JP4016924B2 - インクジェット記録装置用ベルト搬送機構、及び、これを備えたインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置用ベルト搬送機構、及び、これを備えたインクジェット記録装置 Download PDF

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Description

本発明は、記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において記録媒体を搬送するために用いられるベルト搬送機構、及び、これを備えたインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録装置は、ヘッドに形成されたノズルから吐出させたインクを用紙に付着させることでその上に所望の画像を形成するための装置である。係るインクジェット記録装置において、記録媒体としての用紙を搬送するための機構としてベルト搬送機構が用いられることがある。用紙の搬送方向についてのヘッド占有長さが長い場合、ベルトを用いずに複数のローラ対で用紙を挟んで搬送するローラ搬送機構では比較的短い用紙を搬送することができないが、ベルト搬送機構ではそのような短い用紙でも搬送可能である。
一方、インクジェット記録装置では、ノズルからインクが吐出されない状態が長時間連続すると、インクメニスカスの表面が乾燥してインク吐出不良が生じてしまう。これを防止するには、非印刷時に用紙以外の場所に向けてノズルからインクを強制的に吐出するいわゆるフラッシングを定期的に行う必要がある。
ヘッドが用紙の搬送方向と直交する方向に往復移動するシリアル式インクジェット記録装置の場合、非印刷時にヘッドを用紙搬送経路から外れた位置に移動させることでフラッシングを迅速に行うことができる。ところが、ヘッドが用紙搬送方向と直交する方向に沿って固定配置されたライン式インクジェット記録装置の場合、例えば用紙搬送機構として上述のベルト搬送機構が採用されているときには、ベルト搬送機構又はヘッドを退避させてからインクを受け止める部材をヘッドと対向する位置にまで移動させる必要があり、構成が複雑になると共に、迅速にフラッシングを行うことが困難である。
そこで、ベルト搬送機構が採用されたライン式インクジェット記録装置において迅速なフラッシングを可能にする技術として、搬送ベルトの一部に開口部を設けると共に、搬送ベルトを挟んでヘッドと対向する位置に吸収体を含む回復機構部を配設し、搬送ベルトの開口がヘッド下方に位置するときに開口に向けてインクを吐出して回復機構部でインクを吸収させる技術がある(特許文献1,2参照)。
特開2001−113690号公報(図1、図3) 特開2001−287377号公報(図1、図3)
しかしながら、上記技術では、搬送ベルトに開口が存在することによって搬送ベルトの強度が大幅に低下し、所望のベルト張力が得られず用紙搬送機能が低下したり、搬送ベルトの寿命が短くなったりするという問題がある。
本発明の目的は、特にライン式インクジェット記録装置において比較的簡単な構成で迅速なフラッシングを可能にすると共に、搬送ベルトの強度低下が少ないインクジェット記録装置用ベルト搬送機構、及び、これを備えたインクジェット記録装置を提供することである。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の観点によると、複数のローラと、前記複数のローラに架け渡されて記録媒体を搬送するための搬送ベルトと、前記搬送ベルトの表面に形成された凹部と、前記搬送ベルトの走行方向上流側における前記凹部の底面から前記搬送ベルトの裏面に渡って設けられた、インクを保持するためのインク保持部と、前記搬送ベルトの裏面側に配置された、前記インク保持部に接触することにより前記インク保持部に保持されたインクを前記搬送ベルトの裏面側から吸収するためのインク吸収部材と、を備えていることを特徴とするインクジェット記録装置用ベルト搬送機構が提供される。
上記構成によると、搬送ベルト又はヘッドを退避させなくても凹部に向けてインクを吐出することで比較的簡単な構成で迅速なフラッシングが可能になる。また、搬送ベルトに開口部が形成されないので搬送ベルトの強度低下を少なくできる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
先ず、図1を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るベルト搬送機構を備えたインクジェットプリンタ(インクジェット記録装置)の全体構成について説明する。本実施の形態のインクジェットプリンタ1は、4つのインクジェットヘッド2を備えたカラーインクジェットプリンタである。インクジェットプリンタ1は、給紙部11(図中左側)および排紙部12(図中右側)を有し、装置内部には、給紙部11から排紙部12に向かって流れる用紙搬送経路が形成されている。
給紙部11のすぐ下流側には、一対の用紙送りローラ5a,5bが配置されており、記録媒体たる用紙が図中左方から右方へ送られるように構成されている。用紙搬送経路の中間部には、2つのローラ6,7と、両ローラ6,7間に架け渡されるように巻回されたエンドレスの搬送ベルト8とが配設されている。
搬送ベルト8は、ウレタンを含浸したポリエステル基材とシリコンゴムとの二層構造であり(図3参照)、表面80bの搬送面側はシリコンゴムで構成されていることから粘着性を有する。一対の用紙送りローラ5a,5bによって搬送されてくる用紙は、搬送ベルト8表面80bの搬送面上において、密着力により保持されながら、一方のローラ6の図中時計回りの(矢印50の方向)への回転駆動によって搬送方向下流側(図中右側)に向けて搬送されていく。
用紙のローラ6に対する挿入及び排出位置には、押さえ部材9a,9bがそれぞれ配置されている。押さえ部材9a,9bは、搬送ベルト8上の用紙が搬送面上から浮かないように、搬送ベルト8の搬送面に用紙を押し付けて搬送面上に確実に搬送させるためのものである。
用紙搬送経路に沿って搬送ベルト8の搬送方向下流側(図中右側)には、剥離機構10が設けられている。剥離機構10は、搬送ベルト8の搬送面上に密着力により保持されている用紙を当該搬送面から剥離して、右側の排紙部12側へ向けて送るように構成されている。
4つのインクジェットヘッド2は、それぞれ下端にヘッド本体2aを有している。ヘッド本体2aは、それぞれが矩形断面を有しており、その長手方向が用紙搬送方向に垂直な方向(図1の紙面垂直方向)となるように互いに近接配置されている。つまり、このプリンタ1は、ライン式プリンタである。4つのヘッド本体2aの各底面には多数のノズルが設けられており、4つのヘッド本体2aのそれぞれからは、マゼンタ、イエロー、シアン、ブラックのインクが吐出される。
ヘッド本体2aは、その下面と搬送ベルト8の搬送面との間に少量の隙間が形成されるように配置されており、この隙間部分に用紙搬送経路が形成されている。したがって、搬送ベルト8により搬送される用紙が4つのヘッド本体2aのすぐ下方側を順に通過する際、この用紙の上面(印刷面)に向けてノズルから各色のインクを吐出することで、用紙上に所望のカラー画像を形成できる。
搬送ベルト8の下側経路でローラ6の近傍には、搬送ベルト8の位置(より詳細には後述の非撥水領域(親水領域、以下同様)24xの位置)を検知するためのフォトセンサ40が配置されている。フォトセンサ40は、搬送ベルト8の表面80bから離隔して配置されており、発光部及び受光部を備えている。
搬送ベルト8で囲まれた領域内には、インクジェットヘッド2と対向する上側経路にある搬送ベルト8の裏面80a(図3参照)と接触することによって裏面80a側から搬送ベルト8を支持する2つのガイド部材21a、21b(図1には21aだけが描かれている。21bは図4参照)が配置されている。これら2つのガイド部材21a、21bの間には、図1及び図4に示すように、フェルトなどからなるほぼ直方体形状のインク吸収部材27が配置されている。
ガイド部材21a、21b、インク吸収部材27、及び搬送ベルト8などによって、本実施形態のベルト搬送機構13が構成されている。
搬送ベルト8は、2枚のシート状部材を貼り合わせた2層構造を有している。上述のように、内側シート状部材8aはウレタンを含浸したポリエステル基材からなり、外側シート状部材8bはシリコンゴムからなる(図3参照)。そして、内側シート状部材8aの一部分が外側シート状部材8bによって被覆されていないことにより、搬送ベルト8の表面80bには外側シート状部材8bの厚さと同じ高さを有する凹部24が1つだけ設けられている。
なお、インクジェットプリンタ1は、凹部24以外の部分によって用紙が搬送されるように用紙搬送タイミングを調整されている。
図2及び図3に示すように、凹部24は平面視でベルト幅に等しい幅を有する5角形をしており、その搬送ベルト8の走行方向(図中矢印で示す方向。以下、単に「走行方向」と称する)上流側の段差部24aはベルト幅方向中心位置にて走行方向上流側に頂部24bを呈するV字形状である。走行方向下流側の段差部24cはベルト幅方向に沿った直線形状である。
凹部24の底面の大部分には、シリコン剤などがコートされることによって表面に撥水加工が施された撥水シート25(図6(a)〜(d)参照)が配置されており、インクをほとんど吸収することがない。ところが、図2及び図3に示すように、凹部24の底面のうち走行方向上流側にある頂部24b近傍は、撥水シート25が配置されておらず、非撥水領域24xとなっている。非撥水領域24xは、凹部24の底面から搬送ベルト8の裏面80aに渡って設けられており、繊維糸の毛管力でその間隙にインクを保持することができる。つまり、本実施の形態において、非撥水領域24xは、インクを保持するためのインク保持部である。
また、凹部24において、その段差部24aの走行方向下流側端部と段差部24cとの距離L1は、ヘッド本体2aの幅2つ分よりもやや長い距離となっている。これは、後述するように、凹部24へのフラッシングを2つのインクジェットヘッド2を単位として行うように設定されているからである。
凹部24底面に形成された非撥水領域24xの位置は、上述したフォトセンサ40(図1参照)によって検知可能である。フォトセンサ40における発光部は搬送ベルト8の表面80bに向けて常時光を放射しており、搬送ベルト8の表面80bで反射された光を受光部で受ける。この受光部で検出した反射光の強度などから、非撥水領域24xがフォトセンサ40の設置位置にあるか否かが検知される。これと搬送ベルト8の走行速度とに基づいて、任意の時点での非撥水領域24xの位置を知ることができる。
2つのローラ6、7は、図4に示すように、長手方向中心部近傍(より詳細には搬送ベルト8の走行時に非撥水領域24xが通過する部分)が切り欠かれ、周囲よりも細径となった環状の凹部6a、7aがそれぞれ形成されている。2つのガイド部材21a、21bは同じサイズを有する直方体であって、両者は凹部6a、7aに対応する位置においてこれら凹部6a、7aと同じ幅だけ離隔している。したがって、非撥水領域24xは、搬送ベルト8が走行してもローラ6、7及びガイド部材21a、21bと接触しない。
ほぼ直方体形状を有するインク吸収部材27は、搬送ベルト8の裏面80a側であって、ガイド部材21a、21bの間のローラ6に近い位置に配置されている。インク吸収部材27は、図5(a)に示すソレノイド30などの駆動機構により、搬送ベルト8の裏面80aと接触する位置と接触しない位置とのいずれかを選択的に取ることが可能となっている。図5(a)は、図1に描かれたインク吸収部材の駆動機構を示す部分平面図である。また図5(a)は、インク吸収部材27設置位置近傍において搬送ベルト8を裏面80a側から見た図である。図5(b)は、図5(a)の手前側から見た側面図である。
インク吸収部材27を支持する樹脂などからなるホルダ27xは、図5(a)に示すように、第1リンク部材31の一端に支持されている。第1リンク部材31の他端は軸31aを介して本体フレーム60に支持されており、さらに図5(b)に示すようにこの他端の軸31aの下方には第2リンク部材32の一端32aが固定されている。第2リンク部材32の他端32bにはソレノイド30が接続されており、このソレノイド30の開閉によって第2リンク部材32の他端32bが図5(a)に矢印で示す左右いずれかの方向に移動する。また、第2リンク部材32の長手方向略中央は、軸32cを介して図示しない本体フレームにより上方から支持されている。
第2リンク部材32の他端32bが図5(a)の左方向、即ちソレノイド30に近づく方向に移動すると、第2リンク部材32は軸32cを中心に時計回りに回転し、第2リンク部材32の一端32aが他端32bとは逆に図5(a)の右方向に移動する。すると、図5(b)に示すように、第1リンク部材31が軸31aを中心に反時計回りに回転し、第1リンク部材31の一端に支持されているインク吸収部材27が図中下側に移動する。インク吸収部材27は搬送ベルト8の裏面80aに接触する位置にて停止する。また、第1及び第2リンク部材31,32が上述と逆に動作することで、インク吸収部材27が再び搬送ベルト8の裏面80aと離隔する位置に配置されるようになっている。
このようなインク吸収部材27の動作は、搬送ベルト8の走行に伴って変化する非撥水領域24xの位置に応じて行われる。つまり、非撥水領域24xがインク吸収部材27に対応する位置にあるときインク吸収部材27が搬送ベルト8の裏面80aに接触し、非撥水領域24xがインク吸収部材27に対応しない位置にあるときインク吸収部材27が搬送ベルト8の裏面80aと離隔するようになっている。これは、フォトセンサ40(図1参照)によって検知された非撥水領域24xの位置と搬送ベルト8の走行速度とに基づいて、所定の時点でソレノイド30が開閉されることによって、実現される。
例えば、フォトセンサ40からインク吸収部材27に対応する位置までの搬送ベルト8の長さと搬送ベルト8の走行速度とから、フォトセンサ40が非撥水領域24xを検知してからこの非撥水領域24xがインク吸収部材27に対応する位置に達するまでの時間を予め算出し、記憶しておく。そして実際にフォトセンサ40が非撥水領域24xを検知し、上記記憶された時間後にインク吸収部材27が駆動機構によって搬送ベルト8側に移動されるようにする。
次に、搬送ベルト8上にフラッシングされたインクの移動について、図6(a)〜(d)を参照して説明する。図6(a)〜(d)は、搬送ベルト8の走行に伴って時間の経過順に示した、搬送ベルト8のベルト幅方向中心位置における凹部24付近の拡大断面図である。図6(a)〜(c)は凹部24が搬送ベルト8の上側経路にある時点、図6(d)は凹部24が下側経路にある時点をそれぞれ描いたものである。
フラッシングを行うには、まず、図6(a)に示すように、凹部24の段差部24a(図2及び図3参照)の走行方向(図6(a)中矢印で示す方向)下流側端部と段差部24cとの間の領域が4つのヘッド本体2aのうちローラ7に近い2つのヘッド本体2aと対向する位置まで搬送ベルト8を走行させる。そして、搬送ベルト8の走行を停止させてから、当該2つのヘッド本体2aの全てのノズルから搬送ベルト8の凹部24に向けてインクを吐出する(フラッシング)。すると、吐出されたインク3は、凹部24の底面である内側シート状部材8a上(より詳細には撥水シート25上)に配置される。
しかる後、搬送ベルト8を走行させ、凹部24の段差部24a(図2及び図3参照)の走行方向下流側端部と段差部24cとの間の領域が4つのヘッド本体2aのうちローラ6に近い2つのヘッド本体2aと対向するようにする。そして、搬送ベルト8の走行を停止させてから、当該2つのヘッド本体2aの全てのノズルから搬送ベルト8の凹部24に向けてインクを吐出する。すると、吐出されたインク3は、凹部24の底面である内側シート状部材8a上(より詳細には撥水シート25上)に配置される。
この状態で搬送ベルト8を走行させると、インク3は慣性により凹部24内において走行方向とは逆方向、即ち走行方向上流側に移動し、図6(b)に示すように段差部24aに達した後これに沿って頂部24bに向かって移動していく。インク3は非撥水領域24xに達するとその内部に染み込んでいき、そこに保持される。そして、搬送ベルト8の走行により凹部24が下側経路に位置するまでには、図6(c)に示すように、インク3はそのほとんどが非撥水領域24xに達してその内部に保持される。
さらに搬送ベルト8が走行して凹部24が下側経路に位置するようになった直後に、図6(d)に示すように、内側シート状部材8aの非撥水領域24xがインク吸収部材27と接触しつつその下方を通過していく。このとき、非撥水領域24x内に保持されていたインク3は、搬送ベルト8の裏面80a側からインク吸収部材27によって吸収される。より詳細には、インク3はインク吸収部材27が発生する毛管力によりこれに吸収されて非撥水領域24xの内部から排出される。つまり、インク吸収部材27としては、そのインク吸収力が非撥水領域24x内におけるインク保持力よりも強い材料が用いられる。
以上述べたように、本実施の形態のベルト搬送機構13を用いたインクジェットプリンタ1はライン式であるものの、搬送ベルト8又はインクジェットヘッド2を退避させなくても凹部24に向けてインクを吐出することで、比較的簡単な構成で迅速なフラッシングが可能になる。そのため、製造コストを低下させることができ、しかもインクジェットプリンタ1の小型化が図れると共に、単位時間あたりの印刷枚数の向上を図ることが可能となる。
また、搬送ベルト8にはフラッシング用の開口部が形成されておらず、凹部24を設けているだけなので、搬送ベルト8の強度低下が少ない。特に本実施の形態では、凹部24底面における撥水シート25が配置されていない非撥水領域24xがインク保持部となっているので、搬送ベルト8の強度低下が非常に少ない。そのため、所望のベルト張力を得ることができて用紙搬送過程において支障が生じることがなく、しかも、搬送ベルト8の寿命を低下させることもほとんどない。
さらに、凹部24にフラッシングされたインク3は、非撥水領域24xを介して搬送ベルト8の内周側に配置されたインク吸収部材27へと迅速に吸収されることにより、搬送ベルト8の表面80bから迅速に除去される。そのため、フラッシング後の印刷に支障が生じることがほとんどない。
また、凹部24の底面において非撥水領域24xを除く部分は撥水シート25が配置されることにより撥水性を有することから、凹部24底面の非撥水領域24を除く領域にフラッシングされたインク3は、搬送ベルト8の走行に伴って、撥水シート25上にて走行方向とは逆方向にスムーズに移動する。このようにインク3がスムーズに移動することにより、凹部24が図6(d)のように下側経路に位置する前に、フラッシングされたインク3全てを非撥水領域に保持させるのを容易に達成することができる。
また、段差部24aは搬送ベルト8表面と直交する方向から見て走行方向上流側に頂部24bを呈するV字形状であり、非撥水領域24xが頂部24bに隣接して設けられているので、非撥水領域24xに対応する部分以外においてローラ6、7やガイド部材21a、21bが広範囲にインクで汚れることがない。そのため、インクによるベルト滑りの発生やローラ6、7やガイド部材21a、21bから用紙へのインク転写を最小限に抑えることができる。
特に、図4に示すように、本実施の形態のローラ6、7は、搬送ベルト8の走行時に非撥水領域24xが通過する部分が切り欠かれ、環状の凹部6a、7aがそれぞれ形成されているので、ローラ6、7にインクが付着するのを防止することができる。さらに、搬送ベルト8の裏面80aに接するよう配置されたガイド部材21a、21bが、凹部6a、7aに対応する部分を除くように、即ち非撥水領域24xに対応する部分と接触しないように、配置されている。これにより、ガイド部材21a、21bにインクが付着するのを防止することができる。したがって、インクによるベルト滑りの発生及び用紙へのインク転写が生じなくなる。
また、インク吸収部材27が搬送ベルト8の裏面80aに接触する位置と接触しない位置とを選択的に取り得る。より詳細には、フォトセンサ40により検知された非撥水領域24xの位置と搬送ベルト8の走行速度に基づいて、インク吸収部材27はソレノイド30によって駆動されて、非撥水領域24xがインク吸収部材27に対応する位置にあるときインク吸収部材27が搬送ベルト8の裏面80aに接触し、非撥水領域24xがインク吸収部材27に対応しない位置にあるときインク吸収部材27が搬送ベルト8の裏面80aと離隔するようになっている。これにより、インク吸収部材27と搬送ベルト8との摩擦を最小限に抑えることが可能になる。また、インク吸収部材27にしみ込んだインクが搬送ベルト8に付着するのを極力少なくすることができるので、この点からもベルト滑りの発生及び用紙へのインク転写を抑制できるという利点がある。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。
例えば、図7に示すように、インク保持部としての非撥水領域24yが、搬送ベルト8の裏面側に突出してもよい。このとき、インク吸収部材28は、搬送ベルト8の裏面側において、搬送ベルト8の裏面80aに接触せず、非撥水領域24yの突出した部分のみに接触するよう配置されていることが好ましい。これにより、搬送ベルト8の裏面80aの汚れを抑制することができる。
また、上述の実施形態においては、図2に示すように、凹部24の段差部24aがV字形状を有しているが、例えばU字やW字形状など、その他様々な形状であってよい。
さらに、ローラ6、7には環状の凹部6a、7aが設けられていなくてもよいし、ガイド部材21a、21bが搬送ベルト8の非撥水領域24xに対応する部分と接触していてもよい。
また、凹部24における段差部24aの走行方向下流側端部と段差部24cとの距離(例えば図2に示すL1)は変更可能であり、ヘッド本体2aの幅1つ分又は4つ分よりもやや長い距離としてもよい。その際、フラッシングを行うヘッド本体2aの単位を変更すればよい。
また、内側シート状部材の材料としてはポリエステル以外のものを用いてもよい。インク吸収部材27はフェルトからなるのに限定されない。
また、搬送ベルト8は、必ずしも2層構造を有している必要はなく、例えば3層以上又は1層だけの層構造を有していてもよい。
さらに、インク吸収部材27は可動であるとしているが、例えば搬送ベルト8の裏面80aの非撥水領域24xに対応する部分に常時接触するように固定されていてもよい。
また、インク吸収部材27のサイズや設置位置は、インク3を十分に吸収できる範囲で任意に変更可能である。例えばインク吸収部材27は、走行方向に沿ってガイド部材21a、21bと同じだけの長さを有していてもよいし、搬送ベルト8の上側経路において搬送ベルト8の裏面80aと接触していてもよい。
また、ベルト搬送機構13は、インク吸収部材27に吸収されたインクをその外に排出するための機構をさらに備えていてもよい。
本発明は、ライン式だけではなく、シリアル式のインクジェットプリンタにも適用可能である。
さらに、本発明は、インクジェットプリンタに限定されず、例えばインクジェット式のファクシミリやコピー機にも適用可能である。
本発明の一実施形態に係るベルト搬送機構を備えたインクジェットプリンタ(インクジェット記録装置)を示す正面図である。 図1に描かれた搬送ベルトの部分平面図である。 図1に描かれた搬送ベルトの部分斜視図である。 図1に描かれた2つのローラの周辺領域の斜視図である。 (a)は、図1に描かれたインク吸収部材の駆動機構を示す部分平面図である。(b)は、図5(a)の手前側から見た側面図である。 搬送ベルトの走行に伴って時間の経過順に示した、搬送ベルトのベルト幅方向中心位置における凹部付近の拡大断面図である。 図1に描かれた搬送ベルトの一変形例における、図6(d)に対応する断面図である。
符号の説明
1 インクジェットプリンタ(インクジェット記録装置)
2 インクジェットヘッド
6,7 ローラ
8 搬送ベルト
13 ベルト搬送機構
21a,21b ガイド部材
24 凹部
24b 頂部
24x,24y 非撥水領域(インク保持部)
27,28 インク吸収部材
30 ソレノイド(駆動機構)
40 センサ

Claims (10)

  1. 複数のローラと、
    前記複数のローラに架け渡されて記録媒体を搬送するための搬送ベルトと、
    前記搬送ベルトの表面に形成された凹部と、
    前記搬送ベルトの走行方向上流側における前記凹部の底面から前記搬送ベルトの裏面に渡って設けられた、インクを保持するためのインク保持部と、
    前記搬送ベルトの裏面側に配置された、前記インク保持部に接触することにより前記インク保持部に保持されたインクを前記搬送ベルトの裏面側から吸収するためのインク吸収部材と、
    を備えていることを特徴とするインクジェット記録装置用ベルト搬送機構。
  2. 前記凹部の底面において前記インク保持部を除く部分は撥水性を有し、前記インク保持部は非撥水を有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置用ベルト
    搬送機構。
  3. 前記凹部の前記走行方向上流側の縁が、前記搬送ベルトの表面と直交する方向から見て、前記走行方向上流側に頂部を呈するV字形状となっており、
    前記インク保持部が前記頂部に隣接して設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置用ベルト搬送機構。
  4. 前記ローラは、前記搬送ベルトの走行時に前記インク保持部が通過する部分が切り欠かれていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置用ベルト搬送機構。
  5. 前記搬送ベルトの走行時に前記インク保持部が通過する部分を除く前記搬送ベルトの裏面の少なくとも一部に接するよう配置された、前記搬送ベルトを支持するためのガイド部材を、さらに備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置用ベルト搬送機構。
  6. 前記インク保持部が前記搬送ベルトの裏面側に突出しており、
    前記インク吸収部材が、前記インク保持部の突出した部分のみに接触するよう配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置用ベルト搬送機構。
  7. 前記インク吸収部材が、前記搬送ベルトの裏面に接触する位置と接触しない位置とを選択的に取り得ることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置用ベルト搬送機構。
  8. 前記インク吸収部材がフェルトからなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置用ベルト搬送機構。
  9. 複数のローラと、
    前記複数のローラに架け渡されて記録媒体を搬送するための搬送ベルトと、
    前記搬送ベルトの表面に形成された凹部と、
    前記搬送ベルトの走行方向上流側における前記凹部の底面から前記搬送ベルトの裏面に渡って設けられた、インクを保持するためのインク保持部と、
    前記搬送ベルトの裏面側に配置された、前記インク保持部に接触することにより前記インク保持部に保持されたインクを前記搬送ベルトの裏面側から吸収するためのインク吸収部材と、
    前記搬送ベルトに形成された前記インク保持部の位置を検知するためのセンサと、
    前記センサにより検知された前記インク保持部の位置と前記搬送ベルトの走行速度とに基づいて、前記インク保持部が前記インク吸収部材に対応する位置にあるとき前記インク
    吸収部材が前記搬送ベルトの裏面に接触し、前記インク保持部が前記インク吸収部材に対応しない位置にあるとき前記インク吸収部材が前記搬送ベルトの裏面と離隔するよう、前記インク吸収部材を動作させる駆動機構と、
    を備えているインクジェット記録装置用ベルト搬送機構。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のベルト搬送機構と、
    前記ベルト搬送機構における前記搬送ベルトによって搬送される記録媒体にインクを吐出するインクジェットヘッドと、
    を備えているインクジェット記録装置。
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