JP4019860B2 - 電波環境評価方法及びそのプログラム - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、送信局から送信された電波の伝搬特性を解析する方法に係り、特に送信局と受信局とを有する移動体通信システムの設計において、電波伝搬環境の改善設計を効率的に行うために使用する電波伝搬解析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、道路交通量の増大に伴う渋滞や交通事故の増加,排気ガスによる環境汚染等が大きな社会問題となっている。こうした問題を解決し、道路交通における安全性,円滑性を実現する高度道路交通システム(Intelligent Transport System:以下ITS)の研究開発が積極的に進められている。
【0003】
このITSの先駆けとなるシステムのひとつとして自動料金収受システム
(Electronic Toll Collection System:以下ETCと略す)がある。
【0004】
このETCは料金所に設置された路側アンテナと車両に搭載した車載器との間で車両情報や料金所情報,通行料金情報などの課金処理に必要な情報を無線で送受信することで通行料金の自動支払いを可能にするシステムである。
【0005】
ETCでは専用狭域通信(Dedicated Short Range Communication:以下DSRC)と呼ばれる通信方式を用いて路車間通信を行っている。
【0006】
ETCにおけるDSRCでは車両の通行するレーン上に車両一台が収まる程度の通信領域を設定し、そのエリアに車両が進入した際に路車間通信を行い必要な情報の授受を行うものである。
【0007】
そして、DSRCは将来的に都市流入課金(Electronic Road Pricing:以下
ERP)や駐車場システム,ファーストフード店におけるドライブスルーなどにおける課金手段,情報提供手段への適用が考えられている。
【0008】
DSRCでは路車間通信の開始を車載器の受信レベルにより固定的に定めており、路側アンテナからの放射電波に対して車載器があるレベル以上の電波を受信した際に路車間通信を開始する。
【0009】
そのため路側アンテナは所定の大きさの通信領域内にのみ車載器が応答可能な強い電波を照射し、規定された通信領域外には車載器が応答しない微弱な電波を照射するように設計される。
【0010】
しかしながら、路側アンテナの設置される実環境下には様々な反射構造物が存在することが予想され、構造物によって引き起こされる多重反射波の影響により所定の通信領域外に車載器が応答可能なレベル以上の電波が漏洩してしまうことが懸念される。
【0011】
例えばETCの場合では料金所に存在する屋根や路側機器が考えられ、駐車場システムやERP等の場合には周辺に建造物や高架などが存在する可能性が考えられる。
【0012】
そして、これらの構造物による多重反射の影響で電波漏洩が発生した場合、規定の通信領域外に存在する車両の車載器が誤通信を起こしてしまうことが考えられ、システムの信頼性低下に繋がってしまう。
【0013】
このような事態を防ぐためには路側アンテナの適切な設置位置を事前に決定したり、構造物による反射波の影響を事前評価し電波漏洩が発生する可能性が生じた際は何らかの対策を講ずることが必要不可欠である。
【0014】
こうした電波環境の事前評価を行うひとつの手段として、シミュレーションによる方法がある。
【0015】
シミュレーションによる電磁界解析手法は古くからモーメント法,レイトレーシング法,FDTD法などが知られており、様々な電磁界問題に適用されている。
【0016】
モーメント法やFDTD法は解析構造物,解析空間をセグメント分割し、各セグメントにおいてマクスウェル方程式等の電磁界方程式を解き進めることで電界強度分布を算出する方法である。
【0017】
それに対してレイトレーシング法は送受信点間の電波パスを構造物を形成する面およびエッジによる反射,透過,回折を考慮して幾何光学的に計算し、受信点における電界強度分布を算出する手法である。
【0018】
レイトレーシング法は解析空間全体の電界強度を求める前者の手法に対して受信点における電界強度をスポット的に算出することができる。そのためDSRCを適用したシステムにおける車載器受信電界強度の算出を目的とした電波伝搬解析には計算時間や作業効率の面で適しているといえる。
【0019】
次にレイトレーシング法を用いた電界強度算出方法の概略について説明する。
【0020】
まず、前述のように送信点から放射された電波の素波の受信点に到達するまでの軌跡を構造物による反射,透過,回折を考慮して算出し、受信点に到来するすべての素波に対して伝搬損失を求め、送受信点に位置する送受信アンテナの放射角度損失,受信角度損失,構造物における反射,透過,回折時における損失を積算し受信電界強度を求める。
【0021】
そして、受信点に到達した全ての素波の受信電界強度を加算することで受信点におけるトータルでの受信電界強度を算出する。
【0022】
この手法を適用した例としては、電子通信学会1976年発行の(アンテナ・伝搬)ADP 79−62「屋内伝搬特性の幾何光学的解析」に、建物内の電波伝搬現象を解析する電界強度分布解析装置として報告されたものがある。
【0023】
また、屋外での携帯電話やPHSのサービスエリア,室内のオフィス環境における無線LANのサービスエリアなどの推定を目的とした解析装置も開発されている。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の電磁界解析装置を路車間通信システム設計に適用した場合、まず路側アンテナを設置する周辺の構造物データや反射係数,アンテナの指向特性を電磁界解析装置に入力して受信アンテナにおける受信電界強度分布を算出する。
【0025】
そして得られた受信電界強度分布より電波環境の良否を判定し、電波環境に問題がある場合それを改善する手法を検討し、実配備に適用するといった流れになる。
【0026】
このなかで電波環境を改善する対策として、構造物に電波吸収体を設置することで反射波の影響を除去する方法や不要波を遮蔽するための壁面の設置などが考えられる。
【0027】
この電波吸収体および遮蔽壁面の設置による効果の検証を従来の電磁界解析方法を用いて行う場合、まず得られた受信電界強度の値をもとに設置範囲を設計者の経験に基づき決定する。そしてそのデータを入力して再計算を行い効果があるか否かを判定することになる。
【0028】
しかしながら、設置範囲は設計者の経験に基づき決定されるために、十分ではあるが必ずしも必要でない範囲に設置してしまう可能性があり、設置コストがかさむことが考えられる。
【0029】
また設置範囲が十分でない場合には、吸収体効果を持つ面や壁面を新たにモデルに追加して試行錯誤的に計算を繰り返すことになり効率が悪いという課題がある。
【0030】
以上のことを鑑み、本発明は受信電界強度の計算結果より電波環境を評価し、不要波が存在する場合は電波環境を改善するための必要かつ十分な対策手法を提示することができる電波環境評価方法を提供するものである。
【0031】
【課題を解決するための手段】
本発明は、通信領域の大きさを表す情報および電波が通信領域の領域外に漏洩しているか否かを判定するための指標となる伝搬パスの受信電力閾値を表す情報を入力し、算出した各電波伝搬パスの受信局における受信電力と閾値と比較することによって所望の通信領域の領域外に電波が漏洩しているか否かを判定し、漏洩する電波が反射波の場合構造物を形成する面における電波伝搬パスの反射点の存在する範囲を電波吸収体設置範囲として算出することが可能な電波環境評価方法を特徴とするものである。
【0032】
また本発明は、構造物を形成する各面が電波吸収体の設置が可能な面であるか否かを設定し設置可能な面に対してのみ電波吸収体設置範囲を算出する電波環境評価方法を特徴とするものである。
【0033】
また本発明は、電波吸収体の特性を表す情報である電波の入射角度に対する減衰量データを入力し、電波吸収体を設置する面を金属体に置き換えて面に到達した伝搬パスの受信局における受信電力を再計算し、再計算結果に面への入射角度に応じた減衰量を乗算することによって電波吸収体設置後の受信局における受信電力を算出する電波環境評価方法を特徴とするものである。
【0034】
また本発明は、所望の通信領域の領域外に漏洩する電波が直接波あるいは電波吸収体の設置が不可能な面に反射して到達する反射波の場合、通信領域外への漏洩を防止するための遮蔽壁面を表す平面データを入力し、入力された平面と前記直接波のパスとの交点を求めることによって不要波の通信領域外への漏洩を防止するための遮蔽壁面の設置範囲を算出する電波環境評価方法を特徴とするものである。
【0035】
また本発明は、対策前の構造物モデルおよび各電波伝搬パス毎の受信電力,各受信点におけるすべての電波伝搬パスの合成受信電力,電波漏洩防止対策処理範囲を示したデータ,電波漏洩防止対策処理後の各電波伝搬パス毎の受信電力および合成受信電力を表示装置に表示する電波環境評価方法を特徴とするものである。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図を用いて説明する。
【0037】
図1は本発明の機能構成を示す一例であり、入力部100と中央処理部102,記憶部112,表示部114から構成され、これらの機能はパソコンシステム上で実現される。
【0038】
入力部100はオペレータによって操作され、構造物データや送受信アンテナに関する情報,各種命令を入力する。
【0039】
中央処理部102は入力部100から入力された情報を処理し、記憶部112への書き込みおよび読み込み等の制御,電波伝搬の解析処理を実行する。
【0040】
中央処理部102はさらにパス探索部104,受信電力算出部106,判定部108,対策範囲算出処理部110から構成される。
【0041】
表示部114は入力データの内容、ディスプレイに電波伝搬の状況,受信電力計算結果などの解析結果および対策内容等を出力表示する。
【0042】
記憶部112は入力部100によりオペレータが入力したデータ,中央処理部102における処理結果等を記憶する。
【0043】
次に図2に示すフローチャートを用いて中央処理部102の計算処理の手順を説明する。
【0044】
図2において、iは後述する受信点のID番号、Nは総受信点数であり、計算処理は主に電波環境モデルデータ入力処理200,パス探索処理204,受信電力算出処理206,受信電力と閾値電力の比較処理210,対策範囲算出処理
214,受信電界強度再計算処理216,表示装置への表示処理218の手順から構成される。
【0045】
電波環境モデルデータ入力処理200は図1において入力部100において行われ、パス探索処理204はパス探索部104で行われ、受信電力算出処理206および受信電界強度再計算処理216は受信電力算出部106で行われ、受信電力と閾値電力の比較処理210は判定部108で行われ、対策範囲算出処理214は対策範囲算出処理部110で行われ、表示装置への表示処理218は表示部
114において行われる。
【0046】
ステップ204のパス探索処理とステップ206の受信電力算出処理は入力したモデルにおける受信電界強度を算出するための処理である。
【0047】
ステップ208とステップ210は受信電界強度の計算結果に基づいて入力モデルに対する電波環境を評価する処理である。
【0048】
そして、ステップ214において電波環境を改善するための対策範囲を算出し、ステップ216において対策後の受信電解強度を再計算し、ステップ218において表示装置に表示する。
【0049】
ステップ220において評価結果が良好であるか否かの判定を行い、必要であればステップ200に戻り上記までの処理を繰り返す。
【0050】
以下、各ステップにおける処理について詳細に述べる。
【0051】
データ入力処理200は入力部100を用いて行われ、入力されたデータは記憶部112に記憶される。
【0052】
図3にデータ入力処理200によって入力されるデータ内容300を示す。入力データは通信領域,閾値電力,周波数,最大反射回数,構造物データ,電波吸収体特性データ,基地局アンテナデータ,移動局アンテナデータから構成される。
【0053】
通信領域および閾値電力は入力した構造物や基地局アンテナの特性により構築される電波環境を評価する際に使用する評価指標である。
【0054】
通信領域は例えば4辺形状であり、4点の3次元座標値により表現され、この領域外ではある受信電力以下にしなければならない領域と定義される。
【0055】
また閾値電力は通信領域外への電波漏洩の有無を調べるために受信電力レベルと比較するための電力値である。
【0056】
基地局から放射される電波の伝搬パスの受信電力がこの値以上であれば電波が漏洩していると判定される。
【0057】
周波数は電波伝搬解析で扱う電波の搬送波周波数である。
【0058】
最大反射回数は電波伝搬の解析において考慮する構造物反射回数の上限値である。
【0059】
構造物データはさらに面番号と構造物属性番号,誘電率,透磁率,導電率,面形状データ,電波吸収体対策可否フラグから構成される。
【0060】
面番号はすべての反射面を一意に特定するためのIDである。
【0061】
構造物属性番号は入力した面が屋根や柱等、どの構造物に属するかを同定するためのものである。
【0062】
誘電率,透磁率,導電率は面の電気的特性を決定するパラメータである。
【0063】
面形状データは4点の3次元座標を与えることで4辺形状の一面を表現する。そして同じ構造物属性番号の集合により構造物を構成することができる。
【0064】
電波吸収体対策可否フラグはその面が電波吸収体による反射波の防止対策が可能であるか否かを決定するフラグであり、可能であれば1、不可能であれば0を設定する。
【0065】
対策可能な面の例としては屋根や壁面,柱等が挙げられ、また対策不可能な面の例として、路面や車両等が挙げられる。
【0066】
電波吸収体特性データは反射波対策として構造物に設置する電波吸収体の特性を表すデータである。電波吸収体の特性は電波が吸収体に入射する角度と、それに対する反射減衰量で表される。減衰量は電波吸収体と金属体等完全反射物との反射量の差で定義される。
【0067】
基地局アンテナデータはアンテナが複数の素子アンテナで形成されるアレイアンテナの場合、設置位置座標と送信電力値,給電係数および素子数,素子間隔のデータから構成される。アンテナの指向特性は予め記憶されている単一素子アンテナの放射式および給電係数から放射角度に対する送信電力の相対値として計算される。
【0068】
移動局アンテナデータは移動範囲および計算点数から構成され、移動局アンテナの移動範囲はX軸,Y軸,Z軸方向における始点と終点の座標値で表される。計算点数は移動範囲内においてXYZ各軸に対して何点計算するかを表すものである。これらの値により受信点座標が計算される。
【0069】
指向特性は例えば1個の素子アンテナの放射式によって表され、また移動局アンテナは本実施例では単一素子アンテナであり、指向特性は予め記憶されている単一素子アンテナの放射式から計算されるものとする。
【0070】
以下本実施例では基地局を送信局とし、移動局を受信局として扱うことにする。
【0071】
図4は入力されるデータ内容300の入力方法の一例を示す図であり、各入力データは例えば表示部114にダイアログボックス1402,1406,1408,1410を表示することにより直接数値を入力する。面形状データ1412はCADツールを使用して入力可能である。
【0072】
図2のステップ202において、すべての受信点に受信点ID番号iを割り当て、i=0の受信点を最初の計算点としてセットする。
【0073】
ステップ204において送受信点間に存在するすべての電波伝搬パスを探索する。このステップ204におけるパス探索処理を図5のフローチャートを用いて詳細に説明する。
【0074】
図5において、rは電波の反射回数、MおよびRmaxはデータ入力処理200において入力した面の総数および最大反射回数である。
【0075】
パス探索処理は主に面総数Mの中からr個の面を選択し、Mr通りの反射面をリストアップする処理504,このリストアップした面における反射パスを探索する処理506,探索された反射パスが他の面でパスカットされていないか等の有効判定する処理508,探索したパスが有効であれば送信点と受信点間に存在する一つのパスとして登録する処理510等から構成される。
【0076】
パス探索部104はステップ502において反射回数rを0にセットし、0回反射波、すなわち直接波についてステップ504からステップ514までの処理を実行し、有効なパスをすべて検索し登録し終わったら、反射回数rをインクリメントしながらRmaxになるまでこの処理を繰り返し、送信点から受信点までのすべての電波パスを探索する。
【0077】
パス探索処理の一連の処理について図6に示すモデルを例にとって説明する。
【0078】
ここでは最大反射回数Rmax=2として説明する。図6のモデルは(x,y,z)=(−20,−20,0),(20,−20,0),(20,20,0),(−20,20,0)を頂点ABCDとする面F0と(x,y,z)=(−20,−20,6),(20,−20,6),(20,20,6),(−20,20,6)を頂点EFGHとする面F1の反射面で構成する面総数M=2のモデルである。
【0079】
送信点Sの座標は(0,0,5)、受信点Rすなわち計算点座標は(10,0,1)である。最大反射回数Rmax=2として設定しているため、反射回数r=0,1,2のパスを探索する。
【0080】
ステップ502においてr=0にセットし、0回反射パスを探索する。反射回数が0回のパスは送信点から受信点へ直接到来する直接波であり、ステップ504の面のリストアップは無視することができる。
【0081】
ステップ506において送信点から受信点までのベクトルを算出することにより、図6の602のパスが探索される。
【0082】
ステップ508において502のパスがすべての面によりパスカットされていないか等のパスの有効判定を行う。図6のモデルにおいてはパスカットされていないため有効と判定される。
【0083】
そしてステップ510において送信点から受信点に到来する一つのパスとして登録する。0回反射のパスは直接波以外にはあり得ないため、ステップ512において反射回数r=0のパス探索を終了したと判定する。
【0084】
ステップ514においてr=1とし、さらにr<Rmaxと判定されるため、ステップ504に戻り1回反射のパスを探索する。
【0085】
ステップ504においてM=2枚の面からr=1個の面をピックアップする。ピックアップの組み合わせはMr通り存在する。
【0086】
図6において最初にピックアップした面を構造物面F0とする。ステップ506においてパス探索を行う。
【0087】
まず構造物面F0に対して送信点を鏡像変換し、送信点の鏡像位置S′を算出する。そして送信点の鏡像位置S′から受信点Rまでのベクトルを算出し、構造物面F0を無限平面と仮定した場合の交点、すなわち反射点座標Pを算出する。この場合反射点座標Pは(8.33,0,0)である。
【0088】
ステップ508においてこの求まった交点が実際の面F0内に存在しているか否かを判定し、パスの有効性を判定する。反射点がある面内に存在しているか否かの判定方法について図7を用いて説明する。
【0089】
図7において点A,B,C,Dが面F0を形成する4頂点である。点Rが受信点を示している。
【0090】
面F0の4頂点において、各2頂点間の辺を時計回りのベクトルとして見なしAB,BC,CD,DAを算出する。
【0091】
また各頂点から受信点RまでのベクトルAR,BR,CR,DRを求め、それぞれの外積AB×AR,BC×BR,CD×CR,DA×DRのz成分を求める。
【0092】
その結果がすべて同符号であった場合は面F0内に受信点Rが存在し、異符号が含まれている場合は面F0外に存在すると判定することができる。
【0093】
この場合、計算結果に0が含まれている場合、0を除くその他の計算結果に基づいて前記の判定を行う。
【0094】
図6のモデルにおいては反射点座標(8.33,0,0)は頂点ABCD内に存在し有効であると判定でき、面F0に対する一回反射波のパス604としてパス登録する。
【0095】
次に面F1に対しても面F0と同様の処理を行い反射パス606を求める。そしてステップ512において反射回数r=1のパス探索を終了したと判定する。
【0096】
ステップ514においてr++Rmaxと判定されるため、ステップ504に戻り同様の処理をr=2に関しても行う。
【0097】
ステップ504において面総数M=2からr=2個の面をピックアップする。図6のモデルに対しては(F0,F1)と(F1,F0)の2通りが存在する。
【0098】
これらの面に対して1回反射の場合同様にステップ504からステップ512の処理を行うことにより(F0,F1)に対して反射パス608が求まり、(F1,F0)に対して反射パス610が求まる。
【0099】
ステップ514においてr++>Rmaxと判定されるため、パス探索処理を終了する。以上のパス探索処理の結果、図6のモデルに対しては0回反射波602と1回反射波604,606と2回反射波608,610が求められる。
【0100】
こうして求められた探索パス情報はステップ516において記憶部112に記憶される。記憶される探索パス情報の内容は、送信点座標および受信点座標,反射点座標、さらにはパスから計算される放射角度,受信角度,面に対する入射角度である。
【0101】
次に図2におけるステップ206の受信電力算出処理について説明する。
【0102】
ステップ206において受信電力算出部106はステップ204で求められた受信点IDiにおけるすべての電波伝搬パスにおける受信電界強度を算出する。
【0103】
受信電力算出処理206のフローチャートを図8に示す。図8においてjは送信点から受信点に到来するすべてのパスを一意に特定するID番号である。
【0104】
例えば前記パス探索処理において求めたように受信点iに5本の伝搬パスが到達する場合、ステップ204のパス探索処理で探索された順に0,1,2,3,4と番号が割り当てられる。Npath は送受信点間のパスの総数である。PjはパスIDjの伝搬パスの受信電力であり、Pは受信点iにおける合成受信電力である。
【0105】
ステップ802で伝搬パスIDjを0にセットする。
【0106】
ステップ804の伝搬損失算出ではパス探索処理204において求まった伝搬パスより電波の伝搬距離Dを求め、伝搬損失ELossjを求める。伝搬損失ELossjは次式により求められる。
【0107】
【数1】
Figure 0004019860
【0108】
ただしλは電波の波長である。
【0109】
ステップ806の送信アンテナ放射損失算出処理では送信アンテナからの放射角度θt と送信アンテナの指向特性を表す給電係数Vtmより送信アンテナの放射損失Etjを求める。放射損失Etiは次式により求められる。
【0110】
【数2】
Figure 0004019860
【0111】
ただしjは複素単位、k0 は電波の波数、Mt はアンテナの素子数、dt は素子間隔である。給電係数Vtm,アンテナの素子数Mt ,素子間隔dt は入力データである。
【0112】
ステップ808の反射損失算出処理では反射面への入射角度と反射面lにおける反射係数Rjlを求める。反射係数Rjlは入射する電波がTE波、反射面lの誘電率をεl 、導電率をσl 、入射角をθl とすると次式で与えられる。
【0113】
【数3】
Figure 0004019860
【0114】
【数4】
Figure 0004019860
【0115】
ステップ810の受信アンテナ受信損失算出処理では受信アンテナの受信角度θr より受信損失Eriを求める。受信損失Erjは以下の式から求められる。
【0116】
【数5】
Figure 0004019860
【0117】
ステップ812のパス受信電力算出処理では入力した送信電力よりステップ
804からステップ810で求まった損失を積算することでパスjの受信電力
j を求める。
【0118】
【数6】
Figure 0004019860
【0119】
ただしNはパスjにおける反射面の総数である。
【0120】
ステップ814においてjの値をインクリメントし、受信点iにおけるすべての到達電波パスの受信電力を計算したか否かを判定する。もしすべて計算し終わっていなければステップ804へ戻りステップ804からステップ812までの処理を繰り返す。
【0121】
ステップ816においてすべてのパスの受信電力を加算することで受信点iにおける合成受信電力Ei を求める。合成受信電力Ei はデシベル表記で次式で表される。
【0122】
【数7】
Figure 0004019860
【0123】
ただしPeirpは送信e.i.r.pである。
【0124】
受信電力算出部106はステップ204のパス探索処理により求められた探索パス情報と受信電力算出処理により求められた受信電力強度情報を合わせて記憶部112に記憶する。記憶部112に記憶されるデータの一例を図9に示す。
【0125】
この解析結果記憶内容データ900は図6に示したモデルの解析結果の一例である。受信点IDおよび受信点座標,合成受信電力,送信点から受信点に到来する5本すべてのパスの受信電力,送信点からの放射角度,反射面番号,面への入射角度,反射点座標,受信点における受信角度が記憶される。
【0126】
図2において、ステップ208とステップ210の処理は受信点IDiにおける受信電力強度の計算結果とステップ200において入力した通信領域と閾値電力の情報とを比較することにより、通信領域外において電波漏洩が発生していないか判定し電波環境の評価を行う処理である。
【0127】
ステップ208の処理について説明する。
【0128】
ステップ208では受信点が通信領域内に存在するか否かを判定する。通信領域の情報はステップ200のデータ入力処理において入力した通信領域情報を用いる。
【0129】
通信領域情報は入力データとして図3に示したように4点の頂点座標で形成される4辺形状とする。
【0130】
受信点が通信領域内に存在するか否かを判定する方法は、パス探索処理204においてパスの有効性を判定するために反射点が面内に存在するか否かを判定した方法と同様である。
【0131】
判定の結果、計算点が通信領域外に存在すると判定された場合にはステップ
210において受信電力と閾値電力の比較を行い通信領域外への電波漏洩判定を行う。
【0132】
ステップ210の受信電力と閾値電力の比較処理について説明する。
【0133】
閾値電力は図2のステップ200において入力した閾値パス電力Pthを用いる。また、比較する受信電力はステップ206において計算された各パスの受信電力を用いる。
【0134】
これらの閾値電力と各パスの受信電力を比較し、閾値電力を超えているパスデータがある場合、そのパスを要対策パスとして、記憶部112に登録する。
【0135】
記憶するデータの例を図10に示す。記憶される対策面に対する記憶データ
1000の内容は要対策パスを一意に特定するID,パスデータを構成する各点を位置に特定する点ID,送信点座標,要対策パスの受信電力,各要対策パス毎に反射面を一意に特定する反射面ID,面番号,反射点座標,面への入射角度,受信点座標である。
【0136】
閾値電力を超えるパスが存在しない場合はステップ210における処理を終了する。
【0137】
ステップ212においてすべての受信点についてステップ204から210までの処理を行ったか否かを判定し、もし行っていなければステップ204へ戻りステップ204からステップ210までの処理を繰り返す。
【0138】
以上までに説明してきた処理を実行することで、評価する電波伝搬環境モデル300および解析結果記憶内容900,通信領域外への電波漏れに関与している対策が必要な電波パスに関する情報1000が記憶部112に記憶される。
【0139】
対策が必要な電波伝搬パスに関する情報1000に基づき、ステップ214において電波漏洩防止対策処理を行う。
【0140】
ここでの処理は、構造物に電波吸収体を設置することによる構造物による反射波の漏洩防止対策を提示するための処理である。直接波の漏洩防止対策処理は別処理として、後で説明する。
【0141】
以下ステップ214の処理の内容について図11を用いて説明する。
【0142】
図11において、jは対策パスID、Npath は要対策パス総数、kは対策パスjにおける反射面IDである。図11のフローにおいて、ステップ1100においてjを0にセットする。
【0143】
ステップ1102においてパスjが直接波であるか否かを判定する。もし直接波であればそのパスは構造物に電波吸収体を設置することによる対策はできないため、ステップ1112の処理に進む。
【0144】
もし直接波でない、すなわち反射波であれば吸収体設置範囲の設定処理を行うステップ1104以降の処理に進む。
【0145】
ステップ1104において、パスjの反射面IDを参照する変数kを0にセットする。ステップ1106において反射面IDkが参照する面が対策可能な面であるか否かを判定する。
【0146】
この判定は記憶部112に記憶されているデータ300中の各面の電波吸収体対策可否フラグを参照することによって行われる。
【0147】
もしフラグが1、すなわち対策可能な面であればステップ1110において反射面IDkが参照する面および反射点の座標を対策が必要な面および対策座標として記憶部112に記憶する。
【0148】
一方もしフラグが0、すなわち対策可能な面でなければステップ1108においてパスjの反射面IDkをインクリメントしてステップ1106の判定処理を繰り返す。
【0149】
ステップ1112において要対策パスIDインデックスjをインクリメントし、すべての対策パスについてステップ1102から1110までの処理を繰り返し、すべての対策パスについて上記までの処理を行ったならば、ステップ1114の処理に進む。
【0150】
ステップ1110の処理を繰り返すことによって記憶されるデータは例えば図12に示すデータ1200のようになる。データは対策が必要な面番号および反射点座標の集合から構成される。
【0151】
ステップ1114において、データ1200に基づいて対策面における電波吸収体対策設置範囲を算出する。
【0152】
具体的には例えば各対策面における反射点の集合を包含する最小の長方形を電波吸収体対策設置範囲とする。この処理をすべての対策面において行う。
【0153】
必要対策範囲を算出する処理を行ったならば次のステップ216に進む。ステップ216において、ステップ214において求められた必要対策範囲に電波吸収体を設置した場合における受信電界強度を再計算し要対策パスを算出する処理を行う。
【0154】
この処理は図2に示した受信電力算出処理206中の図8に示した受信電力算出処理における反射損失算出808を図13に示した処理に置き換え、さらに図2におけるステップ208と210の処理を行うことによって実現される。
【0155】
以下この置き換えた反射係数算出処理について述べる。
【0156】
図13中のステップ1302においてパスiは要対策パスであるか否かを判定する。もし要対策パスでなければステップ1304において図2に示した電界強度算出処理206における反射係数の算出と同様の処理を行う。
【0157】
一方要対策パスである場合はステップ1306の処理に進む。ステップ1306において、対策面labsを金属体として反射係数R′jlabsを計算する。具体的には対策面labs の誘電率および導電率を金属体のそれに置き換えて(3)式を計算することによってR′jlabsを求める。
【0158】
ステップ1308において記憶部112に記憶されている電波吸収体特性データを参照する。
【0159】
特性データは図3に例示したデータ300中にあり、特性データから対策面
abs への入射角θlabs における減衰量G(θlabs)を参照する。
【0160】
ステップ1310において対策面labs における反射量Rjlabsを計算する。具体的には次式で計算される。
【0161】
【数8】
Figure 0004019860
【0162】
以上のようにして受信電界強度を再計算する処理を行い、ステップ208と
210の処理を繰り返すことによって要対策パスの再計算処理を行う。
【0163】
受信電界強度再計算処理216を行ったならば次のステップ218へ進む。ステップ218では上記までに計算した結果を表示部114に提示する処理を行う。以下この処理218について述べる。
【0164】
表示する内容の例を図14に示す。表示部114にはまず対策前の電波伝搬環境1402が表示される。
【0165】
電波伝搬環境1402には入力されたデータ300のうち構造物に関するデータおよびパス探索処理204において計算された電波伝搬パスが視覚的に表示される。
【0166】
電波伝搬環境1402における表示内容は、表示内容変更ボタン1404をクリックすることによってモデルのビュー方向や移動局の移動に伴う電波伝搬パスの時間変化を見ることができる機能を備えたメニューに移ることができる。
【0167】
この表示された電波伝搬環境1402における移動局の計算結果は、電界強度分布および各伝搬パス毎のプロファイルとしてそれぞれ1406,1408のように表示される。
【0168】
計算結果は表示内容変更ボタン1410をクリックすることによって表示する走行車線の変更等プロファイル表示するデータの変更を行うことができる機能を備えたメニューに移ることができる。
【0169】
また処理214において電波吸収体の対策範囲を計算し、その結果を電波伝搬環境1402に反映させた対策後の電波伝搬環境1412も表示される。
【0170】
対策後の計算結果を示す電界強度分布および電界プロファイルは対策前と同様にしてそれぞれ1414,1416のように表示される。表示内容変更ボタン
1418,1420はそれぞれ1404,1410と同じ機能を持つ。
【0171】
図2におけるステップ220において、上記までの処理による対策結果が妥当であるか否かを判定する。判定は要対策パスが存在するか否かを判定することによって行われる。
【0172】
評価結果は表示装置に例えば1422のように表示される。もし評価結果が
OKであれば本電波伝搬環境における処理を終了する。
【0173】
一方評価結果がOKでなければ処理200へ戻る。評価結果がOKでない場合として、例えば直接波が漏洩している場合や、電波吸収体対策可否フラグがオンに設定されている面に一度も反射しない、すなわちすべてオフに設定されている面に反射して到達する反射波が存在することが考えられる。
【0174】
表示装置に表示される評価結果は要対策パスの内容に応じて変化する。例えば要対策パスが直接波の場合は“直接波が漏洩しています”というメッセージが表示される。
【0175】
また電波吸収体対策可否フラグがオフに設定されている面に反射して到達する反射波である場合は“対策不可能な面からの反射波が到達しています”というメッセージが表示される。
【0176】
以下直接波が漏洩している場合を例にとり、評価結果がOKでない場合の処理について説明する。
【0177】
図14に示した電力分布の例1406および1414の場合、直接波が通信領域の外側に到達している。そのため評価結果として“直接波が漏洩しています”というメッセージが表示される。
【0178】
直接波の漏洩対策処理は前述した図2における対策範囲算出処理214では対策できない。そのため直接波が漏洩している場合、評価結果メッセージとともに対策内容が提示される。
【0179】
対策内容として、“壁面設置”1424という対策が提示される。この対策内容はクリック可能なメニューとして画面に表示される。
【0180】
壁面設置による対策処理方法について図15および図16を用いて説明する。
【0181】
図15は図14における“壁面設置”1424メニューをクリックすることによって表示される画面の例である。
【0182】
図15において、電波伝搬環境1402の上方図が表示される。上方図には基地局1502や屋根等の構造物1504,本線1506や隣接車線1508,本線と隣接車線を区切る分離帯1510,対策済の電波吸収体の設置範囲1512,受信点位置1514,基地局から受信点までの電波伝搬パス1516が表示される。
【0183】
また壁面の電気特性をあらわすデータおよび電波吸収体対策可否が入力可能なメニュー画面1520も表示される。
【0184】
壁面設置範囲の算出処理の内容について図16を用いて説明する。
【0185】
図16において、jは対策パスID、Npath は要対策パス総数、kは対策パスjにおける点IDである。
【0186】
ステップ1600においてjを0にセットする。ステップ1602において壁面を無限平面と仮定して、平面の存在位置を図15中の1518のように入力する。
【0187】
これは例えばCADツールのようなGUI画面を用いて入力される。あるいは直接面の方程式、すなわちax+by+cz+d=0を入力可能な画面を表示させてもよい。
【0188】
ステップ1604においてkを0にセットする。ステップ1606において点IDk,k+1で構成される線分がこの平面と交差するか否かを判定する。
【0189】
具体的には点IDk,k+1の座標値をax+by+cz+dに代入し、この値の結果が異符号であれば平面と交差すると判定される。
【0190】
もし交差すると判定されればこの対策パスjにおける処理を終了し、ステップ1608において平面とこのパスとの交点を計算する。
【0191】
そしてステップ1610においてjの値をインクリメントして次の対策パスにおける平面との交点を探索する処理に進む。
【0192】
一方もし結果が同符号であればステップ1612においてkの値をインクリメントしてステップ1606の処理を繰り返す。そしてすべての要対策パスについて平面との交点を計算したならば、ステップ1614において壁面の設置範囲を算出する。具体的には交点の各成分の最大値と最小値を求め、この交点の集合を包含する最小の長方形を壁面設置範囲とする。
【0193】
上記に説明した処理は決定ボタン1522を押下した後に実行される。このボタンを押した後、図14に示す画面に戻ることができる。
【0194】
上記のように入力データを再入力した後、再計算ボタン1426をクリックすることによって再計算処理が行われる。
【0195】
再計算処理は図2におけるステップ202からステップ216までの処理を行うことにより実行される。壁面設置処理により電波伝搬環境が改善された場合の画面表示例を図17に示す。この場合評価結果1702には良好である旨のメッセージが表示される。
【0196】
表示部114にはさらに各種条件を変更できるメニューが例えば1704のようにクリック可能なボタンとして画面上に表示される。アンテナ指向特性変更メニューを選択した場合は、アンテナ指向特性を決定するパラメータ、すなわち素子数,素子間隔,各素子の給電係数を変更可能な画面が表示される。
【0197】
壁面設置位置メニューを選択した場合は、壁面構造物を形成する面の4点を座標を直接入力できる画面が表示される。あるいはCADツールのようなGUI画面によって入力できる画面が表示されてもよい。
【0198】
吸収体特性変更メニューを選択した場合は、入力データにおける吸収体特性データ、すなわち入射角度に対する減衰量のデータを変更する画面が表示される。
【0199】
構造物追加/変更メニューを選択した場合は、入力した構造物データの面の座標を変更できる画面が表示される。変更の仕方は構造物を構成する面の座標を直接入力できるメニューが表示される。あるいはCADツールのようなGUI画面によって入力できる画面が表示されてもよい。
【0200】
路側アンテナ設置位置変更メニューを選択した場合は、路側アンテナの設置位置座標を変更できるメニューが表示される。
【0201】
これらの処理は図2のフローにおいてステップ200に相当し、データ入力後は上記までに説明した計算処理が繰り返される。
【0202】
本実施例における以上までの説明では、自動料金収受システムにおける適用を想定したが、都市流入課金や駐車場システム,ファーストフォード店におけるドライブスルーなどにおける課金および情報提供手段等、ITSにおける無線通信システムへの適用も可能である。さらには室内無線LANにおける電波環境の評価にも適用可能である。
【0203】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば基地局から送信される電波の伝搬特性を解析し、必要かつ十分な所望の通信領域外への電波漏洩を抑制するための対策、具体的には電波吸収体の設置範囲や壁面の設置範囲を提示することができ、電波伝搬環境の改善設計を効率的に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のハードウェア構成を示す図である。
【図2】本発明の全体計算処理を示すフローチャートである。
【図3】電波伝搬環境モデルの入力データ構造を示す図である。
【図4】入力方法の一例を示す図である。
【図5】パス探索処理を示すフローチャートである。
【図6】パス探索処理の一例を示す図である。
【図7】判定処理の一例を示す図である。
【図8】受信電力算出処理を示すフローチャートである。
【図9】解析結果に関する記憶内容の一例を示す図である。
【図10】対策パスデータに関する記憶内容の一例を示す図である。
【図11】対策範囲算出処理を示すフローチャートである。
【図12】対策面に関する記憶内容の一例を示す図である。
【図13】電波吸収体を設置した場合の反射損失算出処理を示すフローチャートである。
【図14】電波環境に対策が必要な場合における、表示装置に表示される内容の一例を示す図である。
【図15】電波漏洩防止のための壁面を設置するための処理の内容を示す図である。
【図16】壁面設置範囲算出処理を示すフローチャートである。
【図17】電波環境に問題がない場合における、表示装置に表示される内容の一例を示す図である。
【符号の説明】
100…入力部、102…中央処理部、104…パス探索部、106…受信電力算出部、108…判定部、110…対策範囲算出処理部、112…記憶部、
114…表示部、200…電波環境モデルデータ入力処理、204…パス探索処理、206…電力算出処理、210…受信電力と閾値電力との比較処理、214…必要対策範囲算出処理、216…受信電界強度算出処理、218…表示装置への結果出力処理、220…評価結果の判定処理、300…電波環境モデルデータ入力、900…解析結果記憶内容、1000…対策パスデータ記憶内容。

Claims (8)

  1. コンピュータ上で送信局から送信される電波の受信局での伝搬特性を解析するものにおいて、通信領域の大きさを表す情報を入力し、電波が入力された通信領域の領域外に漏洩しているか否かを判定するための指標となる伝搬パスの受信電力閾値を表す情報を入力し、算出した各電波伝搬パスの受信局における受信電力と入力された閾値と比較することによって所望の通信領域の領域外に電波が漏洩しているか否かを判定し、
    所望の通信領域の領域外に漏洩する電波が反射波の場合、構造物を形成する面における当該電波伝搬パスの反射点の存在する範囲を電波吸収体設置範囲として算出することを特徴とする電波環境評価方法。
  2. コンピュータ上で送信局から送信される電波の受信局での伝搬特性を解析するものにおいて、通信領域の大きさを表す情報を入力し、電波が入力された通信領域の領域外に漏洩しているか否かを判定するための指標となる伝搬パスの受信電力閾値を表す情報を入力し、算出した各電波伝搬パスの受信局における受信電力と入力された閾値と比較することによって所望の通信領域の領域外に電波が漏洩しているか否かを判定し、
    構造物を形成する各面の情報として電波吸収体の設置が可能な面であるか否かを設定する情報を入力し、
    入力される情報がフラグであり、このフラグが1に設定されている面に対してのみ電波吸収体を設置可能とし、当該面における電波吸収体設置範囲を算出することを特徴とする電波環境評価方法。
  3. コンピュータ上で送信局から送信される電波の受信局での伝搬特性を解析するものにおいて、通信領域の大きさを表す情報を入力し、電波が入力された通信領域の領域外に漏洩しているか否かを判定するための指標となる伝搬パスの受信電力閾値を表す情報を入力し、算出した各電波伝搬パスの受信局における受信電力と入力された閾値と比較することによって所望の通信領域の領域外に電波が漏洩しているか否かを判定し、
    電波吸収体の特性を表す情報である電波の入射角度に対する減衰量データを入力し、電波吸収体を設置する面を金属体に置き換えて面に到達した伝搬パスの受信局における受信電力を再計算し、前記再計算結果に前記面への入射角度に応じた減衰量を乗算することによって電波吸収体設置後の受信局における受信電力を算出することを特徴とする電波環境評価方法。
  4. 請求項1において、対策前の構造物モデルおよび各電波伝搬パス毎の受信電力,各受信点におけるすべての電波伝搬パスの合成受信電力,電波漏洩防止対策処理範囲を示したデータ,電波漏洩防止対策処理後の各電波伝搬パス毎の受信電力および合成受信電力を表示装置に表示することを特徴とする電波環境評価方法。
  5. 通信領域の大きさを表す情報を入力する機能と、
    電波が前記機能により入力された通信領域の領域外に漏洩しているか否かを判定するための指標となる伝搬パスの受信電力閾値を表す情報を入力する機能と、
    算出した各電波伝搬パスの受信局における受信電力と、前記受信電力閾値を表す情報を入力する機能により入力された閾値と、を比較することによって所望の通信領域の領域外に電波が漏洩しているか否かを判定する機能と、
    漏洩した電波伝搬パスに関する情報を記憶する機能と、を実行し、
    さらに所望の通信領域の領域外に漏洩する電波が反射波の場合、構造物を形成する面における当該電波伝搬パスの反射点の存在する範囲を電波吸収体設置範囲として算出する機能を実行するためのプログラム。
  6. 通信領域の大きさを表す情報を入力する機能と、
    電波が前記機能により入力された通信領域の領域外に漏洩しているか否かを判定するための指標となる伝搬パスの受信電力閾値を表す情報を入力する機能と、
    算出した各電波伝搬パスの受信局における受信電力と、前記受信電力閾値を表す情報を入力する機能により入力された閾値と、を比較することによって所望の通信領域の領域外に電波が漏洩しているか否かを判定する機能と、
    漏洩した電波伝搬パスに関する情報を記憶する機能と、を実行し、
    さらに構造物を形成する各面の情報として電波吸収体の設置が可能な面であるか否かを設定するフラグを入力する機能を実行し、
    当該機能により入力されたフラグが1に設定されている面に対してのみ電波吸収体を設置可能とし、当該面における電波吸収体設置範囲を算出する機能を実行するためのプログラム。
  7. 通信領域の大きさを表す情報を入力する機能と、
    電波が前記機能により入力された通信領域の領域外に漏洩しているか否かを判定するための指標となる伝搬パスの受信電力閾値を表す情報を入力する機能と、
    算出した各電波伝搬パスの受信局における受信電力と、前記受信電力閾値を表す情報を入力する機能により入力された閾値と、を比較することによって所望の通信領域の領域外に電波が漏洩しているか否かを判定する機能と、
    漏洩した電波伝搬パスに関する情報を記憶する機能と、を実行し、
    さらに電波吸収体の特性を表す情報である電波の入射角度に対する減衰量データを入力する機能と、電波吸収体を設置する面を金属体に置き換えて面に到達した伝搬パスの受信局における受信電力を再計算する機能と、前記再計算結果に前記面への入射角度に応じた減衰量を乗算することによって電波吸収体設置後の受信局における受信電力を算出する機能を実行するためのプログラム。
  8. 通信領域の大きさを表す情報を入力する機能と、
    電波が前記機能により入力された通信領域の領域外に漏洩しているか否かを判定するための指標となる伝搬パスの受信電力閾値を表す情報を入力する機能と、
    算出した各電波伝搬パスの受信局における受信電力と、前記受信電力閾値を表す情報を入力する機能により入力された閾値と、を比較することによって所望の通信領域の領域外に電波が漏洩しているか否かを判定する機能と、
    漏洩した電波伝搬パスに関する情報を記憶する機能と、を実行し、
    さらに対策前の構造物モデルおよび各電波伝搬パス毎の受信電力,各受信点におけるすべての電波伝搬パスの合成受信電力,電波漏洩防止対策処理範囲を示したデータ,電波漏洩防止対策処理後の各電波伝搬パス毎の受信電力および合成受信電力を表示装置に表示する機能を実行するためのプログラム。
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