JP4009939B2 - 電動油圧工具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧着等の作業を行う電動油圧工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧着作業を行う従来の電動油圧圧着工具の構成例を図3に示す。この電動油圧圧着工具は、駆動モータ1と伝動装置2と油圧ポンプ3とを備えている。駆動モータ1は、電動油圧圧着工具の工具外装ケース4の下端部から下方に突出したハンドル部41に収納されたバッテリ5を電源として駆動軸11を回転駆動させる電動の整流子モータである。この駆動モータ1は、伝動装置2の伝動装置ケース21における図示右側の端面に取り付け固定されている。
【0003】
伝動装置2は、伝動装置ケース21の内部に減速機構22と偏心カム機構23とを備えている。減速機構22は、駆動モータ1の駆動軸11の回転を減速して伝達する遊星歯車機構からなり、偏心カム機構23は、この減速機構22で減速した回転を偏心カム23aにより往復動作に変換するものである。
【0004】
油圧ポンプ3は、油圧プランジャ31を油圧室32内で往復動作させることにより、オイルタンク33から引き込んだオイルを圧着シリンダ34に加圧して送り出すものである。油圧プランジャ31は、ピストン状の上部がシリンダ状の油圧室32内に嵌合してOリングとバックアップリングによりシールされ、上下方向に摺動可能になっていて、下端部が油圧ポンプ3のほぼ円筒形のポンプブロックから下方に突出するようになっている。また、この油圧ポンプ3には、圧着シリンダ34の内部の油圧を解除するための油圧解除弁35が設けられている。油圧解除弁35は、圧着シリンダ34からオイルタンク33へのオイルの移動を阻止する逆止弁であり、油圧ポンプ3のポンプブロックにOリングでシールされて上下方向に摺動可能に取り付けられたバルブステム36の上端で押圧されると、この逆止弁である油圧圧解除弁35が移動して開いて圧着シリンダ34内のオイルをオイルタンク33に戻すことにより油圧を解除することができるようになっている。このバルブステム36も、下端部がこの油圧プランジャ31の図示左側の先で油圧ポンプ3のポンプブロックから下方にわずかに突出し、この突出した下端部を上方に押し込むことにより油圧解除弁35を強制的に開くことができるようになっている。
【0005】
上記油圧ポンプ3は、伝動装置2の伝動装置ケース21の上端面にポンプブロックの下端面を載置して取り付け固定されている。また、油圧ポンプ3の油圧プランジャ31は、ポンプブロックから下方に突出する下端部がこの伝動装置ケース21の上端開口部から偏心カム機構23の内部に嵌入して偏心カム23aの回転により上下に往復動作するようになっている。従って、電動油圧圧着工具は、ハンドル部41に揺動可能に取り付けられたトリガスイッチ6を指で押すと、図示しないスイッチがONとなって駆動モータ1の駆動軸11が回転駆動し、伝動装置2の減速機構22と偏心カム機構23とを介して油圧ポンプ3の油圧プランジャ31を上下に往復動作させることになる。そして、この油圧プランジャ31の往復動作によりオイルタンク33のオイルが加圧されて圧着シリンダ34に送り込まれると、圧着ピストン37が左側に進出し、この圧着ピストン37の先端に取り付けた図示しない圧着工具によって圧着端子等を圧迫することにより圧着作業が行われる。
【0006】
上記電動油圧圧着工具には、油圧解除レバー7が取り付けられている。油圧解除レバー7は、工具外装ケース4の内部で伝動装置2の左側の先に固定された支持軸71を支点として揺動可能となり、ねじりコイルばね72によって下端部が左側に付勢されると共に、この下端部に取り付けた油圧解除ボタン73がハンドル部41のトリガスイッチ6の下方に位置するようにしたものである。また、この油圧解除レバー7は、支持軸71よりも上方の上端部が、油圧ポンプ3に取り付け固定した伝動装置2の左側の先でポンプブロックから下方に突出するバルブステム36の下端部に当接するようになっていて、ねじりコイルばね72の付勢に逆らって油圧解除ボタン73を指で押すと、この油圧解除レバー7の上端部がバルブステム36を上方に押し上げて、油圧解除弁35を強制的に開かせ圧着シリンダ34内のオイルの油圧を解除することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、油圧ポンプ3の油圧解除弁35は、圧着作業時に圧着シリンダ34内の高圧の油圧によって圧迫されるために、バルブステム36を極めて強い力で押し上げなければ開放することができず、電動油圧圧着工具の組み立て完了後に油圧解除ボタン73を押しても油圧が解除されないという不良品が発生する場合があった。油圧が解除できない原因としては、油圧解除弁35やバルブステム36の不良である場合の他に、油圧解除レバー7の支点となる支持軸71が工具外装ケース4に設けられる場合、その位置精度が悪いために、油圧解除ボタン73を押してもバルブステム36を正確に押圧できないという場合もある。このため、従来の電動油圧圧着工具は、油圧が解除されないという不良が発生した場合に、一旦完成した電動油圧圧着工具を分解して、油圧ポンプ3を交換したり油圧解除レバー7を調整して再度組み立てを行う必要があり、生産性が著しく低下するという問題が発生していた。
【0008】
また、従来の電動油圧圧着工具は、伝動装置2に油圧ポンプ3と駆動モータ1を組み付けてユニット化したものを最終的に工具外装ケース4に組み込む段階で油圧解除レバー7を別に組み付ける必要があり、組み立ての作業性が悪いという問題もあった。
【0009】
なお、上記問題は、圧着作業を行う電動油圧圧着工具に限らず、切断作業等を行う他の電動油圧工具にも共通する。
【0010】
本発明は、かかる事情に対処するためになされたものであり、油圧解除レバーを伝動装置に取り付けることにより、この伝動装置に油圧ポンプと駆動モータを組み付けた状態で油圧解除機能の確認を行うことができるようにした電動油圧工具を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
即ち、上記課題を解決するために、請求項1の発明は、油圧室内で往復動作を行うことによりオイルを加圧して送り出す油圧プランジャ(31)と、送り出されたオイルの油圧を解除する油圧解除弁(35)とを備えた油圧ポンプ(3)と、駆動モータ(1)との間に、この駆動モータ(1)の駆動軸(11)の回転を減速して伝達する減速機構(22)と、この減速機構(22)で減速した回転を油圧ポンプ(3)の油圧プランジャ(31)の往復動作に変換する回転往復変換機構とを備えた伝動装置(2)を取り付けた電動油圧工具において、
前記伝動装置(2)を収容した伝動装置ケース(21)の下端部に設けた支持軸(21c)回りに、油圧解除レバー(8)を揺動可能に取り付けると共に、該油圧解除レバー(8)の揺動により押圧されて油圧ポンプ(3)の油圧解除弁(35)を押し開く油圧解除ピン(24)を、前記伝動装置ケース(21)の前記支持軸(21c)を設けた側に形成された貫通孔に圧縮コイルばね(25)の付勢力により或いは該圧縮コイルばね(25)の付勢力に抗して、摺動可能に嵌合させて取り付けたことを特徴とする。
【0012】
請求項1の発明によれば、伝動装置に取り付けられた油圧解除レバーを操作して揺動させることにより、油圧解除ピン(24)を摺動させて油圧ポンプ(3)の油圧解除弁(35)を開き油圧を解除することができるので、この伝動装置に油圧ポンプ(3)と駆動モータ(1)を取り付けただけの状態で、油圧解除レバー(8)を操作して油圧の解除が正常に行えるかどうかを確認することができる。また、油圧解除レバー(8)は、伝動装置に揺動可能に取り付けられ、この伝動装置に取り付けられた油圧解除ピン(24)を押圧すればよいので、取り付け位置精度が悪くなるおそれがなくなる。さらに、油圧解除ピン(24)は、伝動装置(2)と油圧ポンプ(3)の取り付け精度によって確実に油圧解除弁を押し開くことができるので、この場合も、取り付け位置精度が悪くなるおそれがほとんどなくなる。しかも、油圧解除レバー(8)は、この油圧解除ピン(24)を介して油圧解除弁を押圧するので、油圧解除ピン(24)の長さ分だけ揺動の支点から操作部までの距離が短いレバーとすることができ、動作スペースを小さくできるだけでなく、安定した揺動動作を行わせることができるようになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0014】
図1〜図2は本発明の一実施形態を示すものであって、図1は電動油圧圧着工具の構造を示す縦断面図、図2は電動油圧圧着工具における伝動装置の詳細構造を示す部分拡大縦断面図である。なお、図3に示した従来例と同様の機能を有する構成部材には同じ番号を付記する。
【0015】
本実施形態は、従来例と同様の電動油圧圧着工具について説明する。この電動油圧圧着工具も、駆動モータ1と伝動装置2と油圧ポンプ3とを備えている。また、駆動モータ1と油圧ポンプ3の構成は、従来例と全く同じである。
【0016】
伝動装置2は、伝動装置ケース21の内部に従来例と同様の構成の減速機構22と偏心カム機構23とを備えている。減速機構22は、伝動装置ケース21の図示右側の端面に取り付け固定された駆動モータ1の駆動軸11の回転を減速して伝達する2段減速の遊星歯車機構からなる。即ち、図2に示すように、この減速機構22は、駆動モータ1の駆動軸11に嵌着された第1太陽歯車22aと、伝動装置ケース21の内周面に固着された内歯車22bと、この第1太陽歯車22aと内歯車22bの間に挿入歯合された複数個の第1遊星歯車22cとによって、これらの遊星歯車22cをそれぞれ回転可能に取り付けた第1円板22dに駆動軸11の回転を減速して伝えると共に、この第1円板22dの図示左側の端部に形成された第2太陽歯車22eと、この第2太陽歯車22eと内歯車22bとの間に挿入歯合された複数個の第2遊星歯車22fとによって、これら第2遊星歯車22fをそれぞれ回転可能に取り付けた第2円板22gに第1円板22dの回転をさらに減速して伝えるようになっている。
【0017】
偏心カム機構23は、減速機構22で減速した回転を偏心カム23aにより往復動作に変換するものである。即ち、この偏心カム機構23は、回転軸の中央にこの回転軸の軸心に対して偏心した大径の偏心カム23aを設けると共に、この偏心カム23aの両側の回転軸を、伝動装置ケース21の内周穴に外輪を固着した2個のベアリング23b,23cによって回転可能に軸支したものである。ただし、右側のベアリング23cは、組み立ての都合上、スペーサを介して外輪を伝動装置ケース21の内周穴に固着している。偏心カム23aは、外周面に多数のニードル23dを介してアウターリング23eが回転可能に外嵌されている。そして、この偏心カム23aの右側に突出した回転軸の先端部が減速機構22の第2円板22gに嵌着されて、この減速機構22により減速された回転が伝わるようになっている。
【0018】
従って、駆動モータ1の駆動軸11が回転駆動されると、減速機構22によって減速された回転が偏心カム23aに伝わるので、アウターリング23eの外周面の上端がこの偏心カム23aの回転に伴って上下に往復移動することになる。また、伝動装置2の伝動装置ケース21の上端面にポンプブロックの下端面を載置して取り付け固定された油圧ポンプ3は、このポンプブロックから下方に突出する油圧プランジャ31の下端が、伝動装置2における偏心カム機構23のアウターリング23eの外周面の上端に接触配置されるようになっている。このため、偏心カム23aの回転に伴ってアウターリング23eの外周面の上端が上下に往復移動することにより、油圧プランジャ31も上下動することになり、これによって油圧ポンプ3のオイルタンク33のオイルが圧着シリンダ34内に加圧して送り出されるようになる。
【0019】
上記伝動装置2の伝動装置ケース21は、左側の端面が閉じた筒状のアルミダイカストに、減速機構22や偏心カム機構23を収納するための内径穴や、油圧ポンプ3を取り付け固定する上端面等の精度が必要な部分を追加工したものである。この伝動装置ケース21の左側の端部には、上下方向に貫通する貫通孔21aが形成されている。そして、この貫通孔21aには、油圧解除ピン24が嵌合されて上下に摺動可能になっている。貫通孔21aは、伝動装置ケース21に取り付け固定された油圧ポンプ3のポンプブロックから下方に突出したバルブステム36の真下に位置するように形成されている。この貫通孔21aは、実際には伝動装置ケース21の内径穴に通じる十分に広い鋳抜き部21bを挟んで上下に分離されていて、下端部の方が孔径が大きく形成されている。また、油圧解除ピン24も、下端部が軸径を大きく形成されていて、この油圧解除ピン24を下方から貫通孔21aに挿入することにより上下端部の孔にそれぞれ嵌合するようになっている。さらに、この油圧解除ピン24の挿入の際には、貫通孔21aの上下の中間の鋳抜き部21bで圧縮コイルばね25を外嵌させることにより、この油圧解除ピン24を下方に付勢するようになっている。従って、この圧縮コイルばね25の付勢に逆らって油圧解除ピン24を上方に摺動させると、この油圧解除ピン24の上端が油圧ポンプ3のバルブステム36を上方に押し上げることになる。
【0020】
上記伝動装置ケース21の左側の下端部には、支持軸21cが固着されている。支持軸21cは、伝動装置ケース21の左側の下端部の突起に両端部を固着された水平方向の軸であり、油圧解除レバー8の上端部がこの支持軸21cに揺動可能に軸支されている。即ち、図1と図2に明らかなように、貫通孔21aは、伝動装置ケース21に設けた前記支持軸21cの側に形成されている。そして前記油圧解除レバー8は、支持軸21cを支点として下端部が左右に揺動可能となるレバーであり、この下端部に油圧解除ボタン81が取り付けられている。油圧解除ボタン81は、油圧解除レバー8が伝動装置2等と共に電動油圧圧着工具の工具外装ケース4に組み込まれたときには、図1に示すように、ハンドル部41のトリガスイッチ6の下方に位置するようになっている。この油圧解除ボタン81を右側に押すと、油圧解除レバー8が支持軸21cを支点として揺動し、上端が梃子となって上記油圧解除ピン24の下端を押して上方に持ち上げることになる。また、常時は、この油圧解除ピン24が圧縮コイルばね25によって下方に付勢されるので、油圧解除レバー8の揺動範囲内で油圧解除ボタン81が左側に位置する。ただし、本実施形態では、常時は、バルブステム36が油圧解除弁35によって下方に押されているので、油圧解除ピン24がこのような圧縮コイルばね25に付勢されていなくても、油圧解除ボタン81は左側に位置することになる。
【0021】
上記構成の伝動装置2の伝動装置ケース21の右側の端面に駆動モータ1を取り付け固定すると共に、この伝動装置ケース21の上端面に油圧ポンプ3を取り付け固定すれば、従来例と同様に、駆動モータ1に電源を繋いで回転駆動させることにより、油圧ポンプ3の圧着シリンダ34にオイルを加圧して送り込み圧着ピストン37を左側に進出させて動作確認を行うことができる。
【0022】
しかも、本実施形態の場合には、伝動装置2に油圧解除レバー8が取り付けられているので、油圧解除ボタン81を押すことにより、圧着シリンダ34のオイルの油圧を解除することもできる。即ち、油圧解除ボタン81が押されると、油圧解除レバー8の上端によって油圧解除ピン24が上方に持ち上げられ、この油圧解除ピン24の上端によって油圧ポンプ3のバルブステム36が上方に押し上げられるので、油圧解除弁35が開いて圧着シリンダ34のオイルがオイルタンク33に戻される。そして、これにより、油圧解除レバー8による油圧解除機能の動作確認を行うことができるようになる。
【0023】
これに対して、図3に示した従来例であれば、油圧解除レバー7が伝動装置2と駆動モータ1と油圧ポンプ3のユニットとは別個に工具外装ケース4に組み付けられるので、油圧ポンプ3の油圧解除弁35が正常に動作することを確認するためには、ユニットの組み立て後にバルブステム36を工具等で押して確認する必要がある。しかし、このバルブステム36は、強い押圧力を必要とするので、これを工具等で押す確認作業は極めて面倒になるだけでなく、ここで動作が正常であると確認されても、後に伝動装置ケース21に組み込まれた油圧解除レバー7を操作した場合に、バルブステム36の動作が重すぎて、この油圧解除レバー7では十分に押し上げられないという場合も生じる。また、油圧解除弁35やバルブステム36は正常であっても、油圧解除レバー7を組み付けて操作すると、伝動装置ケース21に固定した支持軸71の位置精度が悪い等の理由によって、バルブステム36を十分な力で押し上げられないこともあり、電動油圧圧着工具の組み立てが完成するまでは、実際の操作に則した正確な油圧解除機能の確認を行うことができなかった。
【0024】
また、本実施形態によれば、貫通孔21aの形成位置と支持軸21cの取り付け位置の精度を伝動装置ケース21の加工精度によって精密に制御できるので、操作により油圧解除レバー8が油圧解除ピン24を正常に持ち上げるかどうかの動作確認を行えるだけでなく、この動作不良が発生する可能性も十分に低減することができる。また、伝動装置2と油圧ポンプ3は、偏心カム機構23と油圧プランジャ31とが正確な位置関係となるように取り付け固定するので、これに伴い伝動装置ケース21に形成された貫通孔21aと油圧ポンプ3のバルブステム36の突出位置も、正確に位置決めされ、油圧解除ピン24の上昇によりバルブステム36が正常に油圧解除弁35を開くかどうかの動作確認が行えるだけでなく、この動作不良が発生する可能性も十分に低減することができるようになる。
【0025】
さらに、本実施形態によれば、油圧解除レバー8の長さを図3で示した従来例の油圧解除レバー7よりもほぼ油圧解除ピン24の長さ分だけ短くすることができるので、この油圧解除レバー8の揺動時の動作スペースを小さくできるだけでなく、油圧解除ボタン81を指で押すことによる揺動動作を安定させることもできるようになる。また、油圧解除レバー8の長さが短くなっても、これに応じて支持軸21cとこの油圧解除レバー8の上端との間の長さを本実施形態のように短くすれば、バルブステム36を持ち上げるために従来よりも大きな力が必要となるということもなくなる。
【0026】
なお、上記実施形態では、伝動装置2の伝動装置ケース21がアルミダイカスト製である場合について示したが、この伝動装置ケース21の材質や製造方法は任意である。また、上記実施形態では、伝動装置2の減速機構22として遊星歯車機構を用いる場合を示したが、駆動モータ1の駆動軸11の回転を減速して伝達する伝動機構であれば、例えば通常の平歯車を組み合わせただけのもの等であってもよい。さらに、上記実施形態では、伝動装置2に偏心カム機構23を用いる場合にを示したが、減速機構22で減速した回転を油圧ポンプ3の油圧プランジャ31の往復動作に変換する回転往復変換機構であれば、例えば通常のカムを用いたものやクランク機構等を用いたものであってもよい。
【0027】
また、上記実施形態では、油圧ポンプ3の油圧解除弁35として逆止弁を用いる場合を示したが、油圧解除ピン24に押されて開く弁であれば、必ずしも逆止弁である必要はない。さらに、上記実施形態では、油圧解除ピン24がバルブステム36を押すことにより油圧解除弁35が開く場合を示したが、このバルブステム36以外の機構を介して油圧解除弁35を開かせるようにすることもでき、油圧解除ピン24の先端が押すことにより直接油圧解除弁35を開くように構成することも可能である。
【0028】
また、上記実施形態では、油圧解除ピン24を貫通させる貫通孔21aが鋳抜き部21bを介して上下に分割されて形成される場合を示した。これは、鋳抜き部21bが形成されない鋳物に長い貫通孔21aを形成すると、ドリルの切削時の流れによってこの貫通孔21aが曲がって形成されることがあり、これを防ぐためである。従って、本実施形態の上下の貫通孔21aは、それぞれ外周側から別個に孔開け加工が行われて、機械精度により同軸上に開口される。もっとも、鋳抜き部21bを形成する代わりに、伝動装置ケース21の左側の端面の外側に上下に突起を設け、これらの突起にそれぞれ上下に分割した貫通孔21aを形成するようにしてもよい。ただし、貫通孔21aの曲がりが支障を生じない場合や、真っ直ぐな孔開け加工が可能であれば、鋳抜き部21bを形成しない伝動装置ケース21を用いることも可能である。
【0029】
また、上記実施形態では、圧着作業を行う電動油圧圧着工具について示したが、駆動モータ1に駆動される油圧ポンプ3が発生する油圧によって作業を行う電動油圧工具であれば、切断作業等を行う他の工具にも同様に実施可能である。
【0030】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の電動油圧工具によれば、伝動装置に油圧ポンプと駆動モータを取り付けただけの状態で、油圧解除レバーを操作して油圧の解除が正常に行えるかどうかを確認することができ、また、この油圧の解除機能の不良を低減することもできるので、生産性の向上を図ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示すものであって、電動油圧圧着工具の構造を示す縦断面図である。
【図2】 本発明の一実施形態を示すものであって、電動油圧圧着工具における伝動装置の詳細構造を示す部分拡大縦断面図である。
【図3】 従来例を示すものであって、電動油圧圧着工具の構造を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 駆動モータ
11 駆動軸
2 伝動装置
21 伝動装置ケース
21a 貫通孔
21c 支持軸
22 減速機構
23 偏心カム機構
23a 偏心カム
24 油圧解除ピン
3 油圧ポンプ
31 油圧プランジャ
32 油圧室
33 オイルタンク
34 圧着シリンダ
35 油圧解除弁
36 バルブステム
37 圧着ピストン
8 油圧解除レバー
81 油圧解除ボタン
Claims (1)
- 油圧室内で往復動作を行うことによりオイルを加圧して送り出す油圧プランジャと、送り出されたオイルの油圧を解除する油圧解除弁とを備えた油圧ポンプと、駆動モータとの間に、この駆動モータの駆動軸の回転を減速して伝達する減速機構と、この減速機構で減速した回転を油圧ポンプの油圧プランジャの往復動作に変換する回転往復変換機構とを備えた伝動装置を取り付けた電動油圧工具において、
前記伝動装置を収容した伝動装置ケースの下端部に設けた支持軸回りに、油圧解除レバーを揺動可能に取り付けると共に、該油圧解除レバーの揺動により押圧されて油圧ポンプの油圧解除弁を押し開く油圧解除ピンを、前記伝動装置ケースの前記支持軸を設けた側に形成された貫通孔に圧縮コイルばねの付勢力により或いは該圧縮コイルばねの付勢力に抗して、摺動可能に嵌合させて取り付けたことを特徴とする電動油圧工具。
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