JP4004698B2 - 血管の画像化装置および血管の識別装置並びに周波数偏移測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、血管を画像化して示す装置に関し、特に詳細には、動脈と静脈の一方を他方と識別して画像化する装置に関するものである。
【0002】
また本発明は、動脈と静脈とを識別する装置に関するものである。
【0003】
さらに本発明は、上記画像化等のために散乱流体に照射された計測光の周波数が、ドプラー効果によって偏移した量を測定する装置に関するものである。
【0004】
【従来の技術】
臨床においては、動脈と静脈の一方を他方と識別して画像化する要求が広く存在する。例えば、動脈硬化は一般に末梢部から起こるので、この末梢部の動脈内径像を静脈像と識別して画像化できれば、それは動脈硬化に対する診断情報として活用することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来、血管を画像化して示す装置としては、X線血管造影撮影装置が広く知られている。しかしこのX線血管造影撮影は、造影剤投与時に灼熱感が生じたり、造影剤投与のために動脈へカテーテルを刺入するなど侵襲性が高く、外来で簡単に行なうのは難しいという問題がある。
【0006】
それに対して、IEEE Journal of Selected Topics in Quantum Electronics Vol.2,p1008,1996 に示されるように、光透視によって生体の部位を画像化する技術も提案されている。この画像化技術は、手指を計測対象としてそこに光を入射させ、生体内を多重散乱しながらも直進して透過して来た光を光ヘテロダイン検出法によって検出し、X線CT等で用いられる画像再構成方法を用いて指の断層像を得るというものである。しかし、この光透視技術による画像では、血管の存在を認識することはできていない。
【0007】
また、日本ME学会雑誌BME Vol.8,No.5,p41,1994 に示されるように、多数の発光ダイオードを光源として手掌部を照明し、手内部で散乱した光により浮かび上がった手背側の血管を、高感度TVカメラで動画として撮像する技術も提案されている。しかし、その場合に画像として写るのは皮下静脈あるいは比較的浅い領域の血管であり、また、動脈と静脈とを区別することも不可能である。
【0008】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、被検者に対する負荷が少なく、手足の表面から比較的深い位置にある末梢動脈等も血管以外の軟組織と区別して画像化でき、さらに、動脈と静脈の一方を他方と明確に識別して画像化することができる装置を提供することを目的とする。
【0009】
また本発明は、被検者に対する負荷が少なく、動脈と静脈とを明確に識別することができる装置を提供することを目的とする。
【0010】
さらに本発明は、散乱流体に照射された計測光の周波数が、ドプラー効果によって偏移した量を測定できる装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明による第1の血管の画像化装置は、生体に計測光を照射し、そこからの散乱反射光を検出して血管を画像化するようにしたもので、それに光ホモダイン検出系を適用し、血流速の違いを利用して動脈と静脈とを識別するようにしたものである。また、この光ホモダイン検出系に光ヘテロダイン検出系を組み合わせることによって、光ホモダイン検出系で検出された光のビート成分を、より振幅の大きい信号として検出できるようにしたものである。
【0012】
すなわち、具体的に本発明による第1の血管の画像化装置は、
生体に入射する計測光を発する光源手段と、
この計測光を前記生体に対して走査させる走査手段と、
前記計測光を2系統に分岐し、分岐された各計測光を生体中の共通の照射点に互いに異なる方向から入射させる一方、前記照射点で反射した計測光を互いに合成するホモダイン干渉光学系と、
前記計測光の一部を前記生体に入射する前の光路から分岐した後、前記ホモダイン光学系から出射した計測光と合成するヘテロダイン干渉光学系、このヘテロダイン干渉光学系により分岐がなされて2系統の光路を進む該計測光に互いに周波数差を与える周波数シフター、および前記ヘテロダイン干渉光学系で合成された後の計測光のビート成分を検出する手段を備えてなる光ヘテロダイン検出系と、
この光ヘテロダイン検出系が出力したビート成分検出信号の、前記ホモダイン干渉光学系によるビート成分の周波数の値に基づいて画像信号を生成する画像信号生成手段とからなるものである。
【0013】
なお上記画像信号生成手段は、例えば、前記ホモダイン干渉光学系によるビート成分の周波数が所定の閾値よりも大となるときは、生体の動脈部分を示す画像信号を生成するように、一方、ホモダイン干渉光学系によるビート成分の周波数が所定の閾値よりも小となるときは、生体の静脈部分を示す画像信号を生成するように構成される。
【0014】
また上記構成の血管の画像化装置においては、ホモダイン干渉光学系によって分岐された各計測光の、前記共通の照射点に対する入射の方向が変化するように、生体とホモダイン干渉光学系との相対位置を調整する位置調整手段が設けられるのが望ましい。
【0015】
さらに、この第1の血管の画像化装置においては、
画像化対象の血管における血流速が所定の値となる時点を検出してタイミング信号を出力する同位相点検出手段が設けられ、
前記画像信号生成手段がこのタイミング信号に基づいて、血流速がほぼ最高となる時点の前記ビート成分検出信号をサンプリングして、そのビート成分検出信号を前記画像信号の生成に供するように構成されるのが望ましい。
【0016】
そのようにする場合、上記の同位相点検出手段としては、生体の脈波を検出する手段や、前記ホモダイン干渉光学系によるビート成分の周波数が最高周波数を取った時点を検出する手段等を適用することができる。
【0017】
また、本発明による第2の血管の画像化装置は、生体に計測光を照射し、そこからの反射光を検出して血管を画像化するようにし、さらには、干渉光学系により血流の向きの違いを利用して動脈と静脈とを識別するようにしたものである。また、この干渉光学系に光ヘテロダイン検出系を組み合わせることによって、干渉光学系で検出された光のビート成分を、より振幅の大きい信号として検出できるようにしたものである。
【0018】
すなわち、具体的に本発明による第2の血管の画像化装置は、
生体に入射する計測光を発する光源手段と、
この計測光を前記生体に対して走査させる走査手段と、
前記計測光を2系統に分岐し、分岐された各計測光を生体中の共通の照射点に互いに異なる方向から入射させる一方、この照射点で反射した計測光を互いに合成する第1の光学系、およびこの第1の光学系により分岐がなされて2系統の光路を進む計測光に互いに周波数差を与える第1の周波数シフターからなる干渉光学系と、
前記計測光の一部を前記第1の光学系に入射する前の光路から分岐した後、該第1の光学系から出射した計測光と合成する第2の光学系、この第2の光学系により分岐がなされて2系統の光路を進む計測光に周波数差を与える第2の周波数シフター、および前記第2の光学系で合成された後の計測光のビート成分を検出する手段を備えてなる光ヘテロダイン検出系と、
この光ヘテロダイン検出系が出力したビート成分検出信号の、前記干渉光学系によるビート成分の周波数の値に基づいて画像信号を生成する画像信号生成手段とからなることを特徴とするものである。
【0019】
なお上記画像信号生成手段は、例えば、前記干渉光学系によるビート成分の周波数が所定の閾値よりも大となるときは、生体の動脈部分を示す画像信号を生成するように、一方、干渉光学系によるビート成分の周波数が所定の閾値よりも小となるときは、生体の静脈部分を示す画像信号を生成するように構成される。
【0020】
また上記構成の血管の画像化装置においては、干渉光学系によって分岐された各計測光の、前記共通の照射点に対する入射の方向が変化するように、生体と干渉光学系との相対位置を調整する位置調整手段が設けられるのが望ましい。
【0021】
あるいは、このような位置調整手段が設けられる代わりに、
前記干渉光学系が2系統設けられて、これらの干渉光学系の一方における2系統の計測光の前記照射点への入射方向が、前記照射点に対面する面に写影されたとき該面内を一方向に延びる直線となる方向(x方向)に設定され、これらの干渉光学系の他方における2系統の計測光の前記照射点への入射方向が、前記面に写影されたとき前記直線と直角になる方向(y方向)に設定され、
前記画像信号生成手段が、前記2系統の干渉光学系によるビート成分の周波数偏移量をそれぞれfx,fyとしたとき、fx2+fy2 の値に基づいて画像信号を生成するように構成されてもよい。
【0022】
また、上述のような位置調整手段が設けられる代わりに、
前記干渉光学系が2系統設けられて、これらの干渉光学系の一方における2系統の計測光の前記照射点への入射方向が、前記照射点に対面する面に写影されたとき該面内を一方向に延びる直線となる方向に設定され、これらの干渉光学系の他方における2系統の計測光の前記照射点への入射方向が、前記面に写影されたとき前記直線と角度θ(0°<θ<90°)をなす方向に設定され、
前記画像信号生成手段が、前記2系統の干渉光学系によるビート成分の周波数偏移量をそれぞれfx’,fy’としたとき、これらfx’およびfy’の値に基づいて画像信号を生成するように構成されてもよい。
【0023】
さらに、この第2の血管の画像化装置においては、
画像化対象の血管における血流速が所定の値となる時点を検出してタイミング信号を出力する同位相点検出手段が設けられ、
前記画像信号生成手段がこのタイミング信号に基づいて、血流速がほぼ最高となる時点の前記ビート成分検出信号をサンプリングして、そのビート成分検出信号を前記画像信号の生成に供するように構成されるのが望ましい。
【0024】
そのようにする場合、上記の同位相点検出手段としては、生体の脈波を検出する手段や、前記干渉光学系によるビート成分の周波数が最高周波数を取った時点を検出する手段等を適用することができる。
【0025】
一方、本発明による血管の識別装置は、
生体に入射する計測光を発する光源手段と、
検出する前記計測光による第1のビート成分の周波数が、血流とのドプラー効果により血流速に応じて変化するように構成された第1の干渉光学系と、
この第1の干渉光学系が検出するビート成分の周波数と異なる周波数で変調された局発光と信号光とを干渉させることにより、前記ビート成分の周波数と異なる周波数の第2のビート成分を生じさせる第2の干渉光学系と、
前記第2のビート成分によるビート信号の、前記局発光の変調周波数からの周波数偏移を測定する偏移測定手段と、
この偏移測定手段が求めた周波数偏移の大きさと所定の閾値との大小関係に基づいて、前記血流の有る血管が動脈であるか静脈であるかを識別する識別手段とからなることを特徴とするものである。
【0026】
なお、この本発明による血管の識別装置においては、第1の干渉光学系により分岐された各計測光の、共通の照射点に対する入射の方向が変化するように、生体と第1の干渉光学系との相対位置を調整する位置調整手段が設けられるのが望ましい。
【0027】
また、上記第1の干渉光学系は2系統設けられて、これらの干渉光学系の一方における2系統の計測光の照射点への入射方向が、照射点に対面する面に写影されたとき該面内を一方向に延びる直線となる方向に設定され、これらの干渉光学系の他方における2系統の計測光の前記照射点への入射方向が、前記面に写影されたとき前記直線と直角になる方向に設定され、
その上で前記識別手段は、前記2系統の干渉光学系によるビート成分の周波数偏移量をそれぞれfx,fyとしたとき、fx2+fy2 の値に基づいて血流速と血流方向とを求めるように構成されるのが望ましい。
【0028】
あるいは、上記第1の干渉光学系が2系統設けられて、これらの干渉光学系の一方における2系統の計測光の照射点への入射方向が、照射点に対面する面に写影されたとき該面内を一方向に延びる直線となる方向に設定され、これらの干渉光学系の他方における2系統の計測光の前記照射点への入射方向が、前記面に写影されたとき前記直線と角度θ(0°<θ<90°)をなす方向に設定され、
前記識別手段が、前記2系統の干渉光学系によるビート成分の周波数偏移量をそれぞれfx’,fy’としたとき、これらfx’およびfy’の値に基づいて血流速と血流方向とを求めるように構成されてもよい。
【0029】
さらに、本発明による血管の識別装置においては、
識別対象の血管における血流速が所定の値となる時点を検出してタイミング信号を出力する同位相点検出手段が設けられ、
前記識別手段がこのタイミング信号に基づいて、血流速がほぼ最高となる時点のビート成分検出信号をサンプリングして、そのビート成分検出信号を血管識別に供するように構成されるのが望ましい。
【0030】
その場合、同位相点検出手段としては、生体の脈波を検出する手段から構成することもできるし、あるいは、第1の干渉光学系によるビート成分の周波数が最高周波数を取った時点を検出する手段から構成することもできる。
【0031】
他方、本発明による周波数偏移測定装置は、
散乱流体に入射する計測光を発する光源手段と、
検出する前記計測光による第1のビート成分の周波数が、前記散乱流体とのドプラー効果により散乱流体流速に応じて変化するように構成された第1の干渉光学系と、
この第1の干渉光学系が検出する第1のビート成分の周波数と異なる周波数で変調された局発光と信号光とを干渉させることにより、前記ビート成分の周波数と異なる周波数の第2のビート成分を生じさせる第2の干渉光学系と、
前記第2のビート成分によるビート信号の、前記局発光の変調周波数からの周波数偏移を測定する偏移測定手段とからなることを特徴とするものである。
【0032】
なお上記第1の干渉光学系は、例えばホモダイン干渉光学系や、あるいはヘテロダイン干渉光学系からなるものが好適に用いられ得る。
【0033】
また上記偏移測定手段は、測定した周波数偏移の大きさから散乱流体の流速の絶対値を求めるように構成されるのが望ましい。
【0034】
【発明の効果】
まず、本発明による第1の血管の画像化装置における作用について説明する。この装置における上述のホモダイン干渉光学系により計測光を2系統に分岐し、分岐された各計測光を生体上の共通の照射点に互いに異なる方向から入射させ、そしてこの照射点で散乱反射した計測光を互いに合成する際、照射点において流体が流れていると、反射した計測光の周波数がドプラー効果により偏移する。
【0035】
分かりやすいように、2系統の計測光の一方が、生体に対面する面内の2点の一方を通過して散乱反射後に光軸上を通過する光路を辿り、2系統の計測光の他方が上記2点の他方を通過して散乱反射後に光軸上を通過する光路を辿る場合を考えると、散乱反射点が速度成分を有している場合、一方の計測光の周波数偏移はΔfとなり、他方の計測光の周波数偏移は−Δfとなる。そこで、これら2系統の計測光を散乱反射後に合成すると、計測光には干渉によって周波数2Δfのビート成分が発生する。
【0036】
したがって、計測光の走査位置毎に周波数2Δfのビート成分の有無を観測し、画像信号生成手段により、例えばこのビート成分が観測されたときは高濃度を担持する画像信号を生成し、ビート成分が観測されないときは比較的低濃度のバックグラウンドを担持する画像信号を生成すれば、流体が流れている部分つまり血管部を、他の軟組織と区別して高濃度で示す画像を得ることができる。
【0037】
そして、動脈部分と静脈部分は、以下のようにして識別することができる。上述した周波数偏移量Δfは流体流速に比例し、また動脈では静脈よりも血流速が速いので、計測光が動脈部分を照射した場合の周波数偏移量Δfaは、静脈部分を照射した場合の周波数偏移量Δfνと比べて、より大きな値をとる。そこで画像信号生成手段において、ビート成分検出信号(ビート信号)の周波数2Δfに対して適当な閾値を設定し、ビート信号周波数2Δfがこの閾値を上回るときは動脈部分を示す画像信号を生成し、ビート信号周波数2Δfがこの閾値を下回るときは静脈部分を示す画像信号を生成すれば、動脈部分と静脈部分とを互いに識別して画像化することができる。
【0038】
また、特にこのような閾値処理は行なわなくても、例えばビート信号周波数2Δfの値が大であるほどより高濃度を担持する画像信号を生成する等により、動脈部分と静脈部分とを濃度(輝度)差によって互いに識別して画像化することができる。
【0039】
なお、生体の血管部分で反射する計測光は極めて弱いものであるから、上記のビート信号も本来極めて微弱である。しかし本発明においては、前述した通りのヘテロダイン干渉光学系、周波数シフター、およびビート成分検出手段からなる光ヘテロダイン検出系を設けて、この光ヘテロダイン検出系が出力したビート信号を検出しているので、ホモダイン干渉光学系によるビート成分を示す信号の振幅は、光ヘテロダイン検出系によるビート成分が重畳されて、原理的には、ホモダイン検出系および光ヘテロダイン検出系によるビート信号振幅を各々A1、A2として(A2/A1)1/2 倍に増幅される。そこで、光ヘテロダイン検出系によるビート信号はその光量を任意に設定可能であるから、それを適宜設定することによりビート信号を高S/Nで検出可能となり、手足の表面から比較的深い位置にある末梢動脈等も明確に画像化できるようになる。
【0040】
また本発明の第1の血管の画像化装置において、ホモダイン干渉光学系によって分岐された各計測光の、共通の照射点に対する入射の方向が変化するように、生体とホモダイン干渉光学系との相対位置を調整する位置調整手段が設けられていると、ビート信号をより高S/Nで検出可能となる。
【0041】
すなわち、前述したように2系統の計測光が、生体に対面する面内の2点から相対する方向でそれぞれ入射する場合を考えると、ホモダイン干渉光学系によるビート成分の振幅は、血流が上記2点を結ぶ直線と平行な向きになっているとき最大となる。上述の位置調整手段が設けられていれば、それを操作することによって、計測光の入射の向きと血流の向きとの関係を上記のように設定し、高レベルのビート信号を得ることができる。
【0042】
なおその際には、計測光の入射の向きと血流の向きを特に確認する必要はなく、ビート信号をモニターしながら位置調整手段を操作して、ビート信号が最大強度を示したときにそれをサンプリングすればよい。
【0043】
一方、動脈流の流速は脈動に応じて変動し、その最低流速が静脈流の流速に極めて近づくこともある。したがって、そのように動脈流が最低流速となっているときにビート成分を検出すると、動脈と静脈との識別が不正確になることもあり得る。
【0044】
しかしここで、前述したように画像化対象の血管における血流速が所定の値となる時点を検出してタイミング信号を出力する同位相点検出手段が設けられるとともに、画像信号生成手段がこのタイミング信号に基づいて、血流速がほぼ最高となる時点のビート信号をサンプリングして、そのビート信号を画像信号の生成に供するように構成されていると、動脈を画像化する際に、常に動脈流が最高流速となる時点のビート信号に基づいて画像信号を生成可能となり、動脈流の流速変動のために動脈と静脈との識別が不正確になることを防止できる。
【0045】
次に、本発明による第2の血管の画像化装置における作用について説明する。この装置の干渉光学系により計測光を2系統に分岐し、分岐された各計測光を生体上の共通の照射点に互いに異なる方向から入射させ、そしてこの照射点で反射した計測光を互いに合成する際、照射点において流体が流れていると、反射した計測光の周波数がドプラー効果により偏移する。
【0046】
分かりやすいように、2系統の計測光の周波数が各々ω+Δω、ω(Δωは第1の周波数シフターによる周波数シフト量)であって、それらの一方が、生体に対面する面内の2点の一方を通過して散乱反射後に光軸上を通過する光路を辿り、他方は上記面内の2点の他方を通過して散乱反射後に光軸上を辿る場合を考えると、周波数偏移により一方の計測光の周波数はω+Δω+fa(fa:周波数偏移量)となり、他方の計測光の周波数はω−faとなる。そこで、これら2系統の計測光を反射後に合成すると、計測光には干渉によって周波数=ω+Δω+fa−(ω−fa)=Δω+2faのビート成分が発生する。また、流体の流れの方向が上記と正反対であれば、そのときの周波数偏移量をfνとして、周波数=ω+Δω−fν−(ω+fν)=Δω−2fνのビート成分が発生する。
【0047】
人体の手指部分等では、動脈流と静脈流は互いにほぼ反対方向に流れているので、計測光が動脈部分を照射している場合と、静脈部分を照射している場合とで、ビート成分の周波数は上述の通りに変化する。
【0048】
そこで画像信号生成手段において、ビート成分検出信号(ビート信号)の周波数に対してΔωと同程度の適当な閾値を設定し、ビート信号周波数がこの閾値を上回るときは動脈部分を示す画像信号を生成し、ビート信号周波数がこの閾値を下回るときは静脈部分を示す画像信号を生成する等により、動脈部分と静脈部分とを互いに識別して画像化することができる。
【0049】
なお、周波数が各々ω+Δω、ωの計測光の入射方向と、動脈流および静脈流の方向との相対関係によっては、上記と反対に、計測光が動脈部分を照射している場合は周波数シフト量Δωを低下させる方向に周波数が偏移し、計測光が静脈部分を照射している場合は周波数シフト量Δωを増大させる方向に周波数が偏移する。
【0050】
また、特に上述のような閾値処理は行なわなくても、例えばビート信号周波数の値が大であるほどより高濃度を担持する画像信号を生成する等により、動脈部分と静脈部分とを濃度(輝度)差によって互いに識別して画像化することができる。
【0051】
なお、生体の血管部分で反射する計測光は極めて弱いものであるから、上記のビート信号も本来極めて微弱である。しかし本発明においては、前述した通りの第2の光学系、第2の周波数シフター、およびビート成分検出手段からなる光ヘテロダイン検出系を設けて、この第2の光ヘテロダイン検出系が出力したビート信号を検出しているので、干渉光学系(第1のヘテロダイン干渉光学系)によるビート成分を示す信号の振幅は、第2の光ヘテロダイン検出系によるビート成分が重畳されて、原理的には、干渉光学系および第2の光ヘテロダイン検出系によるビート信号振幅を各々A1、A2として(A2/A1)1/2 倍に増幅される。そこで、ビート信号を高S/Nで検出可能となり、手足の表面から比較的深い位置にある末梢動脈等も明確に画像化できるようになる。
【0052】
また本発明の第2の血管の画像化装置において、干渉光学系によって分岐された各計測光の、共通の照射点に対する入射の方向が変化するように、生体と干渉光学系との相対位置を調整する位置調整手段が設けられていると、ビート信号をより高S/Nで検出可能となる。
【0053】
すなわち、前述したように2系統の計測光の一方が、生体に対面する面内の2点の一方を通過して散乱反射後に光軸上を通過する光路を辿り、2系統の計測光の他方が上記面内の2点の他方を通過して散乱反射後に同様に光軸上の光路を辿る場合を考えると、干渉光学系によるビート成分の振幅は、血流が上記2点を結ぶ直線と平行な向きになっているとき最大となる。上述の位置調整手段が設けられていれば、それを操作することによって、計測光の入射の向きと血流の向きとの関係を上記のように設定し、高レベルのビート信号を得ることができる。
【0054】
なおその際には、計測光の入射の向きと血流の向きを特に確認する必要はなく、ビート信号をモニターしながら位置調整手段を操作して、ビート信号が最大強度を示したときにそれをサンプリングすればよい。
【0055】
また、前述したように干渉光学系が2系統設けられて、これらの干渉光学系の一方における2系統の計測光の照射点への入射方向が、照射点に対面する面に写影されたとき該面内を一方向に延びる直線となる方向(x方向)に設定され、これらの干渉光学系の他方における2系統の計測光の照射点への入射方向が、前記面に写影されたとき前記直線と直角になる方向(y方向)に設定され、その上で画像信号生成手段が、それら2系統の干渉光学系によるビート成分の周波数偏移量をそれぞれfx,fyとしたとき、fx2+fy2 の値に基づいて画像信号を生成するように構成された場合は、計測光の入射の向きと血流の向きを特に上記のように設定しなくても、同様の効果が得られる。
【0056】
すなわち、上記x方向、y方向に対して任意の方向に流れる血流が存在するとき、図16に示すように血流の速度をvとし、x方向速度成分をvx、y方向速度成分をvyとすると、v2 =vx2 +vy2 である。そしてビート成分の周波数偏移量fx,fyはそれぞれvx、vyに比例するから、fx2+fy2 の値に基づいて画像信号を生成すれば、これはv2の値に基づいて、さらにはvの値に基づいて画像信号を生成することになり、結局、血流速度vの方向のみについてドプラー効果が生じた場合(これは、計測光の入射の向きと血流の向きとの関係が、位置調整手段により上記のように設定されている場合である)のビート信号周波数に基づいて画像信号を生成するのと同じ効果が得られる。
【0057】
以上、x方向とy方向とが互いに直角な場合について説明したが、本発明の第2の血管の画像化装置において干渉光学系が2系統設けられて、これらの干渉光学系の一方における2系統の計測光の照射点への入射方向が、照射点に対面する面に写影されたとき該面内を一方向に延びる直線となる方向(x’方向)に設定され、これらの干渉光学系の他方における2系統の計測光の照射点への入射方向が、前記面に写影されたとき前記直線と角度θ(0°<θ<90°)をなす方向(y’方向)に設定された場合でも、動脈と静脈とを識別して画像化することが可能である。以下、その点について詳しく説明する。
【0058】
上記のx’方向およびy’方向を図17に示すように規定し、それらの方向の速度成分を各々v1 、v2 とする。それらの方向なす角度を上述の通りθ(0°<θ<90°)とし、また、x’方向と血流方向とがなす角度をφとする。ここでまず、血流速度vおよび血流方向φを求めることを考える。図17より
【数1】
となる。上記式(2)よりvsinφ=v2 sinθ………(3)となる。この(3)式を(1)式に代入すると、
【数2】
【数3】
以上の(数2)および(数3)式より
【数4】
として血流速度vおよび血流方向φを求めることができる。血流速度vが分かれば、動脈と静脈との間の血流速の差から、それらを互いに識別して画像化できることは既述の場合と同様である。
【0059】
以上説明した本発明による血管の画像化装置においては、計測光が血管部分を照射した場合の周波数偏移量が、動脈を照射した場合と静脈を照射した場合とで異なることを利用し、動脈を静脈から区別して画像化するものであって、画像化の過程でビート成分検出信号(ビート信号)の周波数偏移量を求めている。そこでこのビート信号の周波数偏移量に基づけば、動脈と静脈とを区別することができる。本発明による血管の識別装置は、以上の仕組みによって血管を識別するものである。
【0060】
また本発明による周波数偏移測定装置は、上記の周波数偏移量を求める手法を、散乱流体全般を対象とした場合の周波数偏移測定に適用して、正確に周波数偏移を測定可能としたものである。
【0061】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0062】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態による血管の画像化装置を示す概略構成図である。この実施形態の装置は、波長λ(周波数ω)の計測光Lを発するレーザー10と、ホモダイン干渉光学系11と、ヘテロダイン干渉光学系12と、このヘテロダイン干渉光学系12から出射した計測光Lを受光する受光素子13と、この受光素子13に接続された信号検出器14と、この信号検出器14に接続されて該信号検出器14とともに画像信号生成手段を構成するパーソナルコンピュータ15と、このパーソナルコンピュータ15に接続された、例えばCRT表示装置等からなる画像モニター16とを有している。
【0063】
また、血管画像化の対象である被検体(例えば人体の指等)20を載置して2次元方向に移動し、かつ回転し得るX−Y−θステージ21が設けられている。このX−Y−θステージ21の駆動は、上記パーソナルコンピュータ20によって制御されるようになっている。さらに、被検体20を提供している人体25には心電計からなる同期用心拍信号検出手段26が取り付けられている。この同期用心拍信号検出手段26は、パーソナルコンピュータ15に接続されている。
【0064】
ホモダイン干渉光学系11は、レーザー10から出射した計測光Lを2系統に分岐するハーフミラー30と、ここで反射、分岐した計測光Lをさらに2系統に分岐するハーフミラー31と、このハーフミラー31で反射した計測光Lを反射させるミラー32と、このミラー32で反射した計測光Lを反射させる一方、上記ハーフミラー30を透過して来た計測光Lを透過させて、これら2系統の計測光Lを互いに芯ズレした状態で平行に進行するように合成するハーフミラー33と、このハーフミラー33を経た2系統の計測光Lを被検体20の内部で収束させる集光レンズ34と、被検体20で反射した計測光Lを反射させて、被検体20に向かう計測光Lの光路から分岐させるハーフミラー35と、このハーフミラー35で反射した計測光Lを集光する集光レンズ36および37とから構成されている。ここで、集光レンズ37から出射する計測光Lは、ヘテロダイン干渉光学系12の信号光LSとなる。
【0065】
一方ヘテロダイン干渉光学系12は、上記のハーフミラー31、35および集光レンズ36、37に加えて、ハーフミラー31を透過して来た計測光Lを反射させるミラー38と、ここで反射した計測光Lとハーフミラー35で反射後に集光レンズ36および37によって集光された計測光Lとを合成するハーフミラー39とを設けて構成されている。
【0066】
そして、上記ミラー38で反射した計測光Lの光路には、例えばAOMから構成されてこの計測光Lに中心周波数Δωの所定の周波数シフトを与える周波数シフター40が挿入されている。ここで、上記中心周波数Δωの周波数シフトが与えられた計測光Lは、ヘテロダイン干渉光学系12の局発光LLとなる。
【0067】
以下、上記構成を有する本実施形態の装置の作用について説明する。被検体20の血管画像を得る際には、レーザー10から発せられた計測光Lが被検体20に照射され、それとともにX−Y−θステージ21の駆動により、レーザー10が被検体20をX−Y方向に2次元走査する。このとき、前述したように2系統の計測光Lが互いに芯ズレした状態で集光レンズ34に入射するので、これら2系統の計測光Lが被検体20内の共通の照射点に互いに異なる方向から入射する。
【0068】
図2は、この状態を概略的に示すものである。ここに図示の通り、一方の系統の計測光Lは実線表示の光路を辿って照射点Pに至り、そこで散乱反射後は集光レンズ34により集光され、光軸上を辿って被検体20から出射する。また他方の系統の計測光Lは破線表示の光路を辿って照射点Pに至り、そこで散乱反射後は同様に集光レンズ34により集光され、光軸上を辿って被検体20から出射する。
【0069】
このとき照射点Pが血管部にあると、血流の影響で、散乱反射した各計測光Lの周波数がドプラー効果により偏移する。この場合、一方の系統の計測光Lにおける周波数偏移をΔfとすると、他方の計測光Lの周波数偏移は−Δfとなる。これら2系統の計測光Lは散乱反射後に集光レンズ34により合成されるが、それぞれの周波数が上記のように偏移しているので、合成後の計測光Lすなわち信号光LSには干渉によって周波数2Δfのビート成分が発生する。
【0070】
このホモダイン干渉光学系11によるビート成分を含む信号光LSはハーフミラー35により、被検体20に向かう計測光Lの光路から分岐され、集光レンズ36および37によって集光された後、ヘテロダイン干渉光学系12のハーフミラー39に入射する。このハーフミラー39には、周波数シフター40により中心周波数Δωの周波数シフトが与えられた局発光LLも入射し、そこで上記集光レンズ36および37からの信号光LSと合成される。
【0071】
こうしてヘテロダイン干渉光学系12によって合成された後の計測光Lには、干渉によって中心周波数Δωのビート成分が発生し、それと上記周波数2Δfのビート成分が重畳されるので、この周波数2Δfのビート成分の振幅は原理的に、ホモダイン検出系および光ヘテロダイン検出系によるビート信号振幅を各々A1、A2として(A2/A1)1/2 倍に増幅される。
【0072】
ハーフミラー39を経た計測光Lは、受光素子13によって光電的に検出される。この受光素子13の出力は、上記周波数2Δfのビート成分によるビート信号Iを含むものであり、該出力は信号検出器14に入力される。この信号検出器14は、例えばバンドパスフィルターとレベル検出器等から構成されたもので、上記ビート信号Iを抽出してパーソナルコンピュータ15に入力する。
【0073】
パーソナルコンピュータ15は、ビート信号Iの周波数2Δfに対して図3に示すような閾値ftを設定し、周波数2Δfがこの閾値ftを上回るときは比較的高濃度(低輝度)を担持する画像信号を、周波数2Δfが閾値以下の場合は比較的低濃度(高輝度)のバックグラウンドを担持する画像信号を生成し、それらの画像信号を画像モニター16に入力させる。
【0074】
先に述べた通り、ホモダイン干渉光学系11による周波数偏移量Δfは流体流速に比例し、また動脈では静脈よりも血流速が速いので、計測光Lが動脈部分を照射した場合の周波数偏移量Δfaは、静脈部分を照射した場合の周波数偏移量Δfνと比べて、より大きな値をとる。図3に示す通り閾値ftは、実験あるいは経験に基づいて求められた周波数2Δfaと2Δfνとの間に設定されたものである。したがって、パーソナルコンピュータ15によって生成される上記高濃度(低輝度)を担持する画像信号は、動脈部分を示すものとなる。
【0075】
パーソナルコンピュータ15からは、計測光Lの2次元走査位置毎にこのような画像信号、あるいはバックグラウンドを担持する画像信号が生成される。そこでこれらの画像信号に基づいて、画像モニター16において画像を表示させれば、動脈部分のみが比較的高濃度で示された画像が得られる。
【0076】
なお、周波数2Δfが閾値ftを下回るときは比較的高濃度(低輝度)を担持する画像信号を、周波数2Δfが閾値以上の場合は比較的低濃度(高輝度)のバックグラウンドを担持する画像信号を生成し、それらの画像信号を画像モニター16に入力すれば、静脈部分のみが比較的高濃度で示された画像を得ることができる。
【0077】
ここで、生体の血管部分で反射する計測光Lは極めて弱いものであるから、上記のビート信号Iも本来極めて微弱である。しかし、上述した通り本装置においては、光ヘテロダイン検出系を設けたことによりビート信号Iの振幅は、光ヘテロダイン検出系を設けない場合と比べて前述の通りに増幅されている。そこで、ビート信号Iを高S/Nで検出可能となり、手足の表面から比較的深い位置にある末梢動脈等も明確に画像化できるようになる。
【0078】
なおX−Y−θステージ21は、既述のようにX−Y方向に移動し得る他、図1においてほぼ左右方向に延びる軸を中心としてθ方向に回転可能である。以下、このX−Y−θステージ21の回転に関して、図4も参照して説明する。
【0079】
この図4は、集光レンズ34から被検体20に向けて出射する2系統の計測光Lと、血流との相対位置関係を示すものである。ホモダイン干渉光学系11によるビート成分の振幅は、同図(1)のように、被検体20に対面する面内で2系統の計測光Lを結ぶ直線a−a’に対して血流が平行な向きになっているときに最大となる。そこで、同図(2)のように、直線a−a’に対して血流が平行になっていない場合は、同図(3)のようにX−Y−θステージ21を回転させて、ホモダイン干渉光学系11に対する被検体20の相対位置を調整することにより、同図(1)の状態に設定することができる。このようにすれば、ビート信号Iをより高S/Nで検出可能となる。
【0080】
なおその際には、計測光Lの入射の向きと血流の向きを特に確認する必要はなく、ビート信号IをモニターしながらX−Y−θステージ21を操作して、ビート信号Iが最大強度を示したときにそれをサンプリングすればよい。
【0081】
しかし、被検体20が手指等であって、画像化対象の血管の延びる方向が分かりやすい場合は、ホモダイン干渉光学系11と被検体20との相対位置を調整することは、必ずしも必要ではない。つまり図5に示すように、被検体20である手指において動脈20aはほぼ手指の長手方向に延びているので、この方向に対して上記直線a−a’が平行となるように予め被検体20を固定すればよい。なお図5中の20vは、静脈を示している。
【0082】
一方、動脈流の流速は脈動に応じて変動し、その最低流速が静脈流の流速に極めて近づくこともある。したがって、そのように動脈流が最低流速となっているときにホモダイン干渉光学系11によるビート成分を検出すると、動脈と静脈との識別が不正確になることもあり得る。
【0083】
同期用心拍信号検出手段26は、この問題の発生を防止するために設けられている。つまり、同位相点検出手段としてのこの同期用心拍信号検出手段26は、図6(1)に示すような心電計の出力波形をモニターし、最高電位が検出された時点でパーソナルコンピュータ15にタイミング信号Stを入力する。パーソナルコンピュータ15は、このタイミング信号Stが入力されてから所定時間が経過した時点でビート信号Iをサンプリングして、そのビート信号Iを画像信号の生成に供する。
【0084】
図6(2)には、動脈血流速の変化の様子を概略的に示してある。この動脈血流速は、同図(1)の心電計出力波形と時間軸上で図示の通りに対応している。そこで、パーソナルコンピュータ15がタイミング信号Stに基づいて上記のようにビート信号Iをサンプリングすれば、常に動脈流がほぼ最高流速となる時点のビート信号Iから画像信号を生成可能となり、動脈流の流速変動のために動脈と静脈との識別が不正確になることを防止できる。
【0085】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図7は、本発明の第2実施形態による血管の画像化装置の概略構成を示すものである。なおこの図7において、図1中の要素と同等の要素には同番号を付し、それらについての説明は特に必要の無い限り省略する(以下、同様)。
【0086】
この第2の実施形態の装置においては、図1の装置におけるX−Y−θステージ21と同様に2次元移動および回転が可能なピックアップ50が設けられ、このピックアップ50には集光レンズ34と、ハーフミラー35と、集光レンズ36および37とが搭載されている。さらにこのピックアップ50には、ハーフミラー35越しに集光レンズ34上の互いに異なる位置に対向するロッドレンズ51および52が固定されている。
【0087】
一方ピックアップ50の外には、ハーフミラー30を透過した計測光Lが入射する位置にロッドレンズ53が、ハーフミラー31で反射した計測光Lが入射する位置にロッドレンズ54が、そしてハーフミラー39越しに受光素子13に対向する位置にロッドレンズ55がそれぞれ配設されている。
【0088】
ロッドレンズ53は、光ファイバー56を介してロッドレンズ51と光学的に接続されている。そこで、ハーフミラー30を透過した計測光Lはロッドレンズ53で集光されて光ファイバー56に入射し、そこを伝搬してロッドレンズ51から出射し、集光レンズ34を経て被検体20中の一点を照射する。またロッドレンズ54は、光ファイバー57を介してロッドレンズ52と光学的に接続されている。そこで、ハーフミラー31で反射した計測光Lはロッドレンズ54で集光されて光ファイバー57に入射し、そこを伝搬してロッドレンズ52から出射し、集光レンズ34を経て被検体20中の一点を照射する。
【0089】
一方、ロッドレンズ55は、光ファイバー58を介して集光レンズ37と光学的に接続されている。そこで、被検体20で反射した後にハーフミラー35で反射し、集光レンズ36、37によって集光された計測光Lは光ファイバー58に入射し、そこを伝搬してロッドレンズ55から出射し、受光素子13に受光される。
【0090】
以上の通り本例においては、ピックアップ50に搭載された光学要素と該ピックアップ50の外の光学要素とが、可撓性の有る光ファイバーを介して結合されているので、ピックアップ50を移動させて計測光Lの2次元走査を行なうことができ、またピックアップ50を回転させて、計測光Lの入射の向きと血流の向きとの関係を最適に設定することができる。
【0091】
またこの実施形態においては、図1の装置における同期用心拍信号検出手段26に代えて同期用周波数検出手段60が設けられている。同位相点検出手段としてのこの同期用周波数検出手段60は、信号検出器14から出力されるビート信号Iをモニターし、その周波数が最高値となった時点でパーソナルコンピュータ15にタイミング信号Stを入力する。パーソナルコンピュータ15は、このタイミング信号Stが入力された時点でビート信号Iをサンプリングして、そのビート信号Iを画像信号の生成に供する。
【0092】
以上によりこの場合も、常に動脈流がほぼ最高流速となる時点のビート信号Iから画像信号を生成可能となり、動脈流の流速変動のために動脈と静脈との識別が不正確になることを防止できる。
【0093】
<第3実施形態>
図8は、本発明の第3実施形態による血管の画像化装置を示す概略構成図である。この実施形態の装置は、波長λ(周波数ω)の計測光Lを発するレーザー110と、干渉光学系を構成する第1の光学系111と、光ヘテロダイン検出系を構成する第2の光学系112と、この第2の光学系112から出射した計測光Lを受光する受光素子113と、この受光素子113に接続された信号検出器114と、この信号検出器114に接続されて該信号検出器114とともに画像信号生成手段を構成するパーソナルコンピュータ115と、このパーソナルコンピュータ115に接続された、例えばCRT表示装置等からなる画像モニター116とを有している。
【0094】
また、血管画像化の対象である被検体(例えば人体の指等)120を載置して2次元方向に移動し、かつ回転し得るX−Y−θステージ121が設けられている。このX−Y−θステージ121の駆動は、上記パーソナルコンピュータ120によって制御されるようになっている。さらに、被検体120を提供している人体125には心電計からなる同期用心拍信号検出手段126が取り付けられている。この同期用心拍信号検出手段126は、パーソナルコンピュータ115に接続されている。
【0095】
第1の光学系111は、レーザー110から出射した計測光Lを2系統に分岐するハーフミラー130と、ここで反射、分岐した計測光Lをさらに2系統に分岐するハーフミラー131と、このハーフミラー131で反射した計測光Lを反射させるミラー132と、このミラー132で反射した計測光Lを反射させる一方、上記ハーフミラー130を透過して来た計測光Lを透過させて、これら2系統の計測光Lを互いに芯ズレした状態で平行に進行するように合成するハーフミラー133と、このハーフミラー133を経た2系統の計測光Lを被検体120の内部で収束させる集光レンズ134と、被検体120で散乱反射した計測光Lを反射させて、被検体120に向かう計測光Lの光路から分岐させるハーフミラー135と、このハーフミラー135で反射した計測光Lを集光する集光レンズ136および137とから構成されている。
【0096】
そして、上記ハーフミラー131で反射した計測光Lの光路には、例えばAOMから構成されてこの計測光Lに中心周波数Δωの所定の周波数シフトを与える第1の周波数シフター122が挿入されている。
【0097】
一方第2の光学系112は、上記のハーフミラー131、135および集光レンズ136、137に加えて、ハーフミラー131を透過して来た計測光Lを反射させるミラー138と、ここで反射した計測光Lとハーフミラー135で反射後に集光レンズ136および137によって集光された計測光Lとを合成するハーフミラー139とを設けて構成されている。
【0098】
そして、上記ミラー138で反射した計測光Lの光路には、例えばAOMから構成されてこの計測光Lに中心周波数Δω1の所定の周波数シフトを与える第2の周波数シフター140が挿入されている。
【0099】
以下、上記構成を有する本実施形態の装置の作用について説明する。被検体120の血管画像を得る際には、レーザー110から発せられた計測光Lが被検体120に照射され、それとともにX−Y−θステージ121の駆動により、レーザー110が被検体120をX−Y方向に2次元走査する。このとき、前述したように2系統の計測光Lが互いに芯ズレした状態で集光レンズ134に入射するので、これら2系統の計測光Lが被検体120内の共通の照射点に互いに異なる方向から入射する。
【0100】
図9は、この状態を概略的に示すものである。ここに図示の通り、一方の系統の周波数ωの計測光Lは実線表示の光路を辿って照射点Pに至り、そこで散乱反射後は光軸上の光路を辿って被検体120から出射する。また他方の系統の周波数(ω+Δω)の計測光Lは破線表示の光路を辿って照射点Pに至り、そこで散乱反射後は同様に光軸上の光路を辿って被検体120から出射する。
【0101】
これら2系統の計測光Lは散乱反射後に合成されるが、このとき照射点Pに血流が無ければ、合成後の計測光Lには干渉によって周波数Δωのビート成分が発生する。しかし、照射点Pが血管部にある場合は、血流の影響で、反射した各計測光Lの周波数がドプラー効果により偏移する。照射点Pが動脈部分にあるときの反射計測光Lの周波数をω+Δω+fa(fa:周波数偏移量)とすると、他方の計測光Lの周波数はω−faとなる。そこで、これら2系統の計測光Lを反射後に合成すると、計測光Lには干渉によって周波数=ω+Δω+fa−(ω−fa)=Δω+2faのビート成分が発生する。
【0102】
他方、照射点Pが静脈部分にある場合を考えると、人体の手指等において動脈流と静脈流の方向は互いにほぼ反対向きであるので、周波数偏移量をfνとすると、周波数=ω+Δω−fν−(ω+fν)=Δω−2fνのビート成分が発生する。
【0103】
この第1の光学系111によるビート成分を含む計測光Lはハーフミラー135により、被検体120に向かう計測光Lの光路から分岐され、集光レンズ136および137によって集光された後、第2の光学系112のハーフミラー139に入射する。このハーフミラー139には、第2の周波数シフター140により中心周波数Δω1の周波数シフトが与えられた計測光Lも入射し、そこで上記集光レンズ136および137からの計測光Lと合成される。
【0104】
こうして合成された後の計測光Lには、第2の周波数シフター140からの計測光Lと、集光レンズ136および137からの計測光Lとの干渉によって周波数Δω1のビート成分が発生し、それと上記周波数(Δω+2fa)あるいは(Δω−2fν)のビート成分が重畳されるので、この周波数(Δω+2fa)あるいは(Δω−2fν)のビート成分の振幅は原理的に、第1の光学系111からなる干渉光学系および第2の光学系112からなる光ヘテロダイン検出系によるビート信号振幅を各々A1、A2として(A2/A1)1/2 倍に増幅される。
【0105】
ハーフミラー139を経た計測光Lは、受光素子113によって光電的に検出される。この受光素子113の出力は、最終的には周波数(Δω−Δω1+2fa)あるいは(Δω−Δω1−2fν)のビート信号Iとなり、該出力は信号検出器114に入力される。この信号検出器114は、例えばバンドパスフィルターとレベル検出器等から構成されたもので、上記ビート信号Iを抽出してパーソナルコンピュータ115に入力する。
【0106】
パーソナルコンピュータ115は、ビート信号Iの周波数(Δω−Δω1+2fa)あるいは(Δω−Δω1−2fν)に対して図10に示すように閾値Δω−Δω1を設定し、ビート信号Iの周波数がこの閾値Δω−Δω1を上回るときは比較的高濃度(低輝度)を担持する画像信号を、ビート信号Iの周波数がこの閾値Δω−Δω1以下の場合は比較的低濃度(高輝度)のバックグラウンドを担持する画像信号を生成し、それらの画像信号を画像モニター116に入力させる。上記高濃度(低輝度)を担持する画像信号は、動脈部分を示すものとなる。
【0107】
パーソナルコンピュータ115からは、計測光Lの2次元走査位置毎にこのような画像信号、あるいはバックグラウンドを担持する画像信号が生成される。そこでこれらの画像信号に基づいて、画像モニター116において画像を表示させれば、動脈部分のみが比較的高濃度で示された画像が得られる。
【0108】
なお、ビート信号Iの周波数が閾値Δω−Δω1を下回るときは比較的高濃度(低輝度)を担持する画像信号を、ビート信号Iの周波数が閾値Δω−Δω1以上の場合は比較的低濃度(高輝度)のバックグラウンドを担持する画像信号を生成し、それらの画像信号を画像モニター116に入力すれば、静脈部分のみが比較的高濃度で示された画像を得ることができる。
【0109】
ここで、生体の血管部分で反射する計測光Lは極めて弱いものであるから、上記のビート信号Iも本来極めて微弱である。しかし、上述した通り本装置においては、第2の光学系112、第2の周波数シフター140および受光素子113からなる光ヘテロダイン検出系を設けたことによりビート信号Iの振幅は、光ヘテロダイン検出系を設けない場合と比べて増幅されている。そこで、ビート信号Iを高S/Nで検出可能となり、手足の表面から比較的深い位置にある末梢動脈等も明確に画像化できるようになる。
【0110】
なおX−Y−θステージ121をθ方向に回転させることにより、ビート信号Iをより高S/Nで検出可能となることは、先に図4を参照して説明した第1実施形態の場合と同様である。
【0111】
また、被検体120が手指等であって、画像化対象の血管の延びる方向が分かりやすい場合は、第1の光学系111と被検体120との相対位置を調整することは、必ずしも必要ではない。これも、先に図5を参照して説明した第1実施形態の場合と同様である。
【0112】
さらに、同期用心拍信号検出手段126による作用、効果は、先に図6を参照して説明した第1実施形態の同期用心拍信号検出手段26の作用、効果と同様である。 <第4実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図11は、本発明の第4実施形態による血管の画像化装置の概略構成を示すものである。
【0113】
この第4の実施形態の装置においては、図8の装置におけるX−Y−θステージ121と同様に2次元移動および回転が可能なピックアップ150が設けられ、このピックアップ150には集光レンズ134と、ハーフミラー135と、集光レンズ136および137とが搭載されている。さらにこのピックアップ150には、ハーフミラー135越しに集光レンズ134上の互いに異なる位置に対向するロッドレンズ151および152が固定されている。
【0114】
一方ピックアップ150の外には、ハーフミラー130を透過した計測光Lが入射する位置にロッドレンズ153が、ハーフミラー131で反射した計測光Lが入射する位置にロッドレンズ154が、そしてハーフミラー139越しに受光素子113に対向する位置にロッドレンズ155がそれぞれ配設されている。
【0115】
ロッドレンズ153は、光ファイバー156を介してロッドレンズ151と光学的に接続されている。そこで、ハーフミラー130を透過した計測光Lはロッドレンズ153で集光されて光ファイバー156に入射し、そこを伝搬してロッドレンズ151から出射し、集光レンズ134を経て被検体120中の一点を照射する。またロッドレンズ154は、光ファイバー157を介してロッドレンズ152と光学的に接続されている。そこで、ハーフミラー131で反射した計測光Lはロッドレンズ154で集光されて光ファイバー157に入射し、そこを伝搬してロッドレンズ152から出射し、集光レンズ134を経て被検体120中の一点を照射する。
【0116】
一方、ロッドレンズ155は、光ファイバー158を介して集光レンズ137と光学的に接続されている。そこで、被検体120で反射した後にハーフミラー135で反射し、集光レンズ136、137によって集光された計測光Lは光ファイバー158に入射し、そこを伝搬してロッドレンズ155から出射し、受光素子113に受光される。
【0117】
以上の通り本例においては、ピックアップ150に搭載された光学要素と該ピックアップ150の外の光学要素とが、可撓性の有る光ファイバーを介して結合されているので、ピックアップ150を移動させて計測光Lの2次元走査を行なうことができ、またピックアップ150を回転させて、計測光Lの入射の向きと血流の向きとの関係を最適に設定することができる。
【0118】
またこの実施形態においては、図8の装置における同期用心拍信号検出手段126に代えて同期用周波数検出手段160が設けられている。同位相点検出手段としてのこの同期用周波数検出手段160は、信号検出器114から出力されるビート信号Iをモニターし、その周波数が最高値となった時点でパーソナルコンピュータ115にタイミング信号Stを入力する。パーソナルコンピュータ115は、このタイミング信号Stが入力された時点でビート信号Iをサンプリングして、そのビート信号Iを画像信号の生成に供する。
【0119】
以上によりこの場合も、常に動脈流がほぼ最高流速となる時点のビート信号Iから画像信号を生成可能となり、動脈流の流速変動のために動脈と静脈との識別が不正確になることを防止できる。
【0120】
なお以上の説明から明かな通り、計測光Lが被検体120の動脈を横切るように走査する際、照射点Pが動脈から全く外れているとビート信号Iの周波数はΔωとなり、照射点Pが動脈上にある場合は、照射点Pが動脈の中央付近にあるか側端付近にあるかに応じて、ビート信号Iの周波数は図12にAで示す範囲内の値を取る。このことを利用して、被検体120の動脈を横切るように計測光Lを走査させ、ビート信号Iの周波数がΔω+2faから次第に低下してΔωに達したならば走査の方向を反転させる等により、余分な部位について計測光Lが走査することを回避して、ほぼ動脈部分のみを画像化することも可能である。
【0121】
<第5実施形態>
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。図13は、本発明の第5実施形態による血管の画像化装置の概略構成を示すものである。この第5実施形態の画像化装置は図11の装置と比較すると、基本的に、2系統の第1の光学系111x,111yが設けられている点と、2次元移動および回転が可能なピックアップ150に代えて、X,Y方向の2次元移動のみ可能なピックアップ170が設けられている点が異なるものである。
【0122】
上記ピックアップ170には集光レンズ134と、ハーフミラー135と、集光レンズ136および137とが搭載されている。さらにこのピックアップ170には、ハーフミラー135越しに集光レンズ134上の互いに異なる位置に対向するロッドレンズ151x,151y,152xおよび152yが固定されている。
【0123】
一方ピックアップ150の外には、ハーフミラー130とミラー138との間に3個のハーフミラー131a,131bおよび131cが配され、ハーフミラー130を透過した計測光Lが入射する位置にロッドレンズ153xが、ハーフミラー131aで反射した計測光Lが入射する位置にロッドレンズ154xが、ハーフミラー131bで反射した計測光Lが入射する位置にロッドレンズ153yが、ハーフミラー131cで反射した計測光Lが入射する位置にロッドレンズ154yが配され、そしてハーフミラー139越しに受光素子113に対向する位置にロッドレンズ155がそれぞれ配設されている。
【0124】
また、レーザー110から出射した周波数ωの計測光Lは、ハーフミラー130を透過した後に周波数シフター122x1により+Δωx1の周波数シフトを受け、ハーフミラー131aで反射した後に周波数シフター122x2により+Δωx2の周波数シフトを受け、ハーフミラー131bで反射した後に周波数シフター122y1により+Δωy1の周波数シフトを受け、ハーフミラー131cで反射した後に周波数シフター122y2により+Δωy2の周波数シフトを受ける。
【0125】
ロッドレンズ153xは、光ファイバー156xを介してロッドレンズ151xと光学的に接続されている。そこで、ハーフミラー130を透過した周波数(ω+Δωx1)の計測光Lはロッドレンズ153xで集光されて光ファイバー156xに入射し、そこを伝搬してロッドレンズ151xから出射し、集光レンズ134を経て被検体120中の一点を照射する。
【0126】
ロッドレンズ154xは、光ファイバー157xを介してロッドレンズ152xと光学的に接続されている。そこで、ハーフミラー131aで反射した周波数(ω+Δωx2)の計測光Lはロッドレンズ154xで集光されて光ファイバー157xに入射し、そこを伝搬してロッドレンズ152xから出射し、集光レンズ134を経て被検体120中の一点を照射する。
【0127】
ロッドレンズ153yは、光ファイバー156yを介してロッドレンズ151yと光学的に接続されている。そこで、ハーフミラー131bで反射した周波数(ω+Δωy1)の計測光Lはロッドレンズ153yで集光されて光ファイバー156yに入射し、そこを伝搬してロッドレンズ151yから出射し、集光レンズ134を経て被検体120中の一点を照射する。
【0128】
ロッドレンズ154yは、光ファイバー157yを介してロッドレンズ152yと光学的に接続されている。そこで、ハーフミラー131cで反射した周波数(ω+Δωy2)の計測光Lはロッドレンズ154yで集光されて光ファイバー157yに入射し、そこを伝搬してロッドレンズ152yから出射し、集光レンズ134を経て被検体120中の一点を照射する。
【0129】
一方、ロッドレンズ155は、光ファイバー158を介して集光レンズ137と光学的に接続されている。そこで、被検体120で散乱反射した後にハーフミラー135で反射し、集光レンズ136、137によって集光された計測光Lは光ファイバー158に入射し、そこを伝搬してロッドレンズ155から出射し、受光素子113に受光される。
【0130】
以上の通り本例においては、ピックアップ170に搭載された光学要素と該ピックアップ170の外の光学要素とが、可撓性の有る光ファイバーを介して結合されているので、ピックアップ170を移動させて計測光Lの2次元走査を行なうことができる。
【0131】
ここで、ピックアップ170に固定されているロッドレンズ151x,152x,151yおよび152yは、各々から出射した計測光Lが図14に示す状態で進行するように配置されている。すなわちこの図14では、ロッドレンズ151x,152x,151yおよび152yの各々から出射した計測光をLx1,Lx2,Ly1およびLy2として示してあるが、光学系111x側の2系統の計測光Lx1,Lx2の照射点Pへの入射方向は、照射点Pに対面する面(例えば集光レンズ134の光軸に垂直な面)に写影されたとき該面内を一方向(x方向)に延びる直線となる方向に設定され、それに対して光学系111y側の2系統の計測光Ly1,Ly2の照射点Pへの入射方向は、上記面に写影されたとき上記直線と直角になる方向(y方向)に設定されている。
【0132】
なお既述の各実施形態におけるのと同様に、2系統の計測光Lx1,Lx2の照射点Pへの入射方向は互いに反対方向で、照射点Pで散乱反射した後は、集光レンズ134の光軸上の光路を辿るように設定されている。これは計測光Ly1,Ly2についても同様である。
【0133】
以上の構成により、得られるビート信号Iの波形は図15に示すようなものとなる。つまり、計測光Lが動脈部分を照射しているときは、光学系111x側による周波数(Δωx1−Δωx2−Δω1+2fa)のビート成分が検出されるとともに、光学系111y側による周波数(Δωy1−Δωy2−Δω1+2fa’)のビート成分が検出される。また、計測光Lが静脈部分を照射しているときは、光学系111x側による周波数(Δωx1−Δωx2−Δω1−2fν)のビート成分が検出されるとともに、光学系111y側による周波数(Δωy1−Δωy2−Δω1−2fν’)のビート成分が検出される。
【0134】
そしてこの場合パーソナルコンピュータ115は、それら2系統の干渉光学系によるビート成分の周波数偏移量をそれぞれfx,fyとしたとき、fx2+fy2 の値に基づいて画像信号を生成する。すなわち、上記周波数(Δωx1−Δωx2−Δω1+2fa)のビート成分と周波数(Δωy1−Δωy2−Δω1+2fa’)のビート成分が検出されている場合は、fa2+fa’2の値に基づいて画像信号を生成し、上記周波数(Δωx1−Δωx2−Δω1−2fν)のビート成分と周波数(Δωy1−Δωy2−Δω1−2fν’)のビート成分が検出されている場合は、fν2+fν’2の値に基づいて画像信号を生成する。
【0135】
このようにすることにより、図14に即して説明すれば、計測光Lx1とLx2のみを使用してx方向を血流方向に合わせた場合や、計測光Ly1とLy2のみを使用してy方向を血流方向に合わせた場合と同様の効果が得られる。その理由は、先に詳しく説明した通りである。
【0136】
そこで本実施形態においては、ピックアップ170を、図11の装置のピックアップ150のようにθ方向に回転させる必要がなくなっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による血管の画像化装置を示す概略構成図
【図2】上記画像化装置における計測光の一部の光路を示す側面図
【図3】上記画像化装置において生じるビート信号と閾値との関係を示す概略図
【図4】上記画像化装置における計測光の入射の向きと血流の向きとの関係を示す概略図
【図5】上記画像化装置が取り扱う被検体の概略側面図
【図6】心電計の出力波形と動脈血流速の時間変化を示すグラフ
【図7】本発明の第2実施形態による血管の画像化装置を示す概略構成図
【図8】本発明の第3実施形態による血管の画像化装置を示す概略構成図
【図9】上記画像化装置における計測光の一部の光路を示す側面図
【図10】上記画像化装置において生じるビート信号と閾値との関係を示す概略図
【図11】本発明の第4実施形態による血管の画像化装置を示す概略構成図
【図12】計測光の血管に対する照射位置に応じた、ビート信号周波数の変化を説明する概略図
【図13】本発明の第5実施形態による血管の画像化装置を示す概略構成図
【図14】上記第5実施形態の画像化装置における計測光の一部の光路を示す斜視図
【図15】上記第5実施形態の画像化装置におけるビート信号の波形を説明する概略図
【図16】血流速度の相直交する方向の成分を説明する概略図
【図17】血流速度の相異なる2方向の成分を説明する概略図
【符号の説明】
10 レーザー
11 ホモダイン干渉光学系
12 ヘテロダイン干渉光学系
13 受光素子
14 信号検出器
15 パーソナルコンピュータ
16 画像モニター
20 被検体
21 X−Y−θステージ
25 人体
26 同期用心拍信号検出手段
30、31、33、35、39 ハーフミラー
32、38 ミラー
34、36、37 集光レンズ
40 周波数シフター
50 ピックアップ
51、52、53、54、55 ロッドレンズ
56、57、58 光ファイバー
60 同期用周波数検出手段
110 レーザー
111、111x、111y 第1の光学系
112 第2の光学系
113 受光素子
114 信号検出器
115 パーソナルコンピュータ
116 画像モニター
120 被検体
121 X−Y−θステージ
122、122x1、122x2、122y1、122y2 第1の周波数シフター
125 人体
126 同期用心拍信号検出手段
130、131、131a、131b、131c、133、135、139 ハーフミラー
132、138 ミラー
134、136、137 集光レンズ
140 第2の周波数シフター
150 ピックアップ
151、151x、151y ロッドレンズ
152、152x、152y ロッドレンズ
153、153x、153y ロッドレンズ
154、154x、154y ロッドレンズ
155 ロッドレンズ
156、156x、156y 光ファイバー
157、157x、157y 光ファイバー
158 光ファイバー
160 同期用周波数検出手段
170 ピックアップ
Claims (27)
- 生体に入射する計測光を発する光源手段と、
この計測光を前記生体に対して走査させる走査手段と、
前記計測光を2系統に分岐し、分岐された各計測光を生体中の共通の照射点に互いに異なる方向から入射させる一方、前記照射点で反射した計測光を互いに合成するホモダイン干渉光学系と、
前記計測光の一部を前記生体に入射する前の光路から分岐した後、前記ホモダイン光学系から出射した計測光と合成するヘテロダイン干渉光学系、このヘテロダイン干渉光学系により分岐がなされて2系統の光路を進む該計測光に互いに周波数差を与える周波数シフター、および前記ヘテロダイン干渉光学系で合成された後の計測光のビート成分を検出する手段を備えてなる光ヘテロダイン検出系と、
この光ヘテロダイン検出系が出力したビート成分検出信号の、前記ホモダイン干渉光学系によるビート成分の周波数の値に基づいて画像信号を生成する画像信号生成手段とからなる血管の画像化装置。 - 前記画像信号生成手段が、前記ホモダイン干渉光学系によるビート成分の周波数が所定の閾値よりも大となるときに、生体の動脈部分を示す画像信号を生成するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の血管の画像化装置。
- 前記画像信号生成手段が、前記ホモダイン干渉光学系によるビート成分の周波数が所定の閾値よりも小となるときに、生体の静脈部分を示す画像信号を生成するように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の血管の画像化装置。
- 前記ホモダイン干渉光学系により分岐された各計測光の、前記共通の照射点に対する入射の方向が変化するように、該生体とホモダイン干渉光学系との相対位置を調整する位置調整手段が設けられていることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の血管の画像化装置。
- 画像化対象の血管における血流速が所定の値となる時点を検出してタイミング信号を出力する同位相点検出手段が設けられ、
前記画像信号生成手段がこのタイミング信号に基づいて、血流速がほぼ最高となる時点の前記ビート成分検出信号をサンプリングして、そのビート成分検出信号を前記画像信号の生成に供するように構成されていることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の血管の画像化装置。 - 前記同位相点検出手段が、生体の脈波を検出する手段からなることを特徴とする請求項5記載の血管の画像化装置。
- 前記同位相点検出手段が、前記ホモダイン干渉光学系によるビート成分の周波数が最高周波数を取った時点を検出する手段からなることを特徴とする請求項5記載の血管の画像化装置。
- 生体に入射する計測光を発する光源手段と、
この計測光を前記生体に対して走査させる走査手段と、
前記計測光を2系統に分岐し、分岐された各計測光を生体中の共通の照射点に互いに異なる方向から入射させる一方、この照射点で反射した計測光を互いに合成する第1の光学系、およびこの第1の光学系により分岐がなされて2系統の光路を進む計測光に互いに周波数差を与える第1の周波数シフターからなる干渉光学系と、
前記計測光の一部を前記第1の光学系に入射する前の光路から分岐した後、該第1の光学系から出射した計測光と合成する第2の光学系、この第2の光学系により分岐がなされて2系統の光路を進む計測光に周波数差を与える第2の周波数シフター、および前記第2の光学系で合成された後の計測光のビート成分を検出する手段を備えてなる光ヘテロダイン検出系と、
この光ヘテロダイン検出系が出力したビート成分検出信号の、前記干渉光学系によるビート成分の周波数の値に基づいて画像信号を生成する画像信号生成手段とからなる血管の画像化装置。 - 前記画像信号生成手段が、前記干渉光学系によるビート成分の周波数が所定の閾値よりも大となるときに、生体の動脈部分を示す画像信号を生成するように構成されていることを特徴とする請求項8記載の血管の画像化装置。
- 前記画像信号生成手段が、前記干渉光学系によるビート成分の周波数が所定の閾値よりも小となるときに、生体の静脈部分を示す画像信号を生成するように構成されていることを特徴とする請求項8または9記載の血管の画像化装置。
- 前記第1の光学系により分岐された各計測光の、前記共通の照射点に対する入射の方向が変化するように、該生体と第1の光学系との相対位置を調整する位置調整手段が設けられていることを特徴とする請求項8から10いずれか1項記載の血管の画像化装置。
- 前記干渉光学系が2系統設けられて、これらの干渉光学系の一方における2系統の計測光の前記照射点への入射方向が、前記照射点に対面する面に写影されたとき該面内を一方向に延びる直線となる方向に設定され、これらの干渉光学系の他方における2系統の計測光の前記照射点への入射方向が、前記面に写影されたとき前記直線と直角になる方向に設定され、
前記画像信号生成手段が、前記2系統の干渉光学系によるビート成分の周波数偏移量をそれぞれfx,fyとしたとき、fx2+fy2 の値に基づいて画像信号を生成するように構成されていることを特徴とする請求項8から10いずれか1項記載の血管の画像化装置。 - 前記干渉光学系が2系統設けられて、これらの干渉光学系の一方における2系統の計測光の前記照射点への入射方向が、前記照射点に対面する面に写影されたとき該面内を一方向に延びる直線となる方向に設定され、これらの干渉光学系の他方における2系統の計測光の前記照射点への入射方向が、前記面に写影されたとき前記直線と角度θ(0°<θ<90°)をなす方向に設定され、
前記画像信号生成手段が、前記2系統の干渉光学系によるビート成分の周波数偏移量をそれぞれfx’,fy’としたとき、これらfx’およびfy’の値に基づいて画像信号を生成するように構成されていることを特徴とする請求項8から10いずれか1項記載の血管の画像化装置。 - 画像化対象の血管における血流速が所定の値となる時点を検出してタイミング信号を出力する同位相点検出手段が設けられ、
前記画像信号生成手段がこのタイミング信号に基づいて、血流速がほぼ最高となる時点の前記ビート成分検出信号をサンプリングして、そのビート成分検出信号を前記画像信号の生成に供するように構成されていることを特徴とする請求項8から13いずれか1項記載の血管の画像化装置。 - 前記同位相点検出手段が、生体の脈波を検出する手段からなることを特徴とする請求項14記載の血管の画像化装置。
- 前記同位相点検出手段が、前記干渉光学系によるビート成分の周波数が最高周波数を取った時点を検出する手段からなることを特徴とする請求項14記載の血管の画像化装置。
- 生体に入射する計測光を発する光源手段と、
検出する前記計測光による第1のビート成分の周波数が、血流とのドプラー効果により血流速に応じて変化するように構成された第1の干渉光学系と、
この第1の干渉光学系が検出するビート成分の周波数と異なる周波数で変調された局発光と信号光とを干渉させることにより、前記ビート成分の周波数と異なる周波数の第2のビート成分を生じさせる第2の干渉光学系と、
前記第2のビート成分によるビート信号の、前記局発光の変調周波数からの周波数偏移を測定する偏移測定手段と、
この偏移測定手段が求めた周波数偏移の大きさと所定の閾値との大小関係に基づいて、前記血流の有る血管が動脈であるか静脈であるかを識別する識別手段とからなる血管の識別装置。 - 前記第1の干渉光学系により分岐された各計測光の、共通の照射点に対する入射の方向が変化するように、前記生体と第1の干渉光学系との相対位置を調整する位置調整手段が設けられていることを特徴とする請求項17記載の血管の識別装置。
- 前記第1の干渉光学系が2系統設けられて、これらの干渉光学系の一方における2系統の計測光の照射点への入射方向が、照射点に対面する面に写影されたとき該面内を一方向に延びる直線となる方向に設定され、これらの干渉光学系の他方における2系統の計測光の前記照射点への入射方向が、前記面に写影されたとき前記直線と直角になる方向に設定され、
前記識別手段が、前記2系統の干渉光学系によるビート成分の周波数偏移量をそれぞれfx,fyとしたとき、fx2+fy2 の値に基づいて血流速と血流方向とを求めるように構成されていることを特徴とする請求項17または18記載の血管の識別装置。 - 前記第1の干渉光学系が2系統設けられて、これらの干渉光学系の一方における2系統の計測光の照射点への入射方向が、照射点に対面する面に写影されたとき該面内を一方向に延びる直線となる方向に設定され、これらの干渉光学系の他方における2系統の計測光の前記照射点への入射方向が、前記面に写影されたとき前記直線と角度θ(0°<θ<90°)をなす方向に設定され、
前記識別手段が、前記2系統の干渉光学系によるビート成分の周波数偏移量をそれぞれfx’,fy’としたとき、これらfx’およびfy’の値に基づいて血流速と血流方向とを求めるように構成されていることを特徴とする請求項17または18記載の血管の識別装置。 - 識別対象の血管における血流速が所定の値となる時点を検出してタイミング信号を出力する同位相点検出手段が設けられ、
前記識別手段がこのタイミング信号に基づいて、血流速がほぼ最高となる時点のビート成分検出信号をサンプリングして、そのビート成分検出信号を血管識別に供するように構成されていることを特徴とする請求項17から20いずれか1項記載の血管の識別装置。 - 前記同位相点検出手段が、生体の脈波を検出する手段からなることを特徴とする請求項21記載の血管の識別装置。
- 前記同位相点検出手段が、前記第1の干渉光学系によるビート成分の周波数が最高周波数を取った時点を検出する手段からなることを特徴とする請求項21記載の血管の識別装置。
- 散乱流体に入射する計測光を発する光源手段と、
検出する前記計測光による第1のビート成分の周波数が、前記散乱流体とのドプラー効果により散乱流体流速に応じて変化するように構成された第1の干渉光学系と、
この第1の干渉光学系が検出する第1のビート成分の周波数と異なる周波数で変調された局発光と信号光とを干渉させることにより、前記ビート成分の周波数と異なる周波数の第2のビート成分を生じさせる第2の干渉光学系と、
前記第2のビート成分によるビート信号の、前記局発光の変調周波数からの周波数偏移を測定する偏移測定手段とからなる周波数偏移測定装置。 - 前記第1の干渉光学系がホモダイン干渉光学系からなることを特徴とする請求項24記載の周波数偏移測定装置。
- 前記第1の干渉光学系がヘテロダイン干渉光学系からなることを特徴とする請求項24記載の周波数偏移測定装置。
- 前記偏移測定手段が、測定した周波数偏移の大きさから前記散乱流体の流速の絶対値を求めるように構成されていることを特徴とする請求項24から26いずれか1項記載の周波数偏移測定装置。
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