JP4019591B2 - 画像読取装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像読取装置に関し、特に複写機等の画像形成装置に用いて好適な画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置、例えばデジタル複写機では、光学系を担持したキャリッジに駆動機構を介してキャリッジ・モータの回転を伝えることで、当該キャリッジをプラテンガラス下面に沿って往復移動させる。そして、その往路において、プラテンガラス上に載置された原稿の画像情報を、光学系を通してCCD(Charge Coupled Device)リニアセンサ等のイメージセンサに結像させることにより、原稿画像の読取りが行われる。
【0003】
ところで、近年、上記光学系、キャリッジ、キャリッジ・モータ、駆動機構、イメージセンサ等を含む画像読取装置の読取速度の高速化が求められている。この高速化に関しては、従来、画像読取動作を行う往路の等速域での速度は、CCDイメージセンサ等のデバイスの動作速度に限界があるため、画像読取動作を行っていない復路での加速/減速域の加速度や復路での等速域の速度を上げることにより、高速化を実現している。
【0004】
ところが、更なる高速化を考えたときに、復路の加速/減速域での加速度アップや復路での等速域の速度アップにより、復路動作時の必要電力がさらに増大することから、キャリッジの復路動作中に自動原稿搬送装置の原稿を搬送する動作を行う場合に、従来問題とならなかった電力上の制約が新たに生じるため、自動原稿搬送装置の動作タイミングと復路でのキャリッジの動作タイミングとをずらす対策をとる必要がある。その結果、かえって読取枚数が低下することになる。
【0005】
また、近年、画像読取装置のカラー化が進んできている。このカラー画像読取装置では、イメージセンサとして、R(赤)G(緑)B(青)の3ラインCCDリニアセンサを用い、この3ラインCCDリニアセンサで原稿画像の読取りおよび画像処理を行うことになるため、従来の白黒読取りで使用していた1ラインCCDリニアセンサで画像読取りおよび画像処理を行う場合よりも電力が多く必要となる。
【0006】
このため、キャリッジの駆動や自動原稿搬送装置の駆動に許容される電力が低くなることから、従来問題なく実施されていたキャリッジの復路動作中に自動原稿搬送装置による原稿の搬送動作を行うことが難しくなるため、更なる高速化を考えた場合と同様に、自動原稿搬送装置の動作タイミングと復路でのキャリッジの動作タイミングとをずらす対策をとる必要があり、かえって読取枚数が低下することになる。
【0007】
従来、キャリッジ駆動用のモータの速度プロファイルとモータ電流の関係に関しては、図7に示すように、モータ電流を往路動作の減速開始位置で上げ、復路動作の加速立上域▲1▼、等速域▲2▼、減速域▲3▼では、その上げた電流値(図中、電流・高)のモータ電流を流し続ける方式が一般的に採られている(例えば、特開平7-199370号公報、特開平11−187696号公報参照)。
【0008】
ここで、メカ系におけるキャリッジ等の移動体の質量をM、その加速度をα、摩擦負荷をf0とした場合に、キャリッジ・モータの必要トルクFを考えると、復路動作の加速立上域▲1▼ではF≧M・α+f0、等速域▲2▼ではF≧f0(∵α=0)、減速域▲3▼ではF≧M・α−f0となる。
【0009】
すなわち、本当にモータパワーが必要となるのは、加速立上域▲1▼のみである。このことから、加速立上域▲1▼のみ(実際には、等速エリアのメカ系振動減衰域を含む)に高電流値のモータ電流を流せばよく、等速域▲2▼および減速域▲3▼では、加速立上域▲1▼よりもモータ電流の電流値を低下させ得ることが判る。
【0010】
なお、実際の設計では、メカ系の摩擦負荷のバラツキ、モータのトルクバラツキ、電圧バラツキがあるために、上記の必要トルクFに対してトルクマージン係数βを掛け、加速立上域▲1▼ではβ×(M・α+f0)、等速域▲2▼ではβ×f0、減速域▲3▼ではβ×(M・α−f0)のモータトルクが出力されるように、モータ電流を流すのが一般的である。
【0011】
このように、復路動作の加速域▲1▼、等速域▲2▼、減速域▲3▼の全てで上記3式の最大値でなるトルク:β×(M・α+f0)を出力するように、モータに電流を流すモータ駆動方法に対して、図8に示すように、等速域▲2▼および減速域▲3▼でそれぞれ必要な電流(図中、電流・中1/電流・中2)に落とすモータ駆動方法を採ることも考えられる。このモータ制御方法によれば、モータ電流の電流値を更に低下させ得ることが判る。なお、トルクマージン係数βとしては、30%程度のトルクマージンを考慮してβ=1.3程度に設計しているのが一般的である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、等速域▲2▼および減速域▲3▼でそれぞれ必要な電流に落とすモータ駆動方法を採ったとしても、上記トルクマージンを考慮して実際にキャリッジを動かしてみると、以下に説明する2つのケースの脱調問題が発生する。その1つ目の問題は、モータ電流の切替え直後の位置で、モータが負荷に負けて入力パルスに追従せず動かなくなるケースである。
【0013】
これは、等速域▲2▼でモータ電流を低下させた瞬間に電流低下が原因となるキャリッジのビビリ振動(=加速度α´:α´≪α)が発生し、条件によって、(β×f0)の値よりも加速度α´による等速域▲2▼での必要トルク:M・α´+f0の値が大きくなるためである。この問題に関しては、等速域▲2▼と減速域▲3▼のマージン係数のみを加速立上域▲1▼のトルクマージン係数βよりも若干大きな値β´、例えばβ´=1.4〜1.5程度にすることにより回避が可能となる。
【0014】
そして、2つ目の問題は、読取り原稿幅が狭くなればなるほど、トルクマージン係数β´の値をさらに大きく設定しないと、脱調を防止できなくなるケースである。これは、読取り原稿のサイズが小さくなればなるほど、等速域▲2▼の途中での電流切替えから減速域▲3▼の開始時の電流切替えまでの時間が短くなり、電流切替え時のビビリ振動が減衰終了しない間に次の電流切替えによる振動が発生することで振動の増幅(発散)が生じるためである。
【0015】
この場合、最悪の条件が重なると、電力(電流値)の低減に反して、加速立上域▲1▼でのβ×(M・α+f0)以上のトルクが出力されるように、モータ電流を設定しなくてはならないケースもある。また、読取り原稿のサイズが小さくなればなるほど、高速モータ回転時の短時間の間に電流を2回も切り替える制御が必要とされるため、制御上からも避けたい動作である。
【0016】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、キャリッジの駆動系における脱調の問題を回避しつつ、復路動作の電力(モータ電流の電流値)を低減することが可能な画像読取装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明による画像読取装置は、読取位置にセットされた原稿の画像情報を読み取る読取手段と、キャリッジ・モータを駆動源とし、前記読取手段の光学系を担持したキャリッジを往復動作させる駆動手段と、キャリッジの往路動作の加速、等速、減速の各制御と、復路動作の加速、等速、減速の各制御を行うとともに、復路動作での加速域終了後の等速域の特定タイミングでキャリッジ・モータに流すモータ電流の設定値を、復路動作での加速域の電流値よりも低下させ、かつその低下させた電流値を少なくとも復路動作での減速域終了まで継続する制御手段とを備える構成となっている。
【0018】
上記構成の画像読取装置において、キャリッジ・モータは、読取手段の光学系を担持したキャリッジを往復動作させる駆動源となる。このキャリッジ・モータを駆動制御する制御手段は、キャリッジの復路動作では、等速域の特定タイミングでキャリッジ・モータに流すモータ電流の電流値を下げる。このときの設定値は、復路動作での加速域の電流値よりも低く設定する。そして、その低下させた電流値を少なくとも復路動作での減速域終了まで継続する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像読取装置の内部機構を示す概略構成図である。なお、本実施形態に係る画像読取装置は、一例として、デジタル複写機等の画像形成装置に搭載されて用いられる。
【0020】
図1において、読取対象の原稿11は、自動原稿搬送装置12によって搬送され、プラテンガラス13上の読取位置にセットされる。この読取位置にセットされた原稿11には、露光ランプ14から発せられる光が照射される。そして、この照射光に基づく原稿11からの反射光は、第一ミラー15、第二ミラー16および第三ミラー17を経た後、結像レンズ18によってCCDイメージセンサ19の撮像面上に結像される。
【0021】
ここで、露光ランプ14および第一ミラー15を含む光学系は、フルレートキャリッジ20に搭載されて図の左右方向、即ち副走査方向において移動自在となっており、露光ランプ14から発せられる光によって原稿面を照射しながら副走査方向に移動することによって原稿画像を読み取る。一方、第二,第三ミラー16,17を含む光学系は、ハーフレートキャリッジ21に搭載されてフルレートキャリッジ20のほぼ半分の行程において移動可能となっている。
【0022】
CCDイメージセンサ19としては、白黒対応の場合には、1ラインCCDリニアセンサが用いられる。また、カラー対応の場合には、RGB3ラインCCDリニアセンサが用いられる。CCDイメージセンサ19は、その読取結果をアナログ画像信号として出力する。このアナログ画像信号は、画像処理/制御部22に供給される。
【0023】
この画像処理/制御部22は、CCDイメージセンサ19からのアナログ画像信号に対して、その信号の白レベルを白基準レベルに合わせる処理、黒レベルを黒基準レベルに合わせる処理などの各種の信号処理を施した後、A/D変換してデジタル画像データとして出力するとともに、自動原稿搬送装置12の駆動源である原稿搬送モータ(図示せず)や、フルレートキャリッジ20およびハーフレートキャリッジ21の駆動源であるキャリッジ・モータ(M)23の駆動制御を行う。このキャリッジ・モータ23の駆動制御の具体例については、後で詳細に説明する。
【0024】
自動原稿搬送装置12は、セットされた原稿11をプラテンガラス13上の読取位置に自動的に搬送するためのものであり、ナジャーロール24、フィードロール25、デュープレックスロール26,27、レジロール28、原稿搬送/排出ベルト29およびイグジットロール30を有し、それらの駆動源である原稿搬送モータ(図示せず)を内蔵した構成となっている。
【0025】
また、原稿11のセット位置にはドキュメントセンサ31が、デュープレックスロール26,27間にはデュープセンサ32が、レジロール28の近傍にはレジセンサ33が、イグジットロール30の手前にはイグジットセンサ34がそれぞれ配されている。そして、これらセンサの検知信号に基づいて、原稿11の搬入、搬出が行われる。
【0026】
続いて、画像処理/制御部22におけるキャリッジ・モータ23の制御形態について詳細に説明する。
【0027】
画像処理/制御部22は、プラテンガラス13の読取位置に載置された原稿の画像情報を所定のタイミングで読み取る画像読取動作を行う際に、キャリッジ・モータ23の駆動制御を行うことで、キャリッジ20,21の往路動作(以下、単に往路動作と称す)の加速、等速、減速の各制御と、停止動作および停止後にモータ23を逆回転させ、キャリッジ20,21の復路動作(以下、単に復路動作と称す)の加速、等速、減速の各制御を順次行う。
【0028】
このキャリッジ・モータ23の駆動制御において、先ず、画像処理/制御部22の制御形態について、図2に示す速度プロファイル-モータ電流の関係図を参照しつつ図3のフローチャートに沿って説明する。
【0029】
画像処理/制御部22は、時刻t1で所定の電流値HFのモータ電流をキャリッジ・モータ23に流す(ステップS11)。すると、その回転運動が駆動機構(図示せず)を介して直線運動としてキャリッジ20,21に伝達されることにより、キャリッジ20,21が往路動作を開始する。
【0030】
その後加速域を経て等速域に入ると(ステップS12)、特定時間(≧0msec)電流値HFのモータ電流を流し続け(ステップS13)、その後時刻t2で、画像処理/制御部22は、モータ電流を電流値HFのほぼ半分程度の電流値Lまで下げる(ステップS14)。そして、この電流値Lのモータ電流をモータ23に流し続けることによって定速駆動を行う。これにより、キャリッジ20,21が一定の速度で移動を続け、この往路動作における等速域で原稿画像の読取動作が行われる(ステップS15)。
【0031】
次に、画像読取動作が終了したら(ステップS16)、減速を開始する時刻t3で、画像処理/制御部22は、モータ23に流すモータ電流を電流値HRまで上げ、短時間でモータ23を停止させる減速域に入る(ステップS17)。やがてモータ23の回転が停止し、続いてモータ23への電流の順番を反転させることでモータ23は逆回転を開始し、復路動作の加速域▲1▼に入る。
【0032】
そして、加速域▲1▼を経て等速域▲2▼に入ると(ステップS18)、特定時間(≧0msec)電流値HRのモータ電流を流し続け(ステップS19)、その後時刻t4で、画像処理/制御部22は、モータ電流を電流値Mまで下げる(ステップS20)。この電流値Mは、往路動作の加速立上域での電流値HFよりも低い値に設定される。モータ電流が電流値Mまで下げた状態で、キャリッジ20,21は定速動作を行った後減速域▲3▼に入り、やがて時刻t5で停止する(ステップS21)。
【0033】
以上の一連の制御により、1枚目の原稿の画像読取動作が終了する。そして、引き続き2枚目の原稿がセットされていれば(ステップS22)、ステップS11に移行することで、制御キャリッジ20,21は、キャリッジ・モータ23に対する上述した一連の制御を繰り返して実行する。これにより、1枚目の原稿の場合と同様にして、2枚目の原稿の画像読取動作が行われる。
【0034】
上述したように、復路動作における加速域▲1▼終了後の等速域▲2▼動作の特定タイミング(時刻t4)で、モータ電流の設定値を復路動作の加速域▲1▼の電流値HRよりも低下させ、かつその低下させた電流値Mを少なくとも復路の減速域▲3▼終了時(時刻t5)まで継続するように、キャリッジ・モータ23を駆動制御することにより、次のような効果が得られる。
【0035】
その1つとして、先述したトルクマージン係数β´(加速立上域のトルクマージン係数βよりも若干大きな値)を目的に反する大きな値に設定する必要がなくなる。2つ目として、サイズの小さい原稿を読み取るケースでも、従来技術で述べた制御方法の場合のように、高速モータ回転時の短時間の間に2回もモータ電流を切り替える必要がないため、その制御のためのソフトウエアへの負担を軽減できる。
【0036】
なお、このときの等速域▲2▼と減速域▲3▼でのモータ電流の電流値Mは、等速域▲2▼での必要トルク:β´×f0と、減速域▲3▼での必要トルク:β´×(M・α−f0)のうち、高い方のトルクが継続的に出力されるように設定される。
【0037】
ここまでは、画像読取装置単独の動作について説明してきたが、図1に示すように、自動原稿搬送装置12を具備する場合には、画像処理/制御部22は、以下に説明するような制御を行うようにすれば良い。
【0038】
すなわち、画像処理/制御部22は、自動原稿搬送装置12の内部に位置し、原稿を搬入あるいは搬出する際の駆動源となる原稿搬送モータ(図示せず)の少なくとも1つを、図4に示すように、画像読取装置の復路動作の加速域では停止状態とし、その後のモータ電流の電流値Mへの低下開始タイミング、あるいはその低下開始後の特定タイミングで当該モータの駆動を開始するように制御する。
【0039】
ここで、自動原稿搬送装置12の内部に位置する原稿搬送モータとは、原稿をプラテンガラス13上に搬送する機構(図1中のローラ24〜28や、原稿搬送/排出ベルト29等)を駆動するモータ、あるいは原稿をプラテンガラス13上から排出する機構(図1中の原稿搬送/排出ベルト29等やイグジットローラ30等)を駆動するモータである。
【0040】
このように、復路動作における加速域終了後の等速域動作でモータ電流を加速域での電流値HRよりも低下させた後、特定のタイミングで自動原稿搬送装置12内の原稿搬送モータの駆動を開始することで、従来のように、自動原稿搬送装置12の動作タイミングと復路時のキャリッジ20,21の動作タイミングとをずらす必要がなくなる。すなわち、復路時のキャリッジ20,21の動作が完全に終了した後に自動原稿搬送装置12の動作を開始する必要がなくなり、復路動作の途中で次の原稿を搬入できるため、画像読取装置の高速化が可能となる。
【0041】
また、画像処理/制御部22は他の制御形態として、キャリッジ加速時の振動の影響で復路の等速域に入っても振動が減衰しきれていない状態では、その速度実波形において加速度がゼロとなるタイミングで、復路等速域でのモータ電流を電流値HRから電流値Mへ低下させるように制御する。具体的には、速度実波形において、速度が最大又は最小となるところが加速度ゼロとなるので、速度が最大又は最小となるところを周知の検出法で検出し、そのポイントで復路等速域でのモータ電流を電流値Mへ低下させるようにする。
【0042】
このように、復路等速域での電流値Mへの低下開始タイミングを、等速域に入っても振動が減衰しきれていない速度実波形において、加速度がゼロとなるタイミングと一致させることにより、例えば加速度が最大となる点で切り替えるのに対してはるかに切替え後の振動レベルが低くなるため、トルクマージン係数β´を低い値に抑えることが可能となり、結果として、低電力(低電流値)化を達成できる。
【0043】
画像処理/制御部22はさらに他の制御形態として、復路加速立上域の終了後の振動を早期に減衰させて、モータ電流の電流値Mへの低下時間を少しでも延ばすために、復路加速域でのキャリッジ・モータ23の速度曲線が、図5に示すように、高速になるに連れて加速度が徐々に低下するプロファイルとなるように制御する。
【0044】
ここで、キャリッジ・モータ23としては、一般的に、ステッピング・モータが使用されている。そして、このステッピング・モータは、同じ電流値であっても高速に回転させると出力トルクが低下する。図6に、ステッピング・モータのトルク曲線を示す。
【0045】
ところで、加速度αが一定値とした場合には、復路最速度時(=復路等速域)のモータトルクマージンを確保する必要がある。復路等速域でのモータ駆動周波数を20000ppsとし、このモータで電流値を変更したときのトルク曲線を調べると、20000pps時には、図6において、計算値:M・α+f0と、電流値6(A)のトルク曲線とが交差する。
【0046】
この場合、ここから更にトルクマージン係数βを考慮すると、復路等速域でのモータ電流としては、7(A)〜8(A)の電流値の設定が必要になる。ところが、電流値:6(A)のトルク曲線の低速回転域を見ると、トルクマージンは、過剰な値がとれていることが判る。
【0047】
そこで、実際のトルク曲線をベースに加速度αをモータ速度が高速になるに連れて加速度が徐々に低下するように設定する。理想的には、図6のトルク曲線を基本に、トルクマージン係数βで割ったトルク曲線を算出し、加速時のそれぞれのモータ駆動周波数において、それぞれの加速度を算出することで、トルク上無駄のない加速度を求めることができる。
【0048】
その結果、復路等速域でのモータ電流を、従来の加速度αが一定値とした場合よりも低速回転時の加速度が高い分だけ下げることができる。また、高速になると加速度が低下するため、従来のように、加速度αが一定値の場合よりも減衰速度が速い上、復路加速域でのモータ電流の低下により等速域での電流切替え後の電流値の差分が小さくなり、その結果、切替え後のキャリッジ振動を小さく抑えることも可能になる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、光学系を担持したキャリッジの復路動作において、加速域終了後の等速域の特定タイミングでキャリッジ・モータに流すモータ電流の設定値を、復路動作での加速域の電流値よりも低下させ、かつその低下させた電流値を少なくとも復路動作での減速域終了まで継続するようにしたことにより、キャリッジの駆動系における脱調の問題を回避しつつ、復路動作での電力(電流値)を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る画像読取装置の内部機構を示す概略構成図である。
【図2】 画像読取装置でのキャリッジ・モータの制御における速度プロファイルとモータ電流の関係を示す図である。
【図3】 キャリッジ・モータの制御手順を示すフローチャートである。
【図4】 自動原稿搬送装置を具備した場合における各モータの速度プロファイルとモータ電流の関係を示す図である。
【図5】 他の制御形態でのキャリッジ・モータの制御における速度プロファイルとモータ電流の関係を示す図である。
【図6】 ステッピング・モータのトルク曲線を示す図である。
【図7】 従来例でのキャリッジ・モータの制御における速度プロファイルとモータ電流の関係を示す図である。
【図8】 他の従来例でのキャリッジ・モータの制御における速度プロファイルとモータ電流の関係を示す図である。
【符号の説明】
11…原稿、12…自動原稿搬送装置、13…プラテンガラス、18…結像レンズ、19…CCDイメージセンサ、20…フルレートキャリッジ、21…ハーフレートキャリッジ、22…画像処理/制御部、23…キャリッジ・モータ
Claims (4)
- 読取位置にセットされた原稿の画像情報を読み取る読取手段と、
キャリッジ・モータを駆動源とし、前記読取手段の光学系を担持したキャリッジを往復動作させる駆動手段と、
前記キャリッジの往路動作の加速、等速、減速の各制御と、復路動作の加速、等速、減速の各制御を行うとともに、復路動作での加速域終了後の等速域の特定タイミングで前記キャリッジ・モータに流すモータ電流の設定値を、復路動作での加速域の電流値よりも低下させ、かつその低下させた電流値を少なくとも復路動作での減速域終了まで継続する制御手段と
を備えることを特徴とする画像読取装置。 - 前記読取位置に原稿を搬入する機構およびこれを駆動するモータ、あるいは前記読取位置から原稿を搬出する機構およびこれを駆動するモータを内蔵する自動原稿搬送手段を備え、
前記制御手段は、前記自動原稿搬送装置内のモータの少なくとも1つを、前記復路動作での加速域では停止状態とし、その加速域終了後における前記モータ電流の電流値低下開始タイミング、あるいは前記電流値低下開始後の特定タイミングで回転開始する
ことを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。 - 前記制御手段は、前記電流値低下開始タイミングを、前記復路動作の等速域に入っても振動減衰しきれていない速度実波形において、加速度がゼロとなるタイミングに一致させる
ことを特徴とする請求項1又は2記載の画像読取装置。 - 前記制御手段は、前記復路動作の加速域での前記キャリッジ・モータの速度曲線を、モータ速度が高速になると加速度が低下するプロファイルとする
ことを特徴とする請求項1又は2記載の画像読取装置。
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