JP4012450B2 - 双方向光通信システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光ファイバを用いた双方向光通信システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、光ファイバ通信技術は研究段階から実用段階にはいり、既に市外電話通信網などの幹線系に大量に導入されている。更に、インターネットの急速な普及などに対応して、光ファイバを用いた通信網を家庭にまで広げる、所謂FTTH(Fiber To The Home )の実現も間近いと期待されている。ここで問題となるのが、双方向通信システムの構成である。
【0003】
図1は双方向通信システムの概念図であって、ユーザ端末2に対向する相手を局1と表示している。インターネットのホームページなどの信号は、図1には表示されていない経路で局1に到達した後、局1からユーザ端末2に向かって光ファイバ3を介して送出される。この信号を便宜上、慣習に従って下り信号と呼ぶ。一方、ユーザ端末2からはホームページへの接続要求信号などが局1に向かって発信される。これを慣習に従って上り信号と呼ぶことにする。
【0004】
図8は、従来技術を用いた双方向光通信システムの一つの構成図を示す。この例では、ユーザ端末2は、光ファイバ3を介した下り信号光の受光器22および上り信号を送信するための上り送信用光源26を含めて構成される。光通信用の光源は用途により様々のものがある。例えば、光コードを用いたオーディオのCD(コンパクトディスク)からMD(ミニディスク)への録音は光ファイバ通信の一形態とも考えられる。
【0005】
オーディオのCDからMDへの録音程度の伝送距離と伝送容量ならば、十分信頼性のある(故障の心配のない)民生品が得られるが、電話局と家庭を結ぶ大容量通信のためには高精度な温度管理などの特別な配慮が必要となり、図8の構成は技術的な実現可能性はあるもののコスト高となるという欠点がある。
【0006】
一本の光ファイバに異なる多くの周波数の光信号を同居させて伝送する光周波数多重伝送は、多種多様なサービスに対応したり、伝送容量の増大に対処するのに効果的だと期待され、既に幹線系に導入されている。また、1つの局に接続されるユーザ端末の数が多くなると、光ファイバ通信網の建設コストの経済化のため、伝送路の一部共用が望まれる。
【0007】
図9はこのような要求に応える一形態であって、パッシブダブルスター型と呼ばれる分岐光線路網でなる分岐部/光周波数フィルタ5に周波数多重伝送を組み合わせ、複数のユーザ端末(1,2,・・n)に伝送したものである。このようなシステム構成で双方向光通信を実現するためには、図10に示すように、分岐部/光周波数フィルタ5以降の専用光ファイバ7の区間では、1ユーザ端末あたり2本の光ファイバを使用し、1本は下り信号用に、他方は上り信号用に用いる構成が考えられる。
【0008】
この構成では、1ユーザ端末あたり2本の光ファイバを必要とすることは経済性の観点から明らかな欠点である(第1の欠点)。また、一般に光周波数フィルタの性能(クロストークや挿入損失など)は出力ポートの数が増えるほど低下するため、分岐部/光周波数フィルタ5の出力ポートを1ユーザ端末あたり2つ必要とすることもまた欠点となる(第2の欠点)。更に、図8について説明したように、ユーザ端末に上り送信用光源26を必要とすることは大きな欠点となる(第3の欠点)。
【0009】
上記第1の欠点に限れば、図11に示すように、分岐部/光周波数フィルタ5に接続された2本の光ファイバを合分波器に接続し、その後、1本の光ファイバでユーザ端末まで導くことにより解決する。しかしながら、この場合にも依然として、上記第3の欠点は解決されない。また、変調形式の異なる信号を同一の伝送路光ファイバを用いて双方向に伝送する双方向光通信方法もある(特許文献1参照)。しかし、この方法も上記第3の欠点は解決されない。しかも、インターネットの急速な普及などに対応し、特に双方向通信を家庭にまで広げるとなると、解決すべき課題が多々ある。
【0010】
【特許文献1】
特開平9−98137号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来技術を用いた双方向光通信システムでは、ユーザ端末は、下り信号光の受光器および上り信号を送信するための光源を含めて構成されるが、周波数多重技術を活用するために、この光源の温度管理は高精度(1/1000度程度)を要す。これを回避するため1ユーザ端末あたり2本の光ファイバを用いる方法もあるが、1ユーザ端末あたり2本の光ファイバを必要とし、かつ光周波数フィルタの出力ポートを1ユーザ端末あたり2つ必要として高コストのみならず性能面でも問題が生じていた。そこで本発明の目的は、ユーザ端末に光源を設置することなく、かつ、1ユーザ端末あたり一本の専用光ファイバを用いた安価で信頼性の高い双方向光通信システムを実現することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る双方向光通信システムは、局とユーザ端末を光ファイバで結ぶ双方向光通信システムにおいて、前記局に接続された一本の光ファイバと、前記一本の光ファイバを介して局から送られてくる光のうち、偏光方向が互いに直交した特定の2つの周波数の光を透過させる複屈折光周波数フィルタと、前記複屈折光周波数フィルタ透過光をその偏光状態を保ったままユーザ端末まで導く偏波保持光ファイバと、ユーザ端末により構成される。
【0013】
こうして、複屈折周波数フィルタでは、周波数が隣接する透過光の偏光方向が互いに直交していることに着目し、周波数多重伝送システムの主要なコストを占める光周波数フィルタのポート数を最小限とする手段としてその複屈折性を積極的に利用することにより、ユーザ端末に光源を設置することなく、かつ、1ユーザ端末あたり1本の専用光ファイバを用いて、安価で信頼性の高い双方向光通信システムを実現することができる。
【0014】
本発明の請求項2に係る双方向光通信システムは、請求項1記載の双方向光通信システムにおいて、前記局はユーザ宛送信用光源、ユーザ用受光器、ユーザ発信信号用光源、合分波器でなる複数のユーザ用光源・受光器類と1つの光周波数合分波器とで構成される。
【0015】
こうして、双方向通信を実現するには上り・下り用の2つの信号光が必要であるため、これらを局に設置した1つまたは2つの光源で供給するためにはユーザ発信信号用として無変調光を局からユーザまで配送する必要があるが、このように局を構成することにより、ユーザ端末に光源を設置することなく、かつ、1ユーザ端末あたり1本の専用光ファイバを用いて、安価で信頼性の高い双方向光通信システムを実現することができる。
【0016】
本発明の請求項3に係る双方向光通信システムは、請求項1記載の双方向光通信システムにおいて、前記ユーザ端末は前記偏波保持光ファイバ出力光をその偏光方向に従い分離する偏光ビームスプリッタと、前記偏光ビームスプリッタで分離された光のうち一方を受光する光検出器と、他方をユーザが送出すべき信号に従い変調器により変調を加えたのち、再び前記偏光ビームスプリッタに入射して前記複屈折光周波数フィルタに到達せしめる手段とにより構成される。
【0017】
本発明の請求項4に係る双方向光通信システムは、請求項3記載の双方向光通信システムにおいて、前記変調器は反射型変調器で構成される。
【0018】
こうして、複屈折周波数フィルタの周波数が隣接する透過光の偏光方向が互いに直交する複屈折特性を利用することにより、ユーザ端末に光源を設置する必要のない簡単な構成で、1ユーザ端末あたり一本の専用光ファイバを用いた安価で信頼性の高い双方向光通信システムを実現することである。
【0019】
【発明の実施の形態】
双方向通信を実現するには上り・下り用の2つの信号光が必要である。これらを局に設置した1つまたは2つの光源で供給するためにはユーザ発信信号用として無変調光を局からユーザまで配送する必要がある。更に、1ユーザ当たり1本の光ファイバを用いてシステムを構成するためには、必然的に周波数の異なる2光源が必要となるため、周波数多重伝送システムが不可欠となる。
【0020】
本発明は、複屈折周波数フィルタでは、周波数が隣接する透過光の偏光方向が互いに直交していることに着目し、周波数多重伝送システムの主要なコストを占める光周波数フィルタのポート数を最小限とする手段としてその複屈折性を積極的に利用したことに特徴がある。
【0021】
次に本発明の実施形態を図を参照して説明する。図2は本発明の実施形態の一例を示し、システムの全体構成図である。このシステムは、局1、共用ファイバ3、複屈折光周波数フィルタ4、各ユーザ毎に専用の偏波保持光ファイバ6、各ユーザ毎のユーザ端末2から構成される。
【0022】
局1の構成は、図3に示すように、全ユーザ共用部品である光周波数合分波器17、1ユーザあたり2本の光ファイバによりこれに接続された各ユーザ毎に対応するユーザN用光源・受光器類部(N:1,2,・・・)10で構成される。例えば、ユーザ1用光源・受光器類10はユーザ1宛送信用光源11、ユーザ1用受光器12、ユーザ1発信信号用光源13で構成され、ユーザ1宛送信用光源11は第1の入力光ファイバ15により直接光周波数合分波器17に接続されている。
【0023】
ユーザ1用受光器12とユーザ1発信信号用光源13は、それぞれ光ファイバで接続された合分波器14を介して、第2の入力光ファイバ16により光周波数合分波器17に接続されている。光周波数合分波器17は入力されたすべての異なる周波数光を混合して合流ポートに接続された共用光ファイバ3に出力する。図3にはユーザ1用光源・受光器類10の構成についてのみ詳しく描いており、他のユーザN用光源・受光器類については略記している。
【0024】
図4はユーザ端末2の内部構造を示し、偏光ビームスプリッタ21、受光器22、合分波器23、変調器24で構成されている。ユーザが送信すべき送信信号8は、ここでいうユーザ端末2の外部から供給されるが、図4には併せて示している。
【0025】
次に、本発明の動作について図2〜図5を参照して詳しく説明する。はじめに、局1からユーザ1端末2に宛て送られる下り信号光について述べる。図3に示すように局1において、周波数ν1 のユーザ1宛送信用光源11を出た光は、1本の光ファイバ15を介して光周波数合分波器17に導かれる。
【0026】
光周波数合分波器17は周波数があらかじめ定められた値、νk (k=1,2,・・)の光のみをただ1つの合流ポートに接続された1本の共用光ファイバ3に送出する素子である。前記ユーザ1宛送信用光源の周波数ν1 はこのような透過周波数のうちの1つである。光周波数合分波器17から送出された光は共用光ファイバ3により図2の複屈折光周波数フィルタ4に導かれる。
【0027】
複屈折光岡波数フィルタ4の動作と具体例を説明するまえに、複屈折を持たない光周波数フィルタについてまず説明する。複屈折を持たない光周波数フィルタは、前述の局内に設置された光周波数合分波器17と実質的に同一のものであり、入力ポートと合流ポートを取り替えて用いる。即ち、1つの合流ポートから入射した複数の周波数の光があるとき、予め定められた特定の周波数の光のみが、予め定められた分波ポートから出力される。
【0028】
このような機能を持つ素子として、アレイ導波路回折格子AWG(Arrayed Wave guide Graing)が販売されている。また、同様の機能は図5に示すように、入力端子から入射した光ν1 ,ν2 ,ν3 ・・・を複数の端子宛に等パワー分配する光分岐素子と、各々の出力端子に1つずつ接続され特定の周波数の光のみを透過させるFPE(ファブリ・ペロ・エタロン)群を用いて実現することもできる。
【0029】
次に、複屈折光周波数フィルタについて説明する。複屈折とは、同一の物質でありながら、光の偏光方向によって異なる屈折率をもつ現象であって、基板上に構成された光導波路に特に顕著にみられる。
【0030】
前述のアレイ導波路回折格子もファブリ・ペロ・エタロン群も、いずれの場合にも、特定の出力ポートの透過率が、素子内の光の通り道の光路長(屈折率と実長の積)と光の波長の比に依存する性質を利用して、入射光をその周波数に従ってフィルタしている。現実の光導波路には複屈折現象がみられフィルタ特性は複雑になる。即ち、入射光の偏光状態に依存して光路長が異なるため、同一ポートでありながらフィルタの透過周波数が異なる。
【0031】
図6は複屈折を持つファブリ・ペロ・エタロンの透過特性を示す。本来、ファブリ・ペロ・エタロンの透過特性は周波数に関して完全に周期的となり、その周期はFSRとよばれるが、複屈折を持つファブリ・ペロ・エタロンの場合には、図6に示すように、透過信号成分νj は2つの近接した要素νj(1)、νj(2)を持つ。
【0032】
ここで、周波数νj(1)<νj(2)とするとき、2つの複屈折主軸のうち、νj(1)は光速が遅い軸に、νj(2)は光速が速い軸に対応している。エタロン入射時の偏光状態が複屈折主軸に対して傾いた楕円偏光であっても、これらの透過光は出射時には、互いに偏光方向が直交した直線偏光になっている。また、近接した透過ピークの周波数差δ=νj(2)−νj(1)は複屈折の大きさに比例している。
【0033】
本発明では1つの出力ポートから2種類の周波数光が得られ、かつその偏光方向が直交していることを利用する。例えば、図2のユーザ1宛送信用光源11の周波数ν1 をνj(1)に一致させると、この光は複屈折光周波数フィルタ4を通過して偏波保持光ファイバ6に結合する。
【0034】
偏波保持光ファイバ6は複屈折性の極めて大きな光ファイバであり、市販されている。通常の光ファイバにみられる複屈折の大きさが10-7から10-6程度であるのに対し、偏波保持光ファイバ6の複屈折は10-4程度の大きさとなるように製作されている。このため、通常の光ファィバ内では伝搬と共に偏光状態はランダムに変化してしまうが、直線偏光を偏波保持光ファイバ6の偏光主軸に平行または垂直に入射する場合には、入射時の偏光状態がそのまま偏波保持光ファイバ6の出射端まで保たれるという特徴がある。
【0035】
本発明では、複屈折光周波数フィルタ4を通過した周波数ν1 (=νj(1))のユーザ1宛送信光の偏光方向を、偏波保持光ファイバ6の主軸に一致させる。この状態をν1 と書くことにする。図4には、偏波保持光ファイバ6から偏光方向の固定された周波数ν1 のユーザ1宛送信光ν1 がユーザ端末2に入射する様子が描かれている。
【0036】
ユーザ端末2内の偏光ビームスプリッタ21は、入射光の特定の偏光方向成分を第1のポートに、また、これと直交する偏光成分を第2のポートへと導く素子である。本発明の実施例では、ユーザ1宛送信光はすべて特定の方向に偏光した直線偏光となっているから、この方向を偏光ビームスプリッタ21の第1ポート透過方向に一致させておくことにより、第1ポートに接続された受光器により損失なく受信される。
【0037】
次に、ユーザ1が局宛に信号を送る方法について述べる。図3に示すように、このための光源(ユーザ1発信信号用光源)13はユーザ端末ではなく局1に設置される。ユーザ1発信信号用光源13の周波数をν2 とし、ν1 と区別する。
【0038】
局内の合分波器14は2ポート側から順方向に用いる場合は入射光の一部または全部を1つの出力ポートに導く合波器として働き、1ポート側から逆方向に用いる場合は2つのポートに分割して出力されるための分波器として働く。ユーザ1発信信号用光源13を出た光はこの合分波器14を経由して光周波数合分波器17に結合される。
【0039】
ユーザ1発信信号用光源13の周波数ν2 を、光周波数合分波器17の第jの出力ポートの複屈折にもとづく第2透過周波数νj(2)に一致させておくことにより、周波数ν1 (=νj(1))のユーザ1宛送信光と同じ第j出力ポートから出射させることができる。このとき、その偏光方向は周波数ν1 (=νj(1))のユーザ1宛送信光と直交している。これをν2〃と表記する。
【0040】
図2において、複屈折光周波数フィルタ4の第jポートに接続された偏波保持光ファイバ6の主軸はユーザ1宛送信光の偏光方向に一致しているから、これと直交する偏光方向を持つユーザ1発信信号用光の偏光状態もまた、直線偏光に保たれたままユーザ端末2に到達する。
【0041】
図4には、ユーザ1宛送信光ν1 と直交する直線偏光として、ユーザ1発信信号用光ν2〃がユーザ端末2に入射する様子が描かれている。結局、偏波保持光ファイバ6から偏光ビームスプリッタ21には、偏光方向の直交する2つの周波数の光、ν1 及びν2〃が入射する。前者は第1のポートに出力され受光器22に入力されるが、後者、即ち、ユーザ1発信信号用光は第2のポートに出力され、合分波器23を経由して変調器24に導かれる。
【0042】
ここに至るまで、ユーザ1発信信号用光は無変調であったが、ユーザ端末2内の変調器24を通過の際、ユーザが局宛に送出すべき送信信号8に従って変調を受ける。変調を受けたユーザ1発信信号光は前記合分波器23の第2のポートに導かれ、再び偏光ビームスプリッタ21に達する。
【0043】
この時、変調を受けたユーザ1発信信号光の周波数は変調帯域程度の変化しか受けず、事実上ν2 のままとして扱えるが、偏光方向については若干の変化が生じうる。偏光ビームスプリッタ21への入射光の偏光方向ゆらぎがあっても、偏光ビームスプリッタ21はその透過軸成分のみを透過させることから、偏波保持光ファイバ6に結合する光は偏波が保存される。
【0044】
但し、この入射光の偏光方向ゆらぎは偏波保持光ファイバ6への結合効率に影響するので、可能な限り偏光方向を偏光ビームスプリッタ21の第2ポート透過軸に一致させることが望ましい。
【0045】
偏光ビームスプリッタ21を逆進する周波数ν2 のユーザ1発信信号光は、再び偏波保持光ファイバ6へ結合し、図2における複屈折光周波数フィルタ4、共用光ファイバ3を経て、図3の局1内の光周波数合分波器17を通過して、局内の合分波器14に到達し、更に合分波器14の第2の出力ポートに接続されたユーザ1用受光器12により受信される。
【0046】
図7はユーザ端末2の第2の構成例であって、反射型変調器25を用いることにより、ユーザ端末内に合分波器を不要としている。反射型変調器25の具体例としては、液晶変調器、あるいはより高速動作が可能なものとして、LiNb03などの電気光学効果を用いた位相変調器を反射鏡と組み合わせて実現できる。
【0047】
このように、双方向通信を実現するには上り・下り用の2つの信号光が必要であるため、これらを局に設置した1つまたは2つの光源で供給するためにはユーザ発信信号用として無変調光を局からユーザまで配送する必要があり、更に、1ユーザ当たり1本の光ファイバを用いてシステムを構成するためには、必然的に周波数の異なる2光源が必要となるので、周波数多重伝送システムが不可欠となるが、本発明は、複屈折周波数フィルタでは、周波数が隣接する透過光の偏光方向が互いに直交していることに着目し、複屈折周波数フィルタを用いることにより、周波数多重伝送システムの主要なコストを占める光周波数フィルタのポート数を最小限とする手段としてその複屈折性を積極的に利用したものである。
【0048】
【発明の効果】
以上のように本発明は、複屈折周波数フィルタでは、周波数が隣接する透過光の偏光方向が互いに直交していることに着目し、周波数多重伝送システムの主要なコストを占める光周波数フィルタのポート数を最小限とする手段としてその複屈折性を積極的に利用することにより、ユーザ端末に光源を設置することなく、かつ、1ユーザ端末あたり1本の専用光ファイバを用いて、安価で信頼性の高い双方向光通信システムを実現することができる。
【0049】
また、双方向通信を実現するには上り・下り用の2つの信号光が必要であるため、これらを局に設置した1つまたは2つの光源で供給するためにはユーザ発信信号用として無変調光を局からユーザまで配送する必要があるが、本発明のように、局とユーザ端末を構成することにより、ユーザ端末に光源を設置することなく、かつ、1ユーザ端末あたり1本の専用光ファイバを用いて、安価で信頼性の高い双方向光通信システムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】双方向通信システムの概念図。
【図2】本発明の双方向通信システムの全体構成図。
【図3】本発明の局の構成図。
【図4】本発明のユーザ端末の第1の構成図。
【図5】複屈折を持たない光周波数フィルタの実施例図。
【図6】複屈折ファブリ・ペロ・エタロンの透過特性図。
【図7】本発明のユーザ端末の第2の構成図。
【図8】従来の双方向光通信システムの第1の構成図。
【図9】分岐光線路型光周波数多重伝送システム(一方向伝送)
【図10】従来の双方向光通信システムの第2の具体的構成図。
【図11】従来の双方向光通信システムの第3の具体的構成図。
【符号の説明】
1 局
11 ユーザ1宛送信用光源
12 ユーザ1用受光器
13 ユーザ1発信信号用光源
14 合分波器
15,16 第1、第2の入力光ファイバ
17 光周波数合分波器
2 ユーザ端末
21 偏光ビームスプリッタ
22 受光器
23 合分波器
24 変調器
25 反射型変調器
3 共用光ファイバ
4 複屈折光周波数フィルタ
5 分岐部/光周波数フィルタ
6 偏波保持光ファイバ
7 専用光ファイバ
8 送信信号
10 ユーザ用光源・受光器類

Claims (4)

  1. 局とユーザ端末を光ファイバで結ぶ双方向光通信システムにおいて、前記局に接続された一本の光ファイバと、前記一本の光ファイバを介して局から送られてくる光のうち、偏光方向が互いに直交した特定の2つの周波数の光を透過させる複屈折光周波数フィルタと、前記複屈折光周波数フィルタ透過光をその偏光状態を保ったままユーザ端末まで導く偏波保持光ファイバと、ユーザ端末により構成される双方向光通信システム。
  2. 前記局はユーザ宛送信用光源、ユーザ用受光器、ユーザ発信信号用光源、合分波器でなる複数のユーザ用光源・受光器類と1つの光周波数合分波器とで構成されることを特徴とする請求項1記載の双方向光通信システム。
  3. 前記ユーザ端末は前記偏波保持光ファイバ出力光をその偏光方向に従い分離する偏光ビームスプリッタと、前記偏光ビームスプリッタで分離された光のうち一方を受光する光検出器と、他方をユーザが送出すべき信号に従い変調器により変調を加えたのち、再び前記偏光ビームスプリッタに入射して前記複屈折光周波数フィルタに到達せしめる手段とにより構成されることを特徴とする請求項1記載の双方向光通信システム。
  4. 前記変調器は反射型変調器であることを特徴とする請求項3記載の双方向光通信システム。
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