JP4015288B2 - 情報埋め込み方法と情報抽出方法と情報埋め込み装置と情報抽出装置と記録媒体 - Google Patents
情報埋め込み方法と情報抽出方法と情報埋め込み装置と情報抽出装置と記録媒体 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像信号等に秘匿情報を多重化して記録又は伝送するに際し、秘匿情報を埋め込む情報埋め込み方法及びその装置と、秘匿情報が埋め込まれた信号から秘匿情報を抽出する情報抽出方法及びその装置と、情報埋め込み方法及び情報抽出方法のプログラムを記載した記録媒体とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、音声,画像,その他のデータを統合的に扱うマルチメディア時代を迎えつつある。従来からの情報メディアとして、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、電話等があるが、これら情報メディアと並行して、情報を人に伝達する手段としてマルチメディアが取り上げられるようになってきた。一般にマルチメディアとは、文字だけでなく、図形、音声、特に画像等を同時に関連づけて表すことをいうが、上記の情報メディアをマルチメディアの対象として扱うには、その情報をディジタル形式にすることが必須条件となる。
【0003】
情報をデジタル化することによって、記録や伝送を繰り返しても、一般的には情報の劣化は生じない。これは、利用者の立場から考えると大きな利点であるが、情報の提供者から見ると必ずしも好ましいこととは言えない。即ち、提供された情報を不正に複製する悪意の第3者(以下、単に第3者という)が現れた場合に、提供された情報と全く同じ情報が容易に複製できることになり、情報の提供者が正当な権利、例えば情報提供に対する報酬を得ることが困難になる。
【0004】
そこで、情報の中に特別な情報(以後、秘匿情報と呼ぶ)を記録し、不正な複製を防止する方法が検討されている。この方法の1つとして、秘匿情報をヘッダ部等に付加するものがあり、音楽用CD等で使用されている。この方法では、第3者によって容易に改竄され易い。
【0005】
一方、情報自身の中に秘匿情報を多重化すれば、第3者に本来の情報と秘匿情報の区別がつきにくくなる。この場合、秘匿情報が保護されたまま複製される可能性が高い。利用者、例えば情報復号化機器を使用する者が、ある情報を再生しようとした際に、上記秘匿情報が上記情報復号化機器によって抽出され、その秘匿情報から、上記再生しようとする情報が不正に複製されるものであることが判明されれば、利用者に当該情報が不正な複製であることを通知して、上記再生しようとする情報の表示や出力を中断することが可能となる。秘匿情報としては、情報の原作者を特定するための情報や、複製を許可するか否かの複製の権利を示す情報等がある。
【0006】
さて、実際に第3者が最終段階で情報を不正に取得する場合を考える。例えば、情報として画像信号の場合を考えると、第3者はディスプレイへの入力信号から、情報を不正に入手するかもしれない。即ち、第3者は実際にディスプレイに表示される情報を電気信号として取り出すことができる訳であるから、その場合にも秘匿情報が除去されないようにするためには、ディスプレイに表示される情報にも秘匿情報が多重化されていることが望ましい。この場合、秘匿情報がディスプレイで視覚妨害とならないように多重化されることが必要条件である。
【0007】
図21は秘匿情報の多重化方法の一例を示す説明図である。図21(a)は伝送又は記録したい画像信号を示し、図21(b)は秘匿情報を表す特定のパターンとする。まず、このパターンを特定の写像関数又はスペクトラム拡散を用いて変換し、全画面にデータを分散させる。こうして秘匿情報を図21(c)のように視覚的に妨害とならない信号に変換する。この変換は、スペクトラム拡散法が代表的であり、いわゆる暗号のように、図21(c)からはどのような秘匿情報が挿入されているかが容易に解析できないようになっている。
【0008】
図21(c)のように変換した秘匿情報を、図21(a)の画像信号に加算することで、実際に伝送又は記録する画像情報として例えば図21(d)が得られる。記録又は伝送された画像情報を再生又は受信した場合には、挿入側と逆のルールで図21(d)の画像情報から特定のデータを抽出することで、秘匿情報を復元することができる。
【0009】
例えば、図21(d)の画像情報に対して特別な演算処理、例えば平均化や特別なパターンとの相関係数の計算によって、図21(b)の特徴、即ち画面中央部に横帯があるという特徴を抽出し、この特徴に対応する秘匿情報を獲得する。例えば図21(d)から秘匿情報を抽出する方法が公知であっても、図21(d)から図21(a)又は図21(c)が解読不可能であれば、第3者は図21(d)の画像情報から秘匿情報を除去することはできない。
【0010】
また、第3者が図21(d)の画像情報に対して秘匿情報を抽出できない程度の妨害を与えた場合に、その画像劣化が許容範囲を超えると、図21(a)のような画像が得られなくなる。この場合は第3者の意図的な妨害から情報を保護できたといえる。
【0011】
図22(a)は従来の情報埋め込み装置の構成例を示すブロック図である。この情報埋め込み装置は、情報変換器12と合成器14を含んで構成される。秘匿情報10は情報変換器12に入力され、画像信号11は合成器14に入力される。情報変換器12は秘匿情報10を変換して図21(b)に示すように秘匿情報に対応するパターンに変換し、更に図21(c)のように視覚的に妨害とならない信号に変換する。合成器14は変換した秘匿信号13を画像信号11に多重化し、記録又は伝送用の画像信号15を生成して出力する。
【0012】
図22(b)は従来の情報抽出装置の構成例を示すブロック図である。この情報抽出装置は、抽出器20と情報変換器22を含んで構成される。抽出器20は入力された画像信号15から秘匿信号に関するパターン情報21を抽出する。情報変換器22はパターン情報21が入力されると、そのパターンに対応した秘匿情報に変換して出力する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の情報埋め込み方法では、秘匿情報が容易に破壊される場合がある。図23は秘匿情報が破壊される場合を示す説明図である。
【0014】
図23(a)は、図21(d)に示す記録又は伝送された画像を平行移動して切り出した例を示し、ピアノやラッパを含む画面の絶対位置が左上の方に変更されている。
【0015】
従来の情報埋め込み方法では、画面の絶対位置を基準にして秘匿情報の埋め込みや抽出を行っているため、このように画像が平行移動すると、図21(b)でなく図23(b)のように全く異なる情報(パターン)として誤検出されることがある。例えば、精度があまり高くないアナログ機器で画像をコピーする場合には、同期信号が一致しないことにより、画像の絶対位置が左右に移動することがある。この場合、機器の使用者が無意識に操作しても、秘匿情報が損なわれる恐れがある。
【0016】
また、秘匿情報を破壊するためには、図21(c)のような埋め込み情報を検出できないようにすればよい。これには、図23(c)のような妨害信号を画像に加算することにより実現できる。画像の制作者の側で埋め込み情報の絶対位置を固定している場合、第3者はこのような妨害信号を容易に生成することができる。
【0017】
更に、従来の情報埋め込み方法では、1種類の秘匿情報しか埋め込まれていないため、秘匿情報が記録されているか否かの2種類の判定しかできなかった。これでは不正な妨害を加えられたか否かを判定することが不可能であった。
【0018】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、カラー画像信号に秘匿情報を埋め込むに際し、画面の移動や切り出しに対しても秘匿情報を保護できる情報埋め込み方法を実現することを目的とする。
【0019】
本発明は、上記の方法で秘匿情報が埋め込まれたとき、再生されたカラー画像信号から秘匿情報を確実に抽出できるようにし、不正な妨害を加えられたか否かを判断できる情報抽出方法を実現することを目的とする。
【0020】
本発明は、入力信号に秘匿情報を埋め込むに際し、画面の移動や切り出しに対しても秘匿情報を保護できる情報埋め込み方法を実現することを目的とする。
【0021】
本発明は、上記の方法で秘匿情報が埋め込まれたとき、再生された信号から秘匿情報を抽出できる情報抽出方法を実現することを目的とする。
【0022】
特に本発明は、画像信号又は入力信号に秘匿情報を埋め込むに際し、秘匿情報の埋め込み位置や埋め込み方法を変化させることにより、情報の秘匿性をより高めた情報埋め込み方法を実現することを目的とする。
【0023】
特に本発明は、上記の方法で秘匿情報が埋め込まれたとき、再生された画像信号又は入力信号から秘匿情報を確実に抽出できるようにした情報抽出方法を実現することを目的とする。
【0024】
本発明は、秘匿情報を異なった方法で入力信号に埋め込むことにより、秘匿情報の改ざん度をチェックできるようにした情報抽出方法を実現することを目的とする。
【0025】
本発明は、上記の方法で秘匿情報が埋め込まれたとき、秘匿情報の改ざん度合い又は復号度合いに応じて、入力信号の出力方法を制御できるようにした情報抽出方法を実現することを目的とする。
【0026】
本発明は、秘匿情報を物体の特定の位置に埋め込むことにより、画面の回転や縮小/拡大に対しても秘匿情報を保護できる情報埋め込み方法及び装置を実現することを目的とする。
【0027】
本発明は、上記の方法及び装置で秘匿情報が埋め込まれたとき、再生された画像信号から秘匿情報を抽出できる情報抽出方法及び装置を実現することを目的とする。
【0028】
本発明は、秘匿情報を物体に埋め込む際に特定の方向で埋め込むことにより、画面の回転に対しても秘匿情報を保護できる情報埋め込み方法及び装置を実現することを目的とする。
【0029】
本発明は、上記の方法及び装置で秘匿情報が埋め込まれたとき、再生された画像信号から秘匿情報を抽出できる情報抽出方法及び装置を実現することを目的とする。
【0030】
本発明は、秘匿情報を埋め込む際に、物体の大きさに応じてその量、及び方法を可変とするようにすることにより、画質劣化を防止することのできる情報埋め込み方法及び装置を実現することを目的とする。
【0031】
特に本発明は、物体の大きさに応じて、秘匿情報を埋め込む際に用いる擬似乱数の周期を変化させるものである。
【0032】
本発明は、上記の方法で秘匿情報が埋め込まれたとき、再生された画像信号から秘匿情報を抽出できる情報抽出方法を実現することを目的とする。
【0033】
本発明は、秘匿情報を物体の大きさに合わせて所定の倍率で変形させ、該変形させた秘匿情報を物体の大きさと同じ大きさに戻してから物体に埋め込むことにより、画像の縮小/拡大に対しても秘匿情報を保護できる情報埋め込み方法及び装置を実現することを目的とする。
【0034】
本発明は、上記の方法で秘匿情報が埋め込まれたとき、再生された画像信号から秘匿情報を抽出できる情報抽出方法及び装置を実現することを目的とする。
【0035】
本発明は、情報埋め込み方法を記載した記録媒体をコンピュータにロードすることにより、秘匿情報の埋め込み処理を任意のコンピュータで実行できるようにすることを目的とする。
【0036】
本発明は、情報抽出方法を記載した記録媒体をコンピュータにロードすることにより、秘匿情報の抽出処理を任意のコンピュータで実行できるようにすることを目的とする。
【0037】
【課題を解決するための手段】
これらの課題を解決するために、本発明は、カラー画像信号に秘匿情報を埋め込む情報埋め込み方法であって、前記カラー画像信号の所定の信号成分の所定の位置に前記秘匿情報を埋め込み、前記カラー画像信号の他の信号成分に、前記秘匿情報の埋め込み位置を特定する位置情報を埋め込むことを特徴とするものである。
【0038】
また本発明は、カラー画像信号に秘匿情報を埋め込む情報埋め込み方法であって、前記カラー画像信号の輝度信号の所定の位置に前記秘匿情報を埋め込み、前記カラー画像信号の色差信号に、前記秘匿情報の埋め込み位置を特定する位置情報を埋め込むことを特徴とするものである。
このような方法によれば、カラー画像が部分的に切り出されたり、移動しても、各画素又はブロック単位では輝度信号と色差信号の位置は相対的にずれないので、秘匿情報の検出が確実にできる。
【0039】
また本発明は、上記情報埋め込み方法によって秘匿情報が埋め込まれたカラー画像信号から、秘匿情報を抽出する情報抽出方法であって、前記カラー画像信号の他の信号成分から、上記秘匿情報が埋め込まれた所定の位置を特定するための位置情報を抽出し、抽出された前記位置情報に基づいて、カラー画像信号の他の信号成分から、前記秘匿情報を抽出することを特徴とするものである。
【0040】
また本発明は、上記情報埋め込み方法によって秘匿情報が埋め込まれたカラー画像信号から、秘匿情報を抽出する情報抽出方法であって、前記カラー画像信号の色差信号から、所定の位置を特定する位置情報を抽出し、抽出された前記位置情報に基づいて、前記カラー画像信号の輝度信号から、前記秘匿情報を抽出することを特徴とするものである。
【0041】
また本発明は、入力信号に秘匿情報を埋め込む情報埋め込み方法であって、前記入力信号の所定の位置に前記秘匿情報を埋め込み、前記入力信号の他の位置に前記秘匿情報の埋め込み位置を特定する位置情報を埋め込むことを特徴とするものである。
【0042】
また本発明は、上記情報埋め込み方法によって秘匿情報が埋め込まれた入力信号から、秘匿情報を抽出する情報抽出方法であって、前記入力信号から前記秘匿情報が埋め込まれた所定の位置を特定するための位置情報を抽出し、抽出された前記位置情報に基づいて、前記入力信号から前記秘匿情報を抽出することを特徴とするものである。
【0043】
また本発明は、画像信号に秘匿情報を埋め込む情報埋め込み方法であって、前記画像信号の所定の位置に前記秘匿情報を埋め込み、前記所定の位置を画面単位で切り替えることを特徴とするものである。
このような方法によれば、秘匿情報の埋め込み位置がフレーム毎に異なるので、第3者による秘匿情報の発見や秘匿情報の改ざんが困難となる。
【0044】
また本発明は、上記情報埋め込み方法によって秘匿情報が埋め込まれた画像信号から、秘匿情報を抽出する情報抽出方法であって、前記画像信号の所定の位置から前記秘匿情報を抽出するに際し、前記秘匿情報の抽出位置を画面単位で切り替えることを特徴とするものである。
【0045】
また本発明は、入力信号に秘匿情報を埋め込む情報埋め込み方法であって、少なくとも2種類の方法で前記秘匿情報を埋め込むことを特徴とするものである。
このような方法によれば、秘匿情報が複数の方法で埋め込まれるので、第3者による秘匿情報の改ざんがより困難となる。
【0046】
また本発明は、上記情報埋め込み方法によって秘匿情報が埋め込まれた入力信号から秘匿情報を抽出する情報抽出方法であって、前記入力信号から少なくとも2種類の方法で前記秘匿情報を抽出し、抽出された複数の秘匿情報の比較結果に基づいて、前記秘匿情報の扱いを切り替えることを特徴とするものである。
このような方法によれば、秘匿情報の復号状態によって、入力信号の改ざん度合いを把握できる。
【0047】
また本発明は、カラー画像信号に秘匿情報を埋め込む情報埋め込み装置であって、前記カラー画像信号の所定の信号成分の所定の位置に、前記秘匿情報を埋め込む第1の情報埋め込み手段と、前記カラー画像信号の他の信号成分に、前記秘匿情報の埋め込み位置を特定する位置情報を埋め込む第2の情報埋め込み手段と、を具備することを特徴とするものである。
【0048】
また本発明は、上記情報埋め込み装置によって秘匿情報が埋め込まれたカラー画像信号から、秘匿情報を抽出する情報抽出装置であって、前記カラー画像信号の他の信号成分から、前記秘匿情報が埋め込まれた所定の位置を特定するための位置情報を抽出する第1の情報抽出手段と、前記第1の情報抽出手段で得られた位置情報に基づいて、カラー画像信号の所定の信号成分から、前記秘匿情報を抽出する第2の情報抽出手段と、を具備することを特徴とするものである。
【0049】
また本発明は、入力信号に秘匿情報を埋め込む情報埋め込み装置であって、前記入力信号の所定の位置に、前記秘匿情報を埋め込む第1の情報埋め込み手段と、前記入力信号の他の位置に、前記秘匿情報の埋め込み位置を特定するための位置情報を埋め込む第2の情報埋め込み手段と、を具備することを特徴とするものである。
【0050】
また本発明は、上記情報埋め込み装置によって秘匿情報が埋め込まれた入力信号から、秘匿情報を抽出する情報抽出装置であって、前記入力信号から前記秘匿情報が埋め込まれた前記所定の位置を特定するための位置情報を抽出する第1の情報抽出手段と、前記第1の情報抽出手段で得られた位置情報に基づいて、前記入力信号から前記秘匿情報を抽出する第2の情報抽出手段と、を具備することを特徴とするものである。
【0051】
また本発明は、入力信号に秘匿情報を埋め込む情報埋め込み装置であって、相異なった方法で前記秘匿情報を埋め込む複数の情報埋め込み手段を具備することを特徴とするものである。
【0052】
また本発明は、上記情報埋め込み装置によって秘匿情報が埋め込まれた入力信号から秘匿情報を抽出する情報抽出装置であって、前記入力信号から夫々の方法で埋め込まれた前記秘匿情報を抽出する複数の情報抽出手段と、前記複数の情報抽出手段で抽出した夫々の秘匿情報の内容を比較し、比較結果に基づいて入力信号の扱いを切り替える情報判断手段と、を具備することを特徴とするものである。
このような構成によれば、秘匿情報の復号状態によって、入力信号の出力を停止したり、コピーを禁止したりするなど、多様なペナルティを受聴者に与えることができる。
【0053】
また本発明は、物体の形状を示す情報とともに送信される画像信号に秘匿情報を埋め込む情報埋め込み方法であって、前記物体の形状を示す情報によって特定される前記物体の形状の所定位置に前記秘匿情報を埋め込むことを特徴とするものである。
【0054】
また本発明は、上記情報埋め込み方法によって秘匿情報が埋め込まれた画像信号から、秘匿情報を抽出する情報抽出方法であって、前記物体の形状を示す情報より、前記秘匿情報の埋め込み位置を特定するための位置情報を抽出し、前記抽出された位置情報に基づいて、前記物体の形状の所定位置に埋め込まれた秘匿情報を抽出することを特徴とするものである。
このような方法によれば、画面の回転や縮小/拡大に対しても秘匿情報を保護できる。
【0055】
また本発明は、物体の形状を示す情報とともに送信される画像信号に秘匿情報を埋め込む情報埋め込み方法であって、前記物体の形状を示す情報によって特定される前記物体の形状に対して、所定の方向に前記秘匿情報を埋め込むことを特徴とするものである。
【0056】
また本発明は、上記情報埋め込み方法によって秘匿情報が埋め込まれた画像信号から、秘匿情報を抽出する情報抽出方法であって、前記物体の形状を示す情報より、前記物体の形状に対する前記秘匿情報の埋め込み方向を特定するための埋め込み順序情報を抽出し、前記抽出された埋め込み順序情報に基づいて、前記物体に埋め込まれた秘匿情報を抽出することを特徴とするものである。
このような方法によれば、画面の回転に対しても秘匿情報を保護できる。
【0057】
また本発明は、物体の形状を示す情報とともに送信される画像信号に秘匿情報を埋め込む情報埋め込み方法であって、前記物体の形状を示す情報によって特定される前記物体の形状の大きさに応じて、前記画像信号に埋め込まれる秘匿情報の量を変化させるとともに、該秘匿情報の量に応じて、該秘匿情報を埋め込む方法を変化させて前記秘匿情報の埋め込みを行うことを特徴とするものである。
【0058】
また本発明は、上記秘匿情報を埋め込む情報埋め込み方法において、前記秘匿情報を埋め込む方法を、該秘匿情報埋め込み時の擬似乱数の周期を変化させて埋め込むことで変化させることを特徴とするものである。
【0059】
また本発明は、上記情報埋め込み方法によって秘匿情報が埋め込まれた画像信号から、秘匿情報を抽出する情報抽出方法であって、前記物体の形状を示す情報より上記秘匿情報の埋め込み量を示す埋め込み量情報を抽出し、前記抽出された埋め込み量情報に基づいて、前記物体に埋め込まれた秘匿情報の量、及び埋め込み時の方法を判定して、前記秘匿情報を抽出することを特徴とするものである。
このような方法によれば、秘匿情報による画質劣化を防止することができる。
【0060】
また本発明は、物体の形状を示す情報とともに送信される画像信号に秘匿情報を埋め込む情報埋め込み方法であって、前記物体の形状を示す情報から前記物体の大きさを表す大きさ情報を抽出し、前記大きさ情報に基づいて、前記物体の大きさを所定の大きさに縮小もしくは拡大した形状に相当する秘匿情報記述領域を作成し、これに秘匿情報を記述し、該縮小もしくは拡大した状態の秘匿情報記述領域を元の大きさに復元して上記画像信号に埋め込むことを特徴とするものである。
【0061】
また本発明は、上記情報埋め込み方法によって秘匿情報が埋め込まれた画像信号から、秘匿情報を抽出する情報抽出方法であって、前記物体の形状を示す情報より上記秘匿情報の埋め込まれた物体の大きさを検出し、前記検出された物体の大きさを、前記秘匿情報を記述した時の大きさとなるように物体を拡大もしくは縮小し、該物体に埋め込まれた秘匿情報を抽出することを特徴とするものである。
このような方法によれば、画像の縮小/拡大に対しても秘匿情報を保護できる。
【0062】
また本発明は、物体の形状を示す情報とともに送信される画像信号に秘匿情報を埋め込む情報埋め込み装置であって、前記物体の形状を示す情報を参照して、前記秘匿情報を埋め込む物体の所定位置を決定する埋め込み位置決定手段と、前記埋め込み位置決定手段によって決定された、前記物体の所定位置に秘匿情報を埋め込む合成手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0063】
また本発明は、上記情報埋め込み装置によって秘匿情報が埋め込まれた画像信号から、秘匿情報を抽出する情報抽出装置であって、前記物体の形状を示す情報を参照して、前記秘匿情報が埋め込まれた物体の所定位置を決定する埋め込み位置決定手段と、前記埋め込み位置決定手段によって決定された、前記物体の所定位置から秘匿情報を抽出する抽出手段とを備えたことを特徴とするものである。
このような装置によれば、画面の回転や縮小/拡大に対しても秘匿情報を保護できる。
【0064】
また本発明は、物体の形状を示す情報とともに送信される画像信号に秘匿情報を埋め込む情報埋め込み装置であって、前記物体の形状を示す情報を参照して、前記物体に対して前記秘匿情報を埋め込む際の所定方向を決定する埋め込み順序決定手段と、前記埋め込み順序決定手段によって決定された所定の方向に従って、前記物体に秘匿情報を埋め込む合成手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0065】
また本発明は、上記情報埋め込み装置によって秘匿情報が埋め込まれた画像信号から、秘匿情報を抽出する情報抽出装置であって、前記物体の形状を示す情報を参照して、前記物体に対して前記秘匿情報が埋め込まれた所定の方向を決定する埋め込み順序決定手段と、前記埋め込み順序決定手段によって決定された所定の方向に従って、前記物体から秘匿情報を抽出する抽出手段とを備えたことを特徴とするものである。
このような装置によれば、画面の回転に対しても秘匿情報を保護できる。
【0066】
また本発明は、物体の形状を示す情報とともに送信される画像信号に秘匿情報を埋め込む情報埋め込み装置であって、前記物体の形状を示す情報から物体の大きさを検出する物体大きさ検出手段と、前記物体大きさ検出手段による検出結果を参照して、前記物体に対して埋め込む前記秘匿情報の量を決定するとともに、該秘匿情報の量に応じて該秘匿情報を埋め込む際の所定の方法を決定する埋め込み量決定手段と、前記埋め込み量決定手段によって決定された所定量の秘匿情報を、前記物体に前記所定の方法で埋め込む合成手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0067】
また本発明は、上記秘匿情報を埋め込む情報埋め込み装置において、前記秘匿情報を埋め込む際の所定方法を、該秘匿情報埋め込み時の擬似乱数の周期を変化させて埋め込むことで変化させることを特徴とするものである。
【0068】
また本発明は、上記情報埋め込み装置によって秘匿情報が埋め込まれた画像信号から、秘匿情報を抽出する情報抽出装置であって、前記物体の形状を示す情報から物体の大きさを検出する物体大きさ検出手段と、前記物体大きさ検出手段による検出結果を参照して、前記物体に対して埋め込まれた前記秘匿情報の量を決定する埋め込み量決定手段と、前記埋め込み量決定手段によって決定された所定量の秘匿情報を、前記物体から抽出する抽出手段とを備えたことを特徴とするものである。
このような装置によれば、秘匿情報による画質劣化を防止することができる。
【0069】
また本発明は、物体の形状を示す情報とともに送信される画像信号に秘匿情報を埋め込む情報埋め込み装置であって、前記物体の形状を示す情報から物体の大きさを検出する物体大きさ検出手段と、前記物体大きさ検出手段による検出結果を参照して、前記物体の大きさを所定の大きさに縮小もしくは拡大した形状に相当する秘匿情報記述領域を作成し、これに秘匿情報を記述する第1の秘匿情報変形手段と、上記秘匿情報記述領域を前記縮小もしくは拡大前の大きさに復元するため、該秘匿情報記述領域の拡大もしくは圧縮を行う第2の秘匿情報変形手段と、前記第2の秘匿情報変形手段によって変形された秘匿情報を、前記物体に埋め込む合成手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0070】
また本発明は、上記情報埋め込み装置によって秘匿情報が埋め込まれた画像信号から、秘匿情報を抽出する情報抽出装置であって、前記物体の形状を示す情報から物体の大きさを検出する物体大きさ検出手段と、前記物体大きさ検出手段による検出結果を参照して、前記物体の大きさを所定の大きさに拡大もしくは縮小する物体変形手段と、前記物体変形手段によって変形された物体から秘匿情報を抽出する抽出手段とを備えたことを特徴とするものである。
このような装置によれば、画像の縮小/拡大に対しても秘匿情報を保護できる。
【0071】
また本発明は、上記情報埋め込み方法を実行するためのプログラムが記録されたコンピュータ読取可能なものである。
【0072】
また本発明は、上記情報抽出方法を実行するためのプログラムが記録されたコンピュータ読取可能なものである。
【0073】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態における情報埋め込み方法及び情報抽出方法について、図1〜図12を用いて説明する。
【0074】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における情報埋め込み方法及び情報抽出方法について説明する。画像信号は通常カラー信号であり、輝度信号と色差信号で構成されている。輝度信号の方が色差信号よりも視覚的に重要であるため、通常は色差信号よりも歪や画質劣化が少ない方法で輝度信号を符号化し、記録又は伝送する。カラー信号の場合は輝度信号と色差信号をまとめて扱うため、記録又は伝送の際にも画面内で輝度信号と色差信号の相対位置は変化しない。このことはコンポーネント信号や、DCTなどにより圧縮符号化された信号でも同様である。
【0075】
また、輝度信号と色差信号の画素位置の対応が一致しない場合には、大きな画質劣化となるため、意図的に輝度信号と色差信号の画素位置の対応を変えることは考えられない。そこで、輝度信号に秘匿情報を埋め込み、更に色差信号に秘匿情報の埋め込み位置情報を記録すれば、画像の平行移動に対して破壊されにくい秘匿情報埋め込み方法が実現できる。上記輝度信号と色差信号に対する情報埋め込みの例としては、下記のものが考えられる。
【0076】
(1)輝度信号: 平行移動の妨害に対してやや弱いが、それ以外の妨害に強い埋め込み方法を適用する。
(2)色差信号: 平行移動の妨害に対して強いが、それ以外の妨害にはやや弱い方法を適用する。
【0077】
意図的でない(不正でない)平行移動の妨害に対しては、色差信号で埋め込み位置情報を検出できる。この場合は、輝度信号から秘匿情報を正しく抽出できる。また、不正な妨害で色差信号から埋め込み位置情報を検出できない場合は、不正な処理を行ったと判断できるので、機器にその旨を通知することもできる。また、色差信号から埋め込み位置情報を検出できない場合には、色差信号を参照せず、輝度信号のみから従来の情報抽出方法で秘匿情報を直接抽出してもよい。
【0078】
ここで秘匿情報の埋め込み方法の一例として、擬似乱数(PN系列)を用いたものについて説明する。PN系列の1つであるM系列とは、同一の次数のシフトレジスタで構成できる線形符号の中で、周期が最大のものである。このようなM系列は擬似乱数として最もよく利用される。例えば次の(1)式に示す生成多項式を考える。
【0079】
【数1】
【0080】
この多項式G1で生成される系列は次の7通りである。
(0,0,1,0,1,1,1)
(0,1,0,1,1,1,0)
(1,0,1,1,1,0,0)
(0,1,1,1,0,0,1)
(1,1,1,0,0,1,0)
(1,1,0,0,1,0,1)
(1,0,0,1,0,1,1)
M系列は、1と0の正規頻度がほぼ等しく、ランダム雑音に近い特性を有し、更に自己相関が非常に高いピーク値を持つ点で、擬似雑音として優れている。M系列は、次の(2)式で示されるものもある。
【0081】
【数2】
【0082】
この多項式G2で生成される系列は次の7通りである。
(0,0,1,1,1,0,1)
(0,1,1,1,0,1,0)
(1,1,1,0,1,0,0)
(1,1,0,1,0,0,1)
(1,0,1,0,0,1,1)
(0,1,0,0,1,1,1)
(1,0,0,1,1,1,0)
G1とG2は夫々異なる種類の擬似雑音であるから、同じ系列で一致した場合のみ、自己相関が大きくなる。両者が混在した状態、即ちG1とG2の両方が秘匿情報として埋め込まれた状態から、夫々一方を抽出することも可能である。
【0083】
さて画像信号をN個の画素値のブロックとして
{x1,x2,x3・・・xN}に分割する。
そして長さNの擬似乱数(擬似雑音)
{P1,P2,P3,・・・PN}を上記の画像信号に加算し、
秘匿情報を埋め込んだ画素値のブロックを
{x1+P1,x2+P2,x3+P3・・・xN+PN}とする。
入力画像信号の各ブロックについて、この操作を行うことにより、秘匿情報を埋め込んだ画像信号を構成できる。
【0084】
このようにして構成された画像信号から秘匿情報を抽出するには、まず画像信号をブロック化し、
{x1+P1,x2+P2,x3+P3・・・xN+PN}を得る。
N個の各成分について、全ブロックの平均値を計算すると、
{E(x1+P1),E(x2+P2),E(x3+P3)・・・E(xN+PN)}
={E(x1)+P1,E(x2)+P2,E(x3)+P3・・・E(xN)+PN}となる。ここでE(x)はxの平均値を表すものとする。
{xi}は画素値であり、画像全体の平均値をmとすると、
E{xi}=m+δiなので、上記の結果は、
{E(x1+P1),E(x2+P2),E(x3+P3)・・・E(xN+PN)}
={m+δ1+P1,m+δ2+P2,m+δ3+P3,・・・m+δN+PN}となる。
【0085】
ここで、{δi}はE{xi}とmの誤差であり、その大きさは殆ど0に近い値である。従って上記の各成分からmを減算し、
R={δ1+P1,δ2+P2,δ3+P3,・・・δN+PN}と、
擬似乱数{P1,P2,P3・・・PN}の相関を計算すれば、その自己相関が大きいことから、擬似乱数{P1,P2,P3・・・PN}が埋め込まれていることが検出できる。もし擬似乱数{P1,P2,P3・・・PN}が埋め込まれていなければ、上記Rは
R={δ1,δ2,δ3,・・・δN}であることから、
擬似乱数{P1,P2,P3・・・PN}との相関を計算すれば、その相関が小さくなる。この場合擬似乱数{P1,P2,P3・・・PN}が埋め込まれていないと判定できる。
【0086】
そこで、図24で示す輝度信号の位置に、秘匿情報を埋め込むものとする。その際に、秘匿情報の埋め込み位置に対応する色差信号の位置に擬似乱数を重畳する。色差信号の各走査ラインをN画素からなるブロックに分割し、このブロックが輝度信号の秘匿情報の埋め込み位置に対応するものであれば、このブロックの画素値に長さNの擬似乱数を重畳すればよい。このブロックが輝度信号の秘匿情報埋め込み範囲外であれば、擬似乱数を重畳しない。その結果、後述する秘匿情報の抽出器で、擬似乱数を含む走査線に対して、秘匿情報が埋め込まれていることを検出できる。
【0087】
長さNの擬似乱数として、自己相関が大きいデータを選択すれば、垂直位置も限定することができる。例えば、Nの擬似乱数として、
{P1,P2,P3・・・PN}と、
{P1+MmodN,P2+MmodN,P2+MmodN,・・・PN+MmodN,}
の相関がM=0の場合に最大となり、M=1,2,3・・・N−1の場合に小さくなるものを選択すれば、埋め込み情報を検出する際に、N画素からなるブロック化を作成する区切り位置が、埋め込み時点と異なる場合は、相関が小さくなる。
【0088】
そこで、ブロック化の区切り位置を数種類試行し、その中で最も相関が大きくなるものを、ブロック化の区切り位置として検出することができる。また図25に示すように、ある走査線のある水平走査位置のブロックのみに擬似雑音を重畳することによって、矩形状の領域を指定することもできる。
【0089】
さて、本発明の実施の形態1における情報埋め込み装置について図1(a)のブロック図を用いて説明する。この情報埋め込み装置は、第1の情報変換器31、第1の合成器35、第2の情報変換器36、第2の合成器39を含んで構成される。秘匿情報10は情報変換器31に入力され、輝度信号34は合成器35に入力される。また、色差信号38は合成器39に入力される。
【0090】
情報変換器31は、入力された秘匿情報10を変換して図21(b)のような特定のパターンに変換し、更に図21(c)のように視覚的に妨害とならない秘匿信号32に変換して合成器35に出力すると共に、秘匿信号32の埋め込む位置を示す埋め込み位置情報33を情報変換器36に出力する。
【0091】
合成器35は輝度信号34の埋め込み位置情報33で指し示される位置に、変換した秘匿信号32を多重化し、記録又は伝送するための画像信号(輝度信号)40を出力する。また、情報変換器36は埋め込み位置情報33を秘匿信号37に変換し、合成器39に与える。合成器39は、変換した秘匿信号37を色差信号38に多重化し、記録又は伝送するための画像信号(色差信号)41を出力する。
【0092】
次に本実施の形態の情報抽出装置について説明する。図1(b)は本実施の形態の情報抽出装置の構成を示すブロック図である。この情報抽出装置は、第1の抽出器42、第1の情報変換器44、第2の抽出器46、第2の情報変換器48を含んで構成される。
【0093】
抽出器42は色差信号41を入力し、色差信号41から秘匿信号43を抽出し、情報変換器44に出力する。情報変換器44は秘匿信号43を埋め込み位置情報45に変換して抽出器46に出力する。抽出器46は埋め込み位置情報45で指し示される輝度信号40の特定位置からパターン情報47を抽出する。情報変換器48は、パターン情報47を秘匿情報49に変換して出力する。
【0094】
図2は実施の形態1の情報埋め込み方法を示すフローチャートである。まず、ステップS1では、秘匿情報を輝度信号に埋め込む(多重化する)位置Pを決定する。次に、ステップS2では、埋め込む位置を示す情報を、視覚的に妨害とならない信号に変換し、色差信号に埋め込む(多重化する)。ステップS3では、ステップS1で決定した輝度信号の位置に、入力された秘匿情報を視覚的に妨害とならない信号に変換して埋め込む(多重化する)。なお、ステップS2とステップS3の処理は入れ替えてもよい。
【0095】
図3は実施の形態1の情報抽出方法を示すフローチャートである。まず、ステップS10では、色差信号から埋め込み位置情報を抽出し、秘匿情報が埋め込まれた輝度信号の位置を検出する。ステップS11では、ステップS10で秘匿情報が埋め込まれた輝度信号の位置が検出できるか否かを判断し、検出できない場合はステップS12に移り、予め準備した位置の候補から、所定の方法で選択した位置を秘匿情報が埋め込まれた輝度信号の位置とする。ステップS13に進むと、抽出した位置情報で示される輝度信号から秘匿情報を抽出する。なお、色差信号から埋め込まれた輝度信号の位置が復号化できない場合は、不正な処理が行われていると判断し、不正処理用の動作を行ってもよい。
【0096】
(実施の形態2)
次に実施の形態2における情報埋め込み方法及び情報抽出方法について説明する。実施の形態1では、輝度信号に秘匿情報を埋め込み、秘匿情報の埋め込み位置情報を色差信号に挿入するとして説明した。これに対して、輝度信号又は色差信号のいずれか一方に、秘匿情報と埋め込み位置情報の両方を挿入することも可能である。図7(a)は埋め込み位置情報と網かけで示す秘匿情報を多重化する第1例の説明図である。ここでは、視覚的に妨害の少ない次の2通りの情報埋め込み方法を準備し、図のように画面を空間分割して多重化するものである。
【0097】
埋め込み方法1:
平行移動の妨害に対してやや弱いが、それ以外の妨害に強い埋め込み方法を適用する。
埋め込み方法2:
位置の同期を取ることができる方法を適用する。
【0098】
埋め込み方法2として、画像の他の部分では発生しない特別な同期パターン等を使用し、一定の確率でパターンが一致する位置を基準にし、秘匿情報の埋め込む位置を特定する。同期パターン以外を誤って同期パターンとして認識しないために、同期パターンは十分な長さで且つ視覚的に妨害が少ないことが望まれる。前述したM系列はこの同期パターンとして適している。
【0099】
さて、同期パターンによっては水平方向の同期がとれない場合があるが、そのときには図7(b)に示すように、垂直方向にも位置情報を入れることができる。
【0100】
図4(a)は本実施の形態における情報埋め込み装置の構成を示すブロック図である。この情報埋め込み装置は、第1の情報変換器50、第1の合成器56、第2の情報変換器58、第2の合成器60、第1のスイッチ55、第2のスイッチ62を含んで構成される。
【0101】
秘匿情報10は情報変換器50に入力され、画像信号53はスイッチ55に入力される。情報変換器50は秘匿情報10を図21(b)のような特定のパターンに変換すると共に、そのパターンを視覚的に妨害とならない秘匿信号51に変換し合成器56に与える。また情報変換器50は秘匿信号51を埋め込む埋め込み位置情報52を生成し、情報変換器58及びスイッチ55,62に出力する。
【0102】
スイッチ55とスイッチ62は埋め込み位置情報52によって切り替わるスイッチである。即ちスイッチ55,62は、秘匿情報を埋め込む位置の画像信号53は合成器56で合成され、位置情報を埋め込む位置の画像信号53は合成器60で合成されるように切り替わる。合成器56は、埋め込み位置情報52で指し示された位置に、変換した秘匿信号51を多重化する。
【0103】
情報変換器58は、埋め込み位置情報52を秘匿信号59に変換する。合成器60は、画像信号53の位置情報の埋め込み位置に、変換した秘匿信号59を多重化する。合成器56又は合成器60で多重化した画像信号は、スイッチ62で合成され、記録又は伝送用の画像信号63として出力される。
【0104】
図4(b)は本実施の形態の情報抽出装置の構成を示すブロック図である。この情報抽出装置は、第1の抽出器64、第1の情報変換器66、第2の抽出器68、第2の情報変換器70を含んで構成される。抽出器64は画像信号63から秘匿情報に関するパターン情報65を抽出し、情報変換器66に出力する。情報変換器66はパターン情報65に対応する埋め込み位置情報67に変換し、抽出器68に出力する。抽出器68は埋め込み位置情報67で指し示される位置から秘匿情報に関するパターン情報69を画像信号63から抽出する。情報変換器70はパターン情報69を秘匿情報71に変換して出力する。
【0105】
図5は本実施の形態の情報埋め込み方法を示すフローチャートである。まず、ステップS20では、秘匿情報を画像信号に埋め込む(多重化する)位置Pを決定する。次のステップS21では、位置Pを表す情報を多重化する位置Qを決定する。ステップS22では、画像信号の位置Pに秘匿情報を埋め込む(多重化する)。ステップS23では位置情報を視覚的に妨害とならない信号に変換して画像信号の位置Qに埋め込む(多重化する)。
【0106】
図6は本実施の形態の情報抽出方法を示すフローチャートである。まず、ステップS30では、画像信号から埋め込まれた情報を抽出し、秘匿情報が埋め込まれた位置Pを検出する。ステップS31では、ステップS30で秘匿情報が埋め込まれた位置が検出できたか否かを判別し、検出できない場合はステップS32に移り、予め準備した位置の候補から、所定の方法で選択した位置を、秘匿情報が埋め込まれた位置Pとする。
【0107】
最後のステップS33では、抽出した位置情報で示される画像信号から、秘匿情報を抽出し、画像信号を復号化する。こうして正しい秘匿情報が抽出できる。
【0108】
なお、埋め込まれた画像信号の位置Pが復号化できない場合は、不正な処理が行われていると判断し、不正処理用の動作を行ってもよい。以上は画像信号について説明したが、音声信号についても同様に実現できる。
【0109】
(実施の形態3)
秘匿情報を多重化した画像信号が、記録又は伝送の際に平行移動した場合には、有効画素範囲を超える画素値は失われてしまう。仮に、失われた画素値に秘匿情報が多重化されている場合には、秘匿情報を正しく分離することが困難である。そこで、図7(c)に示すように、画面によって網かけで示す秘匿情報を多重化する画素の位置を変えれば、いくつかの画面で正しく秘匿情報を分離することが困難であっても、他の画面では正しく分離できる。
【0110】
第(4m+0)フレーム〜第(4m+3)フレームで示すように、画面単位毎に秘匿情報を多重化する位置を変えれば、第3者が意図的な妨害によって秘匿情報の破壊を試みても、秘匿情報の多重化位置の特定が困難となる。この場合、秘匿情報を保護する効果が高くなる。
【0111】
また、画面毎に周期的に秘匿情報を多重化する位置を変えることもできる。この場合は、秘匿情報を抽出する際に、多重化位置が画面毎に周期的であるか否かを判断することによって、多重化位置を正しく抽出できたか否かを検知できる。更に、秘匿情報の多重化位置を正しく抽出できない場合でも、前後の秘匿情報の多重化位置の関係から、当該画面の秘匿情報の多重化位置を特定することもできる。
【0112】
なお、画面毎に秘匿情報を多重化する画素の位置を変える場合には、実施の形態1及び実施の形態2で説明した方法で、多重化する画素の位置を画像信号に多重化・分離すればよい。以上の本実施の形態では、画像信号について説明したが、入力信号を音声信号としても同様に実現できる。
【0113】
(実施の形態4)
次に本発明の実施の形態4における情報埋め込み方法と情報抽出方法について説明する。前述したように、秘匿情報は視覚的に殆ど妨害とならないように、個々に画像の特性を考慮して画像信号に埋め込まれる。一方、画像信号は、その画像の内容、例えば平坦部が多い画像や、詳細な部分が多い画像、動きのある画像などによって歪の見え方が異なる。このため、視覚的に許容できる劣化の範囲内で、秘匿情報の埋め込みが可能な場合と、不可能な場合がある。
【0114】
秘匿情報の埋め込みが困難な場合は、秘匿情報の埋め込みの強度(画像に対する秘匿情報比率)を小さくしなければ、画質劣化が大きくなる。これでは逆に不正な秘匿情報の破壊に対して弱くなる欠点がある。そこで、複数の方法で秘匿情報の埋め込みを行えば、一方の方法では秘匿情報の埋め込みが困難でも、他方の方法で秘匿情報の埋め込みが可能になる。こうすると、不正な秘匿情報の破壊に対して強くすることができる。
【0115】
また、不正な秘匿情報の改竄によって、一方の(埋め込み強度が弱い)秘匿情報が破壊された場合には、他方の秘匿情報のみが検出されるため、不正な秘匿情報の破壊が行われたと判断できる。この場合には、秘匿情報の扱いを切り替えて機器にその旨を通知することもできる。
更に、全ての秘匿情報を破壊することは困難であるため、秘匿情報が1つも含まれていない場合は、その画像に秘匿情報が本来含まれないものと判断して処理することもできる。
【0116】
図8(a)はこのような趣旨を踏まえた情報埋め込み装置の構成を示すブロック図である。この情報埋め込み装置は、第1の情報変換器80a、第2の情報変換器80b、第1の合成器83a、第2の合成器83bを含んで構成される。情報変換器80aは秘匿情報の埋め込み方法1に対応するもので、情報変換器80bは秘匿情報の埋め込み方法2に対応するものである。
【0117】
秘匿情報10は情報変換器80a,80bに入力され、画像信号82は合成器83aに入力される。情報変換器80aは秘匿情報10を変換して図21(b)のような特定のパターンに変換すると共に、図21(c)のように視覚的に妨害とならない秘匿信号81aに変換する。同様に情報変換器80bは秘匿情報10を変換して特定のパターンに変換すると共に、視覚的に妨害とならない秘匿信号81bに変換する。合成器83aは画像信号10と秘匿信号81aとを多重化し、多重化信号84を合成器83bに与える。合成器83bは多重化信号84と秘匿信号81bを多重化し、記録又は伝送用の画像信号85として出力する。
【0118】
図8(b)は本実施の形態の情報抽出装置の構成を示すブロック図である。この情報抽出装置は、第1の抽出器86a、第2の抽出器86b、第1の情報変換器88a、第2の情報変換器88b、情報判断手段である比較器90を含んで構成される。抽出器86aは入力された画像信号85から秘匿情報に関する第1のパターン情報87aを抽出し、抽出器86bは画像信号85から秘匿情報に関する第2のパターン情報87bを抽出する。情報変換器88aはパターン情報87aから秘匿情報89aに変換して出力する。情報変換器88bもパターン情報87bから秘匿情報89bに変換して出力する。比較器90は2つの秘匿情報を比較し、同一か否かを比較し、同一であれば正規の秘匿情報91として出力する。
【0119】
図9は本実施の形態の情報埋め込み方法を示すフローチャートである。まず、ステップS40では、入力された秘匿情報を視覚的に妨害とならないよう、埋め込み方法1で変換して画像信号に埋め込む(多重化する)。次のステップS41では、入力された秘匿情報を視覚的に妨害とならないよう、埋め込み方法2で変換して画像信号に埋め込む(多重化する)。
【0120】
図10は本実施の形態の情報抽出方法を示すフローチャートである。ここでdetectは、抽出した秘匿情報の個数を格納する変数とする。ステップS50では変数を0にして初期化する。次に、ステップS51では、埋め込み方法1で秘匿情報が画像信号に埋め込まれているものと仮定し、その方法で秘匿情報を抽出する。ステップS52で埋め込み方法1で抽出可能か否かを調べ、可能であればステップS53に進み、変数detectに1を加えてステップS54に移る。またステップS52で抽出可能でなければ、ステップS54に進む。ステップS54では、埋め込み方法2で秘匿情報が埋め込まれているものと仮定し、画像信号から秘匿情報を抽出する。ステップS55で抽出可能であれば、ステップS56に進み、変数detectに1を加える。
【0121】
この時点で、変数detectの値は抽出した秘匿情報の個数を表している。ステップS57で変数detectが0であれば、ステップS58に進み、秘匿情報が埋め込まれていないものと判断し、秘匿情報が埋め込まれていない場合の処理を行う。ステップS57で変数detectが0でなければ、ステップS59に移り、変数detectが1か否かを調べる。変数detectが1であればステップS61に移り、秘匿情報が破壊されているものと判断し、秘匿情報が破壊されている場合の処理を行う。ステップS59で変数detectが2であれば、ステップS60に進み、秘匿情報が全て正しく抽出できているものと判断し、秘匿情報が正しく抽出できた場合の処理を行う。
【0122】
図11は本実施の形態の秘匿情報の判定例を示す説明図である。これは著作権保護のために、画像信号にコピー不可能の印を秘匿情報として埋め込む例である。通常の画像は秘匿情報が含まれていないので、この場合はコピー可能として扱わなければならない。従って、図11(a)のように、コピー可能の場合は埋め込み方法1及び埋め込み方法2とも秘匿情報を無とし、コピー不可能な場合は秘匿情報を埋め込み方法1及び埋め込み方法2で埋め込む。
【0123】
その結果、図11(b)のように抽出した秘匿情報が2つとも検出できない(無)場合は、コピー可能とする。抽出した秘匿情報が2つとも正しく検出できた(有)場合はコピー不可能とし、表示装置への表示を許可する。勿論、コピー不可能の場合は、他の記録媒体へのコピーは禁止される。一方、2つの秘匿情報が一致しない(一方が有で他方が無の)場合は、秘匿情報の破壊が行われたものと判断し、表示装置での表示を禁止する。こうすると、秘匿情報を不正に破壊することに対する防御機能を備えることができる。
【0124】
なお、以上の実施の形態4では、2つの方法で秘匿情報を埋め込む例を示したが、3つ以上の方法で埋め込むことも可能である。更に、所定の複数の埋め込み方法から画面毎に任意のk個(kは自然数)の埋め込み方法を選択し、k個の方法で当該画面に秘匿情報を埋め込んでもよい。また、画像信号について説明したが、音声信号についても同様に実現できる。
【0125】
(実施の形態5)
次に本発明の実施の形態5における情報埋め込み方法と情報抽出方法について説明する。上記実施の形態1ないし4においては、カラー画像信号の輝度信号または色差信号に秘匿情報を埋め込む場合について説明したが、本実施の形態5では、秘匿情報をCG(Computer Graphics),アニメーションデータ,MPEG4などのビデオ信号に埋め込むようにしたものである。すなわち、ビデオ信号は、輝度信号(Y)と2つの色信号(U),(V)さらに形状信号(A)からなり、オブジェクトに対して特定の部位に秘匿情報を記述するようにしたものである。
【0126】
図13(a)は、魚の形をしたオブジェクトの尾の部分に秘匿情報を記録した場合の概念図を示し、このような場所を任意に決めて秘匿情報を記録することにより、図13(b)や図13(c)に示すように、原画が回転、縮小などの変形を施された場合においても、原作者はあらかじめ秘匿情報の埋め込み位置を知っているため、オブジェクトの形状から判断可能な特定の位置に埋め込まれている秘匿情報を容易に取り出して、オリジナル画像データと比較照合することにより、不正な複製が行われたか否かを判定することが可能となる。
【0127】
図14(a)は、以上のような秘匿情報の画像データへの埋め込み処理を行う情報埋め込み装置の構成を示すブロック図である。この情報埋め込み装置は、情報変換器100、合成器102、埋め込み位置決定器104を含んで構成される。
【0128】
次に動作について説明する。図14(a)において、情報変換器100は入力された秘匿情報10を、図21(b)に示されるような特定のパターン情報107に変換する。また、埋め込み位置決定器104は形状信号103を受けて、上記秘匿情報10を変換して得られたパターン情報107を上記画像信号101のどの位置に埋め込むかを指示するための埋め込み位置決定情報105を出力する。合成器102は、上記変換された秘匿情報(特定のパターン情報)107を、上記埋め込み位置決定情報105に基づいて画像信号101の所定個所に埋め込んで合成を行い、秘匿情報が重畳された画像信号106として出力する。この合成器102は具体的には、重み付け加算器のようなものを用いて実現されるものであり、画像信号101に変換された秘匿情報107を埋め込む際の画質劣化等の影響を考慮して合成を行うように構成されている。
【0129】
以上のようにして得られた画像信号は、図14(b)に示されるような情報抽出装置を用いて、その秘匿情報が抽出される。すなわち、この情報抽出装置は、情報変換器110、抽出器108、埋め込み位置決定器109を含んで構成される。図14(b)において、埋め込み位置決定器109は形状信号108から魚の尾の位置を示す情報を取り出して抽出器108に秘匿情報埋め込み位置情報111として出力する。抽出器108は上記出力された秘匿情報埋め込み位置情報111を基にして、秘匿情報が重畳された画像信号106からパターン情報112を抽出して、これを情報変換器110に出力する。そして、情報変換器110はパターン情報112を秘匿情報113に変換して出力する。
【0130】
このように本実施の形態5によれば、オブジェクトの形状を示す形状信号によって秘匿情報10を埋め込む位置を特定し、合成器102によって画像信号101の特定位置に、変換された秘匿情報107を埋め込むようにしたので、画像が任意の角度に回転されたり、縮小拡大されても、情報埋め込み装置と情報抽出装置間で秘匿情報を埋め込み位置を共通の約束事項としておくことで、オブジェクトの形状から容易に秘匿情報が埋め込まれている場所を特定することができ、オブジェクト(画像データ)の原作者は、画像データが自分の著作物であるか否かを容易に確認することができる。
【0131】
なお、本実施の形態5では、魚の尾の部分に秘匿情報を埋め込む例を示したが、図13(d)に示されるように、オブジェクトの特定の場所の一部、例えば、境界から内部に向けてk画素の位置に秘匿情報を記録するようにしてもよく、さらに、秘匿情報を1つのオブジェクトの複数の場所に埋め込むようにしてもよい。このように秘匿情報をオブジェクトの境界から所定画素内側に記述するという方法を情報埋め込み装置と情報抽出装置間で秘匿情報を埋め込み位置を共通の約束事項とすることにより、秘匿情報の埋め込み位置をより簡単に検出することができ、著作物を有する者が自身で秘匿情報の確認を行う以外に、著作権を持たない第3者がデータの再生、複製を行う際に、再生機によって判断が行われ、第3者に情報の表示を行ったり、再生を中断するなどの処理を行うことが可能となる。
【0132】
(実施の形態6)
次に本発明の実施の形態6における情報埋め込み方法と情報抽出方法について説明する。本実施の形態6では、秘匿情報を埋め込む際の、オブジェクトに対する埋め込み順序について特定するようにしたものである。
【0133】
図15(a)は、魚の形をしたオブジェクトの全体に秘匿情報を記録する場合の記録順序の一例を示す模式図であり、魚の形状の長手方向(紙面左右方向)に沿って秘匿情報を埋め込む、もしくは、オブジェクトの短手方向の大きさ、ここでは、尾の幅(紙面上下方向)L1と、頭部の幅(紙面上下方向)L2を比較した際に、L1>L2となっていることを基準として、幅の大きな尾(L1)から幅の小さな頭部(L2)に向けて埋め込むようにしている。このように、オブジェクトの特定部位に秘匿情報を埋め込む際に、その埋め込む方向を規定することにより、オブジェクトが任意の角度、例えば、図15(b)に示すようにほぼ90度回転されても、秘匿情報の埋め込み順序を特定することができる。
【0134】
図16(a)は、以上のような秘匿情報の画像データへの埋め込み処理を行う情報埋め込み装置の構成を示すブロック図である。この情報埋め込み装置は、情報変換器116、合成器117、埋め込み順序決定器118を含んで構成される。
【0135】
次に動作について説明する。図16(a)において、情報変換器116は入力された秘匿情報10を、図21(b)に示されるような特定のパターン情報119に変換する。また、埋め込み順序決定器118は形状信号115を受けて、上記秘匿情報10を変換して得られたパターン情報119を画像信号114のどの方向に順番に埋め込むかを指示するための秘匿情報埋め込み順序情報120を出力する。合成器117は、上記変換された秘匿情報119を、上記秘匿情報埋め込み順序決定情報120に基づいて画像信号114に対して所定方向に順番に埋め込んで合成を行い、秘匿情報が重畳された画像信号121として出力する。この合成器117も具体的には、重み付け加算器のようなものを用いて実現されている。
【0136】
以上のようにして得られた画像信号は、図16(b)に示されるような情報抽出装置を用いて、その秘匿情報が抽出される。すなわち、この情報抽出装置は、情報変換器122、抽出器123、埋め込み順序決定器124を含んで構成される。図16(b)において、埋め込み順序決定器124は形状信号115のオブジェクトの形状から、秘匿情報の埋め込まれた方向を示す情報を取り出して抽出器123に秘匿情報埋め込み順序情報125として出力する。抽出器123は上記出力された秘匿情報埋め込み順序情報125を基にして、秘匿情報が重畳された画像信号114からパターン情報126を抽出して、これを情報変換器122に出力する。そして、情報変換器122はパターン情報126を秘匿情報127に変換して出力する。
【0137】
このように本実施の形態6によれば、オブジェクトの形状を示す形状信号によって秘匿情報10をオブジェクトに埋め込む際の方向を特定し、合成器117によって、画像信号114の示す形状においける特定の順序(方向)に、変換された秘匿情報119を埋め込むようにしたので、画像が微妙に回転されたりしても、画像読み出し時の走査を正確に行うことができ、情報埋め込み装置と情報抽出装置間で秘匿情報を埋め込み順序を共通の約束事項としておくことで、オブジェクトの形状から容易に秘匿情報が埋め込まれている順序を特定することができ、精度があまり高くないアナログ機器で画像のコピーを行って、画像がわずかに回転しても、秘匿情報を容易に抽出することができる。
【0138】
なお、本実施の形態6においては、オブジェクトを矩形で捉えて、その縦方向もしくは横方向に沿って順番に秘匿情報を埋め込むようにしたが、図15(c)に示すように、矩形の辺に沿わずに、所定の角度θを有するようにしてもよい。
また、秘匿情報をオブジェクト全体に埋め込むようにしたが、実施の形態5の方法と組み合わせて、図15(d)に示すように、オブジェクトの所定場所に、所定の順序で秘匿情報を埋め込むようにすることも可能である。
【0139】
(実施の形態7)
次に本発明の実施の形態7における情報埋め込み方法と情報抽出方法について説明する。本実施の形態7では、秘匿情報を埋め込む際に、オブジェクトの大きさに応じてその埋め込み量を変化させるようにしたものである。
【0140】
すなわち、上述したように、秘匿情報を埋め込む際には、秘匿情報が視覚的に殆ど妨害とならないように、個々に画像の特性を考慮して画像信号に埋め込まれるようにしているが、小さなオブジェクトに対して多くの量の秘匿情報を埋め込むと、画質の劣化などの悪影響が多少なりとも生じることになる。そこで、本実施の形態7では、図17(a),(b)に示すように、魚の形をしたオブジェクトの全体に秘匿情報を記録する場合に、大きなオブジェクトにはより多くの秘匿情報を埋め込み、小さなオブジェクトに対しては少ない量の秘匿情報を埋め込むようにしたものである。
【0141】
図18(a)は、以上のような秘匿情報の画像データへの埋め込み処理を行う情報埋め込み装置の構成を示すブロック図である。この情報埋め込み装置は、情報変換器129、合成器130、埋め込み量決定器131、物体大きさ検出器132を含んで構成される。
【0142】
次に動作について説明する。図18(a)において、物体大きさ検出器132は、形状信号133を受けてオブジェクトの大きさを認識し、大きさ情報136を出力する。埋め込み量決定器131は上記大きさ情報136を受けて、情報変換器129にて秘匿情報10を変換する際に、その量を調整するための秘匿情報変換量情報135を情報変換器129に対して出力する。情報変換器129は、秘匿情報10を上記秘匿情報変換量情報135に従って所定量、図21(b)に示されるような特定のパターン情報134に変換する。このとき、変換する量に応じて変換パターン、例えば、擬似乱数の周期が変化することになる。また、ここで、上記秘匿情報変換量情報135に従って変換される秘匿情報の量は、リニアに変化したり、段階的に変化したりするように設定することが可能である。
【0143】
そして、合成器130は、上記変換された秘匿情報134を画像信号128に埋め込んで合成を行い、秘匿情報が重畳された画像信号137として出力する。
この合成器137も具体的には、重み付け加算器のようなものを用いて実現されている。
【0144】
以上のようにして得られた画像信号は、図18(b)に示されるような情報抽出装置を用いて、その秘匿情報が抽出される。すなわち、この情報抽出装置は、情報変換器138、抽出器139、埋め込み量決定器140を含んで構成される。
【0145】
図18(b)において、物体大きさ検出器141は形状信号133から、オブジェクトの大きさを検出し、埋め込み量決定器140に出力する。埋め込み量決定器140は、抽出器139で秘匿情報を抽出する際の埋め込みパターンを示すとともに、情報交換器138でパターン情報142を秘匿情報144に変換する際の情報の変換方式を示す秘匿情報変換情報143を出力する。抽出器139は上記出力された秘匿情報変換情報143を基にして、秘匿情報が重畳された画像信号137から、所定の方法によってパターン情報142を抽出して、これを情報変換器138に出力する。そして、情報変換器138はパターン情報142を秘匿情報144に変換するが、このとき、秘匿情報変換情報143から、変換方法を参照して変換を行い出力する。
【0146】
このように本実施の形態7によれば、オブジェクトの形状を示す形状信号によって秘匿情報10をオブジェクトに埋め込む際に、オブジェクトの大きさに応じて埋め込む秘匿情報の量を変化させ、合成器130によって画像信号128の大きさに応じて、所定の方式で変換されて所定の量となった秘匿情報134を埋め込むようにしたので、画像の大きさにかかわらず、画素当たりの秘匿情報の埋め込み量がほぼ等しくなり、秘匿情報による画質の劣化を防止することができる。
【0147】
なお、本実施の形態7では、秘匿情報をオブジェクト全体に埋め込むようにしたが、実施の形態5の方法と組み合わせて、オブジェクトの所定場所に秘匿情報を埋め込むようにすることも可能である。
さらに、実施の形態6の方法と組み合わせて、オブジェクトに秘匿情報を埋め込む際の順序を規定するようにすることも可能である。
【0148】
(実施の形態8)
次に本発明の実施の形態8における情報埋め込み方法と情報抽出方法について説明する。本実施の形態8では、図19に示すように、秘匿情報を埋め込む際に、オブジェクトの大きさを縮小もしくは拡大(ここでは縮小されている)して得られる秘匿情報埋め込み用枠を作成し、その枠の大きさにあわせた秘匿情報を作成し、この枠を元の大きさ、すなわちオブジェクトの大きさに変換(逆正規化)してから、元のオブジェクトと合成するようにしたものである。
【0149】
すなわち、図20(a)は、以上のような秘匿情報の画像データへの埋め込み処理を行う情報埋め込み装置の構成を示すブロック図である。この情報埋め込み装置は、大きさ正規化器146、情報変換器147、合成器148、物体大きさ検出器149、大きさ逆正規化器150を含んで構成される。
【0150】
次に動作について説明する。図20(a)において、物体大きさ検出器149は、形状信号152を受けてオブジェクトの大きさを認識し、大きさ情報156を出力する。大きさ正規化器146は上記大きさ情報156に基づいて、画像信号151に含まれるオブジェクトの大きさを、所定のサイズに縮小もしくは拡大(ここでは縮小)して秘匿情報埋め込み用枠を作成し、この枠に秘匿情報を埋め込んで正規化された秘匿情報153を出力する。情報変換器147は、正規化された秘匿情報153を、図21(b)に示されるような特定のパターン情報154に変換する。
【0151】
そして上記正規化された秘匿情報154は大きさ逆正規化器150によって逆正規化され、元の大きさ、すなわちオブジェクトと同じ大きさ、形状を有する秘匿情報155となる。このとき、大きさ逆正規化器150は、上記物体大きさ検出器149の出力である大きさ情報156を参照して逆正規化を行う。そして、この逆正規化された秘匿情報155は合成器148に入力される。
【0152】
合成器148は、上記正規化された秘匿情報155を画像信号151に埋め込んで合成を行い、秘匿情報が重畳された画像信号157として出力する。この合成器148も具体的には、重み付け加算器のようなものを用いて実現されている。
【0153】
以上のようにして得られた画像信号は、図20(b)に示されるような情報抽出装置を用いて、その秘匿情報が抽出される。すなわち、この情報抽出装置は、大きさ正規化器158、物体大きさ検出器159、抽出器160、情報変換器161を含んで構成される。
【0154】
図20(b)において、物体大きさ検出器159は形状信号152から、オブジェクトの大きさを検出し、大きさ情報162を大きさ正規化器158に出力する。大きさ正規化器158は、秘匿情報が重畳された画像信号157の大きさを、上記大きさ情報162を参照して所定の大きさに拡大もしくは縮小(ここでは、拡大)し、正規化された画像信号163を出力する。これにより、オブジェクトの大きさを、秘匿情報記述時の大きさに戻すことで、秘匿情報も元の大きさに自動的に戻されることになる。抽出器160は上記出力された正規化され、秘匿情報が重畳された画像信号163から、パターン情報164を抽出して、これを情報変換器161に出力する。そして、情報変換器161はパターン情報164を秘匿情報165に変換する。
【0155】
このように本実施の形態8によれば、オブジェクトの形状を示す形状信号によって秘匿情報10をオブジェクトに埋め込む際に、秘匿情報をオブジェクトの大きさに対して所定の大きさに縮小もしくは拡大した秘匿情報用枠を形成し、この形状にて秘匿情報10を成形し、元の大きさに戻した後、画像データ151と合成するようにしたので、画像が圧縮もしくは拡大されても、秘匿情報が含まれる画像を、元の画像の正規化時の大きさにし、秘匿情報を読み出すようにすることで、確実に秘匿情報を読み出すことができる。
【0156】
なお、本実施の形態8では、秘匿情報を、オブジェクトよりも小さい形状に成形し、後に元の大きさに戻してから画像信号151と合成するようにしたが、秘匿情報を、オブジェクトよりも大きい形状に成形し、後に元の大きさに戻してから画像信号151と合成するようにしてもよい。
さらに、実施の形態5から7に記載した方法と組み合わせて、オブジェクトに秘匿情報を埋め込むようにすることも可能である。
【0157】
(実施の形態9)
上記各実施の形態で示した情報埋め込み方法及び情報抽出方法を実行するためのプログラムを、フロッピー(登録商標)ディスク等の記録媒体に記録する。こうすると、上記各実施の形態で示した処理を、独立したコンピュータシステムにおいて簡単に実行することができる。
【0158】
図12は、上記の情報埋め込み方法を含む符号化装置、及び情報抽出方法を含む復号化装置のプログラムを記載したフロッピー(登録商標)ディスクと、このフロッピー(登録商標)ディスクを用いて情報埋め込みと情報抽出を行うコンピュータシステムの説明図である。図12(a)は、記録媒体本体であるフロッピー(登録商標)ディスクの物理フォーマットの例を示している。図12(b)はフロッピー(登録商標)ディスクの正面からみた外観、断面構造、及びディスクケースを示している。
【0159】
フロッピー(登録商標)ディスク(FD)はケースF内に内蔵され、該ディスクの表面には、外周からは内周に向かって同心円状に複数のトラックTrが形成され、各トラックは角度方向に16のセクタSeに分割されている。従って、上記プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクでは、割り当てられた領域に上記プログラムが記録されている。
【0160】
また、図12(c)は、フロッピー(登録商標)ディスクFDに上記プログラムの記録再生を行うためのシステム図である。上記プログラムをフロッピー(登録商標)ディスクFDに記録する場合は、コンピュータシステムCsから上記プログラムをフロッピー(登録商標)ディスクドライブFDDを介して書き込む。また、フロッピー(登録商標)ディスク内のプログラムにより符号化装置又は復号化装置をコンピュータシステム中に構築する場合は、フロッピー(登録商標)ディスクドライブFDDにより上記のプログラムをフロッピー(登録商標)ディスクから読み出し、コンピュータシステムCsに転送する。
【0161】
なお、この説明では、記録媒体としてフロッピー(登録商標)ディスクを用いて説明したが、光ディスクを用いても同様に行うことができる。また、記録媒体はこれに限らず、ICカード、ROMカセット等、プログラムを記録できるものであれば同様に実施することができる。
【0162】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、カラー画像信号において、所定の信号成分の所定の位置に秘匿情報を埋め込み、カラー画像信号の他の信号成分に埋め込み位置を特定するための位置情報を更に埋め込むことによって、画像の移動に対して破壊されにくい秘匿情報を挿入することができる。
【0163】
本発明によれば、カラー画像信号において、輝度信号の所定の位置に秘匿情報を埋め込み、カラー画像信号の色差信号に埋め込み位置を特定するための位置情報を更に埋め込むことによって、画像の移動に対して破壊されにくい秘匿情報を挿入することができる。
【0164】
また、本発明によれば、カラー画像信号の他の信号成分から位置情報を抽出し、その位置情報で特定された位置に対応する他の信号成分から、秘匿情報を抽出することができる。このため画像の移動があっても、秘匿情報を確実に抽出できる。
【0165】
また、本発明によれば、カラー画像信号の色差信号から位置情報を抽出し、その位置情報で特定された位置に対応する輝度信号から、秘匿情報を抽出することができる。このため画像の移動があっても、秘匿情報を確実に抽出できる。
【0166】
また、本発明によれば、入力信号の所定の位置に秘匿情報を埋め込み、入力信号の他の位置に位置情報を埋め込むことによって、移動に対して破壊されにくい秘匿情報を挿入することができる。
【0167】
また、本発明によれば、入力信号から所定の位置を特定するための情報を抽出し、入力信号の所定の位置から秘匿情報を抽出することによって、移動に対して破壊されにくい秘匿情報を抽出できる。
【0168】
また、本発明によれば、画像信号の所定の位置に秘匿情報を埋め込み、所定の位置を画面単位で切り替えることによって、画像の移動に対して破壊されにくい秘匿情報を挿入することができる。
【0169】
また、本発明によれば、画像信号の所定の位置から秘匿情報を抽出し、所定の位置を画面単位で切り替えることによって、画像の平行移動に対して破壊されにくい秘匿情報を抽出できる。
【0170】
また、本発明によれば、入力信号から少なくとも2種類の方法で秘匿情報を抽出し、各抽出方法の結果によって抽出した秘匿情報の扱いを切り替えることによって、不正な秘匿情報の破壊に対して強い秘匿情報を挿入できる。
【0171】
また、本発明によれば、少なくとも2種類の方法で秘匿情報を埋め込むことによって、不正な秘匿情報の破壊に対して破壊されにくい秘匿情報を抽出できる。
【0172】
また、本発明によれば、秘匿情報を物体の特定の位置に埋め込むことにより、画面の回転や縮小/拡大に対しても秘匿情報を保護できる。
【0173】
また、本発明によれば、予め決められた物体の特定の位置から、秘匿情報を抽出することができるため、画面が回転や縮小/拡大をしても、秘匿情報を確実に抽出できる。
【0174】
また、本発明によれば、秘匿情報を物体に対して特定の方向で埋め込むことにより、画面の回転に対しても秘匿情報を保護できる。
【0175】
また、本発明によれば、物体に対して特定の順序で埋め込まれた秘匿情報を抽出することで、画面が回転しても、秘匿情報を確実に抽出できる。
【0176】
また、本発明によれば、物体の大きさに応じて埋め込む秘匿情報の量、及び方法を可変とすることで、秘匿情報による画質劣化を防止できる。
【0177】
また、本発明によれば、上記秘匿情報を物体に埋め込む際に用いる擬似乱数の周期を変化させることで埋め込み方法を可変とすることでき、秘匿情報をより保護することができる。
【0178】
また、本発明によれば、物体に対する秘匿情報の埋め込み量及び埋め込み方法を変化させたものを抽出することで、秘匿情報を確実に抽出できるとともに、画質劣化を防止できる。
【0179】
また、本発明によれば、秘匿情報の大きさを正規化して画像に埋め込むことで、画像の縮小/拡大に対しても秘匿情報を保護できる。
【0180】
また、本発明によれば、画像を、秘匿信号を正規化したときの大きさに復元することで秘匿情報を抽出するようにすることで秘匿情報を抽出することで、画面が回転や縮小/拡大をしても、秘匿情報を確実に抽出できる。
【0181】
また、本発明によれば、上記情報埋め込み方法を記載したプログラムをコンピュータにロードすることにより、情報埋め込みをコンピュータに行わせることができる。
【0182】
また、本発明によれば、上記情報抽出方法を記載したプログラムをコンピュータにロードすることにより、情報抽出をコンピュータに行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明の実施の形態1における情報埋め込み装置の構成を示すブロック図であり、(b)は情報抽出装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 実施の形態1の情報埋め込み方法を示すフローチャートである。
【図3】 実施の形態1の情報抽出方法を示すフローチャートである。
【図4】 (a)本発明の実施の形態2における情報埋め込み装置の構成を示すブロック図であり、(b)は情報抽出装置の構成を示すブロック図である。
【図5】 実施の形態2の情報埋め込み方法を示すフローチャートである。
【図6】 実施の形態2の情報抽出方法を示すフローチャートである。
【図7】 実施の形態2において、(a)は位置情報と秘匿情報を多重化する第1の方法の説明図、(b)は位置情報と秘匿情報を多重化する第2の方法の説明図、(c)は秘匿情報の埋め込み位置を変える方法を示した説明図である。
【図8】 (a)は本発明の実施の形態4における情報埋め込み装置の構成を示すブロック図であり、(b)は情報抽出装置の構成を示すブロック図である。
【図9】 実施の形態4の情報埋め込み方法を示すフローチャートである。
【図10】 実施の形態4の情報抽出方法を示すフローチャートである。
【図11】 実施の形態4の秘匿情報の判定例を示す説明図である。
【図12】 本発明の実施の形態5において、情報埋め込み方法又は情報抽出方法をコンピュータシステムにより実現するためのシステム図である。
【図13】 本発明の実施の形態5による秘匿情報の多重化の概念を示す図である。
【図14】 上記実施の形態5による秘匿情報の多重化を行うための情報埋め込み装置のブロック図((a))、及び多重化された秘匿情報を抽出するための情報抽出装置のブロック図((b))である。
【図15】 本発明の実施の形態6による秘匿情報の多重化の概念を示す図である。
【図16】 上記実施の形態6による秘匿情報の多重化を行うための情報埋め込み装置のブロック図((a))、及び多重化された秘匿情報を抽出するための情報抽出装置のブロック図((b))である。
【図17】 本発明の実施の形態7による秘匿情報の多重化の概念を示す図である。
【図18】 上記実施の形態8による秘匿情報の多重化を行うための情報埋め込み装置のブロック図((a))、及び多重化された秘匿情報を抽出するための情報抽出装置のブロック図((b))である。
【図19】 本発明の実施の形態8による秘匿情報の多重化の概念を示す図である。
【図20】 上記実施の形態8による秘匿情報の多重化を行うための情報埋め込み装置のブロック図((a))、及び多重化された秘匿情報を抽出するための情報抽出装置のブロック図((b))である。
【図21】 秘匿情報の多重化の一例を示す説明図である。
【図22】 (a)は従来の情報埋め込み装置の構成例を示すブロック図であり、(b)は従来の情報抽出装置の構成例を示すブロック図である。
【図23】 秘匿情報が破壊される場合の説明図である。
【図24】 擬似乱数の埋め込み位置を示す説明図(その1)である。
【図25】 擬似乱数の埋め込み位置を示す説明図(その2)である。
【符号の説明】
10,113,144,165 秘匿情報
31,36,44,48,50,58,66,70,80a,80b,88a,88b,100,110,116,122,129,138,147,161 情報変換器
35,39,56,60,83a,83b,102,117,130,148 合成器
42,46,64,68,86a,86b,108,123,139,160 抽出器
55,62 スイッチ
90 比較器
101,114,128,151 画像信号
103,115,133,152 形状信号
104,109 埋め込み位置決定器
105 埋め込み位置決定情報
106,114,137,157 秘匿情報が重畳された画像信号
107,119,134,154 変換されたパターン情報
111 秘匿情報埋め込み位置情報
112 パターン情報
118,124 埋め込み順序決定器
120,125 秘匿情報埋め込み順序情報
131,140 埋め込み量決定器
132,141,149 物体大きさ検出器
135,143 秘匿情報変換量情報
146,158 大きさ正規化器
150 大きさ逆正規化器
Cs コンピュータシステム
FD フロッピー(登録商標)ディスク
FDD フロッピー(登録商標)ディスクドライブ
Claims (6)
- カラー画像信号に秘匿情報を埋め込む情報埋め込み方法であって、
前記カラー画像信号の所定の信号成分の所定の位置に前記秘匿情報を埋め込み、
前記カラー画像信号の他の信号成分に、前記秘匿情報の埋め込み位置を特定する位置情報を埋め込むことを特徴とする情報埋め込み方法。 - カラー画像信号に秘匿情報を埋め込む情報埋め込み方法であって、
前記カラー画像信号の輝度信号の所定の位置に前記秘匿情報を埋め込み、
前記カラー画像信号の色差信号に、前記秘匿情報の埋め込み位置を特定する位置情報を埋め込むことを特徴とする情報埋め込み方法。 - 請求項1記載の情報埋め込み方法によって秘匿情報が埋め込まれたカラー画像信号から、秘匿情報を抽出する情報抽出方法であって、
前記カラー画像信号の他の信号成分から、前記秘匿情報が埋め込まれた所定の位置を特定するための位置情報を抽出し、
抽出された前記位置情報に基づいて、カラー画像信号の所定の信号成分から、前記秘匿情報を抽出することを特徴とする情報抽出方法。 - 請求項2記載の情報埋め込み方法によって秘匿情報が埋め込まれたカラー画像信号から、秘匿情報を抽出する情報抽出方法であって、
前記カラー画像信号の色差信号から、所定の位置を特定する位置情報を抽出し、
抽出された前記位置情報に基づいて、前記カラー画像信号の輝度信号から、前記秘匿情報を抽出することを特徴とする情報抽出方法。 - カラー画像信号に秘匿情報を埋め込む情報埋め込み方法であって、
画像中の所定の範囲に含まれる前記カラー画像信号の所定の信号成分の所定の位置に前記秘匿情報を埋め込み、
前記所定の範囲に含まれる前記カラー画像信号の他の信号成分に、前記秘匿情報の埋め込み位置を特定する位置情報を埋め込むことを特徴とする情報埋め込み方法。 - カラー画像信号に秘匿情報を埋め込む情報埋め込み装置であって、
入力された秘匿情報を秘匿信号に変換し前記秘匿信号の埋め込み位置を出力する第1の情報変換器と、
前記カラー画像信号の所定の信号成分の前記位置に前記秘匿信号を合成する第1の合成器と、
前記カラー画像信号の他の信号成分に、前記位置を特定する位置情報を合成する第2の合成器と、を含むことを特徴とする情報埋め込み装置。
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