JP4021164B2 - 熱交換器及び該熱交換器を再生器に用いた吸収冷凍機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱交換器及び該熱交換器を再生器に用いた吸収冷凍機、詳しくは、伝熱管群とその伝熱管群を管板で固定し、管群の周りを鋼鈑で覆うシェルアンドチューブ式又は満液式熱交換器で、伝熱管の内部を加熱用の蒸気(スチーム)が通過し、伝熱管の外部を被加熱水溶液が通過する構造の熱交換器及びこの熱交換を再生器として用いた吸収冷凍機に関するものである。なお、吸収冷凍機には、再生器を有する吸収冷温水機などが含まれるものとする。
【0002】
【従来の技術】
管内蒸気で管外水溶液を加熱して、水溶液に含まれる水分のみを蒸発させる方式の熱交換器では、被加熱側水溶液が内包され流動する容器全体を真空にして、低圧条件下で被加熱水溶液中に含まれる水分を蒸発させる方法が最も安全で、効率が良く、研究例も多いので広く知られている。このような熱交換器の実施例としては、吸収式冷凍機の構成要素として知られる再生器がある。
【0003】
加熱側蒸気の温度、圧力、流量と被加熱側容器の胴内圧力により、被加熱水溶液の水分の蒸発量は容易に制御することができる。言い換えると、水溶液の濃縮濃度のコントロールが容易にでき、性能の制御もやりやすいのがこの方式の熱交換器の特長で、広く用いられる理由となっている。
従来の研究では、この熱交換器の効率を上げるために、被加熱側水溶液の流動方式を変えたり、パス数を変えたり、流動抵抗を変えたりして改善を図ってきた。
【0004】
水溶液/蒸気の熱交換器において、水溶液が循環する容器を真空状態にして水溶液を外部蒸気で加熱して水分を蒸発させる場合に、被加熱水溶液は伝熱管外部を通過する部位によって、熱交換効率にばらつきがあることはすでに知られている。
これは、真空状態で比重の大きい水溶液を加熱し、水分を蒸発させる際には水溶液の液深(水位ヘッド)が大きく影響するためで、熱交換する容器は出来るだけ底の浅い構造の熱交換器とすることが、比重の大きい水溶液を加熱する熱交換器の性能を高める有効な対策となっている。
しかし、大容量で性能の大きい熱交換器は底を低くすると幅が大きくなりすぎたり、長さが長くなりすぎてしまい、実際的ではなくなってしまう。
【0005】
従来から、加熱源と被加熱水溶液の熱交換に関する研究は古くから活発に行われており、その論文、特許などもきわめて多い。図10及び図11は、従来の熱交換器を示している。図10及び図11に示すように、加熱用蒸気と被加熱水溶液が互いに1パスで対向流に流れ熱交換する構造のものが最もポピュラーで事例も多く公知の物となっている。10は水溶液入口、12は水溶液出口、14は蒸気入口、16は蒸気ドレン出口(凝縮水出口)、18は伝熱管、20、22は管板、24は蒸発水分出口、26は水溶液、28は蒸気ヘッダ、32は外周胴板、34は沸騰液面である。蒸発水分出口24の先は真空容器に接続され、大気圧以下に維持すれば100℃以下で水分は蒸発するように構成されている。
【0006】
また、熱交換に関する伝熱の研究や熱交換効率に関する研究も盛んに行われ、流動に工夫を凝らした管支えや、仕切の構造により効率を改善する研究も盛んで、文献に多くの例が記載されこれらも公知のものとなっている。
研究論文のほとんどが、伝熱、特性と効率に関するものである。伝熱管の配置、構造に関する研究もあるが、それも同様に、伝熱管の熱伝達効率改善に関する研究であり、熱吸収のよい伝熱管に蒸気が逆流する研究や、不凝縮ガスの影響で伝熱性能が低下する研究に関する報告は見られない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
伝熱管の内部に加熱用蒸気が流れ、外部に被加熱水溶液が流れる熱交換方式において、伝熱管の配置構造により伝熱性能の良い個所と悪い個所が生じた場合に、伝熱の悪い管内を通過した蒸気が伝熱の良い伝熱管に逆流して、同時に不凝縮ガスなどの伝熱に悪影響を与えるガスが流入するために、伝熱の良い伝熱管の性能が伝熱の悪い伝熱管の性能に近づいて、熱交換器全体の性能を落としてしまうと言う問題があった。
【0008】
従来、これらの現象は見落とされていて、伝熱管の種類や構造、配置の影響に起因する伝熱の良し悪しを評価、検討することが調査、研究の対象となっていた。
今回、着目したのは、熱交換器の性能に影響を与える因子として、伝熱性能ばかりでなく伝熱管内に滞留する不凝縮ガスの影響が大きな要因となっている点である。なぜ滞留するのか、その条件は何かなどについても従来見落とされていた。
【0009】
図12、図13、図14は、図10、図11に示す従来の熱交換器における蒸気の逆流と不凝縮ガス滞留の様子を示している。36は滞留する不凝縮ガス、38は蒸気ドレンである。図14において上向きの矢印で示されるように、凝縮しきらない飽和蒸気と不凝縮ガスが、ともに上段の熱吸収の良い伝熱管に逆流し、不凝縮ガスが滞留する。
【0010】
図15、図16、図17は、図10、図11に示す従来の熱交換器において、伝熱性能の良い伝熱管と伝熱性能の悪い伝熱管が発生する理由を示す図である。
図15、図16、図17において、伝熱管18の外部に水より比重の大きい水溶液26が流動し、その水溶液を加熱する蒸気が伝熱管内部に流れる場合に、水溶液側には熱交換器に加わる圧力Pの他に液深(水位ヘッド)hの影響を受ける。
【0011】
その際、容器全体の圧力Pを低くして、水溶液の沸騰を促進させようとすると、液深(水位ヘッド)hの影響を強く受ける下部h1の方が上部h2の位置より水溶液の沸騰がしにくくなり、伝熱性能の評価は下部h1の位置の伝熱管の方が悪くなる。
液深の差により、ほんの僅かでも水溶液の沸騰温度の差が生じると、伝熱管内の収熱量の違いが生じて伝熱性能の違いが生じ、蒸気凝縮量の違いが生じるので、伝熱管内でも僅かに圧力差が生じる。収熱が良く、蒸気凝縮量の多い伝熱管上部の方が、沸騰しにくく収熱が悪い伝熱管下部より僅かに圧力が低くなり、加熱用蒸気が逆流する原因となる。
【0012】
図18は蒸気流速変化テストの結果を示している。すなわち、図19に示すような熱交換器を用いて、入口側の蒸気の流速を変え(レイノルズ(Re)数を変え)、逆流の程度を比較した。
【0013】
また、図20は伝熱性能変化テストの結果を示している。すなわち、図21に示すような熱交換器を用いて、上下の伝熱管の性能差による逆流の程度を比較した。
【0014】
これらのテストの結果から、入口蒸気の流速の影響よりも、伝熱性能の差による影響の方が、逆流の程度が大きくなることがわかる。
【0015】
上記のように、伝熱管内に流入する加熱用蒸気の量、流速及び伝熱性能の良い個所と悪い個所の性能の能力比によって逆流する伝熱管の比率が変ることが実験から確認されたので、本発明の目的は、熱交換条件によって逆流する伝熱管の位置(段数、本数)を決め、逆流する伝熱管の入口側に仕切板を入れて、逆流する管には始めから蒸気が流入しないような構造にすることにより、すなわち、逆流する管は最初から逆流することを前提に構造を決め、不凝縮ガスが流入するようにして逆流する管の先端(出口側)には伝熱管から不凝縮ガスを抜く抽気管を設けるようにした熱交換器及びこの熱交換を再生器に用いた吸収冷凍機を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の熱交換器は、略水平の多数の伝熱管が二つの管板の間に設けられ、これらの伝熱管の内部に加熱用蒸気が蒸気ヘッダから流れ、これらの伝熱管の外部に被加熱水溶液が流れるようにした熱交換器において、各伝熱管の性能差により逆流する蒸気を不凝縮ガスとともに強制的に逆流させるように蒸気ヘッダ内に逆流促進用の仕切板を設け、この仕切板の上側の空間である抽気室に抽気管を設けて伝熱管からの不凝縮ガスを系外へ抜き出すようにして構成されている(図1〜図3参照)。
【0017】
また、本発明の熱交換器は、上記の1パスの熱交換器の代りに、熱交換器が複数パスを有する構造であり、最終パスの蒸気ヘッダに逆流促進用の仕切板と抽気管を設けた構成とするものである(図4〜図7参照)。
【0018】
これらの熱交換器において、被加熱水溶液が臭化リチウム水溶液、モリブデン酸リチウム水溶液、水酸化リチウム及び臭化水素酸を含む水溶液、被加熱水溶液が臭化リチウム水溶液、クロム酸リチウム水溶液、水酸化リチウム及び臭化水素酸を含む水溶液、又は被加熱水溶液が臭化リチウム水溶液、タングステン酸リチウム水溶液、水酸化リチウム及び臭化水素酸を含む水溶液となるように構成される。また、被加熱水溶液が臭化リチウム水溶液、モリブデン酸リチウム水溶液、水酸化リチウム、臭化水素酸及びアンチモンを含む水溶液となるように構成される場合もある。
【0019】
これらの熱交換器は再生器として用いるのに適しており、1又は複数基の再生器として用いた吸収冷凍機を構成することができる(図8、図9参照)。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明は下記の実施の形態に何ら限定されるものではなく、適宜変更して実施することができるものである。
図1は本発明の実施の第1形態による熱交換器で、加熱用蒸気1パス、被加熱水溶液1パスの場合の正面断面図を示し、図2は図1に示す熱交換器の側面概念図を示し、図3は図1に示す熱交換器の平面概念図を示している。
【0021】
外周胴板32の両端に二枚の管板20、22が固定され、これらの管板20、22間に多数の伝熱管18が一定間隔に略水平方向に固定されている。一方の管板20の外側には蒸気入口14を有する蒸気ヘッダ28が設けられ、他方の管板22の外側には蒸気ドレン出口16を有するヘッダ部40が設けられている。胴板32の上部には水溶液入口10が設けられ、胴板32の下部には水溶液出口12が設けられている。
【0022】
胴板32の上部中央には蒸発水分出口24が設けられており、この蒸気水分出口24の先は真空容器に接続され、大気圧以下に維持すれば100℃以下で水分が蒸発するように構成されている。34は沸騰液面である。
【0023】
このように構成された熱交換器において、各伝熱管18の性能差により、伝熱管18内の蒸気及び不凝縮ガス(非凝縮ガス)は、図1における上向きの矢印Eのように、上側の伝熱管内に逆流する。この逆流ガスを強制的に逆流させるように、蒸気ヘッダ28内に逆流促進用の仕切板42を設け、この仕切板42の上側の空間、すなわち抽気室44に抽気管46を設けて、伝熱管18からの不凝縮ガスを系外へ抜き出すように構成される。
【0024】
蒸気入口14からの蒸気を、できるだけ多くの伝熱管内に流して熱交換器の性能を高く維持するために、仕切板42は、上から1番目の伝熱管と上から2番目の伝熱管との間に設けることが好ましい。
不凝縮ガスは抽気管46に接続された抽気装置(図示略)から外部へ抜き出される。蒸気ドレン(凝縮水)は下部から抜き出され、蒸気ドレン出口16へ合流させて回収される。すなわち、逆流する伝熱管内でも加熱用蒸気による熱交換が行われ、凝縮した蒸気ドレンが発生するので、仕切板42下部には当然蒸気ドレンを抜く配管(流路)が存在する。
【0025】
上記のような構成により加熱する蒸気側の逆流が防止でき、上部の性能が良い部位に蒸気と一緒に流入する不凝縮ガスなど、熱交換に悪影響を与える気体(流体)が流入して溜まることによる性能の低下を防止することができる。
【0026】
そのために、上部の性能が良い熱交換部と下部の性能が悪い熱交換部が平均化して性能が悪い方へ引きずられて、熱交換器全体の性能を悪化させることがない。
【0027】
また、本発明の熱交換器により、さらに小形軽量化、省エネルギー化が可能となり、資源の有効利用、エネルギー使用量削減による環境改善に貢献することができる。
【0028】
上記は満液式について説明したが、液散布式(スプレー式)のように上段から下段にかけて液が流下する方式など液深の影響を受けないよう考慮した熱交換器でも、液が流下する過程で水溶液中の水分の蒸発量が変り、上から下に順に性能差(バラツキ)が生じるので、伝熱管出口側では一部蒸気の逆流が発生し性能低下を起す恐れがあるので、満液式と同様の対策により性能差を減らす効果があることはもちろんである。
【0029】
図4は本発明の実施の第2形態による熱交換器で、加熱用蒸気2パス、被加熱水溶液2パスの場合の正面断面図を示し、図5は図4に示す熱交換器の側面概念図を示し、図6は図4に示す熱交換器の平面断面説明図、図7は図4に示す熱交換器の平面簡略概念図を示している。
2パスの場合には、1パス目には逆流が生じないで、2パス目に逆流が生じることを確認しているので、2パス目に逆流促進用の仕切板42を設け、抽気室44に抽気管46を設けている。同様の理由から、複数パスの熱交換器では最終パスのヘッダ部に逆流促進用の仕切板と抽気管を設ける。他の構成及び作用は実施の第1形態の場合と同様である。
【0030】
図8は本発明の実施の第3形態による熱交換器を再生器に用いた吸収冷凍機を示している。図8は実施の第1又は第2形態の熱交換器を再生器50として用いたものである。
再生器50からの不凝縮ガスは、抽気配管52、凝縮器54、抽気配管56、吸収器58、抽気配管60、自動又は手動の抽気装置62を経由して系外に抜き出される。
【0031】
図8において、被加熱水溶液は吸収器58又は再生器50からポンプ68で汲み上げられ該熱交換器、すなわち再生器50に供給される。該熱交換器で加熱され水溶液の水分が一部蒸発し濃度が変化した水溶液は配管管路を経て吸収器58、別の再生器、熱交換器など次ぎの熱交換部位に流れる。
水溶液が加熱され蒸発分離した水蒸気は、別の再生器、熱交換器の加熱源として利用され省エネに効果を上げる用に用いられたり、凝縮器54で冷却水により冷却され凝縮水として蒸発器70に戻り冷房効果を上げる冷媒として利用される。
【0032】
加熱用蒸気は外部から供給される場合もあるが、多くは吸収冷温水機のように機械の一部として付属する直だきの再生器で加熱され発生する蒸気である。この蒸気は該熱交換器で水溶液を加熱して熱を放出したあと凝縮して配管管路を経て別の再生器、熱交換器、凝縮器など次ぎの熱交換部位に流れる。その後熱を放出した凝縮水は蒸発器70に戻り冷房効果を上げる冷媒として利用される。
【0033】
直だきの再生器で加熱され発生する蒸気と共に、伝熱管内面に防食皮膜を形成する課程で発生する水素や外部から漏れ込む空気などが一緒に該熱交換器(再生器)に流入する。熱を放出した後の蒸気は凝縮して配管経路を経て別の再生器、熱交換器、凝縮器に流れていくが、内部で発生した水素や外部から漏れ込んだ空気は凝縮せずに該熱交換器(再生器)に溜まってしまう。溜まった前述の不凝縮ガスは伝熱性能を低下させるなどの悪影響を与えるので外部へ放出する必要がある。
該熱交換器(再生器)に溜まったガスは、伝熱性能の差により生じる逆流作用を利用した本発明における仕切板を設け該熱交換器内に抽気室を設けたことで、より効果的に1箇所に集めることができる。1箇所に集めたガスは抽気管で捕集して外部に放出する。この抽気管にはオリフィス孔を設けたり、細管を設けたりして、該熱交換器に設けた抽気室より低い圧力になるようにして圧力差を利用して不凝縮ガスを捕集しやすくしている。
【0034】
この時、この抽気管を該熱交換器より圧力の低い別の再生器、凝縮器54、吸収器58などに抽気配管を経由してつなげば、特に外部動力を用いなくても圧力差で該熱交換器から抽気することができる。この不凝縮ガスは、抽気配管を経由して圧力の低い部位へ順次流して、吸収式冷凍機内部で最も圧力の低い吸収器へ集め、他の部位で発生した水素や外部から漏れ込んだ不凝縮ガスも集めて、1箇所に集めれば外部への放出管も1箇所でよくなり、構造も簡単で容易に抽気が行える。
吸収式冷凍機は、本来真空維持を最も重要な構成要素としているために、胴内に溜まる不凝縮ガスを外部へ放出するための抽気装置62を必ず装備している。その抽気装置を利用すれば新たに抽気装置を設ける必要もないので、効果的に抽気を行うための装置又は部材として新たに設けるのは、仕切板を追加することにより必然的に準備される抽気室と不凝縮ガスを捕集する抽気管だけでよく、きわめて簡単な装置で大きな効果を上げることが可能になる。
【0035】
図9は本発明の実施の第4形態による熱交換器を再生器に用いた吸収冷凍機を示している。図9は実施の第1又は第2形態の熱交換器を低温再生器64、中温再生器66として用いたものである。
中温再生器66からの不凝縮ガスは、抽気配管68で低温再生器64へ抽気され、さらに、抽気配管52、凝縮器54、抽気配管56、吸収器58、抽気配管60、抽気装置62を経由して系外に抜き出される。他の構成及び作用は実施の第3形態の場合と同様である。
【0036】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成されているので、つぎのような効果を奏する。
(1) 熱交換器の構造による性能のバラツキを改善して、熱交換器の熱交換効率を大幅に高めることができる。
(2) 加熱する蒸気側の蒸気の流動に変化を与える新規な構造を採用して、水溶液が液深の影響を受けても熱交換器の下部と上部の性能差(バラツキ)を生じにくくし性能に悪影響与えにくくしているので、熱交換器全体の熱交換効率を引き上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態による熱交換器の正面断面図である。
【図2】図1に示す熱交換器の側面概念図である。
【図3】図1に示す熱交換器の平面簡略概念図である。
【図4】本発明の実施の第2形態による熱交換器の正面断面図である。
【図5】図4に示す熱交換器の側面概念図である。
【図6】図4に示す熱交換器の平面断面説明図である。
【図7】図4に示す熱交換器の平面簡略概念図である。
【図8】本発明の実施の第3形態による熱交換器を組み込んで再生器に用いた吸収冷凍機の系統的概略構成図である。
【図9】本発明の実施の第4形態による熱交換器を組み込んで再生器に用いた吸収冷凍機の系統的概略構成図である。
【図10】従来の熱交換器の正面断面図である。
【図11】図10におけるA−A線断面説明図である。
【図12】従来の熱交換器における逆流と不凝縮ガス滞留の様子を示す正面断面説明図である。
【図13】図12におけるB−B線断面説明図である。
【図14】図12におけるC部の拡大説明図である。
【図15】従来の伝熱管において伝熱性能の良い伝熱管及び悪い伝熱管が発生する理由を説明するための正面断面図である。
【図16】図15に示す熱交換器において、液深による性能への影響を示す側面断面説明図である。
【図17】図15におけるD−D線断面図である。
【図18】蒸気流速度変化テストの結果を示すグラフである。
【図19】図18に示す結果を得るためのテストに用いられた熱交換器の一部を示す正面断面説明図である。
【図20】伝熱性能変化テストの結果を示すグラフである。
【図21】図20に示す結果を得るためのテストに用いられた熱交換器の一部を示す正面断面説明図である。
【符号の説明】
10 水溶液入口
12 水溶液出口
14 蒸気入口
16 蒸気ドレン出口
18 伝熱管
20、22 管板
24 蒸発水分出口
26 水溶液
28 蒸気ヘッダ
32 外周胴板
34 沸騰液面
36 不凝縮ガス
38 蒸気ドレン
40 ヘッダ部
42 仕切板
44 抽気室
46 抽気管
50 再生器
52、56、60、68 抽気配管
54 凝縮器
58 吸収器
62 抽気装置
64 低温再生器
66 中温再生器
68 ポンプ
70 蒸発器

Claims (7)

  1. 略水平の多数の伝熱管が二つの管板の間に設けられ、これらの伝熱管の内部に加熱用蒸気が蒸気ヘッダから流れ、これらの伝熱管の外部に被加熱水溶液が流れるようにした熱交換器において、
    蒸気を不凝縮ガスとともに逆流させるように蒸気ヘッダ内に、上部の伝熱管とそれ以外の伝熱管とを遮断するための逆流促進用の仕切板を設け、この仕切板の上側の空間である抽気室に抽気管を設けて伝熱管からの不凝縮ガスを系外へ抜き出すようにしたことを特徴とする熱交換器。
  2. 略水平の多数の伝熱管が二つの管板の間に設けられ、これらの伝熱管の内部に加熱用水蒸気が蒸気ヘッダから流れ、これらの伝熱管の外部に被加熱水溶液が流れるようにした熱交換器において、
    熱交換器が複数の折返しパスを有する構造であり、最終パスの蒸気ヘッダに、上部の伝熱管とそれ以外の伝熱管とを遮断するための逆流促進用の仕切板を設け、この仕切板の上側の空間である抽気室に抽気管を設けて伝熱管からの不凝縮ガスを系外へ抜き出すようにしたことを特徴とする熱交換器。
  3. 被加熱水溶液が臭化リチウム水溶液、モリブデン酸リチウム水溶液、水酸化リチウム及び臭化水素酸を含む水溶液である請求項1又は2記載の熱交換器。
  4. 被加熱水溶液が臭化リチウム水溶液、クロム酸リチウム水溶液、水酸化リチウム及び臭化水素酸を含む水溶液である請求項1又は2記載の熱交換器。
  5. 被加熱水溶液が臭化リチウム水溶液、タングステン酸リチウム水溶液、水酸化リチウム及び臭化水素酸を含む水溶液である請求項1又は2記載の熱交換器。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の熱交換器を再生器に用いた吸収冷凍機。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の熱交換器を複数の再生器に用いた吸収冷凍機。
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