JP4003661B2 - Method for producing cast coated paper for inkjet recording - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はインクジェット記録用キャストコート紙に関し、特に発色性、耐水性に優れたインクジェット記録用キャストコート紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方法は、種々の機構によってインクの少滴を吐出し、紙などの記録材料上に画像や文字を形成させる記録方式であり、騒音が小さく、フルカラー化及び高速印字が可能であるなどの利点があり、近年ではインク滴の微少化やインクの改良が大幅に進んだ結果、画像の高画質化が進み、銀塩写真に迫るレベルの画像が得られるまでになった。
インクジェット記録方法の高画質化に伴い、インクジェット記録媒体にも高い特性が要望されるようになった。その特性としては、インク吸収性に優れること、印字部の記録濃度が高いこと、画像部の耐水性に優れること、高い光沢感などが上げられる。
【0003】
インクジェット記録用紙に光沢を付与する方法としては、インク受容層表面を平滑化して光沢を付与するスーパーカレンダー法や、湿潤状態又は可塑性を有している状態にあるインク受容層を加熱された鏡面状のドラム(キャストドラム)面に圧着し、そのままの状態で乾燥と同時にその鏡面を記録用紙表面に写し取るキャスト法がある。
【0004】
キャスト法には代表的なものとして以下の3つの方法がある。即ち支持体に塗布された塗工液が全く乾燥されていない状態で加熱されたキャストドラムに圧着される直接法、支持体に塗布された塗工液を一旦乾燥、又は半ば乾燥した後、再湿液により再び可塑性を有した状態に戻された後に加熱されたキャストドラムに圧着されるリウエットキャスト法、支持体に塗布された塗工液が、凝固液で処理され、流動性のないゲルの状態で加熱されたキャストドラムに圧着される凝固法である。これらのキャスト法は、何れも鏡面状のドラム表面を写し取ることで高光沢塗工層表面を得る点で共通している。
【0005】
キャスト法に用いる結着剤には、通常カゼインやポリビニルアルコール等の水溶性樹脂また、ラテックスが使用されている。
一方、画像部の耐水性改善のために、カチオン性ポリマーをインク受容層に含有させる方法が提案されている。(特許文献1〜4参照)
【特許文献1】
特開昭56−84992号公報
【特許文献2】
特開昭60−49990号公報
【特許文献3】
特開昭61−12587号公報
【特許文献4】
特開平10−879号公報(第5頁、実施例欄等)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記に上げた3つのキャスト法のうち凝固法は、塗工層がゲル化し可塑化の度合いが高いためドラムへの密着ムラが少なくドラム鏡面をきれいに転写することが可能であり、銀塩写真に匹敵する面感・光沢が得られる。
凝固法に用いる結着剤としては、キャスト塗工性が良好であり、ドラムからの剥離性、光沢の発現に優れるカゼインを用いることが好ましい。カゼインはアルカリ性下でのみ水溶液化するため、結着剤としてカゼインを用いる場合には塗料のpHを高くするように調整し、カゼインの凝集を防ぐ必要がある。
しかし、前述したカチオン性ポリマーは高pH領域で不安定であり、凝集を起こしやすい性質があるため、カゼインを含むアニオン性塗料中に添加することは困難である。このため、インク受容層中にカゼインを含有し、銀塩写真に匹敵する面感・光沢を有するキャストコート紙において、高い耐水性を持つものが望まれていた。
【0007】
従って、本発明は、カゼインを含有する塗料から形成されるインク受容層を有し、光沢を損なうことなく、画像部の耐水性に優れるインクジェット記録媒体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するために種々検討した結果、カチオン性ポリマーの中でもポリエチレンイミンにエチレンオキサイドを付加して得られるポリエチレンイミン誘導体が、カゼインを含有するインク受容層形成用塗工液中に増粘及び凝集を起こさずに添加可能であることを見出した。また、凝固液中において他のまたは同じ種類のカチオン性ポリマーを配合することで、光沢を損なうことなく、画像部の耐水性を改善することが可能であることを見出し本発明に至った。
【0009】
従って、本発明は(1)基紙の少なくとも片面に顔料と結着剤としてカゼインと第一のカチオン性ポリマーとを含有しpH8〜11である水性塗工液を布して塗工層を設けた後、カゼインを凝固させる作用を有する凝固剤と第二のカチオン性ポリマーとを含有する凝固液を前記塗工層上に塗布して凝固処理を行い、次いで前記塗工層が湿潤状態にある内に、加熱した鏡面仕上げ面に前記塗工層を圧着乾燥して、光沢を有するインク受容層を1層以上形成するインクジェット記録用キャストコート紙の製造方法であって、前記第一のカチオン性ポリマーはポリエチレンイミンにアルキレンオキサイドを付加して得られかつカチオン当量が2〜11meq/gであるポリエチレンイミン誘導体であることを特徴とするインクジェット記録用キャストコート紙の製造方法ある
【0010】
また、本発明は(2)ポリエチレンイミン誘導体の重量平均分子量が3×10〜1×10である(1)のインクジェット記録用キャストコート紙の製造方法である。また本発明は(3)インク受容層表面の75°鏡面光沢度が60%以上である(1)又は(2)のインクジェット記録用キャストコート紙の製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に用いたポリエチレンイミン誘導体は、1級、2級、3級を問わず適当なポリエチレンイミンにアルキレンオキサイドをそのままあるいは水溶性有機溶媒により希釈して、酸やアルカリ等の触媒下で加熱することで、ポリエチレンイミンにアミノ基にアルキレンオキサイドを付加して得られる。このようなポリエチレンイミン誘導体は例えば特開平11−293173号公報に記載されたポリエチレンイミン誘導体や、特開平5−51899号公報に記載されたポリアルキレンイミンのアルキレンオキシド付加体や、ポリエチレンイミンへエチレンオキサイドを付加したデンドリマー構造のポリマー(株式会社日本触媒製エポミンPAOシリーズ)等を用いることができる。
【0012】
本発明において、ポリエチレンイミン誘導体のカチオン当量は2以上11以下(meq/g solid)であり、特に4以上10以下であることが好ましい。カチオン当量が11を越えると、画像耐水性に対する効果が上がるが、水性塗工液で安定性が不充分であるため塗料の凝集が起こりやすく、インク受容層の光沢度の低下を引き起こす。凝集が重度の場合には塗工に用いることすら不可能となる。またカチオン当量が2未満であると水性塗工液の安定性に優れるが、画像耐水性に対する効果が少ない。なおカチオン当量はポリビニル硫酸カリウム溶液を用いたコロイド滴定法により求められる。なお、カチオン当量は使用するポリエチレンイミンのカチオン等量やアルキレンオキサイドの付加量等で調整することができる。
【0013】
上記ポリエチレンイミン誘導体の重量平均分子量は3×10以上1×10以下、特に1×10以上3×10以下であることが好ましい。重量平均分子量が小さいと、画像耐水性に対する効果は不充分となる傾向にある。また、重量平均分子量は大きいほど記録濃度が向上し好ましいが、1×10を越えると水溶性塗工液の安定性が不充分となる傾向がある。なお重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて求められる。
【0014】
上記ポリエチレンイミン誘導体の水性塗工液中の配合比率は、目的や基紙の種類等に応じて変更可能であり、インク受容層の光沢や画像部の耐水性、インクの発色性及びインク吸収性などの要求品質を損なわない範囲で適宜設定することが出来る。
【0015】
本発明に用いる基紙は、木材パルプ及び填料、助剤等から構成される。木材パルプとして用いることのできるものとして、公知の化学パルプ、機械パルプ、及び脱墨パルプ等が挙げられ、これら各種パルプは必要に応じて単独または併用して用いられる。上記基紙には、填料やサイズ剤、紙力増強剤、歩留まり向上剤、pH調整剤、及び各種染料等、公知の填料及び助剤を適宜選沢して内添あるいは外添することが出来る。
【0016】
インク受容層を構成する顔料としては、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、カオリン、焼成カオリン、タルク、二酸化チタン、酸化亜鉛、及び各種プラスチック顔料等公知の各種顔料が挙げられ、アニオン性水溶性塗工液の安定性が保たれる範囲で1種、又は複数種選沢して用いることができる。このうち、合成非晶質シリカ等の多孔性顔料は他の顔料と比較してインク吸収性に優れたポーラスな層を形成し、塗工層中で比較的透明となり、インクジェット記録媒体に記録を行った際にインク発色性が向上するため、好ましく用いられる。本発明の効果は顔料が合成非晶質シリカである場合、特に顕著に現れる。
【0017】
本発明においては鏡面仕上げ面からの剥離性、光沢の発現に優れることからインク受容層の結着剤としてカゼインを必須とする。カゼインはアルカリ性下でのみ水溶液化するため、結着剤としてカゼインを用いる場合には塗工液のpHを高くするように調整する。塗工液のpHはpH8〜11であればカゼインの凝集を充分防ぐことができる。その他の結着剤としては、酸化デンプン、エステル化デンプン等のデンプン類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ゼラチン、大豆蛋白等の蛋白質類、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン−ブタジエンラテックス、及びそれらの誘導体等公知の各種結着剤が挙げられ、アニオン性水溶性塗工液の安定性が保たれる範囲で1種、又は複数種を選沢して用いることができる。
【0018】
インク受容層を構成する顔料と結着剤の配合比率は、その性状、処方及び基紙に応じて変更可能であり、インク吸収性などの要求品質を損なわない範囲で適宜設定する事が出来るが、顔料100重量部に対し10〜60重量部、特に20〜50重量部であることが好ましい。
【0019】
またインク受容層には、アニオン性水溶性塗工液の安定性が保たれる範囲で、顔料分散剤、保水剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、着色剤、耐水化剤、湿潤剤、可塑剤、蛍光染料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、剥離剤、pH調整剤等の公知の助剤を適宜添加することができる。
【0020】
本発明の凝固液に用いる凝固剤としては、カゼインを凝固させる作用を有していればいずれの材料を使用することが可能であるが、例えば蟻酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、塩酸、硫酸、炭酸、等のカルシウム、亜鉛、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、バリウム、鉛、カドミウム、アンモニウム等との塩、及びホウ砂、各種ホウ酸塩等が挙げられ、1種、又は複数種選沢して用いることができる。
【0021】
また本発明においては、インク受容層中にポリエチレンイミンにアルキレンオキサイドを付加して得られるポリエチレンイミン誘導体からなるカチオン性ポリマーを配合するのみでは画像部耐水性が不充分となるため、凝固液中に第二のカチオン性ポリマーを添加する。凝固液中に添加する第二のカチオン性ポリマーとしては、ポリアミンスルホン、ポリアルキレンポリアミン、ポリアミン縮合物、ポリアリルアミン、ポリジアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン、ジシアンジアミド縮合物、カチオン性アクリル樹脂、カチオン性ウレタン樹脂等が挙げられ、1種、又は複数種選沢して用いることができる。カチオン性ポリマーは特に限定するものではないが、インク発色性、光沢性向上の点からカチオン性アクリル樹脂を用いることが好ましい。
【0022】
本発明においては、凝固液を塗布した後の湿潤状態の塗工層を、加熱した鏡面仕上げ面に圧着し乾燥することにより、記録層表面に光沢を付与する。凝固液を塗布する際の塗工層は、湿潤状態であっても乾燥状態であっても良いが、前者(塗工層が湿潤状態である内に凝固液を塗布する)の場合には鏡面仕上げ面を写し取りやすく、表面の微小な凹凸を少なくすることができるため、銀塩写真用印画紙並の光沢感を得やすい。
【0023】
基紙上に塗工層を設ける方法としては、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、ブラッシュコーター、キスコーター、スクイズコーター、カーテンコーター、ダイコーター、バーコーター、グラビアコーター、コンマコーター等の公知の塗工機を用いた方法の中から適宜選択すれば良い。凝固液を塗布する方法は、塗工層に塗布できる限り特に制限されず公知の方法(例えばロール方式、スプレー方式、カーテン方式等)の中から適宜選択して用いることができる。
【0024】
インク受容層の塗工量は、基紙の表面を覆い、かつ十分なインク吸収性が得られる範囲で任意に調整することができるが、記録濃度及びインク吸収性を両立させる観点から、片面当たり、固形分換算で5〜30g/mであることが好ましく、特に、生産性をも加味すると10〜25g/mであることが好ましい。30g/mを超えると鏡面ドラムからの剥離性が低下し、塗工層(インク受容層)が鏡面ドラムに付着するなどの問題を生じる。塗工量を多く必要とする場合には、基紙とインク受容層の間にアンダーコート層を設けても良い。
【0025】
【作用】
インクジェット記録用キャストコート紙のように、高い光沢度を要求されるものについては、インク受容層用塗工液の凝集が軽度であっても光沢度が低下するなど、塗工後の塗工層表面に及ぼす影響が大きい。本発明においてはインク受容層用塗工液の凝集が防止できるため、高光沢のインクジェット記録用キャストコート紙を得ることができると考えられる。また、カチオン性ポリマーを凝固液成分としてのみ塗布した場合、カチオン性ポリマーは表層のみに存在することになり、インク受容層全層でインクを定着することが出来ず、十分な耐水性が得ることが出来なかった。しかし、本発明においては、塗工層中にカチオン性ポリマーを含有するため、表層および全層でインクを定着することか可能となり、結果として耐水性が更に向上したインクジェット記録用キャストコート紙を得ることができたと考えられる。
【0026】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳述するが、本発明はこれによって限定されるものではない。尚、特に断らない限り以下に記載する「%」、及び「部」は、それぞれ「重量%」、「重量部」を意味する。
【0027】
<基紙の抄造>広葉樹を蒸解して得られた晒しクラフトパルプ80部、及び炭酸カルシウム(エスカロン#800:三共製粉株式会社の商品名)20部を含有するスラリーを主原料とし、長網式抄紙機を用いて坪量160g/mの基紙を得た。
【0028】
・水溶性塗工液の調整
(水溶性塗工液1)
合成非晶質シリカ(ファインシールX37B、トクヤマ製)100部、カゼイン10部、SBR(SN335R、日本A&L製)10部、水性ポリウレタン樹脂(アデカボンタイターHUX290H、旭電化製)20部、離型剤(ノプコートC−104、サンノプコ製)5部、アンモニア2部、染料定着剤として分子量2500、カチオン当量5のポリエチレンイミンエチレンオキサイド5部を混合した固形分28%、pH9.5のカラーを調製した。
【0029】
(水溶性塗工液2)
合成非晶質シリカ(ファインシールX37B、トクヤマ製)100部、カゼイン10部、SBR(SN335R、日本A&L製)10部、水性ポリウレタン樹脂(アデカボンタイターHUX290H、旭電化製)20部、離型剤(ノプコートC−104、サンノプコ製)5部、アンモニア2部、染料定着剤として分子量7000、カチオン当量5のポリエチレンイミンエチレンオキサイド5部を混合した固形分28%、pH9.5のカラーを調製した。
【0030】
(水溶性塗工液3)
合成非晶質シリカ(ファインシールX37B、トクヤマ製)100部、カゼイン10部、SBR(SN335R、日本A&L製)10部、水性ポリウレタン樹脂(アデカボンタイターHUX290H、旭電化製)20部、離型剤(ノプコートC−104、サンノプコ製)5部、アンモニア2部、染料定着剤として分子量15000、カチオン当量3のポリエチレンイミンエチレンオキサイド5部を混合した固形分28%、pH9.5のカラーを調製した。
【0031】
(水溶性塗工液4)
合成非晶質シリカ(ファインシールX37B、トクヤマ製)100部、カゼイン10部、SBR(SN335R、日本A&L製)10部、水性ポリウレタン樹脂(アデカボンタイターHUX290H、旭電化製)20部、離型剤(ノプコートC−104、サンノプコ製)5部、アンモニア2部、染料定着剤として分子量1600、カチオン当量10のポリエチレンイミンプロピレンオキサイド5部を混合した固形分28%、pH9.5のカラーを調製した。
【0032】
(水溶性塗工液5)
合成非晶質シリカ(ファインシールX37B、トクヤマ製)100部、カゼイン10部、SBR(SN335R、日本A&L製)10部、水性ポリウレタン樹脂(アデカボンタイターHUX290H、旭電化製)20部、離型剤(ノプコートC−104、サンノプコ製)5部、アンモニア2部、染料定着剤として分子量7000、カチオン当量12のポリエチレンイミンエチレンオキサイド5部を混合した固形分28%、pH9.5のカラーを調製した。
【0033】
(水溶性塗工液6)
合成非晶質シリカ(ファインシールX37B、トクヤマ製)100部、カゼイン10部、SBR(SN335R、日本A&L製)10部、水性ポリウレタン樹脂(アデカボンタイターHUX290H、旭電化製)20部、離型剤(ノプコートC−104、サンノプコ製)5部、アンモニア2部、染料定着剤として分子量15000、カチオン当量2のポリエチレンイミンエチレンオキサイド5部を混合した固形分28%、pH9.5のカラーを調製した。
【0034】
(水溶性塗工液7)
合成非晶質シリカ(ファインシールX37B、トクヤマ製)100部、カゼイン10部、SBR(SN335R、日本A&L製)10部、水性ポリウレタン樹脂(アデカボンタイターHUX290H、旭電化製)20部、離型剤(ノプコートC−104、サンノプコ製)5部、アンモニア2部、染料定着剤としてポリエチレンイミン(エポミンSP−012、日本触媒製)5部を混合した固形分28%、pH9.5のカラーを調製した。
【0035】
(水溶性塗工液8)
合成非晶質シリカ(ファインシールX37B、トクヤマ製)100部、カゼイン10部、SBR(SN335R、日本A&L製)10部、水性ポリウレタン樹脂(アデカボンタイターHUX290H、旭電化製)20部、離型剤(ノプコートC−104、サンノプコ製)5部、アンモニア2部、染料定着剤としてアリルアミン系重合物(PAS−HCl−10S、日東紡製)5部を混合した固形分28%、pH9.5のカラーを調製した。
【0036】
(水溶性塗工液9)
合成非晶質シリカ(ファインシールX37B、トクヤマ製)100部、カゼイン10部、SBR(SN335R、日本A&L製)10部、水性ポリウレタン樹脂(アデカボンタイターHUX290H、旭電化製)20部、離型剤(ノプコートC−104、サンノプコ製)5部、アンモニア2部を混合した固形分28%、pH9.5のカラーを調製した。
【0037】
(凝固液1)
蟻酸アンモニウム5%、染料定着剤としてカチオン性アクリル樹脂(サフトマーST3300、三菱化学製)5%、剥離剤(ノプコートC−104、サンノプコ製)0.5%を含む凝固液を調整した。
(凝固液2)
蟻酸アンモニウム5%、剥離剤(ノプコートC−104、サンノプコ製)0.5%を含む凝固液を調整した。
【0038】
実施例1
基紙上に水溶性塗工液1を、乾燥塗工量20g/mとなるようにロールコーターを用いて塗工し、塗工層が湿潤状態にあるうちに、凝固液1を用いて凝固させ、次いでプレスロールを介して105℃に加熱されたキャストドラムに圧着して鏡面を写し取り、乾燥してインクジェット記録用キャストコート紙を製造した。
実施例2
水溶性塗工液2を塗布した以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録用キャストコート紙を製造した。
【0039】
実施例3
水溶性塗工液3を塗布した以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録用キャストコート紙を製造した。
実施例4
水溶性塗工液4を塗布した以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録用キャストコート紙を製造した。
【0040】
比較例5
水溶性塗工液5を塗布した以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録用キャストコート紙を製造した。
【0041】
実施例6
水溶性塗工液6を塗布した以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録用キャストコート紙を製造した。
【0042】
比較例1
水溶性塗工液7を調整したが、凝集物発生により塗工が不可能であった。
比較例2
水溶性塗工液8を調整したが、凝集物発生により塗工が不可能であった。
【0043】
比較例3
水溶性塗工液9を塗布した以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録用キャストコート紙を製造した。
比較例4
基紙上に水溶性塗工液1を、乾燥塗工量20g/mとなるようにロールコーターを用いて塗工し、塗工層が湿潤状態にあるうちに、凝固液2を用いて凝固させ、次いでプレスロールを介して105℃に加熱されたキャストドラムに圧着して鏡面を写し取り、乾燥してインクジェット記録用キャストコート紙を製造した。
【0044】
実施例1〜6比較例3,4で得られたインクジェット記録用キャストコート紙を書きに示す評価方法により評価した。結果を表1にまとめる。
(1)75°鏡面光沢度
JIS Z8741の方法に準じて、インクジェット記録媒体のインク受容層表面の75°鏡面光沢度を測定した。
(2)記録濃度
インクジェットプリンター(PM−950C:セイコーエプソン社製)を用いて2880dpiの解像度にてブラック、シアン、マゼンダ、イエローの4色ベタパターンをインクジェット記録媒体に印字し、その記録濃度をマクベス濃度計にて測定した。
(3)画像耐水性
インクジェットプリンター(PM−950C:セイコーエプソン社製)を用いて2880dpiの解像度にて適当な文字ををインクジェット記録媒体に印字し、印字1時間後に印字部へ水を1滴滴下し、文字の滲みを下記の基準にて目視評価した。
○:滲みが殆ど認められない。
△:滲みがやや認められる。
×:滲みが著しく認められる。
【0045】
【表1】

Figure 0004003661
【0046】
本発明である実施例1〜のインクジェット記録用キャストコート紙においては充分な性能を有していた。実施例3、5はポリエチレンイミン誘導体のカチオン当量が低いため、若干耐水性が劣っていた。
【0047】
一方、比較例1、2は塗工液中に添加したカチオン性ポリマーがポリエチレンイミン誘導体では無いため、凝集物が多量に発生し、塗料調整そのものが不可能であった。また、比較例3は塗工液中にカチオン性ポリマーを添加していないため、耐水性が不充分であった。さらに、凝固液にカチオン性ポリマーを配合しない比較例4においては光沢度、耐水性共に不十分であった。また、比較例5はポリエチレンイミン誘導体のカチオン当量が高すぎたため、若干凝集物が発生し、75°鏡面光沢度の低下が見られた
【0048】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、従来光沢性と画像耐水性の両立が困難であったカゼイン含有のインク受容層を有するインクジェット記録用キャストコート紙であっても、光沢を損なうことなく、画像部の耐水性を向上することができる。更に、画像部の記録濃度は高く、記録画質も向上する。[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to a cast-coated paper for ink-jet recording, and particularly to a cast-coated paper for ink-jet recording excellent in color development and water resistance.
[0002]
[Prior art]
The ink jet recording method is a recording method in which small droplets of ink are ejected by various mechanisms to form images and characters on a recording material such as paper. Noise is low, and full color and high speed printing are possible. In recent years, as a result of the drastic reduction of ink droplets and the improvement of ink, the image quality has been improved, and an image on a level approaching that of a silver salt photograph has been obtained.
With the improvement in image quality of ink jet recording methods, high characteristics have been demanded for ink jet recording media. The characteristics include excellent ink absorptivity, high recording density of the printed part, excellent water resistance of the image part, and high glossiness.
[0003]
Examples of a method for imparting gloss to ink jet recording paper include a super calender method for smoothing the surface of an ink receiving layer to impart gloss, or a mirror-like shape in which an ink receiving layer in a wet or plastic state is heated. There is a casting method in which the surface of the recording sheet is pressed onto the surface of the drum (cast drum), and the mirror surface is copied onto the surface of the recording paper as it is dried.
[0004]
There are three typical casting methods as follows. That is, a direct method in which the coating liquid applied to the support is pressure-bonded to a heated cast drum in a state in which the coating liquid is not dried at all; Rewet casting method in which the liquid is returned to a plastic state again with a wet liquid and then pressed onto a heated cast drum, and the coating liquid applied to the support is treated with a coagulating liquid, and the gel has no fluidity. It is a coagulation method in which it is pressure-bonded to a cast drum heated in the state of. These casting methods are common in that a high gloss coating layer surface is obtained by copying a mirror-like drum surface.
[0005]
As the binder used in the casting method, water-soluble resins such as casein and polyvinyl alcohol, and latex are usually used.
On the other hand, in order to improve the water resistance of the image area, a method of incorporating a cationic polymer in the ink receiving layer has been proposed. (See Patent Documents 1 to 4)
[Patent Document 1]
JP-A-56-84992 [Patent Document 2]
JP-A-60-49990 [Patent Document 3]
Japanese Patent Laid-Open No. 61-12587 [Patent Document 4]
Japanese Patent Laid-Open No. 10-879 (Page 5, Example column, etc.)
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
Among the three casting methods raised above, the solidification method has a coating layer that gels and the degree of plasticization is high, so there is little uneven adhesion to the drum and the mirror surface of the drum can be transferred cleanly. A comparable feel and gloss can be obtained.
As the binder used in the coagulation method, it is preferable to use casein which has good cast coatability and is excellent in releasability from a drum and expression of gloss. Since casein is made into an aqueous solution only under alkaline conditions, when casein is used as a binder, it is necessary to adjust the pH of the paint to be high to prevent casein aggregation.
However, since the above-mentioned cationic polymer is unstable in a high pH region and has a property of easily causing aggregation, it is difficult to add it to an anionic paint containing casein. For this reason, cast-coated paper containing casein in the ink-receiving layer and having a surface feel and gloss comparable to silver salt photographs has been desired to have high water resistance.
[0007]
Accordingly, an object of the present invention is to provide an ink jet recording medium having an ink receiving layer formed from a paint containing casein and having excellent water resistance of an image area without impairing gloss.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
As a result of various studies conducted by the present inventors to solve the above problems, among the cationic polymers, a polyethyleneimine derivative obtained by adding ethylene oxide to polyethyleneimine is a casein-containing coating for forming an ink receiving layer. It was found that the liquid can be added without causing thickening and aggregation in the liquid. Further, the present inventors have found that the water resistance of the image portion can be improved without impairing the gloss by blending other or the same kind of cationic polymer in the coagulation liquid.
[0009]
Therefore, at least on one side of the present invention (1) base paper, coating an aqueous coating liquid was coated fabric is p H8~11 containing casein and a first cationic polymer as a pigment and a binder after providing the layer, the coagulation liquid containing a coagulant and a second cationic polymer having an action of coagulating the casein, have rows coagulated by applying the coating layer, and then the coating layer Is a method for producing a cast-coated paper for ink jet recording , wherein the coating layer is pressure-dried on a heated mirror-finished surface to form one or more glossy ink-receiving layers. The first cationic polymer is a polyethyleneimine derivative obtained by adding an alkylene oxide to polyethyleneimine and having a cation equivalent of 2 to 11 meq / g. This is a method for producing cast-coated paper.
[0010]
The present invention also relates to (2) a method for producing a cast coated paper for ink jet recording according to (1), wherein the polyethyleneimine derivative has a weight average molecular weight of 3 × 10 2 to 1 × 10 5 . The present invention is also (3) the method for producing a cast-coated paper for ink jet recording according to (1) or (2), wherein the 75 ° specular glossiness of the surface of the ink receiving layer is 60% or more.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The polyethyleneimine derivative used in the present invention is heated in an appropriate polyethyleneimine, whether primary, secondary, or tertiary, with an alkylene oxide as it is or diluted with a water-soluble organic solvent, under a catalyst such as acid or alkali. Thus, it is obtained by adding an alkylene oxide to an amino group to polyethyleneimine. Such polyethyleneimine derivatives include, for example, polyethyleneimine derivatives described in JP-A No. 11-293173, alkylene oxide adducts of polyalkyleneimines described in JP-A No. 5-51899, and ethylene oxide to polyethyleneimine. A polymer having a dendrimer structure to which is added (Epomin PAO series manufactured by Nippon Shokubai Co., Ltd.) or the like can be used.
[0012]
In the present invention, the cation equivalent of the polyethyleneimine derivative is 2 or more and 11 or less (meq / g solid), and particularly preferably 4 or more and 10 or less. When the cation equivalent exceeds 11, the effect on the water resistance of the image is improved, but since the stability is insufficient with the aqueous coating solution, the paint is likely to aggregate and the glossiness of the ink receiving layer is lowered. If the agglomeration is severe, it cannot even be used for coating. On the other hand, if the cation equivalent is less than 2, the aqueous coating solution is excellent in stability, but has little effect on the image water resistance. The cation equivalent is determined by a colloid titration method using a polyvinyl potassium sulfate solution. The cation equivalent can be adjusted by the cation equivalent of polyethyleneimine used, the addition amount of alkylene oxide, or the like.
[0013]
The polyethyleneimine derivative preferably has a weight average molecular weight of 3 × 10 2 or more and 1 × 10 5 or less, particularly 1 × 10 3 or more and 3 × 10 4 or less. If the weight average molecular weight is small, the effect on image water resistance tends to be insufficient. Further, the larger the weight average molecular weight, the better the recording density, which is preferable. However, if it exceeds 1 × 10 5 , the stability of the water-soluble coating solution tends to be insufficient. The weight average molecular weight is determined using gel permeation chromatography (GPC).
[0014]
The blending ratio of the polyethyleneimine derivative in the aqueous coating solution can be changed according to the purpose and the type of the base paper, etc., and the glossiness of the ink receiving layer, the water resistance of the image area, the color developability of the ink, and the ink absorptivity. It can be set appropriately within a range that does not impair the required quality.
[0015]
The base paper used in the present invention is composed of wood pulp, fillers, auxiliaries and the like. Examples of wood pulp that can be used include known chemical pulp, mechanical pulp, and deinked pulp. These various pulps are used alone or in combination as required. The above-mentioned base paper can be internally added or externally added by appropriately selecting known fillers and auxiliaries such as fillers, sizing agents, paper strength enhancers, yield improvers, pH adjusters, and various dyes. .
[0016]
Known pigments constituting the ink receiving layer include synthetic amorphous silica, colloidal silica, alumina, calcium carbonate, magnesium carbonate, aluminum hydroxide, kaolin, calcined kaolin, talc, titanium dioxide, zinc oxide, and various plastic pigments. These pigments can be used, and one or more pigments can be selected and used as long as the stability of the anionic water-soluble coating liquid is maintained. Among these, porous pigments such as synthetic amorphous silica form a porous layer with excellent ink absorbability compared to other pigments, become relatively transparent in the coating layer, and record on an ink jet recording medium. This is preferably used because the ink coloring property is improved. The effect of the present invention is particularly prominent when the pigment is synthetic amorphous silica.
[0017]
In the present invention, casein is indispensable as a binder for the ink-receiving layer because it is excellent in releasability from the mirror-finished surface and gloss. Since casein is made into an aqueous solution only under alkaline conditions, when casein is used as a binder, the pH of the coating solution is adjusted to be high. If the pH of the coating solution is pH 8 to 11, aggregation of casein can be sufficiently prevented. Other binders include starches such as oxidized starch and esterified starch, cellulose derivatives such as carboxymethylcellulose and hydroxyethylcellulose, proteins such as gelatin and soybean protein, polyvinyl alcohol, polyvinylpyrrolidone, acrylic resin, styrene-acrylic Various known binders such as resins, vinyl acetate resins, vinyl chloride resins, urea resins, urethane resins, alkyd resins, polyester resins, polycarbonate resins, styrene-butadiene latex, and derivatives thereof may be mentioned. One or more types can be selected and used as long as the stability of the working fluid is maintained.
[0018]
The blending ratio of the pigment and the binder constituting the ink receiving layer can be changed according to the properties, prescription and base paper, and can be appropriately set within a range that does not impair the required quality such as ink absorbency. The amount is preferably 10 to 60 parts by weight, more preferably 20 to 50 parts by weight, based on 100 parts by weight of the pigment.
[0019]
The ink receiving layer has a pigment dispersant, water retention agent, thickener, antifoaming agent, preservative, colorant, water resistance agent, wetting as long as the stability of the anionic water-soluble coating liquid is maintained. Known auxiliary agents such as an agent, a plasticizer, a fluorescent dye, an ultraviolet absorber, an antioxidant, a release agent, and a pH adjuster can be added as appropriate.
[0020]
As the coagulant used in the coagulation liquid of the present invention, any material can be used as long as it has an action of coagulating casein. For example, formic acid, acetic acid, citric acid, tartaric acid, lactic acid, hydrochloric acid, Examples include salts with calcium, zinc, magnesium, sodium, potassium, barium, lead, cadmium, ammonium, etc. such as sulfuric acid, carbonic acid, borax, various borates, etc. Can be used.
[0021]
In the present invention, the water resistance of the image area is insufficient only by adding a cationic polymer comprising a polyethyleneimine derivative obtained by adding an alkylene oxide to polyethyleneimine in the ink receiving layer. Add a second cationic polymer. As the second cationic polymer to be added to the coagulation liquid, polyamine sulfone, polyalkylene polyamine, polyamine condensate, polyallylamine, polydiallylamine, polyvinylamine, polyethyleneimine, dicyandiamide condensate, cationic acrylic resin, cationic urethane Examples thereof include resins and the like, and one kind or plural kinds can be selected and used. The cationic polymer is not particularly limited, but it is preferable to use a cationic acrylic resin from the viewpoint of improving ink color development and gloss.
[0022]
In the present invention, the wet coating layer after the application of the coagulating liquid is pressed against a heated mirror-finished surface and dried to give gloss to the recording layer surface. The coating layer when applying the coagulating liquid may be wet or dry, but in the former case (the coagulating liquid is applied while the coating layer is wet), the mirror surface It is easy to copy the finished surface, and the surface can be reduced in minute irregularities, so that it is easy to obtain glossiness equivalent to silver salt photographic printing paper.
[0023]
As a method of providing a coating layer on the base paper, known coating machines such as blade coaters, air knife coaters, roll coaters, brush coaters, kiss coaters, squeeze coaters, curtain coaters, die coaters, bar coaters, gravure coaters, comma coaters, etc. What is necessary is just to select suitably from the methods using this. The method for applying the coagulating liquid is not particularly limited as long as it can be applied to the coating layer, and can be appropriately selected from known methods (for example, roll method, spray method, curtain method, etc.).
[0024]
The coating amount of the ink receiving layer can be arbitrarily adjusted within the range that covers the surface of the base paper and sufficient ink absorbency is obtained, but from the viewpoint of achieving both recording density and ink absorbency, is preferably 5 to 30 g / m 2 in terms of solid content, in particular, when considering also the productivity is preferably 10 to 25 g / m 2. If it exceeds 30 g / m 2 , the peelability from the mirror drum is lowered, and problems such as the coating layer (ink receiving layer) adhering to the mirror drum occur. When a large amount of coating is required, an undercoat layer may be provided between the base paper and the ink receiving layer.
[0025]
[Action]
For those that require high gloss, such as cast-coated paper for inkjet recording, the coating layer after coating is reduced, such as a decrease in gloss even if the coating liquid for the ink-receiving layer is lightly aggregated. The effect on the surface is large. In the present invention, since the aggregation of the ink receiving layer coating solution can be prevented, it is considered that a cast coated paper for inkjet recording with high gloss can be obtained. In addition, when the cationic polymer is applied only as a coagulating liquid component, the cationic polymer exists only on the surface layer, and the ink cannot be fixed in the entire ink receiving layer, and sufficient water resistance can be obtained. I couldn't. However, in the present invention, since the coating layer contains a cationic polymer, it is possible to fix the ink in the surface layer and all layers, and as a result, a cast coated paper for ink jet recording having further improved water resistance is obtained. It is thought that it was possible.
[0026]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention further in full detail, this invention is not limited by this. Unless otherwise specified, “%” and “parts” described below mean “% by weight” and “parts by weight”, respectively.
[0027]
<Making of base paper> Mainly made of slurry containing 80 parts of bleached kraft pulp obtained by digesting hardwood and 20 parts of calcium carbonate (Escalon # 800: trade name of Sankyo Flour Milling Co., Ltd.) A base paper having a basis weight of 160 g / m 2 was obtained using a paper machine.
[0028]
・ Adjustment of water-soluble coating liquid (water-soluble coating liquid 1)
100 parts of synthetic amorphous silica (Fine Seal X37B, manufactured by Tokuyama), 10 parts of casein, 10 parts of SBR (SN335R, manufactured by Nippon A & L), 20 parts of aqueous polyurethane resin (Adekabon titer HUX290H, manufactured by Asahi Denka), release agent A color having a solid content of 28% and a pH of 9.5 was prepared by mixing 5 parts (Nopcoat C-104, manufactured by San Nopco), 2 parts ammonia, 5 parts polyethyleneimine ethylene oxide having a molecular weight of 2500 and a cation equivalent of 5 as a dye fixing agent.
[0029]
(Water-soluble coating solution 2)
100 parts of synthetic amorphous silica (Fine Seal X37B, manufactured by Tokuyama), 10 parts of casein, 10 parts of SBR (SN335R, manufactured by Nippon A & L), 20 parts of aqueous polyurethane resin (Adekabon titer HUX290H, manufactured by Asahi Denka), release agent A color having a solid content of 28% and a pH of 9.5 was prepared by mixing 5 parts (Nopcoat C-104, manufactured by San Nopco), 2 parts of ammonia, and 5 parts of polyethyleneimine ethylene oxide having a molecular weight of 7000 and a cation equivalent of 5 as a dye fixing agent.
[0030]
(Water-soluble coating solution 3)
100 parts of synthetic amorphous silica (Fine Seal X37B, manufactured by Tokuyama), 10 parts of casein, 10 parts of SBR (SN335R, manufactured by Nippon A & L), 20 parts of aqueous polyurethane resin (Adekabon titer HUX290H, manufactured by Asahi Denka), release agent A color having a solid content of 28% and a pH of 9.5 was prepared by mixing 5 parts (Nopcoat C-104, manufactured by San Nopco), 2 parts of ammonia, and 5 parts of polyethyleneimine ethylene oxide having a molecular weight of 15000 and a cation equivalent of 3 as a dye fixing agent.
[0031]
(Water-soluble coating solution 4)
100 parts of synthetic amorphous silica (Fine Seal X37B, manufactured by Tokuyama), 10 parts of casein, 10 parts of SBR (SN335R, manufactured by Nippon A & L), 20 parts of aqueous polyurethane resin (Adekabon titer HUX290H, manufactured by Asahi Denka), release agent A color having a solid content of 28% and a pH of 9.5 was prepared by mixing 5 parts (Nopcoat C-104, manufactured by San Nopco), 2 parts of ammonia, and 5 parts of polyethyleneimine propylene oxide having a molecular weight of 1600 and a cation equivalent of 10 as a dye fixing agent.
[0032]
(Water-soluble coating solution 5)
100 parts of synthetic amorphous silica (Fine Seal X37B, manufactured by Tokuyama), 10 parts of casein, 10 parts of SBR (SN335R, manufactured by Nippon A & L), 20 parts of aqueous polyurethane resin (Adekabon titer HUX290H, manufactured by Asahi Denka), release agent A color having a solid content of 28% and a pH of 9.5 was prepared by mixing 5 parts (Nopcoat C-104, manufactured by San Nopco), 2 parts of ammonia, and 5 parts of polyethyleneimine ethylene oxide having a molecular weight of 7000 and a cation equivalent of 12 as a dye fixing agent.
[0033]
(Water-soluble coating solution 6)
100 parts of synthetic amorphous silica (Fine Seal X37B, manufactured by Tokuyama), 10 parts of casein, 10 parts of SBR (SN335R, manufactured by Nippon A & L), 20 parts of aqueous polyurethane resin (Adekabon titer HUX290H, manufactured by Asahi Denka), release agent A color having a solid content of 28% and a pH of 9.5 was prepared by mixing 5 parts (Nopcoat C-104, manufactured by San Nopco), 2 parts of ammonia, and 5 parts of polyethyleneimine ethylene oxide having a molecular weight of 15000 and a cation equivalent of 2 as a dye fixing agent.
[0034]
(Water-soluble coating solution 7)
100 parts of synthetic amorphous silica (Fine Seal X37B, manufactured by Tokuyama), 10 parts of casein, 10 parts of SBR (SN335R, manufactured by Nippon A & L), 20 parts of aqueous polyurethane resin (Adekabon titer HUX290H, manufactured by Asahi Denka), release agent (Nopcoat C-104, manufactured by San Nopco) 5 parts, 2 parts of ammonia, and 5 parts of polyethyleneimine (Epomin SP-012, manufactured by Nippon Shokubai) as a dye fixing agent were mixed to prepare a color having a solid content of 28% and a pH of 9.5. .
[0035]
(Water-soluble coating solution 8)
100 parts of synthetic amorphous silica (Fine Seal X37B, manufactured by Tokuyama), 10 parts of casein, 10 parts of SBR (SN335R, manufactured by Nippon A & L), 20 parts of aqueous polyurethane resin (Adekabon titer HUX290H, manufactured by Asahi Denka), release agent (Nopcoat C-104, manufactured by San Nopco) 5 parts, ammonia 2 parts, mixed with 5 parts of an allylamine polymer (PAS-HCl-10S, manufactured by Nittobo) as a dye fixing agent, solid content 28%, pH 9.5 color Was prepared.
[0036]
(Water-soluble coating solution 9)
100 parts of synthetic amorphous silica (Fine Seal X37B, manufactured by Tokuyama), 10 parts of casein, 10 parts of SBR (SN335R, manufactured by Nippon A & L), 20 parts of aqueous polyurethane resin (Adekabon titer HUX290H, manufactured by Asahi Denka), release agent A color having a solid content of 28% and a pH of 9.5 was prepared by mixing 5 parts (Nopcoat C-104, manufactured by San Nopco) and 2 parts of ammonia.
[0037]
(Coagulation liquid 1)
A coagulation liquid containing 5% ammonium formate, 5% cationic acrylic resin (Saftamer ST3300, manufactured by Mitsubishi Chemical) as a dye fixing agent, and 0.5% release agent (Nopcoat C-104, manufactured by San Nopco) was prepared.
(Coagulation liquid 2)
A coagulating liquid containing 5% ammonium formate and 0.5% release agent (Nopcoat C-104, manufactured by San Nopco) was prepared.
[0038]
Example 1
The water-soluble coating solution 1 is coated on the base paper using a roll coater so that the dry coating amount is 20 g / m 2, and solidified using the coagulation solution 1 while the coating layer is in a wet state. Then, it was pressed against a cast drum heated to 105 ° C. through a press roll, the mirror surface was copied, and dried to produce a cast coated paper for ink jet recording.
Example 2
A cast coated paper for inkjet recording was produced in the same manner as in Example 1 except that the water-soluble coating liquid 2 was applied.
[0039]
Example 3
A cast coated paper for inkjet recording was produced in the same manner as in Example 1 except that the water-soluble coating liquid 3 was applied.
Example 4
A cast coated paper for inkjet recording was produced in the same manner as in Example 1 except that the water-soluble coating liquid 4 was applied.
[0040]
Comparative Example 5
A cast coated paper for inkjet recording was produced in the same manner as in Example 1 except that the water-soluble coating liquid 5 was applied.
[0041]
Example 6
A cast coated paper for inkjet recording was produced in the same manner as in Example 1 except that the water-soluble coating liquid 6 was applied.
[0042]
Comparative Example 1
The water-soluble coating solution 7 was prepared, but coating was impossible due to the generation of aggregates.
Comparative Example 2
The water-soluble coating solution 8 was prepared, but coating was impossible due to the generation of aggregates.
[0043]
Comparative Example 3
A cast coated paper for inkjet recording was produced in the same manner as in Example 1 except that the water-soluble coating liquid 9 was applied.
Comparative Example 4
The water-soluble coating liquid 1 is coated on the base paper using a roll coater so that the dry coating amount is 20 g / m 2, and solidified using the coagulating liquid 2 while the coating layer is in a wet state. Then, it was pressed against a cast drum heated to 105 ° C. through a press roll, the mirror surface was copied, and dried to produce a cast coated paper for ink jet recording.
[0044]
Examples 1 to 6 The cast-coated paper for ink jet recording obtained in Comparative Examples 3 and 4 was evaluated by the evaluation method shown in the drawing. The results are summarized in Table 1.
(1) 75 ° specular glossiness The 75 ° specular glossiness of the ink receiving layer surface of the inkjet recording medium was measured according to the method of JIS Z8741.
(2) Recording density A four-color solid pattern of black, cyan, magenta and yellow is printed on an inkjet recording medium at a resolution of 2880 dpi using an inkjet printer (PM-950C: manufactured by Seiko Epson Corporation), and the recording density is set to Macbeth. Measured with a densitometer.
(3) Using an image water-resistant ink jet printer (PM-950C: manufactured by Seiko Epson Corporation), an appropriate character is printed on an ink jet recording medium at a resolution of 2880 dpi, and one drop of water is dropped on the printing part 1 hour after printing. Then, the bleeding of characters was visually evaluated according to the following criteria.
○: Bleeding is hardly observed.
Δ: Slight bleeding is observed.
X: Significant bleeding is observed.
[0045]
[Table 1]
Figure 0004003661
[0046]
The cast coated paper for ink jet recording of Examples 1 to 5 according to the present invention had sufficient performance . Real施例3,5 has a low cation equivalent of polyethyleneimine derivative, was inferior slightly water resistance.
[0047]
On the other hand, in Comparative Examples 1 and 2, since the cationic polymer added to the coating solution was not a polyethyleneimine derivative, a large amount of agglomerates were generated, and coating preparation itself was impossible. In Comparative Example 3, the cationic polymer was not added to the coating solution, so that the water resistance was insufficient. Furthermore, in Comparative Example 4 in which the cationic polymer was not added to the coagulation liquid, both glossiness and water resistance were insufficient. In Comparative Example 5, since the cation equivalent of the polyethyleneimine derivative was too high, some aggregates were generated and a 75 ° specular gloss reduction was observed .
[0048]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, even in the case of a cast-coated paper for ink jet recording having a casein-containing ink-receiving layer that has been difficult to achieve both glossiness and image water resistance, the image can be obtained without impairing the glossiness. The water resistance of the part can be improved. Further, the recording density of the image portion is high, and the recording image quality is improved.

Claims (3)

基紙の少なくとも片面に顔料と結着剤としてカゼインと第一のカチオン性ポリマーとを含有しpH8〜11である水性塗工液を布して塗工層を設けた後、カゼインを凝固させる作用を有する凝固剤と第二のカチオン性ポリマーとを含有する凝固液を前記塗工層上に塗布して凝固処理を行い、次いで前記塗工層が湿潤状態にある内に、加熱した鏡面仕上げ面に前記塗工層を圧着乾燥して、光沢を有するインク受容層を1層以上形成するインクジェット記録用キャストコート紙の製造方法であって、前記第一のカチオン性ポリマーはポリエチレンイミンにアルキレンオキサイドを付加して得られかつカチオン当量が2〜11meq/gであるポリエチレンイミン誘導体であることを特徴とするインクジェット記録用キャストコート紙の製造方法On at least one surface of the base paper, after providing a coating layer of an aqueous coating liquid was coated fabric is p H8~11 containing casein and a first cationic polymer as a pigment and a binder, a casein coagulation solution containing a coagulant having a function of coagulating and the second cationic polymer, the coating had a row coagulation process is applied onto layer, then within it said coating layer is in a wet state, A method for producing a cast-coated paper for ink-jet recording , wherein the coated layer is pressed and dried on a heated mirror-finished surface to form one or more glossy ink-receiving layers , wherein the first cationic polymer is polyethylene Production of cast-coated paper for ink-jet recording, which is a polyethyleneimine derivative obtained by adding alkylene oxide to imine and having a cation equivalent of 2 to 11 meq / g Way . 前記ポリエチレンイミン誘導体の重量平均分子量が3×10〜1×10である請求項1に記載されたインクジェット記録用キャストコート紙の製造方法The method for producing a cast-coated paper for inkjet recording according to claim 1, wherein the polyethyleneimine derivative has a weight average molecular weight of 3 x 10 2 to 1 x 10 5 . 前記インク受容層表面の75°鏡面光沢度が60%以上である請求項1または2に記載されたインクジェット記録用キャストコート紙の製造方法The method for producing a cast-coated paper for ink jet recording according to claim 1 or 2, wherein the 75 ° specular glossiness of the surface of the ink receiving layer is 60% or more.
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