JP4020027B2 - 飲料の過熱装置とこれを用いた自動販売機 - Google Patents

飲料の過熱装置とこれを用いた自動販売機 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、缶,びん,ペットボトルなどの飲料容器に熱媒体を吹き付けて容器内飲料を急速に加熱する加熱装置とその加熱装置を用いて容器入り飲料(商品)を販売する自動販売機に関する。
【0002】
この種の従来装置として図16ないし図18に示す自動販売機の商品冷却/加熱装置がある。
図16は前述した従来の自動販売機の全体構成を示す。図16において、200は自動販売機の本体キャビネットである。この本体キャビネット200の庫内には商品を収納した商品収納ラック204が配備されている。一般的に、商品を冷却/加熱して販売する自動販売機においては、庫内外を断熱するため、本体キャビネットは断熱構造として形成されている。一方、前記本体キャビネット200は断熱構造をとらない筐体として構成されている。したがって、本体キャビネット200の庫内の商品は常温状態で保存されている。これにより、長期間にわたって加熱状態で保存されると品質や香味が損なわれる商品も安心して販売することができる。そして、商品収納ラック204から商品取出口201aに通じる商品搬出シュータ207の途中には商品冷却/加熱装置210が設置されている。
【0003】
前記商品冷却/加熱装置210は、商品を取り込み、該商品の壁面に低温,もしくは高温の熱媒体を吹き付けるノズル(図では省略)を有する密閉形のケース211と、熱媒体の冷却/加熱源212と、前記ケース211と冷却/加熱源212との間で熱媒体を循環送流する配管系213との組合せからなる。この商品冷却/加熱装置210は、商品販売時、すなわち、コールド飲料またはホット飲料の商品選択ボタンの操作による販売指令に基づき商品収納ラック204から搬出した商品を前記ケース211に取り込む。そして、コールド飲料またはホット飲料の商品選択ボタンの操作に合わせて低温,もしくは高温の熱媒体を飲料容器の壁面に吹き付けて販売温度に冷却,もしくは加熱した後、ケース211から取り出して商品取出口201aに送り出す。
【0004】
前記商品冷却/加熱装置210におけるケース211の構造を図17(a),(b)に示す。図に示すように、ケース211は内外二重の円筒構造として形成され、スライド式の開閉蓋214と組合せて基台215に載置されている。開閉蓋214は基台215に敷設したスライダ(送りねじ機構)215aに連繋して矢印A方向へ移動可能に案内支持されている。前記ケース211には周方向に熱媒体の導入室211aと回収室211bが交互に並んで仕切られている。前記導入室211aには、内筒を貫通して軸方向に並ぶ複数の熱媒体噴射用のノズル216が設けられ、回収室211bの内筒には前記ノズル216に対応して軸方向に並ぶ熱媒体の回収口217が開口している。また、開閉蓋214の内面側にはケース211の内方に向け延在し、商品を横置姿勢に支える左右一対の支持ローラ218を備えている。該支持ローラ218は、開閉蓋214の外側面に取付けられた駆動モータ219で駆動されて回転する。
【0005】
また、前記商品冷却/加熱装置210の系統図を図18に示す。図に示すように、冷却/加熱源212は、冷凍機220と組合せた熱媒体の冷却槽221と、電熱ヒータ222と組合せた加熱槽223を備えている。冷却槽221,加熱槽223にはエチルアルコールなどの熱媒体224が貯留されている。一方、前記冷却槽221,加熱槽223とケース211との間で熱媒体を循環送流させる配管系213は、ケース211の熱媒体導入室211aに通じる送り管213aと、熱媒体回収室211bに通じる戻り管213bと、送り管213aに接続したポンプ213cと、送り管213a,戻り管213bを冷却槽221,加熱槽223のいずれかに切換える切換弁213dとにより構成されている。
【0006】
かかる構成において、販売待機状態では前記ケース211の開閉蓋214が開放し、またポンプ213cは停止している。一方、熱媒体の冷却/加熱源212では、冷凍機220,ヒータ222により冷却槽221,加熱槽223に貯留している熱媒体224が冷却,加熱されて低温,高温状態に維持されている。ここで、商品販売時にホット飲料が選択されると、常温状態で商品収納ラック204から搬出された商品205は、商品取出口201aの手前で商品冷却/加熱装置210に取り込まれる。すなわち、商品搬出シュータ207を転動もしくは滑動して送出される商品205は、該商品搬出シュータ207を転動もしくは滑動中に商品冷却/加熱装置210に取り込まれて支持ローラ218の上に横置姿勢に載置される。支持ローラ218の上に商品が載置されると、引き続いて駆動モータ220を作動させる。駆動モータ220の回転によりスライダ(送りねじ機構)215aが回転し、スライダ215aに連繋した開閉蓋214を閉位置に移動させる。これにより商品205はケース211の中に収容される。また、配管系213の切換弁213dを加熱槽223側に切換えた上でポンプ213cを始動し、加熱槽223に貯留されている高温の熱媒体224をケース211に送流する。これによって、高温の熱媒体224がノズル216の先端から噴出して商品205の飲料容器の壁面に吹き付けられる。前記ポンプ213cは商品205の品温が所定の販売温度(55℃前後)に加熱される所定の加熱時間(数十秒程度)の間継続して駆動される。そして、所定の加熱時間(数十秒程度)が経過すると、ポンプ213cを停止して熱媒体の送液を止め、続いてケース211の開閉蓋214を開いて商品を取出し、自動販売機の商品取出口201aに送り出して1回の販売動作を終了する。なお、前記支持ローラ218は加熱時間の間、駆動モータ219により駆動されて回転しており、これにより支持ローラ218に載置された商品が回転して中身飲料を攪拌している(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−307213号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来装置においては、まず、熱媒体224を循環させるためにポンプ213cを必要とし、そしてこのポンプ213cにより熱媒体224が循環するように構成されていることから次のような問題がある。すなわち、従来装置においてはポンプ213cの始動により高温の熱媒体224をノズル216の先端から噴流させて商品205の飲料容器の表面に吹き付け、そして、所定の加熱時間(数十秒程度)が経過して商品205の品温が所定の販売温度(55℃前後)に加熱されると、ポンプ213cを停止して熱媒体の送液を止めるように構成されているため、ポンプ213cの作動前においては加熱槽223から出た熱媒体224が残ってはいるものの充分には満たされておらず、また、配管内の熱媒体224の温度は時間の経過とともに低下する。したがって、ポンプ213c作動後に直ちにノズル216から高温の熱媒体224が噴射されず、配管内が加熱槽223から出た高温の熱媒体224で満たされた後、配管内の圧力が所定の圧力を越えた際に勢いよく噴射される。
【0009】
図19は前述した従来装置におけるポンプ213cの作動後における噴流速度の変化を示すものである。この図から明らかなように、ポンプ213cの作動(t0)後ノズル216から直ちには熱媒体が勢いよく噴射されず、配管内に熱媒体が満たされた後、序々に熱媒体が噴射され始める(非定常噴流領域)。そして、配管内が加熱槽223から出た高温の熱媒体224で満たされた後、配管内の圧力が所定の圧力を越える(t1)とノズル216から熱媒体が一定の速度で勢いよく噴流される(定常噴流領域)。このように、ノズル216から噴流される熱媒体の噴流速度が一定速度となるためには、ある程度の時間を必要とする。また、ポンプ213cの停止(t2)後においても、熱媒体はすぐには停止しないため、ノズル216から熱媒体が噴出されなくなるまで(t3)しばらく時間がかかる。
【0010】
一方、ポンプ213cの作動後におけるノズル216から噴射される熱媒体の温度変化は図20に示すように、噴流速度の変化と同様の様相を呈する。これは、前回の商品加熱による熱媒体224が加熱槽223からケース211内のノズル216までの配管内に残ってはいても充分には満たされておらず、また、配管内の熱媒体224の温度および配管温度は時間の経過とともに急激に低下し、さらに、熱媒体の満たされていない配管部分は周囲と同じ常温となっている。したがって、ポンプ213cの作動(t0)直後にノズル216から噴射される熱媒体は配管内に残っていた温度低下した熱媒体であり、また、加熱槽223から送られた高温の熱媒体も初め配管に熱を奪われ、ノズル216から噴射する時には温度が低下する。その後、次第に配管の温度が上昇し、また噴流速度が上がり大量の熱媒体が供給されるとともにノズル216から噴射される熱媒体の温度は上昇し、定常噴流領域に入る(t1)と加熱槽223で加熱された温度と同等の温度に達する。このノズルから噴射される熱媒体の噴流速度と温度の立ち上がりの遅れは容器内飲料の加熱に時間がかかることを意味している。したがって、前述した従来装置においては容器内飲料の加熱時間の短縮という点で解決しなければならない課題を有するものである。
【0011】
そこで、本発明の目的は前記課題を解決し、シンプルな構成でコストの低減を図りつつ容器入り飲料の加熱時間を短縮することが可能な容器入り飲料の加熱装置とこの加熱装置を装備した自動販売機を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、飲料容器の外壁に向けて高温高圧の高温高圧水を噴射するノズル部とこのノズル部に高温高圧水を導く導管とからなる熱媒体噴射装置と、飲料容器を保持する容器保持手段とこの容器保持手段と一体的に設けられた回転翼とからなる攪拌手段と、高温高圧の高温高圧水を貯留する加熱タンクと、この加熱タンクと前記熱媒体噴射装置との間に配管され、前記熱媒体噴射装置の導管に近接して配置されたバルブとを備え、前記バルブの開閉により熱媒体噴射装置のノズル部から飲料容器の外壁および回転翼に高温高圧水を噴射し、回転翼に噴射される高温高圧水により容器保持手段に保持された飲料容器を回転させるとともに前記飲料容器外壁に衝突噴流を形成して容器内の飲料を急速加熱することを特徴とする(請求項1)。
【0013】
さらに、請求項1の加熱装置において、加熱タンクは高温高圧水加熱する電熱ヒータと、密閉構造に形成され、内部圧力が予め定められた圧力を越えた場合に内部圧力を外部に逃がす安全弁を備えた圧力容器とからなることを特徴とする(請求項2)。
そして、自動販売機の加熱装置として前述した容器入り飲料の加熱装置を備える(請求項3)。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に係る請求項1に記載した発明は、加熱タンクから熱媒体噴射装置の導管との間の配管中に、熱媒体噴射装置の導管に近接してバルブを配備するように配管し、加熱タンク内に配備、または加熱タンクの外周に巻回した電熱ヒータにより加熱タンク内に入れられた熱媒体を加熱して高温高圧の熱媒体とし、該熱媒体を高温(例えば熱媒体が水の場合、飽和温度の100℃以上)に維持する。また、容器保持手段と一体的に設けられた回転翼とからなる攪拌手段の周囲に熱媒体噴射装置を配置し、該熱媒体噴射装置のノズル部から攪拌手段に向けて熱媒体が噴射されるようにする。容器入り飲料を加熱する際、まず飲料容器を容器保持手段により保持させる。次いで、バルブを作動させることにより、加熱タンク内の高温高圧の熱媒体が熱媒体噴射装置の導管を介して直ちにノズル部に導かれ、該ノズル部から噴流として飲料容器の壁面に衝突するとともに容器保持手段と一体的に設けられた回転翼に衝突する。熱媒体の回転翼への衝突によって回転翼が回転し、該回転翼の回転に伴い容器保持手段に保持された飲料容器も回転して容器内の飲料が攪拌される。一方、ノズル部からの噴流が飲料容器の壁面に直角に近い角度で衝突すると衝突噴流となり、衝突噴流による高い熱伝達率により飲料容器内の飲料が急速に加熱される。一方、熱媒体噴射装置の配管からの排水は熱媒体受け容器に一旦蓄えられ、バルブの開閉により加熱タンクに戻されて再び高温に加熱される循環方式とすることもでき、また、一回もしくは複数回の加熱ごとに加熱タンクに熱媒体を補充する補充方式とすることもできる。
【0015】
本発明に係る請求項2に記載した発明のように、加熱タンクは熱媒体を加熱する電熱ヒータと、密閉構造に形成され、内部圧力が予め定められた圧力を越えた場合に内部圧力を外部に逃がす安全弁を備えた圧力容器とにより構成することにより、電熱ヒータにより加熱タンク内に入れられた熱媒体を加熱して高温高圧の熱媒体とし、該熱媒体を高温(例えば、熱媒体が水の場合、飽和温度の100℃以上)に維持することができ、加熱タンク内の圧力が過大となって破裂するなどの事故を防止することができる。
そして、本発明に係る請求項3に記載した発明は、自動販売機の加熱ユニットとして請求項1または請求項2に記載のいずれかに記載の容器入り飲料の加熱装置を装備する。この場合、庫内の商品収納ラックから搬出された商品が外扉の商品取出口に搬出されるまでの経路において熱媒体噴射装置に導かれ、該熱媒体噴射装置で急速加熱された後商品取出口に送出される。このように庫内の商品収納ラックに収納された商品は販売時点において急速に加熱されて販売されるため、庫内では常温で商品を保存することが可能になり、自動販売機を断熱構造とする必要がなくなるとともに常時高温で保存する場合に比して商品の品質劣化を防止することができ、商品の香味を長期間維持することができる。
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に示す実施例により説明する。
(実施例1)
図1は容器入り飲料の加熱装置を示すブロック図であり、1は加熱装置を示し、この加熱装置は、加熱タンク2,バルブ3,熱媒体噴射装置4,熱媒体受け容器9,バルブ31からなる熱媒体循環経路が構成されるように配管される。加熱タンク2は密閉構造で高温高圧にも耐えられるような剛性の高い構造をもつタンクであり、その内部に配備した電熱ヒータ21により加熱タンク2内に入れられた熱媒体、この実施例では水を加熱する。加熱された加熱タンク2内の水は、通常の大気圧(0.1013MPa)の状態においては、100℃で沸点に達し、次第に蒸気へと変わっていく。前記大気圧(0.1013MPa)は飽和圧力と呼ばれ、100℃の温度は飽和温度と呼ばれる。この飽和温度と飽和圧力の間には相関関係があり、圧力が高くなるほど飽和温度も高くなる。大気圧での飽和温度(100℃)を越えた加熱タンク2内の温水は、電熱ヒータ21による加熱によりタンク内圧力が上がるに従い更に温度を上げていく。この大気圧での飽和温度(100℃)以上となった温水を高温高圧水と呼ぶこととする。加熱タンク2は前記高温高圧水にも耐えられるような剛性の高い構造とされてはいるものの、タンク内の圧力が過大となって破裂などの事故発生を防止するため安全弁22が設けられている。この安全弁22はタンク内の圧力が設定値以上となると弁を開いてタンク内部の圧力を低下させる。前述したように構成された加熱タンク2はタンク内の水を飽和温度以上の高温高圧水に維持する。なお、電熱ヒータ21は、加熱タンク2の外周に巻回して配置する構成としてもよい。
【0017】
バルブ3は熱媒体噴射装置4に近接して配置され、加熱タンク2内の高温高圧水を熱媒体噴射装置4に供給または停止するものである。攪拌手段5は、飲料容器6を保持する容器保持手段を構成する支持ローラ7と飲料容器6を回転させる回転手段を構成するモータ8とからなり、モータ8の駆動により飲料容器6内の飲料を攪拌させる。熱媒体噴射装置4は攪拌手段5にセットされた飲料容器6に高温高圧水を噴射して飲料容器6内の飲料を加熱する。熱媒体受け容器9は、熱媒体噴射装置4において飲料容器6に噴射され、該熱媒体噴射装置4から排水される温水を貯留する。この熱媒体受け容器9に貯留された温水はバルブ31の作動により再び加熱タンク2に戻される。
【0018】
前記熱媒体噴射装置4は、基台41に載置された円筒状のケース42と、バルブ3の出口配管に接続された管体43とからなる。管体43は環状の管路431と、この管路431から枝状に延びる導管432からなる。環状の管路431の周縁は円筒状ケース42の一方の周縁に固定され、環状の管路431が円筒状ケース42の底部を形成している。環状の管路431から枝状に延びる導管432は、一端が管路431に共通に接続され、他端が閉塞された有底円筒状に形成されている。また、図2(b)に示すように、導管432はこの実施例では6本の導管が用いられ、それぞれの導管432を結ぶと正六角形が形成されるように均等間隔に配置されている。なお、図2では要部である管体43のみを図示している。そして、それぞれの導管432には内部(中央)に向けて高温高圧水を噴射する複数のノズル部44が設けられている。このノズル部44はこの実施例では図2(c)に示すように噴射される高温高圧水の形状が円柱状を形成する直進ノズル441として構成されている。前記ノズル部44はバルブ3の作動により供給される高温高圧水が管体43に満たされ、導管432内の圧力が一定の圧力を越えると勢いよく高温高圧水を噴射する。この実施例の場合、ノズル部44に近接してバルブ3を設け、このバルブ3の入口側の配管内には常に高温高圧水を満たすように構成されており、バルブ3の作動と同時に前記ノズル部44から高温高圧水が噴射される。なお、ノズル部44から噴射された温水を排水するためケース42には排水口421(図1参照)が形成されている。
【0019】
図1に戻り、一方の開口部が環状の管路431で密閉されたケース42における他方の開口部はスライド式の開閉蓋10により開閉される。スライド式の開閉蓋10は基台41に敷設したスライダ(送りねじ機構)11に案内支持されている。スライダ11は基台41に固定されたモータ12に連結されている。したがって、開閉蓋10はモータ12の回転により回動するスライダ11に連繋して案内され矢印A方向へ往復移動する。ここで、開閉蓋10は、図1に示す状態では円筒状ケース42の開口部を閉塞しており、この状態からモータ12を起動させると左方向に移動して左端の停止位置で停止する。開閉蓋10が左端の停止位置および円筒状ケース42の開口部を閉塞位置で停止する制御は、それぞれの位置に配設された位置検知スイッチ(不図示)の動作に基づいて実行され、それぞれの位置検知スイッチが開閉蓋10を検出することによりモータ12の運転指令を停止する。また、スライド式の開閉蓋10における一方の面にはモータ8が固定されている。さらに、開閉蓋10の他方の面にはケース42の内方に向け延在し、飲料容器6を横置姿勢に支える左右一対の支持ローラ7を備え、該支持ローラ7をモータ8で回転駆動するようにしている。
【0020】
次に、かかる構成からなる加熱装置1の動作について説明する。加熱装置1は待機状態では開閉蓋10が前記ケース42の開口部を開放し、またバルブ3,31は閉じている。一方、加熱タンク2では、電熱ヒータ21によりタンク内に貯留している水を加熱して飽和温度(100℃)以上の高温高圧水に維持している。前述したように、待機状態において開閉蓋10は左端の停止位置に移動しており、図3に示すように、一対の支持ローラ7がケース42の外側に位置して露出し、その支持ローラ7の上に飲料容器を載置可能な状態となっている。飲料容器内の飲料を加熱するためには、先ず、飲料容器6を支持ローラ7の上に載置して、不図示の加熱開始ボタンを押圧操作する。この加熱開始ボタンの押圧操作によりモータ12が起動して開閉蓋10が、図1において、右方向へ移動する。開閉蓋10がケース42の開口部を閉塞する位置まで移動すると、開閉蓋10の右端停止位置を検知する位置検知スイッチ(不図示)が作動してモータ12が停止する。これによりケース42の開口部が開閉蓋10により閉塞される。
【0021】
前記開閉蓋10の右端停止位置を検知する位置検知スイッチ(不図示)の信号はバルブ3およびモータ8の運転指令としても使用される。前記位置検知スイッチの作動によりバルブ3が駆動されると加熱タンク2内の加熱された高温高圧水は熱媒体噴射装置4の管体43に圧送され、一方、モータ8の起動により支持ローラ7が回転して飲料容器6を自転させる。導管432に設けられたノズル部44はバルブ3作動により供給される高温高圧水が管体43に満たされ、導管432内の圧力が一定の圧力を越えると勢いよく高温高圧水を噴射する。この実施例の場合、管体43に近接してバルブ3を設け、このバルブ3の入口側の配管内には常に高温高圧の高温高圧水を満たすように構成されている。したがって、バルブ3が開いた後、図17に示した噴流速度と温水温度の立ち上がりが早く、バルブ3の作動と同時に前記ノズル部44から高温高圧水が噴射される。ノズル部44からの噴流が飲料容器6の壁面に直角に近い角度で衝突すると衝突噴流となり、衝突噴流による高い熱伝達率により飲料容器内の飲料が急速に加熱される。
【0022】
ここで、熱媒体噴射装置4のノズル部44から噴射される高温高圧水が飲料容器6の外周壁に直角に近い角度で衝突し、これにより衝突噴流が形成されるようにノズル部44と飲料容器6との関係が定められている。図4に示すように、一般的に衝突噴流の流れの様相は、自由噴流領域J1、衝突噴流領域J2、壁噴流領域J3の3領域に大別される。自由噴流領域J1は、衝突物体の影響を受けない流れの領域であり、流れの場の構造は一般的な自由噴流のものとほぼ同一である。衝突噴流領域J2は、噴流が自由噴流から壁噴流に移行する領域で、流れの方向が急激に変化するので、大きな圧力勾配ができる。従って、流れの様相は非常に複雑である。また、壁噴流領域J3は、乱流強度が極めて高い流れを形成する。このとき、衝突噴流による熱伝達特性は、衝突噴流J2のよどみ点近傍J4において最も高い熱伝達率が得られる。
また、図5に、衝突噴流を形成する高温高圧水の温度と、容器飲料の加熱時間の関係について示す。高温高圧水温度が高いほど、容器内飲料と高温高圧水との温度差が大きくなり加熱量が上がり、加熱時間が短縮する。従って、ノズル部44に近接してバルブ3を設け、バルブ3の入口側の配管内に高温高圧の高温高圧水を満たし、更に飽和温度(100℃)以上の高温高圧水を用いることで、大幅な加熱時間の短縮が可能となる。
【0023】
一方、飲料容器6内の飲料は攪拌手段5によって飲料容器6が回転することにより攪拌されている。このように飲料容器6内の飲料を攪拌させると、温水の衝突噴流により加熱された飲料容器6の壁面から、飲料容器6の飲料に熱を効率良く伝えることができる。その理由は次のとおりである。すなわち、図6に示すように、飲料容器6を回転させると、飲料Dと飲料容器6壁面との間に相対速度が生じ、極めて強い強制対流熱伝達を生じさせることができる。また、飲料容器6壁面との摩擦力により、飲料Dが飲料容器6壁面の回転方向と同一方向に流動するため、攪拌による乱流熱伝達が促進される。
【0024】
前述したように、高温高圧水の噴射および飲料容器内の飲料の攪拌により飲料は急速に加熱され、所定の加熱時間(数秒)が経過して飲料容器6内の飲料が所定の温度(55℃前後)に加熱されると、バルブ3およびモータ8の駆動を停止して高温高圧水の圧送を止めるとともに飲料容器6の回転を停止する。引き続いてモータ12を起動してケース42の開口部を閉塞していた開閉蓋10を左方向へ移動させる。開閉蓋10が左端の停止位置まで移動するとモータ12が停止する。この位置において支持ローラ7に載置された飲料容器6がケース42の外部に露出するので、飲料容器6を支持ローラ7から取り出して1回の加熱動作を終了する。
【0025】
一方、熱媒体噴射装置4のノズル部44から噴射された高温高圧水は飲料容器6を加熱した後、ケース42の底部に落下し、ケース42の底部に形成された排水口421から排水される。排水口421から排水された温水は熱媒体受け容器9に導かれて貯留される。この熱媒体受け容器9に貯留された温水は、バルブ31が開くことにより加熱タンク2に戻される。ここで、加熱タンク2は飲料容器6に高温高圧水を噴射するために高温高圧に保たれており、飲料容器6に高温高圧水を噴射する期間にはバルブ31を開けることができない。そこで、この実施例では、加熱タンク2の容量を1回の加熱動作に必要な高温高圧水を噴射できる容量に定め、バルブ3の開放により(1回の噴射が終了すると)加熱タンク2の圧力が大気圧に低下するように定めている。したがって、1回の噴射が終了すると(バルブ3が閉じると)バルブ31を開いて熱媒体受け容器9に貯留された温水を加熱タンク2に戻し、その後バルブ31を閉じる。なお、この実施例では1回の加熱ごとにバルブ31を開閉して熱媒体受け容器9に貯留された温水を加熱タンク2に戻すように構成されているが、加熱タンク2の容量を複数回の加熱が可能な程度に大きくすれば、複数回の加熱後にバルブ31を開閉して加熱タンク2に温水を戻すことができるものである。さらに、この実施例では温水を循環させるように構成されているが、熱媒体受け容器9とは別個の温水供給源を設け、この温水供給源から加熱タンク2に温水を供給することもできる。温水供給源としては水道であってもよいし、また、予め飽和温度に加熱した温水であってもよい。
【0026】
次に、熱媒体噴射装置4におけるノズル部の変形例について説明する。図7ないし図9はそれぞれ熱媒体噴射装置4におけるノズル部の変形例を示す。各図において図2に示すものと同一の機能を有するものには同一の符号を付している。図7において、442は導水管432に形成された扇形ノズルであり、該扇形ノズル442から噴射される噴流の形状が末広がりの扇形を形成するようにしたものである。そして、扇形ノズル442の噴流領域は図7(c)に示すように飲料容器6の長手方向に延在するように配置される。したがって、扇形ノズル442の場合には、その噴流領域が飲料容器6の長手方向に広がるため、図2に示した直進ノズル441のノズル数に比べて飲料容器6の長手方向のノズル数を低減することができる。
【0027】
図8は熱媒体噴射装置4のノズル部の変形例として円錐ノズル443を示す。この円錐ノズル443は噴射される噴流の形状が末広がりの円錐を形成するようにしたものである。そして、円錐ノズル443の噴流領域は図8(c)に示すように飲料容器6の長手方向および幅方向に広がる。したがって、円錐ノズル443の場合には、その噴流領域が飲料容器6の長手方向および幅方向に広がるため、図2に示した直進ノズル441のノズル数に比べて飲料容器の長手方向および幅方向のノズル数を低減することができる。
図9は熱媒体噴射装置4のノズル部の変形例として衝突噴流における自由噴流領域が直方体状を形成するようにしたものである。すなわち、この変形例では導水管432を同心円の内筒433と外筒434とからなる2重管構造とし、内筒433に長手方向のスリット435を形成している。この変形例では、バルブ3の作動により高温高圧水が導水管432に満たされ、導水管432内の圧力が一定の圧力を越えるとスリット435から勢いよく高温高圧水が噴射される。このスリット435から噴射される噴流は直方体状に形成され、飲料容器6の長手方向の広い範囲で衝突噴流が生じる。したがって、この変形例の場合も、図2に示した直進ノズル441のノズル数に比べて飲料容器6の長手方向のノズル数を低減することができる。
【0028】
次に、飲料容器6内の飲料の攪拌を促進させる変形例について説明する。前記実施例では飲料容器6を任意の一方向に回転させることにより容器内飲料を攪拌させるものについて説明したが、変形例として飲料容器6の回転方向を一定時間毎(例えば1秒)に交互に変えて容器内飲料の攪拌を更に促進させる方法もある。図10および図11は、飲料容器(コーヒー飲料)6として340mlのスチール缶を試料として用い、図10では回転方向を一定とした場合、図11では回転方向を一定時間毎(1秒毎)に交互に変えた場合におけるそれぞれ飲料容器6壁面から飲料D(図6参照)までの内部熱伝達率を測定した実験結果である。図11に示すように、回転方向を一定時間毎(1秒毎)に交互に変えた場合には回転数の増加とともに熱伝達率が増加する傾向があるのに対し、図10に示すように、回転方向を一定とした場合には回転数の増加とともに熱伝達率が低下する傾向がある。この実験結果から分かることは、回転方向を一定時間毎(1秒毎)に交互に変えた場合の方が、内部熱伝達率が高くなるということである。飲料容器6の大きさや形状が異なる複数の試料について実験した結果、前記回転数と内部熱伝達率の関係は、飲料容器6の大きさや形状により異なることが判明した。このため、攪拌手段5に、種類の異なる飲料容器毎に回転数を可変設定可能な機能を付加し、飲料容器に最適な回転数を設定して攪拌するのが好ましい。
(実施例2)
図12は、図1の加熱装置1から飲料容器の回転手段8(モータ)を不要とした加熱装置の熱媒体噴射装置40を示すものである。この熱媒体噴射装置40は図1と同様に高温高圧水が導かれる導管45とこの導管45に設けられたノズル部46からなる。攪拌手段50は回転翼81が形成されているターンテーブル80からなり、回転翼81の上に飲料容器6が載置されて保持される。そして、ノズル部46から噴射された高温高圧水は飲料容器6とともに回転翼81にも噴射され、その噴射力によりターンテーブル80が回転する。これにより回転翼81の上部に載置された飲料容器6が回転して容器内の飲料が攪拌される。この実施例ではノズル部46から噴射される高温高圧水を利用して飲料容器6を回転させることができるため、飲料容器を回転させるための専用モータ等の回転手段が不要となる。
(実施例3)
次に、本発明にかかる加熱装置は自動販売機に搭載して使用することができる。その一例図13に示し、(a)は自動販売機の側面断面図、(b)は外扉を外した状態の正面図である。図において、51は自動販売機の本体キャビネットであり、この本体キャビネット51は断熱構造をとらない筐体として構成されている。52は自動販売機の外扉、53は外扉52の中段位置に開口した商品取出口、54は外扉52の背後に設けた内扉であり、この内扉54も断熱構造をとらない扉として形成されている。55は内扉54の下部に開口した商品搬出口に吊り下げ支持された開閉フラッパ、56は庫内に設置して缶商品57を収納する例えばサーペンタイン式の商品収納ラックであり、商品収納ラック56に収納した商品57は常温状態で保存されている。58は商品収納ラック56の下方に設けたシュータ、59は本体キャビネット51の下部に形成した機械室であり、この機械室59に図1に示した加熱タンク2,熱媒体受け容器9等が配設されている。
【0029】
ここで、庫内には複数基、この実施例では3基の商品収納ラック36が左右に並べて収設されており、各基の商品収納ラック56と個々に対応してシュータ58,内扉54の開閉フラッパ55などが左右に並んで配列されている。また、商品取出口53は、庫内に収設した3基の前記商品収納ラック56に共用のものである。そして、外扉52と内扉54との間のスペースには、各商品収納ラック56から搬出した缶商品57を受け取って上方に持ち上げ搬送し、その上昇終端から放出して前記商品取出口53に投入させる商品リフタ60を装備しており、さらに商品リフタ60の終端と商品取出口53との間の商品放出経路の中間には、本発明による加熱装置1における熱媒体噴射装置4が設置されている。
【0030】
この実施例における自動販売機の場合、商品選択ボタンの操作により商品収納ラック56から搬出された商品57はシュータ58を転動し、開閉フラッパ55を押し開いて商品リフタ60を構成する搬送ベルト61の上に投出される。前記商品57が商品搬出口を通過する際に開閉する開閉フラッパ55の開閉を検知して搬送ベルト61が駆動され、搬送ベルト61により商品57が横搬送を経由して縦搬送される。搬送ベルト61により搬送される商品57はその縦搬送終端において方向転換されて本発明における熱媒体噴射装置4の機構部、具体的には、図3に示す一対の支持ローラ7の上に載るように放出される。一対の支持ローラ7の上に商品が載置されると加熱装置1の一連の動作が開始され、そして、熱媒体噴射装置4のケース42内に収納されて加熱された後、図1に示す開閉蓋10が左端の停止位置に戻ると支持ローラ7から商品取出口53に放出される。ここで、一対の支持ローラ7に載置された商品を商品取出口53に放出するには、一対の支持ローラ7の下方に位置する湾曲状の受け皿を有するリフトアップ機構を上昇させ、支持ローラ7に載っている商品を受け皿に受容して持ち上げ、その後受け皿を回動させて商品を商品取出口53に放出する。この場合、リフトアップ機構はラック・ピニオン機構を使用することができる。
【0031】
また、本発明に係る加熱装置は図16に示した自動販売機に搭載して使用することができる。この場合、図16に示した自動販売機における商品冷却/加熱装置210に代えて本発明の加熱装置1を設ける。そして、図16に示した自動販売機に本発明を適用した場合、商品収納ラックから搬出された商品はシュータ207を転動する途中において自由落下により一対の支持ローラ7の上に載る。一対の支持ローラ7の上に商品が載ると加熱装置1の一連の動作が開始され、商品は熱媒体噴射装置4のケース42内に収納されて加熱された後、再び元の位置に戻ってシュータ207の上に放出される。ここで、支持ローラ7に載置された商品をシュータ207に戻すには、前記実施例と同様に、一対の支持ローラ7の下方に位置する湾曲状の受け皿を有するリフトアップ機構を上昇させ、支持ローラ7に載っている商品を受け皿に受容してシュータ207の位置まで持ち上げ、その後受け皿を回転させて商品をシュータ207に放出する。この場合、リフトアップ機構はラック・ピニオン機構を使用することができる。
(実施例4)
次に、本発明に係る加熱装置に適した飲料容器の実施例を図14および図15に示す。図14および図15はそれぞれ異なる飲料容器の外観図である。
【0032】
図14において6Aは飲料容器であり、この飲料容器6Aの外壁には内部に向けて突出する螺旋状突起61が形成されている。この螺旋状突起61は言い換えれば飲料容器6Aの外壁に一条の溝を形成するものである。この飲料容器6Aを図1に示す攪拌手段5にセットして回転(自転)させると、螺旋状突起61が点線で示すような容器の長手方向(回転軸方向)に螺旋を描くような飲料の流れを形成する。一方、飲料容器6Aの回転に伴って容器内の飲料は、図6で説明したように、飲料容器6Aの壁面の回転方向と同一方向に流動する。したがって、これらの相乗効果により容器内の飲料は攪拌され、飲料容器6Aの外壁に高温高圧水が噴射されると攪拌による乱流熱伝達が一段と促進されて急速に加熱される。さらに、螺旋状突起61によって飲料容器6Aの表面積が拡大されるので、飲料容器6Aの外壁から容器内の飲料に伝達される伝達面積が増加して加熱が促進されるという効果を有する。
【0033】
次に、図15において、6Bは飲料容器であり、この飲料容器6Bの外壁には内部に向けて突出する複数の円錐形突起62が形成されている。この円錐形突起62は飲料容器6Bの外壁に乱雑に形成したり、図14に示した螺旋状突起61のように、螺旋状に規則正しく形成することができる。この図15に示す飲料容器6Bにおいても、飲料容器6Bを回転(自転)させることにより、容器内の飲料が飲料容器6Bの壁面の回転方向と同一方向に流動するとともに円錐形突起62により攪拌され、図14に示した実施例と同様の効果を奏する。
【0034】
ところで、図10を用いて既に説明したとおり、容器内の飲料の攪拌を促進させるために飲料容器を回転させる際に飲料容器の回転方向を一定(任意の一方向)とした場合、飲料容器の壁面から飲料までの内部熱伝達率は所定の回転数を越えると、回転数の増加とともに低下する傾向にある。この内部熱伝達率を増加させるための制御方法として回転方向を一定時間毎(1秒毎)に交互に変える方法が採用された。しかしながら、飲料容器を回転させるモータの制御としては、回転方向を一定時間毎に交互に変える方法よりも、回転方向を任意の一定方向とする方がシンプルで安価である。このようなシンプルで安価な方法の採用を可能とするのが、図14および図15で示した飲料容器である。すなわち、図14および図15で示した飲料容器においては、飲料容器の外壁に形成したところの、内部に向けて突出する突部が飲料の新たな流れを形成して飲料の攪拌による乱流熱伝達が促進されるが、この乱流熱伝達率の増加が内部熱伝達率の低下を補い、飲料容器の回転方向を任意の一方向とする方法を採用することができる。
【0035】
以上、この発明の好適な実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限られるものではない。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、高温高圧水の衝突噴流により加熱を行うため、金属容器以外の容器収納飲料にも適用可能で、また、局部加熱による品質低下を生じず、短時間で加熱を行うことができ、さらに、販売時のみ加熱を行うため、飲料は長時間高温に晒されることなく品質も低下せず、しかも大幅な低消費電力化が実現できることは勿論のこと、次のような効果を奏する。すなわち、ポンプなどの機械的な循環装置が省略でき、また、熱媒体噴射装置の導管に近接してバルブを配置して、容器内飲料との温度差が大きい温水の場合、その温水を加熱して飽和温度(100℃)以上の高温高圧水とし、該高温高圧水の衝突噴流により飲料容器を加熱するため容器内飲料の加熱時間を大幅に短縮することができ、コストの低減を図りつつ加熱時間の短縮が可能となる。そして、熱媒体として温水を用い、この温水を加熱して飽和温度(100℃)以上の高温高圧水とすることにより、浄水器などを使用せずに温水の衛生管理を充分に行うことができるとともに温水を加熱装置内を循環させることが可能となり、また、飲料容器の洗浄・殺菌効果も得られる。そして、飲料容器を回転させて容器内飲料を攪拌するためのモータ等の回転駆動装置も省略でき、極めてシンプルな構成により、容器内飲料を短時間で加熱できる加熱装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1に係わる加熱装置の主要部のブロック図
【図2】 図1の熱媒体噴射装置の構成図を示し、(a)はその正面断面図、(b)は(a)の左側面図、(c)はノズル部を示す拡大図
【図3】 図1の飲料保持手段の概略構成図を示し、(a)はその正面図、(b)は支持ローラを表す側面図
【図4】 衝突噴流の様相を示す説明図
【図5】 衝突噴流を形成する温水温度と容器内飲料の加熱時間の関係を示す特性図
【図6】 容器内飲料の攪拌の様相を示す説明図
【図7】 図2の熱媒体噴射装置におけるノズル部の変形例を示し、(a)はその正面断面図、(b)は(a)の左側面図、(c)はノズル部を示す拡大図
【図8】 図2の熱媒体噴射装置におけるノズル部の異なる変形例を示し、(a)はその正面断面図、(b)は(a)の左側面図、(c)はノズル部を示す拡大図
【図9】 図2の熱媒体噴射装置におけるノズル部の異なる変形例を示し、(a)はその正面断面図、(b)は(a)の左側面図、(c)はノズル部を示す拡大図
【図10】 飲料容器の回転方向を一定とした場合における回転数と内部熱伝達率を表す特性図
【図11】 飲料容器の回転方向を一定時間毎(1秒毎)に交互に変えた場合における回転数と内部熱伝達率を表す特性図
【図12】 本発明の実施例2に係わる加熱装置における熱媒体噴射装置の概略構成図
【図13】 本発明を自動販売機に適用した場合の実施例を示し、(a)は側断面図、(b)は外扉を外した状態の正面図
【図14】 本発明の加熱装置に適した飲料容器の実施例を示す飲料容器の外観図
【図15】 本発明の加熱装置に適した飲料容器の異なる実施例を示す飲料容器の外観図
【図16】 従来の自動販売機を示す外略側面図
【図17】 図16における冷却/加熱装置を示し、(a)は縦断断面図、(b)は(a)のX−X断面図
【図18】 図16における冷却/加熱装置の系統図
【図19】 図18におけるポンプ作動後の温水噴流速度変化の説明図
【図20】 図18におけるポンプ作動後のノズル部温度変化の説明図
【符号の説明】
1 加熱装置
2 加熱タンク
3,31 バルブ
4,40 熱媒体噴射装置
5,50 攪拌手段
6,6A,6B 飲料容器
7 容器支持手段(支持ローラ)
8 回転手段(モータ)
9 熱媒体受け容器
10 開閉蓋
21 電熱ヒータ
22 安全弁
42 ケース
43 管体
431 管路
432 導管
433 外筒
434 内筒
435 スリット
44 ノズル部
441 直進ノズル
442 扇形ノズル
443 円錐ノズル
45 導管
46 ノズル部
81 回転翼

Claims (3)

  1. 飲料容器の外壁に向けて高温高圧の高温高圧水を噴射するノズル部とこのノズル部に高温高圧水を導く導管とからなる熱媒体噴射装置と、
    飲料容器を保持する容器保持手段とこの容器保持手段と一体的に設けられた回転翼とからなる攪拌手段と、
    高温高圧の高温高圧水を貯留する加熱タンクと、
    この加熱タンクと前記熱媒体噴射装置との間に配管され、前記熱媒体噴射装置の導管に近接して配置されたバルブとを備え、
    前記バルブの開閉により熱媒体噴射装置のノズル部から飲料容器の外壁および回転翼に高温高圧水を噴射し、回転翼に噴射される高温高圧水により容器保持手段に保持された飲料容器を回転させるとともに前記飲料容器外壁に衝突噴流を形成して容器内の飲料を急速加熱することを特徴とする飲料の加熱装置。
  2. 請求項1記載の飲料の加熱装置において、加熱タンクは高温高圧水加熱する電熱ヒータと、密閉構造に形成され、内部圧力が予め定められた圧力を越えた場合に内部圧力を外部に逃がす安全弁を備えた圧力容器とからなることを特徴とする飲料の加熱装置。
  3. 請求項1または請求項2のいずれかに記載の飲料の加熱装置を備えた自動販売機。
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