JP4021706B2 - 波長多重通信システム及び波長多重通信装置 - Google Patents

波長多重通信システム及び波長多重通信装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、波長多重(WDM)通信システムに関するもので、特に回折格子を交換することにより任意の波長の光信号を送信可能な波長多重通信装置と、これを備えた波長多重通信システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、1本の光ファイバ内を複数の波長の光信号を伝搬させて複数のチャネルによる通信を行う波長多重通信網において、ユーザ毎に異なる波長を割り当てることにより1本の光ファイバを用いて複数のユーザに通信サービスを提供する波長多重(WDM)通信システムが知られている。
【0003】
この波長多重通信システムでは、図2に示す従来例のように、複数のユーザ側通信装置A〜D(21A〜21D)とセンタ側通信装置22との間が、波長合分波フィルタ23と、複数の光ファイバ24A〜24D,25によって接続される。各ユーザ側通信装置A〜D(21A〜21D)には光ファイバ24A〜24Dの一端が接続され、これらの光ファイバ24A〜24Dの他端は波長合分波フィルタ23を介して一端がセンタ側通信装置22に接続されている1本の光ファイバ25の他端に接続される。
【0004】
ユーザ側通信装置A(21A)は、波長λ1の光信号を受信し、波長λ2の光信号を送信する。同様に、他のユーザ側通信装置B〜D(21B〜21D)は、波長λ3,λ5,λ7の光信号を受信し、波長λ4,λ6,λ8の光信号を送信する。
【0005】
センタ側通信装置22は、各ユーザ側通信装置A〜D(21A〜21D)に割り当てられた波長の光信号を1本の光ファイバ25を介して送受信できるようになっている。
【0006】
上記構成によって、複数のユーザ側通信装置A〜D(21A〜21D)とセンタ側通信装置22との間の大部分を1本の光ファイバ25で接続することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来例においては、センタ側通信装置22に接続された1本の光ファイバ25に対して接続される複数のユーザ側通信装置A〜D(21A〜21D)は、それぞれ異なる波長の光信号を送信できることが必要である。
【0008】
従って、上記従来例の方式では、ユーザ側通信装置A〜D(21A〜21D)はユーザ毎に特定の波長に対応している必要があるため、ユーザの住居移転などによってユーザ側通信装置A〜D(21A〜21D)の設置場所が変更になった場合は、装置を取り替える必要があった。
【0009】
このため、従来例のような波長多重通信システムを用いて通信サービスを提供する場合は、通信サービス提供事業者がユーザに対してユーザ側通信装置A〜D(21A〜21D)を提供することにより、設置場所変更による通信装置の取り替えに対応する必要があり、ユーザが自分の嗜好により通信装置を購入することができず、柔軟なサービスの提供ができないといった問題があった。
【0010】
本発明の目的は上記の問題点に鑑み、ユーザの転居等によりユーザ側通信装置の設置場所が変更になった場合にも通信装置自体を取り替える必要がない波長多重通信システム及び波長多重通信装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を達成するために、回折格子技術と半導体光増幅素子(以下、SOA(Semiconductor Optical Amplifier)と称する)の組み合わせ技術を応用する。
【0012】
この回折格子技術と半導体光増幅素子を組み合わせた発光技術はファイバーグレーティングレーザ(以下、FGLと称する)と称され、例えば文献SEIテクニカルレビュー第158号PP.38−43「直接変調ファイバーグレーティングレーザ(FGL)を用いたチャネル間隔12.5GHzおよび25GHzでのDWDM伝送」などで提案されている。
【0013】
しかし、FGLにおいては、ファイバグレーティングの回折格子周期を変更することにより様々な波長の発光素子を製造することが可能であるが、SOAとファイバグレーティングを同一素子として構成しているため、このFGLを用いてもユーザ側通信装置の設置場所が変更になった場合は装置自体を取り替える必要があり、前記課題を解決することができない。
【0014】
また、別の文献として、ブリティッシュテレコミュニケーションズから出願されている「レーザ、特願平6−520804号」でも回折格子と半導体素子を組み合わせることにより、回折格子部を光伝送路中、例えば、光コネクタ内に設けることによって、光ファイバの光コネクタを交換することで、ユーザ側通信装置自体の交換を不要とする技術も提案されている。
【0015】
しかし、この技術においては、装置の設置場所が変わったときもユーザ側通信装置自体の交換は不要であるが、光ファイバの一部を交換する必要があるため、交換の手間と光コネクタの接続にコストがかかり、安価なシステム提供にはならない。さらに、後者の技術では、SOAと回折格子との間の距離が必要となり、高速変調に限界がある。
【0016】
一般的に変調速度と共振器長の関係は、例えば図3に示すように、光ファイバ31内に回折格子32を設けた場合、SOA33の光出射端面と回折格子32の中央部との間の距離Lを共振器長とすると、例えば共振器長Lが10cmのとき、光の振幅変調を行うときの変調速度は5〜10nsとなる。
【0017】
即ち、光ファイバ31のPLCでの光伝搬速度を5ns(屈折率1.5)とし、光が共振器長Lを往復するのに必要な時間をtとした場合、共振器長Lを10cmとすると、往復で20cmであり、往復時間tは1nsである。光の振幅変調では、1ビット当たり5〜10倍の往復時間tが必要であるため、変調速度は5〜10nsとなり、高速変調に限界を生ずる。
【0018】
そこで、本発明では、ユーザ側通信装置にSOAを実装すると共にSOAの光伝送路接続側とは逆の位置に取り替え可能な回折格子を設けることにより、光伝送路側の光ファイバ部分の取り替えを不要とし、前記課題の解決を実現した。
【0019】
本発明は、上記の目的を達成するために請求項1では、1本の第1光ファイバが分岐素子を介して複数の第2光ファイバに接続されると共に前記複数の第2光ファイバのそれぞれがユーザ側通信装置に接続され、前記ユーザ側通信装置毎に異なる複数の波長の光が前記第1光ファイバを伝搬することにより、前記ユーザ通信装置毎に異なる複数のチャネルを用いて光通信を行う波長多重通信システムにおいて、前記第2光ファイバへ光を出射する前記ユーザ側通信装置の発光素子として、2つ以上の特定波長の光に対して所定値以上の利得を有する半導体光増幅素子を備えると共に、前記ユーザ側通信装置に、それぞれ共振する光の波長が異なる2つ以上の回折格子が配置され且つ任意の回折格子を前記半導体光増幅素子における前記第2光ファイバへ光を出射する第1端面とは反対側の第2端面に対向させるように取り替え可能に装着できる回折格子ユニットを備え、前記ユーザ側通信装置において使用する回折格子の周期が前記ユーザ側通信装置毎に異なる周期に設定されている波長多重通信システムを提案する。
【0020】
本発明の波長多重通信システムによれば、ユーザ側通信装置の発光素子として半導体光増幅素子を用い、該半導体光増幅素子の光伝送路が接続される側とは反対側のに回折格子が設けられており、前記半導体光増幅素子と回折格子との組み合わせにより、前記半導体光増幅素子は前記回折格子の周期によって決まる特定の波長の光を発光し、さらに前記ユーザ側通信装置毎に前記回折格子の周期がそれぞれ異なるため、前記ユーザ側通信装置毎に異なる波長の光が前記第2光ファイバへ出射される。
【0021】
このように、送信する光の波長を特定するための前記回折格子をユーザ側通信装置に取り替え可能に設けることにより、通信サービス提供事業者は提供する光伝送路の接続工程を削減することができると共に、前記回折格子を交換することによって前記半導体光増幅素子において発光する光の波長を変えることができるので、ユーザ側には指定された波長で発光する従来のような通信装置を設置する必要がなくなる。さらに、前記従来技術と比較し、回折格子と半導体光増幅素子との間の共振器長を短くできるため、高遠変調が可能になる。
【0022】
た、前記ユーザ側通信装置に、それぞれ共振する光の波長が異なる2つ以上の回折格子が配置され且つ任意の回折格子を前記半導体光増幅素子の前記第2端面に対向させるように取り替え可能に装着できる回折格子ユニットを備えている
【0023】
これにより、前記回折格子ユニットの装着状態を変えることによって2つ以上の回折格子のうちの任意の回折格子を前記半導体光増幅素子の前記第2端面に対向させることが可能であるため、前記回折格子の数に対応した数の異なる波長のうちの1つの波長を選択して、該波長の光を前記半導体光増幅素子によって発光させることができる。
【0028】
このように、送信する光の波長を特定するための前記回折格子を取り替え可能に設けることにより、通信サービス提供事業者は提供する光伝送路の接続工程を削減することができると共に、前記回折格子を交換することによって前記半導体光増幅素子において発光する光の波長を変えることができるので、ユーザ側には指定された波長で発光する従来のような通信装置を設置する必要がなくなる。さらに、前記従来技術と比較し、回折格子と半導体光増幅素子との間の共振器長を短くできるため、高遠変調が可能になる。
【0029】
また、請求項2では、1本の第1光ファイバが分岐素子を介して複数の第2光ファイバに接続されると共に前記複数の第2光ファイバのそれぞれがユーザ側通信装置に接続され、前記ユーザ側通信装置毎に異なる複数の波長の光が前記第1光ファイバを伝搬することにより、前記ユーザ通信装置毎に異なる複数のチャネルを用いて光通信を行う波長多重通信システムにおける前記ユーザ側通信装置であって、前記第2光ファイバへ光を出射する発光素子として、2つ以上の特定波長の光に対して所定値以上の利得を有する半導体光増幅素子と、それぞれ共振する光の波長が異なる2つ以上の回折格子が配置され、任意の回折格子を前記半導体光増幅素子における前記第2光ファイバへ光を出射する第1端面とは反対側の第2端面に対向させるように取り替え可能に装着できる回折格子ユニットを備えた波長多重通信装置を提案する。
【0030】
上記波長多重通信装置では、前記回折格子ユニットの装着状態を変えることによって2つ以上の回折格子のうちの任意の回折格子を前記半導体光増幅素子の前記第2端面に対向させることが可能であるため、前記回折格子の数に対応した数の異なる波長のうちの1つの波長を選択して、該波長の光を前記半導体光増幅素子によって発光させることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。
【0034】
本実施形態は、波長多重(WDM)通信を行う通信システムのユーザ側通信装置において、発光素子として複数の波長が得られると共に従来技術のような繊細な温度制御を不要とする半導体光増幅素子を用い、複数の波長の中から1つの波長を送信する光の波長として回折格子により決定すると共に回折格子を取り替え可能に設けた。
【0035】
これにより、この取り替え可能な回折格子として、複数の波長に対応した波長選択性のある複数の回折格子を用意することによって、回折格子を取り替えるだけで容易に波長の変更を行うことができるようにし、ユーザの転居等の際にもユーザ側通信装置の交換を不要とした。
【0036】
以下に、1つのユーザ側通信装置において異なる複数の波長の中から1つを選択して送信できるようにした波長多重通信装置及び波長多重通信システムの詳細を説明する。
参考例)図1は本発明の参考例における波長多重通信システムの形態を示す図である。図において、11(11A〜11D)はユーザ側通信装置A〜D、12はセンタ側通信装置、13は波長合分波フィルタ、14(14A〜14D)及び15は光ファイバである。
【0037】
本参考例の通信システムにおいては、センタ側通信装置12からの各波長信号をセンタ側通信装置12内の光波長合分波フィルタ(図示せず)を介し、1芯の光ファイバ(第1光ファイバ)15で伝送し、伝送路上に設けた光波長合分波フィルタ13により、各ユーザ側通信装置11(11A〜11D)に特定の波長信号を送出する。
【0038】
即ち、ユーザ側通信装置A〜D(11A〜11D)とセンタ側通信装置12との間は、波長合分波フィルタ13と、複数の光ファイバ(第2光ファイバ)14A〜14D、光ファイバ15によって接続されている。各ユーザ側通信装置A〜D(11A〜11D)は光コネクタ100によって接続された光ファイバ14A〜14Dを介して波長合分波フィルタ13に接続されている。また、センタ側通信装置12は、光ファイバ15を介して波長合分波フィルタ13に接続されている。
【0039】
尚、ユーザ側通信装置A(11A)は、波長λ1の光信号を受信し、波長λ2の光信号を送信する。同様に、他のユーザ側通信装置B〜D(11B〜11D)は、波長λ3,λ5,λ7の光信号を受信し、波長λ4,λ6,λ8の光信号を送信する。
【0040】
また、センタ側通信装置12は、各ユーザ側通信装置A〜D(11A〜11D)に割り当てられた波長の光信号を1本の光ファイバ15を介して送受信できるようになっている。
【0041】
上記構成によって、複数のユーザ側通信装置A〜D(11A〜11D)とセンタ側通信装置12との間の大部分を1本の光ファイバ15で接続することができる。
【0042】
また、各ユーザ側通信装置11(11A〜11D)は、発光部110と受光部150とを備えている。発光部110は発光素子として用いられる半導体光増幅素子(以下、SOA(Semiconductor Optical Amplifier)と称する)121と回折格子部140とを備え、受光部150は受光素子として用いられるフォトダイオード(PD)151を備えている。
【0043】
発光部110は、図4及び図5に示すように、SOA121を保護するケーシング120と、このケーシングに120に取り替え可能に装着できる回折格子部140とを有する。SOA121はケーシング120内の中央部に固定され、SOA121の光を出射する一方の端面121aには光ファイバ123の端面が接合され、光ファイバ123は支持部122によってケーシング120に支持された状態で固定されている。
【0044】
また、SOA121の前記一端面121aとは反対側の端面121bと所定距離を置いて端面121bに対向するようにレンズ124が配置され、さらにレンズ124の光軸上にレンズ124に対向するように透光性を有するガラスブロック125が配置されている。
【0045】
このガラスブロック125は、ケーシング120の側壁に設けられた開口部126に嵌合されて、ケーシング120内部を密閉保護すると共に回折格子部140との間の光結合を行う。
【0046】
さらに、開口部126の周囲には外部に突出した円筒状の係止部127が設けられ、該係止部127によって回折格子部140が取り替え可能に装着できるようになっている。
【0047】
また、本参考例で用いたSOA121は、図6に示すように、ユーザ側通信装置11A〜11Dのそれぞれからセンタ側通信装置12に向けて信号送信するために用いる異なる4つの特定波長λ2,λ4,λ6,λ8の光に対して所定値以上の利得を有している。さらに、所定温度範囲での温度変化によって利得特性に波長シフトを生じたときにも4つの特定波長λ2,λ4,λ6,λ8の光に対して所定値以上の利得が得られるような複数波長を選択できる範囲を有している。
【0048】
例えば、SOA121の波長の温度変動幅が0.5nm/℃とすると、0〜40℃の温度範囲内では20nmの波長シフトを生ずることになる。図6におけるAは周囲温度が0度のときのSOA121の利得スペクトルであり、Bは周囲温度が40度のときのSOA121の利得スペクトルであり、SOA121は上記のように0〜40℃の温度範囲での温度変化による波長シフトが生じても上記特定波長λ2,λ4,λ6,λ8に対しては所定値以上の利得を有している。
【0049】
回折格子部140は、光ファイバのコア部に周期的な屈折率変化を与えることによって形成された回折格子141を有する一般にファイバグレーティングと称されている光ファイバ142と、光ファイバ142の一端部を外部に露出するように光ファイバ142を保持する保持部材143とから構成されている。尚、回折格子141は、特定の波長の光に共振して、この光のみを反射するような周期に構成されている。
【0050】
また、保持部材143に光ファイバ142の一端部を囲むように円筒状の係止部144が設けられ、この係止部144によって回折格子部140がケーシング120に係止される。
【0051】
即ち、光ファイバ142の直径はケーシング120に設けられた係止部127の内径にほぼ等しく、回折格子部140の係止部144の内径は係止部127の外形のほぼ等しく設定されている。これにより、ケーシング120に回折格子部140を装着すると、光ファイバ142の一端部は係止部127に嵌入され且つ光ファイバ142の一端面がガラスブロック125に当接した状態で保持される。
【0052】
これにより、SOA121の他端面から出射された光はレンズ124とガラスブロック125を介して光ファイバ142の一端面に入射し、光ファイバ142の内部で回折格子141によって反射されてSOA121に入射される。
【0053】
また、各ユーザ側通信装置11(11A〜11D)の回折格子部140における回折格子141はそれぞれ異なる周期に設定され、SOA121から注入された波長λ2,λ4,λ6,λ8の光のうち、回折格子141の周期によって決まる波長の光のみを抽出してSOA121に反射する。
【0054】
即ち、ユーザ側通信装置11Aに装着されている回折格子部140の回折格子141は、図7に示すように、SOA121から注入された波長λ2,λ4,λ6,λ8の光のうちの波長λ2の光のみを抽出してSOA121に反射する。
【0055】
さらに、ユーザ側通信装置11Bに装着されている回折格子部140の回折格子141はSOA121から入射した波長λ2,λ4,λ6,λ8の光のうちの波長λ4の光のみを反射する。また、ユーザ側通信装置11Cに装着されている回折格子部140の回折格子141はSOA121から入射した波長λ2,λ4,λ6,λ8の光のうちの波長λ6の光のみを反射し、ユーザ側通信装置11Dに装着されている回折格子部140の回折格子141はSOA121から入射した波長λ2,λ4,λ6,λ8の光のうちの波長λ8の光のみを反射する。
【0056】
上記構成からなる通信システムでは、各ユーザ側通信装置11(11A〜11D)において、上記温度範囲での温度変化による波長シフト範囲で複数波長を抽出できる十分な利得を有するSOA121から発光した光信号から、ユーザ側通信装置11に付帯する取り替え可能な回折格子部140によって特定波長を抽出し、抽出された波長の光信号をユーザ側通信装置11内SOA121へ注入することで、各ユーザ側通信装置11から回折格子141の周期で決まる特定波長の信号を送出する。
【0057】
各ユーザ側通信装置11A〜11Dから送出された各波長の光信号は伝送路上の波長合分波フィルタ13を介し、1芯の光ファイバ15の伝送路を経由してセンタ側通信装置12へ到達する。
【0058】
センタ側通信装置12では、到達した光信号は再度、波長合分波フィルタ(図示せず)を介して各光信号毎に該当ユーザに対応して振り分けられる。
【0059】
従って、本参考例の波長多重通信装置11を備えた通信システムを用いることにより、容易に交換が可能な回折格子部140をユーザ側通信装置11に波長選択の機能を持たせ、ユーザ側通信装置としてはSOA121のみを持つことから、従来の通信方式に比べ、ユーザ側通信装置11での波長依存性がなくなり、低コスト化が実現可能となる。
【0060】
また、光コネクタを含む光伝送路区間に波長選択機構を設ける従来例の構造と比較して、光ファイバの接続や配線コストが削減できることから、従来例よりもさらに低コスト化が実現可能となる。例えばユーザの引越しなどにより、該当ユーザへ割り当てられる波長が変更になったとしても、サービス提供者がその波長に対応した回折格子部140に交換することで、ユーザはこれまで使用していた通信機器をそのまま使用することが可能である。このため、ユーザは自分の嗜好に合った通信装置を購入することができ、柔軟なサービスを提供することができる。
【0061】
さらに、参考例における発光部110では、図5に示すように、SOA121と回折格子141との間の距離L(共振器長)を従来例よりも短縮できるので、容易に高速変調を行うことができる。
実施形態)前述の参考例では、各ユーザ側通信装置11(11A〜11D)毎に交換する回折格子部140を用意しおく必要があり、サービス提供事業者が複数種の回折格子部140を所有しておき、ユーザの移転が発生した場合などに該当ユーザに割り当てられた波長に対応した回折格子部140へ交換することが必要となる。
【0062】
実施形態では、それぞれ異なる波長に共振する周期を有する複数の回折格子を備えた回折格子ユニットを取り替え可能に設け、任意の回折格子をSOA121の他端面121bに対向させることができるようにした。
【0063】
図8は実施形態における波長多重通信装置11を示す概略構成図である。図において、前述した参考例と同一構成部分は同一符号をもって表しその説明を省略する。
【0064】
実施形態における波長多重通信装置11(11A〜11D)では、図8に示すように、上記の回折格子ユニット160を発光部110に備え、ユーザ側通信装置11A〜11Dで使用する複数の波長λ2,λ4,λ6,λ8に必要な回折格子162A〜162Dを備えた回折格子ユニット160を取り替え可能に設けることにより、ユーザの移転が発生した場合においても、サービス提供事業者がユーザ側通信装置11に付帯する回折格子ユニット160を交換する必要をなくすものである。
【0065】
即ち、回折格子ユニット160は、直方体形状の筐体161内部に4つの回折格子162A〜162Dを有し、筐体の一側面の両端に結合用ガイドピン164a,164bが突出して設けられている。また、各回折格子162A〜162Dのそれぞれには光ファイバ163の一端面が結合され、各光ファイバ163はその他端面が筐体161の上記一側面に露出するように固定されている。さらに、各光ファイバ163の他端面は等間隔をあけて一直線上に並ぶように配置されている。
【0066】
尚、本実施形態においては、回折格子162A〜162Dの周期は、それぞれ波長λ2,λ4,λ6,λ8に共振するように設定されている。
【0067】
一方、通信装置11の筐体には、上記回折格子ユニット160を取り替え可能なようなように装着できるユニット装着部130が設けられている。このユニット装着部130は、上記筐体の一側面に一直線上に等間隔をあけて設けられた7つのガイドピン挿入孔131a〜131gと、中央部の2つのガイドピン挿入孔131c,131dの間の所定位置に一端面が露出するように配置された光ファイバ132とを備えている。
【0068】
光ファイバ132の他端面は、SOA121の他端面121bから出射された光をレンズ124とガラスブロック125を介して入射できる位置に固定されている。
【0069】
また、結合用ガイドピン164a,154b及び光ファイバ163の他端面の位置、並びにガイドピン挿入孔131a〜131g及び光ファイバ132の一端面の位置は、結合用ガイドピン164a,164bを嵌入するガイドピン挿入孔131a〜131gを変えることにより任意の回折格子162A〜162Dに対応する光ファイバ163の他端面を光ファイバ132の一端面に結合できるように設定されている。
【0070】
例えば、図9に示すように、一方の結合用ガイドピン164aを1番目のガイドピン挿入孔131aに挿入し、他方の結合用ガイドピン164bを5番目のガイドピン挿入孔131eに挿入して回折格子ユニット160をユニット装着部130に装着したときは、3番目の回折格子162Cに対応する光ファイバ163の他端面と光ファイバ132の一端面が結合する。これにより、SOA121は回折格子162Cの周期によって決まる光の波長λ6に共振し、この波長λ6の光のみを発光する。
【0071】
また、図10に示すように、一方の結合用ガイドピン164aを3番目のガイドピン挿入孔131cに挿入し、他方の結合用ガイドピン164bを7番目のガイドピン挿入孔131gに挿入して回折格子ユニット160をユニット装着部130に装着したときは、1番目の回折格子162Aに対応する光ファイバ163の他端面と光ファイバ132の一端面が結合する。これにより、SOA121は回折格子162Aの周期によって決まる光の波長λ2に共振し、この波長λ2の光のみを発光する。
【0072】
前述したように実施形態によれば、ユーザ側通信装置11A〜11Dに付帯する複数の回折格子を有した取り替え可能な回折格子ユニット160の取付位置を変えることにより、あらかじめ定められた、各ユーザ側通信装置11A〜11Dに割り当てられた波長λ2,λ4,λ6,λ8を選択して、特定波長の信号を送出することができる。
【0073】
各ユーザ側通信装置11A〜11Dから送出された各波長λ2,λ4,λ6,λ8の光信号は伝送路上の波長合分波フィルタ13を介して1芯の光ファイバ15からなる伝送路を経由し、センタ側通信装置12へ到達する。
【0074】
センタ側通信装置12では到達した光信号は再度、波長合分波フィルタ(図示せず)を介して、各信号毎に該当ユーザに対応して振り分けられる。
【0075】
本方式を採用することにより、従来の技術に比べ、ユーザ側通信装置11での波長依存性が不要となり、また、回折格子の交換作業も不要となり、低コスト化が実現可能となる。
【0076】
尚、上記実施形態は、本発明の一具体例であって、本発明が上記実施形態の構成のみに限定されることはない。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の請求項1に記載の波長多重通信システムによれば、ユーザ側通信装置の波長を容易に変更できるため、サービス提供者側では装置種別を意識する必要がないので、ユーザが移転した場合でも装置交換が不要となる。また、サービス提供者側におけるユーザ側通信装置の種別管理が不要となる。このため、サービスの低コスト化が可能となる。
【0078】
また、請求項2に記載の波長多重通信装置によれば、ユーザが使用する波長多重通信装置の波長を容易に変更できるため、装置種別を意識する必要がなく、ユーザが移転した場合でも装置交換が不要となるので、ユーザは嗜好にあった通信装置を購入することができる。また、サービス提供者側においては、ユーザ側通信装置の種別管理が不要となり、サービスの低コスト化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考例における波長多重通信システムの形態を示す図
【図2】 従来例の波長多重通信システムの形態を示す図
【図3】 一般的な変調速度と共振器長の関係を説明する図
【図4】 本発明の参考例における発光部を示す構成図
【図5】 本発明の参考例における発光部を示す構成図
【図6】 本発明の参考例におけるSOAの波長特性を示す図
【図7】 本発明の参考例におけるSOAの発光原理を説明する図
【図8】 本発明の実施形態における波長多重通信装置を示す概略構成図
【図9】 本発明の実施形態における波長多重通信装置の波長変更例を示す図
【図10】 本発明の実施形態における波長多重通信装置の波長変更例を示す図
【符号の説明】
11(11A〜11D)…ユーザ側通信装置A〜D、12…センタ側通信装置、13…波長合分波フィルタ、14(14A〜14D),15…光ファイバ、110…発光部、120…ケーシング、121…SOA(半導体光増幅素子)、122…支持部、123…光ファイバ、124…レンズ、125…ガラスブロック、126…開口部、127…係止部、130…ユニット装着部、131a〜131g…ガイドピン挿入孔、132…光ファイバ、140…回折格子部、141…回折格子、142…光ファイバ、143…保持部材、144…係止部、150…受光部、151…受光素子(フォトダイオード(PD))、160…回折格子ユニット、161…筐体、162(162A〜162D)…回折格子、163…光ファイバ、164a,164b…結合用ガイドピン。

Claims (2)

  1. 1本の第1光ファイバが分岐素子を介して複数の第2光ファイバに接続されると共に前記複数の第2光ファイバのそれぞれがユーザ側通信装置に接続され、前記ユーザ側通信装置毎に異なる複数の波長の光が前記第1光ファイバを伝搬することにより、前記ユーザ通信装置毎に異なる複数のチャネルを用いて光通信を行う波長多重通信システムにおいて、
    前記第2光ファイバへ光を出射する前記ユーザ側通信装置の発光素子として、2つ以上の特定波長の光に対して所定値以上の利得を有する半導体光増幅素子を備えると共に、
    前記ユーザ側通信装置に、それぞれ共振する光の波長が異なる2つ以上の回折格子が配置され且つ任意の回折格子を前記半導体光増幅素子における前記第2光ファイバへ光を出射する第1端面とは反対側の第2端面に対向させるように取り替え可能に装着できる回折格子ユニットを備え
    前記ユーザ側通信装置において使用する回折格子の周期が前記ユーザ側通信装置毎に異なる周期に設定されている
    ことを特徴とする波長多重通信システム。
  2. 1本の第1光ファイバが分岐素子を介して複数の第2光ファイバに接続されると共に前記複数の第2光ファイバのそれぞれがユーザ側通信装置に接続され、前記ユーザ側通信装置毎に異なる複数の波長の光が前記第1光ファイバを伝搬することにより、前記ユーザ通信装置毎に異なる複数のチャネルを用いて光通信を行う波長多重通信システムにおける前記ユーザ側通信装置であって、
    前記第2光ファイバへ光を出射する発光素子として、2つ以上の特定波長の光に対して所定値以上の利得を有する半導体光増幅素子と、
    それぞれ共振する光の波長が異なる2つ以上の回折格子が配置され、任意の回折格子を前記半導体光増幅素子における前記第2光ファイバへ光を出射する第1端面とは反対側の第2端面に対向させるように取り替え可能に装着できる回折格子ユニットを備えた
    ことを特徴とする波長多重通信装置。
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