JP4020399B2 - 圧縮性流体の連続非定常流量発生装置および連続非定常流量発生方法、ならびに圧縮性流体の流量計検定装置 - Google Patents

圧縮性流体の連続非定常流量発生装置および連続非定常流量発生方法、ならびに圧縮性流体の流量計検定装置 Download PDF

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Description

本発明は、圧縮性流体の連続非定常流量発生装置および連続非定常流量発生方法、ならびに圧縮性流体の流量計検定装置に関する。
連続して流体を用いる機器では、その流体の流量を迅速かつ正確に計測することが求められる。例えば、近年、開発が進む燃料電池では、発電要求量に応じて燃料電池セル内に所定量の水素を正確に供給することが求められ、しかも発電要求量の変動に迅速に応答して前段階の供給量から次の段階の供給量に、短い遷移時間で、迅速に正確な流量で水素を供給できるようにすることが求められる。また、半導体製造工程では、CVD、PVD、スパッタリング、熱酸化、ドライエッチング等の各種プロセスにおいて、不活性ガスの流量、酸素、水素、反応性物質ガス等の気体の流量を正確に制御して供給することが求められる。この半導体製造工程における気体の流量制御は、得られる半導体装置の性能、ひいては半導体製造工程における製品の歩留りを左右する重要な制御因子である。また、これらの用途に限られず、空気圧釘打ち機等の空気圧アクチュエータ、薬液注入装置等の空気圧により各種の機能・動作を制御する機器、血圧測定器等の空気圧を利用する測定機器などにおいても、圧縮性流体である空気を、必要に応じて迅速かつ正確な流量で供給することが求められる。
以上のとおり、流体の流量を制御することが求められる機器またはシステムでは、高い応答速度で正確に流量を計測できる流量計が必要となる。しかし、気体等の圧縮性流体は、圧力のみならず温度によっても密度が変化するため、流量計の動特性を正確に計測することは困難である。そのため、流量計の動特性を検定する方法は未だ確立されていない状況である。よって、市販されている気体用流量計の応答を統一的に比較する方法はISOやJIS等でも規定されていない。そのため、従来は、気体の流量をバルブ等でステップ的に変化させ、その際に流量計の応答を計測し、動特性、すなわち応答性を評価しているに過ぎない。
そこで、本発明者らは、先に、容器内に熱伝導性が高く体積が小さい熱伝導材料を内部空気との接触面積が大きくなるように収容することによって、内部の空気温度の変化を小さくして空気圧を速やかに安定させ、容器内の空気の状態変化をほぼ等温にできる圧力容器を提案した(特許文献1)。この圧力容器によれば、容器内の圧力変化から容器から流出され、あるいは容器内に充填される気体の非定常流量を正確に計測できる。
しかし、この圧力容器単独では、容器内からの気体の流出時あるいは容器内への気体の充填時のみ、気体の流量を正確に計測することが可能となるだけであり、連続的に流通する気体の流量を計測することは不可能である。一方、圧縮性流体の流量計の動特性試験においては、連続的に基準となる非定常流量の圧縮性流体流を発生し、その圧縮性流体流の流量を流量計で計測し、基準の流量と流量計の出力値を比較することで、流量計の検定を行なうため、基準となる非定常流量の圧縮性流体流を連続的に発生させることが必要となる。
特開平6−147320号公報(請求項1、図1等)
前記問題を解決するため、本発明の第1の目的は、連続的に計測基準とするに十分な精度の非定常流量の流体流を発生させることができるようにして、圧縮性流体の動特性試験や空気圧機器などの流量特性試験に有用な圧縮性流体の連続非定常流量発生装置および連続非定常流量発生方法を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、前記連続非定常流量発生装置によって発生する流体流を基準として用いて、被検定対象の流量計の計測精度を検定できる流量計検定装置を提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明の圧縮性流体の連続非定常流量発生装置は、流体供給源から供給される圧縮性流体の流入量を計測する流量計と、前記流量計を通って導入される前記圧縮性流体を等温状態に保持する等温化圧力容器と、前記等温化圧力容器内の圧縮性流体の圧力を計測する圧力計と、前記等温化圧力容器から導出される圧縮性流体の流出を規制するサーボ弁と、前記流量計によって計測された圧縮性流体の流入量と、前記圧力計によって計測された等温化圧力容器内の圧縮性流体の圧力とに基づいて、前記サーボ弁からの圧縮性流体の流出量を制御する流量制御手段とを備えることを特徴とする。
この連続非定常流量発生装置では、等温化圧力容器に導入される圧縮性流体を等温状態に保持するとともに、前記流量計によって計測された圧縮性流体の流入量と、前記圧力計によって計測された等温化圧力容器内の圧縮性流体の圧力とに基づいて、前記サーボ弁からの圧縮性流体の流出量を制御することによって、前記サーボ弁からの圧縮性流体の流出量を連続的に計測基準とするに十分な精度にすることができる。
また、本発明の圧縮性流体の連続非定常流量発生方法は、流体供給源から供給される圧縮性流体の流入量を計測する工程と、前記流入量が計測された圧縮性流体を等温化圧力容器に導入する工程と、前記等温化圧力容器内で等温状態に保持された圧縮性流体の圧力を計測する工程と、前記計測された圧縮性流体の流入量と、前記計測された圧縮性流体の圧力とに基づいて、前記等温化圧力容器から導出される圧縮性流体の流出量を連続的に制御することを特徴とする。
この連続非定常流量発生方法では、等温化圧力容器に導入される圧縮性流体を等温状態に保持するとともに、前記流量計によって計測された圧縮性流体の流入量と、前記圧力計によって計測された等温化圧力容器内の圧縮性流体の圧力とに基づいて、前記等温化圧力容器から導出される圧縮性流体の流出量を連続的に制御することによって、圧縮性流体を連続的に計測基準とするに十分な精度で流出させることができる。
さらに、本発明の流量計検定装置は、前記の圧縮性流体の非定常流量発生装置のサーボ弁を通って流出される圧縮性流体を被検定対象の流量計に導入して、当該流量計による流量の計測精度を検定できるようにしたことを特徴とする。
この流量計検定装置では、前記の圧縮性流体の非定常流量発生装置のサーボ弁を通って連続的に計測基準とするに十分な精度で流出される圧縮性流体を被検定対象の流量計に導入して、流量を流量計で計測し、基準の流量と流量計の出力値を比較することで、流量計の検定を行なうことができる。
本発明の圧縮性流体の連続非定常流量発生装置および連続非定常流量発生方法によれば、連続的に計測基準とするに十分な精度の非定常流量の流体流を発生させることができ、しかも、その圧縮性流体は、立ち上がりおよび立下りが急峻で段階的に変化する振動流を形成し、所望の流量値を正確に示すことができる。そのため、本発明の圧縮性流体の連続非定常流量発生装置および連続非定常流量発生方法は、圧縮性流体の流量計の動特性試験や空気圧機器などの流体を用いる各種機器の流量特性試験の統一的評価に有用である。
また、本発明の流量検定装置は、前記連続非定常流量発生装置によって発生する流体流を基準として用いて、被検定対象の流量計の計測精度を正確に検定できる。そのため、本発明の流量検定装置は、従来、有効な試験方法のなかった圧縮性流体の流量計の動特性試験を可能とするものである。
したがって、本発明の圧縮性流体の連続非定常流量発生装置および連続非定常流量発生方法、ならびに流量検定装置は、流量計の開発メーカは言うまでもなく、半導体製造、医療や食品加工など気体を取り扱う多くの場面での使用が見込まれる極めて有用性が高いものである。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る連続非定常流量発生装置の構成を示す概念図である。この実施形態は、圧縮性流体として気体を用いる場合を示す。気体は、図1の左から右の方向に流れるものとする。
この連続非定常流量発生装置は、図1に示すとおり、気体流量計1と、その気体流量計1の後流に接続された等温化圧力容器2と、前記等温化圧力容器2に取り付けられた圧力計3と、等温化圧力容器2の後流に接続されたサーボ弁4と、コンピュータ(流量制御部)5とを備える。各機器の間は、それぞれ導管11a,11b,11c,11dで連絡されている。
気体流量計1は、気体供給源6から減圧弁7を通って等温化圧力容器2に供給される気体の流量を計測するものである。計測された気体の流量に関する検出信号は、A/D変換器8を介して、コンピュータ5に送信される。
この気体流量計1としては、層流流量計、オリフィス流量計、熱式流量計等の流量計、固定絞り、可変絞りなどを用いることができる。中でも、層流流量計は圧力損失が小さいことから好ましい。
また、気体供給源6としては、コンプレッサ、圧縮気体を充填したボンベ等を用いることができる。
また、減圧弁7は、気体供給源6から供給される気体の圧力を所定の圧力に調節するためのものである。この減圧弁7は、特に制限されるものではなく、常用のものを用いることができる。ここで、気体供給源6から供給される気体の圧力は、200kPa〜1MPaの範囲に減圧弁によって調節することが好ましい。圧力がこの範囲にあると、気体の音速流れが確保できることから、圧力制御が容易となり、また、通常のコンプレッサ等で供給できるという利点があるからである。
等温化圧力容器2は、気体流量計1を通って導入される気体を等温状態に保持するものである。この等温化圧力容器2は、通常、金属で形成される。
この等温化圧力容器2の形状は、円筒状、多角柱体、球体、楕円体など種々の形状を採用することができる。いずれか一方の底面側から気体を流入させる。このとき、気体の流入方向の奥行きは、断面の最大幅の2倍以下とすることが好ましい。断面の最大幅は、例えば、円筒状の形状の場合、円筒の高さ(奥行き)は底面の直径の2倍以下であることが好ましい。円筒の高さ(奥行き)がこの範囲にあると気体の流入時における、圧力勾配の発生を抑えることができる。また、多角柱体の形状の場合、断面中の最大幅、楕円体であれば奥行き方向の中心の断面における直径である。
この等温化圧力容器2は、バッファータンクの役割を有するため、等温化圧力容器2の内容積は、気体の流出量Q2(NL/min)に対して、5.0×10-62〜7.0×10-52(m3)の範囲にあることが好ましい。この範囲は、上述した気体用機器の質量速度の適している範囲に対応させたものである。
この等温化圧力容器2の内部には、金属細線の集束体または多孔質金属体からなる表面積の大きな熱伝導性材料が充填されている。この熱伝導性材料を等温化圧力容器2の内部に充填することによって、内部における伝熱面積を増大させることができる。そして、この熱伝導性材料によって、等温化圧力容器2への気体の導入および等温化圧力容器2からの気体の流出に際して、等温化圧力容器2内の気体の温度変化が抑制される。そして、この熱伝導性材料による温度変化の抑制は、等温化圧力容器2も熱伝導性の高いものにすればさらに有効である。
この表面積の大きな熱伝導性材料として、例えば、スチールウール等の金属細線の集束体、銅線等の多孔質金属体、あるいは木綿やプラスチック製の綿状体などを採用することができる。すなわち、金属細線の集束体または木綿やプラスチック製の綿などの繊維状の形態である場合は、その繊維径が10〜50μmの範囲にあるものが、伝熱面積を大きくとれることから好ましい。また、この熱伝導性材料は、熱伝導度が0.05W/mK以上であることが好ましい。この熱伝導性材料は、等温化圧力容器2に保持される圧縮性流体の温度変化を3K程度に抑制できるように、その材質および等温化圧力容器2への充填量等が調整される。このように、等温化圧力容器2にスチールウールを充填することで等温化圧力容器2の伝熱面積を増大させることができる。
また、熱伝導性材料の充填密度は200〜400kg/m3 の範囲にあることが好ましい。充填密度がこの範囲にあると、等温化圧力容器2内の温度変化を十分に抑制することができる。
圧力計3は、等温化圧力容器2に保持される気体の圧力を計測し、その計測結果(圧力値)に関する検知信号を、D/A変換器9を介してコンピュータ5に送信するものである。この圧力計3は、等温化圧力容器2に貯留される気体の圧力値を電気信号として出力できるものであれば、特に制限されない。例えば、半導体式圧力センサ等を用いることができる。そして、圧力計3の測定可能範囲は、大気圧〜減圧弁7の設定圧力の範囲にあることが好ましい。また、圧力計3の計測精度は0.1kPa以下であることが好ましい。計測精度がこの範囲にあると流量特性の計測精度を十分なものにすることができるからである。
サーボ弁4は、コンピュータ5からD/A変換器9を介して送信される制御信号を受信して、その制御信号に基づいて、弁の開閉および開度を調整して、等温化圧力容器2から導出される気体の流出量を連続的に調節するものである。このサーボ弁4は、特に制限されず、常用のものを用いることができる。
配管11dおよび配管12の断面積は、サーボ弁4の有効断面積の4倍以上になることが好ましい。配管11dおよび配管12の断面積が、この範囲にあると、配管による圧力降下をほとんど無視することができるからである。
D/A変換器9は、コンピュータ5からの、サーボ弁4の開閉に関するデジタル信号をアナログ信号に変換するものである。また、A/D変換器8は、圧力計3からのアナログ信号をデジタル信号に変換するものである。
コンピュータ5は、気体流量計1によって計測された気体の流入量に関する検出信号と、圧力計3によって計測された等温化圧力容器2内の気体の圧力に関する検出信号とを、A/D変換器8を介してデジタル信号として受信し、それらの検出信号に基づいて、サーボ弁4からの気体の流出量を制御する制御信号を、D/A変換器9を介してサーボ弁4に送信するものである。このコンピュータ5において、気体流量計1によって計測された気体の流入量Fと、圧力計3によって計測された等温化圧力容器2内の気体の圧力Pとに基づいて、サーボ弁4の開閉または開度を制御するための演算が行なわれる。
次に、図1に示す連続非定常流量発生装置によって、連続的にサーボ弁4から所定の流量の気体流を発生させる方法について説明する。
まず、減圧弁7を開けて、気体供給源6から導管11aおよび導管11bを通って、気体を気体流量計1に導入する。このとき、減圧弁7を操作して、気体供給源6から気体流量計1を通って等温化圧力容器2内に導入される気体の供給圧力を所定圧力に設定する。供給圧は400〜600kPaの範囲に設定することが好ましい。供給圧がこの範囲にあると、通常の流量計等の機器を使用する場合の圧力範囲となり、動特性や流量特性を精度良く測定する上で、望ましい。
気体流量計1に導入された気体は、導管11cを通って等温化圧力容器2に導入される。このとき、気体流量計1によって、導管11cを通って等温化圧力容器2に導入される気体の導入量が計測される。気体流量計1によって計測された気体の導入量に関する検出信号は、A/D変換器8を介してアナログ信号からデジタル信号に変換されてコンピュータ5に入力される。
そして、等温化圧力容器2に導入された気体は、等温状態に保持される。このとき、等温化圧力容器2内に充填された熱伝導性材料は、等温化圧力容器2への気体の導入および等温化圧力容器2からの気体の流出に際して、等温化圧力容器2内の気体の温度変化を抑制する機能を有する。例えば、サーボ弁4の開放前に、等温化圧力容器2内に気体を急激に流入させた場合、等温化圧力容器2内の圧力が急激に高くなるため、内部の気体の温度が上昇する。しかし、この気体の熱エネルギーは、熱伝導性材料を通じて等温化圧力容器2の内壁に伝達され、さらに等温化圧力容器2から外部に放熱される。このとき、熱伝導性材料は熱伝導性がよく、熱伝達速度が速いから、等温化圧力容器2内の気体の温度上昇は低く抑制される。このように、気体を充填する際に圧力の上昇とともに内部の気体の温度が高くなろうとするが、その熱は熱伝導性材料を経て等温化圧力容器2から放熱されてしまうため、全体の温度の上昇は小さくなる。
次に、サーボ弁4が開放されると等温化圧力容器2から瞬間的に大量の気体が流出するので、等温化圧力容器2内の気体が急激に膨張し、この膨張に伴って温度が低下することになる。この場合は、熱伝導性材料から速やかに熱が供給され、さらに等温化圧力容器2が外部から熱吸収し、熱伝導性材料に対して熱の供給が行なわれるから、結局、全体の温度の低下が抑制される。
そして、圧力計3によって、等温化圧力容器2内の気体の圧力が計測され、計測された圧力値は、A/D変換器8を介してアナログ信号からデジタル信号に変換されてコンピュータ5に入力される。
次に、サーボ弁4が開放されたとき、等温化圧力容器2に保持された気体は、導管11dを通ってサーボ弁4から導管12に流出される。
このとき、コンピュータ5は、気体流量計1からA/D変換器8を介して入力された等温化圧力容器2への気体の導入量に関する検出信号と、圧力計3からA/D変換器8を介して入力された等温化圧力容器2内の気体の圧力に関する検出信号とに基づいて、サーボ弁4にD/A変換器9を介して制御信号を出力して、サーボ弁4から導管12に非定常流量の気体流が発生するようにサーボ弁4を制御する。その際、コンピュータ5において、圧力計3によって計測された圧力から等温化圧力容器2内の圧力変化を求め、この圧力変化から等温化圧力容器2に流入した気体の導入量と容器から流出した導出量の差ΔQが求められる。一方、気体流量計1では、等温化圧力容器2に流入する気体の導入量Q1が計測される。この導出量の差ΔQと、気体の導入量Q1とから、サーボ弁4から導管12に流出される気体流の流量Q2(Q1−ΔQ=Q2)を求めることができる。このとき、等温化圧力容器2内の気体は、等温状態に保持されるため、等温化圧力容器2内の気体の圧力Pを計測すれば、圧力Pの微分値に係数を掛けることでΔQを求めることができる。したがって、この導管12に流出される気体流の流量Q2が所望の値になるように、サーボ弁4の開放または開度をフィードバック制御することによって、基準とするに十分な精度で所定の流量の気体流をサーボ弁4から流出させることができる。
ここで、等温化圧力容器2への気体の導入量に関する検出信号と、等温化圧力容器2内の気体の圧力に関する検出信号とは、それぞれ10〜15秒間の計測を行ない、その計測は10m秒以内のサンプリング時間で行ない、計測結果をコンピュータ5に入力することが好ましい。サンプリング時間がこの範囲にあると、流量の検出精度を十分に高くすることができる。
以上のようにして、サーボ弁4の後流に設けられた導管12に流出される気体流の流量が高精度に制御される。したがって、導管12に、流量の動特性試験や流量特性試験を行なう機器を接続して、連続非定常流量発生装置FLから連続的に発生する計測基準となる非定常流量と、接続された機器の応答結果とを比較することで、それらの機器の検定を行なうことができる。例えば、図2に示す実施形態の流量検定装置のように、連続非定常流量発生装置FLのサーボ弁4を通って流出される気体を被検定対象の流量計10に導入して、当該流量計10による流量の計測精度を検定できる。この流量計検定装置においては、流量計10による気体の流量の計測結果を、コンピュータ5に入力する。そして、コンピュータ5においては、流量計10による流量の計測結果と、サーボ弁4から導管12に流出される気体流の流量(基準値)とを比較することによって、流量計10における流量の計測精度を検定することができる。そして、減圧弁7を操作するとともに、前記コンピュータ5によって、サーボ弁4の開閉および開度を調節してサーボ弁4から流出される気体流の流量(基準値)を動的に変化させ、その流量が変化する気体流に対する流量計10の計測結果を連続して計測して、コンピュータ5によって基準値と比較対照すれば、流量計10の動特性を検定することができる。
本発明によれば、今まで有効な方法がなかった気体用流量計の動特性試験が行なえるばかりか、空気圧機器の流量特性試験が行なえるなど、その有用性は極めて高い。
以上、実施形態として、圧縮性流体として気体を用いる場合を示したが、本発明は、この実施形態に限定されず、他の圧縮性流体を用いる場合にも適用可能である。
前記図1に示す構成の連続非定常流量発生装置を用いて、サーボ弁4から導管12に流出される空気の流量を制御した。用いた連続被定常流量発生装置の各構成機器の諸元および実験条件は、下記の通りである。また、気体供給源6、減圧弁7、等温化圧力容器2およびサーボ弁4は、内径6mmのナイロン製管で連絡した。
気体供給源6:アネスト岩田(株)製、圧縮機
減圧弁7:SMC社製、精密減圧弁
気体流量計1:東京メータ社製、層流式流量計
圧力計3:豊田工機社製、半導体式圧力センサ
等温化圧力容器2:内容積 3.0L(図3に示すステップ流量の発生で使用)、0.3L(図4に示す振動流の発生で使用)
材質:アルミニウム
形状:円筒
熱伝導性材料
材質:銅線(東京メータ社製、線径:50μm)
充填密度:300kg/m3
サーボ弁4:フェスト社製、スプール式サーボ弁
コンピュータ5:サンプリング周波数 0.2m秒
この装置において、図3に示すとおり、コンピュータ5によってサーボ弁4を制御して、図3中の太線で示すように、サーボ弁4からの空気の流出量を0→230→0(Nl/min)の順でステップ的に変化させてみた。このとき、気体流量計1で計測される流量(点線)、等温化圧力容器2内の流量ΔQ(細線)、および導管12に設けられた流量計によって測定されたサーボ弁4からの流出量Q2(太線)は、図3に示すとおりであった。
従来の流量計等では、図3に示すような流量のステップ的な変化を示すことができず、その立ち上がりがなまってしまい、正確な瞬時流量の計測ができない。また、連続的に基準とするに十分な精度でステップ的に正確な流量の気体流を発生することは不可能であった。これに対して、図3に示すとおり、本発明の装置では、発生流量(太線)が示すように、連続的にステップ流量が発生できていることが明らかである。また、等温化圧力容器2は、バッファータンクの役割を有し、気体流量計1における流量の緩やかな立ち上がりを吸収するとともに、開放したサーボ弁4からの流出量を急峻な立ち上がりにすることができる。
さらに、図3から、流れが一定となった時は、気体流量計1によって計測される気体の等温化圧力容器2内への導入量の計測値が、サーボ弁4から流出する気体の流量と等しくなっていることもわかる。
したがって、気体流量計1の計測精度は2%以内であることから、この装置によれば、5%以内の精度で正確な流量が保証できることが分かる。
次に、図2に示すように、この連続非定常流量発生装置FLに被検定対象の流量計10を接続した流量検定装置を構成し、この流量検定装置において、コンピュータ5によってサーボ弁4を制御して、図4の下段の図に太線で示すように、平均流量30(NL/min)、流量の変動振幅12(NL/min)、変動周波数30Hzの振動流を発生させた。このとき、気体流量計1で計測される流量Q1は図4の上段の図に一点鎖線で、等温化圧力容器2内の流量ΔQは図4の上段の図に点線で示すとおりであった。
その結果、図4の下段の図に示すとおり、サーボ弁4の後流に接続された流量計10によって計測される流量(細線)と、サーボ弁4から流出される流出量(太線)とがよく一致しており、この連続非定常流量発生装置が、正確に振動流量を発生できることが分かる。
本発明の実施形態に係る連続非定常流量発生装置の構成を示す概念図である。 本発明の実施形態に係る流量計検定装置の構成を示す概念図である。 本発明の連続非定常流量発生装置によるステップ流量の発生結果を示す図である。 本発明の連続非定常流量発生装置による振動流の発生結果を示す図である。
符号の説明
1 気体流量計
2 等温化圧力容器
3 圧力計
4 サーボ弁
5 コンピュータ
6 気体供給源
7 減圧弁
8 D変換器
9 AD変換器
10 被検定対象の流量計

Claims (4)

  1. 流体供給源から供給される圧縮性流体の流入量を計測する流量計と、
    前記流量計を通って導入される前記圧縮性流体を等温状態に保持する等温化圧力容器と、
    前記等温化圧力容器内の圧縮性流体の圧力を計測する圧力計と、
    前記等温化圧力容器から導出される圧縮性流体の流出を規制するサーボ弁と、
    前記流量計によって計測された圧縮性流体の流入量と、前記圧力計によって計測された等温化圧力容器内の圧縮性流体の圧力とに基づいて、前記サーボ弁からの圧縮性流体の流出量を制御する流量制御手段とを備えることを特徴とする圧縮性流体の連続非定常流量発生装置。
  2. 前記等温化圧力容器は、金属細線の集束体または多孔質金属体からなる熱伝導性材料が内部に充填されていることを特徴とする請求項1に記載の圧縮性流体の連続非定常流量発生装置。
  3. 流体供給源から供給される圧縮性流体の流入量を計測する工程と、
    前記流入量が計測された圧縮性流体を等温化圧力容器に導入する工程と、
    前記等温化圧力容器内で等温状態に保持された圧縮性流体の圧力を計測する工程とを有し、
    前記計測された圧縮性流体の流入量と、前記計測された圧縮性流体の圧力とに基づいて、前記等温化圧力容器から導出される圧縮性流体の流出量を連続的に制御することを特徴とする圧縮性流体の連続非定常流量発生方法。
  4. 請求項1または請求項2に記載の圧縮性流体の連続非定常流量発生装置のサーボ弁を通って流出される圧縮性流体を被検定対象の流量計に導入して、当該流量計による流量の計測精度を検定できるようにしたことを特徴とする圧縮性流体の流量計検定装置。
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