JP4020154B2 - プロジェクタ - Google Patents
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Description
そして、プロジェクタ本体の傾きや高さを変化させる方法として、従来、ネジの回転を利用したもの(ネジ方式)が提案されている。すなわち、ネジを緩めたり閉めたりすることにより、その高さを調整するというものである。
前記複数の脚部のうち少なくとも1つの脚部は、前記本体に対して突出方向に摺動自在に支持される棒状部材であるとともに、
この脚部の突出量を段階的に調整する第1の調整手段と、
前記複数の脚部のうち少なくとも1つの脚部の突出量を任意に微調整する第2の調整手段とが設けられ、
前記第1の調整手段は、前記脚部の外周面に形成される複数の凹部と、前記本体に設けられ、かつこれらの凹部のいずれかと係合する係止手段とを備え、
前記第1の調整手段が設けられた脚部が前記本体から脱落することを規制する第1の規制手段を備え、
前記第1の規制手段は、前記第1の調整手段が設けられた脚部の上端部に前記凹部が形成される方向とは略直角の方向に突出するように設けられた一対の爪であることを特徴とする。
以上において、前記一対の爪は、挟持すると、前記脚部の断面方向にたわむのが好ましい。
すなわち、レバー操作で行えば、プロジェクタの脚部調整の操作性が向上するうえ、レバーの操作方向がプロジェクタ本体を持ち上げる方向と同一であれば、レバーを操作しながらプロジェクタ本体を持ち上げることが可能となるので、プロジェクタの持ち上げ高さに応じて本体から脚部の突出量を調整することが可能となり、脚部調整の操作性が向上する。
すなわち、レバーをプロジェクタ本体の側面よりも突出するように設ければ、本体側面に沿って手探りでレバーの位置を認識することが可能となるので、使用者が投写画面を見たままでもレバーを操作して脚部の調整を行うことが可能となり、操作性は一層向上する。
さらに、前記第1の調整手段をプロジェクタの重心に対し略対称的な箇所に複数設けた場合は、使用者がまっすぐにプロジェクタ本体を持ち上げることができるため、調整時に脚部の長さが非対称になってしまう現象を防ぐことが可能である。
このような本発明によれば、凹部のピッチに応じて脚部の突出量を段階的に調整することが可能となるので、脚部の調整をスピーディに行うことが可能となる。
すなわち、レバー操作をするだけで係止手段と凹部との係合および係合解除を行えるので、プロジェクタの脚部調整における操作性が一層向上する。
ここで、付勢手段とは、要するに凹部と係止片との係合を付勢状態で保持し得るものをいい、例えば、バネ等の復元力を利用した付勢手段や、重力を利用した付勢手段等が考えられる。
すなわち、係止手段が上述した付勢手段を含み構成されているので、操作部によって外力を加えない限り、凹部と係止片との係合が強固に保持され、脚部の突出を安定して維持することが可能となるうえ、上述したレバーは、凹部と係止片との係合を解除する際にのみ操作すればよいので、プロジェクタの脚部調整の操作性が格段に向上する。
すなわち、プロジェクタに第1の規制手段が設けられているので、プロジェクタ本体の持ち上げと同時にレバー操作により脚部の突出量を段階的に調整する場合、脚部が本体から脱落することがなく、プロジェクタの取り扱いの容易化が図られ、プロジェクタ本体に脚部を組み込むに際しても、本体から脚部が脱落することもなく、組立性が向上する。
また、第1の規制手段が第1の調整手段が設けられる脚部に設けられていれば、他の部材の組立状況によらず、本体から脚部が脱落することを規制することが可能となり、組立性が著しく向上する。
ここで、脚部に形成される螺合溝とは、脚部の外周面に形成された雄ネジ溝や、脚部の内部に延出方向に沿って穴を形成し、この穴の内側面に形成された雌ネジ溝を含む概念である。
従って、ネジ状部材のネジ部は、上記螺合溝の形態に応じて決定される雄ネジ部または雌ネジ部等によって構成されることとなる。
すなわち、第1の調整手段が設けられた脚部に第2の調整手段が設けられているので、段階的な第1の調整手段による調整の後、第2の調整手段によってプロジェクタ本体に対する脚部の突出量を任意の位置に微調整することが可能となり、投写画像の位置をスピーディにかつ精度よく調整することが可能となる。
すなわち、第2の規制手段が設けられているので、プロジェクタ本体から脚部の突出量を調整するに際して、ネジ状部材が脚部から脱落することを規制することが可能となる。
また、第2の規制手段が設けられていれば、上述した段階的に調整可能な第1の調整手段と相まって、使用者が第2の調整手段のみにより煩雑な調整を行ってしまうのを防止することが可能となる。
一方、第2の規制手段により、第2の調整手段による調整が可能な長さの範囲を上述した複数の凹部の1ピッチ分相当に規制しておけば、第2の調整手段による調整の限界を使用者がより早く察知し、第1の調整手段への切り換えて脚部の突出量調整を行うことが可能となり、スピーディな脚部の調整が損なわれることもない。
また、案内部の先端側に規制部が形成されているので、空回り時にネジ状部材が直ちに脚部から脱落することもなく、規制部が調整部と螺合可能となっているので、組立時にもネジ状部材と脚部との接続を容易に行うことが可能となる。
すなわち、ネジ状部材にこのような操作部が設けられているので、第2の調整手段による微調整を容易に行うが可能となり、プロジェクタの操作性が一層向上する。
このような本発明によれば、上述した脚部が本体に対して突出方向に摺動自在に支持され、調整手段によって脚部が任意の位置に固定可能なので、調整手段の解除によって脚部を自由な突出量に設定することが可能となり、プロジェクタの投写画像の位置を簡単かつスピーディに調節することが可能となる。
このような調整手段であれば、リング状の脚部ホルダによって脚部の任意の位置を固定することが可能となるので、リリース部材による把持状態の解除によってプロジェクト本体からの脚部の突出量を自由に設定することが可能となり、プロジェクタの脚部調整における操作性が一層向上する。
1.第1実施形態に係るプロジェクタの調整機構の構造
(1)プロジェクタ装置の概要
図1〜図6は、本発明の第1実施形態に係るプロジェクタ1を示す図であり、図1はその外観斜視図、図2〜図6はこれをそれぞれ前方、後方、下方、側方、上方からみた外観平面図である。
プロジェクタ1は、アッパーケース31と、ロアーケース32とからなる外装ケース30を有する。
また、外装ケース30の前面中央部には開口部33が設けられ、この開口部33には投写レンズ10が突設され、この投写レンズ10によって画像を投写面に投写する。
尚、図1〜図6では図示を略したが、外装ケース30の内部には、光源、ライトバルブ等からなる投写光学系や、この投写光学系に電力を供給する電源ユニット、投写光学系を制御駆動する駆動回路等が収納配置されている。
尚、2つの補助脚1SR、1SLは、プロジェクタ1の後方の両端部が直接プロジェクタ1の設置面に触れるのを防ぐために設けられている。
特に、プロジェクタ1の後方の左端、または右端の部分に衝撃が加わったような場合に、この補助脚1SR、1SLのいずれかが最初に設置面に触れることにより、その衝撃を緩衝することが可能である。
すなわち、投写角度θを大きくすれば投写画像の位置は上方に移動し、投写角度θを小さくすれば投写画像の位置は下方に移動するので、この角度θを調整することにより投写画像をスクリーン20上の所望の位置に位置決めすることができる。
このような脚1R、1Lの本体11に対する突出量の調整は、図8に示すような調整機構40によって行われる。調整機構40は、第1の調整手段50と、第2の調整手段60とを備えている。
尚、脚1Rの突出量を調整する調整機構40は、脚1Lの調整機構40と左右対称の構造を採る点以外、構造上相違するところはない。
図8(A)、(B)は図6のVIII−VIII線における断面図、図9は第1実施形態に係る調整機構40の部分の構成を表す斜視図である。
第1の調整手段50は、本体11に対して突出方向に摺動自在に支持される棒状の脚部520と、この脚部520の外周に延出方向に沿って連続形成されるラック状の複数の凹部521と、本体11に設けられかつこれらの凹部521のいずれかと係合する係止手段510とを含んで形成されている。
係止手段510は、凹部521と係合して脚部520を係止する係止片512と、係止片512及び凹部521の係合を解除する操作部511と、この操作部511の反対側に設けられ、係止片512と凹部521との係合を付勢状態で保持するコイルバネ541とを備えている。
尚、操作部511および係止片512は一体形成され、これらは、本体11を構成するロアーケース32の内面側に設けられた軸受部514に対して軸ピン530により回動自在に支持されている。
そして、図8および図9に示すように、プロジェクタ1のロアーケース32の内面には、本体11に対する脚部520突出方向の摺動を案内するガイド部310と、コイルバネ541を位置決めするためのバネ支持軸320とが設けられている。
コイルバネ541はこのバネ支持軸320を囲むように配置され、係止手段510の支点部515はコイルバネ541上に位置決めされている。
尚、凹部521のピッチを大きくすれば段階的な調整はより粗くなり、凹部521のピッチを小さくすれば調整精度はより細かくなる。
(2) 第2の調整手段の構造
第2の調整手段60は、図11に示すように、脚部520の突出方向先端側端面から脚部520の延出方向に沿って形成される螺合溝を有するネジ受け部611と、このネジ受け部611の螺合溝と螺合するネジ部を備えたネジ状部材620とを含んで構成されている。
ネジ受け部611は、脚部520の突出方向の先端側端面613から当該脚部520の延出方向に沿ってくり抜き形成された穴の内側面に形成される雌ネジ溝であり、このネジ受け部611の脚部520の突出方向とは反対側となる基端側には、ネジ受け部611の延出方向に沿って挿入部610が設けられている。
従って、ネジ受け部611と螺合する雄ネジ部材がネジ受け部611を通過して挿入部610に案内されると、挿入部610内でこの雄ネジ部材は摺動自在となるとともに、ネジ受け部611の上端部612によってその摺動が規制されるような構造となっている。
そして、このネジ状部材620のネジ受け部611に対する挿入方向を先端側とすると、調整部624の先端側に案内部623が設けられ、さらにその先端側に規制部622が設けられ、調整部624の基端側には、円板状の操作部625が設けられている。
規制部622は、その外周面に調整部624と同様の雄ネジ部が形成され、この雄ネジ部は調整部624の雄ネジ部とは案内部623によって離間配置されている。
操作部625は、ネジ状部材620の基端側に設けられ、調整部624の径方向外側に突出する円板状部材であり、その下面に球状部分627が形成され、この球状部分627がプロジェクタ1を設置する際の脚部520の接地面とされる。
また、操作部625には、円板の外周に沿って外側に複数の凸部626が形成されている。
上述した第1の調整手段50および第2の調整手段60をプロジェクタ1の本体11に取り付ける際の組立手順について、以下に説明する。
まず、図8に示されたバネ支持軸320を囲むようにコイルバネ541を配置し、この上に支点部515が乗るように係止手段510を取り付ける。
そして、軸ピン530によりその回動中心を固定しておく。
一方、図11に示すように、ネジ状部材620を脚部520の下側に設けられたネジ受け部611および挿入部610に挿入して脚部520とネジ状部材620との合体部材を構成する。
まず、操作部625を回転させながら、規制部622をネジ受け部611に螺合挿入する。そして、規制部622がネジ受け部611を通過し、調整部624がネジ受け部611に到達するまで、ネジ状部材620をまっすぐに挿入する。
さらに、調整部624がネジ受け部611に到達した後、さらに操作部625を回転させながら、調整部624をネジ受け部611に螺合挿入することにより、脚部520とネジ状部材620との合体部材が完成する。
従って、合体部材を構成する際には、必ずしも調整部624をネジ受け部611に挿入する必要はなく、また、調整部624を完全にネジ受け部611と螺合挿入しておく必要もない。
しかしながら、調整部624がある程度ネジ受け部611に挿入されていた方が、組立の際にネジ状部材620のゆるみが気にならず、組立をスムーズに行うことができる。
尚、脚部520とガイド部310との摩擦係数及びクリアランスは、脚部520が自重により下方に落下できるような値に適宜設定されている。
また、図9、図10に示すように、脚部520の先端には、本体11から脚部520が脱落しないように、一対の爪524a、524bが設けられているが、ガイド部310への前記合体部材の挿入に際しては、この一対の爪524a、524bを狭持して脚部520の断面方向にたわませながら挿入を行う。
さらに、脚部520のガイド受け部523は、図10に示すように溝状に形成されているが、この溝は脚部520の途中までしか設けられていない。従って、脚部520を挿入しすぎても、この溝の末端部525がガイド部310の下端部312(図8参照)に当接して挿入限界に至るため、外装ケース30の内側に脚部520が入り込んでしまうこともない。
なお、一度脚部520をプロジェクタ1の本体11に挿入してしまうと、脚部520をプロジェクタ1の外側からはずすことはできなくなってしまう。
しかしながら、脚部520の修理、交換等、故意に脚部520を取り外す必要がある場合には、プロジェクタ1の内部から一対の爪524a、524bをたわませることにより、脚部520を容易に取り外すことができる。
また、脚部520とネジ状部材620との合体部材を構成した後、合体部材をプロジェクタ1の底面側から挿入することとしたが、脚部520のみを先に挿入しておき、その後にネジ状部材620を脚部520の突出方向先端部分に設けられたネジ受け部611に挿入するようにしても良い。
上述した第1の調整手段50および第2の調整手段60を備えたプロジェクタ1による投写画像の調整手順について図8に基づいて以下に説明する。
尚、図8において、図8(A)は、脚部520が係止片512によりロックされている状態、図8(B)は、そのロックが解除されて脚部520が上下に移動可能となっている状態を示している。
ここで、もし脚部520の突出量が多すぎた場合は、操作部511を押したまま本体11を下方に押さえつければ、脚部520の突出量を調整することが可能となる。
ちなみに、プロジェクタ1を収納するために脚1R、1L長さを短くする場合にも同様の操作を行えば良い。
このように、脚部520を上下に移動させた後に、ある位置で係止片512を脚部520の凹部521と係合させることにより、脚1R、1Lの長さは凹部521のピッチに応じて段階的に調整する。
尚、コイルバネ541のバネ定数は、係止片512に作用する荷重がプロジェクタ1の重量よりも軽く設定してあるので、操作部511に指をかけて持ち上げるだけで簡単に係止片512と凹部521との係合を解除することができる一方、操作部511から指を外した状態では係止片512と凹部521との係合が解除されないようになっている。
第2の調整手段60による微調整は、図11に示すように、ネジ受け部611に形成された雌ネジおよび調整部624に形成された雄ネジの螺合状態を変更することにより行われる。
すなわち、ネジを締める方向に操作部625を回転させるとネジ状部材620はネジ受け部611に挿入されて行く。
一方、ネジを緩める方向に操作部625を回転させると、ネジ状部材620はネジ受け部611から下方にくり出されて行く。
ここで、案内部623の長さはネジ受け部611の長さよりも長くなっているため、この状態でさらに操作部625をネジを緩める向きに回転させても空回りを続けるだけである。
すなわち、ネジ状部材620による脚1R、1Lの突出量の調整は、操作部625が脚部520の突出方向先端側端面613と当接する状態から、調整部624の突出方向先端側とは反対側の先端部分624aが脚部520の突出方向先端側端面613と当接する状態までの範囲で可能となる。
前述の第1実施形態によれば、次のような効果がある。
すなわち、プロジェクタ1は、投写画像の位置を調整する調整機構40を、段階的な調整用の第1の調整手段50と、微調整用の第2の調整手段60とを備えているので、簡単且つスピーディに投写画像の位置を調整することができる。
また、第1の調整手段50の操作部511および第2の調整手段60の操作部511、625が触感で認識し易いように形成されているので、投写画像を見ながらプロジェクタ1の上下位置を調整することができ、非常に操作性に優れている。
さらに、第1実施形態において、操作部511はプロジェクタ1を持ち上げる際にちょうど指があたる場所に設けられており、しかも、操作部511を押す方向がプロジェクタ1を持ち上げる方向と同じ方向となっているので、プロジェクタ1の脚1R、1Lの突出量調整を効率よく行うことができる。
すなわち、第1の調整手段50によれば、投写画像を見たままでのプロジェクタ1の上下位置を調整することができ、極めて操作性に優れている。
また、操作部511を押したままプロジェクタ1を上方に持ち上げたり、下方に押しつけたりすることにより、投写画像を所望の位置に合わせることができるので、所望の位置に近くなったところで操作部511を放すと、操作部511の支点部515がコイルバネ541により押し上げられて、係止片512がいずれかの凹部521との係合が付勢状態で保持することができ、プロジェクタ1の投写画像を所定の高さ位置に保持することができる。
そして、脚部520及び係止手段510が樹脂で形成されているので、プロジェクタ1の軽量化を図ることができる。さらに、これらの部材を金属製とした場合、脚部520および係止手段510の擦過に伴う金属粉が発生するが、合成樹脂等で形成すれば、部材表面を緻密に仕上るのにコストがかからないので、このような問題が生じることもない。
さらに、操作部625の外周部に操作がしやすいように凸部626(図11参照)が設けられており、しかも、操作部625の設置面と接する球状部分627が形成されている。
従って、使用者は、投写画像を見たままでもネジ状部材620を容易に認識することができるうえ、操作部625と接地面との間の摩擦が少ないので、ネジ状部材620の回動操作を操作部625によって簡単に行うことができる。
尚、操作部625を樹脂等の摩擦係数が極めて小さい材料で形成することにより、操作部625と設置面との間の摩擦をさらに低減することが可能となる。
次に、本発明の第2実施形態に係るプロジェクタについて説明する。尚、以下の説明では、既に説明した部分又は部材と同一又は類似の部分等については、その説明を簡略又は省略する。
(1)脚部調整機構の構造
図12〜図15には、第2実施形態に係る調整機構140が示され、図12は、第1実施形態における図8に相当する断面図であり、図13は、第1実施形態における図9に相当する概要斜視図であり、図14は、第1実施形態における図10に相当する概要斜視図であり、図15は第1実施形態における図11に相当する側面図である。
前述した第1実施形態に係る調整機構40では、脚部520の上端部に第1の規制手段となる一対の爪524a、524bが設けられ(図10参照)、ガイド部310に脚部520を挿入する場合、一対の爪524a、524bを脚部520の断面方向内側にたわませて挿入していた。
従って、脚部550の突出量の調整範囲の下限は、脚部550の下端部がネジ状部材620の操作部625に当接することによって規制されるものである。
尚、第2実施形態に係る調整機構140における他の部分の構造等は、前述した第1実施形態に係る調整機構40と変わるところはない。従って、図12〜図15において、図8〜図11と共通する構成部分については、図8〜11で用いたのと同じ符号を用い、その詳細な説明を省略する。
第2実施形態に係る調整機構140の組立に際しては、前述した第1実施形態に係る調整機構40と略同様の手順によって行われる。ただし、上述したように、脚部550に形成された第1の規制手段となる一対の爪551a、551bの位置が異なるので、本体11に対して脚部550を挿入する手順が第1実施形態の場合とは相違する。
すなわち、第1実施形態に係る調整機構40では、脚部520の本体11のガイド部310に対する取付は、まず、脚部520と第2の調整手段60を構成するネジ状部材620とを合体した後に行っていた。
尚、ネジ状部材620の外形をガイド部310の内径よりも小さくした場合には、予めネジ状部材620を脚部550と螺合させた後ガイド部310に挿入することも可能である。
その他の組立手順、調整手順については、第1実施形態に係る調整機構40と同様なので、その説明を省略する。
以上のような第2実施形態に係る調整機構140によれば、前述した第1実施形態の効果に加えて、次のような効果がある。
すなわち、第1の規制手段となる一対の爪551a、551bが脚部550の側面から突出して設けられているので、第1の規制手段を脚部550に簡単に形成することができる。
また、脚部550にガイド受け部が設けられていないので、ネジ状部材620の操作部625に当接するまで脚部550を上方に摺動することができる。
尚、脚部550の上方への移動方向を規制するために、プロジェクタ1の外装ケース30の内面に脚部550の上方への移動を規制する手段を設けても良い。例えば、アッパーケース31の内側の脚部550の上端部が当接する位置に、脚部550の上方への移動を規制するストッパを設けることが考えられる。
次に、本発明の第3実施形態に係るプロジェクタについて説明する。
前述した第1実施形態に係る調整機構40では、係止片512と凹部521との付勢は、図8に示されるコイルバネ541によって行われていた。
これに対して、第3実施形態に係る調整機構640では、図16に示すように、付勢手段として、バネ本体641Aと、このバネ本体641Aから突出する棒状部641Bとから構成されるねじりコイルバネ641を採用している点が相違している。
このねじりコイルバネ641は、コイルバネ部分が係止片512を回動自在に支持する軸ピン530に挿通されている。
その他の部分は第1実施形態と同様であるため、共通する部分については図8〜11で用いたのと同様の符号を用い、その詳細な説明は省略する。
すなわち、ねじりコイルバネ641が軸ピン530によって本体11に固定されているので、第1実施形態の場合のようにコイルバネ541の位置決め用のバネ支持軸320を別途本体11の内部に形成する必要がなく、外装ケースの構造の簡素化を図ることができる。
また、付勢手段としてねじりコイルバネ641を採用しているので、棒状部641Bと係止片512との当接位置を変更すれば、必要に応じて付勢力を調整することができる。
次に、本発明の第4実施形態に係るプロジェクタについて説明する。
前述の第1実施形態に係る調整機構40、第2実施形態にかかる調整機構140、第3実施形態に係る調整機構640では、係止片512と凹部521との係合を付勢状態で保持していたのは、コイルバネ541およびねじりコイルバネ641であった。
これに対して、第4実施形態に係る調整機構740では、図17、図18に示されるように、係止片512と凹部521との係合を係止手段710の自重によって付勢状態で保持している点が相違する。
そして、図18に示すように、操作部511を指で操作すれば、係止片512は右回りに回動して、係止片512と凹部521との係合が解除される。
その他の部分は、第1実施形態と同様であるため、共通する部分については図8〜11で用いたのと同様の符号を用い、その詳細な説明は省略する。
すなわち、係止片512と凹部521との係合が係止手段710の自重によって付勢されているので、コイルバネ等の特別な付勢手段を設ける必要がなく、調整機構740の構造の簡素化を図ることができ、プロジェクタの製造および部材コストの低減を図ることができる。
次に、第5実施形態に係るプロジェクタについて説明する。
(1)プロジェクタ装置の概要
図19及び図20には、第5実施形態に係るプロジェクタ2が示され、図19(A)、(B)は前方および後方から見た立面図であり、図20(A)、(B)は上方および下方から見た平面図である。
プロジェクタ2は、アッパーケース231、ロアーケース232、リアケース233、ガード部234とからなる外装ケース230を有する。
また、外装ケース230の前面中央部には開口部33が設けられ、この開口部33には投写レンズ10が突設され、この投写レンズ10によって画像を投写面に投写する。
すなわち、本体21には、その後方左右端部に脚2R、2Lが設けられているとともに、前方側略中央部には、本体21の重心位置に対応して脚2Cが設けられている。
そして、脚2Cは、本体内部に設けられる調整手段850(後述)によってその突出量を自由に設定することができる。その操作は、主として図19(A)に示す操作部811を押すことによって行われる。
尚、脚2Lは、ネジ状部材であり、本体内部に設けられたネジ受け部(図示略)と螺合している。従って、脚2Lを回転させて突出量を変化することにより、プロジェクタ2の水平方向の姿勢を調整することが可能である。また、この脚2Lによる脚長の調整方法は上述した第1実施形態に係る第2の調整手段60の構造と略同様であるため、その説明は省略する。
(1) 調整手段の構造
脚2Cの本体21に対する突出量の調整は、図21に示すような調整手段850によって行われる。
すなわち、脚2Cを構成する脚部820は、本体21に対して突出方向に沿って摺動自在に支持される棒状部材であり、本体21の内部には、この脚部820の摺動を任意の位置で固定する調整手段850が設けられている。
脚部820は、円筒棒状の軸部821と、この軸部821の突出方向先端に設けられ、机等との接地面となる接地部822とから構成されている。
ロアーケース232には、脚2Cの軸部821を通す孔232Aが形成されている。脚2Cと調整手段850とを本体21に組み込む場合には、まず、孔232Aから上方に軸部821を突き出した後、それにコイルバネ853、脚部ホルダ852、脚部ケース851、リリース部材854を順次被せるように装着する。
そして、最後に脚部ケース851の下端部に構成されているフランジ部8511をロアーケース232に4か所でねじ止めする。
また、脚部ホルダ852の側面には、その下端部から上方に延びる3つの凸条部8523が形成されている。従って、図21(B)に示すように、脚部ケース851と脚部ホルダ852とは、ほぼ点接触状態で係合することになる。
図22および図23は、操作部の構造を表す図である。これらの図からわかるように、操作部811は、脚操作ボタン8112と、アッパーケース231に設けられた脚操作ボタン挿入部8110とを含んで構成されている。
脚操作ボタン8112は、回転軸8111と固定バネ8114とを介して、脚操作ボタン挿入部8110に取り付けられる。脚操作ボタン挿入部8110には、回転軸8111を介して脚操作ボタン8112を回動可能に支持する支持部8113が設けられている。
脚操作ボタン8112を脚操作ボタン挿入部8110に取り付けると、脚操作ボタン8112は、固定バネ8114によって押し上げられた状態になる。
脚操作ボタン8112の下面部には、この脚操作ボタン8112を下方に押したときに、前記のリリース部材854を押し下げる2枚の接点板8115が設けられている。
脚2Cと調整手段850とを本体21に組み込むと、脚部ホルダ852は、プロジェクタ本体の自重によってコイルバネ853を介して脚部ケース851の内部に押し込まれるように付勢され、縮径状態となる。脚部ホルダ852がこの縮径状態で脚部820を内側に把持して脚部ケース851内に押し込まれることにより、脚部820が固定されることになる。
一方、リリース部材854の上端部は、脚部ケース851の上端部から突出した状態となり、下端部は脚部ホルダ852の上端面に突き当たった状態となる。
このため、リリース部材854の上端面8541を押して、リリース部材854を下方に押し下げると、図21(A)に示した脚部ホルダ852をコイルバネ853に抗して脚部ケース851から下方に押し出すことになる。この状態では、脚部ホルダ852が拡径して、脚部820の把持状態が開放されるので、脚部820を脚部ケース851から任意の長さ寸法だけ引き出すことができる。なお、脚部820は自重で下がってくるので、手で引き出す必要はない。
脚操作ボタン8112を下方に押すと、接点板8115によってリリース部材854が押し下げられる。
そして脚部の長さを決定した位置で脚操作ボタン8112から指を離すと、再び脚部820が脚部ホルダ852に把持された状態となり、脚部820が固定される。
尚、上下方向の調整に際しては、投写レンズ10に手を添えると、投写レンズ10の光軸にずれが生じるなどの支障が生じる可能性があるので、その下方位置に構成してあるガード部234に手を添えることが望ましい。
以上のような第5実施形態に係るプロジェクタ2の調整手段850によれば、前述した第1実施形態に係る調整機構40と略同様の効果を有するうえ、次のような効果をも有する。
すなわち、プロジェクタ2が脚部820の突出量を任意の位置で固定することのできる調整手段850を備えているので、片手でもプロジェクタ2の本体21の上下方向の姿勢(投写レンズ10からの投写方向)を任意に調整することができる。
また、調整手段850のみで本体21からの脚部820の突出量を任意に設定できるので、第1実施形態〜第4実施形態に係る調整機構40、640、740のように調整手順を2段階で行う必要がなく、調整手順の簡単化を一層図ることができる。
すなわち、前述した第1実施形態に係るプロジェクタ1では、脚1R、1Lのみを調整可能としていたが、これに限らず脚1Bも同様に調整可能としてもよい。
脚1Bにも調整機構が設けられていれば、投写角度θのみならず、プロジェクタ1の本体11の全体的な高さを調整することが可能であり、投写角度θがつきすぎることにより過度に画像がひずむ現象を解消することができる。
さらに、前述の第1実施形態に係るプロジェクタ1では、脚1R、1Lのそれぞれに第1の調整手段50と第2の調整手段60とを設けていたが、第1の調整手段50と第2の調整手段60とをそれぞれ別の箇所に設け、段階的な調整と微調整とを異なる脚で行うようにしてもよい。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および形状等は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
以上述べたように、本発明のプロジェクタによれば、脚部が本体に対して摺動自在に支持され、かつ当該脚部を任意の位置で固定する調整手段が設けられているので、プロジェクタの投写画像の位置を簡単かつスピーディに調整することができる。
Claims (6)
- 本体と、この本体を支持するために当該本体から突出して設けられる複数の脚部とを備えたプロジェクタであって、
前記複数の脚部のうち少なくとも1つの脚部は、前記本体に対して突出方向に摺動自在に支持される棒状部材であるとともに、
この脚部の突出量を段階的に調整する第1の調整手段と、
前記複数の脚部のうち少なくとも1つの脚部の突出量を任意に微調整する第2の調整手段とが設けられ、
前記第1の調整手段は、前記脚部の外周面に形成される複数の凹部と、前記本体に設けられ、かつこれらの凹部のいずれかと係合する係止手段とを備え、
前記第1の調整手段が設けられた脚部が前記本体から脱落することを規制する第1の規制手段を備え、
前記第1の規制手段は、前記第1の調整手段が設けられた脚部の上端部に前記凹部が形成される方向とは略直角の方向に突出するように設けられた一対の爪であることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
前記一対の爪は、挟持すると、前記脚部の断面方向にたわむことを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1又は請求項2に記載のプロジェクタにおいて、
前記係止手段は、前記凹部と係合する係止片と、
前記凹部とこの係止片との係合を付勢状態で保持する付勢手段と、
前記凹部と前記係止片との係合を解除する操作部とを備えていることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
前記第1の調整手段が設けられた脚部に前記第2の調整手段が設けられ、
この第2の調整手段は、前記棒状の脚部の延出方向に沿って形成される螺合溝からなるネジ受け部と、
この螺合溝と螺合するネジ部を備えたネジ状部材とから構成されていることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項4に記載のプロジェクタにおいて、
前記ネジ受け部の基端側に形成されかつ前記螺合溝の谷径寸法と略等しい穴径の挿入部と、
前記ネジ状部材の挿入方向を先端側として、前記ネジ部の先端側に設けられ、前記ネジ部の先端側に設けられかつ前記ネジ受け部と螺合せずに前記挿入部に案内される案内部と、
この案内部の先端側に設けられかつ前記螺合溝と螺合して前記挿入部に案内される規制部とを備えた第2の規制手段を有することを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項4又は請求項5に記載のプロジェクタにおいて、
前記ネジ状部材には、当該ネジ状部材を前記脚部に対して回転させる操作部が設けられ、
この操作部は、平面視で前記脚部の断面よりも大きな円板状体から構成されるとともに、この円板状体の外周には、複数の凸部が設けられていることを特徴とするプロジェクタ。
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