JP4023904B2 - 超音波撮像装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波撮像方法および装置に関し、特に、マイクロバルーン(microballoon)造影剤を注入した被検体についての超音波撮像方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
造影剤を用いる超音波撮像では、直径が1〜数μmの多数のマイクロバルーンを液体に混入したマイクロバルーン造影剤を用いる。マイクロバルーンは生体に無害な気体を、生体に無害な物質からなる殻に封入したものとなっている。このようなマイクロバルーンを被検体に注入し、超音波を照射して殻を破壊し、その結果放出される気泡を造影撮像に利用する。
【0003】
気泡は、非線形なエコー(echo)源性により送波超音波の第2高調波エコーを発生するので、第2高調波エコーに基づいて画像を生成することにより、体内における造影剤の分布を画像化している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、マイクロバルーンから放出された気泡に基づく造影撮像を行う超音波撮像装置にあって、寿命が異なる気泡に基づく造影撮像を行う超音波撮像装置を実現することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1)上記の課題を解決する第1の発明は、マイクロバルーン造影剤を注入した被検体を超音波ビームにより音線順次で走査しエコーに基づいて画像を生成する超音波撮像方法であって、前記マイクロバルーン造影剤におけるマイクロバルーンの殻を破壊する第1の超音波を送波し、次いで前記第1の超音波を送波した音線および走査方向におけるその前後の音線を含む複数の音線に沿って前記マイクロバルーンの殻を破壊しない第2の超音波を同時送波し、前記第2の超音波についてのエコーを前記複数の音線に沿って並行受信し、前記並行受信したエコーに基づいてそれぞれ画像を生成することを特徴とする超音波撮像方法である。
【0007】
(2)上記の課題を解決する第2の発明は、マイクロバルーン造影剤を注入した被検体を超音波ビームにより音線順次で走査しエコーに基づいて画像を生成する超音波撮像装置であって、前記マイクロバルーン造影剤におけるマイクロバルーンの殻を破壊する第1の超音波を送波し、次いで前記第1の超音波を送波した音線および走査方向におけるその前後の音線を含む複数の音線に沿って前記マイクロバルーンの殻を破壊しない第2の超音波を同時送波する超音波送波手段と、前記第2の超音波についてのエコーを前記複数の音線に沿って並行受信するエコー受信手段と、前記エコー受信手段で並行受信したエコーに基づいてそれぞれ画像を生成する画像生成手段と、を具備することを特徴とする超音波撮像装置である。
【0008】
第1の発明または第2の発明において、前記複数の画像に基づいて前記マイクロバルーンの殻の破壊の前と後の差の画像を生成することが、マイクロバルーンから放出された気泡に基づく画像を効果的に得る点で好ましい。
【0009】
(作用)
本発明では、マイクロバルーン造影剤を注入した被検体を超音波ビームにより音線順次で走査しエコーに基づいて画像を生成する場合において、被検体に注入したマイクロバルーンの殻を第1の超音波で破壊し、次に、第1の超音波の送波音線およびその前後の音線を含む複数の音線に沿ってマイクロバルーンの殻を破壊しない第2の超音波を同時送波し、それら複数の音線に沿ったエコーを並行受信してそれぞれ画像を生成し、マイクロバルーンから放出された気泡について、放出後の寿命がそれぞれ異なるものの画像を得る。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は実施の形態に限定されるものではない。図1に、超音波撮像装置のブロック(block) 図を示す。本装置は本発明の超音波撮像装置の実施の形態の一例である。本装置の構成によって、本発明の装置についての実施の形態の一例が示される。本装置の動作によって、本発明の方法についての実施の形態の一例が示される。
【0011】
本装置の構成を説明する。図1に示すように、本装置は、超音波プローブ(probe) 2を有する。超音波プローブ2は、図示しない超音波トランスデューサアレイ(transducer array)を有する。超音波プローブ2は、操作者により被検体4に当接されて使用される。被検体4には、予めマイクロバルーン造影剤40が注入されている。
【0012】
超音波プローブ2は送受信部6に接続されている。送受信部6は、超音波プローブ2に駆動信号を与えて、被検体4内に超音波を送波させるようになっている。送受信部6は、また、超音波プローブ2が受波した被検体4からのエコーを受信するようになっている。超音波プローブ2および送受信部6は、本発明における超音波送波手段の実施の形態の一例である。また、本発明におけるエコー受信手段の実施の形態の一例である。
【0013】
送受信部6のブロック図を図2に示す。同図において、送波タイミング(timing)発生回路602は、送波タイミング信号を周期的に発生して送波ビームフォーマ(beamformer)604に入力するようになっている。
【0014】
送波ビームフォーマ604は、送波タイミング信号に基づいて、送波ビームフォーミング(beamforming) 信号、すなわち、超音波トランスデューサアレイ中の送波アパーチャ(aperture)を構成する複数の超音波トランスデューサを時間差をもって駆動する複数の駆動信号を発生し、送受切換回路606に入力するようになっている。
【0015】
駆動信号は振幅および波形が可変になっている。これによって、後述するように、マイクロバルーンの殻を破壊する瞬時音圧が高い超音波を送波させる大振幅の駆動信号と、マイクロバルーンの殻を破壊しない瞬時音圧が低い超音波を送波させる小振幅の駆動信号とをそれぞれ発生する。
【0016】
送受切換回路606は、複数の駆動信号を超音波トランスデューサアレイに入力するようになっている。アレイ中の送波アパーチャを構成する複数の超音波トランスデューサは、複数の駆動信号の時間差に対応した位相差を持つ複数の超音波をぞれぞれ発生する。それら超音波の波面合成により超音波ビームが形成される。
【0017】
超音波ビームの送波は、送波タイミング発生回路602が発生する送波タイミング信号により、所定の時間間隔で繰り返し行われる。超音波ビームの方位は送波ビームフォーマ604によって順次変更される。それによって、被検体4の内部が、超音波ビームが形成する音線によって走査される。すなわち被検体4の内部が音線順次で走査される。
【0018】
超音波ビームのプロファイル(profile) は、送波ビームフォーマ604における複数の駆動信号の重み付け、すなわち、アポダイゼーション(apodization) により調節されるようになっている。これにより、例えば図3に示すように、マイクロバルーンの殻を破壊する瞬時音圧が高い超音波を送波するときは、1音線分の細い超音波ビームB1を形成し、マイクロバルーンの殻を破壊しない瞬時音圧が低い超音波を送波するときは、複数(ここでは7)音線を包含する太い超音波ビームB2を形成するようになっている。超音波ビームB2に包含させる音線数は7に限るものではなく、所望の数として良い。
【0019】
送受切換回路606は、超音波トランスデューサアレイ中の受波アパーチャが受波した複数のエコー信号を複数の受波ビームフォーマ610〜616に共通に入力するようになっている。受波ビームフォーマ610〜616は、それぞれ、複数の受波エコーに時間差を付与して位相を調整し次いでそれら加算して、例えば図3に示した相対音線番号−3〜+3の7本の音線に沿ったエコー受信信号の形成、すなわち、受波のマルチビームフォーミング(multi-beamforming) を行なうようになっている。なお、相対音線番号0の音線は、超音波ビームB1を送波した音線である。
【0020】
受波ビームフォーマ610は、相対音線番号0の音線に沿ったエコー受信信号を形成する。その他の受波ビームフォーマ611〜616は、それぞれ相対音線番号−3,−2,−1,+1,+2,+3の音線に沿ったエコー受信信号をそれぞれ形成する。
【0021】
受波ビームフォーマ610〜616により、受波の音線も送波に合わせて走査される。以上の、送波タイミング発生回路602乃至受波ビームフォーマ610〜616は、後述の制御部18によって制御されるようになっている。
【0022】
このような構成の送受信部6は、例えば図4に示すような走査を行なう。すなわち、放射点200からz方向に延びる超音波ビーム(音線)202が扇状の2次元領域206をθ方向に走査し、いわゆるセクタスキャン(sector scan) を行なう。
【0023】
送波および受波のアパーチャを超音波トランスデューサアレイの一部を用いて形成するときは、このアパーチャをアレイに沿って順次移動させることにより、例えば図5に示すような走査を行なうことができる。すなわち、放射点200からz方向に発する音線202が直線204上を移動することにより、矩形状の2次元領域206がx方向に走査され、いわゆるリニアスキャン(linear scan) が行なわれる。
【0024】
なお、超音波トランスデューサアレイが、超音波送波方向に張り出した円弧に沿って形成されたいわゆるコンベックスアレイ(convex array)である場合は、リニアスキャンと同様な音線操作により、例えば図6に示すように、音線202の放射点200を円弧204上を移動させ、扇面状の2次元領域206をθ方向に走査して、いわゆるコンベクススキャンが行なえるのは言うまでもない。
【0025】
送受信部6はBモード(mode)処理部10に接続され、各音線毎のエコー受信信号をBモード処理部10に入力するようになっている。Bモード処理部10はBモード画像データ(data)を形成するものである。Bモード処理部10は、例えば図7に示すように基本波処理部110および高調波処理部130〜136を備えている。基本波処理部110には、受波ビームフォーマ610の出力信号が入力される。高調波処理部130〜136には、受波ビームフォーマ610〜616の出力信号がそれぞれ入力される。
【0026】
基本波処理部110は、基本波エコーすなわち送波超音波の中心周波数と同じ周波数を持つエコー受信信号を通過させる図示しないフィルタ(filter)を有する。高調波処理部130〜136は第2高調波エコーすなわち送波超音波の中心周波数の第2高調波と同じ周波数を持つエコー受信信号を通過させる図示しないフィルタを有する。
【0027】
基本波処理部110は、入力信号につき、基本波エコーを対数増幅および包絡線検波することにより、音線上の個々の反射点でのエコーの強度を表す信号すなわちAスコープ(scope) 信号を得て、このAスコープ信号の各瞬時の振幅をそれぞれ輝度値として、Bモード画像データを形成するようになっている。すなわち基本波処理部110は基本波エコーに基づくBモード画像データを生成する。
【0028】
高調波処理部130〜136は、入力信号につき、第2高調波エコーを対数増幅および包絡線検波することにより、音線上の個々の反射点でのエコーの強度を表す信号すなわちAスコープ信号を得て、このAスコープ信号の各瞬時の振幅をそれぞれ輝度値として、Bモード画像データを形成するようになっている。すなわち高調波処理部130〜136は、第2高調波エコーに基づくBモード画像データをそれぞれ生成する。
【0029】
Bモード処理部10は画像処理部14に接続されている。画像処理部14は、本発明における画像生成手段の実施の形態の一例である。画像処理部14は、Bモード処理部10から入力される複数系統のBモード画像データに基づいて複数のBモード画像をそれぞれ生成するものである。
【0030】
画像処理部14は、図8に示すように、バス(bus) 140によって接続された音線データメモリ(data memory) 142、ディジタル・スキャンコンバータ(digital scan converter)144、画像メモリ146および画像処理プロセッサ(prosessor) 148を備えている。
【0031】
Bモード処理部10から音線毎に入力された基本波エコーおよび複数系統の第2高調波エコーによるBモード画像データは、音線データメモリ142にそれぞれ記憶される。音線データメモリ142内にはそれぞれの音線データ空間が形成される。
【0032】
ディジタル・スキャンコンバータ144は、走査変換により音線データ空間のデータを物理空間のデータに変換するものである。ディジタル・スキャンコンバータ144によって変換された画像データは、画像メモリ146に記憶される。すなわち、画像メモリ146は物理空間の画像データを記憶する。画像処理プロセッサ148は、音線データメモリ142および画像メモリ146のデータについてそれぞれ所定のデータ処理を施す。
【0033】
画像処理部14には表示部16が接続されている。表示部16は、画像処理部14から画像信号が与えられ、それに基づいて画像を表示するようになっている。表示部16は、カラー(color)画像が表示可能なものとなっている。
【0034】
以上の送受信部6、Bモード処理部10、画像処理部14および表示部16は制御部18に接続されている。制御部18は、それら各部に制御信号を与えてその動作を制御するようになっている。また、制御部18には、被制御の各部から各種の報知信号が入力されるようになっている。制御部18の制御の下で、超音波撮像が遂行される。
【0035】
制御部18には操作部20が接続されている。操作部20は操作者によって操作され、制御部18に所望の指令や情報を入力するようになっている。操作部20は、例えばキーボード(keyboard)やその他の操作具を備えた操作パネル(panel) で構成される。
【0036】
本装置の動作を説明する。操作者は、超音波プローブ2を被検体4の所望の個所に当接し、操作部20を操作して撮像を行う。撮像は、制御部18による制御の下で遂行される。
【0037】
先ず、マイクロバルーンの殻を破壊するための超音波を送波する。そのような超音波として、図9の(a)に示すように、最初の半サイクル(cycle) が負圧となる超音波を用いる。このような超音波は、例えば最初の半サイクルを負極姓とした駆動信号等によって発生させることができる。
【0038】
このような超音波がマイクロバルーンに加わると、負圧によるキャビテーション(cavitation)効果によって、その殻が破壊する。殻の硬度が比較的高いものほど負圧によって破壊し易い。被検体内での超音波伝播の非線形性により、例えば図9の(b)に示すように、瞬時音圧波形は進行につれて負の期間が伸びる傾向を示す。負の期間が伸びるのは、負圧の印加時間を長くし、ますますマイクロバルーンの殻の破壊に有利に作用する。このため、比較的低い瞬時音圧でも殻を破壊することが可能であり能率が良い。また、瞬時音圧波形の正の部分が急峻になるのも破壊を促進する点で有利である。
【0039】
これに対して、図10の(a)に示すように、最初の半サイクルが正の超音波を用いた場合は、伝播の非線形性があっても同図の(b)に示すように正の部分は急峻になるもののそれらの間隔は変わらず、したがって負圧の期間が伸びるということがないので、図9の場合よりもマイクロバルーンの殻の破壊効果が劣る。そこで、最初の半サイクルが正の超音波を用いる場合は、十分な破壊効果が得られるように送波超音波の瞬時音圧レベルを高める必要がある。
【0040】
ここでは、図9の(a)に示したような超音波を送受信部6によって送波してマイクロバルーンの殻を破壊し、放出気泡を利用して造影撮像を行うものとする。なお、図10の(a)に示したような超音波を用い、マイクロバルーンの殻を破壊するようにしても良いのは勿論である。以下ではマイクロバルーンの殻の破壊を単にマイクロバルーンの破壊という。
【0041】
図11に、マイクロバルーンの破壊を伴う超音波送受信シーケンス(sequence)を模式的に示す。同図では、横方向に音線番号をとり、縦方向に時相をとる。走査は音線番号の昇順に行なわれる。時相は図の上から下に進行する。
【0042】
時相t1では、4番音線にマイクロバルーンを破壊するための超音波ビームB1が送波される。マイクロバルーンを破壊するための超音波ビームB1は、本発明における第1の超音波の実施の形態の一例である。この超音波は、瞬時音圧が例えば1MPa以上のものである。送波用の駆動波形としては、図9の(a)に示したものを用いるのが有利であるが、それに限らず図10の(a)に示したものを用いても良いのはいうまでもない。
【0043】
これによって、4番音線上のマイクロバルーンが破壊され、気体が放出されて気泡が生じる。なお、1〜3番音線上では、それまでの走査で送波された超音波ビームB1によりマイクロバルーンは既に破壊済みである。
【0044】
次に、時相t2において、撮像用の超音波ビームB2を送波する。撮像用の超音波ビームB2は、本発明における第2の超音波の実施の形態の一例である。この超音波は、例えば瞬時音圧が100kPa程度のものである。この程度の瞬時音圧ではマイクロバルーンは破壊できない。なお、超音波ビームB2は最初の半サイクルに負圧を含まないものとする。超音波ビームB2は1〜7番音線を包含する太さを有する。
【0045】
超音波ビームB2の太さに包含される音線のうち、1〜3番音線では前回までの超音波ビームB1の走査でマイクロバルーンが既に破壊済みであり、4番音線ではたったいまマイクロバルーンが破壊されたところであり、5〜7番音線では未だマイクロバルーンは破壊されていない。
【0046】
次に、時相t3において、1〜7番音線に沿ってマルチビームのエコー受信を行なう。4番音線のエコー受信信号は、今回のマイクロパルーンの破壊によって生じ、超音波ビームB2が送波されたときまで存在した気泡からの第2高調波エコーを含んでいる。すなわち、破壊用の超音波ビームB1を送波してから撮像用の超音波ビームB2を送波するまでの時間間隔が例えば200μsであるとすると、寿命が200μs以上の気泡からの第2高調波エコーを含む。
【0047】
3,2,1番音線のエコー受信信号はそれぞれ、前回、前前回、さらにその前の回のマイクロパルーンの破壊によって生じた気泡からの第2高調波エコーを含んでいる。したがって、それらは、前回、前前回およびさらにその前の回のマイクロパルーンの破壊時から撮像用の超音波ビームB2の送波時までに、それぞれ生き残っているマイクロバルーンからの第2高調波エコーとなる。これにより、4〜1番音線の第2高調波エコーは、例えば数100μs〜数msの範囲で順次に長い寿命を持つ気泡の存在を示す信号となる。
【0048】
これに対して、5〜7番音線ではマイクロバルーンが破壊されないので、それら音線のエコー受信信号は気泡からの第2高調波エコーを含まない。ただし、マイクロパルーンからの第2高調波エコーを含む可能性はあるが、例えば殻の硬度の高いマイクロパルーン等、マイクロパルーンの銘柄を選ぶことにより、さらには超音波ビームB2の瞬時音圧が低いことにより、この第2高調波エコーは気泡からの第2高調波エコーに比して無視できる程度とすることができる。
【0049】
このようなエコー信号が、基本波処理部110および高調波処理部130〜136でそれぞれ処理されて、基本波エコーに基づくBモード画像データおよび複数系統の第2高調波エコーに基づく複数系統のBモード画像データがそれぞれ求められ、画像処理部14において音線データメモリ142にそれぞれ記憶される。
【0050】
次に、時相t4では、マイクロバルーンを破壊するための超音波ビームB1が5番音線に送波される。これによって、5番音線上のマイクロバルーンが破壊され、放出気体による気泡が生じる。
【0051】
次に、時相t5において、5番音線を中心として撮像用の超音波ビームB2を送波する。超音波ビームB2はその太さの範囲に2〜8番音線を包含する。これれら音線のうち、2〜4番音線では前回までの超音波ビームB1の走査でマイクロバルーンが既に破壊済みであり、5番音線ではいまマイクロバルーンが破壊されたところであり、6〜8番音線では未だマイクロバルーンは破壊されていない。
【0052】
次に、時相t6において、2〜8番音線に沿ってマルチビームのエコー受信を行なう。5番音線のエコー受信信号は今回のマイクロパルーンの破壊によって生じた気泡からの第2高調波エコーを含んでいる。4,3,2番音線のエコー受信信号はそれぞれ、前回、前前回、さらにその前の回のマイクロパルーンの破壊によって生じた気泡からの第2高調波エコーを含んでいる。6〜8番音線のエコー受信信号は気泡からの第2高調波エコーを含まない。
【0053】
このようなエコー信号が、基本波処理部110および高調波処理部130〜136でそれぞれ処理されて、基本波エコーに基づくBモード画像データおよび複数系統の第2高調波エコーに基づく複数系統のBモード画像データがそれぞれ求められ、音線データメモリ142にそれぞれ記憶される。複数系統のBモード画像データは、相対音線番号が同一なもの同士でそれぞれの系統の音線データセット(data set)を形成する。以下、同様な動作を繰返し、音線順次の超音波撮像を遂行する。その様子を図11における時相t7〜t12で示す。
【0054】
画像処理プロセッサ148は、音線データメモリ142の複数系統のBモード画像データを、ディジタル・スキャンコンバータ144で走査変換してそれぞれ画像メモリ146に書き込む。
【0055】
画像処理プロセッサ148は、複数系統のBモード画像を別々な領域に書き込む。基本波エコーによるBモード画像は、走査面における体内組織の断層像を示すものとなる。第2高調波エコーによる相対音線番号−3〜0の系統の各Bモード画像は、それぞれ寿命が異なる気泡に基づく造影画像となる。
【0056】
相対音線番号1〜3の系統のBモード画像は、気泡の像は含まないものの、超音波送受信系における信号歪や超音波伝播の非線形性等による第2高調波エコー像を含む。そのような像は相対音線番号−3〜0の系統のBモード画像にも共通に含まれるので、画像処理プロセッサ148で両画像の差分を求めることによって相殺し、気泡のみの画像を得るようにしている。
【0057】
操作者は、操作部20を操作して、これらのBモード画像を表示部16に表示させる。すなわち、例えば図12に示すように、組織の断層像160と第2高調波エコー像162との合成画像を表示させる。第2高調波エコー像162を、寿命が異なる気泡の像に変えてみることにより、被検体の診断等を適切に行なうことができる。組織の断層像160と第2高調波エコー像162はそれぞれ表示色を違えて表示する。第2高調波エコー像162は、さらに、気泡の寿命に応じて表示色を変えるのが、識別を容易にする点で好ましい。
【0058】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、寿命が異なる気泡に基づく造影撮像を行う超音波撮像装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の一例の装置のブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態の一例の装置における送受信部のブロック図である。
【図3】 本発明の実施の形態の一例の装置における送波超音波ビームのプロファイルの概念図である。
【図4】 本発明の実施の形態の一例の装置による音線走査の概念図である。
【図5】 本発明の実施の形態の一例の装置による音線走査の概念図である。
【図6】 本発明の実施の形態の一例の装置による音線走査の概念図である。
【図7】 本発明の実施の形態の一例の装置におけるBモード処理部のブロック図である。
【図8】 本発明の実施の形態の一例の装置における画像処理部のブロック図である。
【図9】 本発明の実施の形態の一例の装置における送波信号の一例を示す波形図である。
【図10】 本発明の実施の形態の一例の装置における送波信号の一例を示す波形図である。
【図11】 本発明の実施の形態の一例の装置における超音波送受信のシーケンスを示す模式図である。
【図12】 本発明の実施の形態の一例の装置における表示画像の模式図である。
【符号の説明】
2 超音波プローブ
4 被検体
40 マイクロバルーン造影剤
6 送受信部
10 Bモード処理部
14 画像処理部
16 表示部
18 制御部
20 操作部
602 送波タイミング発生回路
604 送波ビームフォーマ
606 送受切換回路
610〜616 受波ビームフォーマ
110 基本波処理部
130〜136 高調波処理部

Claims (1)

  1. マイクロバルーン造影剤を注入した被検体を超音波ビームにより音線順次で走査しエコーに基づいて画像を生成する超音波撮像装置であって、
    前記マイクロバルーン造影剤におけるマイクロバルーンの殻を破壊する第1の超音波を送波し、次いで前記第1の超音波を送波した音線および走査方向におけるその前後の音線を含む複数の音線に沿って前記マイクロバルーンの殻を破壊しない第2の超音波を同時送波する超音波送波手段と、
    前記第2の超音波についてのエコーを前記複数の音線に沿って並行受信するエコー受信手段と、
    前記エコー受信手段で並行受信したエコーに基づいてそれぞれ画像を生成する画像生成手段と、
    を具備することを特徴とする超音波撮像装置。
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