JP4007458B2 - 脊椎関節固定用の骨接合システム - Google Patents

Description

本発明は、脊椎接合外科手術に関し、さらに詳しくは脊椎関節固定用の骨接合システム、すなわち少なくとも二つの隣接する脊椎の一つを他の一つに対して固定するためのシステムに関する。
このようなシステムのうち、本発明は、脊椎の少なくとも一部に沿って延びる少なくとも一つの脊椎圧縮または延伸バーと、少なくとも一つ、一般には少なくとも二つの脊椎留め部材、例えば茎状ねじ、または薄板状（laminar）、胸郭状（thoracic）、または茎状（pedicellar）のフックと、各留め部材に関連して、前記バーと留め部材の端部またはヘッドとを受け入れ、結合し、固定するための共通支持物とを含むシステムに関する。
このようなシステムでは、関節固定は、支持物を用いて留め部材に対して固定される圧縮または延伸バーによって問題の脊椎を互いにロックすることによって行われる。
このようなシステムのうち、本発明は、脊椎に対向する関係で、支持物と留め部材が関連するそれぞれの必要性に応じてすべての方向に調整変更可能な相対角位置をとることができるように、留め部材が球状表面を持つ自由端ヘッドを有する、「多軸」と呼ばれるタイプのシステムに関するものである。
この種の多軸システムは、例えば欧州特許出願第０５５３０４２号および第０６１３６６４号に開示されている。例示したこれら二つの文献に記載されたシステムはいずれも、留め部材のヘッドを受け入れるための凹部すなわちハウジングを持つ開放端を有する中空支持物またはソケットを含み、このソケットの円筒状本体は二つの長手方向のスロットを有し、これらのスロットは圧縮または延伸バーのための中央孔の中に開いており、ソケットの軸に対して横断している。これらのアセンブリを固定するために、ねじ切り要素が支持物にねじ係合され、直接的または間接的に支持物に対して軸方向に、すなわちバーに対して横断方向にバーに作用して、バーが留め部材の球状ヘッドに対してやはり直接的または間接的に押し当てられ、この結果ヘッドが支持物の開放端に配置されたヘッドのシートに対して堅く押し付けられる。
これらの知られている多軸システムは、圧縮または延伸バーを支持物に対して軸方向に移動させることによってのみ適所に取り付け、または取り外すことができ、支持物はとりわけ事前の除去を必要とし、一般にはねじ切りされた固定要素のないことが必要であるという主な欠点がある。
これらのシステムの別の欠点は、バーおよび固定手段がない場合にのみ、特にツールを使用して球状部材のヘッドへのアクセスが可能であることである。このことは非常に不都合であり、かつ厄介である。すなわち一方では、留め部材をねじ係合またはかぎ留めによって脊椎の適所に取り付けるとき、バーの存在は留め部材に分与すべき配向を医者に指示するためにはとりわけ有用であり、他方では、いったんバーが適所に置かれると、留め部材のヘッドはバーによって覆われるので、配置の最終位置を調節するために留め部材を処置することは医者には不可能となり、さらに留め部材を脊椎の適所に取り付ける前に支持物に嵌合すべきであることを考慮して、支持物は留め部材に関して決して保持されず、したがって留め部材のシャンクに沿って浮遊するか脱落する傾向があり、この結果、留め部材の位置設定作業は非常に不便であり、医者の側から見れば厄介なことである。
本発明の目的は、特にこれらの欠点を是正すること、したがってバーの支持物へのアクセスおよび医者の留め部材ヘッドへのアクセスがより便利になる、前記のタイプのシステムを提供することである。
この目的のために、脊椎の少なくとも一部に沿って延びることのできる少なくとも一つの脊椎圧縮または延伸バーと、球状表面を有する端ヘッドと中間シャンクと脊椎留め部分とを含む少なくとも一つの脊椎留め部材と、各留め部材に関連して、前記脊椎留め部材と前記バーとを受け入れ、結合し、固定するための共通支持物とを含み、前記共通支持物が、バーを受け入れるための第一凹形ハウジングと、前記球状ヘッドを受け入れるための第二凹形ハウジングと、バーと留め部材とを支持物に固定するためのねじ切りされた手段とを含み、前記固定手段が、支持物のねじ切りされた部分にねじ係合される少なくとも一つのナットを含む、本発明によるシステムは、バーを受け入れるための第一凹形ハウジングが支持物のねじ切りされた部分の外側に配置され、脊椎とは反対の横方向および上方向に開放され、こうしてバーはナットの周囲部分によって固定されることを特徴とする。
こうして、本発明によるシステムでは、圧縮または延伸バーのハウジングの適所への取付けまたはバーのハウジングからの取外しの作業が、バーを受け入れるためのハウジングが側方と上方に開放されていることによって、側方を通って、さらに正確には斜めに行われ、これによって、ねじ切りされた固定要素が支持物にすでにねじ係合されたかまたはまだ部分的にねじ係合されているときでも特にこれらの作業が可能になり、この結果、医者にとって移動と操作が容易になる。さらに、バーは留め部材のヘッドを妨害することはない。
バーを受け入れるための第一ハウジングは一般に、円筒状の凹形表面を有し、凹形表面の凹面は脊椎とは対向する関係に向き、凹形表面の軸は支持物のねじ切りされた部分の軸に垂直である。ナットのバーとの良好な協働を可能にするために、第一ハウジングを画定する表面が支持物の前記ねじ切りされた部分の円筒状表面と交差して、ナットがバーを直接または間接に実質的にバーの軸と一直線に押圧することは好ましい。
留め部材の球状ヘッドを受け入れるための第二ハウジングの凹形表面に関しては、これを円錐形にすることもできるが、これはやはり球状であることが有利である。この第二ハウジングの凹面もまた、脊椎とは対向する関係に向いている。
ナットがバーを締め付けるための半径方向面に歯を有し、この歯が摩擦量を増加させて、最終的にナットの弛みを防止することは有利である。
支持物と留め部材との相対角調整を可能にするために、留め部材の球状ヘッドを受け入れるための第二ハウジングは、留め部材の中間シャンクのための開口によって脊椎に向かって延長され、開口を通過し、通路開口の直径は中間シャンクの直径よりも大きい。この開口が脊椎に向かって例えば円錐形状に開いていることは好ましい。
バーと留め部材のヘッドとを固定するためのねじ切りされた手段は、支持物の上に置かれたときに、外側から前記ヘッドのかみ合いプロファイル、例えば多角形凹部にアクセスできるように配置されることが好ましい。一般に、ねじ切りされた手段はツールの通過を可能にする軸方向の開口を有する。
第一実施形態によれば、留め部材の球状ヘッド受け入れるための第二ハウジングは、中空で軸方向に貫通開放された支持物の部分の底部を構成している。
この実施形態では、二つのハウジングは支持物の壁を通じて横方向に連絡しているので、バーと球状ヘッドとは互いに固定するように押圧することが好ましく、換言すれば二つのハウジングの中心間距離が、バーの半径と留め部材ヘッドの半径との和と同じで、実際には事実上小さいことが好ましい。二つのハウジングは、組立てによってバーの軸と球状ヘッドの中心が支持物の中空部分の軸に垂直な横断面にあるように、配置されることが好ましい。
この第一実施形態の第一構成によれば、留め部材の球状ヘッドをそのハウジングに、すなわち支持物に対して固定できるように、中空支持物の雌ねじと協働することができ、例えば六角形である中空かみ合い凹部を有するカウンタシンクタイプの好ましくは頭のないねじが設けられている。
ねじが貫通中空であるため、これを通じてツールをアクセスさせることができ、留め部材のヘッドのかみ合いプロファイルに係合することは有利である。
ナットについては、直接的な方式、またはワッシャを形成する中間部品を使用して間接的な方式のいずれによってもバーと協働することができる。
この第一実施形態の第二構成によれば、留め部材のヘッドに対して押圧するために中央部分によって形成され、中空支持物の円滑孔の中に受け入れられるようにした中間部品が準備され、中空支持物の壁をその中の二つの長手方向のスロットを通じて貫通する二つのアームが準備され、これらのアームは対向して整列した関係にあることが好ましく、中空支持物の外側にあるアームの自由端の一つはバーを押圧するようになっており、組立てはナットが二つのアームの自由端を押圧するように行われ、中間部品が留め部材のヘッドに対してその中央部分を通じて、また同時にバーに対してその二つのアームの一つの自由端を通じて駆りたてる。
中間部品の中央部分が、ツールのために留め部材のヘッドのかみ合いプロファイルにアクセスするための開口を有することは有利である。
しかも中間部品が、バーと留め部材のヘッドとに対して、これら二つの要素のナットによる正しい固定を可能にするように、一つの面を通じて同時に押圧するように配置されている。
本発明の第二実施形態によれば、留め部材を受け入れるための第二ハウジングもまた支持物のねじ切りされた部分の外側に配置され、支持物はそのねじ切りされた部分において中実であることが好ましく、第二ハウジングは脊椎とは対向関係で横向きおよび上向きに開放されているので、留め部材の球状ヘッドもナットによってロックされる。この場合にナットは、バーと留め部材のヘッドとを支持物の外部に、支持物の周辺部分によって直接の作用によって、または好ましくはワッシャを通じて固定する。
ワッシャは中央開口を有し、この開口を通じてワッシャは支持物のねじ切り部分上にはめ合わされ、この開口は例えば弧状の窓によって横方向に延長され、この窓が留め部材のヘッドのかみ合いプロファイルへのツールのアクセスをもたらす。
この第二実施形態において、力の良好な分布とすぐれた固定を達成するために、二つのハウジングは支持物とナットとに対して直径方向に反対の位置関係にあることが好ましい。
本発明のすべての実施形態において、ナットは、脊椎に対して反対の位置関係にある半径方向面の上に、ピン付きスパナ型の締付け具と協働するためのかみ合い凹部を有すると有利である。
本発明は、下記の説明と説明の一部をなす添付の図面からさらに明確に理解されよう。添付の図面は次の通りである。
第１図は、茎状ねじを使用した、本発明の第一実施形態によるシステムの部分断面切欠分解立面図である。
第２図は、組み立てた状態の、第１図のシステムの部分断面立面図である。
第３図は、第１図および第２図のシステムの支持物の軸方向平面図である。
第４図は、フックの形をなす留め部材の使用に関する第２図と類似の図である。
第５図は、留め部材の一部のみを示した、支持物に対してバーと留め部材とを固定するための手段の代替実施形態に関する第２図および第４図に類似の図である。
第６図は、第５図のシステムの支持物の軸方向平面図である。
第７図は、一方のナットと他方のバーおよび留め部材ヘッドとの間に配置される、第５図の中間部品の軸方向平面図である。
第８図は、ここでは茎状ねじを使用した場合を示す、本発明のシステムの第二実施形態に関する第２図、第４図、第５図と同様の図である。
第９図は、第８図のシステムの支持物を示す軸方向断面図である。
第１０図は、第９図の支持物の軸方向平面図である。
第１１図は、第８図のシステムの中間部品であって、ワッシャ型であり、一方の締付けナットと他方のバーと留め部材ヘッドとの間に配置された中間部品の軸方向平面図である。
第１２図は、第１１図に示す中間部品の線ＸＩＩ−ＸＩＩに沿って取った軸方向断面図である。
例を通じて次に説明する本発明のすべての実施形態において、脊椎関節固定用の骨接合システムは、滑らかであるかまたは粗い部分を有する、脊椎の少なくとも一部に沿って延びる脊椎圧縮または延伸バー１を含む。間隔を置いた位置でバー１は支持物によって受けられて固定され、各支持物は、多軸型の脊椎留め部材、例えば茎状ねじ２またはフック３、例えば薄板状、胸郭状、または茎状のフックを受け入れ固定する。留め部材２、３は、支持物との協働のために、球状表面５を有する端ヘッド４と、ヘッドに続く中間シャンク６と、狭い意味での脊椎留め部分とを含み、この脊椎留め部分は、茎状ねじの場合にはねじ切りシャンク７、またはフックの場合にはフックの外形を有する末端部分８のいずれかによって形成される。
後述するように、バー１とヘッド４は支持物によって受け入れられ、少なくとも一つのナット９を含むねじ切り手段によって支持物に結合され固定される。
先ず第１図から第４図までを参照して、茎状ねじによる使用（第１図から第３図まで）とフックによる使用（第４図）との場合に関して、本発明によるシステムの第一実施形態を説明する。
第１図から第４図までの支持物１０は、脊椎の反対端から、すなわち第１図、第２図、第４図における上端から全長にわたって雄ねじ１２を備えた主円筒状部分１１を有する一体型の本体によって形成されている。主円筒状部分１１は滑らかな円筒状部分１３によって脊椎に向かって延長され、円筒状部分１３は、主部分１１の円形プロファイルの先まで軸上突出部としてかなり延びている側方突起部または突出部分１４を有する。
突起部１４には円筒状凹部またはハウジング１５が設けられ、この凹所は脊椎とは反対の位置関係に向き、その直径はバー１の直径と実質的に同じであり、またバーとそのハウジングとの良好な協働をもたらすために、バー１の直径よりごく僅か小さいことが好ましい。したがって、第１図、第２図、第４図で見ることができるように、円筒状ハウジング１５は部分的に支持物１０の主円筒状部分１１の外部に配置され、これは横方向および上方向に、すなわち斜めに脊椎とは反対の位置関係で開放され、すなわち出ており、これによってバー１を側部を通じて着脱することができる。円筒状ハウジング１５の軸１６は、円筒状部分１１の軸１７に対して垂直をなし、第２図と第４図に示すようにナット９がバー１に対して半径方向に押圧するように、すなわちバーが適所に置かれているときにバーとハウジング１５との共通軸１６と垂直整列する直線母線に沿って押圧するように、前記の軸１７からある間隔を置いて配置されている。
図示された例では、ナット９はその下部半径方向面を通じてバー１を直接押圧し、この下部半径方向面は、ナットの不時の弛みを防ぐように摩擦やその性質を増加するために第１図に示すように歯１８を有することが好ましい。代替構成例として、ナットとバーとの間に中間ワッシャを設けることも可能である。
この実施形態では、支持物１０は貫通中空であり、その端部から反対の位置関係にある突起部１４まで、ねじ切りされた円筒状孔１９と、留め部材の球状ヘッド４のための凹部すなわちハウジング２０と、留め部材の中間シャンク６を通すための末端開口２１とを、連続的に同軸関係で有する。
ねじ切りされた円筒状孔１９の直径は、留め部材の直径と同じかまたは実質的に大きく、こうしてヘッドの導入を可能にして、同時にハウジング２０は凹状圧縮部を形成して座部を構成する。脊椎とは反対側に向いている凹所を有するハウジング２０は円錐形でもよいが、図示するように球継手型のピボット連結をもたらすように、球状ヘッド４の半径と同じ半径を有する球の一部分の形状を有することが好ましい。末端開口２１は、ハウジング２０の端部からねじ切りされた孔１９とは反対方向に下向きに、すなわち脊椎に向かって例えば円錐状に広がり、支持物１９と留め部材２、３との間の相対位置の角度調整を可能にする。末端開口２１のハウジング２０との接合位置では、末端開口２１の直径は、同じ目的で第２図と第４図に示すように、留め部材の中間シャンク６の直径よりも大きい。
図面から見ることもできる有利な特徴によれば、ハウジング１５、２０は支持物１０の壁を通じて側部で互いに連絡しているので、配置が締め付けられると、バー１と留め部材の球状ヘッド４は互いに押圧し合い、アセンブリの固定効果を増す。この目的で、軸１６と軸１７との間の最短距離は、バー１の半径とヘッド４の半径との合計と同じであるか、または僅かに小さいことが好ましい。その上にハウジング１５、２０は、組立てに応じてバー１の共通軸１６とヘッド４の中心とが同じ高さにあるように、すなわち支持物１０の軸１７に垂直な横断平面内にあるように配置される。
留め部材を脊椎本体の中に締め付けるために、留め部材２、３の球状ヘッド４は、相補断面の雄ツールを受け入れるようにした例えば多角形、とくに六角形の中空凹部２２を有する。
ヘッド４を支持物１０に対して固定するために、この配置には、支持物１０の中でねじ切りされた孔１９と協働するようになっており、かつ相補断面の雄ツールを受け入れるためのやはり多角形、とくに六角形の中空凹部２３を有するねじ２３がある。有利な特徴によれば、ねじ２３は貫通中空で、ヘッド４の中の凹部２２への第一ツールのためのアクセスを可能にし、したがってロックねじ２３がすでに適所にあるときには、留め部材への外部からの手動作用を可能にする。この目的のために、凹部２４は凹部２２よりも大きく、凹部２２の外接円の直径と少なくとも同じ直径の円筒状孔２５だけ長くなっており、またねじ２３を動かすためのツールのための軸方向突合せ面として作用する肩２６を画定することが好ましい。図面からわかるように、ねじ２３には、配置を締め付けるとねじを支持物１０の中に完全に埋めることができるようにするヘッドはない（第２図、第４図）。締付けによって、ねじは孔２５の下部円形縁に沿ってヘッド４を押圧する。
ナット９の動作のために、ナット９は、歯１８とは反対側の半径方向面に、相補ピン型のツールと協働するための凹部２７を含むこともある。
上に説明した第１図から第４図までに示す実施形態では、支持物１０にバー１と留め部材２、３とを固定するためのねじ切り手段は、独立して操作される二つの個別要素、すなわちバー１用のナット９と留め部材用のねじ２３とによって形成される。
留め部材２、３が支持物１０によって支えられると、ねじ２３をねじ係合することはできるが、ヘッド４を締め付けず、したがって支持物とヘッドとの間には僅かな隙間があり、これは、ねじ２３を通じた作用によって留め部材を脊椎の適所に取り付けることを可能にし、支持物１０が中間シャンク６に沿って浮遊または脱落することはない。留め部材の位置設定操作では、ナット９はそのねじ山１２上にあり、何の問題も不都合も起こさず、バー１もそのハウジング１５中に存在でき、ナット９は完全には締め付けられず、これによって医者はナット９とねじ２３による最終的なロックの前に、留め部材２、３と支持物１０とバー１との相対位置の微細な調節を行うことができる。
さらに、この最終的なロック操作の後に、医者は個別的かつ選択的に支持物１０、バー１および／またはヘッド４の相対位置を、ナット９および／またはねじ２３をそれぞれわずかに緩めてから望みの位置へ調節して再締めするこによって調節することもできる。
次に、第１図から第４図の実施形態の代替構成を、第５図から第７図を参照して説明するが、これに関して、この代替構成は茎状ねじ２による使用にもフック３による使用にも実際に適用可能であることが理解されよう。
この代替構成は本質的に、バー１と留め部材２、３の球状ヘッド４との固定は、一方ではナット９と他方ではバー１および球状ヘッド４と協働する中間部品２８を使用して、ナット９のみによって実施されるという特徴がある。
バー１と球状ヘッド４とを受け入れるための代替構成の下部では、支持部材１０’は支持部材１０と同一または類似している。したがってこの対象では、支持部材１０に関して述べた説明を参照することもできる。その上部では、支持部材１０’も、第１図から第４図までのものとやはり同じであるナット９を受け入れるための１２においてねじ切りされた主円筒状部分１１を含んでいる。
支持部材１０’もまた貫通中空であり、その上部では、すなわちハウジング２０の上方では、球状ヘッド４の通路のための滑らかな円筒状孔１９’を有し、後述するように中間部品２８の中央部分を有する。
中間部品２８は、中央部分２９と、中央部分２９から外側に突き出て反対方向に整列した関係にあることが好ましい二つのアーム３０を含む。中央部分２９は円形であり、その外径は円筒状孔１９’の直径と同じかまたはごく僅か大きく、球状ヘッド４の中のかみ合い凹部への締付けツールのアクセスを可能にする中央円形開口３１を有する。中間部品２８の半径方向アーム３０は、二つの長手方向スロット３２を通じて支持物１０’の円筒状部分１１の壁を通過し、これらの長手方向スロットは、中間部品２８がその中央部分２９を通じて球状ヘッド４を、またそのアーム３０の一つの端部を通じてバー１を、ハウジング１５の軸１６と垂直に整列して押圧することができるように、ある距離にわたって軸方向に延びている。したがって中央部分２９からアーム３０が支持物１０’の壁を通過しているので、アームの自由端はアーム３０の一つだけに関してナット９の一面を通じて、また他の面を通じてバー１と協働するように、支持物の外側に配置されている。
この配置が締め付けられると、ナット９はアーム３０の直径方向に反対に位置する自由端を押圧し、このナットは、中央部分２９を開口３１の円形下縁部を介してヘッド４の中の凹部の外側で留め部材の球状ヘッドに、またアーム３０の一つの自由端をバーに押し付ける。
この実施形態では、ハウジング１５の側部に配置された長手方向スロット３２は、その下部分において全体的に開放型として、バー１のためのハウジング１５の中に開放させることができる。第６図に示すように、スロット３２の軸平面はバーハウジング１５の軸１６と垂直をなす。
留め部材２、３が脊椎の適所に取り付けられると、ナット９と中間部品２８はすでに支持物１０’の上にあることが好ましいが、ヘッドと支持物との間にわずかな遊びを設けることができるようにヘッド４を締め付けない。これは、支持物が中間シャンクに沿って過度に浮遊したり脱落することを防止する。さらに、締付け効果を及ぼすことなく、またヘッド４に対する医者の動作を妨害することなく、バー１がそのハウジング１５の中に存在することもできる。対照的に、バー１、支持物１０’、および留め部材２、３が同時に存在することによって、医者は、ナット９による最終ロックの前に、これらの要素の相対位置を細かに調節することができる。
次に第８図から第１２図を参照して、本発明のシステムの第二実施形態を説明する。
この第二実施形態は、これから説明するように先の実施形態とは本質的に異なっている。すなわち、留め部材の球状ヘッドを受け入れるためのハウジングも、支持物のねじ切りされた部分の外側に配置されており、横方向と上方向に開いているので、留め部材の球状ヘッドもナットによってロックされ、第二ハウジングは、支持物本体の内部を通じて軸方向にではなく、側方からアクセス可能である。
前述の場合と同様に、支持物１０”は、バー１を受け入れるためのハウジング１５を画定する突起部１４を含み、ハウジング１５の幾何学的配置は前述の場合と同じであるから、前記の説明を参照することもできる。
この実施形態では、支持物１０”の主円筒状部分１１は中実であり、すなわち主円筒状部分には孔がなく、前述のように、これは外側に、前述のナット９とやはり同一または類似のナット９を受け入れるためのねじ山１２を含む。
その下部には、突起部１４とは反対の位置関係で、支持物１０”の本体は側方突起部すなわち突出部３３を含み、この突出部３３の上方に幅広の凹部３４が配置され、この凹部３４は支持物１０”の本体の円筒状部分１１を覆って配置され、上に向かうに従って深さが浅くなっている。突出部３３は貫通中空であり、その孔は、それぞれここで茎状ねじ２による例によって示す留め部材の円筒状ヘッド４を受け入れるため、およびこの部材の中間シャンク６を通すための、前述のものと同一のハウジング２０と通路開口２１とによって形成されている。孔２０、２１の軸３５は、支持物の主円筒状部分１１の軸１７と平行であり、これは実質的にバー１用のハウジング１５の軸１６と同じ軸１７からの距離に配置されることが好ましい。突出部１４、３３は反対の位置関係にあるので、軸１７、３５の平面は、バーハウジング１５の軸１６と垂直をなす。
ナット９によるバー１と球状ヘッド４との締付けは、ワッシャ型の中間部品３６によって行われる。ワッシャ３６は、支持物の円筒状部分１１が通過するための中央円形開口３７を有し、開口３７は、孔２０、２１と同軸の弧状窓３８によって孔２０、２１の側方に延びているので、第８図に示すように、その下部弧状縁は、配置が締め付けられると留め部材の球状ヘッドと協働して凹部２２の外側に来る。さらにまた窓３８によって、特に茎状ねじの場合に、留め部材のヘッドへのツールのアクセスが可能になる。凹部３４は、留め部材とその操作のためのツールの通過を可能にする。
ナット９が締め付けられると、ワッシャ３６は、二つの直径方向に反対位置にあるゾーンに沿って、それぞれバー１と留め部材のヘッド４とを押圧することになる、これによって力の良好な分布とすぐれたロック作用を確実にする。
この実施形態では、凹部２２はねじ山１２と垂直整列した位置にあるので、留め部材が脊椎の適所に取り付けられたときには、ナット９は支持物１０”の上に存在することはできない。したがって支持物１０”は保持されない。
他方では、この実施形態では、バー１が適所に取り付けられているがナット９を除去する必要があるときに留め部材へのアクセス可能性に関連する同じ利点がある。
本発明の様々な実施形態において、茎状ねじ２の場合の球状ヘッド４は、中間シャンク６とねじ切りされたシャンク７との直径より一般に大きな直径を有するので、茎状ねじを一体型で製造することができ、支持物１０、１０’、１０”に固定することができる。他方では、球状ヘッド４の直径が中間シャンク６とねじ切りされたシャンク７とのいずれかの直径より小さい場合には、このような軸方向固定動作は不可能であり、この場合には、茎状ねじを、球状ヘッド９をハウジング２０の適所に取り付けた後に互いに固定される二部材として製造することになる。これはまた、留め部材が本発明のすべての実施形態において使用可能な第４図に示すフック３によって形成される状況にも適用される。この場合には、中間シャンク６の自由端は、フック形部分８の中のねじ山４０を協働する雄ねじ山３９を有する。
本発明は上記の実施形態に限定されることはなく、逆に、本発明の範囲から逸脱することなく様々な代替構成を構想できることが理解されよう。

Claims (22)

1. 脊椎の少なくとも一部にわたって延びることのできる少なくとも一つの脊椎圧縮または延伸用のバー（１）と、球状表面（５）を有する球状ヘッド（４）と脊椎留め部分（７、８）とを含む少なくとも一つの配向可能な脊椎留め部材（２、３）と、前記脊椎留め部材と前記バーとを受け入れ、結合し、固定するための共通の支持物（１０、１０’、１０’’）とを含み、前記共通の支持物は、前記脊椎留め部分とは反対の側で横方向および上方向に開口した、バー（１）を受け入れるための凹形の第一ハウジング（１５）と、前記球状ヘッドが前記支持物に対してその中心の周りで調整可能な角位置をとることができるように構成された、前記球状ヘッド（４）を受け入れるための凹形の第二ハウジング（２０）とを含み、前記第一ハウジングは前記第二ハウジングに対して横方向にずれており、さらにまたバーと脊椎留め部材とを支持物に固定するためのねじ切りされた手段を含み、前記固定するためのねじ切りされた手段が、支持物のねじ切り部分（１１、１２）にねじ係合される少なくとも一つのナット（９）である、脊椎関節固定用の骨接合システムであって、前記のねじ切り部分は支持物に属し、第一ハウジングの少なくとも一部分は前記のねじ切り部分の外側に側方配置され、脊椎留め部材の球状ヘッドは脊椎留め部分とは反対位置にある脊椎留め部材の末端を構成し、第一ハウジングおよび第二ハウジングの凹所は、脊椎留め部材の脊椎留め部分とはその軸方向に関して反対側を向いており、前記脊椎関節固定用の骨接合システムは、ナットを支持物のねじ切り部分にねじ係合したとき、該ナットが第一ハウジングの中のバーを軸方向に固定するようになっているシステム。
2. 第一ハウジング（１５）が円筒状凹形表面を有し、この凹形表面の凹面は脊椎とは対向する関係に向き、かつこの凹形表面の軸は支持物のねじ切り部分の軸に垂直である請求の範囲第１項に記載のシステム。
3. 第一ハウジング（１５）を画定する表面が支持物の前記ねじ切り部分（１１、１２）の円筒状表面と交差している請求の範囲第１項に記載のシステム。
4. 第二ハウジング（２０）の凹形表面が球形または円錐形の一部の形状であり、この表面の凹面が脊椎とは対向する関係に向いている請求の範囲第１項に記載のシステム。
5. ナット（９）の一面が、バー（１）を締め付けるための歯（１８）を有する請求の範囲第１項に記載のシステム。
6. 前記第二ハウジング（２０）が、脊椎留め部材の中間シャンク（６）を通すための開口（２１）によって脊椎に向かって延ばされ、前記シャンクは球状ヘッド（４）と脊椎留め部材（７、８）の脊椎留め部分との間に配置されている請求の範囲第１項に記載のシステム。
7. 中間シャンク（６）を通すための開口（２１）の直径が、支持物に対する脊椎留め部材の角位置を調節可能にするために前記中間シャンクの直径よりも大きい請求の範囲第６項に記載のシステム。
8. 前記通すための開口（２１）が脊椎に向かって開き、円錐形状になっている請求の範囲第７項に記載のシステム。
9. 第二ハウジング（２０）が支持物のねじ切り部分（１１、１２）の底部を構成している請求の範囲第１項に記載のシステム。
10. 第一ハウジングと第二ハウジングとが支持物の壁を通じて互いに横方向に連絡しているので、バーと球状ヘッドとは固定時に互いに押圧し、第一ハウジングおよび第二ハウジングの軸間距離はバーの半径と球状ヘッドの半径との和と同じかまたは僅かに小さい請求の範囲第９項に記載のシステム。
11. 前記ねじ切りされた手段（９、２３）が、脊椎留め部材の球状ヘッドを第二ハウジング（２０）に固定することができるように、中空の支持物（１０）の雌ねじ（１９）と協働することができ、例えば多角形、とくに六角形である中空かみ合い凹部（２４）を有する、ねじ（２３）を含む請求の範囲第９項に記載のシステム。
12. ねじ（２３）が、相補プロファイルを持つツールを球状ヘッドにアクセスすることができるように中空である請求の範囲第１１項に記載のシステム。
13. ナット（９）がバー（１）と直接協働する請求の範囲第１項から第１２項のいずれか一項に記載のシステム。
14. 中空の支持物（１０’）の円滑孔（１９’）の中に受け入れられるようになっており、脊椎留め部材の球状ヘッド（４）に対して押圧される中央部分（２９）と、中空の支持物の壁を該壁の二つの横方向のスロット（３２）を通じて貫通する二つのアーム（３０）とによって形成された中間部品（２８）を含んでおり、中空の支持物の外側にあるアームの自由端の一つはバー（１）を押圧するようになっており、アセンブリは、ナット（９）が二つのアーム（３０）の自由端を押圧し、中間部品（２８）を脊椎留め部材の球状ヘッド（４）に対して該中間部品の中央部分（２９）を通じて、また同時にバー（１）に対してその二つのアーム（３０）の一方のアームの自由端を通じて押圧するようになっている請求の範囲第９項に記載のシステム。
15. 中間部品（２８）の中央部分（２９）が開口（３１）を有し、この開口の縁は、円形外形に沿って脊椎留め部材の球状ヘッドを押圧するようになっており、この開口は、前記球状ヘッドの中に設けられたかみ合いプロファイルへのツールのアクセスを可能にする請求の範囲第１４項に記載のシステム。
16. 第二ハウジング（２０）がまた、支持物（１０’’）のねじ切り部分（１１、１２）の外側に配置されており、かつ横方向と上方向に開いており、脊椎とは反対の位置関係にあるので、脊椎留め部材の球状ヘッド（４）もナット（９）によって支持物（１０’’）の外側にロックされる請求の範囲第１項に記載のシステム。
17. ナット（９）がワッシャ（３６）を通じてバー（１）と球状ヘッド（４）とに作用する請求の範囲第１６項に記載のシステム。
18. 第一ハウジング（１５）と第二ハウジング（２０）とが、支持物およびナットの半径方向に関して反対位置の関係にある請求の範囲第１７項に記載のシステム。
19. ワッシャ（３６）は窓（３８）を有し、窓の縁は円弧に沿って球状ヘッドと協働するようになっており、窓は球状ヘッド（４）によって支えられたかみ合いプロファイルへのツールのアクセスを可能にする請求の範囲第１８項に記載のシステム。
20. ナット（９）が、脊椎とは反対の側の面に、締付けツールと協働するようになっているかみ合い凹部（２７）を有する請求の範囲第１９項に記載のシステム。
21. 脊椎留め部材が、茎状ねじ（２）、および例えば薄板状、肋骨状、または茎状のフック（３）からなるグループから選択される請求の範囲第１項に記載のシステム。
22. バー（１）と脊椎留め部材の球状ヘッド（４）とを固定するためのねじ切りされた手段が、外部から前記ヘッドに支えられたかみ合いプロファイルにアクセスできるように配置された請求の範囲第１項から第２１項のいずれか一項に記載のシステム。

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