JP4014318B2 - Flame-retardant resin composition, semiconductor sealing material and laminate using the same - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハロゲン系難燃剤を使用しなくても優れた難燃性を有する難燃性樹脂組成物、並びにこれを用いた半導体封止材料および積層板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ樹脂などに代表される熱硬化性樹脂は、その優れた特性から電気および電子機器部品などに広く使用されているが、火災に対する安全性を確保するため、難燃性が付与されている例が多い。これらの樹脂の難燃化は従来、臭素化エポキシなどのハロゲン含有化合物を用いることが一般的であった。これらのハロゲン含有化合物は高度な難燃性を有するが、芳香族臭素化合物は、熱分解により腐食性の臭素および臭化水素を発生するだけではなく、酸素存在下で分解した場合には、毒性の高いポリブロムジベンゾフラン、およびポリブロムジベンゾジオキシンを形成する可能性がある。また、臭素を含有する老朽廃材やゴミの処理は極めて困難である。
【0003】
このような理由から、臭素含有難燃剤に代わる難燃剤として、リン化合物が広く検討されているのは周知の事実である。しかし、エポキシ樹脂系にリン酸エステルなどを用いる場合、ブリードや加水分解の問題で、使用できる範囲が限られる。また、フェノール性水酸基などの官能基を持った一般的なリン酸エステル化合物は、加水分解により遊離のリン酸が生成し、電気的特性や信頼性を著しく劣化させるという欠点が生じていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述のような問題点を解決すべく鋭意検討した結果なされたものであり、ハロゲン化合物を添加することなく高度な難燃性を有し、かつ製品の特性を悪化させない樹脂組成物を提供することを目的としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明は、1分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有し、且つハロゲン原子を含まないエポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、および、ジフェニルホスフィンオキサイドに、1分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物を反応させて得られる有機リン化合物(C)とからなる樹脂組成物であって、且つ樹脂組成物中のリン含量が0.3重量%以上5重量%以下であることを特徴とする難燃性樹脂組成物、並びに、これを用いた半導体封止材料および積層板である。
【0006】
【発明の実施の形態】
前述のように、エポキシ樹脂系にリン酸エステルなどを添加する場合、ブリードや加水分解の問題で、使用できる範囲が限られる。また、フェノール性水酸基などの官能基を持った一般的なリン酸エステル化合物は、加水分解により遊離のリン酸が生成し、電気的特性や信頼性を著しく劣化させるという欠点が生じていた。本発明においてはこのような問題を解決するため、加水分解に対して安定なP−C結合を有する有機リン化合物を合成するため、P−H結合を持つリン化合物とエポキシ基との反応を利用し、さらに、エポキシ基によって、樹脂マトリックスと強固に結合させることで、難燃性と信頼性を両立させることを技術骨子とするものである。
【0007】
本発明における1分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有し、且つハロゲン原子を含まないエポキシ樹脂(A)としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、芳香族アミンおよび複素環式窒素塩基からのN−グリシジル化合物、例えばN,N−ジグリシジルアニリン、トリグリシジルイソシアヌレート、 N,N,N',N'−テトラグリシジル−ビス(p−アミノフェニル)−メタンなどが例示されるが、特にこれらに限定されるものではない。これらは何種類かを併用して用いることもできる。
【0008】
ただし、本発明がハロゲン系難燃剤を用いない樹脂組成物を標榜する以上、臭素化ビスフェノールAエポキシ樹脂や臭素化ノボラックエポキシ樹脂などの、含ハロゲンエポキシ樹脂は除外するが、エポキシ樹脂の製造工程上、エピクロルヒドリンを起源とする通常のエポキシ樹脂に含まれる塩素は、やむを得ず混入することになる。ただしその量は当業者に公知のレベルで、加水分解性塩素にて数百ppmのオーダーである。
【0009】
本発明で用いる硬化剤(B)としては、当業者において公知のものはすべて用いることができるが、特に、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのC2〜C20の直鎖脂肪族ジアミン、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、パラキシレンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルプロパン、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4'−ジアミノジシクロヘキサン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルメタン、1,5−ジアミノナフタレン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)シクロヘキサン、ジシアノジアミドなどのアミン類、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、tert−ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂などのノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、ポリパラオキシスチレンなどのポリオキシスチレン、フェノールアラルキル樹脂、ナフトール系アラルキル樹脂などの、ベンゼン環、ナフタリン環その他の芳香族性の環に結合する水素原子が水酸基で置換されたフェノール化合物と、カルボニル化合物の共縮合によって得られるフェノール樹脂や、酸無水物などが例示されるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0010】
半導体封止材料用の樹脂組成物としては、耐湿性、信頼性などの観点から、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、tert−ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂などのノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、ポリパラオキシスチレンなどのポリオキシスチレン、フェノールアラルキル樹脂、ナフトール系アラルキル樹脂などを用いるのが好ましい。
【0011】
次に、本発明で用いる有機リン化合物(C)は、ジフェニルホスフィンオキサイドと、1分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物とを、加熱付加せしめることによって得ることができる。
【0016】
ジフェニルホスフィンオキサイドと、1分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物との反応は、エポキシ基が過剰の割合で、バルクまたは不活性溶媒の存在下、反応温度は80〜200℃、好ましくは100℃〜150℃で、1〜24時間、好ましくは3〜12時間、加圧又は常圧下で行なわれる。溶媒を使用する場合は、反応終了後に脱溶媒が容易なベンゼン、トルエン、キシレン等が有用に使用される。ジフェニルホスフィンオキサイドとエポキシ基を有する化合物との付加反応の進行は、P−H基の定量により、その減少によって確認することが出来る。
【0017】
エポキシ樹脂(A)と、硬化剤(B)の配合割合は、有機リン化合物(C)がエポキシ基を持つため、これらを考慮して任意に設定される。しかし、いずれかの官能基が大過剰になると、耐湿性、成形性、硬化物の電気特性などが低下し、好ましくない。有機リン化合物(C)の割合は、樹脂組成物中のリン含量、すなわちリン原子としての重量割合が0.3重量%以上8重量%以下の範囲になるように含有させる。その割合が0.3重量%未満では難燃性の効果がなく、また、8重量%を越えると耐熱性や耐湿性が低下したり、成形性に悪影響を与えるので好ましくない。
【0018】
本発明の難燃性樹脂組成物は、ハロゲン化合物を添加することなく高度な難燃性を有し、かつ製品の特性を悪化させない熱硬化性樹脂であり、半導体素子の封止材料を始め、電子部品や電気部品の封止、被覆、絶縁、積層板、金属張り積層板などにも好適に使用できるものである。
【0019】
半導体素子の封止材料としては、充填剤として、シリカ粉末、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、チタンホワイト、クレー、マイカなどを配合し、必要に応じて、天然ワックス類、合成ワックス類、直鎖脂肪酸の金属塩、酸アミド類、エステル類、パラフィン類などの離型剤、カーボンブラック、ベンガラなどの着色剤、種々の硬化促進剤など、当業者において公知の添加剤を用いて、封止用樹脂組成物として使用できる。本発明の難燃性樹脂組成物と充填剤、その他を所定の組成比に選択し、ミキサーなどにより十分均一になるように混合した後、熱ロールによる混練、またはニーダなどによる混合処理を行い、冷却、固化させ、適当な大きさに粉砕することで、半導体封止材料を得ることができ、トランスファー成形、射出成形などによって半導体素子の封止に好適に用いられる。
【0020】
また、本発明による難燃性樹脂組成物を、溶剤に溶解して得られるワニスは、被覆や積層板の製造などに用いられる。積層板の製造には、このワニスを、紙、ガラス織布、ガラス不織布、あるいはガラス以外を成分とする布などの基材に、塗布、含浸させ、乾燥炉中で80〜200℃の範囲内で乾燥させることにより、プリプレグを調製する。これを加熱・加圧して積層板、あるいはプリント配線板用の金属張り積層板などを製造する。
【0021】
本発明による難燃性樹脂組成物の、ワニスの調製には通常の溶剤が用いられる。用いる溶剤は、組成の一部あるいはすべてに対して良好な溶解性を示すことが必要であるが、悪影響を及ぼさない範囲で貧溶媒を用いることができる。用いられる溶剤の例を挙げると、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、イソブチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどの各種グリコールエーテル系溶剤、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルなどのジアルキルグリコールエーテル系溶剤、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、酢酸エチルなどのエステル系溶剤、N,N−ジメチルアセトアミド、 N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド系溶剤、メタノール、エタノールなどのアルコール系溶剤があり、これらは何種類かを併用して用いることもできる。
【0022】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。先ず、前記有機リン化合物(C)の合成例について述べ、次に、得られた有機リン化合物(C)を配合して、封止用成形材料及び積層板を調製する実施例について述べる。
【0023】
(合成例1)
温度計、攪拌機、およびコンデンサーを備え付けた四つ口フラスコに、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド100部と、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂EOCN−1020(日本化薬社製)184.3部を加えて、130〜135℃で6時間反応させて、化合物(a)を得た。化合物(a)は、元素分析によるリン含量は5.1%で、エポキシ当量は658g/eqであった。
【0025】
(合成例2)温度計、攪拌機、およびコンデンサーを備え付けた四つ口フラスコに、ジフェニルフォスフィンオキシド100部と、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂EOCN−1020(日本化薬社製)197部を加えて、145〜150℃で12時間反応させ、化合物(c)を得た。その元素分析によるリン含量は5.2%で、エポキシ当量は643g/eqであった。
【0026】
(実施例1)ビフェニル型エポキシ樹脂YX−4000H(油化シェルエポキシ社製,エポキシ当量195g/eq)5.4重量部、ザイロック樹脂XL−225−3L(三井化学製,水酸基当量175g/eq)6.9重量部、合成例2で得られた化合物(c)7.7重量部、溶融シリカ80重量部、離型剤(天然カルナバワックス)0.3重量部、顔料(カーボンブラック)0.2重量部、およびカップリング剤(日本ユニカー製A−186)0.3重量部を混合した。これを熱ロールを用いて混練し、半導体封止用成形材料を得た。
【0027】
この成形材料について、スパイラルフロー、硬化性、難燃性、および信頼性を測定した。スパイラルフローは、EMMI規格に準じた金型を使用して、175℃、70kgf/cm2の条件で測定した。硬化性は、175℃120秒の条件で成形した時の、成形品のバーコール硬度で評価した。難燃性は、175℃で3分間成形した後、175℃で8時間後硬化を行ない、厚さ1.6mmの難燃性試験サンプルを作製し、UL−94規格に従い垂直法により評価した。また、信頼性は、難燃性試験サンプルと同様な成形条件によって、模擬素子を搭載したモニターIC(16pDIP)を作成し、これを125℃、100%の温湿条件で1000時間放置後の不良数によって評価した。評価結果は、第1表に示した通りであった。
【0029】
(比較例1〜3)
樹脂、硬化剤、その他の各成分を、第2表に従って配合した以外は、実施例1と同様にして成形材料を調製し、スパイラルフロー、硬化性、難燃性、および信頼性を評価した。評価結果は、まとめて第2表に示した。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
従来の難燃剤を用いた比較例3では、難燃剤添加量が比較的少ないため難燃性がV−1と低いにも拘わらず、スパイラルフローが長く、硬化性が低く、信頼性も低い。また、比較例2では、難燃剤添加量を増やすことにより難燃性はV−0に向上したが、信頼性はより低くなっている。これに対して、本発明による有機リン化合物を適用した実施例1では、いずれも難燃性はV−0を達成し、モニターICの不良品は0で、信頼性が優れているのが分かる。
【0033】
(参考例1)フェノールノボラックエポキシ樹脂「エピクロン」N−770(大日本インキ化学製、エポキシ当量190g/eq)21.9重量部、ジシアンジアミドを2.4重量部、および合成例で得られた化合物(a)75.7重量部に、N,N−ジメチルホルムアミド/メチルエチルケトン=1/1の混合溶媒を加え、不揮発分濃度50%となるようにワニスを調製した。このとき、樹脂組成物合計100重量部中の、リン成分は3.9重量%になった。
【0034】
このワニスを用いて、ガラスクロス(日東紡績(株)製,厚さ0.18mm)100部に、ワニスを固形分で80部含浸させて、150℃の乾燥機炉で4分間乾燥させ、樹脂含有量44.4%のプリプレグを作製した。得られたプリプレグ8枚を重ね、その上下に厚さ35μmの電解銅箔を重ねて、圧力40kgf/cm2、温度170℃ で120分加熱加圧成形を行ない、厚さ1.6mmの両面銅張り積層板を得た。
【0035】
得られた積層板について、難燃性、半田耐熱性、ピール強度、およびガラス転移温度を測定した。難燃性は、UL−94規格に従い垂直法により評価した。半田耐熱性とピール強度は、JIS−C6481に準じて測定し、半田耐熱性については、煮沸2時間の吸湿処理を行なった後、260℃の半田槽に180秒浮かべた後の外観の異常の有無を調べた。また、ガラス転移温度は、粘弾性法によりtanδのピーク温度から求めた。
【0036】
(比較例4、5)
樹脂、硬化剤、その他の各成分を、第3表に従って配合した以外は、実施例5と同様にして積層板を作製し、耐燃性、半田耐熱性、ピール強度、およびガラス転移温度を評価した。
【0037】
【表3】
【0038】
参考例1、および比較例4、5の評価結果は、まとめて第3表に示した。従来の難燃剤を用いた比較例5は、難燃性はV−0を達成しているが、ガラス転移温度が低いために、半田耐熱試験ではフクレを発生し、ピール強度も低い。これに対して、1分子内に少なくとも1個のP−H結合を有するリン化合物より合成した有機リン化合物を用いた参考例1および比較例4では、半田耐熱性、ピール強度、ガラス転移温度はいずれも良い結果を示したが、添加量の少ない比較例4は、難燃性が不十分な結果であった。
【0039】
【発明の効果】
本発明の有機リン化合物を用いた樹脂組成物は、ハロゲン化合物を添加することなく高度な難燃性を有し、かつ優れた信頼性を兼ね備えており、今後要求されるノンハロゲン材料用途などに好適に用いられる難燃性樹脂組成物、並びに、それを用いた半導体封止材料および積層板を提供するものである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a flame retardant resin composition having excellent flame retardancy without using a halogen-based flame retardant, and a semiconductor sealing material and a laminate using the flame retardant resin composition.
[0002]
[Prior art]
Thermosetting resins typified by epoxy resins are widely used for electrical and electronic equipment parts due to their excellent characteristics, but in order to ensure fire safety, examples are given flame retardancy There are many. Conventionally, flame-retarding of these resins is generally performed using a halogen-containing compound such as brominated epoxy. Although these halogen-containing compounds are highly flame retardant, aromatic bromine compounds not only generate corrosive bromine and hydrogen bromide by thermal decomposition, but are also toxic when decomposed in the presence of oxygen. High polybromide dibenzofuran and polybromodibenzodioxin. In addition, it is extremely difficult to treat old waste materials and waste containing bromine.
[0003]
For these reasons, it is a well-known fact that phosphorus compounds are widely studied as flame retardants to replace bromine-containing flame retardants. However, when a phosphoric acid ester is used for the epoxy resin system, the usable range is limited due to bleeding and hydrolysis problems. In addition, a general phosphoric acid ester compound having a functional group such as a phenolic hydroxyl group has a drawback that free phosphoric acid is generated by hydrolysis, and the electrical characteristics and reliability are remarkably deteriorated.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made as a result of intensive studies to solve the above-described problems, and has a high flame retardancy without adding a halogen compound, and does not deteriorate the properties of the product. Is intended to provide.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
That is, the present invention relates to an epoxy resin (A), a curing agent (B), and diphenylphosphine oxide that have at least two epoxy groups in one molecule and do not contain a halogen atom. A resin composition comprising an organophosphorus compound (C) obtained by reacting a compound having one epoxy group, and the phosphorus content in the resin composition is 0.3 wt% or more and 5 wt% or less A flame-retardant resin composition, and a semiconductor sealing material and a laminate using the flame-retardant resin composition.
[0006]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
As described above, when a phosphate ester or the like is added to the epoxy resin system, the usable range is limited due to bleeding or hydrolysis problems. In addition, a general phosphoric acid ester compound having a functional group such as a phenolic hydroxyl group has a drawback that free phosphoric acid is generated by hydrolysis, and the electrical characteristics and reliability are remarkably deteriorated. In order to solve such a problem in the present invention, in order to synthesize an organophosphorus compound having a P—C bond which is stable against hydrolysis, a reaction between a phosphorus compound having a P—H bond and an epoxy group is used. Furthermore, the technical essence is to achieve both flame retardancy and reliability by firmly bonding to the resin matrix by means of epoxy groups.
[0007]
As the epoxy resin (A) having at least two epoxy groups in one molecule and not containing a halogen atom in the present invention, bisphenol A type epoxy resin, bisphenol F type epoxy resin, bisphenol S type epoxy resin, phenol Novolak type epoxy resins, cresol novolak type epoxy resins, naphthalene type epoxy resins, biphenyl type epoxy resins, N-glycidyl compounds from aromatic amines and heterocyclic nitrogen bases, such as N, N-diglycidyl aniline, triglycidyl isocyanurate , N, N, N ′, N′-tetraglycidyl-bis (p-aminophenyl) -methane and the like are exemplified, but not limited thereto. Several of these can be used in combination.
[0008]
However, as long as the present invention adopts a resin composition that does not use a halogen-based flame retardant, halogen-containing epoxy resins such as brominated bisphenol A epoxy resin and brominated novolac epoxy resin are excluded, but in the process of producing epoxy resin The chlorine contained in the normal epoxy resin originating from epichlorohydrin is inevitably mixed. However, the amount is a level known to those skilled in the art and is in the order of several hundred ppm with hydrolyzable chlorine.
[0009]
As the curing agent (B) used in the present invention, all those known to those skilled in the art can be used, and in particular, C2-C20 linear fats such as ethylenediamine, trimethylenediamine, tetramethylenediamine, hexamethylenediamine and the like. Group diamine, metaphenylenediamine, paraphenylenediamine, paraxylenediamine, 4,4'-diaminodiphenylmethane, 4,4'-diaminodiphenylpropane, 4,4'-diaminodiphenyl ether, 4,4'-diaminodiphenylsulfone, 4 , 4'-diaminodicyclohexane, bis (4-aminophenyl) phenylmethane, 1,5-diaminonaphthalene, metaxylylenediamine, paraxylylenediamine, 1,1-bis (4-aminophenyl) cyclohexane, dicyanodiamide Amines such as Benzene such as novolak type phenolic resin such as nol novolak resin, cresol novolak resin, tert-butylphenol novolak resin, nonylphenol novolak resin, resol type phenol resin, polyparaoxystyrene, phenol aralkyl resin, naphthol type aralkyl resin, etc. Examples include phenolic resins obtained by co-condensation of a phenol compound in which a hydrogen atom bonded to a ring, a naphthalene ring or other aromatic ring is substituted with a hydroxyl group, and a carbonyl compound, and acid anhydrides. It is not limited to.
[0010]
As a resin composition for a semiconductor encapsulating material, from the viewpoint of moisture resistance, reliability, etc., novolac type phenol resins such as phenol novolac resin, cresol novolac resin, tert-butylphenol novolac resin, nonylphenol novolac resin, resol type phenol resin Polyoxystyrene such as polyparaoxystyrene, phenol aralkyl resin, naphthol-based aralkyl resin, and the like are preferably used.
[0011]
Next, the organophosphorus compound (C) used in the present invention can be obtained by heating and adding diphenylphosphine oxide and a compound having at least two epoxy groups in one molecule.
[0016]
The reaction between diphenylphosphine oxide and a compound having at least two epoxy groups in one molecule is an excess ratio of epoxy groups, and the reaction temperature is 80 to 200 ° C. in the presence of a bulk or inert solvent, preferably The reaction is performed at 100 ° C. to 150 ° C. for 1 to 24 hours, preferably 3 to 12 hours under pressure or normal pressure. In the case of using a solvent, benzene, toluene, xylene and the like that can be easily removed after completion of the reaction are usefully used. The progress of the addition reaction between the diphenylphosphine oxide and the compound having an epoxy group can be confirmed by the decrease by the quantitative determination of the P—H group.
[0017]
Since the organophosphorus compound (C) has an epoxy group, the blending ratio of the epoxy resin (A) and the curing agent (B) is arbitrarily set in consideration of these. However, if any of the functional groups is excessively large, moisture resistance, moldability, electrical properties of the cured product, and the like are deteriorated, which is not preferable. The proportion of the organic phosphorus compound (C) is contained so that the phosphorus content in the resin composition, that is, the weight proportion as the phosphorus atom is in the range of 0.3 wt% to 8 wt%. If the ratio is less than 0.3% by weight, there is no effect of flame retardancy, and if it exceeds 8% by weight, the heat resistance and moisture resistance are deteriorated and the moldability is adversely affected.
[0018]
The flame retardant resin composition of the present invention is a thermosetting resin that has high flame retardancy without adding a halogen compound and does not deteriorate the properties of the product, including a sealing material for semiconductor elements, It can also be suitably used for sealing, covering, insulating, laminates, metal-clad laminates, etc. for electronic components and electrical components.
[0019]
As a sealing material for semiconductor elements, silica powder, alumina, talc, calcium carbonate, titanium white, clay, mica, etc. are blended as fillers, and natural waxes, synthetic waxes, linear fatty acids are added as necessary. Resin for sealing using additives known to those skilled in the art, such as metal salts, acid amides, esters, paraffins and other mold release agents, carbon black, colorants such as Bengala, and various curing accelerators. It can be used as a composition. After selecting the flame retardant resin composition and filler of the present invention to a predetermined composition ratio and mixing them sufficiently with a mixer or the like, kneading with a hot roll, or mixing treatment with a kneader or the like, A semiconductor sealing material can be obtained by cooling, solidifying, and pulverizing to an appropriate size, and it is suitably used for sealing semiconductor elements by transfer molding, injection molding, or the like.
[0020]
Moreover, the varnish obtained by melt | dissolving the flame-retardant resin composition by this invention in a solvent is used for manufacture of a coating or a laminated board. For the production of laminates, this varnish is applied and impregnated on a base material such as paper, glass woven fabric, glass nonwoven fabric, or cloth containing components other than glass, and within a temperature range of 80 to 200 ° C. in a drying furnace. A prepreg is prepared by drying with. This is heated and pressurized to produce a laminate or a metal-clad laminate for printed wiring boards.
[0021]
A usual solvent is used for the preparation of the varnish of the flame retardant resin composition according to the present invention. The solvent to be used needs to exhibit good solubility in part or all of the composition, but a poor solvent can be used as long as it does not adversely affect the composition. Examples of solvents used include ketone solvents such as acetone, methyl ethyl ketone, methyl isobutyl ketone, and cyclohexanone, aromatic hydrocarbon solvents such as toluene, xylene, and mesitylene, methyl cellosolve, ethyl cellosolve, butyl cellosolve, isobutyl cellosolve, and diethylene glycol. Various types such as monomethyl ether, triethylene glycol monomethyl ether, propylene glycol monomethyl ether, dipropylene glycol monomethyl ether, propylene glycol monopropyl ether, dipropylene glycol monopropyl ether, ethylene glycol monoisopropyl ether, diethylene glycol monoisopropyl ether, diethylene glycol monobutyl ether Glycol ether solvent Dialkyl glycol ether solvents such as ethylene glycol dimethyl ether, diethylene glycol diethyl ether, diethylene glycol dibutyl ether, ester solvents such as methyl cellosolve acetate, ethyl cellosolve acetate, butyl cellosolve acetate, ethyl acetate, N, N-dimethylacetamide, N, N-dimethyl There are amide solvents such as formamide and N-methyl-2-pyrrolidone, and alcohol solvents such as methanol and ethanol. These may be used in combination.
[0022]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to examples, but the present invention is not limited thereto. First, a synthesis example of the organophosphorus compound (C) will be described, and then an embodiment in which the resulting organophosphorus compound (C) is blended to prepare a sealing molding material and a laminate will be described.
[0023]
(Synthesis Example 1)
A four-necked flask equipped with a thermometer, a stirrer, and a condenser was charged with 100 parts of 9,10-dihydro-9-oxa-10-phosphaphenanthrene-10-oxide and a cresol novolac epoxy resin EOCN-1020 (Nippon Kasei). 184.3 parts (manufactured by Yakuhin) were added and reacted at 130-135 ° C. for 6 hours to obtain compound (a). Compound (a) had a phosphorus content by elemental analysis of 5.1% and an epoxy equivalent of 658 g / eq.
[0025]
Synthesis Example 2 To a four-necked flask equipped with a thermometer, a stirrer, and a condenser, 100 parts of diphenylphosphine oxide and 197 parts of a cresol novolac type epoxy resin EOCN-1020 (manufactured by Nippon Kayaku Co., Ltd.) It was made to react at 145-150 degreeC for 12 hours, and the compound (c) was obtained. The phosphorus content by elemental analysis was 5.2%, and the epoxy equivalent was 643 g / eq.
[0026]
(Example 1) Biphenyl type epoxy resin YX-4000H (manufactured by Yuka Shell Epoxy, epoxy equivalent 195 g / eq) 5.4 parts by weight, zylock resin XL-225-3L (manufactured by Mitsui Chemicals, hydroxyl equivalent 175 g / eq) 6.9 parts by weight, 7.7 parts by weight of the compound (c) obtained in Synthesis Example 2 , 80 parts by weight of fused silica, 0.3 parts by weight of a release agent (natural carnauba wax), and pigment (carbon black) 0. 2 parts by weight and 0.3 part by weight of a coupling agent (Nihon Unicar A-186) were mixed. This was kneaded using a hot roll to obtain a molding compound for semiconductor encapsulation.
[0027]
The molding material was measured for spiral flow, curability, flame retardancy, and reliability. The spiral flow was measured under the conditions of 175 ° C. and 70 kgf / cm 2 using a mold conforming to the EMMI standard. The curability was evaluated based on the Barcol hardness of the molded product when molded at 175 ° C. for 120 seconds. The flame retardancy was molded at 175 ° C. for 3 minutes and then post-cured at 175 ° C. for 8 hours to prepare a flame retardant test sample having a thickness of 1.6 mm and evaluated by a vertical method according to UL-94 standard. In addition, as for reliability, a monitor IC (16pDIP) equipped with a simulated element was created under the same molding conditions as the flame retardant test sample, and this was defective after being left for 1000 hours at 125 ° C and 100% humidity. Rated by number. The evaluation results were as shown in Table 1.
[0029]
(Comparative Examples 1-3)
A molding material was prepared in the same manner as in Example 1 except that the resin, the curing agent, and other components were blended according to Table 2, and the spiral flow, curability, flame retardancy, and reliability were evaluated. The evaluation results are collectively shown in Table 2.
[0030]
[Table 1]
[0031]
[Table 2]
[0032]
In Comparative Example 3 using the conventional flame retardant, since the flame retardant addition amount is relatively small, the spiral flow is long, the curability is low, and the reliability is low even though the flame retardancy is as low as V-1. In Comparative Example 2, the flame retardancy was improved to V-0 by increasing the amount of flame retardant added, but the reliability was lower. In contrast, in the embodiment 1 using an organic phosphorus compound according to the invention, both the flame retardancy achieved V-0, the defective monitor IC at 0, that reliability is excellent I understand.
[0033]
( Reference Example 1 ) Phenol novolac epoxy resin “Epiclon” N-770 (manufactured by Dainippon Ink and Chemicals, epoxy equivalent 190 g / eq) 21.9 parts by weight, dicyandiamide 2.4 parts by weight, and compound obtained in Synthesis Example (A) A mixed solvent of N, N-dimethylformamide / methyl ethyl ketone = 1/1 was added to 75.7 parts by weight, and a varnish was prepared so as to have a nonvolatile concentration of 50%. At this time, the phosphorus component in the total 100 parts by weight of the resin composition was 3.9% by weight.
[0034]
Using this varnish, 100 parts of glass cloth (manufactured by Nitto Boseki Co., Ltd., thickness 0.18 mm) is impregnated with 80 parts of varnish as a solid, and dried in a dryer oven at 150 ° C. for 4 minutes. A prepreg having a content of 44.4% was produced. 8 sheets of the obtained prepregs are stacked, and 35 μm thick electrolytic copper foils are stacked on the top and bottom of the prepregs. The pressure is 40 kgf / cm 2 and the temperature is 170 ° C. for 120 minutes. A tension laminate was obtained.
[0035]
The resulting laminate was measured for flame retardancy, solder heat resistance, peel strength, and glass transition temperature. Flame retardancy was evaluated by the vertical method according to the UL-94 standard. Solder heat resistance and peel strength were measured according to JIS-C6481, and regarding solder heat resistance, after performing a moisture absorption treatment for 2 hours after boiling, the appearance was abnormal after floating in a solder bath at 260 ° C. for 180 seconds. The presence or absence was examined. The glass transition temperature was determined from the peak temperature of tan δ by the viscoelastic method.
[0036]
(Comparative Examples 4 and 5)
A laminate was prepared in the same manner as in Example 5 except that the resin, the curing agent, and other components were blended according to Table 3, and the flame resistance, solder heat resistance, peel strength, and glass transition temperature were evaluated. .
[0037]
[Table 3]
[0038]
The evaluation results of Reference Example 1 and Comparative Examples 4 and 5 are collectively shown in Table 3. In Comparative Example 5 using a conventional flame retardant, flame retardancy is V-0, but since the glass transition temperature is low, blisters are generated in the solder heat resistance test, and the peel strength is also low. In contrast, in Reference Example 1 and Comparative Example 4 using an organic phosphorus compound synthesized from a phosphorus compound having at least one PH bond in one molecule , solder heat resistance, peel strength, and glass transition temperature are all showed good results, but less comparative example of added pressure of 4, the flame retardance was inadequate results.
[0039]
【The invention's effect】
The resin composition using the organophosphorus compound of the present invention has high flame retardancy without adding a halogen compound, and has excellent reliability, and is suitable for non-halogen material applications that will be required in the future. The flame-retardant resin composition used for the present invention, and the semiconductor sealing material and laminated board using the same are provided.
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