JP4008687B2 - 利得関数を得る方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、概して、アンテナ利得関数を得る方法に関する。特に、本発明は、移動体通信システムにおける基地局のアンテナの利得を得る方法に関する。本発明により、周波数の変化によって変化しない送信モードまたは受信モードでのアンテナの利得関数を得ることができる。
【0002】
【従来の技術】
チャネルの形成または干渉信号の除去は、狭帯域アンテナ処理の分野において周知である。これらは双方とも、概して線形かつ均一(すなわち、一定のピッチを有する)のアンテナのアレイと、信号重み付けモジュールとを用いる。より具体的には、受信モードにおいてチャネルを形成したい場合には、異なるアンテナが受信する信号は、加えられる前に、複素係数のセットによって重み付けられる。反対に送信モードにおいてチャネルを形成したい場合には、送信する信号は複素係数のセットで重み付けられ、こうして重み付けられた信号が異なるアンテナによって送信される。
【0003】
図1は、送信モードおよび受信モードにおいてアンテナ利得を得る既知の装置を示す。装置は、アンテナのアレイ(100),(101),...,(10N-1)と、送信重み付けモジュール(11)と、受信重み付けモジュール(15)と、を備える。異なるアンテナによって受信される信号(xi)、i=0,...,N−1は、信号Ruを与えるために、(14)において加算される前に、複素係数(bui)、i=0,...,N−1のセットにより(130),(131),...,(13N-1)において重み付けされる。反対に、送信する信号Sdは、異なるアンテナによって送信される前に、複素係数(bdi)、i=0,...,N−1のセットによって(120),(121),...,(12N-1)において重み付けられる。
【0004】
受信される信号のベクトルおよび重み付け係数のベクトルがそれぞれ(−)x=(x0,x1,...,xN-1)Tおよび(−)bu=(bu0,bu1,...,buN-1)Tと表される場合、以下のように書くことが可能である。なお、(−)xは、xのオーバーラインを表し、他の箇所も同様である。
【0005】
【数1】
【0006】
受信モードにおける複素利得(すなわちアンテナの複素利得関数)は、以下のように書くことができる。
【0007】
【数2】
【0008】
式中、(−)euθは、入射角θで到来する平坦波に対応するベクトル(−)xを表し、
【0009】
【数3】
【0010】
は、ピッチdの均一な線形アレイの連続したアンテナ間の動作における差であり、λおよびfはそれぞれ問題となっている平坦波の波長および周波数である。円形アレイの場合には、
【0011】
【数4】
【0012】
であり、式中θiは基準軸とインデックスiのアンテナに対する法線との間の角度であり、Rはアレイの湾曲の半径であり、Δθはアレイにおける2つの連続したアンテナ間の角度差である。
【0013】
同様に、送信モードにおける複素利得(すなわち複素利得関数)は、上記に適合したものと同じ規則を用いて、以下のように書くことができる。
【0014】
【数5】
【0015】
式中、(−)edθは、方向θで送信される平坦波に対応するベクトル(−)xを表す。受信モードおよび送信モードそれぞれにおける重み付けベクトルは(−)buおよび(−)bdと呼ぶことにする。
【0016】
明らかに、送信モードまたは受信モードにおけるアンテナの利得は、問題となっている信号の周波数に依存する。しかし、アンテナの利得が信号の周波数に関わらず変化しないままである多くの状況がある。たとえば、いわゆるFDD(周波数分割多重)移動体通信システムにおいては、ダウンリンク、すなわち基地局から移動局に用いられる周波数がアップリンクに用いられる周波数とは異なる。同様に、周波数ホッピングレーダーシステムにおいては、用いられる周波数が何であれ、特に送信/受信ビームを所与の方向に向けるため、または所与の方向から来る干渉をなくすために、利得関数が不変であるように保証する必要がある。
【0017】
より一般的には、所与の信号周波数について、特定の測定基準の意味において基準利得関数にできるだけ近いアンテナの利得関数を獲得できることが望ましい。この基準利得関数は、特に、別の周波数での送信中または受信中に可能な限り最大限度に近いように求められる、所与の周波数において得られる利得関数であることができる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、所与の信号周波数について、基準利得関数にできるだけ近づくことのできる利得関数を得る方法を提案することである。
【0019】
本発明の副次的な目的は、ネットワークが別の周波数で送信または受信している場合に、所与の周波数において得られるアンテナ利得関数に最良に近付ける方法を提案することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明は、アンテナのアレイと、重み付けベクトルと呼ぶN個の複素係数のベクトル((−)b)による受信された信号または送信する信号の重み付けとから、利得関数を得る方法によって定義され、Nは上記アレイにおけるアンテナの数であり、前記重み付けベクトルにより生成された前記利得関数の空間に関してノルムされ、直交している部分空間を生成するステップと、所望の基準利得関数を前記部分空間に投影するステップと、前記部分空間における前記所望の基準利得関数の投影に近い利得関数を生成する重み付けベクトルを、最適な重み付けベクトルとして選択するステップとを含むものである。
【0021】
利得関数は、好ましくは、利得ベクトルと呼ぶ、サンプリング方向を定義すると共に、上記アレイによってカバーされる角度範囲に属するM個の離散した角度においてとられるM個の複素サンプルのベクトル((−)G)によって表され、次に、上記利得関数の空間が、ユークリッドノルムを用いて提供されるベクトル空間CMになり、所与の周波数(f)について、上記基準利得ベクトルが、上記周波数において動作する上記アレイによって生成される上記利得ベクトルのベクトル部分空間(Imf)に投影され、上記最適な重み付けベクトルを得る。
【0022】
有利なことに、MはM>πNになるように選択される。
【0023】
一実施の形態例によれば、サンプリング角度は、前記アレイによってカバーされる角度範囲に均一に分散される。
【0024】
基準利得ベクトルは、アンチエイリアシングフィルタリング後に、基準利得関数をサンプリングすることで得られる。
【0025】
利得ベクトル((−)G)がアレイの重み付けベクトルのCMにおいてCNを線形適用(hs f)によって変換され、Hfが到来ベースCMにおける開始ベースCNの前記線形適用の、サイズM×Nの行列である場合、前記最適な重み付けベクトルは、好ましくは、所与の周波数fについて、(−)b=H+ f・(−)Gとして基準利得ベクトル(−)Gから得られ、式中H+ f=(H*T f・Hf)-1・H*T fは、前記行列Hfの擬似逆行列であり、H*T fは前記行列Hfを共役転置したものである。
【0026】
前記開始ベースが、(−)ek=(ek,0,ek,1,...,ek,N-1)Tとなるようなベクトル(−)ek、k=0,...,N−1のものであり、式中ek,i=exp(j・(2πfd/c)・i・sinθk)、かつθk=kπ/Nk=−(N−1)/2,...,0,...,(N−1)/2であり、到来ベースがカノニカルベースである場合、行列Hfは成分としてHpq=exp(j(N−1)Ψpq/2)・sin(NΨpq/2)/sin(Ψpq/2)と、η=f/f0とを有し、式中Ψpq=πη(sin(pπ/N)−sin(qπ/M))、f0=c/2d、かつdはアレイのピッチである。
【0027】
基準利得ベクトルが第1の重み付けベクトル(−)b1によりアレイの第1の動作周波数f1において生成される利得関数をサンプリングすることで得られる場合、第2の周波数f2について最適な重み付け利得ベクトルは、(−)b2=H+ f2・Hf1(−)b1によって得られる。
【0028】
アレイの動作周波数f1は、たとえば、移動体通信システムにおける移動端末と基地局との間のアップリンクの周波数であり、アレイの動作周波数f2は、たとえば、前記基地局と前記移動端末との間のダウンリンクの周波数である。
【0029】
本発明の上記ならびに他の特徴は、添付図面に関連して与えられる以下の説明を読めばより明確になろう。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明のベースにおける第1の一般概念は、基本関数を線形的に組み合わせることで、基準利得関数を最良に概算することである。
【0031】
本発明のベースにおける第2の一般概念は、基準利得関数をサンプリングし、基本ベクトルを線形的に組み合わせることで得られる一連のサンプルを最良に概算することである。
【0032】
本発明の第1の実施の形態は、基本関数を線形的に組み合わせることで、基準利得関数を概算することからなる。
【0033】
hを、h((−)b)(θ)=G((−)b,θ)となるように、複素数の任意のベクトル(−)bを関数h((−)b)に関連付ける[−π/2,π/2](または[−π,π])において定義される複素関数のベクトル空間FにおけるCNの線形適用であるものとする。但し、Gは式(2)または式(5)において定義される送信モードまたは受信モードにおける複素利得関数である。CNがCにおける次元Nのベクトル空間であるとすると、hによるCNのイメージは、高くてもNに等しい次元のFのベクトル部分空間であり、上記イメージが式(2)または式(5)において問題となっている周波数fに依存することを強調するために、これをImfと表すことにする。
【0034】
Gを基準複素利得関数であるとすると、問題は、特定の測定基準の意味において、h((−)b)ができるだけGに近いような重み付けベクトル(−)bを見つけることである。均一な線形アレイの場合、Fに対するスカラ積に対応する測定基準は、w1w2=∫w1(θ)・w* 2(θ)cos(θ)dθ、積分範囲[−π/2〜π/2]、したがってノルムには‖w‖2=∫|w(θ)|2cosθdθ、積分範囲[−π/2〜π/2]が選択される。円形アレイの場合にも同様に対処することができる(選択されるノルムはcos(θ)項を含まない)。範囲の決められたノルムのFの関数の空間F2は、それ自体、上記ノルムによるノルムベクトル空間である。GがF2の一要素である場合、Gに最も近い部分空間Imfの要素は、この部分空間へのGの投影である。
【0035】
アレイの固有の周波数に対応するベクトル部分空間がImf0であると考えると、ek(θ)=h(−)(bk)(θ)=G((−)bk,θ)によって定義される関数ek(θ)、k=0,...,N−1が、直交関数であることを証明することができる。但し、(−)bkは、成分bki=exp(j・2πki/N)のベクトルである。Nは数であるため、これらはImf0のベースを形成する。より一般的な用語では、2つのベクトル(−)bおよび(−)b’が直交である場合、すなわち(−)b(−)b’=(−)bT(−)b’*=0となる場合、Imf0の関数h((−)b)およびh((−)b’)は直交であることを示すことができる。これは、以下の式(6)のためである。
【0036】
【数6】
【0037】
式中ψ(θ)=2πfd/c・sinθ=πηsinθであり、η=f/f0≦1は、曖昧さなしにアレイを解くことができる、アレイの自然周波数と呼ぶことにする最大周波数f0=c/2dにおいて用いられる周波数の比であり、sincは基本正弦関数である。η=1の場合、i≠i’であれば、式(6)の二番目の要素の和の符号以下の項はゼロであるため、ベクトル(−)bおよび(−)b’が直交であれば、二番目の要素はゼロである。
【0038】
次に、周波数f≦f0という一般的な場合を考慮する。ek(θ)、k=0,...,N−1をImfの直交ベースとする。定義により、ek(θ)=h((−)bk)(θ)=G((−)bk,θ)であり、式中(−)bkはCNのベクトルである。次に、F2の利得関数Gを考慮する。これは、ベクトルek(θ)に投影することができる。λk=G・ekと書くと、CNのベクトル(−)bG=Σλk(−)bk、和分範囲[k=0〜P−1]は、h((−)bG)が関数Gを最良に概算するようなものである。
【0039】
本発明の第2の実施の形態は、基本ベクトルを線形的に組み合わせることで、基準利得関数のサンプルのベクトルを概算することからなる。
【0040】
G0(θ)を、均一な線形アレイについて重み付けを行わずに得られるアンテナ利得関数とすると、以下のことが容易に示される。
【0041】
【数7】
【0042】
この関数は、ψk∈[−π,π]になるように、すなわちこの式が方向を有する場合に、sinθk=k・c/Nfdである方向において、値ψk=2kπ/N(kはゼロではない整数)についてゼロを有する。利得図の2つの連続したゼロ間の位相差は一定であり、Δψ=2π/Nに等しい。図の2つの連続した0間の角度差は、[−1,1]の範囲で導関数が増大する関数である逆正弦に関して変化するため、第1のゼロと第2のゼロとの間の角度差について最小にある。したがって、Nが十分に大きい場合、Δθmin=c/Nfdによって境界が定められる。使用される周波数はf0未満であると想定する。但し、f0はアレイの自然周波数である。これから、関数G0(θ)のスペクトルが1/Δθmin=N/2によって境界が定められる台(support)を有するものと結論付けることができる。
【0043】
より一般的な用語では、G(θ)を重み付けベクトル(−)bによって得られるアンテナ利得関数であるものとする。Gは、アンテナの複素重み付け分散のフーリエ変換(FT)(受信モードにおいて)または逆フーリエ変換(送信モードにおいて)として、すなわちb(x)=Σbi・δ(x−xi)、和分範囲[i=0〜N−1]と表現することができる。但し、xi=i・dである。これにより、Gu(θ)=B(sinθ)(但し、B(u)=∫b(x)exp(−j2πux/λ)dx、積分範囲[−∞〜∞])、Gd(θ)=B’(sinθ)(但しB’(u)=∫b(x)exp(j2πux/λ)dx、積分範囲[−∞〜∞])が与えられる。関数b(x)がN・dによって区切られると、関数BまたはB’の2つの0間の差は少なくともλ/N・dであるため、2/Nはなおさらそうである。関数逆正弦の導関数が増大すると、関数Gの2つのゼロ間の最小差は2/Nである。したがって、関数Gは、N/2で区切られたスペクトルを有する。
【0044】
シャノンの標本化定理によれば、サンプリングが、ナイキスト周波数すなわちNよりも高い周波数において実行される場合には、関数G(θ)の再構築が可能であると結論づけられる。換言すれば、角度範囲[−π/2,π/2]について、最小でもM>π・Nのサンプルが必要である。但し、Mは整数である。実際には、K・Nサンプルをとることができる。但し、Kは整数であり、K≧4である。
【0045】
円形アレイの場合、1/Δθmin=Nであり、角度範囲が[−π,π]であるとすると、M個(M>π・Nであり、かつMは整数)の角度的に等しく分散されたサンプルもまた関数G(θ)の再構築に十分であることが見て取れる。
【0046】
任意の利得関数G(θ)のサンプリングの一般的な場合、サンプリングする前に、アンチエイリアシングフィルタにより予めG(θ)をフィルタリングする必要がある。角度範囲全体にわたってフィルタリングされた図のM個のサンプルをとることで、フィルタリングされた図の再構築には十分である。
【0047】
(gk)、k=0,...,M−1をおそらく必要であればアンチエイリアシングフィルタでフィルタリングした複素図のサンプル、すなわちgk=G’(θk)であるとする。但し、θkは[−π/2,π/2]あるいは[−π,π]にわたって等しく分散されたM個の角度であり、G’は基準複素図をフィルタリングしたものであったと想定する。
【0048】
ここで、ベクトルhf s((−)b)=(−)G=(g0,g1,...,gM ― 1)Tを作るCMにおけるCNの線形適用hf sが任意のベクトル(−)bに対応すると定義することができる。但し、gk=G((−)b,θk)である。hf sによるCNのイメージは、N以下の寸法のCMのベクトル部分空間であり、これをImfと呼ぶ。CNのベース、たとえばカノニカルベース、およびCMのベースが選択される場合、線形適用hf sは、ランクN以下のサイズM×Nの行列Hfによって表現することができる。
【0049】
(−)Gをサンプリングされた利得関数に対応する任意の利得ベクトルとする。問題は、hf s((−)b)が、特定の測定基準という意味において(−)Gに最も近いようなベクトル(−)bを見つけることである。CMに対するユークリッドノルム、すなわち‖(−)G‖2=Σ|gk|2、和分範囲[k=0〜M−1]がノルムとしてとられる。求めるベクトル(−)bは、存在するならば、hf s((−)b)=(−)Gpになるようなものである。但し(−)GpはImfへのベクトル(−)Gの直交投影である。行列HfのランクがNである場合、求めるベクトル(−)bは存在し、以下のように書くことができる。
【0050】
【数8】
【0051】
式中、H+ f=(H*T f・Hf)-1・H*T fは行列Hfの擬似逆行列であり、H*T fは上記行列Hfを共役転置したものである。
【0052】
離散の場合においては、連続の場合のように、基準利得関数(離散の場合においてサンプリング)は、アレイ重み付けベクトルに関連する関数(連続の場合)またはベクトル(離散の場合)によって生成される部分空間に投影される。
【0053】
行列Hfを表現するためには、開始空間のベースと到来空間のベースとが一致する必要がある。CMのベースとしてカノニカルベースを、そしてCNのベースとして周波数fの平坦波の記述に適合されたベースを選択することが可能である。(−)ek=(ek,0,ek,1,...,ek,N-1)Tとなるような離散ベクトル(−)ek、k=0,...,N−1を考慮する。但し、ek,i=exp(j・(2πfd/c)・i・sinθk)=exp(jπ・η・i・sinθk)であり、かつη=f/f0であり、θkは間隔[−π/2,π/2]に属する。ベクトル(−)ekは、方向θkにビームを形成できるようにするアレイの重み付けベクトルである。CNのカノニカルベースにおける(−)ekの座標の行列式がゼロではない場合、ベクトル(−)ekはベースを形成する。この行列式は、ヴァンデルモンドの行列式であり、Π(exp(jψp)−exp(jψq)、(Πの文字の下は[p≠p]である。)に等しい。但し、ψk=πηsinθkである。sinθp−sinθq=2/ηのような2つの角度θpおよびθqがある場合に限り、この行列式は相殺される。換言すれば、η<1の場合にはNベクトル(−)ekが常にベースを形成し、η=1の場合にはθp=−θq=π/2の場合のみが除外される。たとえば、等しく分散されるように、すなわちθk=kπ/Nになるように(但し、k=−(N−1)/2,...,0,...,(N−1)/2)方向を選択することができる。この場合、行列Hfは成分として、以下を有する。
【0054】
【数9】
【0055】
式中、Ψpq=πη(sin(pπ/N)−sin(qπ/M))である。
【0056】
代替的に、開始ベースとして、e’k,i=exp(jπ・η・i・sinθk)となるようなベクトル(−)e’kによって形成される、周波数fに適合された別のベースを選択することが可能である。但し、sinθk=2k/ηNおよびk=−(N−1)/2,...,0,...,(N−1)/2である。これらベクトルは、|sinθk|≦1,∀kである、すなわちη>1−1/Nの場合に存在し、この場合、ベクトル(−)e’kは、直交するという利点を有するベースを形成する。
【0057】
代替的に、周波数に依存しないという利点を有する、CNのカノニカルベースを開始ベースとして選択することが可能である。この場合、このベースで表現される行列H’fは以下のように書くことができる。
【0058】
【数10】
【0059】
式中、Tはカノニカルベース、すなわちTpp ’=exp(jπpsin(p’/N))における(−)ekの座標の行列である。上記において、この行列がゼロではないヴァンデルモンドの行列式を有し、結果として可逆であることが見て取れた。
【0060】
選択されるベースが何であれ、次に、第1の周波数f1(f1≦f0)において得られる利得関数と、この利得関数に関連するサンプルのベクトルである(−)G1=hf1 s((−)b1)とを考慮する。第2の動作周波数f2(f2≦f0)があるものとする。(−)G1はCMに属し、行列Hf2のランクがNである場合、hf2 s((−)b2)がImf2へのhf1 s((−)b1)の投影であるようなベクトル(−)b2を見つけることが可能である。ベクトル(−)b2は、以下の行列式によって得られる。
【0061】
【数11】
【0062】
この式は、特に、第1の動作周波数において得られる基準1と呼ばれるものにできるだけ近いサンプリング利得図を第2の動作周波数において得られるようにする。
【0063】
式(11)は、FDDで動作する移動体通信システムにおける基地局のアレイに有利に適用される。式(12)は、周波数fuでの「アップリンク」送信に関連する重み付けベクトルに対する周波数fdにおける「ダウンリンク」送信に適用される重み付けベクトルを直接得られるようにする。対になった周波数fdおよびfuの場合、以下のように書くことができる。
【0064】
【数12】
【0065】
このようにして、基地局は、移動端末によって送信される信号の受信に最適化された利得関数を用いて、送信ビームを移動端末に配向することができる。
【0066】
図2は、第2の実施の形態を実施する一実施形態の一例を示す。本装置は、モジュール(11)および(15)それぞれの構造と同一の構造を有する送信重み付けモジュール(31)と、受信重み付けモジュール(35)とを備える。モジュール(35)には、受信チャネルの形成および/または干渉方向における信号の除去のために複素係数を供給するモジュール(36)に連結される。モジュール(36)は、それ自体既知の様式で、有用な方向において受信する信号を最大化すると共に、干渉方向において受信する信号を最小化する重み付けベクトル(−)buを決定する。有利なことに、buは、異なるアンテナによって受信される信号から適応的に計算される。ベクトルは、一方では受信重み付けモジュール(35)によって用いられ、他方では、式(12)からベクトル(−)bdを決定する投影および逆転モジュール(32)に送信される。ベクトル(−)bdは、モジュール(31)に送信される信号を重み付けるために用いられる。上記から分かるように、周波数fuにおける送信利得図は、ユークリッド距離の意味において、送信利得ベクトル(−)Gdと受信利得ベクトル(−)Guとの間の差を最小化する。
【0067】
本発明は、提示を簡潔にする理由のために、均一な線形アレイの文脈で本質的に説明したが、任意のタイプのアンテナアレイ、特に円形アレイにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 アンテナ利得関数を得るための既知の装置を概略的に示す。
【図2】 本発明の実施の形態の一例によりアンテナ利得関数を得るための装置を概略的に示す。
【符号の説明】
100、101、・・・、10N-1 アンテナのアレイ、11 送信重み付けモジュール、15 受信重み付けモジュール、31 送信重み付けモジュール、32 逆転モジュール、35 受信重み付けモジュール、36 複素係数を供給するモジュール。
Claims (9)
- アンテナのアレイと、重み付けベクトルと呼ぶN個の複素係数のベクトル((−)b)による受信された信号または送信する信号の重み付けとから、利得関数を得る方法であって、Nは前記アレイにおけるアンテナの数であり、
前記重み付けベクトルにより生成された前記利得関数の空間に関してノルムされ、直交している部分空間を生成するステップと、
所望の基準利得関数を前記部分空間に投影するステップと、
前記部分空間における前記所望の基準利得関数の投影に近い利得関数を生成する重み付けベクトルを、最適な重み付けベクトルとして選択するステップと
を含むことを特徴とする利得関数を得る方法。 - 前記利得関数は、利得ベクトルと呼ぶ、サンプリング方向を定義すると共に、前記アレイによってカバーされる角度範囲に属するM個の離散した角度においてとられるM個の複素サンプルのベクトル((−)G)によって表され、
次に、前記利得関数の空間が、ユークリッドノルムを用いて提供されるベクトル空間CMになり、所与の周波数(f)について、基準利得ベクトルが、前記周波数において動作する前記アレイによって生成される前記利得ベクトルのベクトル部分空間(Imf)に投影され、前記最適な重み付けベクトルを得る
ことを特徴とする請求項1記載の利得関数を得る方法。 - 前記Mは、M>πNになるように選択される
ことを特徴とする請求項2記載の利得関数を得る方法。 - 前記サンプリング角度は、前記アレイによってカバーされる角度範囲に均一に分散される
ことを特徴とする請求項2又は3記載の利得関数を得る方法。 - 前記基準利得ベクトルは、アンチエイリアシングフィルタリング後に、前記基準利得関数をサンプリングすることで得られる
ことを特徴とする請求項2記載の利得関数を得る方法。 - 前記利得ベクトル((−)G)が前記アレイの前記重み付けベクトルのCMにおいてCNを線形適用(hs f)することによって変換され、
Hfが到来ベースCMにおける開始ベースCNの前記線形適用の、サイズM×Nの行列である場合、前記最適な重み付けベクトルは、所与の周波数fについて、(−)b=H+ f・(−)Gとして基準利得ベクトル(−)Gから得られ、式中H+ f=(H*T f・Hf)−1・H*T fは、前記行列Hfの擬似逆行列であり、H*T fは前記行列Hfを共役転置したものである
ことを特徴とする請求項2から請求項5までのいずれかに記載の利得関数を得る方法。 - 前記開始ベースが、(−)ek=(ek,0,ek,1,...,ek,N−1)Tとなるようなベクトル(−)ek、k=0,...,N−1のものであり、式中ek,i=exp(j・(2πfd/c)・i・sinθk)、かつθk=kπ/N、k=−(N−1)/2,...,0,...,(N−1)/2であり、
前記到来ベースがカノニカルベースである場合、行列Hfは成分としてHpq=exp(j(N−1)Ψpq/2)・sin(NΨpq/2)/sin(Ψpq/2)と、η=f/f0とを有し、式中Ψpq=πη(sin(pπ/N)−sin(qπ/M))、f0=c/2d、かつdは前記アレイのピッチである
ことを特徴とする請求項6記載の利得関数を得る方法。 - 前記基準利得ベクトルは、第1の重み付けベクトル(−)b1により前記アレイの第1の動作周波数f1において生成される利得関数をサンプリングすることで得られ、
第2の周波数f2について最適な重み付け利得ベクトルは、(−)b2=H+ f2・Hf1(−)b1によって得られる
ことを特徴とする請求項6又は7記載の利得関数を得る方法。 - 前記アレイの動作周波数f1は、移動体通信システムにおける移動端末と基地局との間のアップリンクの周波数であり、
前記アレイの動作周波数f2は、前記基地局と前記移動端末との間のダウンリンクの周波数である
ことを特徴とする請求項8記載の利得関数を得る方法。
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