JP4016577B2 - インクジェット記録装置、認証文書、文書認証装置、文書認証方法、文書認証システム及びインクジェット記録ヘッド識別方法 - Google Patents

インクジェット記録装置、認証文書、文書認証装置、文書認証方法、文書認証システム及びインクジェット記録ヘッド識別方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録装置、認証文書、文書認証装置、文書認証方法、文書認証システム及びインクジェット記録ヘッド識別方法に係り、より詳しくは、インク噴射ノズルを有するインクジェット記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置、該インクジェット記録装置による記録によって作成された認証文書、該認証文書を認証する文書認証装置、文書認証方法、文書認証システム、及びインク噴射ノズルを有するインクジェット記録ヘッドを識別するインクジェット記録ヘッド識別方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
ネットワーク技術や、オンデマンド・プリンティング技術等の発達に伴い、各種予約証書、各種証明書、航空券、乗車券、入場券等がネットワーク配信され、端末装置としてのプリンタによって出力できるようになってきている。
【0003】
特に近年は、電子商取引の一形態として、コンビニエンス・ストアや、チケット販売代理店等に設置された端末プリンタによる各種チケット類の販売も実用化されている。
【0004】
また、インクジェット方式のプリンタは、他方式に比較して、小型化、低価格化、及びカラー化が容易なことや、記録時の騒音及び消費電力が少なく、ランニングコストが低いこと等の特徴を有しており、端末プリンタとして広く利用されている。
【0005】
一方、近年のパーソナル・コンピュータを用いた画像処理技術の発達や、スキャナ及びプリンタの高解像度化、高画質化により、誰でも容易に精巧な複製物を作成できるようになってきている。よって、汎用的な端末プリンタで出力された各種証明書、チケット類等の偽造発生の可能性は非常に高くなっている。
【0006】
従来より、これらの印刷物に対する正当性を確保するため、各種の偽造防止技術や、印刷物の真偽判定技術が提案されている。
【0007】
最も一般的な技術は、固有の背景が印刷されたり、透かしの入った専用紙を記録媒体として用いる技術である。しかしながら、この技術では、上記専用紙が何らかの方法で偽造者の手に渡ってしまえば、容易に偽造が可能となる。特に、コンビニエンス・ストア等では、店員自身は偽造による不利益は被らない立場であることや、警備態勢が整っていないこと等から、保安性を高めることは容易ではない。
【0008】
これに対して、例えば特開平6−8679号公報及び特開平6−171274号公報に記載の技術は、記録媒体にランダムな識別情報を備えることにより、その正当性を確保しようとするものである。この技術によれば、全ての記録媒体の識別情報が異なるので、複製を作ることは不可能である。
【0009】
しかしながら、この技術による記録媒体の識別情報は、各印刷物、例えばチケットなら、その1枚1枚が特有の識別情報を有するものであり、認証装置は、発行された印刷物数分の膨大な識別情報を予め保持しておき、認証処理を行う必要があるため、上記識別情報を保持するための記憶手段のコストが高く、かつ認証処理に長時間を要する。特に、偶然による識別情報の重複を避けるためには、印刷物数が増えるに従って1印刷物当りの認識情報のビット数を増やす必要があり、印刷物が大量に発行される場合には、膨大な識別情報を保持する必要がある。また、記録媒体に対して、識別情報を保持するための特殊層、或いは特殊領域を備えておく必要があり、コストの上昇を招く。
【0010】
また、特殊な画像情報を印刷することによって、偽造を防止する技術もある。しかしながら、複雑な処理がなされたものであっても、デジタル画像情報を識別情報として用いる技術では、偽造者がデジタル情報の解像度以上の分解能を有する高度な画像読取装置と、オリジナル画像を出力した技術と同等の印刷技術を持ち得た場合には偽造が可能となる。
【0011】
一方、特開平8−239611号公報、特開平8−258392号公報、及び特開平9−30162号公報では、印刷用インクとして特殊な専用インクを使用する技術が提案されている。しかしながら、特殊インクを使用しても、その流通を完全に規制できなければ、偽造者が特殊インクを入手できる可能性がある。また、通常の印刷文書に加えて、特殊インクで識別情報を印刷する技術では、特殊インクによって印刷を行うための印刷手段を別に用意する必要があり、印刷装置が複雑となって、高価なものとなってしまう。
【0012】
本発明は、このような問題点を解消するために成されたものであり、低コストで確実に印刷物の偽造を防止できるインクジェット記録装置、低コストで確実に偽造を防止できる認証文書、該認証文書の真偽を高速かつ確実に判定できる文書認証装置、文書認証方法及び文書認証システム、及び印刷物に画像を記録した記録ヘッドを低コストで確実に識別することができるインクジェット記録ヘッド識別方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
ここで、本発明の基本原理について、図面を参照しつつ説明する。微細な加工技術が要求されるインクジェット記録ヘッドの製造では、画質を著しく劣化させる程の影響は与えないまでも、インクドロップの飛翔に影響を与える程度の製造ばらつきが頻繁に発生し、理想的に製造されたインクジェット記録ヘッドと比較して、インクを噴射するノズル毎にドット着弾位置がずれたり、ドット径が異なったり、ドットの形状が異なったりする。この、インクジェット記録ヘッド固有のノズル毎のドット位置ずれや、ドット径及びドット形状の相違は、インクジェット記録ヘッドの製造上、偶発的に発生する製造ばらつきによってもたらされるものである。図1には、この状態の具体例が示されている。なお、同図においてドット径は、等価面積円で示している。
【0014】
図1(A)は、理想的に製造されたノズル101の形状例及び該ノズル101によるインクの飛翔状態例を示すものであり、この場合、インクドロップ111は、記録媒体上の理想的な着弾位置102に設計値通りのドット径103及びドット形状104で着弾する。
【0015】
一方、図1(B)は、ノズル口に欠け105が発生した場合のノズル101’の形状例及び該ノズル101’によるインクの飛翔状態例を示すものである。この場合、欠け105の影響によって、インクドロップ112の飛翔方向がずれ、理想的な着弾位置102からずれたドット位置106に着弾する。
【0016】
更に、図1(C)は、ノズル幅107が広くなった場合のノズル101’’の形状例及び該ノズル101’’によるインクの飛翔状態例を示すものである。この場合は、理想より大きなインクドロップ113がノズル101’’から噴射され、ドット径108が広がり、ドット長さ109も長くなる。更に、インクドロップ113の飛翔速度が遅くなるため、ドット位置110も理想的な着弾位置102からずれることになる。図1では、ノズル口の製造ばらつきに関する例について示したが、他にも各種の製造ばらつきが考えられる。
【0017】
以下に、インクジェット記録ヘッドの製造段階毎に、ばらつきの発生しやすい工程について、図2を参照しつつ説明する。なお、図2は、インクジェット記録ヘッドの製造工程を段階別に示したものであり、(A),(B)→(C)→(D)→(E)の順に推移する。
【0018】
図2(A)に示す工程は、ヒーターウエハー201を作成する工程であり、発熱抵抗体をインプランテーション(以下、「インプラ」という)工程202で作成したり、ヒーター開口部を形成する感光性樹脂材料層を製膜したりする工程である。この工程では、インプラ量がばらつくと、発熱抵抗体の抵抗値がばらついたり、感光性樹脂材料の収縮が生じて、ヒーター開口の大きさがばらついたりする。その結果、ドット径にばらつきが生じる。
【0019】
また、図2(B)に示す工程は、チャネルウエハー203にエッチングでノズルを形成する工程である。ここでも、エッチングレートがばらつくことにより、ノズル径にばらつきが生じる。
【0020】
また、図2(C)に示す工程は、ヒーターウエハー201とチャネルウエハー203を張り合わせる工程である。この工程における各ウエハーの張り合わせ位置のずれも、インク吐出用ヒーターの位置と、ノズルの位置がずれることになり、飛翔するインクドロップが真っ直ぐ飛ばないため、ドット位置ずれや、ドット径のばらつきを引き起こす。
【0021】
更に、図2(D)に示す工程は、ダイシングブレード204によって、図2(C)に示す工程で得られたウエハーから個々のインクジェット記録ヘッドとなるチップ205を切り出す工程である。この際、ノズル面を形成する手法としては、特開昭61‐230954号公報や、特開昭62‐80054号公報等で提案されている技術を適用することができる。
【0022】
図3に示すように、この工程では、ノズル面301をダイシングブレード204による切削によって形成しているので、バリ303や欠け304が発生しやすい。このバリ303や欠け304はノズル毎に異なり、ドット位置やドット径、ドット形状がばらつく。
【0023】
一方、図2(E)に示す工程は、図2(D)に示す工程で切り出されたチップ205のノズル面に対し、撥水処理剤塗布ノズル207を介して撥水処理剤206を塗布する工程である。この工程でも、撥水処理剤206がチップ205のノズル内に進入したり、ノズル周囲の撥水膜の厚みが不均一であったりすると、ノズル毎にドット位置やドット形状がばらつく要因となる。
【0024】
そこで、本発明は、以上のようなインクジェット記録ヘッドの製造上、偶発的に発生する製造ばらつきによってもたらされるノズル毎のドット位置ずれや、ドット径及びドット形状の相違を利用して、印刷物の偽造防止や真偽判定を可能とするものである。
【0025】
すなわち、上記目的を達成するために、請求項1記載のインクジェット記録装置は、複数のインク噴射ノズルを有するインクジェット記録ヘッドと、前記複数のインク噴射ノズルから噴射されたインクにより記録されるドットが各々隣接するドットと接触しない孤立ドットとなる画像である所定画像を示す画像データが予め記憶されたメモリと、前記メモリに記憶されている画像データに基づいて記録媒体の所定部位に前記所定画像が記録されるように前記インクジェット記録ヘッドを制御する制御手段と、前記インクジェット記録ヘッドと前記記録媒体との間の距離及び相対移動速度の少なくとも一方を変更する変更手段と、を備え、前記制御手段は、前記所定画像の記録を行う際に、前記距離及び前記相対移動速度の少なくとも一方を前記インク噴射ノズルの状態に応じた記録後の前記所定画像の変化の度合いが通常画像記録時より増加するように、前記距離については通常画像記録時より遠くなるように変更し、前記相対移動速度については通常画像記録時より速くなるように変更する
【0026】
請求項1に記載のインクジェット記録装置によれば、制御手段により、メモリに予め記憶されているインク噴射ノズルを有するインクジェット記録ヘッドを識別するために用いられる所定画像を示す画像データに基づいて記録媒体の所定部位に上記所定画像が記録されるようにインクジェット記録ヘッドが制御される。
【0027】
ここで、上記メモリとしては、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュEEPROM(Flash EEPROM)等の記憶素子、フロッピィディスク、CD−ROM、光磁気ディスク、磁気テープ等の可搬記録媒体やハードディスク等の固定記録媒体、或いはネットワークに接続されたサーバーコンピュータ等に設けられた外部記憶装置等を適用することができる
【0028】
このインクジェット記録装置によって記録媒体上に記録された所定画像は、前述の本発明の基本原理により、他のインクジェット記録装置によって記録された所定画像とは、位置、大きさ、及び形状が異なる可能性が著しく高い。従って、記録媒体上に記録された所定画像の位置、大きさ、及び形状の少なくとも1つに基づいて、当該所定画像を記録したインクジェット記録装置を特定することが可能であり、特定したインクジェット記録装置が、予め印刷物の作成が許されたインクジェット記録装置であるか否かによって、印刷物の真偽を判定することが可能となる。
【0029】
このように、請求項1に記載のインクジェット記録装置によれば、インクジェット記録ヘッドを識別するために用いられる所定画像を示す画像データに基づいて記録媒体の所定部位に上記所定画像を記録しているので、該所定画像に基づいて印刷物の真偽を判定することができ、この結果として確実に印刷物の偽造を防止できると共に、従来の技術のように、印刷物毎に異なる識別情報を保持したり、記録媒体に対して識別情報を保持するための特殊層(特殊領域)を備えたり、特殊インクを使用したりする必要がないので、低コストに印刷物の偽造を防止することができる。
【0030】
なお、前述の本発明の基本原理から、インクジェット記録ヘッドを識別するための情報は、インクジェット記録ヘッドに備えられているインク噴射ノズル毎に記録された各ドットから得ることが可能である。また、より高精度にインクジェット記録ヘッドを識別するためには、できるだけ多くの画像から位置、大きさ、及び形状の少なくとも1つの情報を得ることが好ましい。
【0031】
従って、請求項1に記載の発明は、前記インクジェット記録ヘッドが複数の前記インク噴射ノズルを備え、前記所定画像が、前記複数のインク噴射ノズルから噴射されたインクにより記録されるドットが各々隣接するドットと接触しない孤立ドットとなる画像であるものとされている
【0032】
また、請求項1に記載の発明は、前記インクジェット記録ヘッドと前記記録媒体との間の距離及び相対移動速度の少なくとも一方を変更する変更手段を更に備え、前記制御手段は、前記所定画像の記録を行う際に、前記距離及び前記相対移動速度の少なくとも一方を前記インク噴射ノズルの状態に応じた記録後の前記所定画像の変化の度合いが通常画像記録時より増加するように、前記距離については通常画像記録時より遠くなるように変更し、前記相対移動速度については通常画像記録時より速くなるように変更することが好ましい。
【0033】
一方、上記目的を達成するために、請求項記載の認証文書は、請求項1記載のインクジェット記録装置によって前記所定画像が記録されたものである。なお、上記認証文書には、各種予約証書、各種証明書、航空券、乗車券、入場券等の、インクジェット記録装置によって印刷可能な文書が全て含まれる。
【0034】
このように、請求項に記載の認証文書は、本発明のインクジェット記録装置によって、インクジェット記録ヘッドを識別するために用いられる所定画像が記録されたものであるので、低コストで確実に偽造を防止できる。
【0035】
一方、上記目的を達成するために、請求項記載の文書認証装置は、複数のインク噴射ノズルを有するインクジェット記録ヘッドと、前記複数のインク噴射ノズルから噴射されたインクにより記録されるドットが各々隣接するドットと接触しない孤立ドットとなる画像である所定画像を示す画像データが予め記憶されたメモリと、前記メモリに記憶されている画像データに基づいて記録媒体の所定部位に前記所定画像が記録されるように前記インクジェット記録ヘッドを制御する制御手段とを備えた複数のインクジェット記録装置によって、インクジェット記録装置毎に記録媒体上に記録された前記所定画像の前記孤立ドットの位置ずれを示す位置ずれ情報、前記孤立ドットの大きさを示す大きさ情報、及び前記孤立ドットの形状を示す形状情報の少なくとも1つの情報が予め記憶された記憶手段と、前記インクジェット記録装置によって前記所定画像が記録された認証文書に記録されている前記孤立ドットの前記位置ずれ情報、前記大きさ情報、及び前記形状情報のうちの前記記憶手段に記憶されている少なくとも1つの情報を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出した情報と前記記憶手段に予め記憶されている情報とを比較することにより、前記認証文書に画像を記録したインクジェット記録装置が前記複数のインクジェット記録装置に含まれているか否かを判定する判定手段と、を備えている。
【0036】
請求項に記載の文書認証装置によれば、複数のインク噴射ノズルを有するインクジェット記録ヘッドと、前記複数のインク噴射ノズルから噴射されたインクにより記録されるドットが各々隣接するドットと接触しない孤立ドットとなる画像である所定画像を示す画像データが予め記憶されたメモリと、前記メモリに記憶されている画像データに基づいて記録媒体の所定部位に前記所定画像が記録されるように前記インクジェット記録ヘッドを制御する制御手段とを備えた複数のインクジェット記録装置によって、インクジェット記録装置毎に記録媒体上に記録された上記インクジェット記録ヘッドを識別するために用いられる、前記複数のインク噴射ノズルから噴射されたインクにより記録されるドットが各々隣接するドットと接触しない孤立ドットとなる画像である所定画像の前記孤立ドットの位置ずれを示す位置ずれ情報、上記孤立ドットの大きさを示す大きさ情報、及び上記孤立ドットの形状を示す形状情報の少なくとも1つの情報が記憶手段によって予め記憶される。
【0037】
ここで、上記記憶手段としては、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュEEPROM等の記憶素子、フロッピィディスク、CD−ROM、光磁気ディスク、磁気テープ等の可搬記録媒体やハードディスク等の固定記録媒体、或いはネットワークに接続されたサーバーコンピュータ等に設けられた外部記憶装置等を適用することができる。
【0038】
また、請求項に記載の文書認証装置では、上記インクジェット記録装置によって前記所定画像が記録された認証文書に記録されている孤立ドットの上記位置ずれ情報、上記大きさ情報、及び上記形状情報のうちの上記記憶手段に記憶されている少なくとも1つの情報が検出手段によって検出され、判定手段により、上記検出手段で検出された情報と上記記憶手段に予め記憶されている情報とが比較されることにより、上記認証文書に画像を記録したインクジェット記録装置が上記複数のインクジェット記録装置に含まれているか否かが判定される。
【0039】
このように、請求項に記載の文書認証装置によれば、複数のインク噴射ノズルを有するインクジェット記録ヘッドと、前記複数のインク噴射ノズルから噴射されたインクにより記録されるドットが各々隣接するドットと接触しない孤立ドットとなる画像である所定画像を示す画像データが予め記憶されたメモリと、前記メモリに記憶されている画像データに基づいて記録媒体の所定部位に前記所定画像が記録されるように前記インクジェット記録ヘッドを制御する制御手段とを備えた複数のインクジェット記録装置によって、インクジェット記録装置毎に記録媒体上に記録された上記所定画像の前記孤立ドットの位置ずれを示す位置ずれ情報、上記孤立ドットの大きさを示す大きさ情報、及び上記孤立ドットの形状を示す形状情報の少なくとも1つの情報を予め記憶しておき、上記インクジェット記録装置によって前記所定画像が記録された認証文書に記録されている上記孤立ドットの上記位置ずれ情報、上記大きさ情報、及び上記形状情報のうちの上記予め記憶している少なくとも1つの情報を検出し、検出した情報と上記予め記憶している情報とを比較することにより、上記認証文書に画像を記録したインクジェット記録装置が上記複数のインクジェット記録装置に含まれているか否かを判定しているので、認証文書の真偽を確実に判定できると共に、従来の技術のように印刷物数分の膨大な識別情報との照合(比較)を行う必要がないので、高速に認証文書の真偽を判定できる。
【0040】
また、上記目的を達成するために、請求項記載の文書認証方法は、複数のインク噴射ノズルを有するインクジェット記録ヘッドと、前記複数のインク噴射ノズルから噴射されたインクにより記録されるドットが各々隣接するドットと接触しない孤立ドットとなる画像である所定画像を示す画像データが予め記憶されたメモリと、前記メモリに記憶されている画像データに基づいて記録媒体の所定部位に前記所定画像が記録されるように前記インクジェット記録ヘッドを制御する制御手段とを備えた複数のインクジェット記録装置によって、インクジェット記録装置毎に記録媒体上に記録された前記所定画像の前記孤立ドットの位置ずれを示す位置ずれ情報、前記孤立ドットの大きさを示す大きさ情報、及び前記孤立ドットの形状を示す形状情報の少なくとも1つの情報を予め記憶し、
前記インクジェット記録装置によって前記所定画像が記録された認証文書に記録されている前記孤立ドットの前記位置ずれ情報、前記大きさ情報、及び前記形状情報のうちの前記予め記憶した少なくとも1つの情報を検出し、検出した情報と前記予め記憶した情報とを比較することにより、前記認証文書に画像を記録したインクジェット記録装置が前記複数のインクジェット記録装置に含まれているか否かを判定するものである。
【0041】
このように、請求項に記載の文書認証方法によれば、請求項記載の発明と同様に作用するので、認証文書の真偽を高速かつ確実に判定できる。
【0042】
更に、上記目的を達成するために、請求項記載の文書認証システムは、複数のインク噴射ノズルを有するインクジェット記録ヘッドと、前記複数のインク噴射ノズルから噴射されたインクにより記録されるドットが各々隣接するドットと接触しない孤立ドットとなる画像である所定画像を示す画像データが予め記憶されたメモリと、前記メモリに記憶されている画像データに基づいて記録媒体の所定部位に前記所定画像が記録されるように前記インクジェット記録ヘッドを制御する制御手段とを備えた複数のインクジェット記録装置によって、インクジェット記録装置毎に記録媒体上に記録された前記所定画像の前記孤立ドットを読み取る第1の読取手段と、前記第1の読取手段によって読み取った前記孤立ドットの位置ずれを示す位置ずれ情報、前記孤立ドットの大きさを示す大きさ情報、及び前記孤立ドットの形状を示す形状情報の少なくとも1つの情報を検出するネットワークに接続された第1の検出手段と、前記第1の検出手段によって検出した情報を記憶するための記憶手段と、前記インクジェット記録装置によって前記所定画像が記録された認証文書に記録されている前記孤立ドットを読み取る第2の読取手段と、前記第2の読取手段によって読み取った前記孤立ドットの前記位置ずれ情報、前記大きさ情報、及び前記形状情報のうちの前記記憶手段に記憶されている少なくとも1つの情報を検出する前記ネットワークに接続された第2の検出手段と、を備えた文書認証システムであって、前記第1の検出手段又は前記第2の検出手段に、前記第2の検出手段によって検出した情報と、前記記憶手段に記憶されている情報とを比較することにより、前記認証文書に画像を記録したインクジェット記録装置が前記複数のインクジェット記録装置に含まれているか否かを判定する判定手段を備えたものである。
【0043】
請求項に記載の文書認証システムによれば、第1の読取手段により、複数のインク噴射ノズルを有するインクジェット記録ヘッドと、前記複数のインク噴射ノズルから噴射されたインクにより記録されるドットが各々隣接するドットと接触しない孤立ドットとなる画像である所定画像を示す画像データが予め記憶されたメモリと、前記メモリに記憶されている画像データに基づいて記録媒体の所定部位に前記所定画像が記録されるように前記インクジェット記録ヘッドを制御する制御手段とを備えた複数のインクジェット記録装置によってインクジェット記録装置毎に記録媒体上に記録された上記インクジェット記録ヘッドを識別するために用いられる、前記複数のインク噴射ノズルから噴射されたインクにより記録されるドットが各々隣接するドットと接触しない孤立ドットとなる画像である所定画像の前記孤立ドットが読み取られ、ネットワークに接続された第1の検出手段により、上記第1の読取手段によって読み取られた上記孤立ドットの位置ずれを示す位置ずれ情報、上記孤立ドットの大きさを示す大きさ情報、及び上記孤立ドットの形状を示す形状情報の少なくとも1つの情報が検出され、検出された情報が記憶手段によって記憶される。ここで、上記記憶手段としては、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュEEPROM等の記憶素子、フロッピィディスク、CD−ROM、光磁気ディスク、磁気テープ等の可搬記録媒体やハードディスク等の固定記録媒体、或いはネットワークに接続されたサーバーコンピュータ等に設けられた外部記憶装置等を適用することができる。
【0044】
また、請求項に記載の文書認証システムでは、上記インクジェット記録装置によって前記所定画像が記録された認証文書に記録されている上記孤立ドットが第2の読取手段によって読み取られ、上記ネットワークに接続された第2の検出手段により、第2の読取手段によって読み取られた上記孤立ドットの上記位置ずれ情報、上記大きさ情報、及び上記形状情報のうちの記憶手段に記憶されている少なくとも1つの情報が検出される。
【0045】
ここで、本発明では、上記第1の検出手段又は上記第2の検出手段に備えられた判定手段によって、上記第2の検出手段によって検出した情報と、上記記憶手段に記憶されている情報とが比較されることにより、上記認証文書に画像を記録したインクジェット記録装置が上記複数のインクジェット記録装置に含まれているか否かが判定される。
【0046】
このように、請求項に記載の文書認証システムによれば、複数のインク噴射ノズルを有するインクジェット記録ヘッドと、前記複数のインク噴射ノズルから噴射されたインクにより記録されるドットが各々隣接するドットと接触しない孤立ドットとなる画像である所定画像を示す画像データが予め記憶されたメモリと、前記メモリに記憶されている画像データに基づいて記録媒体の所定部位に前記所定画像が記録されるように前記インクジェット記録ヘッドを制御する制御手段とを備えた複数のインクジェット記録装置によってインクジェット記録装置毎に記録媒体上に記録された上記所定画像の前記孤立ドットを読み取り、読み取った上記孤立ドットの位置ずれを示す位置ずれ情報、上記孤立ドットの大きさを示す大きさ情報、及び上記孤立ドットの形状を示す形状情報の少なくとも1つの情報を検出し、検出した情報を記憶し、更に上記インクジェット記録装置によって前記所定画像が記録された認証文書に記録されている上記孤立ドットを読み取って、読み取った上記孤立ドットの上記位置ずれ情報、上記大きさ情報、及び上記形状情報のうちの上記記憶した少なくとも1つの情報を検出すると共に、該検出した情報と、上記記憶した情報とを比較することにより、上記認証文書に画像を記録したインクジェット記録装置が上記複数のインクジェット記録装置に含まれているか否かを判定しているので、認証文書の真偽を確実に判定できると共に、従来の技術のように印刷物数分の膨大な識別情報との照合(比較)を行う必要がないので、高速に認証文書の真偽を判定できる。
【0047】
一方、上記目的を達成するために、請求項記載のインクジェット記録ヘッド識別方法は、複数のインク噴射ノズルを有するインクジェット記録ヘッドを備えた複数のインクジェット記録装置によって、インクジェット記録装置毎に記録媒体上に記録された前記インクジェット記録ヘッドを識別するために用いられる、前記複数のインク噴射ノズルから噴射されたインクにより記録されるドットが各々隣接するドットと接触しない孤立ドットとなる画像である所定画像の前記孤立ドットの位置ずれを示す位置ずれ情報、前記孤立ドットの大きさを示す大きさ情報、及び前記孤立ドットの形状を示す形状情報の少なくとも1つの情報を予め記憶し、前記インクジェット記録ヘッドによって記録媒体上に前記所定画像を構成する孤立ドットを記録し、記録した前記所定画像の前記孤立ドットの位置ずれを示す位置ずれ情報、前記孤立ドットの大きさを示す大きさ情報、及び前記孤立ドットの形状を示す形状情報の少なくとも1つの情報を検出し、検出した情報と前記予め記憶した情報とを比較することにより、前記インクジェット記録ヘッドを識別するものである。
【0048】
このように、請求項に記載のインクジェット記録ヘッド識別方法によれば、複数のインク噴射ノズルを有するインクジェット記録ヘッドを備えた複数のインクジェット記録装置によって、インクジェット記録装置毎に記録媒体上に記録された前記インクジェット記録ヘッドを識別するために用いられる、前記複数のインク噴射ノズルから噴射されたインクにより記録されるドットが各々隣接するドットと接触しない孤立ドットとなる画像である所定画像の前記孤立ドットの位置ずれを示す位置ずれ情報、前記孤立ドットの大きさを示す大きさ情報、及び前記孤立ドットの形状を示す形状情報の少なくとも1つの情報を予め記憶し、前記インクジェット記録ヘッドによって記録媒体上に前記所定画像を構成する孤立ドットを記録し、記録した前記所定画像の前記孤立ドットの位置ずれを示す位置ずれ情報、前記孤立ドットの大きさを示す大きさ情報、及び前記孤立ドットの形状を示す形状情報の少なくとも1つの情報を検出し、検出した情報と前記予め記憶した情報とを比較することにより、前記インクジェット記録ヘッドを識別しているので、印刷物に画像を記録したインクジェット記録ヘッドを確実に識別することができると共に、従来の技術のように、印刷物毎に異なる識別情報を保持したり、記録媒体に対して識別情報を保持するための特殊層(特殊領域)を備えたり、特殊インクを使用したりする必要がないので、印刷物に画像を記録したインクジェット記録ヘッドを低コストに識別することができる。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。まず、図4を参照して、本実施の形態に係るインクジェットプリンタ10の構成について説明する。
【0051】
同図に示すように、本実施の形態に係るインクジェットプリンタ10は、通常の印刷時において印刷すべき画像の画像データを保持する画像情報保持部12と、画像情報保持部12に保持された画像データに対して誤差拡散処理、印字率調整処理等の各種画像処理を施す画像処理部14と、インクジェット記録ヘッド(以下、単に「記録ヘッド」という)20と、記録ヘッド20を識別するために用いられる後述するヘッド識別パターンを示す画像データを予め保持したヘッド識別パターン保持部16と、記録ヘッド20と図示しない記録媒体との間の距離を調整することができるヘッド位置調整部18と、印刷時における記録ヘッド20と図示しない記録媒体との相対移動速度を調整することができるヘッド速度調整部22と、本インクジェットプリンタ10全体の動作を司る制御部24と、を含んで構成されている。なお、本実施の形態では、画像情報保持部12はRAMによって構成されており、ヘッド識別パターン保持部16はROMによって構成されている。
【0052】
画像情報保持部12は画像処理部14を介して制御部24に接続されており、ヘッド識別パターン保持部16、ヘッド位置調整部18、記録ヘッド20及びヘッド速度調整部22は直接制御部24に接続されている。従って、制御部24は、画像情報保持部12に保持された画像データに対する画像処理部14による各種画像処理後の画像データを入力することができると共に、ヘッド識別パターン保持部16に保持されているヘッド識別パターンを直接入力することができる。また、制御部24は、ヘッド位置調整部18によって記録ヘッド20と記録媒体との間の距離を調整することができると共に、ヘッド速度調整部22によって印刷時における記録ヘッド20と記録媒体との相対移動速度を調整することができる。
【0053】
次に、図5を参照して、本実施の形態におけるヘッド識別パターンについて説明する。
【0054】
前述の本発明の基本原理から、記録ヘッドを識別するための情報(以下、「ヘッド識別情報」という)は、記録ヘッドに備えられているノズル毎に記録された各ドットから得ることが可能である。また、より高精度に記録ヘッドを識別するためには、できるだけ多くのヘッド識別情報を得ることが好ましい。
【0055】
そこで、本実施の形態では、認証文書50に記録すべきヘッド識別パターン52として、記録ヘッド20に備えられているノズル毎のドットを各々孤立した状態で記録媒体に記録するパターンを適用している。
【0056】
すなわち、図5に示すように、本実施の形態ではヘッド識別パターン52を、各ノズル21Aによって記録するドット28Aが隣接ドット28Bと接触しないように、列方向(図5紙面左右方向)の記録位置を隣接ドット28Bから所定距離(本実施の形態では平均ドット径の3ドット分に相当する距離)だけ離すと共に、同一列に記録するドット間の行方向(図5紙面上下方向)距離を所定距離(本実施の形態では平均ドット径の4ドット分に相当する距離)だけ離すパターンとしている。なお、同図において、欠けのあるノズル21Bから噴射されたインクドロップによるドットのドット位置26Aは理想ドット位置26Bからずれることになる。
【0057】
ところで、本実施の形態に係るインクジェットプリンタ10は、当該インクジェットプリンタ10によって認証文書50に印刷されたヘッド識別パターン52が示すヘッド識別情報に基づいて、インクジェットプリンタ10に内蔵された記録ヘッド20を識別可能とするものである。ここで、本実施の形態におけるヘッド識別情報について説明する。
【0058】
表1には、ノズル数が24個とされた記録ヘッドのヘッド識別情報として、主走査方向及び副走査方向のドット位置ずれと、面積等価円の直径としたドット径と、ドットの幅と長さの比としたドット形状を適用した場合の、各ヘッド識別情報の測定結果の一例が示されている。
【0059】
【表1】
Figure 0004016577
【0060】
他の記録ヘッド個体についても、同様にヘッド識別情報(ドット位置ずれ、ドット径、ドット形状)を得ておけば、各記録ヘッド間のヘッド識別情報の相違に基づいて、記録ヘッドを識別することができる。
【0061】
しかしながら、ヘッド識別情報としては、読み取り誤差の影響や、経時変動の影響を受け難いものを適用することが好ましい。すなわち、ドット位置、ドット径、及びドット形状は、記録媒体と記録ヘッドとの間の距離や、印刷時における記録ヘッドの温度、記録媒体の材質等で変動することが考えられる。表2には、表1と同一の記録ヘッドについて、ドット位置を隣接ノズルのドットに対する相対位置とし、ドット径とドット形状を各ノズルの平均値との比とした場合が示されている。
【0062】
【表2】
Figure 0004016577
【0063】
このように導出した、相対的なドット位置やドット径、ドット形状は、各ノズルの幅や欠けといった不変な性質を反映しているものなので、印刷環境が変化しても変化することはなく、従って、高精度に記録ヘッドを識別することができる。本実施の形態では、表2に示すヘッド識別情報を適用している。
【0064】
ここで、多数の記録ヘッドが製造された場合において、全ての記録ヘッドが異なるヘッド識別情報を有する確率Pについて説明する。
【0065】
ノズル数をn個、ヘッド識別情報の判別水準をl水準とすると、ヘッド識別情報はln種類存在する。記録ヘッドの製造数をm個とすると、全ての記録ヘッドが異なるヘッド識別情報を有する確率Pは、ln種のヘッド識別情報からm個選択したとき、全てが異なる確率を計算すればよい。1記録ヘッド製造される毎に、次に製造される記録ヘッドが許されるヘッド識別情報種が1つずつ減っていくので、確率Pは、
【0066】
【数1】
Figure 0004016577
【0067】
となる。
【0068】
ヘッド識別パターンを読み取る読取装置の判別水準が2水準であった場合に、ヘッド識別情報が同一の記録ヘッドが偶然に製造される確率がほぼ0(零)になるノズル数を(1)式より計算して表3に示した。
【0069】
【表3】
Figure 0004016577
【0070】
表3に示すように、ノズル数が60以上であれば、記録ヘッドの製造数が1億個であっても、確率Pは0.9871(98.71%)であり、偶然に同じヘッド識別情報を有する記録ヘッドは発生しないと考えてよい。
【0071】
また、前述したようにヘッド識別情報は製造上のばらつきであるので、ノズルの欠けや幅等を任意に調整して、その識別情報を故意に再現することは製造者でも不可能である。以上のことから、十分なノズル数があれば、ヘッド識別情報は、同一のものが存在することのない、各記録ヘッド固有の識別情報となり得る。
【0072】
実際のヘッド識別情報は、インクジェット記録ヘッドを使用する間に経時変動したり、ノズル面に傷が付いたり、ごみが付着して変動することもある。従って、冗長情報を見込んで、表3において見積もった、偶然に同一のヘッド識別情報が存在する可能性がほぼなくなるノズル数より、多くのノズルを有することが望ましい。
【0073】
次に、記録ヘッド20と記録媒体30との間の距離と、ドットの位置ずれ量の関係について、図6(A)を参照しつつ説明する。同図に示すように、記録ヘッド20の記録媒体30に対する相対移動速度をVH、インク主滴40の飛翔速度をVD、理想的な飛翔方向からのずれ量をθ、記録媒体30と記録ヘッド20の間の距離をlとすると、記録媒体30上での理想的な着弾位置と実際の着弾位置のずれ量△xは、
【0074】
【数2】
Figure 0004016577
【0075】
となる。ここで、θ≒0とすると、
△x=l・sinθ
となり、ずれ量△xは距離lに比例する。従って、ずれ量Δxは、記録ヘッド20と記録媒体30の距離lが離れるほど大きくなり、ヘッド識別情報の検出精度が向上する。一方、通常の画像印刷時には、記録ヘッド20と記録媒体30の距離lが短い方がドット位置ずれによる筋が目立たなくなり、画質はよくなる。
【0076】
そこで、本実施の形態に係るインクジェットプリンタ10では、通常画像印刷時と、ヘッド識別パターン52の印刷時とで、記録ヘッド20と記録媒体30との間の距離を調整することができるヘッド位置調整部18を備えている。このヘッド位置調整部18により、通常画像印刷時とヘッド識別パターン印刷時とで、記録ヘッド20と記録媒体30の間の距離を切り替えることによって、ヘッド識別情報の検出精度の向上と、通常画像印刷時の画質の向上を双方とも実現できる。
【0077】
同様に、図6(B)を参照して、記録ヘッド20と記録媒体30の相対移動速度と、ドット形状との関係について説明する。図6(A)に示した各パラメータに加え、サテライトドロップ42の飛翔速度をVS、インク主滴40とサテライトドロップ42との生成時間差を△tとすると、記録媒体30上でのインク主滴40とサテライトドロップ42の着弾位置のずれ量Δxは、
【0078】
【数3】
Figure 0004016577
【0079】
となる。ここで、飛翔速度VS、生成時間差Δt、飛翔速度VDは記録ヘッド20によって不変であり、距離lを一定とした場合、記録媒体30と記録ヘッド20の相対移動速度VHが速いほうがドット形状は長くなり、ヘッド識別情報の検出精度が向上する。逆に、相対移動速度VHが遅いほうがサテライトドロップ42による画質劣化を抑制することができる。
【0080】
そこで、本実施の形態に係るインクジェットプリンタ10では、通常画像印刷時と、ヘッド識別パターン52の印刷時とで、記録ヘッド20と記録媒体30の相対移動速度を調整することができるヘッド速度調整部22を備えている。このヘッド速度調整部22によって、通常画像印刷時とヘッド識別パターン印刷時とで、記録ヘッド20と記録媒体30の相対移動速度を切り替えることによって、ヘッド識別情報の検出精度の向上と、通常画像印刷時の画質の向上を双方とも実現できる。
【0081】
インクジェットプリンタ10が本発明のインクジェット記録装置に、ヘッド識別パターン保持部16が本発明のメモリに、記録ヘッド20が本発明のインクジェット記録ヘッドに、ノズル21A及びノズル21Bが本発明のインク噴射ノズルに、ヘッド位置調整部18及びヘッド速度調整部22が本発明の変更手段に、制御部24が本発明の制御手段に、認証文書50が本発明の認証文書に、ヘッド識別パターン52が本発明の所定画像に、各々相当する。
【0082】
次に、図7を参照して、インクジェットプリンタ10の作用を説明する。なお、図7は、インクジェットプリンタ10において印刷処理を行う際に制御部24で実行される処理の流れを示すフローチャートである。また、ここでは、画像情報保持部12に印刷すべき画像の画像データが保持されていることを前提に説明する。また、制御部24に内蔵された図示しないメモリには、ヘッド識別パターン印刷時において好適な記録ヘッド20の位置を示す情報及び移動速度を示す情報と、通常の画像印刷時において好適な記録ヘッド20の位置を示す情報及び移動速度を示す情報と、が予め記憶されている。
【0083】
図7のステップ500では、ヘッド識別パターン保持部16に保持されているヘッド識別パターン52の画像データを読み込み、次のステップ502では、画像情報保持部12に保持されている印刷すべき画像の画像データを読み込む。なお、ステップ502による画像データの読み込みの際には、画像処理部14によって各種画像処理が施された画像データが読み込まれる。
【0084】
次のステップ504では、制御部24に内蔵された図示しないメモリに記憶されているヘッド識別パターン印刷時において好適な記録ヘッド20の位置を示す情報を読み出して、該情報が示す位置に記録ヘッド20が位置するようにヘッド位置調整部18を制御し、次のステップ506では、上記メモリに記憶されているヘッド識別パターン印刷時において好適な記録ヘッド20の移動速度を示す情報を読み出して、該情報が示す速度で記録ヘッド20が移動するようにヘッド速度調整部22を制御する。
【0085】
次のステップ508では、上記ステップ500で読み込んだヘッド識別パターン52の画像データによる印刷を開始し、次のステップ510で該ヘッド識別パターン52の印刷の終了待ちを行う。
【0086】
ヘッド識別パターン52の印刷が終了すると(ステップ510が肯定判定されると)ステップ512へ移行し、制御部24に内蔵された図示しないメモリに記憶されている通常の画像印刷時において好適な記録ヘッド20の位置を示す情報を読み出して、該情報が示す位置に記録ヘッド20が位置するようにヘッド位置調整部18を制御し、次のステップ514では、上記メモリに記憶されている通常の画像印刷時において好適な記録ヘッド20の移動速度を示す情報を読み出して、該情報が示す速度で記録ヘッド20が移動するようにヘッド速度調整部22を制御する。
【0087】
次のステップ516では、上記ステップ502で読み込んだ印刷すべき画像の画像データによる印刷を開始し、次のステップ518で該画像の印刷の終了待ちを行う。
【0088】
印刷すべき画像の印刷が終了すると(ステップ518が肯定判定されると)ステップ520へ移行して、必要枚数の印刷が終了したか否かを判定し、終了していない場合(否定判定された場合)は上記ステップ504へ戻り、終了した時点(肯定判定された時点)で本処理を終了する。
【0089】
以上の処理によって、インクジェットプリンタ10による印刷開始位置近傍にヘッド識別パターン52が印刷された認証文書50(図5参照)が必要枚数だけ得られることになる。
【0090】
次に、以上のようなインクジェットプリンタ10を用いると共に、該インクジェットプリンタ10によって印刷された認証文書の真偽を判定する文書認証システムの形態例について説明する。なお、ここでは、上記文書認証システムを、映画チケットを販売代理店のインクジェットプリンタで出力して販売するチケット流通システム60に適用した場合について説明する。従って、この場合は、映画チケットが認証文書に相当することになる。
【0091】
まず、図8を参照して、本実施の形態に係るチケット流通システム60の構成を説明する。なお、図8は、チケット流通システム60の構成を、インクジェットプリンタ10の製造会社と、映画チケットの販売代理店と、映画館における映画チケットの認証窓口と、に分類して示したブロック図である。
【0092】
同図に示すように、本実施の形態に係るチケット流通システム60として、インクジェットプリンタ10の製造会社には、ヘッド識別パターン52の読み取りに用いられるスキャナ62と、スキャナ62によって読み取られたヘッド識別パターン52が示すヘッド識別情報を蓄積するデータベース(以下、「識別情報データベース」という)64Aを記憶するためのハードディスク64と、各種処理を行うコンピュータ68と、が備えられている。コンピュータ68はスキャナ62及びハードディスク64に接続されており、コンピュータ68はスキャナ62の制御及びスキャナ62によって読み取られたヘッド識別パターン52の画像データを入力することができると共に、ハードディスク64との間で各種情報の授受を行うことができる。
【0093】
一方、販売代理店には、製造会社から出荷されたインクジェットプリンタ10のうちの1台が備えられており、更に、映画館の認証窓口には、ヘッド識別パターン52の読み取りに用いられるスキャナ80と、ヘッド識別情報の照合を行う演算装置82とが備えられている。なお、演算装置82は、製造会社に備えられているコンピュータ68にインターネットを介して接続されている。従って、演算装置82は、ハードディスク64に記憶されている識別情報データベース64Aを必要に応じてコンピュータ68を介して参照することができる。
【0094】
なお、本実施の形態のチケット流通システム60におけるスキャナ62及びスキャナ80は、インクジェットプリンタ10のノズルピッチより微細な分解能を有するものを適用している。
【0095】
ハードディスク64が本発明の記憶手段に、スキャナ62が本発明の第1の読取手段に、コンピュータ68が本発明の第1の検出手段に、スキャナ80が本発明の第2の読取手段に、演算装置82が本発明の検出手段、第2の検出手段及び判定手段に、各々相当する。
【0096】
次に、チケット流通システム60の作用を説明する。まず、図9を参照して、インクジェットプリンタ10の製造会社においてインクジェットプリンタ10の出荷検査時に行われる処理について説明する。
【0097】
同図のステップ600では、出荷予定のインクジェットプリンタ10のうちの1台によって所定用紙にヘッド識別パターン52を印刷する。なお、ここでのヘッド識別パターン52の印刷は、図7におけるステップ500及びステップ504〜ステップ510の各処理と同様に行う。
【0098】
次のステップ602では、上記ステップ600において所定用紙に印刷されたヘッド識別パターン52をスキャナ62によって読み取り、コンピュータ68によって、上記読み取ったヘッド識別パターン52からヘッド識別情報を取得する。なお、ここでは、表2に示したドット位置づれ情報、ドット径及びドット形状を取得する。
【0099】
次のステップ604では、コンピュータ68に対して、当該インクジェットプリンタ10の出荷予定先を出荷台帳66から入力すると共に、コンピュータ68によって、上記入力した出荷予定先と上記ステップ602で取得したヘッド識別情報(ドット位置づれ情報、ドット径及びドット形状)とを対応付けて、ハードディスク64の識別情報データベース64Aに記憶する。なお、本実施の形態におけるインクジェットプリンタ10の出荷予定先には、映画チケットの販売代理店の他、一般オフィスや一般家庭も含まれる。従って、識別情報データベース64Aは、映画チケットの販売代理店の領域、一般オフィスの領域、一般家庭の領域、の各領域が予め定められており、本ステップ604では、識別情報データベース64Aにおける当該インクジェットプリンタ10の出荷予定先に対応する領域に出荷予定先及びヘッド識別情報を記憶する。また、本ステップ604が初めて行われる場合には、上記出荷予定先と上記ステップ602で取得したヘッド識別情報によって識別情報データベース64Aを新規に作成する。
【0100】
次のステップ606では、全ての出荷予定とするインクジェットプリンタ10について上記ステップ600〜ステップ604の処理、すなわちヘッド識別パターン52の印刷、ヘッド識別情報の取得、及び取得したヘッド識別情報の識別情報データベース64Aへの記憶が終了したか否かを判定し、終了していない場合(否定判定の場合)は上記ステップ600へ戻り、終了した時点(肯定判定された時点)で本処理を終了する。
【0101】
この処理によって、全ての出荷予定とするインクジェットプリンタ10に対するヘッド識別情報及び出荷予定先の識別情報データベース64Aへの記憶が行われ、その後に各インクジェットプリンタ10が出荷予定先(販売代理店、一般オフィス、一般家庭)に出荷されることになる。
【0102】
次に、図10を参照して、製造会社からインクジェットプリンタ10を入荷した各販売代理店において行われる処理について説明する。
【0103】
同図のステップ700では、映画チケットの購入者(観客)からの依頼に応じてインクジェットプリンタ10により映画チケット70をオンデマンドで印刷する。なお、ここでのインクジェットプリンタ10による映画チケット70の印刷は、図7に示した処理と同様に行われる。本ステップ700の処理によって得られる映画チケット70には、ヘッド識別パターン52が印刷されると共に、図7のステップ512〜ステップ518の処理によって当該映画に関する情報(例えば映画のタイトルや開演時間等)が印刷される。
【0104】
次のステップ702では、上記購入者から指示された枚数分の映画チケット70の印刷が終了したか否かを判定し、終了していない場合(否定判定された場合)は上記ステップ700へ戻って再度映画チケット70を印刷し、終了した時点(肯定判定された時点)で本処理を終了する。
【0105】
このように、販売代理店では、映画チケット70を観客の要望に応じて印刷するので、映画チケットの在庫を持つ必要がなく、品切れや過剰在庫が発生することはない。
【0106】
次に、図11を参照して、映画館の認証窓口において行われる処理について説明する。
【0107】
同図のステップ800では、観客から渡された映画チケット70に印刷されているヘッド識別パターン52をスキャナ80によって読み取り、次のステップ802では、演算装置82により、上記ステップ800で読み取ったヘッド識別パターン52からヘッド識別情報を検出する。なお、ここでは、ヘッド識別情報として、表2に示したドット位置づれ情報、ドット径及びドット形状の全てを検出する。
【0108】
次のステップ804では、演算装置82により、製造会社に設けられているハードディスク64に記憶されている識別情報データベース64Aにおける映画チケットの販売代理店の領域をインターネット及びコンピュータ68を介して参照すると共に上記ステップ802で検出したヘッド識別情報と照合し、次のステップ806では、上記ステップ804による照合の結果、一致するヘッド識別情報が識別情報データベース64Aの販売代理店の領域に存在したか否かを判定し、存在した場合(肯定判定された場合)はステップ808へ移行して、当該映画チケット70が本物である旨を示すメッセージを図示しないディスプレイに表示した後に本処理を終了する。
【0109】
一方、上記ステップ806において、一致するヘッド識別情報が識別情報データベース64Aの販売代理店の領域には存在しなかったと判定された場合(否定判定された場合)にはステップ810へ移行して、当該映画チケット70が偽造チケットである可能性が高い旨を示すメッセージを図示しないディスプレイに表示した後にステップ812へ移行する。
【0110】
ステップ812では、演算装置82により、製造会社に設けられているハードディスク64に記憶されている識別情報データベース64Aにおける一般オフィス及び一般家庭の各領域をインターネット及びコンピュータ68を介して参照すると共に上記ステップ802で検出したヘッド識別情報と照合し、次のステップ814では、上記ステップ812による照合の結果、一致するヘッド識別情報が識別情報データベース64Aの一般オフィス及び一般家庭の何れかの領域に存在したか否かを判定し、存在した場合(肯定判定された場合)はステップ816へ移行して、上記一致するヘッド識別情報に対応する出荷予定先が当該映画チケット70の偽造先であるものと見なして、該出荷予定先を図示しないディスプレイに表示した後に本処理を終了する。
【0111】
一方、上記ステップ814の判定の結果、一致するヘッド識別情報が識別情報データベース64Aの一般オフィス及び一般家庭の何れの領域にも存在しなかったと判定された場合(否定判定された場合)にはステップ818に移行し、インクジェットプリンタ10とは異なる機種のプリンタを用いて当該映画チケット70が偽造された可能性が高い旨を示すメッセージを図示しないディスプレイに表示した後に本処理を終了する。なお、上記ステップ810の処理が実行される場合には、映画チケット70の偽造が発生した旨を示す情報を警察等の取締り当局に送信する形態とすることもできる。
【0112】
ここで、映画チケット70を偽造するものがいると仮定した場合、精巧な偽造チケットを作るために、映画チケット70を印刷したインクジェットプリンタ10の解像度を上回る高解像度のスキャナと画像処理によって、オリジナルのチケットと同一の画像を再現することも可能である。更には、販売代理店のインクジェットプリンタと同じ機種の記録ヘッドを備えたインクジェットプリンタ(販売代理店のインクジェットプリンタと同じ機種だが、販売代理店以外に出荷されたプリンタ)と、同一のインク及び用紙(記録媒体)を入手し、使用することも不可能ではない。
【0113】
しかしながら、本実施の形態に係るチケット流通システム60によれば、偽造チケットに印刷されているヘッド識別情報は、偽造チケットを印刷したインクジェットプリンタのものとなるため、映画館でヘッド識別情報を読み取って識別情報データベースと照合することによって、契約した販売代理店のインクジェットプリンタで印刷したものでないことが判明し、偽造チケットと判定することができる。更に、偽造に使用したインクジェットプリンタが、出荷検査でヘッド識別情報を採取した記録ヘッドを使用しているものならば、インクジェットプリンタを特定することもできる。
【0114】
この方式で問題となるのは、販売代理店のインクジェットプリンタが不正に使用されることであるが、それは販売代理店の保安管理の問題であり、本発明で対象とする認証方法とは別の問題である。
【0115】
以上詳細に説明したように、本実施の形態に係るインクジェットプリンタでは、予め定められたヘッド識別パターンを記録媒体(認証文書)の所定部位に記録しているので、ヘッド識別パターンに基づいて印刷物の真偽を判定することができ、この結果として確実に印刷物の偽造を防止できると共に、従来の技術のように、印刷物毎に異なる識別情報を保持したり、記録媒体に対して識別情報を保持するための特殊層(特殊領域)を備えたり、特殊インクを使用したりする必要がないので、低コストに印刷物の偽造を防止することができる。
【0116】
また、本実施の形態に係るインクジェットプリンタでは、ヘッド識別パターンを、記録媒体に記録されたときにインク噴射ノズルの各々に対応する孤立ドットとなる画像としているので、多くのヘッド識別情報を得ることができ、高精度に記録ヘッドを識別することができる。
【0117】
また、本実施の形態に係るインクジェットプリンタでは、記録ヘッドと記録媒体との間の距離を調整するヘッド位置調整部と、記録ヘッドと記録媒体との間の相対移動速度を調整するヘッド速度調整部とを備え、かつヘッド識別パターンを記録媒体に記録する際に、上記距離及び上記相対移動速度の双方をノズルの状態に応じた記録後のヘッド識別パターンの変化の度合いが増加する方向に変更しているので、ヘッド識別情報の検出精度の向上と、通常画像印刷時の画質の向上を双方とも実現できる。
【0118】
また、本実施の形態に係る認証文書は、本実施の形態に係るインクジェットプリンタによって、ヘッド識別パターンが記録されているので、低コストで確実に偽造を防止できる。
【0119】
また、本実施の形態に係るチケット流通システムでは、記録ヘッドを備えた複数のインクジェットプリンタによって記録媒体上に記録されたヘッド識別パターンのドット位置ずれ、ドット径、及びドット形状の各情報を予め記憶しておき、本実施の形態に係る認証文書に記録されている上記ヘッド識別パターンの上記ドット位置ずれ、ドット径、及びドット形状の各情報を検出し、検出した情報と上記予め記憶している情報とを比較することにより、上記認証文書に画像を記録したインクジェットプリンタが上記複数のインクジェットプリンタに含まれているか否かを判定しているので、認証文書の真偽を確実に判定できると共に、従来の技術のように印刷物数分の膨大な識別情報との照合(比較)を行う必要がないので、高速に認証文書の真偽を判定できる。
【0120】
更に、本実施の形態に係るチケット流通システムでは、記録ヘッドによって記録媒体上にヘッド識別パターンを記録し、該ヘッド識別パターンのドット位置ずれ、ドット径、及びドット形状の各情報を検出し、検出した情報に基づいて記録ヘッドを識別しているので、印刷物に画像を記録した記録ヘッドを確実に識別することができると共に、従来の技術のように、印刷物毎に異なる識別情報を保持したり、記録媒体に対して識別情報を保持するための特殊層(特殊領域)を備えたり、特殊インクを使用したりする必要がないので、印刷物に画像を記録した記録ヘッドを低コストに識別することができる。
【0121】
なお、本実施の形態では、本発明の文書認証システムを映画チケットの発行及び真偽判定を行うチケット流通システム60に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各種予約証書、各種証明書、航空券、乗車券、入場券等のインクジェットプリンタで印刷可能な各種文書の発行及び真偽判定を行うあらゆるシステムに適用することができることはいうまでもない。
【0122】
また、本実施の形態では、識別情報データベースを出荷先毎に分類すると共に、インターネットを介して検索する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、データベースの構築方法や検索方法も何ら限定するものではない。
【0123】
また、本実施の形態では、ノズル毎にヘッド識別情報を得る場合のヘッド識別パターンとして図5に示すものを適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各ノズルによって記録される各ドットが接触しないパターンであれば如何なるパターンも適用することができる。
【0124】
また、本実施の形態では、ノズル毎にヘッド識別情報を得る場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、複数ノズル毎にヘッド識別情報を得る形態とすることもできる。すなわち、複数のノズルによって複数ドットの集合として画像を記録し、該画像の位置ずれ、画像サイズ、画像形状をヘッド識別情報とする形態である。この場合も本実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0125】
また、本実施の形態では、ヘッド識別情報として、本発明の位置ずれ情報、大きさ情報、及び形状情報に各々相当するドット位置ずれ、ドット径、及びドット形状の全てを取得して真偽判定を行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ドット位置ずれ、ドット径、及びドット形状の何れか1つの情報、又は何れか2つの情報を取得して真偽判定を行う形態とすることもできる。この場合は、本実施の形態よりヘッド識別情報が少なくなるため、本実施の形態に比較して真偽判定の精度が低下するものの、ヘッド識別情報の取得に要する時間を短縮することができる。
【0126】
以上説明したように、本発明に係るインクジェット記録装置によれば、複数のインク噴射ノズルから噴射されたインクにより記録されるドットが各々隣接するドットと接触しない孤立ドットとなる画像である所定画像を示す画像データに基づいて記録媒体の所定部位に上記所定画像を記録しているので、該所定画像に基づいて印刷物の真偽を判定することができ、この結果として確実に印刷物の偽造を防止できると共に、従来の技術のように、印刷物毎に異なる識別情報を保持したり、記録媒体に対して識別情報を保持するための特殊層(特殊領域)を備えたり、特殊インクを使用したりする必要がないので、低コストに印刷物の偽造を防止することができる、という効果が得られる。
【0127】
また、本発明に係る認証文書によれば、本発明のインクジェット記録装置によって、インクジェット記録ヘッドを識別するために用いられる所定画像が記録されたものであるので、低コストで確実に偽造を防止できる、という効果が得られる。
【0128】
また、本発明に係る文書認証装置及び文書認証方法によれば、複数のインク噴射ノズルを有するインクジェット記録ヘッドと、前記複数のインク噴射ノズルから噴射されたインクにより記録されるドットが各々隣接するドットと接触しない孤立ドットとなる画像である所定画像を示す画像データが予め記憶されたメモリと、前記メモリに記憶されている画像データに基づいて記録媒体の所定部位に前記所定画像が記録されるように前記インクジェット記録ヘッドを制御する制御手段とを備えた複数のインクジェット記録装置によって、インクジェット記録装置毎に記録媒体上に記録された前記所定画像の前記孤立ドットの位置ずれを示す位置ずれ情報、上記孤立ドットの大きさを示す大きさ情報、及び上記孤立ドットの形状を示す形状情報の少なくとも1つの情報を予め記憶しておき、上記インクジェット記録装置によって前記所定画像が記録された認証文書に記録されている上記孤立ドットの上記位置ずれ情報、上記大きさ情報、及び上記形状情報のうちの上記予め記憶している少なくとも1つの情報を検出し、検出した情報と上記予め記憶している情報とを比較することにより、上記認証文書に画像を記録したインクジェット記録装置が上記複数のインクジェット記録装置に含まれているか否かを判定しているので、認証文書の真偽を確実に判定できると共に、従来の技術のように印刷物数分の膨大な識別情報との照合(比較)を行う必要がないので、高速に認証文書の真偽を判定できる、という効果が得られる。
【0129】
また、本発明に係る文書認証システムによれば、複数のインク噴射ノズルを有するインクジェット記録ヘッドと、前記複数のインク噴射ノズルから噴射されたインクにより記録されるドットが各々隣接するドットと接触しない孤立ドットとなる画像である所定画像を示す画像データが予め記憶されたメモリと、前記メモリに記憶されている画像データに基づいて記録媒体の所定部位に前記所定画像が記録されるように前記インクジェット記録ヘッドを制御する制御手段とを備えた複数のインクジェット記録装置によってインクジェット記録装置毎に記録媒体上に記録された前記所定画像の前記孤立ドットを読み取り、読み取った上記孤立ドットの位置ずれを示す位置ずれ情報、上記孤立ドットの大きさを示す大きさ情報、及び上記孤立ドットの形状を示す形状情報の少なくとも1つの情報を検出し、検出した情報を記憶し、更に上記インクジェット記録装置によって前記所定画像が記録された認証文書に記録されている上記孤立ドットを読み取って、読み取った上記孤立ドットの上記位置ずれ情報、上記大きさ情報、及び上記形状情報のうちの上記記憶した少なくとも1つの情報を検出すると共に、該検出した情報と、上記記憶した情報とを比較することにより、上記認証文書に画像を記録したインクジェット記録装置が上記複数のインクジェット記録装置に含まれているか否かを判定しているので、認証文書の真偽を確実に判定できると共に、従来の技術のように印刷物数分の膨大な識別情報との照合(比較)を行う必要がないので、高速に認証文書の真偽を判定できる、という効果が得られる。
【0130】
更に、本発明に係るインクジェット記録ヘッド識別方法によれば、複数のインク噴射ノズルを有するインクジェット記録ヘッドを備えた複数のインクジェット記録装置によって、インクジェット記録装置毎に記録媒体上に記録された前記インクジェット記録ヘッドを識別するために用いられる、前記複数のインク噴射ノズルから噴射されたインクにより記録されるドットが各々隣接するドットと接触しない孤立ドットとなる画像である所定画像の前記孤立ドットの位置ずれを示す位置ずれ情報、前記孤立ドットの大きさを示す大きさ情報、及び前記孤立ドットの形状を示す形状情報の少なくとも1つの情報を予め記憶し、前記インクジェット記録ヘッドによって記録媒体上に前記所定画像を構成する孤立ドットを記録し、記録した前記所定画像の前記孤立ドットの位置ずれを示す位置ずれ情報、上記孤立ドットの大きさを示す大きさ情報、及び上記孤立ドットの形状を示す形状情報の少なくとも1つの情報を検出し、検出した情報と前記予め記憶した情報とを比較することにより、上記インクジェット記録ヘッドを識別しているので、印刷物に画像を記録したインクジェット記録ヘッドを確実に識別することができると共に、従来の技術のように、印刷物毎に異なる識別情報を保持したり、記録媒体に対して識別情報を保持するための特殊層(特殊領域)を備えたり、特殊インクを使用したりする必要がないので、印刷物に画像を記録したインクジェット記録ヘッドを低コストに識別することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基本原理の説明に供する概略図である。
【図2】 本発明の基本原理の説明に供する図であり、インクジェット記録ヘッドの製造工程を段階別に示した概略図である。
【図3】 図2(D)に示す工程をより詳細に示した詳細図である。
【図4】 実施の形態に係るインクジェットプリンタの構成を示すブロック図である。
【図5】 実施の形態におけるヘッド識別パターン及び該ヘッド識別パターンが印刷された認証文書の説明に供する図である。
【図6】 (A)は記録ヘッドと記録媒体との間の距離と、位置ずれ量の関係の説明に供する図であり、(B)は記録ヘッドと記録媒体の相対速度と、ドット形状との関係の説明に供する図である。
【図7】 実施の形態に係るインクジェットプリンタにおいて印刷処理を行う際に制御部で実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】 実施の形態に係るチケット流通システムの構成を、インクジェットプリンタの製造会社と、映画チケットの販売代理店と、映画館における映画チケットの認証窓口と、に分類して示したブロック図である。
【図9】 実施の形態に係るチケット流通システムにおいて、インクジェットプリンタの製造会社にてインクジェットプリンタの出荷検査時に行われる処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】 実施の形態に係るチケット流通システムにおいて、各販売代理店にて行われる処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】 実施の形態に係るチケット流通システムにおいて、映画館の認証窓口にて行われる処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 インクジェットプリンタ(インクジェット記録装置)
12 画像情報保持部
14 画像処理部
16 ヘッド識別パターン保持部(メモリ)
18 ヘッド位置調整部(変更手段)
20 インクジェット記録ヘッド
20A ヘッドチップ
21A、21B ノズル(インク噴射ノズル)
22 ヘッド速度調整部(変更手段)
24 制御部(制御手段)
26A ドット位置
26B 理想ドット位置
28A ドット
28B 隣接ドット
30 記録媒体
40 インク主滴
42 サテライトドロップ
50 認証文書
52 ヘッド識別パターン(所定画像)
60 チケット流通システム
62 スキャナ(第1の読取手段)
64 ハードディスク(記憶手段)
64A 識別情報データベース
68 コンピュータ(第1の検出手段)
70 映画チケット
80 スキャナ(第2の読取手段)
82 演算装置(検出手段、第2の検出手段、判定手段)
101、101’、101’’ ノズル

Claims (6)

  1. 複数のインク噴射ノズルを有するインクジェット記録ヘッドと、
    記複数のインク噴射ノズルから噴射されたインクにより記録されるドットが各々隣接するドットと接触しない孤立ドットとなる画像である所定画像を示す画像データが予め記憶されたメモリと、
    前記メモリに記憶されている画像データに基づいて記録媒体の所定部位に前記所定画像が記録されるように前記インクジェット記録ヘッドを制御する制御手段と、
    前記インクジェット記録ヘッドと前記記録媒体との間の距離及び相対移動速度の少なくとも一方を変更する変更手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記所定画像の記録を行う際に、前記距離及び前記相対移動速度の少なくとも一方を前記インク噴射ノズルの状態に応じた記録後の前記所定画像の変化の度合いが通常画像記録時より増加するように、前記距離については通常画像記録時より遠くなるように変更し、前記相対移動速度については通常画像記録時より速くなるように変更する
    ンクジェット記録装置。
  2. 請求項1記載のインクジェット記録装置によって前記所定画像が記録された認証文書。
  3. 複数のインク噴射ノズルを有するインクジェット記録ヘッドと、前記複数のインク噴射ノズルから噴射されたインクにより記録されるドットが各々隣接するドットと接触しない孤立ドットとなる画像である所定画像を示す画像データが予め記憶されたメモリと、前記メモリに記憶されている画像データに基づいて記録媒体の所定部位に前記所定画像が記録されるように前記インクジェット記録ヘッドを制御する制御手段とを備えた複数のインクジェット記録装置によって、インクジェット記録装置毎に記録媒体上に記録された前記所定画像の前記孤立ドットの位置ずれを示す位置ずれ情報、前記孤立ドットの大きさを示す大きさ情報、及び前記孤立ドットの形状を示す形状情報の少なくとも1つの情報が予め記憶された記憶手段と、
    前記インクジェット記録装置によって前記所定画像が記録された認証文書に記録されている前記孤立ドットの前記位置ずれ情報、前記大きさ情報、及び前記形状情報のうちの前記記憶手段に記憶されている少なくとも1つの情報を検出する検出手段と、
    前記検出手段によって検出した情報と前記記憶手段に予め記憶されている情報とを比較することにより、前記認証文書に画像を記録したインクジェット記録装置が前記複数のインクジェット記録装置に含まれているか否かを判定する判定手段と、
    を備えた文書認証装置。
  4. 複数のインク噴射ノズルを有するインクジェット記録ヘッドと、前記複数のインク噴射ノズルから噴射されたインクにより記録されるドットが各々隣接するドットと接触しない孤立ドットとなる画像である所定画像を示す画像データが予め記憶されたメモリと、前記メモリに記憶されている画像データに基づいて記録媒体の所定部位に前記所定画像が記録されるように前記インクジェット記録ヘッドを制御する制御手段とを備えた複数のインクジェット記録装置によって、インクジェット記録装置毎に記録媒体上に記録された前記所定画像の前記孤立ドットの位置ずれを示す位置ずれ情報、前記孤立ドットの大きさを示す大きさ情報、及び前記孤立ドットの形状を示す形状情報の少なくとも1つの情報を予め記憶し、
    前記インクジェット記録装置によって前記所定画像が記録された認証文書に記録されている前記孤立ドットの前記位置ずれ情報、前記大きさ情報、及び前記形状情報のうちの前記予め記憶した少なくとも1つの情報を検出し、
    検出した情報と前記予め記憶した情報とを比較することにより、前記認証文書に画像を記録したインクジェット記録装置が前記複数のインクジェット記録装置に含まれているか否かを判定する
    文書認証方法。
  5. 複数のインク噴射ノズルを有するインクジェット記録ヘッドと、前記 複数のインク噴射ノズルから噴射されたインクにより記録されるドットが各々隣接するドットと接触しない孤立ドットとなる画像である所定画像を示す画像データが予め記憶されたメモリと、前記メモリに記憶されている画像データに基づいて記録媒体の所定部位に前記所定画像が記録されるように前記インクジェット記録ヘッドを制御する制御手段とを備えた複数のインクジェット記録装置によって、インクジェット記録装置毎に記録媒体上に記録された前記所定画像の前記孤立ドットを読み取る第1の読取手段と、
    前記第1の読取手段によって読み取った前記孤立ドットの位置ずれを示す位置ずれ情報、前記孤立ドットの大きさを示す大きさ情報、及び前記孤立ドットの形状を示す形状情報の少なくとも1つの情報を検出するネットワークに接続された第1の検出手段と、
    前記第1の検出手段によって検出した情報を記憶するための記憶手段と、
    前記インクジェット記録装置によって前記所定画像が記録された認証文書に記録されている前記孤立ドットを読み取る第2の読取手段と、
    前記第2の読取手段によって読み取った前記孤立ドットの前記位置ずれ情報、前記大きさ情報、及び前記形状情報のうちの前記記憶手段に記憶されている少なくとも1つの情報を検出する前記ネットワークに接続された第2の検出手段と、
    を備えた文書認証システムであって、
    前記第1の検出手段又は前記第2の検出手段に、前記第2の検出手段によって検出した情報と、前記記憶手段に記憶されている情報とを比較することにより、前記認証文書に画像を記録したインクジェット記録装置が前記複数のインクジェット記録装置に含まれているか否かを判定する判定手段を備えた
    文書認証システム。
  6. 複数のインク噴射ノズルを有するインクジェット記録ヘッドを備えた複数のインクジェット記録装置によって、インクジェット記録装置毎に記録媒体上に記録された前記インクジェット記録ヘッドを識別するために用いられる、前記複数のインク噴射ノズルから噴射されたインクにより記録されるドットが各々隣接するドットと接触しない孤立ドットとなる画像である所定画像の前記孤立ドットの位置ずれを示す位置ずれ情報、前記孤立ドットの大きさを示す大きさ情報、及び前記孤立ドットの形状を示す形状情報の少なくとも1つの情報を予め記憶し、
    前記インクジェット記録ヘッドによって記録媒体上に前記所定画像を構成する孤立ドットを記録し、
    記録した前記所定画像の前記孤立ドットの位置ずれを示す位置ずれ情報、前記孤立ドットの大きさを示す大きさ情報、及び前記孤立ドットの形状を示す形状情報の少なくとも1つの情報を検出し、
    検出した情報と前記予め記憶した情報とを比較することにより、前記インクジェット記録ヘッドを識別する
    インクジェット記録ヘッド識別方法。
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