成分と共に一般式(II)においてAが二価の脂肪族基であるもの(以下、脂肪族ジカルボン酸成分という。)を含有してもよく、或いは脂肪族ジカルボン酸成分を単独で用いてもよい。ここで二価の脂肪族基とは、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基をいうものとする。
【0076】
上記のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基は、夫々前記のA1又はA2で表されるアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基と同義である。
【0077】
以下、本発明で用いられる脂肪族ジカルボン酸成分の具体例(例示化合物B−1〜B−7)を示す。但し、本発明においては、これらに制限されるものではない。
【0078】
【化30】
Figure 0004024012
【0079】
又、本発明では、前記ジカルボン酸成分と共に、モノカルボン酸成分を含有してもよい。併用する場合のモノカルボン酸成分の含有量は、全構成成分の1〜40モル%が好ましく、特に1〜30モル%が好ましい。
【0080】
このようなモノカルボン酸成分としては、芳香族カルボン酸或いは脂肪族カルボン酸のいずれでもよく、具体例としては、次に掲げるもの(C−1〜C−8)が挙げられる。
(C−1)酢酸、 (C−2)ヘキサン酸、(C−3)オレイン酸
(C−4)ケイ皮酸、(C−5)安息香酸、 (C−6)p−トルイル酸
(C−7)p−フルオロ安息香酸、
【化31】
Figure 0004024012
【0081】
本発明の光学活性ポリエステルには、一般式(III)で表される構成単位(以下、二価アルコール成分という。)を含んでいてもよい。但し、一般式(III)は一般式(I)を表さないものとする。このような二価アルコール成分としては、Bで表される二価の置換基が二価の芳香族基であること、即ち、芳香族二価アルコール成分であることが好ましい。該芳香族二価アルコール成分とは、ベンゼン環、ナフタレン環の芳香環に水酸基が直接結合しているものの他に、これらの芳香環に共役する二重結合又は三重結合を介して水酸基が結合しているものも含む。又、一般式(III)において、酸素原子と結合する部分が芳香族基であれば、その間に芳香族基以外の二価の置換基を介していてもよい。
【0082】
本発明に用いる芳香族二価アルコール成分としては、下記に掲げるもの(C−1〜C−5)が好ましく、この中でも特に、C−1とC−2が好ましい。
【化32】
Figure 0004024012
【0083】
上式中のL31〜L38は、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシカルボニル基、シアノ基を表し、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基が好ましく、特にハロゲン原子、アルキル基が好ましい。又、r〜yは0、1、2、3の整数であり、0、1、2が好ましく、特に0、1が好ましい。
【0084】
上式中のG6〜G9は、単結合、−O−、−S−、−O−CO−、−COO−、−O−COO−、−O−CO−N(R21)−、−N(R22)−COO−、−N(R23)−CO−、−CO−N(R24)−、−N(R25)−CO−N(R26)−を表し、この中でも、単結合、−S−、−COO−、−N(R23)−CO−、−CO−N(R24)−、−N(R25)−CO−N(R26)−が好ましく、特に単結合、−S−、−N(R23)−CO−が好ましい。ここで、R21〜R26は水素原子又はアルキル基であり、A4とA5と結合するのは、右側の結合手である。
上式中のA4とA5は、前記のA1とA2に同じである。
上式中のG5は、単結合、−O−、−S−、−SO2−、−CO−を表し、この中でも、単結合、−O−、−SO2−、−CO−が好ましく、特に単結合、−O−、−SO2−が好ましい。
【0085】
21〜R26で表される上記アルキル基は、前記のR11〜R16で表されるアルキル基と同義である。
【0086】
本発明の芳香族二価アルコール成分としては、具体的には下記に示される基(C−6〜C−17)が挙げられ、この中でも特にC−6〜C−9が好ましい。
【化33】
Figure 0004024012
【0087】
上式中のL31〜L38は、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基を表し、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基が好ましく、特にハロゲン原子、アルキル基が好ましい。又、r〜yは0、1、2、3の整数であり、特に0が好ましい。
【0088】
上式中のL31〜L38で表される前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましく、特にフッ素原子、塩素原子が好ましい。
【0089】
上式中のL31〜L38で表される前記アルキル基としては、無置換でも置換基で置換されていてもよく、総炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、総炭素数1〜8のアルキル基が特に好ましい。置換されている場合の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシ基等が挙げられる。
【0090】
上式中のL31〜L38で表される前記アリール基、無置換でも置換基で置換されていてもよく、総炭素数6〜20のアリール基が好ましく、総炭素数6〜15のアリール基が特に好ましい。置換されている場合の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基等が挙げられる。
【0091】
上式中のL31〜L38で表される前記アルコキシ基としては、無置換でも置換基で置換されていてもよく、総炭素数1〜12のアルコキシ基が好ましく、総炭素数1〜8のアルコキシ基が特に好ましい。置換されている場合の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシ基等が挙げられる。
【0092】
上式中のL31〜L38で表される前記アルコキシカルボニル基としては、無置換でも置換基で置換されていてもよく、総炭素数2〜13のアルコキシカルボニル基が好ましく、総炭素数2〜9のアルコキシカルボニル基が特に好ましい。置換されている場合の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシ基等が挙げられる。
【0093】
上式中のA4とA5は二価の連結基を表し、例えば、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基等を挙げることができる。
上式のA4とA5で表される前記アルキレン基としては、置換基を有していてもよく、直鎖状でも分岐状でも環状でもよく、総炭素数が1〜40のアルキレン基が好ましく、総炭素数が2〜32のアルキレン基が特に好ましい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシ基等が挙げられる。又、一つ又は隣接しない二つ以上のCH2が、酸素原子、硫黄原子、前記G1基で置き換わっていてもよく、又アルキレン鎖中にアリール基が含まれていてもよい。
【0094】
上式のA4とA5で表される前記アルケニレン基としては、置換基を有していてもよく、直鎖状でも分岐状でも環状でもよく、総炭素数が2〜30のアルケニレン基が好ましく、総炭素数が2〜20のアルケニレン基が特に好ましい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシ基等が挙げられる。
【0095】
上式のA4とA5で表される前記アルキニレン基としては、総炭素数が2〜40のアルキニレン基が好ましく、総炭素数が2〜32のアルキニレン基が特に好ましい。
【0096】
上式のA4とA5で表される前記アリーレン基としては、置換基を有していてもよく、総炭素数が6〜40のアリーレン基が好ましく、総炭素数が6〜32のアリーレン基が特に好ましい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシ基等が挙げられる。
【0097】
以下、本発明で用いられる芳香族ジオール成分の具体例(例示化合物D−1〜D−25)を示す。但し、本発明においては、これらに制限されるものではない。
【0098】
【化34】
Figure 0004024012
【0099】
【化35】
Figure 0004024012
【0100】
【化36】
Figure 0004024012
【0101】
又、本発明の一般式(III)で表される構成単位は、上記の芳香族ジオール成分と共に、一般式(III)においてBが二価の脂肪族基であるもの(以下、脂肪族ジオール成分という。)を含有してもよく、或いは一般式(I)のジオール成分及び脂肪族ジオール成分を単独で用いてもよい。
脂肪族ジオール成分とは、一般式(I)のジオール成分及び前記の芳香族ジオール成分以外のジオール成分を指す。
【0102】
このような脂肪族ジオール成分としては、Bがアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基であることが好ましい。これらのアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基は、前記のA1又はA2で表されるものと同義である。
【0103】
以下、本発明で用いられる脂肪族ジオール成分の具体例(例示化合物E−1〜E−9)を示す。但し、本発明においては、これらに制限されるものではない。
【0104】
【化37】
Figure 0004024012
【0105】
又、本発明では、前記ジオール成分と共に、モノアルコール成分を含有してもよい。併用する場合のモノアルコール成分の含有量は、全構成成分の1〜40モル%が好ましく、特に1〜30モル%が好ましい。
【0106】
このようなモノアルコール成分としては、芳香族アルコール或いは脂肪族アルコールのいずれでもよく、具体例としては、次に掲げるもの(F−1〜C−10)が挙げられる。
(F−1)メタノール、(F−2)エタノール、(F−3)プロパノール、
(F−4)デシルアルコール、(F−5)アリルアルコール、
(F−6)ベンジルアルコール、(F−7)フェノール、(F−8)クレゾール、(F−9)p−メトキシフェノール、
【化38】
Figure 0004024012
【0107】
(光学活性ポリエステルの合成)
次に、本発明の光学活性ポリエステルの合成方法について説明する。
一般式(I)で表される構成単位に対応するジオールは、下記の反応式(A)により合成することができる。
【化39】
Figure 0004024012
即ち、Xが電子吸引基の場合は、化学式(A)とHO−Ar−CHOで表されるアルデヒド誘導体との反応により合成することができる。また、Xが水素原子の場合は、下記反応式(B)による。
【化40】
Figure 0004024012
即ち、化合物Bとイソソルビドとを反応させた後に、Pで表される保護基を脱保護することにより合成することができる。
化合物Bとイソソルビドとの反応は、特願2000−193142に記載の方法に準じて行うことができる。
【0108】
保護基Pは一般に水酸基の保護基として知られている置換基ならばよく、例えばProtective Group in Organic Synthesis(John Wiley & Sons社)87−113頁(1981年)に記載された置換基が挙げられ、例えば、アセチル基、メトキシメチル基、テトラヒドロピラニル基、tert−ブチルジメチルシリル基等が挙げられる。
保護基Pの脱保護方法は、それぞれの保護基Pに適した方法により行うことが好ましい。脱保護方法については上記の成書に詳しい。
【0109】
一般式(II)で表される構成単位に対応するジカルボン酸又はジカルボン酸誘導体は、市販品又は公知の方法で合成したものを用いることができる。又、一般式(III)で表される構成単位に対応するジオールも、市販品又は公知の方法で合成したものを用いることができる。
【0110】
本発明のポリエステルの製造は、一般式(I)で表される構成単位に対応するジオール、及び一般式(II)で表される構成単位に対応するジカルボン酸又はジカルボン酸誘導体との重縮合反応により行われる。この際一般式(III)で表される構成単位に対応するジオール、モノカルボン酸、若しくはモノカルボン酸誘導体、又はモノアルコール等を共存させておいてもよい。
モノカルボン酸成分、モノアルコール成分は、重縮合反応の初期から共存させておいてもよいし、反応途中または反応を停止させるために加えてもよい。
【0111】
ポリエステル化反応は、例えば、「新高分子実験学第3巻 高分子の合成・反応(2)、縮合系高分子の合成」(高分子学会編)(共立出版)(1996年)77〜95頁を参考に行うことができる。
【0112】
本発明のポリエステルの製造においては、酸成分として酸クロリドを用いる重縮合反応が好ましい。この場合、塩基を用いてもよく、塩基としては、トリエチルアミン、ピリジン、DBU等が挙げられる。
溶媒は、THF、DMF、N−メチルピロリドン、アセトニトリル等が挙げられる。
【0113】
一般式(I)で表される構成単位の含量は、所望のHTP、分子量、溶解性等に応じて、全構成成分の10〜90モル%が好ましく、特に20〜80モル%が好ましい。
一般式(I)で表される構成単位等のジオール成分と一般式(II)で表される構成単位等のジカルボン酸成分の仕込組成は、モル比で(ジオール成分)/(ジカルボン酸成分)の値として80/20〜20/80が好ましく、70/30〜30/70が特に好ましい。
【0114】
本発明のポリエステルのポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)としては2,000〜100,000であることが好ましく、2,000〜50,000であることがより好ましい。
【0115】
(光反応型キラル剤)
本発明の光反応型キラル剤は、少なくとも前記一般式(I)及び前記一般式(II)で示される構成単位を有する光学活性ポリエステルよりなり、液晶性化合物の配向構造を制御し得ると共に、光の照射により構造異性化して液晶の螺旋ピッチ、即ち螺旋構造の捻れ力(HTP:ヘリカルツイスティングパワー)を変化させることができる特質を有する。即ち、液晶性化合物、好ましくはネマチック液晶化合物に誘起する螺旋構造の捻れ力の変化を光照射(紫外線〜可視光線〜赤外線)によって起こさせる化合物であり、必要な部位(分子構造単位)として、キラル部位(カイラル部位)と光の照射によって構造変化を生じる部位とを有する。
【0116】
しかも、本発明の光学活性ポリエステルよりなる光反応型キラル剤は、特に液晶分子のHTPを大きく変化させることができる。したがって、例えば、液晶性化合物にネマチック液晶化合物を用いたコレステリック液晶(液晶相)の場合には、B(青色)、G(緑色)、R(赤色)の3原色を含む広範囲の波長領域にわたる選択反射が可能となる。即ち、光の波長の選択反射特性は、液晶分子の螺旋構造の捻れ角により決まり、その角度が大きく変化するほど選択反射する色幅が広範となり有用となる。
【0117】
尚、前記HTPは、液晶の螺旋構造の捻れ力、即ち、HTP=1/(ピッチ×キラル剤濃度〔質量分率〕)を表し、例えば、ある温度での液晶分子の螺旋ピッチ(螺旋構造の一周期;μm)を測定し、この値をキラル剤の濃度から換算〔μm-1〕して求めることができる。
光反応型キラル剤により光の照度により選択反射色を形成する場合、前記HTPの変化率(=照射前のHTP/照射後のHTP)としては、照射後にHTPがより小さくなる場合には1.5以上が好ましく、更に2.5以上がより好ましく、照射後にHTPがより大きくなる場合には0.7以下が好ましく、更に0.4以下がより好ましい。
【0118】
また、本発明の光反応型キラル剤は、捻れ力の温度依存性が大きいキラル化合物など、光反応性のない公知のキラル剤と併用することもできる。
前記光反応性のない公知のキラル剤としては、例えば、特開2000−44451号、特表平10−509726号、WO98/00428、特表2000−506873号、特表平9−506088号、Liquid Crystals(1996、21、327)、Liquid Crystals(1998、24、219)等に記載のキラル剤が挙げられる。
【0119】
(液晶組成物)
本発明の液晶組成物は、少なくとも一種の液晶性化合物(好ましくはネマチック液晶化合物)と、前記本発明の光学活性ポリエステル(即ち、光反応型キラル剤)より選択される少なくとも一種とを含んでなり、前記液晶性化合物は、重合性基を有していても有していなくてもよい。
また、必要に応じて、重合性モノマー、重合開始剤や、バインダ樹脂、溶媒、界面活性剤、重合禁止剤、増粘剤、色素、顔料、紫外線吸収剤、ゲル化剤等の他の成分を含んでいてもよい。本発明の液晶組成物は、特に界面活性剤を併用することが好ましい。例えば、塗布液状の液晶組成物を塗布し層形成する場合など、層表面の空気界面における液晶分子の配向状態を立体的に制御でき、特にコレステリック液晶相の場合には、より色純度の高い解像度の良い選択反射波長を得ることができる。
【0120】
(光学活性ポリエステル)
前記光学活性ポリエステルとしては、光反応型キラル剤として、少なくとも前記一般式(I)及び前記一般式(II)で示される構成単位を有する光学活性ポリエステルを含有し、液晶分子の配向構造を立体的に制御すると共に、所望のパターン及び光量で光照射することによって、共存する液晶性化合物、好ましくはネマチック液晶化合物の螺旋構造を変化させる。
前記光学活性ポリエステル(光反応型キラル剤)の含有量としては、特に制限はなく適宜選択できるが、液晶組成物の全固形分(質量)の0.1〜30質量%程度が好ましい。
【0121】
(液晶性化合物)
液晶性化合物としては、その屈折率異方性Δnが、0.10〜0.40の液晶化合物、高分子液晶化合物、重合性液晶化合物の中から適宜選択することができる。例えば、スメクティック液晶化合物、ネマチック液晶化合物などを挙げることができ、中でも、ネマチック液晶化合物が好ましい。例えば、液晶性化合物にネマチック液晶化合物を用い、これに前記一般式(I)で表される光学活性ポリエステルを併用することによって、コレステリック液晶組成物(コレステリック液晶相)とすることができる。
前記液晶性化合物は、溶融時の液晶状態にある間に、例えばラビング処理等の配向処理を施した配向基板を用いる等により配向させることができる。また、液晶状態を固相にして固定化する場合には、冷却、重合等の手段を用いることができる。
【0122】
前記液晶性化合物の具体例としては、下記化合物を挙げることができる。但し、本発明においては、これらに制限されるものではない。
【0123】
【化41】
Figure 0004024012
【0124】
【化42】
Figure 0004024012
【0125】
【化43】
Figure 0004024012
【0126】
前記式中、nは、1〜1000の整数を表す。
前記各例示化合物においては、芳香環の連結基が以下の構造に変わったものも同様に好適なものとして挙げることができる。
【0127】
【化44】
Figure 0004024012
【0128】
上記の中でも、十分な硬化性を確保し、層の耐熱性を向上させる観点からは、分子内に重合性基あるいは架橋性基を有する液晶性化合物が好ましい。
【0129】
液晶性化合物の含有量としては、液晶組成物の全固形分(質量)の30〜99.9質量%が好ましく、50〜95質量%がより好ましい。前記含有量が、30質量%未満であると、配向が不十分となることがあり、特にコレステリック液晶の場合には所望の選択反射色が得られないことがある。
【0130】
(光重合開始剤)
本発明の液晶組成物は光重合開始剤を含有させることもでき、該光重合開始剤の併用により重合性基の重合反応を促進し、光照射により液晶の螺旋ピッチ(捻れ力)を変化させた後の螺旋構造を固定化して、固定化後の液晶組成物の強度をより向上させることができる。液晶の螺旋構造の固定化に、重合性の液晶性化合物による重合反応を利用した場合には光重合開始剤を添加することが好ましい。
例えば、液晶相がコレステリック液晶相である場合には、所望の螺旋ピッチが安定的に得られ、色純度の高い解像度の良い選択反射色を確保することができる。
【0131】
前記光重合開始剤としては、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、p−メトキシフェニル−2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、9−フェニルアクリジン、9,10−ジメチルベンズフェナジン、ベンゾフェノン/ミヒラーズケトン、ヘキサアリールビイミダゾール/メルカプトベンズイミダゾール、ベンジルジメチルケタール、チオキサントン/アミン、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート等、更にビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド等の特開平10−29997号公報に記載のビスアシルホスフィンオキシド類、LucirinTPO等のDE4230555等に記載のアシルホスフィンオキシド類等が挙げられる。
【0132】
前記光重合開始剤の添加量としては、液晶組成物の全固形分(質量)に対して、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。前記添加量が、0.1質量%未満であると、光照射時の硬化効率が低いため長時間を要することがあり、20質量%を越えると、紫外線領域から可視光領域での光透過率が劣ることがある。
【0133】
既述の通り、本発明の液晶組成物においては、前記少なくとも前記一般式(I)及び前記一般式(II)で示される構成単位を有する光学活性ポリエステルと光重合開始剤とを併含し、前記光学活性ポリエステルは光により異性化(トランス−シス)して液晶の螺旋ピッチを変化させ得るものであり、前記光重合開始剤は光により重合性基の重合反応を促進させ得るものであるので、光学活性ポリエステルと光重合開始剤とが、光源波長に対して、それぞれ異なる感光波長領域を持つことが好ましい。ここで、異なる感光波長を持つとは、両者の感光中心波長が重ならず、例えば、画像の表示特性や選択反射による色相純度や解像度の低下等を起こさない程度に、画像様露光時又は重合硬化時に互いに液晶配向を変化させないことをいう。感光中心波長が重ならないようにするには、両者の分子構造によることの他、バンドパスフィルタ等を通して照射光の波長を制御することでも行うことができる。
【0134】
両者が互いに異なる波長の光に感光(感応)することによって、画像様に照射して液晶分子をパターン状に配向させた後、パターン状に配向してなる液晶の螺旋ピッチに影響を与えることなく固定化し、所望の螺旋ピッチよりなる画像を得ることができる。例えば、液晶相がコレステリック液晶相である場合には、所望の螺旋ピッチよりなる選択反射色を示し、色純度と解像度に優れた色相を得ることができる。
【0135】
(重合性モノマー)
本発明の液晶組成物には、例えば膜強度等の硬化の程度を向上させる目的で、重合性モノマーを併用してもよい。該重合性モノマーを併用すると、光照射による液晶の捻れ力を変化(パターニング)させた後(例えば、選択反射波長の分布を形成した後)、その螺旋構造(選択反射性)を固定化し、固定化後の液晶組成物の強度をより向上させることができる。但し、前記液晶性化合物が同一分子内に重合性基を有する場合には、必ずしも添加する必要はない。
【0136】
前記重合性モノマーとしては、例えば、エチレン性不飽和結合を持つモノマー等が挙げられ、具体的には、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能モノマーが挙げられる。
前記エチレン性不飽和結合を持つモノマーの具体例としては、以下に示す化合物を挙げることができる、但し、本発明においては、これらに限定されるものではない。
【0137】
【化45】
Figure 0004024012
【0138】
前記重合性モノマーの添加量としては、液晶組成物の全固形分(質量)に対して、0.5〜50質量%が好ましい。前記添加量が、0.5質量%未満であると、十分な硬化性を得ることができないことがあり、50質量%を越えると、液晶分子の配向を阻害し、十分な発色が得られないことがある。
【0139】
(他の成分)
更に、他の成分として、バインダー樹脂、溶媒、界面活性剤、重合禁止剤、増粘剤、色素、顔料、紫外線吸収剤、ゲル化剤等を添加することもできる。
前記バインダー樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン等のポリスチレン化合物、メチルセルロース、エチルセルロース、アセチルセルロース等のセルロース樹脂、側鎖にカルボキシル基を有する酸性セルロース誘導体、ポリビニルフォルマール、ポリビニルブチラール等のアセタール樹脂、特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号に記載のメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等が挙げられる。
【0140】
アクリル酸アルキルエステルのホモポリマー及びメタアクリル酸アルキルエステルのホモポリマーも挙げられ、これらについては、アルキル基がメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基等のものを挙げることができる。
その他、水酸基を有するポリマーに酸無水物を添加させたもの、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタアクリル酸のホモポリマータ)アクリル酸共重合体やベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他のモノマーの多元共重合体等が挙げられる。
【0141】
液晶組成物中におけるバインダー樹脂の含有量としては、0〜50重量%が好ましく、0〜30重量%がより好ましい。前記含有量が50重量%を超えると、液晶性化合物の配向が不十分となることがある。
【0142】
本発明の液晶組成物においては、光反応性キラル剤及び液晶性化合物と共に界面活性剤を併用することが好ましい。該界面活性剤としては、排除体積効果を及ぼす界面活性剤が好ましい。ここで、排除体積効果を及ぼすとは、例えば塗布により液晶組成物を含む層を形成した際の、該層表面の空気界面での空間的な配向状態を立体的に制御することをいう。具体的には、ノニオン系の界面活性剤が好ましく、公知のノニオン系界面活性剤の中から適宜選択して使用することができる。
【0143】
前記重合禁止剤は、保存性の向上の目的で添加され得る。例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン、ベンゾキノン、及びこれらの誘導体等が挙げられる。該重合禁止剤の添加量としては、前記重合性モノマーに対して0〜10重量%が好ましく、0〜5重量%がより好ましい。
【0144】
本発明の液晶組成物は、前記各成分を適当な溶媒に溶解、分散して調製でき、これを任意の形状に成形し、あるいは支持体等の上に形成して用いることができる。ここで、前記溶媒としては、例えば、2−ブタノン、シクロヘキサノン、塩化メチレン、クロロホルム等が挙げられる。
【0145】
(液晶の螺旋構造を変化させる方法)
前述の通り、本発明の液晶組成物は光反応型キラル剤(本発明の光学活性ポリエステル)を含んでなり、本発明の液晶の螺旋構造を変化させる方法においては、前述の本発明の液晶組成物に対して所望の光量で所望のパターン状に光照射することにより、液晶の螺旋ピッチ(捻れ力)を変化させ、液晶の螺旋構造、即ち、螺旋の捻れの程度(捻れ力;HTP)の異なる領域を形成することができる。
【0146】
また、特に液晶相をコレステリック液晶相とする場合には、その捻れ力に応じ液晶の示す選択反射色を任意に変化させることができる。この捻れ力の変化率(捻れ変化率)が大きい場合は、液晶が選択反射し得る選択反射色の色幅が拡く、3原色(B,G,R)を含む広範な波長域の選択反射を得ることが可能であり、このことは、特にBGRの3原色を色純度高く解像度良く表示させることができる点で重要となる。この点において、特に既述の本発明の光学活性ポリエステルは、液晶の螺旋構造の捻れ力を大きく変化させることができるので、該化合物(キラル剤)を含む液晶組成物を用いることにより、青(B)、緑(G)、赤(R)の3原色を含む広範な色相を表示することができ、しかも色純度と解像度に優れた3原色を得ることができる。
【0147】
具体的には、以下のようにして行える。即ち、
液晶組成物にある波長の光を照射すると、その照射強度に応じて共存する光反応型キラル剤(本発明の光学活性ポリエステル)が感光して液晶の螺旋構造(捻れ角)を変化させ、画像様のパターンが形成される(パターニング)。コレステリック液晶組成物の場合は、この構造変化により異なる選択反射色を示す。従って、所望の領域ごとに照射強度を変えて光照射すれば、照射強度に対応して配向し(複数色を呈し)、例えば、画像様に光透過率を変えて作成された露光用マスクを介して露光することにより、一回の光照射によって画像を、例えば異なる選択反射をする有色領域を同時形成することができる。
【0148】
しかも、本発明の光学活性ポリエステルに依るので、液晶の螺旋ピッチを大きく変化させることが可能で、コレステリック液晶組成物の場合は、形成された有色領域は広範な選択反射色を示し、色純度と解像度に優れたBGRの3原色を形成することができる。この光の照射は、露光用マスクによる方法のほか、所望の領域ごとに照射強度を変え得る方法であれば、特に制限なく行える。
後述の液晶カラーフィルタ、光学フィルム等を形成する場合には、前述のようにしてある波長の光を画像様に露光してパターニングした後、更に光照射して液晶組成物中の重合性基を光重合させて硬化し、所望の選択反射色に液晶の螺旋構造を固定化する。これらの形成方法については、「液晶の螺旋構造を固定化する方法」として以下に詳述する。
【0149】
光照射に用いる光源としては、エネルギーが高く、液晶化合物の構造変化及び重合反応が迅速に行える点で、紫外線を発する光源が好ましく、例えば、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、Hg−Xeランプ等が挙げられる。また、光量可変機能を備えることが好ましい。
【0150】
以上のように、キラル剤として、少なくとも前記一般式(I)及び前記一般式(II)で示される構成単位を有する光学活性ポリエステルを液晶組成物に含有すると、光量に対する液晶の螺旋ピッチ(捻れ力)を大きく変化させることができる。したがって、例えば液晶性化合物としてネマチック液晶化合物を用いたコレステリック液晶相の場合には、液晶が呈し得る選択反射色の色幅が拡がり、色純度と解像度に優れた青(B)、緑(G)、赤(R)の3原色を得ることができる。
【0151】
既述のように、少なくとも前記一般式(I)及び前記一般式(II)で示される構成単位を有する光学活性ポリエステルを用いると、該化合物に起因し、光照射により液晶に誘起する螺旋ピッチの変化率が大きいことを利用して、液晶カラーフィルタや、円偏光分離膜、立体視用眼鏡、偏光マスク等の光学フィルムを形成することができる。また、広帯域のスイッチャブルミラー、光書き込み型の記録媒体などへの応用も可能である。強誘電性液晶、反強誘電性液晶、TGB相へドープすることによる分極状態のパターニング、螺旋ピッチのパターニングが可能となる。また、当然通常の光学活性ポリエステルとしての使用も可能であり、STN素子やTN素子における螺旋構造誘起剤への適用も可能である。
また、本発明の液晶組成物には、非キラルなアゾ系やスチレン系の、光により異性化する化合物を配合させることもでき、光照射時における螺旋ピッチの変化率を更に増大させることができることがある。
【0152】
(液晶の螺旋構造を固定化する方法)
前述の通り、少なくとも前記一般式(I)及び前記一般式(II)で示される構成単位を有する光学活性ポリエステル(光反応型キラル剤)に特定波長の光を照射することにより、共存する液晶の捻れ力を変化させ螺旋構造を変化させることができる。本発明の液晶組成物は、その一態様によると、重合性基を有する液晶性化合物、光重合開始剤及び少なくとも前記一般式(I)及び前記一般式(II)で示される構成単位を有する光学活性ポリエステルの少なくとも1種を含んでなる。そして、本発明の液晶の螺旋構造を固定化する方法においては、該液晶性化合物を重合することによって、変化させた螺旋構造を固定化することができるとともに、固定化後の液晶組成物の強度をより向上させることができる。なお、光重合開始剤と光学活性ポリエステルは、それぞれ異なる感光波長領域を有するものを用いることが好ましい。
【0153】
具体的には、以下のようにして行うことができる。即ち、
まず、前述の「液晶の螺旋構造を変化させる方法」において説明したパターニングと同様に、液晶組成物中の光学活性ポリエステルの感光波長領域にある光を画像様に照射する。この光照射により、光学活性ポリエステルが感光して液晶の螺旋構造を変化させ、画像様のパターンが形成される(パターニング)。このパターニングの後に、液晶組成物中の光重合開始剤の感光波長領域にある光を照射する。すると、光重合開始剤によって液晶性化合物が重合し、変化後の螺旋構造を保持した状態で固定化される。この工程の前に、例えば、窒素置換等の工程を設けてもよい。
【0154】
光学活性ポリエステルの感光波長領域と光重合開始剤の感光波長領域とが異なる場合は、HTPを変化させるための光照射と光重合のための光照射が、互いに影響を及ぼすことがない。したがって、HTPを変化させるために画像様に露光する際、光重合が進行しないため、設定どおりのHTP変化率を有するパターニングが可能となる一方、螺旋構造を固定化するために光重合させる際には、光学活性ポリエステルが光に反応せず、形成されたHTP変化パターンを確実に固定化することができる。
【0155】
後述の液晶カラーフィルタ、光学フィルム等を形成する場合には、前述のようにして光学活性ポリエステルが感光する波長の光を画像様に露光してパターニングした後、更に光重合開始剤が感光する波長の光を照射して液晶組成物中の重合性基を光重合させて硬化し、所望の選択反射色に液晶の螺旋構造を固定化する。これらの形成方法の詳細は後述する。
【0156】
光照射に用いる光源としては、前述の「液晶の螺旋構造を変化させる方法」
の説明において例示した光源と同様である。
【0157】
以下、液晶カラーフィルタ、光学フィルム、記録媒体について詳述する。
(液晶カラーフィルタ)
本発明の液晶カラーフィルタは、液晶性化合物と少なくとも一種の前記本発明の光学活性ポリエステルとを少なくとも含んでなり、前記液晶性化合物としてはネマチック液晶化合物が最も好適である。また、必要に応じて、重合性モノマー、光重合開始剤、前記本発明の液晶組成物において列挙した他の成分、及び排除体積効果を及ぼす界面活性剤等を含んでなる。
例えば、前述の「液晶の螺旋構造を変化させる方法」並びに「液晶の螺旋構造を固定化する方法」に基づいて適宜選択された所望のパターン及び光量で光照射することにより作製できる。
【0158】
以下、液晶カラーフィルタの製造方法の説明を通じて、本発明の液晶カラーフィルタについて詳述する。
本発明の液晶カラーフィルタは、前述の本発明の液晶組成物、及び公知の組成物に少なくとも前記一般式(I)及び前記一般式(II)で示される構成単位を有する光学活性ポリエステルを含んでなるものの中から適宜選択して作製することができる。
この場合、前記液晶組成物のみから構成されたシート形態のものであってもよいし、所望の支持体や仮支持体上に液晶組成物含む層(液晶層)が設けられた態様のものであってもよく、更に配向膜や保護膜等の他の層(膜)が設けられていてもよい。後者の場合、液晶層を二層以上積層することもでき、この場合には後述する前記露光工程は複数回設けられる。
【0159】
前記ネマチック液晶化合物、重合性モノマー、光重合開始剤及び他の成分としては、前記本発明の液晶組成物で使用可能なものと同様のものが使用でき、その含有量、好ましい範囲等も該液晶組成物の場合と同様である。排除体積効果を及ぼす界面活性剤を併用することが好ましい。
また、液晶カラーフィルタを構成する液晶組成物中における、少なくとも前記一般式(I)及び前記一般式(II)で示される構成単位を有する光学活性ポリエステルの含有量も、既述の本発明の液晶組成物と同様である。
【0160】
本発明の液晶カラーフィルタは、例えば、前記本発明の液晶組成物により好適に作製することができる。
また、液晶カラーフィルタを製造する方法としては、特に制限はなく、例えば、第一の光により画像様に露光してパターニングした後、第二の光により光重合させて硬化する工程(以下、「露光工程」ということがある。)を少なくとも一工程含んでなる製造方法であってもよい。即ち、前記本発明の「液晶の螺旋構造を固定化する方法」を適用してもよい。また、選択する製造態様に応じて、適宜液晶組成物との接触面に配向処理を施す工程(配向処理工程)、密着・剥離により液晶層を転写形成する工程(転写工程)、コレステリック液晶組成物を塗布して液晶層を形成する工程(塗布工程)などを経て形成されてもよい。
【0161】
以下に、前記露光工程を含む製造方法の例として、コレステリック液晶組成物を用いた具体的な一態様を示す。
<露光工程>
露光工程では、液晶化合物のパターニング及び固定化(重合硬化)のいずれをも光の照射によって行う。
即ち、光学活性ポリエステル(以下、「光反応型キラル剤」ということがある。)が高感度に感光しうる波長の第一の光により画像様に露光してパターニングした後、重合開始剤が高感度に感光しうる第二の光により光重合させて硬化し、所望の選択反射色に液晶化合物の螺旋構造を固定化する。
【0162】
前記第一の光が液晶組成物に照射されると、その照度に応じて、共存する光反応型キラル剤が感光して液晶化合物の螺旋構造が変化し、この構造変化により異なる選択反射色を示し画像様のパターンが形成される。従って、所望の領域ごとに照射強度を変えて光照射すれば、照射強度に対応して複数色を呈し、例えば、画像様に光透過率を変えて作成された露光用マスクを介して露光することにより、一回の光照射によって画像を、即ち異なる選択反射をする有色領域を同時形成することができる。これに更に、第二の光を照射して硬化(固定化)させることにより液晶カラーフィルタを作製できる。
【0163】
前記第一の光の波長としては、光反応型キラル剤の感光波長域、特に感光ピーク波長に近接する波長に設定することが、十分なパターニング感度が得られる点で好ましい。また、第二の光の波長としては、重合開始剤の感光波長域、特に感光ピーク波長に近接する波長に設定することが、十分な光重合感度が得られる点で好ましい。
また、第一及び第二の光の照度(照射強度)には特に制限はなく、パターニング時及び重合硬化時の光感度が十分得られるように、使用する材料に応じて適宜選択できる。前記第一及び第二の光の照射に用いる光源としては、前記液晶組成物の光照射に使用可能なものと同様の光源が使用できる。
【0164】
更に具体的には、下記第1、第2の態様の製造方法であってもよく、これら2態様によって、より好適に作製することができる。
[第1の態様]
(1)仮支持体上に塗布液状の液晶組成物を設け、液晶層を少なくとも有する転写材料を形成する工程。
前記塗布液状の液晶組成物は、各成分を適当な溶媒に溶解、分散して調製できる。ここで、前記溶媒としては、例えば、2−ブタノン、シクロヘキサノン、塩化メチレン、クロロホルム等が挙げられる。液晶カラーフィルタの作製においては、コレステリック液晶組成物が好ましい。
前記液晶層と仮支持体との間には、被転写体上に異物等がある場合など、転写時における密着性を確保する観点から、熱可塑性樹脂等を含んでなるクッション層を設けることもでき、該クッション層等の表面には、ラビング処理等の配向処理(配向処理工程)を施すことも好ましい。
(2)前記転写材料を光透過性の基板上にラミネートする工程。
前記光透過性の基板のほか、基体上に受像層を有する受像材料を用いてもよい。また、前記転写材料を用いずに、基板上に直接液晶組成物を塗布形成してもよい(塗布工程)。塗布は、バーコーターやスピンコーター等を用いた公知の塗布方法の中から適宜選択して行える。但し、材料ロス及びコストの点で転写による方法が好ましい。
【0165】
(3)光透過性の基板から転写材料を剥離して、前記基板上にコレステリック液晶層を形成する工程(転写工程)。
該液晶層は、下記(4)を経た後、更に積層して複数層より構成することもできる。
(4)コレステリック液晶層に露光マスクを介して画像様に照度ν1の紫外線を照射し選択反射色を示す画素パターンを形成し、これに更に照度ν2の紫外線を照射して層を硬化させる工程(露光工程)。
【0166】
[第2の態様]
(1)カラーフィルタを構成する支持体上に直接液晶組成物を設けて液晶層を形成する工程。
ここで、液晶層は、上記同様に塗布液状に調製した液晶組成物をバーコーターやスピンコーター等を用いた公知の塗布方法により塗布形成することができる。
また、前記コレステリック液晶層と仮支持体との間には、上記同様の配向膜が形成されていてもよい。該配向膜等の表面には、ラビング処理等の配向処理(配向処理工程)を施すことも好ましい。
(2)前記第1の態様の工程(4)と同様の露光工程。
【0167】
液晶カラーフィルタとして機能する液晶層(シート状の液晶組成物)の厚みとしては、1.5〜4μmが好ましい。
【0168】
更に、図1から図3を用いて以下に一例を説明する。図1〜3は、本発明の液晶カラーフィルタを製造する工程の一形態を示す概略図である。
まず、既述の各成分を適当な溶媒に溶解し、塗布液状コレステリック液晶組成物を調製する。ここで、各成分及び溶媒は既述の通りである。
【0169】
図1−(A)のように、支持体10(以下、「仮支持体」ともいう)を準備し、該支持体10上に、例えばアクリル樹脂、ポリエステル、ポリウレタン等を塗布形成してクッション層(熱可塑性樹脂層)12を設け、更にポリビニルアルコール等よりなる配向膜14を積層する。この配向膜には、図1−(B)に示すようにしてラビング処理が施される。このラビング処理は、必ずしも必要ではないが、ラビング処理した方がより配向性を向上させることができる。
次に、図1−(C)に示すように、前記配向膜14上に、塗布液状のコレステリック液晶組成物を塗布、乾燥しコレステリック液晶層16を形成した後、このコレステリック液晶層16上にカバーフィルム18を設けて、転写材料を作製する。以下、該転写材料を転写シート20と称する。
【0170】
一方、図1−(D)に示すように、別の支持体22を準備し、該支持体上に上記と同様にして配向膜24を形成し、その表面にラビング処理を施す。以下、これをカラーフィルタ用基板26と称する。
【0171】
次いで、転写シート20のカバーフィルム18を剥がした後、図2−(E)に示すように、該転写シート20のコレステリック液晶層16の表面と、カラーフィルタ用基板26の配向膜24の表面とが接触するように重ね合わせ、図中の矢印方向に回転するロールを通してラミネートされる。その後、図1−(F)に示すように、転写シート20の配向膜14とクッション層12との間で剥離され、カラーフィルタ用基板上に、コレステリック液晶層が配向膜14と共に転写される。この場合、クッション層12は、必ずしも仮支持体10と共に剥離されなくてもよい。
【0172】
転写後、図3−(G)に示すように、配向膜14の上方には、光の透過率の異なる領域を複数有する露光マスク28が配置され、このマスク28を介して第一の光をコレステリック液晶層16にパターン状に照射される。コレステリック液晶層16には、光照射量によって螺旋ピッチが異なるように液晶化合物、キラル化合物等が含まれており、螺旋ピッチが異なる構造が各パターン毎に、例えば、緑色(G)を反射し、青色(B)及び赤色(R)を透過させる領域、青色(B)を反射し、緑色(G)及び赤色(R)を透過させる領域、赤色(R)を反射し、緑色(G)及び青色(B)を透過させる領域を形成するように形成される。
【0173】
次に、図3−(H)に示すように、コレステリック液晶層16に対して、上記工程(G)における光照射と異なる照射強度で更に紫外線照射して、パターンを固定化する。その後、2−ブタノン、クロロホルム等を用いて、コレステリック液晶層16上の不要部分(例えば、クッション層、中間層等の残存部、未露光部)を除去することにより、図3−(I)に示すように、BGRの反射領域を有するコレステリック液晶層を形成できる。
【0174】
図1〜3に示す方法は、ラミネート方式によるカラーフィルタの製造方法の一形態であるが、カラーフィルタ用基板上に直接液晶層を塗布形成する塗布方式による製造方法であってもよい。この場合、上記態様に当てはめると、図1−(D)に示すカラーフィルタ用基板26の配向膜24上にコレステリック液晶層を塗布、乾燥した後、上記同様の図3−(G)〜(I)に示す工程が順次実施される。
【0175】
これらの工程及び使用する転写材料、支持体等の材料については、本発明者らが先に提出した特願平11−342896号及び特願平11−343665号の各明細書に詳細に記載されている。
【0176】
上記のように、少なくとも前記一般式(I)及び前記一般式(II)で示される構成単位を有する光学活性ポリエステルを含む液晶組成物を用いると、光量に対する液晶の螺旋構造の捻れ力の変化率が大きいので、液晶が呈し得る選択反射色の色幅が拡がり、色純度と解像度に優れた青(B)、緑(G)、赤(R)の3原色よりなる液晶カラーフィルタを得ることができる。
【0177】
(光学フィルム)
本発明の光学フィルムは、液晶性化合物と少なくとも一種の前記本発明の光学活性ポリエステルとを少なくとも含んでなり、広範な波長域から光学波長を任意に設定してなる。必要に応じて、重合性モノマー、光重合開始剤、及び排除体積効果を及ぼす界面活性剤等の前記本発明の液晶組成物において列挙した他の成分等を含んでなり、適宜選択された所望のパターン及び光量で光照射することにより作製できる。例えば、前述の「液晶の螺旋構造を変化させる方法」並びに「液晶の螺旋構造を固定化する方法」に基づいて作製できる。
【0178】
本発明の光学フィルムは、前述した本発明の液晶組成物、及び公知の組成物に少なくとも前記一般式(I)及び前記一般式(II)で示される構成単位を有する光学活性ポリエステルを含んでなるものの中から適宜選択して作製することができる。ここで、光学フィルムの形態としては、特に制限はなく、前記液晶組成物のみから構成されたシート形態、所望の支持体や仮支持体上に液晶組成物含む層(液晶層)を設けた形態等のいずれであってもよく、更に配向膜や保護膜等の他の層(膜)が設けられていてもよい。
【0179】
前記液晶性化合物、重合性モノマー及び光重合開始剤及び他の成分としては、前記本発明の液晶組成物で使用可能なものと同様のものが使用でき、その含有量、好ましい範囲等も該液晶組成物の場合と同様である。また、光学フィルムを構成する液晶組成物中における、少なくとも前記一般式(I)及び前記一般式(II)で示される構成単位を有する光学活性ポリエステルの含有量も、既述の本発明の液晶組成物と同様である。
【0180】
本発明の光学フィルムは、例えば、前記本発明の液晶組成物を用いて好適に作製することができる。
また、光学フィルムを製造する方法としては、前記液晶カラーフィルタとほぼ同様の方法により作製でき、前記露光工程を少なくとも一工程含んでなる方法であってもよい。即ち、前述の「液晶の螺旋構造を固定化する方法」を適用してもよい。また、選択する製造態様に応じて、前記配向処理工程、転写工程、塗布工程などの工程を経て形成されてもよい。
より具体的には、前記第1の態様、第2の態様の製造方法とほぼ同様にして作製することもできる。
【0181】
上記のように、少なくとも前記一般式(I)及び前記一般式(II)で示される構成単位を有する光学活性ポリエステルを含む液晶組成物を用いると、光量に対する液晶の螺旋ピッチを大きく変化させることができる非光吸収型の光学フィルムを得ることができる。例えば、液晶相をコレステリック液晶相とした場合には、液晶の選択反射する色幅が拡く、多彩な選択反射色よりなる光学フィルム、色純度と解像度に優れた原色(B,G,R)の光学フィルムなどを得ることができる。
【0182】
(記録媒体)
本発明の記録媒体は、液晶性化合物と少なくとも一種の前記本発明の光学活性ポリエステルとを含んでなり、必要に応じて、重合性モノマー、光重合開始剤、及び排除体積効果を及ぼす界面活性剤等の、前記本発明の液晶組成物において列挙した他の成分等を含んでなる。
【0183】
本発明の記録媒体は、その形態に制限はなく、液晶組成物のみからなるシート形態のものであってもよいし、所望の支持体や仮支持体(以下、「支持体等」という)上に光反応型キラル剤を含有する液晶組成物を含む層(液晶層)が設けられた形態のものであってもよい。ここで、液晶組成物としては、前述した本発明の液晶組成物、及び公知の組成物に少なくとも前記一般式(I)及び前記一般式(II)で示される構成単位を有する光学活性ポリエステルを含んでなるものの中から適宜選択できる。また更に、配向膜や保護膜等の他の層(膜)が設けられていてもよい。
【0184】
前記液晶性化合物、重合性モノマー及び光重合開始剤、及び他の成分としては、前記液晶組成物で使用可能なものと同様のものが使用でき、その含有量、好ましい範囲等も液晶組成物の場合と同様である。また、記録媒体を構成する液晶組成物中における、少なくとも前記一般式(I)及び前記一般式(II)で示される構成単位を有する光学活性ポリエステルの含有量も、既述の本発明の液晶組成物と同様である。
【0185】
本発明の記録媒体は、例えば、前述した本発明の液晶組成物を支持体等上に設けることにより、好適に作製することができる。
液晶組成物を支持体等上に設ける方法としては、(1)仮支持体上に本発明の液晶組成物を含む液晶層が設けられた転写材料を用いて、支持体上に該液晶層を転写する方法、(2)支持体上に、塗布液状に調製した液晶組成物を直接塗布等する方法、等が挙げられる。
前記方法(1)及び(2)において、転写材料や塗布の方法などについては、前記本発明の液晶組成物において例示した態様(第1及び第2の態様)及び図1〜3の説明に準じて適応できる。
【0186】
上記のようにして作製された本発明の記録媒体は、適宜選択された所望のパターン及び光量で光照射することにより、液晶の捻れ力の変化率に応じて画像を、特にコレステリック液晶の場合には螺旋ピッチの変化率で決まる選択反射色から構成される有色画像を、形成することができる。画像の形成は、例えば、前述の「液晶の螺旋構造を変化させる方法」並びに「液晶の螺旋構造を固定化する方法」に基づいて行ってもよい。
しかも、液晶構造を変化させるキラル剤として少なくとも前記一般式(I)及び前記一般式(II)で示される構成単位を有する光学活性ポリエステルを用いると、光量に対する液晶の螺旋構造の捻れ力の変化率が大きいので、色再現範囲の広い画像を形成することができ、特にコレステリック液晶の場合には、液晶が選択反射する色相幅を拡げることができ、多彩で色純度の高い解像度の良い多色画像を形成することができる。また、捻れ力の変化率の大きいことは、画像形成の際の高感度化(高速化)にも大きく寄与する。
また、例えば、重合性の液晶化合物や重合性モノマーを用いることにより、パターニング後の液晶を固定化することができ、十分な画像安定性に優れた画像を形成することができる。
【0187】
光照射する光源としては、前記本発明の液晶組成物において使用可能なものと同様の光源を用いて、好適に光記録を行うことができる。また、液晶の固定化のための光照射の場合も同様である。
【0188】
以上説明したように、液晶分子の螺旋構造を変化させるキラル剤として、特に少なくとも前記一般式(I)及び前記一般式(II)で示される構成単位を有する光学活性ポリエステルを用いることにより、液晶の捻れ力(捻れ角)を大きく変化させることができる。特にネマチック液晶化合物を用いたコレステリック液晶の場合には、光照射により得られる選択反射波長域が拡がり、その結果、BGRの3原色の色純度と解像度もより高めることができる。したがって、液晶の色相の選択性、鮮やかさが向上し、特に液晶カラーフィルタや光学フィルム等においては、クリアで鮮やかなカラー像の表示が可能となり、記録媒体においては、形成する画像の色相を多彩化することができる。
【0189】
【実施例】
以下に、本発明の光学活性ポリエステルの具体的な合成例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、本実施例中の「部」及び「%」は全て、「質量部」及び「質量%」を表す。
【0190】
[実施例1]:(1−8)/(A−1)=4/5モル比(仕込比)のポリエステルの合成
【化46】
Figure 0004024012
上記化合物Cの1mmol及び、テレフタル酸クロリド1.25mmolをN−メチルピロリドン5mlに混合し、80℃で10時間反応させた。メタノールを加えて生じた固体を濾取し、メタノールで洗浄し、薄黄色粉末を0.42g得た。収率59%。得られた重合体のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は2,400であった。
【0191】
[実施例2]:(1−8)/(A−1)=4/5モル比(仕込比)のポリエステルの合成
化合物Cの1mmol及びテレフタル酸クロリド1.25mmolをTHF5mlに混合し、氷冷下、トリエチルアミン2.2mmolを1分間かけて滴下した。室温で1時間撹拌した後、エタノール5ml及び、トリエチルアミン0.8mmolを加えた。室温で30分撹拌し、エタノール及び水を加えて生じた固体を濾取した。水、メタノールで洗浄して、淡黄色固体を0.66g得た。収率89%。THF可溶成分のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は6,500であった。
【0192】
[実施例3]:(1−8)/(A−1)=2/3モル比(仕込比)のポリエステルの合成
実施例2において、テレフタル酸クロリド1.25mmolを1.5mmolに、トリエチルアミン0.8 mmolを1.4mmolに変更した以外は実施例2と同様に反応を行い、淡黄色固体を0.75g得た。収率85%。THF可溶成分のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は4,200であった。
【0193】
[実施例4]:(1−8)/(A−1)=3/2モル比(仕込比)のポリエステルの合成
化合物Cの1.2mmol、テレフタル酸クロリド0.8mmolとTHF6mlを混合し、氷冷下、トリエチルアミン2.6mmolを2分間かけて滴下した。室温で1時間撹拌した後に、ベンゾイルクロリド0.9mmolを加え、室温で1時間撹拌した。メタノール、水を加え、生じた固体を濾取した。水及びメタノールで洗い、薄黄色固体を0.75g得た。収率88%。THF可溶成分のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は2,100であった。
【0194】
[実施例5]:(1−8)/(A−10)=2/3モル比(仕込比)のポリエステルの合成
【化47】
Figure 0004024012
上記化合物Dの1.4mmol、ピリジン2.8mmol、トリエチルアミン2.8mmol、THF10mlの混合物に、氷冷下、化合物D2.1mmolのTHF10ml溶液を30分かけて滴下した。室温で1時間撹拌した後に、トリエチルアミン1.4mmol及びメタノール5mlを加えた。水を加えた後に、不溶物をクロロホルムで抽出し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、クロロホルム/メタノール=20/1)で精製した。薄赤色粉末を1.4g得た。収率80%。ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は4,200であった。
【0195】
[実施例6]:(1−8)/(A−14)=2/3モル比(仕込比)のポリエステルの合成
【化48】
Figure 0004024012
実施例2においてテレフタル酸クロリド1.25mmolを上記化合物E1.5mmolに、トリエチレンアミン0.8mmolを1.4mmolに変更した以外は実施例2と同様に反応を行い、得られた固体をTHF/メタノールで再沈精製して薄ピンク色固体を1.28g得た。収率100%。ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は、6,000であった。
【0196】
[実施例7]:(1−8)/(A−12)=2/3モル比(仕込比)のポリエステルの合成
【化49】
Figure 0004024012
実施例2において、テレフタル酸クロリド1.25mmolを上記化合物F1.5mmolに、トリエチルアミン0.8mmolを1.4mmolに変更した以外は実施例2と同様に反応を行い、得られた固体をDMAc(ジメチルアセトアミド)/エタノールで再沈精製して薄黄色固体を0.72g得た。収率75%。THF可溶成分のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は、10,000であった。
【0197】
[実施例8]:(1−8)/(A−1)/(D−2)=1/3/1モル比(仕込比)のポリエステルの合成
前記化合物Cの0.5mmol、テレフタル酸クロリド1.5mmol、2−メチルヒドロキノン0.5mmol及び、THF5mlの混合物に、氷冷下、トリエチルアミン2.2mmolを2分かけて滴下した。室温で1時間撹拌した後、トリエチルアミン1.4mlとエタノール5mlを加え、室温で撹拌し、水を加えた。固体を濾取し、水、メタノールで洗浄し、淡黄色固体を0.47g得た。収率81%。
【0198】
次に、実施例により本発明の用途を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、実施例中の「部」及び「%」は、全て「質量部」及び「質量%」を表す。
【0199】
[実施例9〜15]:光照射による螺旋ピッチの変化の測定
前記の実施例1〜7で得られた光学活性ポリエステル(光反応型キラル剤)を、下記に示すネマチック液晶組成物に下表1に記した添加量で混合して、ポリイミド配向膜で一軸配向処理を施したクサビ型セル(ガラス厚み1.1mm、青色板)に注入した。ここで、偏光顕微鏡を用いて室温での螺旋ピッチを測定し、これをヘリカルツイスティングパワー(HTP)に換算して、初期のHTPのデータを求め表1に示した。
【0200】
【化50】
Figure 0004024012
【0201】
次いで、上記クサビ型セルに対して高圧水銀ランプから300mW/cm2の照射強度で3分間紫外線を照射した。照射後、上記と同様にして室温での螺旋ピッチを測定して、これをHTPに換算し、初期値との差よりHTPの変化率を算出して、表1に示した。
表1より明らかなように、紫外線の照射により螺旋の捻れ力(HTP)を大きく変化させることができた。尚、コンタクト法により、紫外線照射前後における捻れの向きを確認したところ、照射の前後とも右捻れであった。
【0202】
【表1】
Figure 0004024012
【0203】
[実施例16〜22、比較例1]:解像度の測定
(1)基板の準備
ガラス基板上にポリイミド配向膜(日立化成(株)製の「LX−1400」)塗布液をスピンコーターにより塗布し、100℃のオーブンで5分間乾燥した後、250℃のオーブンで1時間焼成して配向膜を形成した。更に、該膜の表面をラビング処理により配向処理して配向膜付ガラス基板を作製した。
【0204】
(2)感光層の形成
上記より得た配向膜付ガラス基板の該配向膜上に、下記処方にて調製した感光性樹脂層用塗布液をスピンコーターにより塗布し、これを100℃のオーブンで2分間乾燥して感光性樹脂層を形成した。
【0205】
【化51】
Figure 0004024012
【0206】
次いで、ガラス基板の表面で接触するように90℃のホットプレート上に5分間保持し、感光性樹脂層を発色させた。更に、該感光性樹脂層上に、開口部が80μmのフォトマスクを介して超高圧水銀ランプにより300mW/cm2の照射強度で1分間光照射した。光照射後90℃で3分間保持した後、露光した部分の線幅を測定した。80μmに近いもの程、解像度が優れている。
上記の感光性樹脂層用塗布液の実施例1のポリエステルの代わりに、実施例2〜7及び下記比較例1のポリエステルを用いて、上記と同様に感光性樹脂層を形成し、光照射した後、露光した部分の線幅を測定した。以上の結果を下記の表2に示した。
【0207】
【化52】
Figure 0004024012
【0208】
【表2】
Figure 0004024012
【0209】
本発明に係わる実施例1〜7の光学活性ポリエステルを用いた場合は、解像度が優れていることが分かった。
【0210】
[実施例23]:広帯域円偏光反射板の作製
(1)基板の準備
ガラス基板上に、ポリイミド配向膜(日立化成デュポン(株)製のLX−1400)塗布液をスピンコーターにより塗布し、100℃のオーブンで5分間乾燥した後、250℃のオーブンで1時間焼成して配向膜を形成した。更に、該膜の表面をラビング処理により配向処理して配向膜付ガラス基板を作製した。
【0211】
(2)作製
上記より得た配向膜付ガラス基板の該配向膜上に、下記処方にて調製した塗布液をバーコーターにより塗布し、110℃のホットプレート上にて5分間保持した後、該温度下で365nmに光源中心波長を持つバンドパスフィルタを介して、超高圧水銀灯により5分間光照射を行った。
次いで、110℃に維持した状態で暗所に5分間保持し、その後バンドパスフィルタを取り除き、窒素ガスを吹き付けながら上記と同様の超高圧水銀灯により照射エネルギー500mJ/cm2で更に全面を露光し、重合硬化した。以上のようにして、円偏光反射板を作製した。
【0212】
【化53】
Figure 0004024012
【0213】
上記より得られた円偏光反射板は、450〜600nmに亙る広範な波長領域の選択反射を示し、広帯域円偏光反射板として十分な帯域特性を有していた。しかも、550nmの選択反射波長での右円偏光反射率は98%であった。
【0214】
[実施例24]:液晶カラーフィルタの作製
(1)フィルタ基板の準備
ガラス基板上にポリイミド配向膜(日立化成デュポン(株)製のLX−1400)塗布液をスピンコーターにより塗布し、100℃のオーブンで5分間乾燥した後、250℃のオーブンで1時間焼成して配向膜を形成した。更に、該膜の表面をラビング処理により配向処理して配向膜付ガラス基板を作製した。
【0215】
(2)フィルタ層の形成
上記より得た配向膜付ガラス基板の該配向膜上に、下記処方にて調製した感光性樹脂層用塗布液をスピンコーターにより塗布し、これを110℃のオーブンで2分間乾燥して感光性樹脂層を形成した。
【0216】
【化54】
Figure 0004024012
【0217】
次いで、ガラス基板の表面で接触するように110℃のホットプレート上に5分間保持し、感光性樹脂層を発色させた。更に、該感光性樹脂層上に、透過率が三段階に異なり(0%、46%、92%)、それぞれの領域が青色画素用、緑色画素用、赤色画素用に対応して配列されたフォトマスクと365nmに中心を持つバンドパスフィルタとを介して超高圧水銀灯を配置し、このフォトマスク及びバンドパスフィルタを通して超高圧水銀灯により照射しパターニングした。このときの照射エネルギーは赤色画素用に対して300mJ/cm2であり、照射強度は30mW/cm2であった。
【0218】
次に、フォトマスクとバンドパスフィルタとを取り除き、代わりに400nm以上の光を透過する(400nmで50%透過)シャープカットフィルタを付け、窒素ガスを吹き付けながら上記と同様の超高圧水銀灯により照射エネルギー500mJ/cm2で更に全面を露光し、重合硬化した。更に、フィルタ部(感光性樹脂層)の硬化度を促進するために、220℃のオーブンで20分間焼成し、赤色画素、緑色画素、青色画素パターンが形成されたカラーフィルタを得た。
上記パターニング時において、照射によって液晶の螺旋ピッチ(液晶の捻れ力)を大きく変化させることができ、色純度の高い赤色、緑色、青色よりなる画素パターンを形成することができた。
【0219】
[実施例25]:STN素子用光学補償膜の作製
厚み80μmのトリアセチルセルロース(TAC)上に、ケン化度99.5%のポリエチレンビニルアルコール(PVA)膜をバーコート法により形成し、110℃下で3分間加熱した。該PVA膜上にラビング処理を施し、更に下記処方にて調製した塗布液をバーコーターにより加温塗布し、これを120℃のオーブンで3分間乾燥して成膜した。
【0220】
【化55】
Figure 0004024012
【0221】
次いで、温度100℃の下、前記膜上から高圧水銀ランプを用いて紫外線照射(照射エネルギー1000mJ/cm2)を行って膜を重合硬化させ、STN素子用光学補償膜を作製した(以下、「STN補償膜」と称する。)。この時のSTN補償膜の膜厚を測定したところ5.0μmであった。また、該STN補償膜の偏光透過スペクトルプロファイルから、液晶分子の配向(螺旋構造)が240度で膜厚方向に捻れ、その螺旋の捻れ角(回転角)が240度であることが判った。
また、この膜を該膜とは逆向きの捻れ角(−240度)を持つSTN補償膜を用意し、これらを合致した部分の液晶分子が直交するように重ね合わせ、互いに吸収軸が直交する2枚の偏光板の間に挿入して、目視により観察したところ良好な黒色を示した。したがって、上記より形成された膜(STN補償膜)は、STN素子用光学補償膜として作用していることが確認できた。
【0222】
[実施例26]:TN素子用のリバースツイストドメインの発生防止
ITO膜付きのガラス基板の該ITO膜上に、ポリイミド配向膜(日立化成デュポン(株)製のLX−1400)塗布液をスピンコーターにより塗布し、100℃のオーブンで5分間乾燥した後、250℃のオーブンで1時間焼成して配向膜を形成した。更に、該膜の表面にラビング処理を施してラビング角度が90度になるように配向処理し、配向膜付ガラス基板を2枚作製した。
上記配向膜付ガラス基板の配向膜が互いに対向するように配置し、直径6μmのスペーサビーズを混合した2液性エポキシ樹脂接着剤により貼り合わせ、駆動用セルを形成した。該セルの厚みを光干渉法により測定したところ5.4μmであった。
【0223】
前記セル中に、下記組成よりなる組成物を注入した。
〔組成物〕
・ネマチック液晶組成物 ………99.9%
(メルク社製のZLI−1132)
・本発明のキラル剤(前記実施例4のポリエステル) ……… 0.1%
【0224】
次に、互いに吸収軸が直交する二枚の偏光板の間に、注入後の駆動用セルを挿入して目視により観察したところ、リバースツイストドメインの発生は認められなかった。したがって、リバースツイストの発生によるコントラストの低下がなく、コントラスト、色純度に優れた画像表示が期待できる。
【0225】
【発明の効果】
本発明によれば、感光性を有し、光により異性化して構造変化し得る新規な光学活性ポリエステルを提供することができる。
本発明によれば、液晶性化合物の配向を制御でき、かつ光による液晶の螺旋ピッチ(捻れ力)の変化率(捻れ変化率)が大きく、例えばネマチック液晶化合物を用いた場合には、3原色(B、G、R)を含む広範な選択反射が可能で、色純度が高く解像度の良い3原色を表示させ得る光反応型キラル剤を提供することができる。
本発明によれば、光により液晶の螺旋ピッチ(捻れ力)を変化でき、且つその捻れ変化率の大きい光反応型キラル剤を含み、光により液晶分子の配向状態を大きく立体的に制御して光学特性を変化しうる液晶組成物を提供することができる。例えば、コレステリック液晶の場合には、光照射により3原色を含む広範な選択反射色を示し、しかも色純度と解像度に優れた3原色の表示が可能な液晶組成物を提供することができる。
【0226】
本発明によれば、捻れ変化率の大きい光反応型キラル剤を含む液晶組成物に光照射して液晶の螺旋ピッチ(捻れ力)を大きく変化させうる、液晶の螺旋構造を変化させる方法を提供することができる。
本発明によれば、捻れ変化率の大きい光反応型キラル剤を含む液晶組成物に対し、画像様に露光した後、パターン化された螺旋ピッチを損なわず維持された状態で固定化でき、特に液晶相がコレステリック液晶相の場合には、所望の選択反射色に液晶の螺旋構造を固定化し、色純度の高い解像度の良い色相を得ることができる、液晶の螺旋構造を固定化する方法を提供することができる。
【0227】
本発明によれば、光照射により液晶の螺旋ピッチ(捻れ力)を大きく変化させ得る光反応型キラル剤を含み、色純度の高い解像度の良い液晶カラーフィルタを提供することができる。
本発明によれば、光照射により液晶の捻れ力を大きく変化させ得る光反応型キラル剤を含む非光吸収型の光学フィルムを提供することができる。例えば、コレステリック液晶相とした場合には、選択反射域が広範で色純度の高い解像度の良い光学フィルムを提供することができる。
本発明によれば、光照射により液晶の捻れ力を大きく変化させ得る光反応型キラル剤を含み、画像様に光量を変化させることにより鮮明な画像を形成し得る記録媒体を提供することができる。例えば、コレステリック液晶相とした場合には、色相が広範で色純度の高い解像度の良い選択反射色よりなる画像を形成し得る記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の液晶カラーフィルタを製造する工程の一部を示す概略図である。
【図2】 本発明の液晶カラーフィルタを製造する工程の一部を示す概略図である。
【図3】 本発明の液晶カラーフィルタを製造する工程の一部を示す概略図である。
【符号の説明】
10 支持体(仮支持体)
12 クッション層(熱可塑性樹脂層)
14,24 配向膜
16 液晶層(液晶組成物)
18 カバーフィルム
20 転写シート
22 基板
26 カラーフィルタ用基板
28 露光マスク

Claims (13)

  1. 少なくとも下記一般式(I)及び下記一般式(II)で示される構成単位からなることを特徴とする光学活性ポリエステル。
    Figure 0004024012
    〔式(I)中、Ar1とAr2は、二価の芳香族基又は二価の複素芳香環基を表し、X1とX2は、水素原子又は電子吸引性基を表す。式(II)中のAは、二価の置換基を表す。〕
  2. 請求項1において、Ar1とAr2が同じ置換基であり、且つ、X1とX2も同じ置換基で水素原子又はシアノ基である光学活性ポリエステル。
  3. 前記一般式(II)において、Aが二価の芳香族基である請求項1又は2に記載の光学活性ポリエステル。
  4. 更に下記一般式(III)で示される構成単位を有する請求項1から3のいずれかに記載の光学活性ポリエステル。
    Figure 0004024012
    〔式(III)中のBは、二価の置換基を表す。〕
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の光学活性ポリエステルからなる光反応型キラル剤。
  6. 少なくとも液晶性化合物と、請求項1から4のいずれかに記載の光学活性ポリエステルの少なくとも一種とを含む液晶組成物。
  7. 重合性基を少なくとも一つ有する液晶性化合物と、請求項1から4のいずれかに記載の光学活性ポリエステルの少なくとも一種と、光重合開始剤とを含む液晶組成物。
  8. 請求項1から4のいずれかに記載の光学活性ポリエステルと光重合開始剤とが、それぞれ異なる感光波長領域を持つ請求項7に記載の液晶組成物。
  9. 請求項6から8のいずれかに記載の液晶組成物に光照射して、当該組成物中の光学活性ポリエステルの構造を変化させる、液晶の螺旋構造を変化させる方法。
  10. 請求項6から8のいずれかに記載の液晶組成物に対して、当該組成物中の光学活性ポリエステルの感光波長領域の光を画像様に照射した後、光重合開始剤の感光波長領域の光を照射して光重合を行う工程を有する、液晶の螺旋構造を固定化する方法。
  11. 少なくとも液晶性化合物と、請求項1から4のいずれかに記載の光学活性ポリエステルの少なくとも一種とを含む液晶カラーフィルタ。
  12. 少なくとも液晶性化合物と、請求項1から4のいずれかに記載の光学活性ポリエステルの少なくとも一種とを含む光学フィルム。
  13. 少なくとも液晶性化合物と、請求項1から4のいずれかに記載の光学活性ポリエステルの少なくとも一種とを含む記録媒体。
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