JP4005182B2 - 画像読取装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、赤、緑、青各色の光源を順次点灯させることによりカラー読取を行うためのラインイメージセンサチップを用いた画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像読取装置として、赤、緑、青各色の光源を順次点灯させることにより、モノクロ用のラインイメージセンサチップを用いてカラー読取を行う構成のものがある。
【0003】
このような画像読取装置に採用されている従来のラインイメージセンサチップは、図7に示すように、ラインイメージセンサチップ51の長辺に沿って、すなわち主走査方向に多数の光電変換素子52を所定のピッチPで形成したものであった。
【0004】
そして、従来の画像読取装置は、図8に示すように、赤、緑、青各色の光源を所定の点灯期間Tで順次点灯させ、各色の点灯期間Tのうち、始めの2/3の期間で光電変換素子52に電荷を蓄積させ、残りの1/3の期間で光電変換素子52から読取画像信号を出力させる構成であった。
【0005】
また、点灯期間Tの間に、光電変換素子52の主走査方向のピッチPの1/3の距離だけ、原稿を副走査方向と反対の方向に搬送していた。すなわち、赤、緑、青の合計3色の1ラインの読み取りの間に、原稿を1画素分だけ搬送していた。このように、原稿を副走査方向と反対の方向に搬送すると、光電変換素子52を副走査方向に移動させたのと同じ結果になるのである。
【0006】
しかし、上記のような従来の画像読取装置では、図9に示すように、たとえば赤色の読み取り領域と緑色の読み取り領域との間に副走査方向に1/3画素分のずれが生じ、緑色の読み取り領域と青色の読み取り領域との間に副走査方向に1/3画素分のずれが生じる結果、正確な読み取りを行えないという課題があった。すなわち、相互に異なる部分を含む領域を読み取った結果の赤、緑、青各色の読取画像信号を組み合わせて1つの画素の読取画像信号とするので、色ずれにより色再現性が劣化するという課題があった。
【0007】
【発明の開示】
本願発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、赤、緑、青各色の読取領域のずれによる色再現性の劣化をなくし、忠実な再生画像を得ることのできるラインイメージセンサチップを用いた画像読取装置を提供することを、その課題とする。
【0008】
上記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0009】
本願発明によれば、主走査方向に第1の所定ピッチで一列に並ぶ多数の光電変換素子からなる光電変換素子列を、副走査方向に第2の所定ピッチで相互に平行に並ぶように3列に配置し、前記第2の所定ピッチを前記第1の所定ピッチの1/3にして構成されるラインイメージセンサチップを、主走査方向に一列に複数個搭載した基板と、前記ラインイメージセンサチップと被読取体とを副走査方向に相対的に移動させる副走査手段と、被読取体からの反射光を正立等倍に前記ラインイメージセンサチップに集束させるためのレンズアレイと、前記ラインイメージセンサチップの各光電変換素子列に前記被読取体からの反射光を前記レンズアレイを介して入射させるべく前記被読取体を照射する赤、緑、青各色の光源と、前記3列の光電変換素子列を赤、緑、青各色に1列ずつ割当て、前記赤、緑、青各色の光源を所定の周期で順次点灯させて、点灯色に割当てられた光電変換素子列からの出力を点灯色の読取画像信号として順次採用する読取制御手段と、前記副走査手段を制御することにより、前記各色の1ラインの読み取り期間における、前記光電変換素子列と前記被読取体との副走査方向の相対的な移動距離を、前記光電変換素子列の副走査方向の配置ピッチの距離に一致させる副走査制御手段とを備えたことを特徴とする、画像読取装置が提供される。
【0010】
光電変換素子としては、ホトトランジスタを用いることができるが、これに限らず、たとえばホトダイオードなどを用いてもよい。
【0012】
副走査手段は、ラインイメージセンサを副走査方向に移動させてもよいし、被読取体を副走査方向と反対方向に移動させてもよい。
【0013】
光源としては、たとえば発光ダイオードを用いることができるが、これに限るものではない。
【0014】
読取制御手段および副走査制御手段は、所定のプログラムに基づいて動作するCPUにより実現できるが、これに限らず、たとえばゲートアレイなどにより実現してもよい。
【0015】
好ましい実施の形態によれば、光源として、赤、緑、青各色の発光ダイオードを用い、各色の1ラインの読み取り期間毎に、始めの2/3の期間中点灯させ、残りの1/3の期間は消灯させる。
【0016】
本願発明によれば、前記ラインイメージセンサチップとして、主走査方向に第1の所定ピッチで一列に並ぶ多数の光電変換素子からなる光電変換素子列を、副走査方向に第2の所定ピッチで相互に平行に並ぶように3列に配置し、第2の所定ピッチを第1の所定ピッチの1/3にしたものが用いられているので、3列の光電変換素子列を赤、緑、青各色の読み取り用に1列ずつ割当て、赤、緑、青各色の1ラインの読み取り毎に被読取体と光電変換素子列との相対位置を副走査方向に第2の所定ピッチと同じ距離だけ移動させることにより、被読取体上における赤、緑、青各色の読み取り領域を全て一致させることが可能であり、色ずれによる色再現性の劣化を防止できる。
【0017】
また、本願発明の画像読取装置によれば、読取制御手段が、3列の光電変換素子列を赤、緑、青各色に1列ずつ割当て、赤、緑、青各色の光源を所定の周期で順次点灯させて、点灯色に割当てられた光電変換素子列からの出力を点灯色の読取画像信号として順次採用し、副走査制御手段が、副走査手段を制御することにより、各色の1ラインの読み取り期間における、光電変換素子列と被読取体との副走査方向の相対的な移動距離を、光電変換素子列の副走査方向の配置ピッチの距離に一致させるので、被読取体上における赤、緑、青各色の読み取り領域が全て一致するので、色ずれによる色再現性の劣化を防止でき、忠実な再生画像を得ることができる。
【0018】
また、光源として、赤、緑、青各色の発光ダイオードを用い、各色の1ラインの読み取り期間毎に、始めの2/3の期間中点灯させ、残りの1/3の期間は消灯させれば、読取画像信号の出力期間中に光電変換素子が電荷を蓄積することがないので、残留電荷による再生画像の彩度の低下を防止できる。
【0019】
本願発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0021】
図2は、本願発明に係る画像読取装置に備えられている密着型ラインイメージセンサの長手方向と直交する方向の断面図であって、このラインイメージセンサ20は、略矩形状の断面形状と、所定の長手寸法を有するケース21を有しており、このケース21は、樹脂成形によって作製することができる。このケース21は、上下に貫通する内部空間をもち、上部開口を封鎖するようにしてガラスカバー22が取付けられているとともに、下部開口を封鎖するようにして、ヘッド基板23が取付けられている。このヘッド基板23の上面における幅方向一側寄りには、複数個のラインイメージセンサチップ24が取付けられており、幅方向他側寄りには、照明光源としての複数個のLEDチップ25が取付けられている。これらLEDチップ25は、それぞれ赤、緑、青の3色の発光ダイオードを備えている。そして、このケース21の内部空間には、LEDチップ25からの光を効率的にガラスカバー22上の被読取体としての原稿Dに照射するための透明樹脂製の導光部材26と、原稿面からの反射光を正立等倍にラインイメージセンサチップ24に集束させるためのロッドレンズアレイ27が設けられている。
【0022】
ロッドレンズアレイ27は、ケース21内に形成した溝状ホルダ部28に上方から挿入するようにして保持されている。溝状ホルダ部28は、ロッドレンズアレイ27の平面形態と対応した凹陥溝29を有しており、その底部には、ロッドレンズアレイ27を透過した光を通過させてその下方に配置される複数のラインイメージセンサチップ24上に至らせるためのスリット30が形成されている。
【0023】
溝状ホルダ部28の長手方向中間部における内壁には、ロッドレンズアレイ27の上面の一側縁に係合して、このロッドレンズアレイ27の浮きを防止するための係合突起31が、2箇所に形成されている。この係合突起31は、溝状ホルダ部28へのロッドレンズアレイ27の挿入操作を阻害することがないように、適度な突出高さをもち、先端上方寄りにはテーパ面31aが形成されている。
【0024】
導光部材26は、ロッドレンズアレイ27の光軸の延長上に存在する読み取りラインLから側方に変位した位置においてヘッド基板23に取付けられたLEDチップ25から発する光を、プリズム効果によって効率的に読み取りラインLないしはその近傍領域に導くための部材である。この導光部材26は、LEDチップ25の配置と対応して開口する透光窓32が形成された底壁33と、ケース21の一側内壁21aと、溝状ホルダ部28の外壁28aとで囲まれた空間に嵌め込むようにして取付けられる。導光部材26の長手方向中間部の一側面には、係合突起34が2箇所に形成されており、これに対応して、ケース21の一側内壁21aには、係合突起34が係合可能な係合凹部35が形成されている。
【0025】
図3は、ヘッド基板23の平面図であって、このヘッド基板23には、20個のラインイメージセンサチップ24が、ヘッド基板23の長辺に沿って、すなわち主走査方向に一列に搭載されている。また、ヘッド基板4には、ラインイメージセンサチップ24に対する電源供給や各種信号の入出力のためのコネクタ36が取り付けられている。なお、図3においてはLEDチップ25を省略している。
【0026】
図4は、本願発明に係る画像読取装置の制御部の回路ブロック図であって、この制御部は、CPU1、ROM2、RAM3、および入出力インターフェイス4を備えている。入出力インターフェイス4には、ヘッド基板23とモータ5とが接続されている。
【0027】
CPU1は、画像読取装置の全体を制御する。ROM2は、CPU1を動作させるためのプログラムなどを記憶している。RAM3は、CPU1にワークエリアを供給し、各種のデータを記憶する。入出力インターフェイス4は、CPU1とヘッド基板23およびモータ5との間の信号の入出力を制御するとともに、アナログの読取画像信号をディジタルの読取画像信号に変換する。モータ5は、原稿Dを副走査方向と反対方向に搬送するための複数の搬送ローラ(図示せず)を駆動する。
【0028】
図1は、ラインイメージセンサチップ24の要部の平面図であって、このラインイメージセンサチップ24には、赤色用の多数の光電変換素子11R と、緑色用の多数の光電変換素子11G と、青色用の多数の光電変換素子11B とが、それぞれ所定のピッチPでラインイメージセンサチップ24の長辺に沿って、すなわち主走査方向に一列に配置されている。また、これら各色用の光電変換素子11R ,11G ,11B は、ラインイメージセンサチップ24の短辺に沿って、すなわち副走査方向に主走査方向のピッチPの1/3のピッチで配置されている。したがって、各光電変換素子11R ,11G ,11B は、縦横比が1対3の長方形である。なお、各光電変換素子11R ,11G ,11B 相互の隙間は非常に小さい。また、各色用の光電変換素子11R ,11G ,11B は、カラーフィルタによって覆われた構造ではなく、全く同一の構造であるが、各色の読み取りに個別に使用されるので、説明の便宜上、R,G,Bの添字を付して区別している。
【0029】
図5は、ラインイメージセンサチップ24の回路ブロック図であって、このラインイメージセンサチップ24には、128ビットのシフトレジスタ12、チップセレクト回路13、128個の赤色用のホトトランジスタPTR1 〜PTR128 、128個の緑色用のホトトランジスタPTG1 〜PTG128 、128個の青色用のホトトランジスタPTB1 〜PTB128 、128個の赤色用の第1の電界効果トランジスタFETR1 〜FETR128 、128個の緑色用の第1の電界効果トランジスタFETG1 〜FETG128 、128個の青色用の第1の電界効果トランジスタFETB1 〜FETB128 、赤色用の第2の電界効果トランジスタFETR201 、緑色用の第2の電界効果トランジスタFETG201 、青色用の第2の電界効果トランジスタFETB201 、赤色用の第3の電界効果トランジスタFETR211 、緑色用の第3の電界効果トランジスタFETG211 、青色用の第3の電界効果トランジスタFETB211 、赤色用の演算増幅器OPR1 、緑色用の演算増幅器OPG1 、青色用の演算増幅器OPB1 、赤色用の3個の抵抗器RR1 〜RR3 、緑色用の3個の抵抗器RG1 〜RG3 、青色用の3個の抵抗器RB1 〜RB3 、および11個のパッドSI,CLK,GND,AOR1,AOR2,SO,AOG1,AOG2,AOB1,AOB2,VDDが形成されている。第1の電界効果トランジスタFETR1 〜FETR128 ,FETG1 〜FETG128 ,FETB1 〜FETB128 、第2の電界効果トランジスタFETR201 ,FETG201 ,FETB201 、および第3の電界効果トランジスタFETR211 ,FETG211 ,FETB211 はそれぞれMOS型の電界効果トランジスタである。
【0030】
パッドSIには、シリアルイン信号が入力される。パッドCLKには、ラインイメージセンサ20の外部からコネクタ36などを介してたとえば8MHzのクロック信号が入力される。パッドGNDは、グランドラインに接続されている。パッドAOR1からは、増幅していないアナログの読取画像信号がシリアルに出力される。パッドAOR2からは、増幅されたアナログの読取画像信号がシリアルに出力される。パッドAOG1からは、増幅していないアナログの読取画像信号がシリアルに出力される。パッドAOG2からは、増幅されたアナログの読取画像信号がシリアルに出力される。パッドAOB1からは、増幅していないアナログの読取画像信号がシリアルに出力される。パッドAOB2からは、増幅されたアナログの読取画像信号がシリアルに出力される。パッドSOからは、シリアルアウト信号が出力される。パッドVDDには、ラインイメージセンサ20の外部からコネクタ36などを介してたとえば5ボルトの電源電圧が供給される。ホトトランジスタPTR1 〜PTR128 は、光電変換素子11R を構成している。ホトトランジスタPTG1 〜PTG128 は、光電変換素子11G を構成している。ホトトランジスタPTB1 〜PTB128 は、光電変換素子11B を構成している。
【0031】
次に動作を説明する。原稿Dの読み取りに際しては、CPU1によりモータ5が制御されて原稿Dの先端部が読取位置に搬送され、CPU1により入出力インターフェイス4およびコネクタ36を介してLEDチップ25が制御されて赤色の発光ダイオードが点灯されるとともに、ラインイメージセンサ20の外部からコネクタ36などを介して、各ラインイメージセンサチップ24のパッドCLKにたとえば8MHzのクロック信号が供給される。
【0032】
そして、図6に示すように、赤色の発光ダイオードを点灯させたときから2T/3の期間が経過したときに、赤色の発光ダイオードを消灯させ、それからT/3の期間に、赤色の反射光によりホトトランジスタPTR1 〜PTR128 ,PTG1 〜PTG128 ,PTB1 〜PTB128 に蓄積された電荷に基づく1ライン分のアナログの読取画像信号をパッドAOR2,AOG2,AOBから1画素毎にシリアルに出力させる。これらの読取画像信号は、コネクタ36を介して入出力インターフェイス4に入力され、パッドAOR2から出力された読取画像信号だけがディジタルの読取画像信号に変換されて、RAM3に格納される。このような入出力インターフェイス4に入力された読取画像信号の処理は、CPU1によって制御される。
【0033】
以下同様に、緑色の発光ダイオードが2T/3の期間点灯され、次のT/3の期間でパッドAOR2,AOG2,AOBから出力された読取画像信号のうちパッドAOG2から出力された読取画像信号だけが選択され、次に青色の発光ダイオードが2T/3の期間点灯され、次のT/3の期間でパッドAOR2,AOG2,AOBから出力された読取画像信号のうちパッドAOB2から出力された読取画像信号だけが選択される。これにより、3Tの期間に赤、緑、青の各色の1ライン分の読取画像信号がRAM3に格納される。もちろん、赤色の発光ダイオードの点灯時に、赤色用の光電変換素子11R すなわちホトトランジスタPTR1 〜PTR128 ばかりでなく、緑色用の光電変換素子11G すなわちホトトランジスタPTG1 〜PTG128 および青色用の光電変換素子11B すなわちホトトランジスタPTB1 〜PTB128 にも電荷が蓄積されるのであるが、赤色の読取画像信号の読み出し期間に緑色および青色の読取画像信号も同時に読み出しており、それらの読取画像信号を使用しないだけであるので、赤色の反射光による残留電荷は除去されており、緑色あるいは青色の発光ダイオードの点灯後における緑色あるいは青色の読取画像信号の読み取り時に赤色の光の残留電荷が悪影響を及ぼすことはない。これは、緑色および青色の発光ダイオードの点灯についても同様である。一方、この3Tの期間に、CPU1によりモータ5が制御されて、光電変換素子11R ,11G ,11B の副走査方向の配置ピッチの3倍の距離だけ、原稿Dが副走査方向と反対の方向に搬送される。したがって、原稿D上における赤、緑、青各色用の光電変換素子11R ,11G ,11B の読取領域は、各色間で完全に一致している。このような動作が各ライン毎に繰り返され、原稿Dの読み取りが完了する。なお、Tは、各色の1ラインの読取期間である。
【0034】
ところで、各色の1ラインの読取期間Tの間に、原稿Dは光電変換素子11R ,11G ,11B の副走査方向の配置ピッチの距離だけ副走査方向と反対の方向に搬送されるので、各色の光電変換素子11R ,11G ,11B の電荷蓄積期間である2T/3の期間に原稿Dが搬送される距離は、1画素分すなわち光電変換素子11R ,11G ,11B の主走査方向の配置ピッチPの2/9である。したがって、各色の光電変換素子11R ,11G ,11B による原稿D上の読取領域の副走査方向の長さは1画素分の5/9になり、1画素の領域を完全には読み取れないことになる。しかし、このようにした方が、各色毎に原稿D上のずれた領域を読み取るよりは、色再現性が良好である。また、各色の光電変換素子11R ,11G ,11B からの読取画像信号の出力期間にLEDチップ25の発光ダイオードを消灯させるので、その間における各色の光電変換素子11R ,11G ,11B への残留電荷の蓄積がないことから、読取画像信号の出力期間に発光ダイオードを点灯させて読取領域を大きくするよりも、再生画像の彩度を向上させることができる。
【0035】
次に、ラインイメージセンサチップ24の動作の詳細について説明する。赤色の発光ダイオードの点灯から2T/3の期間が経過すると、CPU1から入出力インターフェイス4およびコネクタ36を介して、20個のラインイメージセンサチップ24のうちの初段のラインイメージセンサチップ24のパッドSIにシリアルイン信号が供給される。このシリアルイン信号は、チップセレクト回路13のセット端子に入力され、これによりチップセレクト回路13は、クロック信号CLKに同期して、セレクト信号出力端子から出力しているセレクト信号をハイレベルにする。このセレクト信号は、クロック信号CLKを反転させた信号であって、赤、緑、青各色用の第2の電界効果トランジスタFETR201 ,FETG201 ,FETB201 のゲートに供給されているので、クロック信号がローレベルの期間に各第2の電界効果トランジスタFETR201 ,FETG201 ,FETB201 がオンすることになる。
【0036】
また、シリアルイン信号SIは、シフトレジスタ12の入力端子にも供給され、クロック信号の立下がりのタイミングでシフトレジスタ12の初段のビットに取り込まれる。これによりシフトレジスタ12の初段のビットがオンし、赤、緑、青各色用の第1の電界効果トランジスタFETR1 ,FETG1 ,FETB1 のゲートにハイレベルの信号が入力されて、各第1の電界効果トランジスタFETR1 ,FETG1 ,FETB1 がオンする。このとき、クロック信号はローレベルであるので、赤、緑、青各色用の第3の電界効果トランジスタFETR211 ,FETG211 ,FETB211 はオフしており、赤、緑、青各色用のホトトランジスタPTR1 ,PTG1 ,PTB1 に蓄積された電荷による電流が各第1の電界効果トランジスタFETR1 ,FETG1 ,FETB1 を介して赤、緑、青各色用の抵抗器RR3 ,RG3 ,RB3 に流れる。これら抵抗器RR3 ,RG3 ,RB3 の両端電圧は、赤、緑、青各色用の演算増幅器OPR1 ,OPG1 ,OPB1 の非反転入力端に入力され、抵抗器RR1 ,RG1 ,RB1 と抵抗器RR2 ,RG2 ,RB2 との抵抗値の比で決定される増幅度で増幅されて、赤、緑、青各色用のパッドAOR2,AOG2,AOB2からアナログの読取画像信号として出力される。このとき、クロック信号はローレベルであり、セレクト信号がハイレベルであるので、各第2の電界効果トランジスタFETR201 ,FETG201 ,FETB201 はオンしている。なお、赤、緑、青各色用のパッドAOR1,AOG1,AOB1からは、各演算増幅器OPR1 ,OPG1 ,OPB1 により増幅されていないアナログの読取画像信号が出力される。
【0037】
クロック信号がローレベルからハイレベルに立ち上がると、セレクト信号がローレベルになって各第2の電界効果トランジスタFETR201 ,FETG201 ,FETB201 がオフし、各パッドAOR2,AOG2,AOB2から読取画像信号が出力されなくなるとともに、各第3の電界効果トランジスタFETR211 ,FETG211 ,FETB211 がオンし、各ホトトランジスタPTR1 ,PTG1 ,PTB1 の残留電荷が各第3の電界効果トランジスタFETR211 ,FETG211 ,FETB211 を介して放電される。
【0038】
クロック信号がハイレベルからローレベルに立ち下がると、シフトレジスタ21の初段のビットのシリアルイン信号SIが第2段のビットにシフトされ、初段のビットの場合と同様の動作により、赤、緑、青各色用のホトトランジスタPTR2 ,PTG2 ,PTB2 に蓄積された電荷に応じたアナログの読取画像信号が赤、緑、青各色用のパッドAOR2,AOG2,AOB2から出力される。
【0039】
以下、同様の動作によりクロック信号に同期して赤、緑、青各色用のホトトランジスタPTR3 〜PTR128 ,PTG3 〜PTG128 ,PTB3 〜PTB128 に蓄積された電荷に応じたアナログの読取画像信号が赤、緑、青各色用のパッドAOR2,AOG2,AOB2から順次出力されると、次のクロック信号CLKの立ち下がりでシフトレジスタ2の最終段のビットからシリアルイン信号が出力され、チップセレクト回路13のクリア信号入力端子にクリア信号として入力されるとともに、パッドSOからシリアルアウト信号として出力される。これによりチップセレクト回路13は、セレクト信号をローレベルに保つ。また、パッドSOから出力されたシリアルアウト信号は、次段のラインイメージセンサチップ24のパッドSIにシリアルイン信号として入力される。
【0040】
これにより、次段のラインイメージセンサチップ24が初段のラインイメージセンサチップ24と同様に動作し、クロック信号に同期して赤、緑、青各色用のホトトランジスタPTR1 〜PTR128 ,PTG1 〜PTG128 ,PTB1 〜PTB128 に蓄積された電荷に応じたアナログの読取画像信号が赤、緑、青各色用のパッドAOR2,AOG2,AOB2から順次出力される。このような動作が最終段すなわち20個目のラインイメージセンサチップ24まで繰り返されることにより、20個のラインイメージセンサチップ24からの2560画素すなわち1ライン分の赤色の読取画像信号が入出力インターフェイス4によって選択され、ディジタルの読取画像信号に変換されて、RAM3に格納される。
【0041】
もちろん、緑色の読取画像信号および青色の読取画像信号も同様に順次処理され、赤、緑、青各色の読取画像信号が1ライン毎に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係るラインイメージセンサチップの要部の平面図である。
【図2】本願発明に係る画像読取装置に備えられているラインイメージセンサの長手方向と直交する方向の断面図である。
【図3】図2に示すラインイメージセンサに備えられているヘッド基板の平面図である。
【図4】本願発明に係る画像読取装置の制御部の回路ブロック図である。
【図5】本願発明に係るラインイメージセンサチップの回路図である。
【図6】本願発明に係る画像読取装置による各色の発光ダイオードの点灯および読取画像信号の出力のタイミングの説明図である。
【図7】従来の画像読取装置に備えられているラインイメージセンサチップの要部の平面図である。
【図8】従来の画像読取装置による各色の発光ダイオードの点灯および読取画像信号の出力のタイミングの説明図である。
【図9】従来の画像読取装置に備えられているラインイメージセンサチップによる光電変換素子の各色の読取領域の説明図である。
【符号の説明】
1 CPU
4 入出力インターフェイス
5 モータ
11R ,11G ,11B 光電変換素子
20 ラインイメージセンサ
23 ヘッド基板
24 ラインイメージセンサチップ
25 LEDチップ
Claims (2)
- 主走査方向に第1の所定ピッチで一列に並ぶ多数の光電変換素子からなる光電変換素子列を、副走査方向に第2の所定ピッチで相互に平行に並ぶように3列に配置し、前記第2の所定ピッチを前記第1の所定ピッチの1/3にして構成されるラインイメージセンサチップを、主走査方向に一列に複数個搭載した基板と、
前記ラインイメージセンサチップと被読取体とを副走査方向に相対的に移動させる副走査手段と、
被読取体からの反射光を正立等倍に前記ラインイメージセンサチップに集束させるためのレンズアレイと、
前記ラインイメージセンサチップの各光電変換素子列に前記被読取体からの反射光を前記レンズアレイを介して入射させるべく前記被読取体を照射する赤、緑、青各色の光源と、
前記3列の光電変換素子列を赤、緑、青各色に1列ずつ割当て、前記赤、緑、青各色の光源を所定の周期で順次点灯させて、点灯色に割当てられた光電変換素子列からの出力を点灯色の読取画像信号として順次採用する読取制御手段と、前記副走査手段を制御することにより、前記各色の1ラインの読み取り期間における、前記光電変換素子列と前記被読取体との副走査方向の相対的な移動距離を、前記光電変換素子列の副走査方向の配置ピッチの距離に一致させる副走査制御手段とを備えたことを特徴とする、画像読取装置。 - 前記光源として、赤、緑、青各色の発光ダイオードを用い、各色の1ラインの読み取り期間毎に、始めの2/3の期間中点灯させ、残りの1/3の期間は消灯させる、請求項1に記載の画像読取装置。
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JP23438097A JP4005182B2 (ja) | 1997-08-29 | 1997-08-29 | 画像読取装置 |
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