JP4010179B2 - データ識別装置及びプログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

データ識別装置及びプログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、データ識別装置及びプログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に係り、特に、映像や音楽コンテンツなどのように表示・再生処理における時間長を有するデータに係り、そのようなデータを蓄積したデータベースから提示データに対する類似データを識別・検索するためのデータ識別装置及びプログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
映像や音楽コンテンツなどのように、表示・再生処理における時間長を有するデータは、その性質上瞬時に内容を確認することが難しい。そこで、その内容を表す各種関連情報を付与することで、その識別性能を向上させることができる。予めデータベースに蓄積されたこのようなデータに対する識別・検索処理は、一般的にはこれらの関連情報を対象とするキーワード検索により実現することができる。以下では、映像コンテンツをこのようなデータの代表例として記すことにする。
【0003】
映像コンテンツ検索における問題点の一つに、上記の関連情報が必ずしも映像コンテンツを十分に表現しているとは限らない点を挙げることができる。即ち、あるオペレータにより付与されたキーワードは、必ずしも利用ユーザが想起するキーワードと一致しないことが起こり得るわけである。この問題を解決するための一つの手法に、キーワードではなく映像コンテンツが保有する、もしくは、保有すると想定される特徴量を提示することで検索を行う、類似映像検索がある。この場合は、オペレータやユーザによる主観が入らないため、常に同じ検索処理が期待される。しかし、その一方で、どのような特徴量を用いるか、検索時にユーザはその特徴量をどのように求め、提示するのか、どのように照合を行うのかなどの技術課題が発生する。
【0004】
以下、従来の類似映像検索について説明する。
【0005】
類似映像検索の一例として、ユーザが特徴量を直接指示する手法がある。例えば、「ビデオデータを対象とする異種検索方式の統合システム」(第10回データ工学ワークショップ、1999)では、フレーム内の色の分布と移動方向を特徴量として抽出する一方、ユーザはそれらを直接指示することによって映像を検索する。しかしこの手法は、ユーザがあまり複雑な特徴量やその変化を指示できないという問題がある。
【0006】
そこで、別の手法として、映像自身(多くは部分映像)もしくは、映像から抽出される特徴量をそのまま提示することによって検索する手法が考えられる。“Quick Audio Retrieval using Active Search ”(ICASSP,1998) では、蓄積される映像に関して特徴量のスペクトルを計算しておき、提示映像に対しても同様にスペクトルヒストグラムを算出した後、図26に示すように、その比較を行うことで検索を実行する。
上記の手法は、基本的に映像のフレーム毎に特徴量を抽出する。従って、その特徴量照合は、高速化処理の有無はあるとしても、フレーム毎の特徴量シーケンスを逐一比較することにより実現される。
【0007】
上記のようなフレーム単位の特徴量とは異なり、映像コンテンツのショット長、もしくは、シーン長を特徴量として用いた類似映像検索手法が提案されている(特開平5−174072、特開平7−46517)。これらの方法では、映像シーンの切り替わり(一般にカット点)で区切ることができる部分映像を1つのショットとして定義し、その時間長を特徴量とする方法である。特徴量照合は、図27に示すように、ショット長のシーケンスをその項目毎に逐一比較することにより実現される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の類似検索技術には、以下のような相補的な問題点がある。
【0009】
まず、最初の2例のようなフレーム毎の特徴量を用いる手法では、総フレーム数に比例した特徴量データ量を必要とする。従って、総フレーム数の増大に伴い特徴量自身のデータ量が膨大になるという問題がある。一方、3つ目のショット長を用いる手法では、多数のフレームがまとまって1つのショットを構成する。特徴量はショット毎に抽出されるために、前者よりデータ量の増加を抑えることができると考えられる。
【0010】
その一方で、ショット長のシーケンスを逐一比較することにより照合を行う場合、図28に示すように、カット点検出誤りが存在した場合、その誤りにより特徴量が大幅に変わってしまい、照合失敗となるという問題がある。何らかの手段により比較処理を継続したとしても、その後のショット長比較対象の選択誤りにつながる。即ち、誤り伝播を起こしてしまうという問題もある。なお、最初の2例の場合には、予め決められたフレーム毎の比較であるために、この問題が発生しない。この問題を回避する手法として、例えば、比較処理をショット長のシーケンス順に行わず、ショット長の集合同士を比較する手法を考えることができる。しかしその場合、順序情報が失われるために(例えば、10,20,30と30,10,20を区別できない)、識別性能が低下する。また、照合失敗時点で次ショット長との加算を行うなどの例外処理を行う手法も考えられるが、例外処理停止のためのルールを導入する必要があり(例えば、3つ先までは加算可能など)、処理が複雑になる。
【0011】
また、いずれの従来技術においても、抽出された特徴量そのものを比較対象、即ち、類似性の根拠としている。従って、例えば、映像フォーマットや解像度の変化に起因する特徴量変化の影響を受けやすいという問題が存在する。
【0012】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、識別・検索のためのデータ量を抑えつつ、特徴量抽出誤りや特徴量誤差に起因する識別性能低下を防ぐことが可能なデータ識別装置及びプログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
図1は、本発明の原理を説明するための図である。
【0014】
本発明は、構造情報取得手段、構造情報データベース、構造情報照合手段、類似構造情報識別手段とを有するデータ識別装置において、映像や音楽コンテンツなどのように表示・再生処理における時間長を有するデータを蓄積したデータベースからユーザからの提示データに対する類似データを識別・検索するデータ識別方法であって
構造情報取得手段が、
表示・再生処理における時間長を有するデータから得られる、ある特徴が存在する時間位置のシーケンスからなる、該データの構造情報Xを取得し(ステップ1)、該構造情報Xを該構造情報の識別子と共に構造情報データベースに格納する(ステップ2)構造情報取得手順と
構造情報照合手段が、
構造情報データベースから別の構造情報Yiを取得し(ステップ3)、構造情報X及び該構造情報Yiをシーケンス照合することで、両シーケンス照合区間における一致項目数Mi及び不一致項目数Uiを算出する(ステップ4)構造情報照合手順と
類似構造情報識別手段が、
構造情報照合手順から得られる一致項目数Mi及び不一致項目数Uiにより構造情報Xに対する構造情報Yiの類似性を判定し(ステップ5)、類似している場合には、類似している構造情報の識別子iを識別結果として出力する(ステップ6)類似性判定手順と、を行う
【0017】
図2は、本発明の原理構成図である。
【0018】
本発明(請求項1)は、映像や音楽コンテンツなどのように表示・再生処理における時間長を有するデータを蓄積したデータベースからユーザからの提示データに対する類似データを識別・検索するデータ識別装置1であって、
表示・再生処理における時間長を有するデータから得られる、ある特徴が存在する時間位置のシーケンスからなる、該データの構造情報を取得する構造情報取得手段11と、
構造情報取得手段11で取得した構造情報Xを、該構造情報の識別子と共に格納する構造情報データベース12と、
構造情報取得手段11から得られる利用者提示の構造情報Xを、構造情報データベースから得られる構造情報Yiとシーケンス照合することで、両シーケンス照合区間における一致項目数Mi及び不一致項目数Uiを算出する構造情報照合手段13と、
構造情報照合手段13から得られる一致項目数Mi及び不一致項目数Uiにより構造情報Xに対する構造情報Yiの類似性を判定し、類似している場合には、類似している構造情報の識別子iを識別結果として出力する類似構造情報識別手段14と、を有する。
【0019】
本発明(請求項2)は、データ識別装置1の構造情報照合手段13において
構造情報データベース12から得られる構造情報Yi中の時間位置シーケンスと、構造情報取得手段から得られる構造情報X中の時間位置シーケンスから、両者の開始時間位置のずれ(オフセット)の候補値集合{O}を算出するオフセット算出手段と、
オフセット算出手段から得られる各オフセットOjを、構造情報Xの各シーケンス項目に加算することで、開始時間位置ずれを考慮した修正構造情報Xjを生成する修正構造情報生成手段と、
修正構造情報生成手段から得られる各修正構造情報Xjと、構造情報データベースから得られている構造情報Yiを各々シーケンス照合することにより、両シーケンス照合区間における一致項目数Mij及び不一致項目数Uijを各々算出する修正構造情報照合手段と、を有し、
修正構造情報照合手段から得られる一致項目数Mij及び不一致項目数Uijにより構造情報Yiに対する修正構造情報Xjの類似性を判定し、最も類似している最類似修正構造情報Xjに対応する一致項目数及び不一致項目数を、その結果の項目数Mi,Uiとして出力する最適照合判定手段と、を有する。
【0020】
本発明(請求項3)は、データ識別装置1の構造情報照合手段13において、
入力される前記構造情報X,Yにおいて、照合する可能性のある各時間区間を算出するシーケンス照合区間算出手段と、
シーケンス照合区間算出手段から得られる時間区間内で、構造情報X,Yを時間順に比較することで得られる、シーケンス間での一致項目数の時間変化を計測する一致項目数遷移計測手段と、
シーケンス照合区間算出手段から得られる時間区間内で、構造情報X,Yを時間順に比較することで得られる、シーケンス間での不一致項目数の時間変化を計測する不一致項目数遷移計測手段と、
一致項目数遷移計測手段と不一致項目数遷移計測手段により得られる一致項目数の時間変化及び不一致項目数の時間変化から、構造情報X,Y中で照合していると考えられる部分シーケンスの開始・終了時間を判定する最適部分シーケンス判定手段と、
最適部分シーケンス判定手段から得られる開始時間・終了時間の範囲内における一致項目数及び不一致項目数を算出する一致・不一致項目数算出手段と、を有する。
【0021】
本発明(請求項4)は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のデータ識別装置を構成する各手段としてコンピュータを機能させるデータ識別プログラムである。
【0023】
本発明(請求項5)は、請求項4記載のプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0024】
上記のように、本発明では、提示されたデータにおける、ある特徴が存在する時間位置のシーケンスからなる構造情報を用いることで、フレーム毎の特徴量に比べて識別・検索のためのデータ量を抑えることが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明の実施の形態を説明する。
【0026】
図3は、本発明の一実施の形態におけるデータ識別装置の構成を示す。
【0027】
同図に示すデータ識別装置1は、構造情報取得部11、構造情報データベース12、構造情報照合部13、類似構造情報識別部14から構成される。
【0028】
構造情報取得部11は、表示・再生処理における時間長を有するデータに関し、そのデータから得られる、ある特徴が存在する時間位置のシーケンスからなる、そのデータの構造情報を取得する。
【0029】
構造情報データベース12は、構造情報取得部11からの構造情報を、そのデータの識別子と共に格納する。
【0030】
構造情報照合部13は、構造情報取得部11から得られる利用者提示の構造情報Xを、構造情報データベース12から得られる構造情報Yiとシーケンス照合することにより、両シーケンス照合区間における一致項目数Mi及び不一致項目数Uiを算出する。
【0031】
類似構造情報識別部14は、構造情報照合部13から得られる一致項目数Mi及び不一致項目数Uiにより構造情報Xに対する構造情報Yiの類似性を判定し、類似している場合には、その識別子iを識別結果として出力する。
【0032】
図4は、本発明の一実施の形態における構造情報の概念図を示し、図5は、本発明の一実施の形態における構造情報照合を説明するための図である。
【0033】
図4に示すように、提示されたデータにおける、ある特徴が存在する時間位置のシーケンスからなる構造情報を用いることで、フレーム毎の特徴量に比べて識別・検索のためのデータ量を抑えることができる。また、図5に示すように、抽出される特徴量そのものではなく、抽出された特徴量が存在する時間位置を照合に用いることで、特徴量の誤差に起因する比較誤りを回避することができる。
【0034】
図6は、本発明の一実施の形態における検出誤りに対する照合処理を説明するための図である。同図に示すように、構造情報におけるシーケンスの一部項目が誤検出もしくは、検出漏れされたとしても、その影響がその後の比較処理に伝播しない。これにより、特徴量抽出誤りを許容できるデータ識別を行うことができる。
【0035】
次に、構造情報照合部13について説明する。
【0036】
図7は、本発明の一実施の形態における構造情報照合部の構成を示す。
【0037】
同図に示す構造情報照合部13は、オフセット算出部21、修正構造情報生成部22、修正構造情報照合部23、最適照合判定部24から構成される。
【0038】
オフセット算出部21は、構造情報データベース12から得られる構造情報Yi中の時間位置シーケンスと、構造情報取得部11から得られる利用者提示の構造情報X中の時間位置シーケンスから、両者の開始時間位置のずれを候補値集合{O}を算出する。
【0039】
修正構造生成部22は、オフセット算出部21から得られる各オフセットOjを、構造情報取得部11から得られる構造情報Xの各シーケンス項目に加算することで、開始時間位置ずれを考慮した修正構造情報Xjを生成する。
【0040】
修正構造情報照合部23は、修正構造生成部22から得られる各修正構造情報Xjと、構造情報データベース12から取得している構造情報Yiを各々シーケンス照合することにより、両シーケンス照合区間における一致項目数Mij及び不一致項目数Uijを算出する。
【0041】
最適照合判定部24は、修正構造情報照合部23から得られる一致項目数Mij及び不一致項目数Uijにより構造情報Yiに対する修正構造情報Xjの類似性を判定し、最も類似している修正構造情報Xjに対応する一致項目数及び不一致項目数をその結果の項目数Mi,Uiとして出力する。
【0042】
これにより、利用者から提示されたデータと構造情報データベース12中の該当データとの開始時間にずれがあったとしても、そのずれを考慮したデータ識別を行うことができる。
【0043】
次に、上記の構造情報照合部13の修正構造情報照合部23の構成について説明する。
【0044】
図8は、本発明の一実施の形態における構造情報照合部の修正構造情報照合部の構成を示す。
【0045】
修正構造情報照合部23は、シーケンス照合区間算出部31、一致項目数遷移計測部32、不一致項目数遷移計測部33、最適部分シーケンス判定部34、一致・不一致項目数算出部35から構成される。
【0046】
シーケンス照合区間算出部31は、入力される両構造情報X,Yにおいて照合する可能性のある最小時間及び最大時間を算出する。
【0047】
一致項目数遷移計測部32は、シーケンス照合区間算出部31から得られる照合区間内で、両構造情報X,Yを時間順に比較することで得られる、シーケンス間での一致項目数の時間変化を計測する。
【0048】
不一致項目数遷移計測部33は、シーケンス照合区間算出部31から得られる照合区間内で、両構造情報X,Yを時間順に比較することで得られる、シーケンス間での不一致項目数の時間変化を計測する。
【0049】
最適部分シーケンス判定部34は、一致項目数遷移計測部32及び不一致項目数遷移計測部33から得られる一致項目数遷移情報及び不一致項目遷移情報から、両構造情報X,Y中で照合していると考えられるシーケンス位置を判定する。
一致・不一致項目数算出部35は、最適部分シーケンス判定部34から得られる開始時間・終了時間の範囲内における一致項目数M及び不一致項目数Uを算出する。
【0050】
このような構成により、提示されたデータが構造情報データベース12に登録されているデータの一部分を包含するデータであったとしても、その開始・終了時間を推定した上で、データ識別を行うことができる。
【0051】
次に、データ識別情報を利用者に提供する方法について説明する。
【0052】
図9は、本発明の一実施の形態におけるデータ識別方法のフローチャートである。
【0053】
表示・再生処理における時間長を有するデータに関し、そのデータの構造情報を取得する(ステップ101)。
【0054】
取得した構造情報Xを、そのデータの識別子と共に、構造情報データベース12に格納する(ステップ102)。
【0055】
構造情報データベース12から別の構造情報Yiを取得し(ステップ103)、構造情報X及びYiをシーケンス照合することで、両シーケンスの照合区間における一致項目数Mi及び不一致項目数Uiを算出する(ステップ104)。
【0056】
一致項目数Mi及び不一致項目数Uiにより、構造情報Xに対する構造情報Yiの類似性を判定し(ステップ105)、類似している場合には、その識別子iを識別結果として出力し(ステップ106)、更に、他の構造情報に対して識別処理を行うかどうかを判定する(ステップ107)。
【0057】
上記のステップ104における、ある構造情報X及びYiとのシーケンス照合による一致項目数及び不一致項目数を算出する際に、XとYiの間に開始時間のずれがある場合に、その照合情報を的確に提供する方法を説明する。
【0058】
図10は、本発明の一実施の形態における構造情報照合方法のフローチャートである。
【0059】
構造情報データベース12から得られる構造情報Yi中の時間位置シーケンスと、構造情報取得部11から得られる構造情報X中の時間位置シーケンスから、両者の開始時間位置のずれ(オフセット)の候補値集合{O}を算出する(ステップ201)。
【0060】
上記のオフセットOjを、構造情報Xの各シーケンス項目に加算することで、修正構造情報Xjを生成する(ステップ202)。
【0061】
上記の各修正構造情報Xjと、構造情報Yiを各々シーケンス照合することにより、両シーケンス照合区間における一致項目数Mij及び不一致項目数Uijを各々算出する(ステップ203)。
【0062】
上記の全ての一致項目数Mij及び不一致項目数Uijから構造情報Yiに最も類似している修正構造情報Xjを判定する(ステップ204)。
【0063】
上記の最類似修正構造情報Xjに対応する一致項目数及び不一致項目数をその結果の項目数Mi、Uiとして出力する(ステップ205)。
【0064】
上記の図10におけるステップ203における、構造情報X及びYとのシーケンス照合による一致項目数及び不一致項目数算出処理において、XとYのシーケンスの一部分だけが照合するような場合に、その照合情報を的確に提供するための方法を説明する。
【0065】
図11は、本発明の一実施の形態における構造情報照合方法の詳細な処理のフローチャートである。
【0066】
入力される両構造情報X,Yにおいて照合する可能性のある各々の時間区間を算出する(ステップ301)。
【0067】
上記の時間区間内で、両構造情報X,Yを時間順に比較することで得られる、シーケンス間での一致項目数の時間変化を計測する(ステップ302)と共に、同様に、上記の時間区間内で、両構造情報X,Yを時間順に比較することで得られる、シーケンス間での不一致項目数の時間変化を計測する(ステップ303)。
【0068】
上記の2つの手順(ステップ302、303)により得られる一致項目数の時間変化及び不一致項目数の時間変化から、両構造情報X,Y中で照合していると考えられる部分シーケンスの開始・終了時間を判定する(ステップ304)。
【0069】
上記により得られる開始時間・終了時間の範囲内における一致項目数及び不一致項目数を算出する(ステップ305)。
【0070】
【実施例】
以下、図面と共に本発明の実施例を説明する。
【0071】
[第1の実施例]
図12は、本発明の第1の実施例によるシステム構成を示す。
【0072】
同図に示すシステムにおけるデータとしては、映像コンテンツを対象としている。利用者は、識別対象となる映像を提示し、その映像に類似していると判定された登録済映像の識別子を、その識別結果として受け取る。
【0073】
また、本システムでの構造情報において検出すべき特徴としては、映像におけるシーンの切り替わり(カット点)を用いる。カット点検出により得られるカット点の各時間位置(当該映像コンテンツにおけるタイムコード)を構造情報の各項目とし、これらの項目を昇順に並べた数値シーケンスを、当該映像コンテンツの構造情報と規定する。
【0074】
同図に示すシステムは、利用者側のクライアント装置100と、サービス提供側のサーバ装置200とを有する。
【0075】
サーバ装置200には、複数のクライアント装置100が接続され得る。また、各装置間は同一LANで接続されていても、異種WANで接続されていてもよい。
【0076】
クライアント装置100は、構造情報解析部111、構造情報ファイル112、構造情報送信部113、識別子受信部114、及び利用者インタフェース115から構成される。
【0077】
構造情報解析部111は、利用者インタフェース115から対象となる映像コンテンツを受け取り、解析処理により映像中のシーンの切り替わりをカット点として検出し、その時間位置シーケンスを構造情報として構成し、出力する。
【0078】
構造情報ファイル112は、構造情報解析部111が出力した構造情報をファイル化したものである。なお、その実現方法としては、どのようなファイル形式であってもよく、また、データベース中の1項目としてクライアント装置100に格納されていてもよい。
【0079】
構造情報送信部113は、構造情報ファイル112の記述内容(以下、構造情報Xと記す)をサーバ装置200に送信する。
【0080】
識別子受信部114は、サーバ装置200から、提示した映像に類似していると判定された映像を表す識別子を受信する。
【0081】
利用者インタフェース115は、利用者が映像コンテンツを指示するためのインタフェースであり、その指示を受けて構造情報解析部111に映像コンテンツを転送する。また、当該インタフェース115は、識別子受信部114が受信した識別子を利用者に表示する。なお、この識別子に基づいて該当映像コンテンツ及びその関連情報を表示するシステムを構成することが別途実現可能である。
【0082】
サーバ装置200は、構造情報受信部221、構造情報データベース222、構造情報抽出部223、構造情報照合部224、類似性判定部225、識別子送信部226から構成される。
【0083】
構造情報受信部221は、クライアント装置100により送信された構造情報Xを受信し、構造情報データベース222に登録すると同時に、構造情報照合部224に転送する。
【0084】
構造情報データベース222は、構造情報受信部221において受信された構造情報Xを格納すると同時に、構造情報抽出部223からのリクエストを待ち受ける。構造情報データベース222、既存のデータベース製品により実現することも可能であり、また、構造情報毎のファイルを格納することでも実現することも、1つのファイル内の1エントリとして記述することで実現することも可能である。
【0085】
構造情報抽出部223は、クライアント装置100から送信された構造情報Xの受信を識別処理開始要求と見做し、構造情報データベース222から順次構造情報抽出を行い、構造情報照合部224に転送する。構造情報抽出部223は、構造情報データベース222から抽出すべき構造情報の識別子を指示するが、その識別子はデータベース中のすべての構造情報を対象としてもよく、また何らかのルールに基づいて対象を制限してもよい。
【0086】
構造情報照合部224は、構造情報抽出部223から順次転送される各識別子及び構造情報(以下、その識別子をiとし、その構造情報をYiと記す)及び、構造情報受信部221により受信された構造情報Xとの照合処理を行い、構造情報間の一致項目数Mi及び不一致項目数Uiを算出し、識別子iと共に類似性判定部225に転送する。
【0087】
類似性判定部225は、構造情報照合部224から転送された一致項目数及び不一致項目数に基づいて、構造情報Yiと構造情報Xの類似性を判定する。類似していると判定された場合は、その識別子iを識別子送信部226に転送する。識別子送信部226は、類似性判定部225から転送された識別子iをクライアント装置100に送信する。
【0088】
図13は、本発明の第1の実施例におけるデータ識別方法手順を示すシーケンスチャートである。以下、図13を参照して、本実施例におけるデータ識別方法の動作について説明する。
【0089】
まず、利用者は、利用者インタフェース115を介して識別対象となる映像コンテンツを指示する(ステップ401)。
【0090】
次に、利用者インタフェース115から転送された映像コンテンツを構造情報解析部111が解析し、構造情報を取得する(ステップ402)。本実施例における構造情報解析手段であるカット点検出処理としては、特許2839132号に記載されているカット・ディゾルブを検出する方法を用いることができる。あるカット(または、ディゾルブ)が検出された時間位置(タイムコード)を構造情報の1つの項目とし、これらの項目を昇順に並べた数値シーケンスを、当該映像コンテンツの構造情報とする。本実施例における構造情報の例を図14に示す(なお、本例では、映像の開始時間(ゼロ)もカット点に含まれると見做している)。
【0091】
次に、構造情報解析部111が取得した構造情報を、構造情報ファイル112としてクライアント装置100内に書き込む(ステップ403)。ファイル形式として、例えば、csv形式を用いることができる。
【0092】
次に、構造情報送信部113が構造情報ファイル112内の構造情報Xをサーバ装置200へ送信する(ステップ404)。サーバ装置200内の構造情報受信部221は、その構造情報Xを受信する(ステップ405)。
【0093】
次に、構造情報受信部221は、構造情報データベース222に構造情報Xを格納する(ステップ406)。構造情報データベース222として、例えば、1つのファイル内のcsvエントリとしての登録・参照で実現することができる。本実施例における構造情報データベース222の例を図15に示す。
【0094】
次に、構造情報抽出部223は、構造情報データベース222内の構造情報を順次抽出する(ステップ407)。構造情報抽出部223は、抽出すべき識別子を指示するが、ここでは、X以外のすべての識別子を対象とする。その場合、図15に示したデータベースを1エントリずつ取り出し、最初の項目を識別子、以降を構造情報として抽出し、Xを除く1エントリごとに以降のステップ408からステップ410までの処理を繰り返すことで、すべての識別子に対する処理を実現することができる。
【0095】
次に、構造情報照合部224は、構造情報抽出部223により抽出された構造情報Yiと、構造情報受信部221により受信された構造情報Xを照合して、一致項目数Mi及び不一致項目数Uiを算出する(ステップ408)。
【0096】
次に、類似性判定部225は、一致項目数Mi及び不一致項目数Uiから類似性を判定する(ステップ409)。類似性判定は、Mi及びUiを用いた評価式により実現することができる。本実施例における評価式の一例として、
Fi=Mi/(Mi+Ui)
を用いることができる。Fiは、一致項目数Miが多いほど、また、不一致項目数Uiが少ないほど大きい値をとり、その範囲は0から1までである。Fiが閾値Fthを上回る場合、構造情報XとYiが類似していると判定することができる。類似していると判定された場合は、識別子iを識別子送信部226に転送する。
【0097】
次に、識別子送信部226は、識別子iをクライアント装置100に送信する(ステップ410)。クライアント装置100内の識別子受信部114は、その識別子iを受信する(ステップ411)。そして、利用者インタフェース115がその識別子iを表示する(ステップ412)。
【0098】
図16は、本発明の第1の実施例における構造情報照合処理の動作のフローチャートである。以下、構造情報照合処理について説明する。
【0099】
まず、構造情報Xにおける最末尾項目の値と構造情報Yiにおける最末尾項目の値を比較し、その値が小さい方を数列p、大きい方を数列qとして扱う。数列pの項目数をm、数列qの項目数をnとする(ステップ501)。図15の例を参考にすると、構造情報Yiの方がp、構造情報Xの方がqとなる。また、m=n=6となる。
【0100】
次に、初期値として、一致項目数Mi及び不一致項目数Uiをゼロに、数列の引数としての変数t及びkを2とする。数列p及びqにおける各項目の参照は、これらt及びkを用いて先頭から順番で行われるものとする。従って、tは1からmまで、kは1からnまでの値をとる。以下、参照される項目の値をそれぞれp[t]及びp[k]と表す。ここで、本実施例の照合処理例における構造情報の時間位置(カット点位置)の定義上、p[1]=q[1]=0なので、照合処理は、t=k=2から開始される(ステップ502)。
【0101】
以降のステップでは、変数t及びkの値に基づく数列参照が行われる。
【0102】
まず、
p[t]>q[k]+th (式1)
が成立するかどうかを調べる(ステップ503)。ここで、thは閾値であり、カット点検出処理における誤差を考慮した値を設定する。式1が成立する場合には、p[t]とq[k]は一致していないと判断され、不一致項目数Uiに1が加算される(ステップ504)。その後、引数kが最大項目数n未満であるかどうか判断され(ステップ505)、n未満である場合は、kに1加えて(ステップ506)、ステップ503の手順に戻る。一方、kがnに達していた場合には、照合処理を終了する。
【0103】
式1が成立しない場合は、続いて、
q[k]>p[t]+th (式2)
が成立するかどうか調べる(ステップ507)。成立する場合には、やはりp[t]とq[k]は一致していないと判断され、不一致項目数Uiに1が加算される(ステップ508)。その後、引数tが最大項目数m未満であるかどうか判断され(ステップ509)、m未満である場合にはtに1加えて(ステップ510)、ステップ503の手順に戻る。一方、tがmに達していた場合には、照合処理を終了する。
【0104】
式1及び式2が成立しない場合は、p[t]とq[k]が一致していると判断され、一致項目数Miに1が加算される(ステップ511)。その後、引数k及びtの範囲を確認後加算処理が行われ、最終項目に到達していた場合には、照合処理を終了する(ステップ512、513、509、510)。
【0105】
以上の構造情報照合処理を図15の例に対して行った場合の処理例を図17に示す。同図中の表は、図16のフローチャートに従い処理を実行した際の、引数t及びkの遷移、各数列中の値の比較結果、Mi及びUiの遷移を示している。比較を繰り返した結果、正しい一致項目数Mi及び不一致項目数Uiが得られることがわかる。
【0106】
[第2の実施例]
図18は、本発明の第2の実施例によるシステム構成を示す。同図に示すシステムにおけるデータとしては、前述の第1の実施例と同様に、映像コンテンツを対象としている。利用者は、識別対象となる映像を提示し、その映像に類似していると判定された登録済映像の識別子を、その識別結果として受け取る。
【0107】
また、本システムでの構造情報において用いる特徴としても、第1の実施例と同様に映像におけるシーンの切り替わり(カット点)を用いる。しかし、本実施例では、利用者の指示により人手でカット点を編集することで構造情報を作成する。
【0108】
本システムの装置構成は、第1の実施例と同様に、利用者側のクライアント装置100とサービス提供側のサーバ装置200とを含む。クライアント装置100は、構造情報ファイル112、構造情報送信部113、識別子受信部114、利用者インタフェース115に加え、構造情報編集部116及び映像再生制御部117から構成される。
【0109】
構造情報ファイル112から識別子受信部114までは、第1の実施例と同様の機能を有する。利用者インタフェース115は、映像再生制御部117と連動し、利用者が映像コンテンツのカット点を発見し、その時間位置を指示・編集するためのインターフェースである。また、同インタフェース115は、識別子受信部114が受信した識別子を利用者に表示する。
【0110】
構造情報編集部116は、利用者インタフェース115からのカット点編集指示を受け、構造情報へのカット点時間位置追加・修正・削除を行う。編集終了時には、構造情報ファイル112に書込みを行う。
【0111】
映像再生制御部117は、利用者から映像コンテンツの指示を受け、その再生及び停止・早送り・巻き戻し・コマ送りなどの機能を提供すると共に、利用者インタフェース115からカット点検出指示があった際に、その時間位置を返答する。
【0112】
サーバ装置200は、第1の実施例における構造情報受信部221、構造情報データベース222、構造情報抽出部223、類似性判定部225、識別子送信部226に加え、オフセット算出部227、修正構造情報生成部228、修正構造情報照合部229、及び、最適照合判定部230から構成される。
【0113】
構造情報受信部221から構造情報抽出部223及び類似性判定部225、識別子送信部226は、第1の実施例と同様の機能を有する。
【0114】
オフセット算出部227は、構造情報X及び構造情報Yiに基づいて、両者の開始時間位置のずれを表すオフセットを算出する。オフセットは候補集合として複数算出される。その算出ルールとして、ある一定の時間間隔でオフセットを算出する方法が考えられる。他に、構造情報Xのt番目の項目X[t]及び、構造情報Yiのk番目の項目Yi[k]より、(Yi[k]−X[t])をオフセット値として算出する方法も考えられる。本実施例では、後者の方法を想定し、その値を以下、Ojと表す。引数jは、構造情報Xの項目数がm個、構造情報Yiの項目数がn個である場合、1から最大mnまでの値を取り得る。
【0115】
修正構造情報生成部228は、オフセット算出部227から算出される各オフセットOjの値を用いて、構造情報Xの各項目の値を修正し、修正構造情報Xjを生成する。修正構造情報Xjのt番目の項目Xj[t]は、
Xj[t]=X[t]+Oj
により算出される。
【0116】
修正構造情報照合部229は、修正構造情報Xjと構造情報Yiの照合を行う。図19は、本発明の第2の実施例における修正構造情報照合処理の動作のフローチャートである。
【0117】
同図に示す処理フローは、第1の実施例における図16のフローチャートとほぼ同様である。但し、ステップ501における最末尾項目の値の代わりに構造情報の全時間長を用いて判定する(ステップ601〜603)。また、t及びkの初期値を1に、XをXjに、Mi・UiをMij・Uijとする(ステップ604)。
【0118】
最適照合判定部230は、修正構造情報照合部229から出力される各Mij・Uijに基づき、最も照合していると思われるXjを判定、そのMij・UijをMi・Uiとして識別子iと共に出力する。その判定には、第1の実施例と同様に評価式
Fij=Mij/(Mij+Uij)
を用いることができる。この場合、最も大きいFijに対応する修正構造情報Xjを採用することで、最適照合を判定する。
【0119】
本実施例におけるオフセット算出から修正構造情報照合までを、図20の構造情報データベース222の例に対して行った場合の例を図21に示す。この場合、オフセットは、20個算出され、そのうち、オフセット値50に対して最適な照合(Mij=5,Uij=2)が行われることがわかる。
【0120】
[第3の実施例]
図22は、本発明の第3の実施例によるシステム構成を示す。
【0121】
本実施例におけるデータとしては、第1、第2の実施例と同様に、映像コンテンツを対象としている。利用者は識別対象となる映像を提示し、その映像に類似していると判定された登録済映像の識別子をその識別結果として受け取る。
【0122】
また、本システムでの構造情報において用いる特徴としても、第1、第2の実施例と同様に、映像におけるシーンの切り替わり(カット点)を用いる。本実施例では、利用者が映像コンテンツそのものをサーバ装置200に送信し、構造情報はサーバ装置200内で作成される。
【0123】
本システムの装置構成は、第1の実施例と同様に、利用者側のクライアント装置100と、サービス提供側のサーバ装置200とを含む。
【0124】
クライアント装置100は、識別子受信部114、利用者インタフェース115及び映像コンテンツ送信部118から構成される。
【0125】
識別子受信部114及び利用者インタフェース115は、第1の実施例と同様の機能を有する。映像コンテンツ送信部118は、利用者インタフェース115に提示された映像コンテンツをサーバ装置200に送信する。これは、HTML文やJava(登録商標)Script文などを用い、Webブラウザ上で動作するインタフェースシステムとして容易に実現できる。
【0126】
サーバ装置200は、第2の実施例における構造情報データベース222から最適照合判定部230に加え、映像コンテンツ受信部232、構造情報解析部232、シーケンス照合区間算出部233、一致項目数遷移計測部234、不一致項目数遷移計測部235、最適部分シーケンス判定部236、一致・不一致項目数算出部237から構成される。
【0127】
映像コンテンツ受信部231は、クライアント装置100から映像コンテンツを受信する。
【0128】
構造情報解析部232は、第1の実施例におけるクライアント装置100内の構造情報解析部111と同様の機能を有する。映像コンテンツ受信部231が受信した映像コンテンツを解析し、構造情報Xを出力する。
【0129】
構造情報データベース222、構造情報抽出部223、オフセット算出部227、及び修正構造情報生成部228は、第2の実施例と同様の機能を有する。
【0130】
シーケンス照合区間算出部233は、入力される構造情報Yi及び修正構造情報Xjより、照合の可能性がある最小時間min及び最大時間maxを時間区間として算出する。本実施例では、図23の構造情報データベース222を例にとり、オフセットOj=90であるときの修正構造情報Xjと構造情報Yiを対象にして説明する。この場合、シーケンス照合区間算出部233において算出される値は、min=0,max=180となる。本算出は、両構造情報における項目の最小値及び最大値を求めることで実現される。
【0131】
一致項目数遷移計測部234及び不一致項目数遷移計測部235は、シーケンス照合区間算出部233より出力される時間区間内で、両構造情報における一致項目数、不一致項目数の時間遷移を計測する。本計測部234、235における計測処理は、第2の実施例における修正構造情報照合処理フロー上で実現できる。即ち、図19に示した動作フローチャートに基づく照合処理を実施する際に、変数t及びkの値変化に対応する一致項目数及び不一致項目数の値変化を、図17における表のように全て保存しておけばよい。図24は、このようにして得られる計測処理結果を時間軸にマッピングした例を表している。
【0132】
最適部分シーケンス判定部236は、一致項目数遷移計測部234及び不一致項目数遷移計測部235から得られる遷移情報に基づき、照合していると考えられるシーケンス位置を判定する。本実施例では、一致項目数遷移情報Mtが増加傾向にあり、不一致項目数遷移情報Utが増加しない時間区間をその部分シーケンスとして判定する。図25に判定処理の例を示す。この図の場合、Mtが増加を開始する100秒目から、Mtが増加しなくなる160秒目までを最適部分シーケンスとして判定する。実際の処理として、Mtが増加している間はフラグ処理などにより、シーケンス継続中と見做し、ある閾値以内でUtが増加してもノイズと見做すことにより最適部分シーケンスを判定する方法などを用いることができる。
【0133】
一致・不一致項目数算出部237は、最適部分シーケンス判定部236から得られるシーケンス位置としての開始・終了時間に基づき、一致項目数遷移情報Mt及び不一致項目数遷移情報Utから、一致項目Mij及び不一致項目数Uijを算出する。本実施例における算出式としては、
Mij=Mt{OUT+}−Mt{IN−}
Uij=Ut{OUT+}−Ut{IN−}
を用いる。ここで、Mt{OUT+}とは、終了時間OUT直後におけるMtの値であり、Mt{IN−}とは、開始時間IN直前におけるMtの値である。図25の場合、Mt{OUT+}=4,Mt{IN−}=0である。従って、Mij=4−0=4となる。同様に、Uij=2−2=0となる。
【0134】
最適照合判定部230、類似性判定部225及び識別子送信部226は、第2の実施例と同様の機能を有する。
【0135】
以上の3つの実施例は、映像コンテンツを対象データと想定し、その構造情報取得において用いられる特徴としてカット点を想定している。この他にも、例えば、音楽コンテンツを対象データと想定し、一定長以上の無音区間が検出される点をその特徴点と定義することが可能である。
【0136】
また、3つの実施例においては、構造情報取得のための特徴を1種類としたが、複数の特徴を用い、それぞれに対する構造情報を取得した上で、各々の照合処理を行い、それらの結果(それぞれの構造情報による一致・不一致項目数)を合成することで、類似性判定を行うことも可能である。合成方法としては、単純に評価式の積をとる方法や、ルールによる場合分けを行う方法などが考えられる。また、上記の3つの実施例においては、構造情報の各項目の比較により、一致・不一致を判定したが、同時に取得される特徴量を勘案した上で、一致・不一致を判定することも可能である。例えば、あまりにも算出される特徴量に隔たりがある場合には、その比較判定を留保する(一致とも不一致とも見做さない)等の方法をとることができる。
【0137】
なお、図11、図18、図22で示したシステムにおける装置(クライアント、サーバ)各部の一部もしくは全部の機能をコンピュータのプログラムで構成し、そのプログラムをコンピュータを用いて実行して本発明を実現することができること、あるいは、図16、図19の各フローチャートや本文中記載の説明文や式で示した処理の手順をコンピュータのプログラムで構成し、そのプログラムをコンピュータに実行させることができることは言うまでもなく、コンピュータでその機能を実現するためのプログラム、あるいは、コンピュータにその処理の手順を実行させるためのプログラムを、そのコンピュータが読み取り可能な記憶媒体、例えば、フレキシブルディスク、MO,ROM,メモリカード、CD,DVD、リムーバブルディスクなどの記録して、保存したり、配布したりすることが可能である。
【0138】
上記のプログラムは、インターネットや電子メールなど、ネットワークを通して提供することも可能である。また、上記のプログラムは、サーバやクライアントのコンピュータ別に作成されることは当然であるが、記録媒体への記録や、ネットワークを通しての提供に際しては、一まとめにしたり、個別にしたり、組み合わせたりして行ってもよい。
【0139】
以上、本発明の代表的な実施例を説明したが、本発明は、上記の実施例に限定されることなく、特許請求の範囲内において、種々変更・応用が可能である。
【0140】
【発明の効果】
上述のように、本発明によれば、提示されたデータにおけるある特徴が存在する時間位置のシーケンスからなる構造情報を用いることで、フレーム毎の特徴量に比べ、識別・検索のためのデータ量を抑えることができる。
【0141】
また、抽出される特徴量そのものではなく、抽出された特徴量が存在する時間位置を照合に用いることで、特徴量の誤差に起因する比較誤りを回避することができる。同様に、特徴量抽出誤りを許容できるデータ識別を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明するための図である。
【図2】本発明の原理構成図である。
【図3】本発明の一実施の形態におけるデータ識別装置の構成図である。
【図4】本発明の一実施の形態における構造情報の概念図である。
【図5】本発明の一実施の形態における構造情報照合を説明するための図である。
【図6】本発明の一実施の形態における検出誤りに対する照合処理を説明するための図である。
【図7】本発明の一実施の形態における構造情報照合部の構成図である。
【図8】本発明の一実施の形態における構造情報照合部の修正構造情報照合部の構成図である。
【図9】本発明の一実施の形態におけるデータ識別方法のフローチャートである。
【図10】本発明の一実施の形態における構造情報照合方法のフローチャートである。
【図11】本発明の一実施の形態における構造情報照合方法の詳細な処理のフローチャートである。
【図12】本発明の第1の実施例によるシステム構成図である。
【図13】本発明の第1の実施例におけるデータ識別方法手順を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第1の実施例における構造情報例である。
【図15】本発明の第1の実施例における構造情報データベース例である。
【図16】本発明の第1の実施例における構造情報照合処理の動作のフローチャートである。
【図17】本発明の第1の実施例における構造情報照合処理例である。
【図18】本発明の第2の実施例によるシステム構成図である。
【図19】本発明の第2の実施例における修正構造情報照合処理の動作フローチャートである。
【図20】本発明の第2の実施例における構造情報データベース例である。
【図21】本発明の第2の実施例におけるオフセット算出修正構造情報生成及び照合処理例である。
【図22】本発明の第3の実施例によるシステム構成図である。
【図23】本発明の第3の実施例における構造情報データベース例及びオフセット算出に基づく修正構造情報の例である。
【図24】本発明の第3の実施例における一致・不一致項目数遷移計測の処理例である。
【図25】本発明の第3の実施例における最適部分シーケンス判定及び一致・不一致項目数算出の処理例である。
【図26】従来手法におけるフレーム毎の特徴量比較に関する説明図である。
【図27】従来手法におけるショット毎の特徴量比較に関する説明図である。
【図28】ショット毎の特徴量比較における問題点の説明図である。
【符号の説明】
1 データ識別装置
11 構造情報取得手段、構造情報取得部
12 構造情報データベース
13 構造情報照合手段、構造情報照合部
14 類似構造情報識別手段、類似構造情報識別部
21 オフセット算出部
22 修正構造情報生成部
23 修正構造情報照合部
24 最適照合判定部
31 シーケンス照合区間算出部
32 一致項目数遷移計測部
33 不一致項目数遷移計測部
34 最適部分シーケンス判定部
35 一致・不一致項目数算出部
100 クライアント装置
111 構造情報解析部
112 構造情報ファイル
113 構造情報送信部
114 識別子受信部
115 インタフェース利用者
116 構造情報編集部
117 映像再生制御部
118 映像コンテンツ送信部
200 サーバ装置
221 構造情報受信部
222 構造情報データベース
223 構造情報抽出部
224 構造情報照合部
225 類似性判定部
226 識別子送信部
227 オフセット算出部
228 修正構造情報生成部
229 修正構造情報照合部
230 最適照合判定部
231 映像コンテンツ受信部
232 構造情報解析部
233 シーケンス照合区間算出部
234 一致項目数遷移計測部
235 不一致項目数遷移計測部
236 最適部分シーケンス判定部
237 一致・不一致項目数算出部

Claims (5)

  1. 映像や音楽コンテンツなどのように表示・再生処理における時間長を有するデータを蓄積したデータベースからユーザからの提示データに対する類似データを識別・検索するデータ識別装置であって、
    表示・再生処理における時間長を有するデータから得られる、ある特徴が存在する時間位置のシーケンスからなる、該データの構造情報を取得する構造情報取得手段と、
    前記構造情報取得手段で取得した前記構造情報Xを、該構造情報の識別子と共に格納する構造情報データベースと、
    前記構造情報取得手段から得られる利用者提示の構造情報Xを、前記構造情報データベースから得られる構造情報Yiとシーケンス照合することで、両シーケンス照合区間における一致項目数Mi及び不一致項目数Uiを算出する構造情報照合手段と、
    前記構造情報照合手段から得られる一致項目数Mi及び不一致項目数Uiにより前記構造情報Xに対する構造情報Yiの類似性を判定し、類似している場合には、類似している構造情報の識別子iを識別結果として出力する類似構造情報識別手段と、を有することを特徴とするデータ識別装置。
  2. 前記構造情報照合手段は、
    前記構造情報データベースから得られる構造情報Yi中の時間位置シーケンスと、前記構造情報取得手段から得られる構造情報X中の時間位置シーケンスから、両者の開始時間位置のずれ(オフセット)の候補値集合{O}を算出するオフセット算出手段と、
    前記オフセット算出手段から得られる前記各オフセットOjを、前記構造情報Xの各シーケンス項目に加算することで、開始時間位置ずれを考慮した修正構造情報Xjを生成する修正構造情報生成手段と、
    前記修正構造情報生成手段から得られる前記各修正構造情報Xjと、前記構造情報データベースから得られている前記構造情報Yiを各々シーケンス照合することにより、両シーケンス照合区間における一致項目数Mij及び不一致項目数Uijを各々算出する修正構造情報照合手段と、を有し、
    前記修正構造情報照合手段から得られる前記一致項目数Mij及び前記不一致項目数Uijにより前記構造情報Yiに対する修正構造情報Xjの類似性を判定し、最も類似している最類似修正構造情報Xjに対応する一致項目数及び不一致項目数を、その結果の項目数Mi,Uiとして出力する最適照合判定手段と、を有する請求項記載のデータ識別装置。
  3. 前記構造情報照合手段は、
    入力される前記構造情報X,Yにおいて、照合する可能性のある各時間区間を算出するシーケンス照合区間算出手段と、
    前記シーケンス照合区間算出手段から得られる前記時間区間内で、前記構造情報X,Yを時間順に比較することで得られる、シーケンス間での一致項目数の時間変化を計測する一致項目数遷移計測手段と、
    前記シーケンス照合区間算出手段から得られる前記時間区間内で、前記構造情報X,Yを時間順に比較することで得られる、シーケンス間での不一致項目数の時間変化を計測する不一致項目数遷移計測手段と、
    前記一致項目数遷移計測手段と前記不一致項目数遷移計測手段により得られる一致項目数の時間変化及び不一致項目数の時間変化から、前記構造情報X,Y中で照合していると考えられる部分シーケンスの開始・終了時間を判定する最適部分シーケンス判定手段と、
    前記最適部分シーケンス判定手段から得られる前記開始時間・前記終了時間の範囲内における一致項目数及び不一致項目数を算出する一致・不一致項目数算出手段と、を有する請求項記載のデータ識別装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のデータ識別装置を構成する各手段としてコンピュータを機能させるデータ識別プログラム。
  5. 請求項4記載のプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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